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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007860
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】積載ラック
(51)【国際特許分類】
   B65D 61/00 20060101AFI20240112BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D61/00 G
B65D61/00 E
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109225
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 孝
(72)【発明者】
【氏名】松井 友香
【テーマコード(参考)】
2E174
3E085
【Fターム(参考)】
2E174EA02
3E085AA03
3E085AA10
3E085AB03
3E085AC04
3E085AC06
3E085AC07
3E085AD02
3E085AD06
(57)【要約】
【課題】建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラックを提供する。
【解決手段】積載ラック1は、建築用部材2を積載した状態で運搬可能なラックである。積載ラック1は、その四隅に配置され、上下方向に延びている支柱部材20と、積載ラックの長さ方向に延びて支柱部材同士を連結する一対の連結部材30と、積載ラックの幅方向に延びて支柱部材同士を連結し、建築用部材2を載置する一対の受け部材40と、を備えている。連結部材30は、その延出方向の両端部に形成され、支柱部材20の側方部分に設けられた被係合部23に対し、上下方向に着脱可能に係合する係合部32を有している。受け部材40は、その延出方向の両端部に形成され、支柱部材20の側方部分に設けられた第2被係合部24に対し、上下方向に着脱可能に係合する第2係合部42を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、
前記積載ラックの少なくとも四隅に配置され、上下方向に延びている支柱部材と、
前記積載ラックの長さ方向及び幅方向のうち一方の方向に延びて、前記支柱部材同士を連結する一対の連結部材と、
前記長さ方向及び幅方向のうち他方の方向に延びて、前記支柱部材同士又は前記連結部材同士を連結し、前記建築用部材を載置するための一対の受け部材と、を備え、
前記連結部材は、該連結部材の延出方向の両端部にそれぞれ形成され、前記支柱部材の側方部分に設けられた被係合部に対し、上下方向に着脱可能に係合する係合部を有し、
前記受け部材は、該受け部材の延出方向の両端部にそれぞれ形成され、前記支柱部材又は前記連結部材の側方部分に設けられた第2被係合部に対し、上下方向に着脱可能に係合する第2係合部を有していることを特徴とする積載ラック。
【請求項2】
前記係合部は、前記支柱部材の側面に設けられた前記被係合部に着脱可能に係合し、
前記第2係合部は、前記支柱部材の側面において前記被係合部とは異なる面に設けられた前記第2被係合部に着脱可能に係合し、
前記被係合部と前記第2被係合部とが共通の係合方式を有し、
前記係合部、前記第2係合部が、それぞれ前記被係合部又は前記第2被係合部に対して着脱可能に係合することを特徴とする請求項1に記載の積載ラック。
【請求項3】
前記係合部は、前記被係合部に対し上方から係合する係合凸部であって、
前記被係合部は、
前記係合凸部に係合する係合穴部であって、
前記支柱部材の側面から外側に突出する一対の側壁部と、
前記一対の側壁部の突出端部を連結する連結壁部と、を有し、
前記連結部材の延出方向の端部が前記支柱部材の側面に当接した状態で、前記係合凸部が前記係合穴部に係合していることを特徴とする請求項1に記載の積載ラック。
【請求項4】
前記支柱部材を下方から支持するベース部材をさらに備え、
前記支柱部材は、該支柱部材の下方部分に形成され、前記ベース部材の上方部分に設けられた被嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する嵌合部を有し、
前記嵌合部は、閉断面を有する嵌合凸部であって、
前記被嵌合部は、閉断面を有する嵌合凹部であって、前記嵌合凸部を囲むようにして前記嵌合凸部に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の積載ラック。
【請求項5】
前記嵌合凸部は、閉断面を有する凸部本体と、該凸部本体の外側面から外側に突出する突起と、を有し、
前記嵌合凹部は、閉断面を有する凹部本体と、該凹部本体の上端部に形成され、前記突起を挿通させ、前記突起を支持するための支持溝と、を有していることを特徴とする請求項4に記載の積載ラック。
【請求項6】
前記支柱部材を下方から支持するベース部材と、
前記ベース部材と前記支柱部材の間に介在し、前記ベース部材に対する前記支柱部材の取り付け位置を前記積載ラックの長さ方向又は幅方向の外側へ位置変更するための拡張部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積載ラック。
【請求項7】
前記支柱部材は、該支柱部材の下方部分に形成され、前記ベース部材の上方部分に設けられた被嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する嵌合部を有し、
前記拡張部材は、
前記ベース部材の前記被嵌合部に上下方向に着脱可能に嵌合する共通嵌合部と、
前記共通嵌合部よりも前記積載ラックの長さ方向又は幅方向の外側位置に設けられ、前記支柱部材の前記嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する共通被嵌合部と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の積載ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載ラックに係り、特に、建築用部材を積載した状態で当該建築用部材を運搬可能な積載ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場にて製造された建築用パネルや木製の施工用部材を運搬するために、これら建築用パネルや施工用部材を積載することが可能な積載ラックが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
具体的な積載、運搬方法について説明すると、まず工場の製造ラインから取り出された建築用パネルや施工用部材は、積載ラックに平積みされた状態で工場内に保管される。このとき、施工用部材は、パレット上に集積され、バンド等で固定された状態で平積みされることが多い。その後、トラック等によって、そのまま積載ラックに平積みされた状態で積み込まれ、施工現場に運搬される。
運搬された建築用パネルや施工用部材は、施工現場に据え付けられたレッカー等によって積み下ろされ、施工現場に保管される。なお、積載ラックは工場へ回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-89567号公報
【特許文献2】特開2021-123865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2のような積載ラックにおいては、当該積載ラックの構成部品同士をボルト締結(ボルト接合)することで積載ラックを組み立てることとしていた。
ボルト締結による積載ラックの組み立て作業は、比較的作業時間を要し、建築用部材の積載、運搬に要する作業時間が増大してしまう虞があった。そのため、建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラックが求められていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラックを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、従来よりも容易に組み立てることが可能な積載ラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の積載ラックによれば、建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、前記積載ラックの少なくとも四隅に配置され、上下方向に延びている支柱部材と、前記積載ラックの長さ方向及び幅方向のうち一方の方向に延びて、前記支柱部材同士を連結する一対の連結部材と、前記長さ方向及び幅方向のうち他方の方向に延びて、前記支柱部材同士又は前記連結部材同士を連結し、前記建築用部材を載置するための一対の受け部材と、を備え、前記連結部材は、該連結部材の延出方向の両端部にそれぞれ形成され、前記支柱部材の側方部分に設けられた被係合部に対し、上下方向に着脱可能に係合する係合部を有し、前記受け部材は、該受け部材の延出方向の両端部にそれぞれ形成され、前記支柱部材又は前記連結部材の側方部分に設けられた第2被係合部に対し、上下方向に着脱可能に係合する第2係合部を有していること、により解決される。
上記構成により、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラックを実現することができる。
詳しく述べると、本発明の積載ラックであれば、当該積載ラックの構成部品となる支柱部材、連結部材、受け部材を互いに着脱可能に係合させることができる。つまり、ボルト締結による積載ラックの組み立て作業を不要とする(極力不要とする)ことができる。
そのため、従来よりも容易に組み立てることが可能な積載ラックとなる。
【0007】
このとき、前記係合部は、前記支柱部材の側面に設けられた前記被係合部に着脱可能に係合し、前記第2係合部は、前記支柱部材の側面において前記被係合部とは異なる面に設けられた前記第2被係合部に着脱可能に係合し、前記被係合部と前記第2被係合部とが共通の係合方式を有し、前記係合部、前記第2係合部が、それぞれ前記被係合部又は前記第2被係合部に対して着脱可能に係合すると良い。
上記のように被係合部と、第2被係合部とを共通の嵌合方式とすることで、積載ラックの組み立て作業をよりシンプルにすることができる。
【0008】
このとき、前記係合部は、前記被係合部に対し上方から係合する係合凸部であって、前記被係合部は、前記係合凸部に係合する係合穴部であって、前記支柱部材の側面から外側に突出する一対の側壁部と、前記一対の側壁部の突出端部を連結する連結壁部と、を有し、前記連結部材の延出方向の端部が前記支柱部材の側面に当接した状態で、前記係合凸部が前記係合穴部に係合していると良い。
上記構成により、連結部材の端部が支柱部材の側面に当接した状態で、連結部材(係合凸部)が支柱部材(係合穴部)に係合されることになる。そのため、ボルト締結を不要としながらも(ボルトレス化を図りながらも)、積載ラックの組み付け剛性を高めることができる。
【0009】
このとき、前記支柱部材を下方から支持するベース部材をさらに備え、前記支柱部材は、該支柱部材の下方部分に形成され、前記ベース部材の上方部分に設けられた被嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部は、閉断面を有する嵌合凸部であって、前記被嵌合部は、閉断面を有する嵌合凹部であって、前記嵌合凸部を囲むようにして前記嵌合凸部に嵌合すると良い。
上記構成により、積載ラックの構成部品となる支柱部材、ベース部材を互いに着脱可能に係合させることができる。つまりは、ベース部材についてもボルト締結を不要とし、積載ラックを容易に組み立てることができる。
また上記のように閉断面を有する嵌合凸部(支柱部材)と、閉断面を有する嵌合凹部(ベース部材)とを嵌合させるため、積載ラックの組み付け剛性を高めることができる。
【0010】
このとき、前記嵌合凸部は、閉断面を有する凸部本体と、該凸部本体の外側面から外側に突出する突起と、を有し、前記嵌合凹部は、閉断面を有する凹部本体と、該凹部本体の上端部に形成され、前記突起を挿通させ、前記突起を支持するための支持溝と、を有していると良い。
上記構成により、嵌合凸部(支柱部材)と嵌合凹部(ベース部材)が嵌合したときに、嵌合凸部の突起と、嵌合凹部の支持溝とが組み合わさることになる。そのため、支柱部材とベース部材の組み付け剛性をより高めることができる。また、ベース部材に対し支柱部材を組み付けるときに、支柱部材の位置決めがし易くなる。
【0011】
このとき、前記支柱部材を下方から支持するベース部材と、前記ベース部材と前記支柱部材の間に介在し、前記ベース部材に対する前記支柱部材の取り付け位置を前記積載ラックの長さ方向又は幅方向の外側へ位置変更するための拡張部材をさらに備えていると良い。
上記のように拡張部材を備えていることで、積載ラックの幅又は長さを拡張することができる。そうすることで、一般に積載ラックには規格又は規格に準じた建築用部材を積載するところ、規格外の大きさの建築用部材を積載することも対応可能となる。
【0012】
このとき、前記支柱部材は、該支柱部材の下方部分に形成され、前記ベース部材の上方部分に設けられた被嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する嵌合部を有し、前記拡張部材は、前記ベース部材の前記被嵌合部に上下方向に着脱可能に嵌合する共通嵌合部と、前記共通嵌合部よりも前記積載ラックの長さ方向又は幅方向の外側位置に設けられ、前記支柱部材の前記嵌合部に対し、上下方向に着脱可能に嵌合する共通被嵌合部と、を有していると良い。
上記構成により、シンプルな構成の拡張部材を利用して、積載ラックの幅又は長さを容易に拡張することができる。
また上記構成により、ベース部材、支柱部材に対する拡張部材の組み付け剛性を高めることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の積載ラックによれば、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能となる。
また、従来よりも容易に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の積載ラックの斜視図である。
図2】ベース部材、支柱部材の分解斜視図である。
図3】ベース部材、支柱部材の組図であって、要部拡大図である。
図4】支柱部材、連結部材、受け部材の分解斜視図である
図5】連結部材、中間受け部材の分解斜視図である。
図6】ベース部材、拡張部材、支柱部材の分解斜視図である。
図7】ベース部材、拡張部材、支柱部材の組図である。
図8A】拡張部材の斜視図である。
図8B】別の角度から見たときの拡張部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図1図8Bを参照して説明する。
本実施形態は、建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、積載ラックの少なくとも四隅に配置される支柱部材と、積載ラックの長さ方向に延びて支柱部材同士を連結する一対の連結部材と、積載ラックの幅方向に延びて支柱部材同士を連結し、建築用部材を載置する一対の受け部材とを備えており、これら支柱部材と、連結部材と、受け部材とをボルト締結(ボルト接合)することなく組み立て可能とする「積載ラック」の発明に関するものである。
【0016】
本実施形態の積載ラック1は、図1に示すように、板状の建築用部材2を複数積載した状態で建築用部材2を運搬することが可能なラックである。例えば、工場で建築用部材2を平積みし、工場から施工現場まで建築用部材2を平積みした状態でトラックによって運搬するために用いられる。
建築用部材2は、各種建物に用いられる板状の部材であって、外壁パネルや屋根パネル、腰壁パネル等の建築用パネルのほか、木製の施工用部材等を含むものである。建築用部材2は、現送品とも称される。
建築用部材2として建築用パネルを積載する場合には、その仕上げ面材を損傷させないように上下方向に所定の間隔を空けて載置され、木製の施工用部材を積載する場合には、パレット上に集積され、バンド等でパレットに固定される。
【0017】
積載ラック1は、図1に示すように、枠状のベース部材10と、ベース部材10の四隅に配置され、ベース部材10から上方へ延びている複数の支柱部材20と、積載ラック1の長さ方向に延びて支柱部材20同士を連結する一対の連結部材30と、積載ラック1の幅方向に延びて支柱部材20同士を連結する一対の受け部材40と、積載ラック1の幅方向に延びて連結部材30同士を連結する複数の中間受け部材50と、を備えている。
また、積載ラック1は、図6図7に示すように、ベース部材10と支柱部材20の間に介在し、ベース部材10に対する支柱部材20の取り付け位置を変更するための複数の拡張部材60をさらに備えている。拡張部材60を利用することで、積載ラック1の幅を拡張することができる。
なお、支柱部材20、連結部材30、受け部材40、中間受け部材50の取り付け位置、取り付け本数については適宜変更可能である。例えば、建築用部材2の積載量に応じて変更可能である。
【0018】
ベース部材10は、図1図3に示すように、積載ラック1の土台となる部材であって、例えば金属材料の角パイプが加工された枠状体からなり、積載ラック1の剛性を確保するとともに、建築用部材2を上面に載置する受け部材としても機能する。
具体的には、ベース部材10は、矩形枠状のベース本体11と、ベース本体11の四隅にそれぞれ取り付けられ、ベース本体11から下方に延びている複数の脚部12と、を備えている。
【0019】
ベース本体11は、建築用部材2の受け部となる。
脚部12は、支柱部材20を下方から支持する支持脚であって、ベース本体11の幅方向の外側面に取り付けられている。
脚部12の上端部(上方部分)には、支柱部材20(嵌合凸部22)を上下方向に着脱可能に嵌合させるための嵌合凹部13(被嵌合部)が形成されている。
嵌合凹部13は、図2図3に示すように、閉断面(矩形断面)を有する凹部本体13aと、凹部本体13aの上端部に形成されるスリット状の支持溝13bと、を有している。
【0020】
支柱部材20は、図1図4に示すように、積載ラック1の支柱となる部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、積載ラック1の四隅に配置され、合計四本となるように設けられている。
具体的には、支柱部材20は、上下方向に長尺な横断面矩形状の支柱本体21と、支柱本体21の下端部(下方部分)に形成され、ベース部材10(嵌合凹部13)に嵌合する嵌合凸部22と、支柱本体21の外側面から互いに反対側に突出するように形成され、連結部材30(係合凸部32)又は受け部材40(第2係合凸部43)に係合する係合穴部23及び第2係合穴部24と、を有している。
【0021】
嵌合凸部22は、図2図3に示すように、閉断面(矩形断面)を有する嵌合部であって、具体的には、閉断面を有する凸部本体22aと、凸部本体22aの外側面から外側に突出する突起22bと、を有している。
支柱部材20は、嵌合凸部22(凸部本体22a)が嵌合凹部13の内部に嵌まり込むことで、上下方向においてベース部材10上に取り付けられる。
このとき、突起22bが支持溝13bの内部に挿通され、支持溝13bによって保持される。そのため、ベース部材10に対し支柱部材20を組み付けるときに、支柱部材20の位置決めがし易くなる。また、ベース部材10と支柱部材20の組み付け剛性をより高めることができる。
なお、嵌合凸部22が複数の突起22bを有し、嵌合凹部13が複数の支持溝13bを有しても良い。その場合には、複数の突起22bが、それぞれ嵌合凸部22の外側面において異なる面に形成されていると良い。支持溝13bについても同様である。
【0022】
係合穴部23、第2係合穴部24は、図4に示すように、上下方向に所定の間隔を空けて複数形成されており、互いに共通の係合方式を有している。係合穴部23(第2係合穴部24)は係合ポケットとも称される。
係合穴部23は、積載ラック1の長さ方向において支柱部材20の内側面に配置され、第2係合穴部24は、支柱部材20の外側面に配置されている。
本実施形態では、係合穴部23は、連結部材30(係合凸部32)と係合し、第2係合穴部24は、受け部材40(第2係合凸部43)と係合しているが、特に限定されない。例えば、係合穴部23が第2係合凸部43と係合し、第2係合穴部24が係合凸部32と係合しても良い。
【0023】
係合穴部23は、支柱部材20の内側面から支柱部材20の幅方向に所定の間隔を空けて外側に突出する左右の側壁部23aと、左右の側壁部23aの突出端部を連結する連結壁部23bと、を有している。
つまり、係合穴部23は、支柱部材20と、左右の側壁部23aと、連結壁部23bとで係合穴を形成している。
第2係合穴部24も同様であって、第2係合穴部24は、左右の側壁部24aと、連結壁部24bと、を有している。
【0024】
連結部材30は、図1図4図5に示すように、積載ラック1の長さ方向に並ぶ支柱部材20を連結する部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、積載ラック1の剛性を付与するほか、吊り上げ装置の吊り部材を係合させる部材としても機能する。
具体的には、連結部材30は、積載ラック1の長さ方向に長尺な連結本体31と、連結本体31の長さ方向の両端部にそれぞれ形成され、支柱部材20(係合穴部23)に係合する係合凸部32と、を有している。
係合凸部32は、連結本体31の長さ方向の端面に取り付けられ、連結本体31から下方に突出しており、係合穴部23に対し上方から着脱可能に係合する係合部である。
【0025】
上記構成において、図4図5に示すように、連結部材30が支柱部材20に組み付けられたとき、係合凸部32の端部(端面)が支柱部材20の側面に当接し、かつ、係合凸部32が係合穴部23に係合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも(ボルトレス化を図りながらも)、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0026】
受け部材40は、図1図4図5に示すように、積載ラック1の幅方向に並ぶ支柱部材20を連結する部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、積載ラック1の剛性を付与するほか、建築用部材2を載置する受け部材としても機能する。
具体的には、受け部材40は、積載ラック1の幅方向に長尺な受け本体41と、受け本体41の長さ方向の両端部の側面にそれぞれ取り付けられ、当該長さ方向の外側に延びている延出部42と、一対の延出部42の延出端部にそれぞれ形成され、支柱部材20(第2係合穴部24)に係合する第2係合凸部43と、を有している。
【0027】
受け本体41は、建築用部材2の受け部となる。
延出部42は、建築用部材2との干渉を避けるべく、受け本体41の外側面に取り付けられ、受け本体41よりも上方に張り出さないように配置されている。
第2係合凸部43は、延出部42から下方に突出しており、第2係合穴部24に対し上方から着脱可能に係合する係合部である。
【0028】
上記構成において、図4図5に示すように、受け部材40が支柱部材20に組み付けられたとき、受け本体41の長さ方向の端部(端面)が支柱部材20の側面(対向面)に当接し、かつ、延出部42が支柱部材20の側面(外側面)に当接し、かつ、第2係合凸部43が第2係合穴部24に係合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0029】
また上記構成において、図4図5に示すように、連結部材30(係合凸部32)が支柱部材20(係合穴部23)に係合し、受け部材40(第2係合凸部43)が支柱部材20(第2係合穴部24)に係合している。
そして、支柱部材20が、連結部材30と、受け部材40(受け本体41)と、延出部42とによって囲まれており、かつ、連結部材30及び延出部42によって挟持されている。
そうすることで、連結部材30及び受け部材40の干渉を避けながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0030】
また上記構成において、図4図5に示すように、係合穴部23(第2係合穴部24)が上端部(開口端部)から下端部に向かうに従って幅狭となるように形成されている。言い換えれば、係合穴部23(第2係合穴部24)が逆テーパー形状の係合穴を形成している。
そして、係合凸部32(第2係合凸部43)が、上端部から下端部(先端凸部)に向かうに従って幅狭となるように形成されている。言い換えれば、係合凸部32(第2係合凸部43)が逆テーパー形状の係合突起を形成している。
そうすることで、係合穴部23(第2係合穴部24)に対して係合凸部32(第2係合凸部43)を容易に係合させることができる。また、係合強度を高めることもできる。
【0031】
中間受け部材50は、図1図5に示すように、積載ラック1のベース部材10又は一対の連結部材30に架け渡しされる部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、建築用部材2を載置する受け部材として機能する。
具体的には、中間受け部材50は、積載ラック1の幅方向に長尺な受け本体51と、受け本体51の長さ方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、ベース本体11又は連結本体31を挟持する(把持する)挟持部52と、を有している。
挟持部52は、ベース本体11(連結本体31)に対して上方から着脱可能に取り付けられ、ベース本体11を囲むように挟持する。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0032】
拡張部材60は、図6図8Bに示すように、積載ラック1の幅を拡張するための部材であって、例えば鋼板や角パイプを加工することで形成され、ベース部材10に対する支柱部材20の取り付け位置を変更するアタッチメントである。
なお、拡張部材60は、積載ラック1の幅を拡張するための部材であるが、特に限定されない。例えば、積載ラック1の長さを拡張するための部材であっても良い。その場合には、拡張部材60は、ベース部材10に対する支柱部材20の取り付け位置を積載ラック1の長さ方向の外側へ位置変更するための部材とすれば良い。
【0033】
具体的には、拡張部材60は、拡張本体61と、拡張本体61の内部に設けられ、ベース部材10(嵌合凹部13)に上下方向に嵌合する共通嵌合凸部62と、共通嵌合凸部62よりも積載ラックの幅方向の外側位置に設けられ、支柱部材20(嵌合凸部22)に上下方向に嵌合する共通嵌合凹部63と、を有している。
【0034】
拡張本体61は、横断面略U字形状からなり、ベース部材10の脚部12を側方及び上方から囲むようにして脚部12に取り付けられる。
具体的には、拡張本体61は、積載ラック1の幅方向において脚部12の外側面に重なる位置に設けられる対向壁部61aと、対向壁部の幅方向の両端部からそれぞれ脚部12に向かって延びている左右の側壁部61bと、対向壁部61aの上端部及び左右の側壁部61bの上端部を連結する上壁部61cと、を有している。
左右の側壁部61bは、それぞれ脚部12の幅方向の外側面に重なる位置に配置され、上壁部61cは、脚部12の上面に重なる位置に配置されている。
【0035】
共通嵌合凸部62は、支柱部材20の嵌合凸部22と共通の嵌合方式を有している。
具体的には、共通嵌合凸部62は、断面矩形状の凸部であって、拡張本体61の内部に配置され、上壁部61cから連続して下方へ延びている。
共通嵌合凸部62は、拡張本体61の対向壁部61a、側壁部61bとは所定の隙間を空けて配置されている。
共通嵌合凸部62がベース部材10(嵌合凹部13)に嵌合したときに、嵌合凹部13が拡張本体61と共通嵌合凸部62とによって挟まれた状態となる。
そうすることで、ベース部材10及び拡張部材60の嵌合強度を高めることができる。
【0036】
共通嵌合凹部63は、ベース部材10の嵌合凹部13と共通の嵌合方式を有している。
具体的には、共通嵌合凹部63は、断面矩形状の凹部(穴部)であって、上下方向に延びている。
より具体的には、共通嵌合凹部63は、拡張本体61(共通嵌合凸部62)よりも下方に突出しており、脚部12と同様に積載ラック1の脚部(補助脚部)としても機能する。
共通嵌合凹部63に支柱部材20(嵌合凸部22)を嵌合させたときに、拡張本体61が支柱部材20の外側面に当接し、支柱部材20を側方から支持した状態となる。
そうすることで、支柱部材20及び拡張部材60の嵌合強度を高めることができる。
【0037】
上記のように拡張部材60を利用することで、積載ラック1の幅を容易に拡張することができる。
例えば、積載ラック1の幅方向の内側寸法が900mmの場合に、積載ラック1(ベース部材10)の四隅に拡張部材60を取り付けることで、積載ラック1の内側寸法を1020mmに拡張することができる(拡張部材60によって片側60mm拡張することができる)。
【0038】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、図1に示すように、積載ラック1が、一本のベース部材10と、四本の支柱部材20と、二本の連結部材30と、二本の受け部材40と、四本の中間受け部材50と、から構成されているが、各構成部品の部品数については特に限定されることなく変更可能である。
例えば、積載ラック1の剛性を確保できれば、ベース部材10を不要とする構成であっても良い。あるいは、連結部材30を不要としても良いし、中間受け部材50を不要としても良い。
また例えば、積載ラック1の剛性を高めるために、支柱部材20、連結部材30、受け部材40、中間受け部材50を追加しても良い。あるいは、建築用部材2を好適に積載するために、受け部材40、中間受け部材50を追加しても良い。
【0039】
上記実施形態では、図2に示すように、連結部材30が積載ラック1の長さ方向に延びており、受け部材40が積載ラック1の幅方向に延びているが、特に限定されない。
逆に、連結部材30が積載ラック1の幅方向に延びており、受け部材40が積載ラック1の長さ方向に延びていても良い。
【0040】
上記実施形態では、図4に示すように、連結部材30が係合凸部32を有し、支柱部材20が係合穴部23を有しているが、特に限定されず変更可能である。
逆に、連結部材30が係合穴部を有し、支柱部材20が係合凸部を有していても良い。受け部材40の係合構造についても同様に変更可能である。
【0041】
上記実施形態では、図4に示すように、連結部材30(係合凸部32)が支柱部材20(係合穴部23)に上下方向に着脱可能に係合しているが、係合構造について適宜変更可能である。
すなわち、係合凸部、係合穴部(係合凹部)による係合構造によらず、上下方向に着脱可能な係合構造となっていれば良い。あるいは、積載ラック1の長さ方向又は幅方向に着脱可能な係合構造となっていても良い。
【0042】
上記実施形態では、図4に示すように、係合穴部23、第2係合穴部24が共通の係合方式を有し、また係合凸部32、第2係合凸部43が共通の係合方式を有しているが、特に限定されず変更可能である。
係合凸部32が係合穴部23に係合し、第2係合凸部43が第2係合穴部24に係合可能となっていれば、それぞれ別の係合方式となっていても良い。
【0043】
上記実施形態では、図6図7に示すように、拡張部材60によって積載ラック1の幅を拡張することとしているが、積載ラック1の幅方向又は長さ方向を縮小したいときには、「位置変更部材(縮小部材)」を代わりに取り付けても良い。
具体的には、「位置変更部材」は拡張部材60と同様の構成であって、例えば枠状のベース部材10の内側に「位置変更部材」を取り付けることで、ベース部材10に対する支柱部材20の取り付け位置を内側へ位置変更させることができる。
そうすることで、場合によっては積載ラック1の幅を縮小することができる。
【0044】
上記実施形態では、主として本発明に係る積載ラックに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0045】
1 積載ラック
2 建築用部材
10 ベース部材
11 ベース本体
12 脚部
13 嵌合凹部(被嵌合部)
13a 凹部本体
13b 支持溝
20 支柱部材
21 支柱本体
22 嵌合凸部(嵌合部)
22a 凸部本体
22b 突起
23 係合穴部(被係合部)
23a 側壁部
23b 連結壁部
24 第2係合穴部(第2被係合部)
24a 側壁部
24b 連結壁部
30 連結部材(横架部材)
31 連結本体
32 係合凸部(係合部)
40 受け部材
41 受け本体
42 延出部
43 第2係合凸部(第2係合部)
50 中間受け部材
51 受け本体
52 挟持部
60 拡張部材
61 拡張本体
61a 対向壁部
61b 側壁部
61c 上壁部
62 共通嵌合凸部(共通嵌合部)
63 共通嵌合凹部(共通被嵌合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B