(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078645
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】走行履歴管理システム、ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240604BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191112
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB03
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2F129GG03
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2F129HH21
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
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5H181CC14
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5H181FF05
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5H181FF32
5H181FF33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の搭乗員に対して有益な情報提示を行う。
【解決手段】走行履歴管理システムは、ナビゲーション装置と、携帯端末装置と、を備え、ナビゲーション装置は、第1プロセッサと、第1プロセッサによって実行される第1プログラムが記憶された第1記憶媒体と、を備え、第1プログラムは第1命令を含み、第1命令は、第1プロセッサに、トリップ情報の記録を開始するためのトリップ開始情報と記録を終了するためのトリップ終了情報とを携帯端末装置に送信する処理を実行させ、携帯端末装置は、第2プロセッサと、第2プロセッサによって実行される第2プログラムが記憶された第2記憶媒体と、を備え、第2プログラムは第2命令を含み、第2命令は、第2プロセッサに、トリップ開始情報とトリップ終了情報とを受信する処理と、トリップ開始情報とトリップ終了情報とに基づいてトリップ情報を生成する処理と、を実行させるものとした。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置と、携帯端末装置と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
一または複数の第1プロセッサと、
前記一または複数の第1プロセッサによって実行される第1プログラムが記憶された第1記憶媒体と、を備え、
前記第1プログラムは一または複数の第1命令を含み、
前記一または複数の第1命令は、前記一または複数の第1プロセッサに、
トリップ情報の記録を開始するためのトリップ開始情報と前記記録を終了するためのトリップ終了情報とを前記携帯端末装置に送信する処理を実行させ、
前記携帯端末装置は、
一または複数の第2プロセッサと、
前記一または複数の第2プロセッサによって実行される第2プログラムが記憶された第2記憶媒体と、を備え、
前記第2プログラムは一または複数の第2命令を含み、
前記一または複数の第2命令は、前記一または複数の第2プロセッサに、
前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報とを受信する処理と、
前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報とに基づいて前記トリップ情報を生成する処理と、を実行させる
走行履歴管理システム。
【請求項2】
前記一または複数の第2命令は、前記一または複数の第2プロセッサに、
前記ナビゲーション装置から前記トリップ情報の送信要求を受信した場合に、前記ナビゲーション装置としての第1ナビゲーション装置とは異なる第2ナビゲーション装置から受信した前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報によって生成したトリップ情報を前記第1ナビゲーション装置に送信する処理を実行させる
請求項1に記載の走行履歴管理システム。
【請求項3】
前記一または複数の第2命令は、前記一または複数の第2プロセッサに、
前記トリップ開始情報に関する時間情報と前記トリップ終了情報に関する時間情報に基づいて前記トリップ情報に含む画像を選択する処理を実行させる
請求項1に記載の走行履歴管理システム。
【請求項4】
前記一または複数の第2命令は、前記一または複数の第2プロセッサに、
前記トリップ開始情報の受信に代わってトリップ開始操作を受け付ける処理と、
前記トリップ終了情報の受信に代わってトリップ終了操作を受け付ける処理と、
前記トリップ開始操作と前記トリップ終了操作とに基づいて前記トリップ情報を生成する処理と、を実行させる
請求項1から請求項3の何れかに記載の走行履歴管理システム。
【請求項5】
一または複数のプロセッサと、
前記一または複数のプロセッサによって実行されるプログラムが記憶された記憶媒体と、を備え、
前記プログラムは一または複数の命令を含み、
前記一または複数の命令は、前記一または複数のプロセッサに、
トリップ開始情報とトリップ終了情報を送信する処理と、
前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報とに基づいて他の装置において生成されたトリップ情報を受信する処理と、を実行させる
ナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の搭乗者に対して情報を提供する走行履歴管理システム及びナビゲーション装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗り換え等に伴い古い車両で取得した情報を新たな車両に引き継ぐ技術がある。
例えば、下記特許文献1においては、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両間で引き継ぎたい情報の中には、車両に搭載されたナビゲーション装置の情報がある。
車両間の情報の引き継ぎにおいては、ナビゲーション装置の設定値を引き継ぐことが考えられるが、訪れた行楽地や飲食店などのトリップ情報を適切に引き継ぐことができない。従って、車両の搭乗員に対して有効な情報提示を行うことができない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、車両の搭乗員に対して有益な情報提示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る走行履歴管理システムは、ナビゲーション装置と、携帯端末装置と、を備え、前記ナビゲーション装置は、一または複数の第1プロセッサと、前記一または複数の第1プロセッサによって実行される第1プログラムが記憶された第1記憶媒体と、を備え、前記第1プログラムは一または複数の第1命令を含み、前記一または複数の第1命令は、前記一または複数の第1プロセッサに、トリップ情報の記録を開始するためのトリップ開始情報と前記記録を終了するためのトリップ終了情報とを前記携帯端末装置に送信する処理を実行させ、前記携帯端末装置は、一または複数の第2プロセッサと、前記一または複数の第2プロセッサによって実行される第2プログラムが記憶された第2記憶媒体と、を備え、前記第2プログラムは一または複数の第2命令を含み、前記一または複数の第2命令は、前記一または複数の第2プロセッサに、前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報とを受信する処理と、前記トリップ開始情報と前記トリップ終了情報とに基づいて前記トリップ情報を生成する処理と、を実行させる。
トリップ情報の生成はユーザ端末で行われるため、生成したトリップ情報のデータ形式を統一することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の搭乗員に対して有益な情報提示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態における車両の構成例について示す概略ブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成例について示す概略ブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の制御部の機能ブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態における走行履歴管理システムが備える各装置の接続形態の一例である。
【
図5】第1の実施の形態における情報処理装置の構成例について示す概略ブロック図である。
【
図6】第1の実施の形態におけるトリップ情報をアップロードするためにナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態におけるトリップ情報をアップロードするためにユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態におけるトリップ情報のアップロードの変形例1においてナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図9】第1の実施の形態におけるトリップ情報のアップロードの変形例2においてナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図10】第1の実施の形態におけるトリップ情報のアップロードの変形例2においてユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図11】第1の実施の形態におけるトリップ情報をダウンロードするためにナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図12】第1の実施の形態におけるトリップ情報をダウンロードするためにユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図13】第1の実施の形態におけるトリップ情報の提示態様を説明するための図である。
【
図14】第1の実施の形態におけるトリップ情報の提示態様の別の例を説明するための図である。
【
図15】第1の実施の形態におけるトリップ情報の提示態様の別の例を説明するための図である。
【
図16】第2の実施の形態における走行履歴管理システムが備える各装置の接続形態の一例である。
【
図17】第2の実施の形態におけるナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図18】第2の実施の形態におけるユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図19】第2の実施の形態におけるトリップ情報をダウンロードするためにナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図20】第2の実施の形態におけるトリップ情報を提供するためにユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図21】第1、第2の実施の形態におけるデータベースに記憶されるトリップ情報の変形例についての図である。
【
図22】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の制御部の機能ブロック図である。
【
図23】第3の実施の形態におけるユーザ端末のCPUの機能ブロック図である。
【
図24】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図25】第3の実施の形態におけるトリップ情報の生成処理においてユーザ端末が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【
図26】第3の実施の形態におけるトリップ情報の提示処理においてナビゲーション装置が実行する処理の一例についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施の形態>
<1-1.車両の構成>
本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置1を備えた車両100の構成例を
図1に示す。
【0010】
車両100は、ナビゲーション装置1と、車両制御部2と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機3と、外部環境認識装置4と、センサ・操作子類5とを備えて構成されている。
ナビゲーション装置1と車両制御部2とGNSS受信機3と外部環境認識装置4とセンサ・操作子類5は、例えばバス6によって相互通信可能に接続されている。
【0011】
ナビゲーション装置1は、ユーザの検索操作に応じて現在の車両位置から目的地までの走行ルートを推奨提示する処理などを行う。
【0012】
ナビゲーション装置1は、推奨提示された走行ルートを選択する操作を受け付けてそのルートを走行ルートに設定する処理や、走行ルートに合わせた各種のナビゲーション処理を行う。
【0013】
ナビゲーション装置1は表示部や各種の操作子等を備えて構成されている。
なお、以降の説明においては、車両100の位置である車両位置を単に「現在地」と記載する場合もある。
【0014】
本実施の形態におけるナビゲーション装置1は、現在地付近や目的地付近やそこに至るまでの走行ルート上付近で過去に訪れた場所についての情報を提示する処理を行う。具体的には後述する。
【0015】
車両制御部2は、(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えた1または複数のマイクロコンピュータで構成されている。車両制御部2は、車両100を走行させるために車両の各部を制御する制御部を包括的に示したものである。
【0016】
具体的に、車両制御部2は、車両100がエンジンを有する場合に、センサ・操作子類5における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、エンジン関連アクチュエータとして設けられた各種アクチュエータを制御するエンジン制御機能を有する。
【0017】
エンジン制御機能は、例えば、イグニッションスイッチの操作に応じてエンジンの始動制御及び停止制御を行う機能を含む。また、エンジン制御機能は、エンジン回転数センサやアクセル開度センサ等の所定のセンサからの検出信号に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御を行う機能を含む。
【0018】
また、車両制御部2は、センサ・操作子類5における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、トランスミッション関連アクチュエータとして設けられた各種のアクチュエータを制御するトランスミッション制御機能を有する。
【0019】
トランスミッション制御機能は、例えば、セレクトレバーによって自動変速モードが選択されている際に、所定の変速パターンに従い変速信号をアクチュエータに出力して変速制御を行う機能を含む。また、トランスミッション制御機能は、手動変速モードの設定時に、セレクトレバーによるシフトアップ/ダウン指示に従った変速信号をアクチュエータに出力して変速制御を行う機能を含む。
【0020】
更に、車両制御部2は、センサ・操作子類5における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、ブレーキ関連アクチュエータとして設けられた各種のアクチュエータを制御するブレーキ制御機能を有する。
【0021】
ブレーキ制御機能は、例えば、液圧の指示情報に基づき、液圧制御アクチュエータを制御して自車両を制動させる機能を含む。また、ブレーキ制御機能は、所定のセンサの検出情報から車輪のスリップ率を計算し、スリップ率に応じて上記の液圧制御アクチュエータにより液圧を加減圧させることで、所謂ABS(Antilock Brake System)制御を実現する機能を含む。
【0022】
また、車両制御部2は、運転支援のためのオートレーンキープ制御機能や、衝突被害軽減ブレーキ制御機能(AEB:Autonomous Emergency Braking )や、車間距離制御付クルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)機能や、自動車線変更制御機能などを有していてもよい。
【0023】
そして、車両制御部2は、例えば運転支援制御機能によって与えられた目標の操舵角に応じて必要なステアトルクを求め、操舵関連アクチュエータを制御することで、必要な自動操舵を実現する。
なお、上述した機能はあくまで車両制御部2が有する機能の一例である。車両制御部2がこれ以外の機能を有していてもよい。
【0024】
GNSS受信機3は、例えば地球測位システム(GPS:Global Positioning System)受信機等であり、複数の航法衛星から電波を受信して車両100の現在地を測定する。
測定された現在地の情報は、ナビゲーション装置1に提供される。
【0025】
外部環境認識装置4は、車両100の外部環境を認識し外部環境情報を取得するための機能を備えた装置とされ、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成されている。
【0026】
外部環境認識装置4は、車両100の前方を撮像可能なステレオカメラと、ステレオカメラから取得した画像に対する各種の処理を行う画像処理部と、ミリ波レーダやレーザレーダなどのレーダ装置やその他のセンシング装置などを備えている。
【0027】
外部環境認識装置4が備えるステレオカメラは、複数の撮像部を備え、それぞれがカメラ光学系とCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えて構成され、カメラ光学系により撮像素子の撮像面に被写体像が結像されて受光光量に応じた電気信号が画素単位で得られる。
【0028】
各撮像部は、いわゆるステレオ撮像法による測距が可能となるように設置されている。そして各撮像部で得られた電気信号はA/D変換や所定の補正処理が施され、画素単位で所定階調による輝度値を表すデジタル画像信号(撮像画像データ)として画像処理部に供給される。
【0029】
なお、外部環境認識装置4は、ステレオカメラの代わりに、測距可能な撮像素子を備える一つの撮像部を備えたカメラ装置を備えていてもよい。なお、外部環境認識装置4は、車両100の前方を撮像するステレオカメラ以外に、車両100の後方を撮像する撮像部や車両100の側方を撮像する撮像部などを備えて構成されていてもよい。
【0030】
外部環境認識装置4が備える画像処理部は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成され、ステレオカメラ等の撮像部によって得られた撮像画像データに基づき、車外環境の認識に係る所定の画像処理を実行する。画像処理部による画像処理は、外部環境認識装置4が備える不揮発性メモリ等の記憶部を用いて行われる。
【0031】
この画像処理により、自車両の前方の立体物データや区画線(センターラインや車線境界線など)等の情報を認識し、これら認識情報等に基づいて自車両が走行している道路や車線(自車走行車線)を推定する。また、外部環境認識装置4は、画像処理により認識した立体物データ等に基づいて自車走行車線上の先行車両の検出等を行う。
【0032】
センサ・操作子類5は、車両100に設けられた各種のセンサや操作子を包括的に表したものである。センサ・操作子類5が有するセンサとしては、自車両の速度を検出する車速センサ、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ、アクセルペダルの踏込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、操舵角を検出する舵角センサ、ヨーレート(Yaw Rate)を検出するヨーレートセンサ、加速度を検出するGセンサ、エンジン温度を推測するための指標となる冷却水の温度やオイルの温度を計測する水温・油温センサ、燃料タンク内に備えられたフロートの上下位置を計測することにより燃料残量を検出する燃料センサ、ブレーキペダルの操作や非操作に応じてONまたはOFFされるブレーキスイッチなどがある。
【0033】
また、それ以外にも、センサ・操作子類5として、エンジンへの吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、車外の気温を検出する外気温センサや、車輪の温度やブレーキ温度を検出する各種温度センサや、自車両走行路の勾配を検出する勾配センサ等も有する。
【0034】
また、センサ・操作子類5における操作子としては、エンジンの始動/停止を指示するためのイグニッションスイッチや、前述した運転支援制御関連の操作として、例えば、運転モードを切り換えるための操作子、自動変速機における自動変速モード/手動変速モードの選択や手動変速モード時におけるシフトアップ/ダウンの指示を行うためのセレクトレバーや、表示部として設けられたMFD(Multi Function Display)における表示情報の切り換えを行うための表示切換スイッチなどがある。
【0035】
なお、MFDは、ナビゲーション装置1における表示部として機能してもよい。
【0036】
<1-2.ナビゲーション装置の構成>
ナビゲーション装置1の構成例について
図2に示す。
ナビゲーション装置1は、CPU等より成る制御部11と、ROMやRAM或いはHDD等より成る記憶部12と、通信部13と、表示部14と、出力部15と、入力部16と、ドライブ17とを備えている。
【0037】
制御部11は、後述する各種の処理を行うことにより、ユーザに対してトリップ情報の提示を行う。ここで、トリップとは、例えば、車両100の走行開始から走行終了までを1単位として扱うものである。
また、トリップ情報とは、例えば、時節情報(日時情報)、位置情報、走行距離情報、走行速度情報、車両情報、画像情報などを含んで構成された情報であり、ユーザがどの車両でいつどこに訪れたかを示す情報である。トリップ情報は、時節情報として、例えば、トリップの開始日時とトリップの終了日時、或いは、走行経路における各ポイントを通過した時間などを含む。そして、位置情報とは、走行開始地点や走行終了地点、或いは走行経路における各位置情報などを含み得る。
【0038】
なお、本実施の形態においては、ユーザが車両100を乗り換えた際に、乗り換え前の車両100のナビゲーション装置1で取得したトリップ情報を乗り換え後の車両100のナビゲーション装置1において提示する。
【0039】
以降の説明においては、乗り換え前の車両100を車両100Aと記載し、乗り換え後の車両100を車両100Bと記載する。なお、ユーザが2台の車両100を有している場合に、一方の車両100を車両100Aとし、他方の車両100を車両100Bとしてもよい。即ち、車両100Aと車両100Bは乗り換え前後の車両100に限られない。
なお、車両100Aと車両100Bを区別しないときは単に「車両100」と記載する。
【0040】
制御部11は、トリップ情報をユーザに提示することで、ユーザに適切な情報提示を行う。
【0041】
記憶部12は、制御部11が各種の処理を行う際に必要なプログラムやデータ等を記憶する。また、記憶部12は、車両100Aで生成されたトリップ情報や車両100B(自車両)で生成されたトリップ情報などを記憶する。
【0042】
通信部13は、各種の無線通信によりナビゲーション装置1と後述するサーバ装置200とのデータ通信を行う。また、通信部13は、近距離無線通信によりユーザが所有するスマートフォンなどのユーザ端末300とのデータ通信を行ってもよい。
【0043】
通信部13は、他の車両100Aにおいて生成されたトリップ情報をサーバ装置200から受信する処理を行う。
また、通信部13は、自車両である車両100Bにおいて生成されたトリップ情報をサーバ装置200に送信(アップロード)する処理を行う。
【0044】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)或いは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどによって構成されるMFD(Multi Function Display)やCID(Center Information Display)、或いはHUD(Head-Up Display)などの各種の態様で設けられる。
【0045】
表示部14には、各種のナビゲーション情報やトリップ情報などを表示する。また、ドライブ17で読み出したリムーバブル記憶媒体17aの情報、例えば、再生中の曲情報などを表示してもよい。
【0046】
なお、表示部14はナビゲーション装置1の外部の表示装置として設けられていてもよい。
【0047】
出力部15は、例えば、スピーカとしての音声出力部などとして設けられている。出力部15は、例えば、ナビゲーション情報としての各種の指示情報などを音声として出力する。
【0048】
入力部16は、キー、ダイヤル、タッチパネル、リモートコントローラ、音声入力等に係る各種の操作子や操作デバイスである。入力部16が検出した操作に基づく操作信号は、制御部11によって解釈される。
【0049】
ドライブ17は、リムーバブル記憶媒体17aとして装着された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどの媒体から情報を読み出し、制御部11に出力する。
【0050】
制御部11の機能構成の一例を
図3に示す。
制御部11は、プログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
具体的に、制御部11は、トリップ情報生成部F1、通信処理部F2、判定処理部F3、提示処理部F4として機能する。
【0051】
トリップ情報生成部F1は、ユーザが車両100に乗って訪れた観光地や飲食店などの情報であるトリップ情報を生成する処理を行う。トリップ情報を生成するタイミングは、ユーザがイグニッションスイッチをOFFに操作したタイミングであってもよいし、車両100が停車して所定時間経過したタイミングであってもよいし、車両100のセレクトレバーをパーキング位置に動かしたタイミングであってもよい。
【0052】
また、トリップ情報生成部F1が生成するトリップ情報は、観光地の景色や飲食店の飲食物などを撮像した画像(静止画及び動画)を含む情報であってもよい。
その場合には、観光や飲食を終えたユーザが車両100に戻ってきてイグニッションスイッチをONに操作したタイミング等で、トリップ情報生成部F1がトリップ情報を生成してもよい。そして、生成したトリップ情報には、通信部13とユーザが所持するユーザ端末300としてのスマートフォンが通信することにより、スマートフォンの記憶部から取得した画像が含まれていてもよい。
【0053】
なお、画像情報は、既に生成したトリップ情報に追加することによりトリップ情報に含まれるようにしてもよい。
【0054】
通信処理部F2は、サーバ装置200からトリップ情報を受信することにより他の車両100Aにおいて生成されたトリップ情報を取得する。
また、通信処理部F2は、乗り換え後の車両である車両100Bにおいて生成したトリップ情報をサーバ装置200に送信する処理を行う。
【0055】
判定処理部F3は、トリップ情報の生成、或いは、トリップ情報の提示に係る各種の判定処理を行う。
具体的に、判定処理部F3は、トリップ情報の生成タイミングの判定を行う。また、判定処理部F3は、サーバ装置200への通信可否を判定する。更に、判定処理部F3は、トリップ情報の提示タイミングを判定する。
具体的な各判定処理については後述する。
【0056】
提示処理部F4は、トリップ情報を表示部14に表示することによりユーザ(搭乗者)に対するトリップ情報の提示を行う。
【0057】
<1-3.サーバ装置と車両の接続>
図4に車両100とサーバ装置200を備えた走行履歴管理システムSの一態様を示す。
【0058】
車両100Aや車両100Bは、通信ネットワークNを介してサーバ装置200と接続可能とされている。
また、スマートフォンやタブレット端末などとされたユーザ端末300も通信ネットワークNに接続されている。
【0059】
通信ネットワークNの構成は特に限定されるものではなく、例えば携帯電話回線網、移動体通信網、衛星通信網、インターネット、イントラネット、エキストラネットなど各種のものが想定される。
【0060】
サーバ装置200は、CPU、ROM、RAM、入出力部、通信部等を有して構成される情報処理装置とされる。
サーバ装置200は、各車両100のトリップ情報を管理し、必要に応じて車両100からトリップ情報の受信や車両100へのトリップ情報の送信を行う。
【0061】
ユーザ端末300は、CPU、ROM、RAM、入出力部、通信部等を有して構成される情報処理装置とされる。
【0062】
ユーザ端末300は、通信ネットワークNを介して車両100A、100Bやサーバ装置200と通信可能とされている。
更に、ユーザ端末300は、
図4に破線の矢印で示すように、車両100Aや車両100Bと近距離無線通信により直接通信が可能とされていてもよい。
【0063】
以下の説明においては、先ず、乗り換え前の車両100Aにおいてトリップ情報を生成し、そのトリップ情報がサーバ装置200へアップロードされる流れについて説明する。続いて、乗り換え後の車両100Bにおいてトリップ情報をサーバ装置200からダウンロードしてトリップ情報をユーザに提示する流れについて説明する。
【0064】
<1-4.情報処理装置の構成>
サーバ装置200やユーザ端末300としての情報処理装置Mの構成例について
図5に示す。
情報処理装置Mは、CPU31、ROM32、RAM33、バス34、入出力インタフェース35、入力部36、出力部37、記憶部38、通信部39、メディアドライブ40などを備えて構成されている。
【0065】
CPU31は、ROM32に記憶されているプログラム、または記憶部38からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM33にはまた、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0066】
CPU31、ROM32、及びRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。また、バス34には、入出力インタフェース35も接続されている。
【0067】
入出力インタフェース35には、入力部36、出力部37、記憶部38、通信部39、メディアドライブ40が接続されている。
入力部36はキーボード、マウス、タッチパネル、マイクなどにより構成される。
出力部37はLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどにより構成される。
【0068】
記憶部38はHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などにより構成される。
通信部39は通信ネットワークNを介しての通信処理や機器間通信を行う。
メディアドライブ40には、必要に応じて磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア41が装着され、リムーバブルメディア41に対する情報の書き込みや読み出しが行われる。
【0069】
情報処理装置Mでは、通信部39による通信によりデータやプログラムのアップロード、ダウンロードが行われる。またリムーバブルメディア41を介したデータやプログラムの受け渡しが可能である。
CPU31が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、情報処理装置Mとしての必要な情報処理や通信が実行される。
【0070】
情報処理装置Mには、CPU31、ROM32、RAM33等によって各種の機能が構築される。
【0071】
<1-4.処理の流れ>
車両100Aのナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の流れについて説明する。
【0072】
<1-4-1.トリップ情報のアップロード>
トリップ情報をナビゲーション装置1からサーバ装置200にアップロードする際に実行される処理の一例を
図6に示す。なお、
図6に示す処理の内の一部は、車両100Aの車両制御部2によって実行されてもよい。
【0073】
先ず、ナビゲーション装置1の制御部11は、車両100Aの走行が開始したか否かを判定する(ステップS101)。
制御部11は、この判定処理において、イグニッションスイッチをONにしたことを検出した場合に走行を開始したと判定してもよいし、例えば、ブレーキスイッチをONにした状態でスタートスイッチを押下した状態などのパワーオン状態を検出した場合に走行を開始したと判定してもよい。
【0074】
或いは、セレクトレバーがパーキング位置から動かされたことを検出した場合に走行を開始したと判定してもよい。
また、車輪速の検出結果に基づいて車輪が実際に動き出したことを検出した場合に走行を開始したと判定してもよい。
【0075】
制御部11は、車両100Aが走行を開始していないと判定した場合に(ステップS101:NO)、ステップS101の処理を再度実行する。即ち、制御部11は、車両100Aの走行が開始されたと判定されるまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0076】
制御部11は、車両100Aが走行開始したと判定した場合に(ステップS101:YES)、トリップ情報の記録を開始する(ステップS102)。
【0077】
トリップ情報の記録を開始した後、制御部11は、車両100Aの走行が終了したか否かを判定する(ステップS103)。
【0078】
ここでいう「走行終了」とは、車両100Aが目的地に到着するまでに信号機などにより何度も繰り返される停車を指すのではなく、ユーザが目的地や休憩地に到着した場合の停車などを指す。
【0079】
即ち、制御部11は、この判定処理において、ブレーキスイッチがONにされたことによって車両100Aの前進が停止しているだけでは走行終了と判定しない。
【0080】
制御部11は、例えば、イグニッションスイッチをOFFにしたことを検出した場合に走行を終了したと判定してもよいし、パワーオフ状態を検出した場合に走行を終了したと判定してもよい。
【0081】
或いは、セレクトレバーがパーキング位置に動かされたことを検出した場合に走行を終了したと判定してもよいし、予め設定していた目的地や経由地に車両100Aが到着したことを検出した場合に走行を終了したと判定してもよい。
【0082】
また、車両100Aが停車してから一定時間が経過したことを検出した場合に、或いは、上記の何れかの条件を満たしてから一定時間が経過したことを検出した場合に、走行を終了したと判定してもよい。
このように、例えば停車などから10分などの一定時間が経過したことを検出することにより、飲み物を購入するために自販機に短時間立ち寄った場合など本来の目的地ではない場所に車両100Aを停車させた場合であっても、走行が終了したと判定してしまうことを防止することができる。従って、車両100Aの走行終了を適切に判定することができる。
【0083】
制御部11は、走行が終了していないと判定した場合に(ステップS103:NO)、再度ステップS103の処理を行う。即ち、制御部11は、走行が終了したと判定するまでステップS103の処理を繰り返す。
【0084】
一方、制御部11は、走行が終了したと判定した場合に(ステップS103:YES)、トリップ情報の記録を終了することによりトリップ情報を生成して記憶部12に記憶する(ステップS104)。
ここで生成されて記憶されるトリップ情報は、例えば、ユーザID(Identification)と、時節情報(日時情報)と、到着した場所の情報(位置情報)と、車両情報とが紐付けられた情報とされる。なお、ユーザを一意に特定可能な情報としてユーザIDを例に挙げたが、これに限らず、トリップ情報がユーザIDの代わりにメールアドレスなどを含んでいてもよい。
【0085】
続いて、制御部11は、トリップ情報に車両情報を付加する(ステップS105)。
【0086】
車両情報には、例えば、車種名、年式、車両の色、オプションコード、車両の画像、走行時間、走行中に車載カメラで撮像された画像(静止画や動画)などが含まれ得る。
また、到着した目的地が行楽地などである場合には、予め用意されていたその場所についての画像が含まれてもよい。目的地についての画像は、サーバ装置200において後ほど紐付けられてもよい。
なお、車両情報にデジタルキーの情報が含まれていてもよい。
【0087】
続いて、制御部11は、サーバ装置200と通信可能か否かを判定する(ステップS106)。制御部11は、サーバ装置200と通信可能と判定した場合に(ステップS106:YES)、トリップ情報をサーバ装置200に送信する(ステップS107)。
これにより、サーバ装置200は、トリップ情報をデータベースに記憶する処理を行う。
【0088】
また、制御部11は、サーバ装置200と通信可能でないと判定した場合に(ステップS106:NO)、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能か否かを判定する(ステップS108)。具体的には、ユーザ端末300とサーバ装置200の通信が可能か否かの判定結果を送信するようにユーザ端末300に要求する。
【0089】
そして、制御部11は、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能と判定した場合に(ステップS108:YES)、即ち、ユーザ端末300から通信可能との判定結果が得られた場合に、ユーザ端末300に対してトリップ情報を送信する(ステップS107)。これにより、ナビゲーション装置1は、ユーザ端末300を介してサーバ装置200にトリップ情報をアップロードすることができる。
【0090】
一方、制御部11は、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能でないと判定した場合に(ステップS108:NO)、即ち、ユーザ端末300から通信不可能との判定結果が得られた場合に、ステップS106の処理へと戻る。
【0091】
なお、
図6において、制御部11は、トリップ情報をサーバ装置200にアップロードできるまで、ステップS106及びステップS108の処理を繰り返す例を示したが、これに限られない。
例えば、ステップS106とステップS108の処理を所定回数終えてもトリップ情報をサーバ装置200にアップロードできなかった場合は、制御部11は、今回生成したトリップ情報を記憶部12に記憶し、次回の送信機会までトリップ情報の送信を待機してもよい。
【0092】
ナビゲーション装置1の制御部11による
図6に示す一連の処理の実行に応じてユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例を
図7に示す。なお、
図7に示す一連の処理は、ユーザ端末300が、サーバ装置200との通信が可能か否かの判定結果を送信するよう要求を受けたことを契機として、ユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例である。
【0093】
要求を受けたユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信可能か否かを判定する(ステップS201)。
そして、ユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信不可と判定した場合に(ステップS201:NO)、通信不可であることをナビゲーション装置1に通知し(ステップS202)、
図7に示す一連の処理を終える。
【0094】
一方、ユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信可能であると判定した場合に(ステップS201:YES)、通信可能であることをナビゲーション装置1に通知する(ステップS203)。
【0095】
続いて、ユーザ端末300のCPU31は、ナビゲーション装置1からトリップ情報を受信したか否かを判定する(ステップS204)。この処理は、通信可能であることがユーザ端末300からナビゲーション装置1に通知された場合に、ナビゲーション装置1における
図6のステップS107でユーザ端末300に送信されるトリップ情報を受信するための処理である。
【0096】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報を受信していないと判定した場合に(ステップS204:NO)、再度ステップS204の処理を実行する。即ち、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報を受信するまでステップS204の処理を繰り返す。
【0097】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報を受信したと判定した場合に(ステップS204:YES)、受信したトリップ情報をサーバ装置200へ送信し(ステップS205)。
図7に示す一連の処理を終える。
【0098】
これにより、ナビゲーション装置1で生成されたトリップ情報がユーザ端末300を介してサーバ装置200へアップロードされる。
【0099】
<1-4-2.トリップ情報のアップロードにおける変形例1>
ナビゲーション装置1からサーバ装置200へトリップ情報をアップロードする処理についての変形例1を説明する。
【0100】
先の例においては、トリップ情報を送信する際に合わせて送信される車両情報として各種の情報が含まれている例を説明した。変形例1ではトリップ情報の送信時に合わせて送信される車両情報のデータ量を削減した例である。
【0101】
ナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の一例を
図8に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0102】
制御部11は、走行開始の判定処理(ステップS101)、トリップ情報の記録の開始処理(ステップS102)及び走行終了の判定処理(ステップS103)を経て、トリップ情報を記憶部12に記憶(ステップS104)した後、車両情報をサーバ装置200に送信したことがあるか否かを判定する(ステップS111)。
【0103】
例えば、車両100Aでトリップ情報を始めて送信する際には、車両情報として上述した車種名、年式、車両の色、オプションコード、車両の画像、走行時間、走行中に車載カメラで撮像された画像(静止画や動画)などの各種の情報がサーバ装置200に送信される。
【0104】
そして、サーバ装置200は、ユーザIDと車両情報を紐付けた上で、車両に対して車両IDを発行して車両100Aに通知する。この通知を受信した車両100Aは、自身に付与された車両IDを例えば記憶部12に記憶する。
【0105】
これにより、サーバ装置200では、車両IDに対して各種の車両情報が紐付けられて記憶される。
【0106】
制御部11は、車両情報をサーバ装置200に送信したことが無いと判定した場合には(ステップS111:NO)、車両情報をトリップ情報に付加し(ステップS105)、サーバ装置200との通信可能か否かの判定等(ステップS106、S108)を経てトリップ情報を送信する(ステップS107)。これにより、制御部11は、車両IDをサーバ装置200から取得する。
【0107】
一方、制御部11は、車両情報をサーバ装置200に送信したことがあると判定した場合には(ステップS111:YES)、既に付与されている車両IDをトリップ情報に付加し(ステップS112)、サーバ装置200との通信可能か否かの判定等(ステップS106、S108)を経てトリップ情報を送信する(ステップS107)。
これにより、トリップ情報には車両情報として車両IDのみが付加されるため、トリップ情報のデータ量を削減し、通信量の削減を図ることができる。
【0108】
<1-4-3.トリップ情報のアップロードにおける変形例2>
変形例2では、トリップ情報にユーザが撮影した画像の画像データが含まれる例である。具体的には、ユーザが車両100Aを停車させ、車外に出るなどして景色の撮影や飲食した飲食物の撮影を行った後に、再度車両100Aに戻って来た場合に、ユーザ端末300で撮影した画像の画像データをトリップ情報に含ませてアップロードする。
【0109】
変形例2でナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の一例を
図9に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0110】
制御部11は、ステップS101からステップS105の各処理を実行した後に、第1条件が成立したか否かを判定する(ステップS121)。
ここで第1条件とは、ユーザが写真撮影(或いは動画撮影)を行った可能性があるかどうかを判定するための条件である。
【0111】
第1条件は、例えば、車両100Aの停車後の所定時間の経過や、近距離無線が切断されるほどユーザ端末300が車両100Aから離れたことなどである。
【0112】
第1条件が成立していない場合には(ステップS121:NO)、制御部11は、再度ステップS121の処理を実行する。
ここで、第1条件が成立していないまま次の走行が開始された場合には、制御部11は、画像データを含めずにトリップ情報をサーバ装置200にアップロードする処理を実行してもよい。
【0113】
一方、このような第1条件が成立した場合、即ち、ユーザが写真撮影を行った可能性がある場合には(ステップS121:YES)、制御部11は、ユーザが目的地等で写真撮影を行った可能性があるとして、画像選択要求をユーザ端末300に送信する(ステップS122)。
【0114】
画像選択要求は、ユーザに対して撮影した画像を選択するように促す表示をユーザ端末300で実行するようにユーザ端末300に対して要求する処理である。
【0115】
画像選択要求を送信した後、制御部11は、ユーザ端末300から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS123)。
【0116】
制御部11は、画像データを受信したと判定した場合(ステップS123:YES)に、ユーザによって選択された画像のデータ、即ち、ユーザ端末300から受信した画像データをトリップ情報に紐付ける(ステップS124)。
そして、制御部11は、サーバ装置200との通信可能か否かの判定等(ステップS106、S108)を経てトリップ情報を送信する(ステップS107)。
【0117】
一方、制御部11は、ユーザ端末300から画像データを受信していないと判定した場合に(ステップS123:NO)、画像選択がキャンセルされたか否かを判定する(ステップS125)。ユーザが画像選択をキャンセルする操作を行った場合には、ユーザ端末300から画像選択がキャンセルされたことを示す情報が送信される。制御部11は、その情報を受信して画像選択がキャンセルされたと判定する。
【0118】
制御部11は、画像選択がキャンセルされたと判定した場合に(ステップS125:YES)、サーバ装置200との通信可能か否かの判定等(ステップS106、S108)を経て、画像データが含まれないトリップ情報をサーバ装置200に送信する(ステップS107)。
【0119】
そして、制御部11は、画像選択がキャンセルされていないと判定した場合に(ステップS125:NO)、ステップS123の処理へと戻る。
即ち、制御部11は、ユーザが選択した画像をユーザ端末300から受信するか、或いは、画像選択がユーザ操作によってキャンセルされるまで、ステップS123とステップS125の処理を繰り返す。
【0120】
変形例2でユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例を
図10に示す。なお、
図10に示す一連の処理は、ユーザ端末300がナビゲーション装置1から画像選択要求を受信したことを契機として、ユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例である。
【0121】
ユーザ端末300のCPU31は、画像選択要求をナビゲーション装置1から受信したことに応じて、トリップ情報に画像を紐付けるか否かの選択肢をユーザに提示する処理を行う(ステップS211)。この処理は、例えば、ユーザ端末300の出力部37としてのディスプレイに選択肢を表示させる処理である。
【0122】
ユーザ端末300のCPU31は、ユーザに提示した選択肢の選択結果に応じた分岐処理として、例えば、トリップ情報に画像を紐付ける選択がなされたか否かを判定する(ステップS212)。
【0123】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報に画像を紐付けない選択がなされたと判定した場合に(ステップS212:NO)、画像選択がキャンセルされたことを示すキャンセル情報をナビゲーション装置1に送信して(ステップS213)、
図10に示す一連の処理を終える。
【0124】
これに応じて、ナビゲーション装置1の制御部11は、
図9のステップS125で画像選択がキャンセルされたと判定する。
【0125】
一方、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報に画像を紐付ける選択がなされたと判定した場合に(ステップS212:YES)、出力部37としてのディスプレイに撮像済みの画像一覧を表示することにより画像提示を行う(ステップS214)。
【0126】
続いて、ユーザ端末300のCPU31は、画像に対する選択操作を検出したか否かを判定する(ステップS215)。ユーザ端末300のCPU31は、画像に対する選択操作を検出したと判定した場合に(ステップS215:YES)、選択された画像をナビゲーション装置1へ送信する(ステップS216)。
【0127】
また、ユーザ端末300のCPU31は、画像に対する選択操作を検出していないと判定した場合に(ステップS215:NO)、画像選択をキャンセルするキャンセル操作を検出したか否かを判定する(ステップS217)。
【0128】
ユーザ端末300のCPU31は、キャンセル操作を検出したと判定した場合に(ステップS217:YES)、キャンセル情報をナビゲーション装置1に送信する(ステップS213)。また、ユーザ端末300のCPU31は、キャンセル操作を検出していないと判定した場合に(ステップS217:NO)、ステップS215の処理へと戻る。
【0129】
即ち、ユーザ端末300のCPU31は、選択操作を検出するかキャンセル操作を検出するまでステップS215とステップS217の処理を繰り返す。
【0130】
ナビゲーション装置1が
図9に示す一連の処理を実行し、それに応じてユーザ端末300が
図10に示す一連の処理を実行することにより、ユーザの操作に応じてトリップ情報に画像データを含めることが可能となる。
【0131】
<1-4-4.トリップ情報のダウンロード>
続いて、ユーザが新たな車両100Bに乗り換えた場合に、サーバ装置200に記憶されている車両100Aでのトリップ情報を車両100Bのナビゲーション装置1へダウンロードする場合に各装置が実行する処理について説明する。
【0132】
ナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の一例について
図11に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0133】
車両100Bの制御部11は、先ず、ナビゲーション機能が起動済みであるか否かを判定する(ステップS301)。制御部11は、ナビゲーション機能が起動していないと判定した場合に(ステップS301:NO)、ステップS301の処理を繰り返す。
【0134】
制御部11は、ナビゲーション機能が起動済みであると判定した場合に(ステップS301:YES)、サーバ装置200と通信可能であるか否かを判定する(ステップS106)。そして、制御部11は、サーバ装置200と通信可能でないと判定した場合に(ステップS106:NO)、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能か否かを判定する(ステップS108)。
【0135】
制御部11は、サーバ装置200と通信可能であると判定した場合に(ステップS106:YES)、或いは、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能であると判定した場合に(ステップS108:YES)、サーバ装置200に取得可能なトリップ情報があるか否かを判定する(ステップS302)。
【0136】
例えば、ユーザのユーザIDに紐付くトリップ情報であって、車両100Bのナビゲーション装置1にダウンロードしていないトリップ情報が存在する場合に、制御部11は、サーバ装置200に取得可能なトリップ情報が存在すると判定する。なお、この判定処理はサーバ装置200によって実行されてもよい。その場合には、ナビゲーション装置1は、取得可能なトリップ情報の有無を示す判定結果をサーバ装置300から取得すればよい。
【0137】
制御部11は、取得可能なトリップ情報が存在すると判定した場合に(ステップS302:YES)、サーバ装置200にトリップ情報の送信要求を送信し(ステップS303)、これにより得たトリップ情報を記憶部12に記憶する。なお、制御部11は、トリップ情報の送信要求を直接、或いはユーザ端末300を介してサーバ装置200に送信する。
【0138】
一方、制御部11は、取得可能なトリップ情報が存在しないと判定した場合に(ステップS302:NO)、ステップS303の処理を回避する。
なお、制御部11は、ユーザ端末300がサーバ装置200と通信可能でないと判定した場合に(ステップS108:NO)、ステップS302及びステップS303の各処理を回避する。
【0139】
続いて、制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報が存在するか否かを判定する(ステップS304)。
【0140】
ここで、提示条件に合致するトリップ情報とは、ユーザにとって有意義な情報となるトリップ情報である。
例えば、ユーザによって設定された目的地から所定範囲内に位置する場所に関するトリップ情報や、ユーザによって設定された走行ルートから所定範囲内に位置する場所に関するトリップ情報が該当する。
【0141】
このようなトリップ情報は、ユーザが旅行の目的地付近の訪問場所を決定するために参考となる情報となる。
【0142】
制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報が存在すると判定した場合に(ステップS304:YES)、提示条件に合致するトリップ情報を提示し(ステップS305)、
図11に示す一連の処理を終える。
【0143】
一方、制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報が存在しないと判定した場合に(ステップS304:NO)、ステップS305の処理を回避して
図11に示す一連の処理を終える。
【0144】
なお、ユーザが目的地変更やルート変更などを行った場合には、ステップS304とステップS305の各処理を再度実行するようにしてもよい。
これにより、再度提示条件に合致するトリップ情報の有無が判定され、適宜トリップ情報がユーザに提示される。
【0145】
次に、ナビゲーション装置1の制御部11による
図11に示す一連の処理の実行に応じてユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例を
図12に示す。なお、
図12に示す一連の処理は、ユーザ端末300が、サーバ装置200との通信が可能か否かの判定結果を送信するよう要求を受けたことを契機として、ユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例である。
【0146】
なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0147】
先ず、サーバ装置200との通信が可能か否かの判定結果を送信するよう要求を受けたユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信可能か否かを判定する(ステップS201)。
【0148】
ユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信不可と判定した場合に(ステップS201:NO)、通信不可であることをナビゲーション装置1に通知し(ステップS202)、
図12に示す一連の処理を終える。
【0149】
一方、ユーザ端末300のCPU31は、サーバ装置200と通信可能であると判定した場合に(ステップS201:YES)、通信可能であることをナビゲーション装置1に通知する(ステップS203)。
【0150】
続いて、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報取得要求を受信したか否かを判定する(ステップS401)。トリップ情報取得要求は、ナビゲーション装置1がユーザ端末300を介してトリップ情報を取得する場合に
図11のステップS303の処理を実行することによりナビゲーション装置1からユーザ端末300に送信される情報である。
【0151】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報取得要求を受信していないと判定した場合に(ステップS401:NO)、再度ステップS401を実行する。
【0152】
また、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報取得要求を受信したと判定した場合に(ステップS401:YES)、トリップ情報をサーバ装置200から取得する(ステップS402)。
【0153】
トリップ情報を取得したユーザ端末300のCPU31は、取得したトリップ情報をナビゲーション装置1に送信し(ステップS403)、
図12に示す一連の処理を終える。
これにより、ナビゲーション装置1が直接サーバ装置200と通信できない場合であっても、ユーザにトリップ情報の提示が可能となる。
【0154】
<1-5.トリップ情報の提示態様>
<1-5-1.ナビゲーション装置への表示>
ユーザに提示されるトリップ情報の一例を
図13に示す。
トリップ情報は、例えば、ナビゲーション装置1が備える表示部14に提示される。ここでは、表示部14に表示される画面をナビ画面51とする。
【0155】
ナビ画面51は、地図領域52と、トリップ情報表示領域53と、車両情報表示領域54とを備えている。
【0156】
地図領域52には、指定された縮尺で地図が表示されている。
図13の例においては、車両100Bの現在位置や設定された目的地、及び、そこに至るまでのルートなどが表示されている。
【0157】
地図領域52には、走行ルート上と目的地にそれぞれトリップアイコン55が配置されている。トリップアイコン55は、撮影された画像やトリップ情報が存在する場所に対して付与されるアイコンである。
図13の例では、目的地には1番のトリップアイコン55aが配置され、走行ルート上には2番のトリップアイコン55bが配置されている。
【0158】
トリップ情報表示領域53は、トリップアイコン55に対応したトリップ情報が表示される領域である。
図13の例では、1番のトリップアイコン55aに対して2枚の画像56とそれぞれの撮影日57が表示されている。また、2番のトリップアイコン55bに対して1枚の画像56が表示されている。
【0159】
ユーザは、トリップ情報表示領域53に対するスクロール操作を行うことで、上下に並んだ表示しきれない複数の画像をトリップ情報表示領域53に適宜表示させることができる。
【0160】
トリップ情報表示領域53に表示されるトリップ情報は、例えば、ユーザによって入力されたコメント等が表示されてもよいし、その他の情報が表示されてもよい。
【0161】
なお、トリップ情報表示領域53に表示される画像は、ユーザがユーザ端末300で撮像した画像だけでなく、車両100の車載カメラで撮像された画像が表示されてもよい。
【0162】
車両情報表示領域54には、選択中のトリップ情報が生成されたときに搭乗していた車両100についての車両画像58と車両情報59が表示されている。
図13の例では、トリップ情報表示領域53に表示された画像56のうち、1枚の画像56sが選択されている。選択中の画像56sには、矩形状の破線とされた選択アイコン60が重畳されている。
【0163】
車両情報表示領域54に表示された車両情報59は、画像56sの撮影時に搭乗していた車両100の情報である。即ち、選択中の画像56sを別の画像に切り替えることにより、車両情報表示領域54に表示される車両情報59は変化し得る。
【0164】
<1-5-2.ユーザ端末への表示>
なお、
図13においては、ナビゲーション装置1のナビ画面51にトリップ情報を表示させる例を示したが、トリップ情報の表示態様はこれに限られない。
例えば、ユーザ端末300の出力部37としての表示部37Aにトリップ情報を表示させてもよい。
【0165】
一例を
図14及び
図15に示す。
図14は、ユーザ端末300としてのスマートフォン300Aの表示部37Aにナビ画面51が表示されている状態を示す図である。
【0166】
図示するように、ナビ画面51には、現在地と目的地とそこに至るまでの走行ルートとトリップアイコン55a、55bとが表示されている。
【0167】
例えば、ユーザがトリップアイコン55aについてのタップ操作を行うと、
図15に示すように、ナビ画面51に重畳ウィンドウ61が重畳される。
【0168】
重畳ウィンドウ61には、選択されたトリップアイコン55aと、ユーザによって撮影された画像56と、撮影日57と、撮影時に搭乗していた車両100の車両画像58と、車両情報59が表示される。
【0169】
また、選択したトリップアイコン55aに紐付くトリップ情報が複数ある場合には、表示中のトリップ情報を切り替える情報送りボタン62が表示される。
【0170】
ユーザが重畳ウィンドウ61以外の部分をタップ操作すると、
図14に示すようにナビ画面51のみが表示される状態へと戻る。
【0171】
図14及び
図15のような表示態様を実現するためには、ナビゲーション装置1の制御部11は、
図11におけるステップS305の処理の代わりにスマートフォン300Aに対して提示条件に合致したトリップ情報の送信する処理と表示処理の要求を送信する処理を行えばよい。
【0172】
また、スマートフォン300Aは、トリップ情報と表示処理の要求を受信した場合に、スマートフォン300Aの表示部37Aに、ナビ画面51やトリップ情報を適宜表示させる処理を行う。
【0173】
<2.第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、走行履歴管理システムSにおいてサーバ装置200がトリップ情報を管理する例を示した。第2の実施の形態では、サーバ装置200の代わりにスマートフォンなどのユーザ端末300がトリップ情報を管理する例を説明する。
【0174】
走行履歴管理システムSにおける各車両100とユーザ端末300の接続態様について
図16に示す。
図示するように、乗り換え前の車両100Aとユーザ端末300、及び乗り換え後の車両100Bとユーザ端末300はそれぞれ無線通信によって接続される。なお、無線通信に代わって有線通信が用いられてもよい。
【0175】
車両100A、100Bとユーザ端末300の接続は、車両100が備える通信部とユーザ端末300の通信部39が接続することによりなされてもよいし、車両100のナビゲーション装置1の通信部13とユーザ端末300の通信部39が接続することによりなされてもよい。
【0176】
車両100Aで生成されたトリップ情報をユーザ端末300で管理するために車両100Aのナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の一例を
図17に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0177】
制御部11は、走行開始判定処理(ステップS101)、トリップ情報の記録を開始する処理(ステップS102)、及び走行終了判定処理(ステップS103)を実行した後に、トリップ情報を記憶し(ステップS104)、車両情報をトリップ情報に付加する(ステップS105)。
【0178】
続いて、制御部11は、ユーザ端末300と通信可能であるか否かを判定する(ステップS131)。
【0179】
制御部11は、ユーザ端末300と通信可能であると判定した場合に(ステップS131:YES)、トリップ情報をユーザ端末300に送信し(ステップS107)、
図17に示す一連の処理を終える。
【0180】
一方、制御部11は、ユーザ端末300と通信可能でないと判定した場合に(ステップS131:NO)、ステップS107の処理を回避して
図17に示す一連の処理を終える。このとき送信予定であったトリップ情報は、次回の送信機会においてユーザ端末300に送信される。
【0181】
ステップS107のトリップ情報の送信に応じてユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例を
図18に示す。
【0182】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報を受信したか否かを判定する(ステップS221)。そして、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報を受信したと判定した場合に(ステップS221:YES)、受信したトリップ情報を記憶部38に記憶する(ステップS222)。ステップS222の処理を終えた後、ユーザ端末300のCPU31は再度ステップS221の処理を実行する。
【0183】
なお、
図18とは異なり、トリップ情報の受信をトリガとしてステップS222の処理が実行されるようにしてもよい。即ち、ユーザ端末300のCPU31は、ステップS221の判定処理を実行しなくてもよい。
【0184】
続いて、ユーザが車両100Aから車両100Bに乗り換えた場合に、車両100Aで生成されたトリップ情報を車両100Bのナビゲーション装置1で提示するために車両100Bのナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の一例を
図19に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0185】
車両100Bのナビゲーション装置1の制御部11は、ステップS301でナビゲーション機能の起動を待機した後、ステップS131でユーザ端末300と通信可能か否かを判定する。そして、制御部11は、通信可能であると判定した場合に(ステップS131:YES)、取得可能なトリップ情報の有無を判定する(ステップS302)。
【0186】
制御部11は、取得可能なトリップ情報があると判定した場合に(ステップS302:YES)、トリップ情報送信要求をユーザ端末300に送信する(ステップS311)。
【0187】
続いて、制御部11はユーザ端末300からトリップ情報を受信する(ステップS312)。
【0188】
制御部11は、ユーザ装置300と通信可能でないと判定した場合や(ステップS131:NO)、取得可能なトリップ情報がないと判定した場合に(ステップS302:NO)、ステップS311及びステップS312の処理を回避する。
【0189】
制御部11は、トリップ情報をユーザに提示するために、ステップS304、S305の各処理を実行する。ステップS304、S305の各処理については説明を省略する。
なお、ステップS304、S305の各処理は、ユーザが目的地を設定するなど所定の条件を満たした場合に実行されるようにしてもよい。
【0190】
トリップ情報送信要求を受信したユーザ端末300のCPU31が実行する処理の一例について
図20に示す。なお、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0191】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報送信要求を受信したか否かを判定する(ステップS411)。そして、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報送信要求を受信していないと判定した場合に(ステップS411:NO)、再度ステップS411の処理を実行する。
【0192】
一方、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報送信要求を受信したと判定した場合に(ステップS411:YES)、トリップ情報を取得し(ステップS402)、ナビゲーション装置1へ送信する(ステップS403)。
【0193】
なお、
図20とは異なり、トリップ情報送信要求の受信をトリガとしてステップS402、S403の各処理が実行されるようにしてもよい。即ち、ユーザ端末300のCPU31は、ステップS411の判定処理を実行しなくてもよい。
【0194】
<3.変形例>
上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ユーザIDに対して車両IDが紐付けられる例を説明した。例えば、家族で車両100Aや車両100Bを利用している場合に、その家族に対して付与された一つのユーザIDに対して車両100Aの車両IDや車両100Bの車両IDが紐付けられる。
この場合には、車両100Aや車両100Bで訪れた場所についてのトリップ情報が家族の一員である親ユーザや子ユーザに対して一様に提示される。
【0195】
ここで、ユーザごとに異なるユーザIDを割り当てる例について説明する。
例えば、ある家族の親子は、親ユーザと子ユーザそれぞれが車両100Aや車両100Bを利用している。また、親ユーザと子ユーザでは異なるユーザIDが割り当てられている。
この場合においてサーバ装置200に構築されるデータベースの一態様を
図21に示す。
【0196】
図示するように、同じ家族であってもユーザIDごとに車両情報とトリップ情報が紐付けられる。また、トリップ情報は、車両IDとユーザIDの双方に紐付けられている。
【0197】
具体的に、親ユーザが車両100Aを用いて旅行したときのトリップ情報がトリップ情報T1、T2などとされている。
同様に子ユーザが車両100Aを用いて旅行したときのトリップ情報がトリップ情報T1、T5などとされている。
【0198】
ここで、親ユーザが車両100Aから車両100Bに乗り換えた際に車両100Bのナビゲーション装置1にダウンロードされて提示され得るトリップ情報は、トリップ情報T1、T2とされる。
また、子ユーザが車両100Aから車両100Bに乗り換えた際に車両100Bのナビゲーション装置1にダウンロードされて提示され得るトリップ情報は、トリップ情報T1、T5とされる。
【0199】
トリップ情報T1は、親ユーザと子ユーザとで出かけたときに生成されたトリップ情報である。また、トリップ情報T2は親ユーザのみで出かけたときに生成されたトリップ情報である。そして、トリップ情報T5は子ユーザのみで出かけたときに生成されたトリップ情報である。
【0200】
この場合において、子ユーザのみで出かけたときに生成されたトリップ情報が親ユーザに対して提示されるのはプライバシーの観点から好ましくない。
【0201】
サーバ装置200において
図21に示すようなデータベースが構築されることにより、ユーザに対して適切なトリップ情報を提示することが可能となる。
【0202】
そのためには、
図11などのステップS304の処理において制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報を抽出する際に、車両IDではなくユーザIDに紐付くトリップ情報であって他の車両100において生成されたトリップ情報を提示条件に合致すると判定すればよい。
これにより、親ユーザに対してはトリップ情報T1、T2を提示し、子ユーザに対してはトリップ情報T1、T5を提示することで、プライバシーの保護を図ることができる。
【0203】
<4.第1、第2の実施の形態におけるまとめ>
上述したナビゲーション装置1は、一または複数のプロセッサ(例えば制御部11)と、一または複数のプロセッサによって実行されるプログラムが記憶された記憶媒体(例えば記憶部12)と、を備え、プログラムは一または複数の命令を含み、一または複数の命令は、一または複数のプロセッサに、各処理を実行させるものである。
各処理とは、例えば、他のナビゲーション装置(車両100Aに搭載されたナビゲーション装置1)において記憶され車両(例えば車両100A)の位置情報(例えばGNSS受信機3によって取得された位置情報)及び車両情報を含むトリップ情報を受信する処理(例えば
図11のステップS303の処理)と、受信したトリップ情報を表示部(例えば車両100Bに搭載されたナビゲーション装置1の表示部14)に表示させる処理とを含む。
これにより、例えば、車両を乗り換えたような状況において、乗り換え前の車両に搭載されたナビゲーション装置1に記憶された古いトリップ情報を乗り換え後の新たな車両に搭載されたナビゲーション装置1の表示部14に表示させることが可能となる。このとき、各トリップ情報がどの車両で取得されたものかを紐付けることにより、車両情報と共にユーザに提示することができる。
従って、訪れた行楽地や飲食店を車両情報と共に提示することが可能となり、ユーザは車両の思い出と共に旅行行程などを思い出すことが可能となる。即ち、ユーザに対して有益な情報提示を行うことができる。
【0204】
また、表示部14に表示させるトリップ情報は、そのトリップ情報が生成された時節情報(日時情報、時間情報)を含んでいてもよい。
様々な場所を旅行するユーザにとっては、各地域がいつの時期に訪れたものであるか記憶が不確かな場合もある。
ユーザにトリップ情報を提示する際に時節情報を提示することで、旅行時の記憶をよみがえらせる手助けをすることが可能となり、より有益な情報をユーザに提示できるようになる。
【0205】
更に、一または複数の命令は、一または複数のプロセッサ(例えば制御部11)に、トリップ情報に紐付く位置情報によって特定される位置から自車両の現在地(例えば車両100Bの現在位置)までの距離が所定の距離以内である場合に、そのトリップ情報を表示させる処理を実行させてもよい。
これにより、自車両の現在地と遠く離れた場所についてのトリップ情報が提示されることがなくなり、ユーザにとって意味のない情報を提示する処理を実行せずに済むため、処理負担の軽減が図られる。また、ユーザにとって意味のある情報を提示することが可能となる。
【0206】
また、一または複数の命令は、一または複数のプロセッサ(例えば制御部11)に、自車両の現在地(例えば車両100Bの現在位置)から指定された目的地までの走行ルートを設定する処理を実行させ、その走行ルート上からトリップ情報に紐付く位置情報によって特定される位置までの距離が所定の距離以内とされている場合に、そのトリップ情報を表示させる処理を実行させてもよい。
これにより、自車両の走行ルートとは全く関連のない場所についてのトリップ情報を提示しなくて済むため、処理負担の軽減が図られる。また、ユーザにとって意味のある情報を提示することが可能となる。
【0207】
更に、トリップ情報は、ユーザを識別可能なユーザ識別情報(例えばユーザID)を含み、一または複数の命令は、一または複数のプロセッサ(例えば制御部11)に、トリップ情報の提示要求のあったユーザについてのユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報が含まれるトリップ情報を対象として、表示部(例えば車両100Bに搭載されたナビゲーション装置1の表示部14)に表示させてもよい。
例えば、車両を親ユーザと子ユーザが共用している場合に、自身が訪れた場所についてのトリップ情報のみを提示することができる。換言すれば、ユーザごとに表示するトリップ情報を変えることができる。これにより、適切な情報提示が為されると共にプライバシーの保護を図る事が可能となる。
【0208】
なお、第2の実施の形態におけるユーザ端末300は、各種のナビゲーション装置1で生成されたトリップ情報を受信する可能性がある。また、各種のナビゲーション装置1は、製造するメーカー等によってトリップ情報のデータ形式が異なる場合がある。
【0209】
そこで、ユーザ端末300は、各種のナビゲーション装置1に対応するために、トリップ情報のデータ形式変換機能を備えていてもよい。例えば、A社製造のナビゲーション装置で生成されたトリップ情報をB社製造のナビゲーション装置へ供給する際に、ユーザ端末300のCPU31は、データ形式の変換処理を行ってもよい。
これにより、各種のナビゲーション装置に対して適切なトリップ情報を提供することができる。
なお、このデータ形式変換機能は、第1の実施の形態におけるサーバ装置200が備えていてもよい。
【0210】
<5.第3の実施の形態>
上述した例では、トリップ情報を生成する処理をナビゲーション装置1の制御部11が実行する例を示したが、これに限られない。第3の実施の形態では、トリップ情報の生成をユーザ端末300が実行する例である。
【0211】
なお、上述した構成や処理については同じ符号やステップ番号を付し適宜説明を省略する。
【0212】
<5-1.システム構成>
ナビゲーション装置1とユーザ端末300を有する走行履歴管理システムSの構成例を
図16に示す。図示するように、車両100Aとスマートフォンなどのユーザ端末300、そして車両100Bとユーザ端末300とが通信可能とされている。
【0213】
車両100A、100Bの構成は、例えば
図1に示す通りである。また、ナビゲーション装置1の構成は、例えば
図2に示す通りである。
【0214】
車両100とユーザ端末300の通信は、車両100が備える通信部とユーザ端末300の通信部39が接続することによりなされてもよいし、車両100のナビゲーション装置1の通信部13とユーザ端末300の通信部39が接続することによりなされてもよい。
【0215】
ナビゲーション装置1の機能構成の一例を
図22に示す。ナビゲーション装置1の制御部11は、プログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
具体的に、制御部11は、通信処理部F2、判定処理部F3、提示処理部F4として機能する。
【0216】
通信処理部F2は、通信部13を介してユーザ端末300と通信を行うことにより種々のデータを送受信する。
例えば、通信処理部F2は、車両100の走行が開始したことなどをトリガとしてトリップ開始情報をユーザ端末300に送信する。トリップ開始情報は、日時情報を含んでいてもよいし、日時情報を含んでいなくてもよい。トリップ開始情報は、トリップ情報の記録を開始させることを通知するためにナビゲーション装置1からユーザ端末300に送信される情報であり、トリガ情報といえる。
【0217】
また、通信処理部F2は、車両100の走行が終了したことなどをトリガとしてトリップ終了情報をユーザ端末300に送信する。トリップ終了情報は、日時情報を含んでいてもよいし、日時情報を含んでいなくてもよい。トリップ終了情報は、トリップ情報の記録を終了させることを通知するためにナビゲーション装置1からユーザ端末300に送信される情報であり、トリガ情報といえる。
【0218】
更に、通信処理部F2は、ユーザ端末300で生成されたトリップ情報を受信する処理を実行する。
【0219】
判定処理部F3は、トリップ情報の記録を開始するタイミングや停止するタイミングを判定する処理を行う。この判定結果に基づいて通信処理部F2はトリップ開始情報やトリップ終了情報をユーザ端末300に送信する。
【0220】
提示処理部F4は、トリップ情報をナビゲーション装置1の表示部14に表示させる処理を行う。この表示処理により、例えば、
図13のようなトリップ情報の提示が実現される。
【0221】
次に、ユーザ端末300の機能構成の一例を
図23に示す。ユーザ端末300のCPU31は、プログラムを実行することにより各種の機能を実現する。例えば、ユーザ端末300のCPU31がプログラムを実行することにより、トリップ情報の管理等を行う専用のアプリケーションソフトウェアが起動し、ユーザ端末300上で各種の機能を実現する。
【0222】
例えば、ユーザ端末300のCPU31は、通信処理部F31、トリップ情報生成部F32、トリップ情報選択部F33として機能する。
【0223】
通信処理部F31は、ナビゲーション装置1から上述のトリップ開始情報やトリップ終了情報を受信する。
また、通信処理部F31は、トリップ開始情報やトリップ終了情報に基づいて生成されたトリップ情報をナビゲーション装置1に送信する。
【0224】
なお、ナビゲーション装置1が扱うトリップ情報は、ナビゲーション装置1を製造するメーカー等によって異なる場合がある。その場合には、通信処理部F31は、トリップ情報をナビゲーション装置1に送信する際にトリップ情報のデータ形式を変換する処理を行ってもよい。
【0225】
なお、データ形式の変換処理は、ユーザ端末300における通信処理部F31とは別の機能によって実現されてもよいし、ナビゲーション装置1側で実現されてもよい。
【0226】
トリップ情報生成部F32は、上述したように、時節情報(日時情報)、位置情報、走行距離情報、走行速度情報、車両情報、画像情報などを含んで構成された情報であるトリップ情報を生成する。
【0227】
なお、トリップ情報生成部F32は、ユーザ端末300が備える各種センサ類からの検出データに基づいてトリップ情報を生成する。このとき、生成する情報は、車両100で得られる情報の代替とされた情報であってもよい。
例えば、走行速度情報は、本来車両100が備える車速センサ等から得られる情報である。トリップ情報生成部F32は、走行速度情報として、ユーザ端末300で得られた情報に基づいてユーザ端末300の移動速度を算出する。即ち、トリップ情報生成部F32は、車速センサから得られる情報の代わりにユーザ端末300が備えるGPS受信機などの検出結果に基づいてユーザ端末300の現在位置の変化を算出し、ユーザ端末300の移動速度を算出する。
もちろん、ユーザ端末300が車両100の車速センサのセンシング結果を取得可能に構成されていてもよいし、車両100側で算出された走行速度を受信可能に構成されていてもよい。
【0228】
また、トリップ情報生成部F32は、時節情報としてユーザ端末300で取得した時間情報を用いる。もちろん、トリップ情報生成部F32は、車両100のナビゲーション装置1から取得した時間情報を用いてもよい。
【0229】
同様に、走行距離情報について、トリップ情報生成部F32は、ユーザ端末300が備えるGPS受信機などの検出結果に基づいて算出する。
【0230】
なお、車両情報については、トリップ情報生成部F32は、車両100から受信した情報を用いる。車両情報は、トリップ開始情報の受信時に合わせてナビゲーション装置1がユーザ端末300に送信してもよいし、ナビゲーション装置1とユーザ端末300が接続した際にナビゲーション装置1がユーザ端末300に送信してもよい。但し、車両情報は、ユーザによってユーザ端末300に入力された情報を用いてもよい。
【0231】
トリップ情報生成部F32は、画像情報をトリップ情報に含めてもよい。トリップ情報に含める画像は、車載カメラによって撮像されナビゲーション装置1から受信した画像であってもよいし、ユーザ端末300において撮像された画像であってもよい。
【0232】
ユーザ端末300において撮像された画像をトリップ情報に含める場合には、トリップ情報生成部F32は、例えば、トリップ開始時間以降であって、トリップ終了時間以前に撮像された画像を選択してトリップ情報に含める。また、トリップ情報生成部F32は、トリップ終了時間後であっても所定時間内に撮像された画像を含めるようにしてもよい。これは、目的地に到着した後に観光しながら撮像した画像をトリップ情報に含めるためである。
【0233】
なお、トリップ情報生成部F32は、トリップ情報に含める画像をユーザに選択させてもよい。
【0234】
トリップ情報選択部F33は、記憶部38に記憶されたトリップ情報のうち、ナビゲーション装置1に送信するトリップ情報を選択する処理を行う。
トリップ情報選択部F33は、この選択処理において、送信対象のナビゲーション装置に記憶されていないトリップ情報などの条件を満たすトリップ情報を選択する。
【0235】
なお、スマートフォンなどのユーザ端末300が家族共通の端末など、複数のユーザによって利用される情報処理装置Mである場合には、例えば、ユーザ端末300上で起動されている専用のアプリケーションへのログイン情報に基づいて、トリップ情報選択部F33は、親ユーザに対しては親ユーザが車両100に搭乗していた際に生成されたトリップ情報を選択し、子ユーザに対しては子ユーザが車両100に搭乗していた際に生成されたトリップ情報を選択する。
【0236】
なお、トリップ情報選択部F33は、各ユーザに対して適切なトリップ情報を選択する際に、トリップ情報に紐付けられたユーザの画像を用いてもよい。
例えば、車両100の通信処理部F2は、トリップ開始情報やトリップ終了情報の送信時に、運転者の運転中の状態を把握するために車載カメラによって撮像されたユーザの顔画像をユーザ端末300に送信する。
【0237】
顔画像を受信したユーザ端末300のトリップ情報生成部F32は、生成したトリップ情報に顔画像としての画像ファイルを紐付けて記憶部38などに記憶する。
【0238】
トリップ情報選択部F33は、トリップ情報の選択時に、ユーザ端末300の撮像部によって撮像されたユーザの顔画像とトリップ情報に紐付けられた顔画像を比較し、同一人物であると判定した場合にトリップ情報を選択する。
【0239】
これにより、ユーザに適切なトリップ情報を提示することなどが可能となる。
なお、顔画像の比較による同一人物であるか否かの判定は、機械学習によって得られたAI(Artificial Intelligence)モデルを用いて行われてもよい。
【0240】
<5-2.処理の流れ>
各処理について、上述した処理と同様の処理については同じステップ番号を付し適宜説明を省略する。なお、以下の説明においては、車両100Aに関して生成されたトリップ情報が既にユーザ端末300に記憶されており、車両100Bの搭乗時に車両100Aに関して生成されたトリップ情報を車両100Bに搭乗しているユーザに提示すると共に車両100Bでの走行に基づいてトリップ情報を生成する例について説明する。
【0241】
<5-2-1.ナビゲーション装置側の処理>
車両100Bのナビゲーション装置1の制御部11が実行する処理の流れについて
図24を参照して説明する。
ナビゲーション装置1の制御部11は、先ず、ユーザ端末300と接続済みであるか否かを判定する(ステップS141)。
制御部11は、ユーザ端末300と接続済みでない場合は(ステップS141:NO)、再度ステップS141の処理を実行する。
【0242】
また、制御部11は、ユーザ端末300と接続済みであると判定した場合に(ステップS141:YES)、取得可能なトリップ情報が存在するか否かを判定する(ステップS302)。
【0243】
制御部11は、取得可能なトリップ情報があると判定した場合に(ステップS302:YES)、トリップ情報の送信要求をユーザ端末300に対して行う(ステップS303)。
一方、制御部11は、取得可能なトリップ情報はないと判定した場合に(ステップS302:NO)、ステップS303の処理を回避する。
【0244】
なお、制御部11は、取得可能なトリップ情報があるか否かを判定する場合に、ユーザ端末300に取得可能なトリップ情報の有無を判定させるための要求を送信してもよい。その場合に、制御部11は、ユーザ端末300から受信した判定結果に基づいてステップS302の判定処理を行う。
【0245】
制御部11は、車両100Bが走行を開始したか否かを判定する(ステップS101)。制御部11は、走行を開始したと判定した場合に(ステップS101:YES)、ユーザ端末300に対してトリップ開始情報を送信する(ステップS142)。
【0246】
なお、制御部11は、走行を開始していないと判定した場合に(ステップS101:NO)、再度ステップS101の処理を行う。
【0247】
続いて、制御部11は、車両100Bが走行を終了したか否かを判定し(ステップS103)する。制御部11は、走行を終了したと判定した場合に(ステップS103:YES)、ユーザ端末300に対してトリップ終了情報を送信する(ステップS143)。
【0248】
なお、制御部11は、走行を終了していないと判定した場合に(ステップS103:NO)、再度ステップS103の処理を行う。
【0249】
続いて、制御部11はユーザ端末300で生成されたトリップ情報を受信して(ステップS144)、記憶部38に記憶する(ステップS104)。
【0250】
<5-2-2.ユーザ端末側の処理>
次に、ユーザ端末300においてトリップ情報を生成する際に実行される処理を
図25に示す。
ユーザ端末300のCPU31は、先ず、トリップ開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS231)。
トリップ開始条件が成立した場合とは、接続済みのナビゲーション装置1からトリップ開始情報を受信した場合や、ユーザの操作によってトリップ開始ボタンなどが押下された場合などである。
【0251】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ開始条件が成立していないと判定した場合に(ステップS231:NO)、再度ステップS231を行う。
また、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ開始条件が成立したと判定した場合に(ステップS231:YES)、トリップ情報の記録を開始する(ステップS102)。
【0252】
次に、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS232)。
トリップ終了条件が成立した場合とは、接続済みのナビゲーション装置1からトリップ終了情報を受信した場合や、ユーザの操作によってトリップ終了ボタンなどが押下された場合などである。
【0253】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ終了条件が成立していないと判定した場合に(ステップS232:NO)、再度ステップS232を行う。
また、ユーザ端末300のCPU31は、トリップ終了条件が成立したと判定した場合に(ステップS232:YES)、トリップ情報の記録を終了して記憶部38などに記憶する(ステップS104)。
【0254】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報に車両情報を付加する(ステップS105)。付加する車両情報は、トリップ開始情報やトリップ終了情報と共に車両100Bから受信してもよいし、ユーザ端末300と車両100Bの接続が確立された際に受信してもよい。
【0255】
ユーザ端末300のCPU31は、トリップ情報に付加すべき画像の有無を判定する(ステップS233)。
付加すべき画像とは、上述したように、トリップ開始時間以降であって、トリップ終了時間以前に撮像された画像や、トリップ終了時間後所定時間以内に撮像された画像などである。このような画像には、例えば、目的地までの道程で立ち寄った飲食店や、目的地で撮影した画像などが含まれる。
【0256】
ユーザ端末300のCPU31は、付加対象の画像があると判定した場合に(ステップS233:YES)、付加対象の画像を選択し(ステップS234)、トリップ情報に付加する(ステップS235)。
【0257】
ユーザ端末300のCPU31は、付加対象の画像はないと判定した場合や(ステップS233:NO)、ステップS235の処理の後、
図25に示す一連の処理を終える。
【0258】
<5-2-3.トリップ情報の提示処理>
ナビゲーション装置1の制御部11が実行するトリップ情報の提示処理の一例を
図26に示す。
【0259】
なお、トリップ情報の提示処理は、例えば、
図24のステップS303の後、或いは、ステップS101からステップS104の各処理の実行と並行して実行されてもよい。
例えば、トリップ情報の提示は、取得可能なトリップ情報をユーザ端末300から取得した後に、ユーザが目的地の設定や走行ルートの設定を行った際に、例えば、ステップS101の走行開始判定でYES判定となる前に実行されてもよい。
【0260】
ナビゲーション装置1の制御部11は、先ず、ナビゲーション機能が起動済みであるか否かを判定する(ステップS301)。制御部11は、ナビゲーション機能が起動していないと判定した場合に(ステップS301:NO)、ステップS301の処理を繰り返す。
【0261】
制御部11は、ナビゲーション機能が起動済みであると判定した場合に(ステップS301:YES)、提示条件に合致するトリップ情報が存在するか否かを判定する(ステップS304)。
【0262】
制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報が存在すると判定した場合に(ステップS304:YES)、提示条件に合致するトリップ情報を提示し(ステップS305)、
図26に示す一連の処理を終える。
【0263】
一方、制御部11は、提示条件に合致するトリップ情報が存在しないと判定した場合に(ステップS304:NO)、ステップS305の処理を回避して
図26に示す一連の処理を終える。
【0264】
これにより、
図13に示すようにトリップ情報のユーザへの提示が行われる。
【0265】
<5-3.トリップ情報のデータ形式>
本実施の形態では、ナビゲーション装置1を搭載した車両100Aの走行に基づいて生成されたトリップ情報を車両100Bに搭載されたナビゲーション装置1で提示する。
ここで、車両100Aに搭載されたナビゲーション装置1Aに対して、車両100Bに搭載されたナビゲーション装置1をナビゲーション装置1Bとする。
【0266】
ナビゲーション装置1Aとナビゲーション装置1Bは、異なるメーカーが製造したナビゲーション装置であることも考えられる。その場合には、ナビゲーション装置1Aで扱うトリップ情報のデータ形式とナビゲーション装置1Bで扱うトリップ情報のデータ形式が異なる場合がある。
【0267】
トリップ情報のデータ形式が異なる場合には、単純にナビゲーション装置1Aからナビゲーション装置1Bにトリップ情報を引き継ぐことができない場合や、手間が掛かる場合がある。
【0268】
本実施の形態における構成においては、ナビゲーション装置1Aやナビゲーション装置1Bは、スマートフォンなどのユーザ端末300にトリップ開始情報やトリップ終了情報としてのトリガ情報を送信し、ユーザ端末300において生成されたトリップ情報を受信するものとされている。
【0269】
従って、本実施の形態におけるユーザ端末300は、受信したトリガ情報に基づいて統一したデータ形式のトリップ情報を生成することができる。
【0270】
また、各ナビゲーション装置1A、1Bにトリップ情報を送信する場合には、ユーザ端末300のCPU31は、それぞれのナビゲーション装置に適合したデータ形式にトリップ情報を変換する処理を実行してもよい。
即ち、ユーザ端末300上で動くアプリケーションソフトウェアは、ナビゲーション装置1Aやナビゲーション装置1Bなどの各種のナビゲーション装置に対応するためのデータ形式変換機能を備えて構成されてもよい。
これにより、異なる種類のナビゲーション装置1に対して適切なトリップ情報を送信することができ、トリップ情報のユーザへの適切な提示が可能とされる。
【0271】
<6.第3の実施の形態におけるまとめ>
第3の実施の形態に記載した走行履歴管理システムSは、ナビゲーション装置1と、携帯端末装置(例えばスマートフォンなどのユーザ端末300)と、を備え、ナビゲーション装置1は、一または複数の第1プロセッサ(例えば制御部11)と、一または複数の第1プロセッサによって実行される第1プログラムが記憶された第1記憶媒体(例えば記憶部12)と、を備え、第1プログラムは一または複数の第1命令を含み、一または複数の第1命令は、一または複数の第1プロセッサに、各処理を実行させるものである。
各処理とは、例えば、トリップ情報の記録を開始するためのトリップ開始情報とトリップ情報の記録を終了するためのトリップ終了情報とをユーザ端末300としての携帯端末装置に送信する処理を含む。
また、携帯端末装置(例えばスマートフォンなどのユーザ端末300)は、一または複数の第2プロセッサ(例えばユーザ端末300のCPU31)と、一または複数の第2プロセッサによって実行される第2プログラムが記憶された第2記憶媒体(例えばユーザ端末300の記憶部38)と、を備え、第2プログラムは一または複数の第2命令を含み、一または複数の第2命令は、一または複数の第2プロセッサに、各処理を実行させるものである。
各処理とは、例えば、ナビゲーション装置1からトリップ開始情報とトリップ終了情報とを受信する処理と、トリップ開始情報とトリップ終了情報とに基づいてトリップ情報を生成する処理と、を含む。
即ち、トリップ情報の生成はユーザ端末300で行われるため、生成したトリップ情報のデータ形式を統一することができる。
従って、ユーザ端末300においてはトリップ情報の管理の効率の向上が図られる。
また、生成したトリップ情報をユーザ端末300で管理することにより、他のナビゲーション装置1への引継が容易とされる。
【0272】
また、一または複数の第2命令は、一または複数の第2プロセッサ(例えばユーザ端末300のCPU31)に、ナビゲーション装置1Bからトリップ情報の送信要求を受信した場合に、第1ナビゲーション装置(例えばナビゲーション装置1B)とは異なる第2ナビゲーション装置(例えばナビゲーション装置1B)から受信したトリップ開始情報とトリップ終了情報によって生成したトリップ情報を第1ナビゲーション装置に送信する処理を実行させてもよい。
これにより、訪れた行楽地や飲食店の情報をトリップ情報生成時に乗っていた車両の車両情報と共にユーザに提示することが可能となり、ユーザは車両の思い出と共に旅行行程などを思い出すことが可能となる。即ち、ユーザに対して有益な情報提示を行うことができる。
【0273】
また、一または複数の第2命令は、一または複数の第2プロセッサ(例えばユーザ端末300のCPU31)に、トリップ開始情報に関する時間情報とトリップ終了情報に関する時間情報に基づいてトリップ情報に含む画像を選択する処理を実行させてもよい。
トリップ開始情報には、例えば時間情報が含まれていてもよい。この場合には、ナビゲーション装置1側で取得した時間に基づいてトリップ情報が生成される。また、トリップ開始情報は単にトリガ情報とされ該トリガ情報を受信した際のユーザ端末300側の時間情報を用いてトリップ情報を生成してもよい。
これにより、時間情報を含むトリップ情報を生成することができる。従って、トリップ情報に含まれる時間情報に基づいてトリップ情報に含ませる画像を適切に選択することが可能となる。また、ユーザへの提示においても時間情報を用いることにより、画像を含むトリップ情報の提示が可能となり、ユーザの記憶を呼び起こしやすくすることができる。
【0274】
また、一または複数の第2命令は、一または複数の第2プロセッサ(例えばユーザ端末300のCPU31)に、トリップ開始情報の受信に代わってトリップ開始操作を受け付ける処理(ステップS231の処理)と、トリップ終了情報の受信に代わってトリップ終了操作を受け付ける処理(ステップS232の処理)と、トリップ開始操作とトリップ終了操作とに基づいてトリップ情報を生成する処理と、を実行させてもよい。
これにより、例えば、車両100がナビゲーション装置1を備えていない場合であっても、ユーザ端末300の構成を用いてトリップ情報を生成することができる。
従って、ユーザに対して適切なトリップ情報提示を実現することができる。
【0275】
第3の実施の形態において説明したナビゲーション装置1は、一または複数のプロセッサ(例えば制御部11)と、一または複数のプロセッサによって実行されるプログラムが記憶された記憶媒体(例えば記憶部12)と、を備え、プログラムは一または複数の命令を含み、一または複数の命令は、一または複数のプロセッサに、各処理を実行させるものである。
各処理とは、例えば、トリップ開始情報とトリップ終了情報を送信する処理と、トリップ開始情報とトリップ終了情報とに基づいて他の装置(例えばユーザ端末300)において生成されたトリップ情報を受信する処理と、を含む。
トリップ情報をユーザ端末300側で生成することにより、ナビゲーション装置1を備えていない車両100で旅行などした場合であっても、トリップ情報を生成することができる。
従って、ユーザへの適切な情報提示を行うことができる。
【0276】
なお、第3の実施の形態においては、スマートフォンなどのユーザ端末300がトリップ情報を生成する例を説明したが、これに限られない。例えば、ナビゲーション装置1からトリップ開始情報とトリップ終了情報を受信したサーバ装置200がトリップ情報を生成してもよい。
【0277】
<7.その他>
上述した例では、ナビゲーション装置1においてユーザが目的地などの設定を行った際にトリップ情報を提示する例を説明したが、トリップ情報の提示タイミングはこれに限られない。
例えば、走行中の車両100の現在地とトリップ情報に含まれる位置情報が所定距離以内に近づいたときにそのトリップ情報を提示するように構成してもよい。
【0278】
上述した各実施の形態及び各変形例などは、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0279】
1、1A、1B ナビゲーション装置
11 制御部
12 記憶部
31 CPU
38 記憶部
100、100A、100B 車両
200 サーバ装置
300 ユーザ端末
300A スマートフォン
S 走行履歴管理システム
F1 トリップ情報生成部
F2 通信処理部
F3 判定処理部
F4 提示処理部
F31 通信処理部
F32 トリップ情報生成部
F33 トリップ情報選択部
M 情報処理装置