(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078659
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240604BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B41J2/01 125
B41J2/01 305
B65H5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191134
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 慶和
(72)【発明者】
【氏名】田中 貢
【テーマコード(参考)】
2C056
3F049
【Fターム(参考)】
2C056HA46
2C056HA58
2C056KD10
3F049AA05
3F049DA12
3F049DA19
3F049DB04
(57)【要約】
【課題】加熱部によって加熱される当接板が湾曲しにくい搬送装置を提供すること。
【解決手段】 プリンタ10は、搬送方向P1にシートSを搬送する搬送部23と、搬送部23より搬送方向P1の下流に位置しており、シートSを加熱するヒーターユニット26とを備えている。ヒーターユニット26は、フレーム80と、フレーム80に支持された中間部材85と、搬送部23が搬送するシートSに第1面91が当接する当接板82と、当接板82の第1面91と反対の第2面92側に位置して、当接板82を加熱するヒーターユニット26と、当接板82をフレーム80から離れる離間方向P3に付勢するバネ81と、当接板82を離間方向P3に対して中間部材85から離れた位置に位置決めする位置決め部材83とを有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向P1にシートを搬送する搬送部と、
上記搬送部より上記搬送方向の下流に位置しており、シートを加熱する加熱部と、を備えており、
上記加熱部は、
フレームと、
上記フレームに支持された中間部材と、
上記搬送部が搬送するシートに第1面が当接する当接板と、
上記当接板の上記第1面と反対の第2面側に位置して、上記当接板を加熱するヒータと、
上記当接板を上記フレームから離れる離間方向に付勢するバネと、
上記当接板を上記離間方向に対して上記中間部材から離れた位置に位置決めする位置決め部材と、を有する搬送装置。
【請求項2】
上記位置決め部材は、上記当接板の貫通孔に挿通されて上記フレームのネジ孔に螺合される段ネジであり、
上記位置決め部材は、
上記当接板の上記第1面側に位置する頭部と、
上記フレームと上記当接板との間に位置する中央部と、
上記ネジ孔に螺合されるネジ部と、
上記中央部と上記ネジ部との間に位置して、上記フレームに当接する段差面と、を有する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記当接板は、金属製である請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記中間部材は、樹脂製である請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記中間部材は、上記当接板よりも上記搬送方向の上流に延出しており、上記搬送方向および上記離間方向と交差する第1方向に間隔を空けて並ぶ複数の延出片を有する請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
上記中間部材は、上記フレームへ向かって突出する第1凸部および第2凸部を有しており、
上記フレームは、上記第1凸部が挿通される第1貫通孔と、上記第2凸部が挿通される第2貫通孔と、を有しており、
上記第1貫通孔または上記第2貫通孔の少なくとも一方が長穴である請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項7】
上記当接板の上記第1面は、上記搬送部がシートに当接して搬送する当接位置よりも上記離間方向に位置する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項8】
上記加熱部よりも上記搬送方向の下流に位置する駆動ローラと、
上記駆動ローラと接離する従動ローラと、
上記従動ローラを上記駆動ローラへ向けて付勢する付勢部材と、を更に有しており、
上記バネの付勢力は、上記付勢部材の付勢力よりも小さい請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
上記当接板の上記第1面と対向するヒーターカバーを更に有する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項10】
上記加熱部よりも上記搬送方向の下流に位置しており、シートの画像を読み取る読取部と、
上記読取部と対向する基準部材と、を更に有しており、
上記基準部材は、上記搬送部により搬送されるシートの厚みよりも厚い請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項11】
上記基準部材は、厚みが0.3mm以上である請求項10に記載の搬送装置。
【請求項12】
上記搬送部により搬送されるシートの厚みが、0.2mmより大きく、且つ0.3mm未満である請求項11に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱部を有する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録済みのシートを加熱して乾燥する搬送装置としては、例えば、特許文献1の媒体処理装置が知られている。特許文献1の媒体処理装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラと、液体を吐出して媒体に印刷する印刷ユニットと、印刷済みの媒体を支持する搬送台と、搬送台の支持面に沿って印刷済みの媒体を乾燥させる乾燥装置とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る液体処理装置では、発熱体からの熱によって搬送台の支持面部材が加熱される。支持面部材が加熱により湾曲すると、媒体と支持面部材との接触面積が減少して、媒体への熱の伝わりが悪くなる。
【0005】
本発明の目的は、加熱部によって加熱される当接板が湾曲しにくい搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る搬送装置は、搬送方向にシートを搬送する搬送部と、上記搬送部より上記搬送方向の下流に位置しており、シートを加熱する加熱部と、を備えており、上記加熱部は、フレームと、上記フレームに支持された中間部材と、上記搬送部が搬送するシートに第1面が当接する当接板と、上記当接板の上記第1面と反対の第2面側に位置して、上記当接板を加熱するヒータと、上記当接板を上記フレームから離れる離間方向に付勢するバネと、上記当接板を上記離間方向に対して上記中間部材から離れた位置に位置決めする位置決め部材と、を有する。
【0007】
中間部材と当接板とが離間しているので、ヒータの熱による中間部材の変形により、当接板が変形することがない。また、当接板がバネの付勢力によってシートと密着するため、当接板からシートに熱が伝わり易くなる。
【0008】
(2) 好ましくは、搬送装置において、上記位置決め部材は、上記当接板の貫通孔に挿通されて上記フレームのネジ穴に螺合される段ネジであり、上記位置決め部材は、上記当接板の上記第1面側に位置する頭部と、上記フレームと上記当接板との間に位置する中央部と、上記ネジ穴に螺合されるネジ部と、上記中央部と上記ネジ部との間に位置して、上記フレームに当接する段差面と、を有する。
【0009】
上記構成により、段差面がフレームに当接することによって、フレームと当接板とを離間させつつ、フレームに当接板を固定できる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記当接板は、金属製である。
【0011】
上記構成により、ヒータの熱が当接板に伝導し易い。
【0012】
(4) 好ましくは、上記中間部材は、樹脂製である。
【0013】
上記構成により、中間部材にヒータの熱が蓄積されるので、ヒータの熱がフレームへ伝わりにくい。その結果、ヒータにより当接板が効率的に加熱される。
【0014】
(5) 好ましくは、上記中間部材は、上記当接板よりも上記搬送方向の上流に延出しており、上記搬送方向および上記離間方向と交差する第1方向に間隔を空けて並ぶ複数の延出片を有する
【0015】
上記構成により、延出片によりシートが案内される。
【0016】
(6) 好ましくは、上記中間部材は、上記フレームへ向かって突出する第1凸部および第2凸部を有しており、上記フレームは、上記第1凸部が挿通される第1貫通孔と、上記第2凸部が挿通される第2貫通孔と、を有しており、上記第1貫通孔または上記第2貫通孔の少なくとも一方が長穴である。
【0017】
上記構成により、中間部材の変形により第1凸部と第2凸部との距離が変化しても、第1凸部および第2凸部が第1貫通孔および第2貫通孔にそれぞれ挿入された状態が維持される。
【0018】
(7) 好ましくは、上記当接板の上記第1面は、上記搬送部がシートに当接して搬送する当接位置よりも上記離間方向に位置する。
【0019】
上記構成により、搬送部により搬送されるシートが、当接板の第1面に確実に当接する。
【0020】
(8) 好ましくは、上記加熱部よりも上記搬送方向の下流に位置する駆動ローラと、上記駆動ローラと接離する従動ローラと、上記従動ローラを上記駆動ローラへ向けて付勢する付勢部材と、を更に有しており、上記バネの付勢力は、上記付勢部材の付勢力よりも小さい。
【0021】
上記構成により、駆動ローラおよび従動ローラに狭持されたシートが当接板の第1面に当接したとき、第1面の離間方向に沿う位置が調整される。
【0022】
(9) 好ましくは、上記当接板の上記第1面と対向するヒーターカバーを更に有する。
【0023】
上記構成により、ヒーターカバーにより当接板からの放熱が抑制される。
【0024】
(10) 好ましくは、上記加熱部よりも上記搬送方向の下流に位置しており、シートの画像を読み取る読取部と、上記読取部と対向する基準部材と、を更に有しており、上記基準部材は、上記搬送部により搬送されるシートの厚みよりも厚い。
【0025】
上記構成により、加熱部からの熱が基準部材に蓄熱されることにより、シートから基準部材への放熱が一層抑制される。
【0026】
(11) 好ましくは、上記基準部材は、厚みが0.3mm以上である。
【0027】
(12) 好ましくは、上記搬送部により搬送されるシートの厚みが、0.2mmより大きく、且つ0.3mm未満である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、加熱部の当接板が湾曲しにくいので、当接板に摺動するシートを安定して加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1(A)は、プリンタ10の外観を模式的に示す斜視図、
図1(B)は、筐体カバー13が開位置にあるプリンタ10を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、サイドフレーム60,61を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III断面を示す模式図である。
【
図4】
図4は、筐体カバー13内に位置するCISユニット30および拍車ホルダユニット31を示す図である。
【
図5】
図5は、付勢部材122によって付勢される第1拍車ローラ55を示す図である。
【
図6】
図6は、ヒーターユニット26の斜視図である。
【
図7】
図7は、ヒーターユニット26の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、ヒーターユニット26の断面を示す断面図である。
【
図9】
図9は、ヒーターユニット26を下方から視た図である。
【
図10】
図10は、ヒーターユニット26の動作を搬送部23とともに説明するための図である。
【
図11】
図11は、ヒーターユニット26の動作を搬送部23とともに説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、プリンタ10が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、排出口16が設けられている側を手前側(前面)として前後方向8が定義され、プリンタ10を手前側(前面)から見て左右方向9が定義される。
【0031】
[プリンタ10の筐体1]
図1に示されるプリンタ10(搬送装置の一例)は、インクジェット記録方式でロール体38(
図3参照)をなすシートSに画像を記録する。
【0032】
プリンタ10において、筐体1は、略直方体形状であり、プリンタ10の内部空間11を外部から区画する。筐体1は、筐体ケース12および筐体カバー13からなる。また、
図2に示されるように、筐体1の内部空間11には、2つのサイドフレーム60,61が設けられている。各サイドフレーム60,61は、鋼板からなる平板形状であり、支持する部材に応じた形状の切り欠きや貫通孔が適宜形成されている。2つのサイドフレーム60,61は、左右方向9に離れて位置する。各サイドフレーム60,61は、筐体1に連結されている。各サイドフレーム60,61の筐体1への連結は、ネジ止めや溶接によりなされている。2つのサイドフレーム60,61のうち、右方に位置するサイドフレーム61の後下隅部には切欠き部61Aが形成されている。切欠き部61Aは、ロール紙収容空間37へロール体38を装填するための開口である。
【0033】
図1、
図3に示されるように、筐体ケース12の前壁15においては、排出口16を有する。排出口16は、左右方向9に沿って細長い長方形の貫通孔である。筐体カバー13には、操作部34が設けられている。操作部34は、画像記録の指示や各種設定のために操作されるボタンや、各種情報が表示される液晶ディスプレイなどによって構成されている。筐体カバー13は、筐体ケース12の後壁17に、軸受およびシャフト(不図示)により取り付けられる。筐体カバー13は、シャフトの回転軸18(
図1(B)参照)の周方向に閉位置(
図1(A)に示される位置)および開位置(
図1(B)に示される位置)の間で回動する。
【0034】
[プリンタ10の内部構成]
図3に示されるように、プリンタ10は、内部空間11に、ロールホルダ21、テンショナ22、搬送部23、記録ヘッド24、支持機構25、ヒーターユニット(加熱部の一例)26、ヒーターカバー27、基準板(基準部材の一例)29、CISユニット(読取部の一例)30、カッター28を備える。なお、プリンタ10は、さらにその他の装置を備えてもよい。
【0035】
[ロールホルダ21]
内部空間11内で後方寄り且つ下方寄りには、隔壁36によりロール紙収容空間37が区画される。ロールホルダ21は、内部空間11内で左右両端付近に位置するサイドフレーム60,61により支持される。ロールホルダ21には、ロール体38が装着され、シートSが芯管に巻回される。ロール体38は、芯管を有さないロール状に巻回されたシートSでもよい。ロール紙収容空間37には、シートSとして、長尺のファンフォールド紙、またはカット紙が収容可能であってもよい。隔壁36の後端と、後壁17との間には、シートSが通過する隙間39が形成されている。シートSは、ロール体38から引き出されて隙間39を通ってテンショナ22に向かって延びる。
【0036】
[テンショナ22]
テンショナ22は、ロールホルダ21の上方且つ搬送ローラ対41の後方に位置し、サイドフレーム60,61に支持されている。テンショナ22は、ロールホルダ21と搬送ローラ対41の間において、搬送路33を搬送されるシートSにテンションを付与する。テンショナ22は、シートSが、ロールホルダ21の上方から搬送ローラ対41に向かって湾曲するように支持する。
【0037】
[搬送部23]
搬送部23は、ロール体38から引き出されたシートSを搬送路33に沿って排出口16へと搬送する。搬送部23は、搬送ローラ対41と、第1排出ローラ対51と、第2排出ローラ対52とを有している。搬送部23は、それぞれ左右方向9に延びる。搬送部23は、搬送路33に沿ってロールホルダ21から排出口16へ向かう搬送方向P1にシートSを搬送可能である。
【0038】
搬送ローラ対41は、テンショナ22の前方に位置し、サイドフレーム60,61に回転可能に支持されている。搬送ローラ対41は、搬送ローラ42と、従動ローラ43と、を有している。搬送ローラ42は、シートSの画像記録される下面に当接する。従動ローラ43は、シートSの上面に当接する。従動ローラ43は、搬送ローラ42の上端に上方から当接する。搬送ローラ42は、シートSを従動ローラ43との間にニップして搬送する。
【0039】
第1排出ローラ対51は、ヒーターユニット26の前方且つCISユニット30の後方に位置する。第1排出ローラ対51は、第1排出ローラ(駆動ローラの一例)53と、第1拍車ローラ(従動ローラの一例)55と、を有している。第1排出ローラ53は、サイドフレーム60,61に回転可能に支持されている。第1排出ローラ53は、シートSの下面に当接する。第1拍車ローラ55は、後述する拍車ホルダ313Aに回転可能に支持されている。第1拍車ローラ55は、シートSの画像記録される上面に当接する。第1拍車ローラ55は、第1排出ローラ53の上端に上方から当接する。第1排出ローラ53は、第1拍車ローラ55と当接する挟持位置(当接位置の一例、
図5参照)P2においてシートSをニップする。挟持位置P2は、上下方向7における搬送ローラ対41がシートSをニップする位置と同じである。
【0040】
第2排出ローラ対52は、CISユニット30の前方且つカッター28の後方に位置する。第2排出ローラ対52は、第2排出ローラ54と、第2拍車ローラ56と、を有している。第2排出ローラ54は、サイドフレーム60,61に回転可能に支持されている。第2排出ローラ54は、シートSの下面に当接する。第2拍車ローラ56は、後述する拍車ホルダ313Bに回転可能に支持されている。第2拍車ローラ56は、シートSの画像記録される上面に当接する。第2拍車ローラ56は、第2排出ローラ54の上端に上方から当接する。第2排出ローラ54は、第2拍車ローラ56との間にシートSをニップする。第2排出ローラ54のシートSをニップする位置は、上下方向7において、第1排出ローラ対51における挟持位置P2と同じである。
【0041】
[CISユニット30]
CISユニット30は、シートSに記録された画像を読み取る。CISユニット30は、ヒーターユニット26よりも前方に位置している。より具体的には、CISユニット30は、前後方向8において第1排出ローラ53と、第2排出ローラ54の間に位置する。CISユニット30は、左右方向9に延びる略直方体のホルダ77を有している。第1排出ローラ53は、ヒーターユニット26の前方に位置している。
【0042】
[拍車ホルダユニット31]
図4に示されるように、筐体カバー13の内部空間11においてCISユニット30のホルダ77の直前および直後には、収容空間101A,101Bがそれぞれ形成される。収容空間101Aは、ヒーターカバー27より前方に区画される。収容空間101A,101Bの各々は、下向きに開放されている。収容空間101A,101Bには、二個一対の支持部材311A、311Bが筐体カバー13にそれぞれ取り付けられている。二個の支持部材311Aの間、および二個の支持部材311Bの間には、円柱形状のシャフト312A,312Bが左右方向9に平行に架け渡されている。
【0043】
シャフト312A,312Bには、拍車ホルダユニット31が着脱可能に取り付けられている。拍車ホルダユニット31は、シャフト312A,312Bに装着されるとき、収容空間101A,101Bに収容され、第1排出ローラ53および第2排出ローラ54の上方に位置する。拍車ホルダユニット31は、拍車ホルダ313A,313Bと、連結部材314A,314Bと、嵌合部315A,315Bと、を有する。
【0044】
[拍車ホルダ313A,313B]
拍車ホルダ313A,313Bの各々は、左右方向9に細長く拍車ホルダユニット31がシャフト312A,312Bに装着された時に、収容空間101A,101Bに収容され位置決めされる。拍車ホルダ313A,313Bには、第1拍車ローラ55、第2拍車ローラ56が左右にそれぞれ並んでいる。第1拍車ローラ55および第2拍車ローラ56の各々は、左右方向9に平行な支持バネ120(
図5参照)周りに回転可能に拍車ホルダ313A,313B内において支持されている。第1拍車ローラ55および第2拍車ローラ56の各下端は、拍車ホルダ313A,313Bに形成されたスリットから若干突出し、第1排出ローラ53および第2排出ローラ54(
図3参照)の上端に接離する。
【0045】
支持バネ120は、左右の両端部においてサイドフレーム60,61に支持されている。支持バネ120は、コイルバネである。このため、支持バネ120に支持される第1拍車ローラ55は、コイルバネの伸縮によって上下方向7への移動が可能である。第1拍車ローラ55は、支持バネ120によって第1排出ローラ53に向かって付勢されている。支持バネ120による第1拍車ローラ55の付勢力は、バネ81の付勢力よりも大きい。第2拍車ローラ56についても、第1拍車ローラ55と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0046】
図4に示されるように、連結部材314Aは、ホルダ77よりも左方の位置で前後に延びる平板であり、拍車ホルダ313A,313Bの左端同士を互いに連結する。連結部材314Bは、ホルダ77よりも右方の位置で前後に延びる平板であり、拍車ホルダ313A,313Bの右端同士を互いに連結する。
【0047】
嵌合部315Aは、拍車ホルダ313Aから後方に延びている。嵌合部315Bは、拍車ホルダ313Bから前方に突出している。嵌合部315A,315Bは、シャフト312A,312Bに嵌合する。嵌合部315A,315Bがシャフト312A,312Bに嵌合することで第1拍車ローラ55、第2拍車ローラ56が、CISユニット30の前後に位置する。
【0048】
[基準板29]
図3に示されるように、基準板29は、前後方向8において第1排出ローラ53と、第2排出ローラ54の間の位置であって、CISユニット30に対向して位置する。基準板29は、サイドフレーム60,61に支持される。基準板29は、第1排出ローラ53および第2排出ローラ54の各上端と概ね同じ上下位置で前後左右に拡がる支持面を有する。支持面は、上方を向いており、白色に着色されている。基準板29は、シートSの厚みより厚い。具体的には、基準板29の厚みは、0.3mm以上である。基準板29上を搬送されるシートSの厚みは、0.2mmよりも大きく、且つ0.3mm未満である。
【0049】
[記録ヘッド24]
記録ヘッド24は、搬送ローラ対41の前方であってヒーターユニット26より後方に位置しサイドフレーム60,61にレールを介して支持されている。記録ヘッド24は、支持機構25の上方に位置する。記録ヘッド24は、記録ヘッド24の下面に形成された複数のノズル57が開口する面であるノズル面58と、圧電素子(不図示)とを有している。記録ヘッド24は、ノズル57から支持機構25によって支持されたシートSへ向かってインクを吐出する。圧電素子は、コントローラ(不図示)により駆動される。記録ヘッド24は、インクタンク(不図示)からチューブ(不図示)を介してインクの供給を受ける。
【0050】
[支持機構25]
支持機構25は、搬送ローラ対41より前方に位置する。支持機構25は、サイドフレーム60,61により支持されている。支持機構25は、記録ヘッド24の下方において画像記録されるシートSを支持する。支持機構25は、搬送ベルト70と、支持ローラ71と、サブローラ72と、シート支持部材73とを有する。搬送ベルト70は、回転駆動される支持ローラ71と支持ローラ71から前方に離間して回転可能に支持されるサブローラ72とに張架されている。シートSは、シート支持部材73によって支持されつつ、支持ローラ71の回転によって搬送ベルト70上を搬送路33に沿って搬送される。
【0051】
[ヒーターユニット26]
ヒーターユニット26は、シートS、シートSに吐出されたインク、或いはシートSに吐出されてシートSに含浸したインクを加熱して水分を蒸発させる。
図3に示されるように、ヒーターユニット26は、支持機構25より前方に位置している。
図6に示されるように、ヒーターユニット26は、搬送路33を搬送されるシートSを下方から支持しつつ、シートSを加熱する。
図7に示されるように、ヒーターユニット26は、フレーム80と、バネ81と、当接板82と、位置決め部材83と、フィルムヒータ(ヒータの一例)84と、中間部材85と、を有している。
【0052】
フレーム80は、ヒーターユニット26を支持する支持部材86によって支持されている。支持部材86は、サイドフレーム60,61に支持されている。フレーム80は、1枚の金属板が板金加工されることにより製造される。フレーム80は、前後方向8よりも左右方向9に長い。
図8に示されるように、フレーム80は、ネジ孔89を有している。ネジ孔89は、フレーム80の前側における左右および後側における左右に4個が位置している。
【0053】
図7に示されるように、バネ81は、フレーム80の上面に4つが載置されている。バネ81は、フレーム80の前側における左右の位置と、後側における左右にそれぞれ位置する。4つのバネ81によって当接板82を付勢する付勢力は、1つの支持バネ120の付勢力よりも小さい。バネ81の位置は、各ネジ孔89の上方である。各バネ81は、コイルバネである。
図8に示されるように、各バネ81には、当接板82が載置されている。それぞれのバネ81は、自然長において上下方向7における寸法が同じである。
【0054】
当接板82は、フィルムヒータ84の熱を搬送路33を搬送されるシートSに伝達する。当接板82は、1枚の金属板が板金加工されることにより製造される。
図6、
図7に示されるように、当接板82は、前後方向8より左右方向9に長い長方形である。当接板82は、4つのバネ81によって支持されている。
図7、
図8に示されるように、当接板82は、フレーム80から上方に離れて位置している。当接板82は、4つのバネ81によって、フレーム80から離れる離間方向P3に付勢されている。当接板82は、4箇所の位置において上下方向7に貫通する貫通孔90と、上方を向く面である第1面91と、下方を向く面である第2面92とを有している。
【0055】
貫通孔90は、当接板82の前側における左右と後側における左右とに4個が位置している。貫通孔90は、第1面91に形成された溝93内に形成されている。貫通孔90のそれぞれの中心は、上下方向7において、フレーム80のそれぞれのネジ孔89の中心と重なっている。第1面91は、搬送部23によって搬送されるシートSの下面に当接する。第2面92は、第1面91の反対側の面でありフィルムヒータ84が配置される。
【0056】
位置決め部材83は、フレーム80に対する当接板82の離間方向P3の移動を規制する。
図8に示されるように、位置決め部材83は、当接板82を中間部材85から離れた位置で保持する。位置決め部材83は、フレーム80に固定された状態で中心軸が上下方向7に沿う。位置決め部材83は、ネジ部95と、中央部96と、段差面97と、頭部98とを有している。位置決め部材83は、所謂段ネジである。
【0057】
ネジ部95は、位置決め部材83の先端に位置する。ネジ部95にはネジ山が形成されており、フレーム80のネジ孔89に螺合されている。中央部96は、位置決め部材83の上下方向7における中央に位置する。中央部96は、円柱形状であり、ネジ部95よりも径が大きい。中央部96は、ネジ部95がネジ孔89に螺合された状態において、フレーム80と当接板82との間に位置する。中央部96の上下方向7に沿った寸法D1は、自然長におけるバネ81の上下方向7に沿った寸法よりも短い。中央部96の上下方向7に沿った寸法D1は、中間部材85の上下方向7に沿った寸法D2よりも長い。
【0058】
ネジ部95と、中央部96の間には、段差面97が位置する。段差面97は、ネジ部95と中央部96とを繋ぐ円環状の面である。段差面97は、ネジ部95がネジ孔89に螺合された状態において、フレーム80上に当接する。つまり、位置決め部材83は、フレーム80に対して段差面97の位置まで螺合されて、段差面97よりも上方の中央部96と頭部98とがフレーム80から上方に突出した状態となる。中央部96には、当接板82が貫通孔90の位置において上下方向7にスライド可能に嵌められている。バネ81は、フレーム80と当接板82との間において圧縮された状態となる。したがって、当接板82は、バネ81により上向きに付勢される。
【0059】
頭部98は、位置決め部材83の上端に位置して当接板82の離間方向P3への動きを規制する。頭部98は、当接板82の第1面91側に位置する。頭部98は円柱形状であり、外径寸法D3が貫通孔90の径寸法D4よりも大きい。頭部98は、当接板82よりも上方に位置しており、当該頭部98の下面102が溝93の底を形成する底面94と当接する。頭部98が底面94と当接した状態において、第1面91は、挟持位置P2よりも離間方向P3に位置する。
【0060】
フィルムヒータ84は、電力が供給されることによって周囲に熱を発する。
図7に示されるように、フィルムヒータ84は、前後方向8よりも左右方向9に長い平板形状である。フィルムヒータ84は、第2面92に接着されており、当接板82に熱を伝達する。
【0061】
図7、
図8に示されるように、中間部材85は、フィルムヒータ84の熱を受けたとき膨張変形しつつ蓄熱する。中間部材85は、樹脂製である。中間部材85は、フレーム80上に載置されている。中間部材85は、フィルムヒータ84と離間している。中間部材85は、本体105と、延出片106と、第1凸部107(
図9参照)と、第2凸部108(
図9参照)とを有している。
【0062】
本体105は、フィルムヒータ84から間隔を隔てて下方に位置する。本体105は、上下方向7に沿った寸法D2が当接板82とフレーム80との間の寸法D5よりも小さい。本体105には、前側における左右および後側における左右の4箇所において貫通口110が上下方向7に貫通している。各貫通口110には、バネ81がそれぞれ配置された状態で、位置決め部材83がフレーム80に固定されている。
【0063】
図6、
図7に示されるように、延出片106は、ヒーターユニット26の搬送方向P1における上流を搬送されるシートSを支持する。延出片106は、本体105から後方に向かって先細り状に延出している。延出片106は、当接板82よりも搬送方向P1における上流に位置している。延出片106は、櫛形形状である。より具体的には、延出片106は、搬送方向P1へ向けて厚みが次第に薄くなる角柱形状の複数の部材が、搬送方向P1および離間方向P3に交差する左右方向(第1方向の一例)9において、間隔を空けて並んでいる。延出片106の上面は、搬送方向P1に搬送されるシートSを案内する。延出片106には、搬送方向P1における上流に位置する相手方部材(不図示)が複数の延出片106の間に嵌まるように連結される。
【0064】
第1凸部107は、中間部材85をフレーム80に対して前後方向8および左右方向9に動くのを規制する。第1凸部107は、本体105の下面から下方に向かって突出している。第1凸部107は、円柱形状である。
図9に示されるように、第1凸部107は、中間部材85の下面における右寄りに位置している。第1凸部107は、フレーム80を上下方向7に貫通する第1貫通孔112に挿通されている。第1凸部107は、外径の寸法が第1貫通孔112の径寸法と一致している。
【0065】
第2凸部108は、中間部材85をフレーム80に対して前後方向8に動くのを規制する。第2凸部108は、本体105の下面から下方に向かって突出している。第2凸部108は、円筒形状である。第2凸部108は、中間部材85の下面における左寄りに位置している。第2凸部108は、フレーム80を上下方向7に貫通する第2貫通孔113に挿通されている。第2貫通孔113は、第2凸部108の外径寸法よりも左右方向9に長い長孔である。このため、第2凸部108は、第2貫通孔113内において左右方向9に移動するのを許容する。
【0066】
第1凸部107がフレーム80に対して前後方向8および左右方向9に移動できないように固定される一方で、第2凸部108がフレーム80に対して左右方向9の動きが規制されていない。このため、中間部材85がフィルムヒータ84からの熱によって膨張したとき、左右方向9に延びることが許容される。また、中間部材85は、当接板82から離間していることから、中間部材85が熱によって膨張して当接板82を下方から押し曲げることもない。搬送路33を搬送されるシートSの下面が、平坦な当接板82に密着する。
【0067】
[ヒーターカバー27]
ヒーターカバー27は、当接板82から上方への放熱される熱を蓄える。
図3に示されるように、ヒーターカバー27は、ヒーターユニット26から上方に若干離れて位置する。ヒーターカバー27は、当接板82の第1面91に対向している。ヒーターカバー27は、筐体カバー13の左壁14および右壁20(
図1(B)参照)の間で前後左右に拡がる。ヒーターカバー27は、第1面91の全域を覆っている。
【0068】
[カッター28]
カッター28は、第2排出ローラ54の前方に位置する。カッター28は、カッターキャリッジ48にカッター刃49が搭載されたものである。カッターキャリッジ48は、不図示のベルト駆動機構などによって、左右方向9に移動する。カッターキャリッジ48の移動に伴って、カッター刃49も左右方向9に移動する。カッター刃49の移動によって、シートSにおける第2排出ローラ54と排出口16との間に位置する部分が左右方向9に沿って切断される。
【0069】
[ヒーターユニット26の動作]
以下、ヒーターユニット26上を、シートSが搬送方向P1に搬送される動作について説明する。ヒーターユニット26に位置するシートSは、搬送方向P1における上流に位置する搬送ローラ対41、および搬送方向P1における下流に位置する第1排出ローラ対51によって支持された状態となる。
図10に示されるように、シートSの前端が第1排出ローラ対51を通過する前においては、上下方向7における搬送ローラ対41および第1排出ローラ対51の挟持位置P2は、当接板82の第1面91よりも下方に位置する。
【0070】
第1排出ローラ対51によるシートSの搬送速度は、搬送ローラ対41による搬送速度よりも速い速度に設定されている。このため、シートSの前端が第1排出ローラ対51を通過した後においては、ヒーターユニット26上を搬送されるシートSにはテンションが付与された状態となる。このとき、
図11に示されるように、上下方向7における当接板82の第1面91の位置が、バネ81の付勢力に抗して搬送ローラ対41および第1排出ローラ対51の挟持位置P2に調整されるため、シートSは、第1面91に押しつけられた状態で搬送される。これにより、ヒーターユニット26上を搬送されるシートSは、第1面91上に密着しつつ搬送されるため、当接板82の熱が確実に画像記録されたシートSに伝達される。
【0071】
[実施形態における作用効果]
ヒーターユニット26において、中間部材85と当接板82とが離間しているので、フィルムヒータ84の熱による中間部材85の変形により、当接板82が中間部材85によって押し上げられて変形しない。また、当接板82がバネ81の付勢力によってシートSの下面と密着するため、当接板82からシートSに熱が伝わり易くなる。
【0072】
段差面97がフレーム80に対して当接することによって、当接板82をフレーム80から離間させつつ、フレーム80に当接板82を固定できる。
【0073】
当接板82が金属製であることで、フィルムヒータ84の熱が当接板82に伝導し易い。
【0074】
フィルムヒータ84の熱が中間部材85に蓄積されるので、フィルムヒータ84の熱が中間部材85に遮られてフレーム80へ伝わりにくい。フィルムヒータ84の熱は、中間部材85側には放出され難くなる一方で当接板82にはフィルムヒータ84からの熱が効率的に伝わり易くなるため、当接板82が更に加熱される。
【0075】
中間部材85の搬送方向P1の上流に櫛形形状の延出片が延びている。このためシートSの先端が中間部材85の搬送方向P1の上流において引っかかり難くなり、延出片106によりシートが案内される。
【0076】
中間部材85の変形により第1凸部107と第2凸部108との距離が変化しても、第1凸部107および第2凸部108が第1貫通孔112および第2貫通孔113にそれぞれ挿入された状態が維持される。つまり、中間部材85の変形が規制されないため、中間部材85が湾曲するのが抑制される。その結果、中間部材85の湾曲によって当接板82が押し上げられて湾曲することもない。
【0077】
搬送部23により搬送されるシートSが、当接板82の第1面91に確実に当接する。このため、当接板82の熱がシートSに確実に伝達し、シートSの乾燥が効率良く行われる。
【0078】
第1排出ローラ53および第1拍車ローラ55に狭持されたシートSが当接板82の第1面91に当接したとき、第1面91の上下方向7に沿う位置がバネ81の付勢力に抗して挟持位置P2に位置する。このため、当接板82の熱がシートSに確実に伝達し、シートSの乾燥がより効率良く行われる。
【0079】
当接板82の第1面91に対向してヒーターカバー27が位置するため、ヒーターカバー27により当接板82からの放熱が抑制される。
【0080】
基準板29の厚みが厚いため、ヒーターユニット26からの熱が基準板29に蓄熱される。これにより、シートSから基準板29への放熱が一層抑制される。
【0081】
[変形例]
プリンタ10では、フィルムヒータ84が当接板82の第2面92に接着されている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。フィルムヒータ84は、当接板82に熱が伝わるように配置されていればよく、例えば、当接板82にビスによって固定されていてもよい。
【0082】
プリンタ10では、位置決め部材83が、ネジ部95と、中央部96と、段差面97と、頭部98とを有する、所謂段ネジである場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、位置決め部材83は、ナットが螺合されたボルトが使用されてもよい。この場合、位置決め部材83における段差面97の位置は、ナットをボルトに締めたり緩めたりすることで調整してもよい。当接板82は、ボルトの頭によって離間方向P3への移動が規制されてもよい。また、位置決め部材83としては、単にビスを使用してもよい。この場合、ビスの頭によって当接板82の離間方向P3への移動が規制される。
【0083】
プリンタ10では、フレーム80に載置される4つのバネ81が、フレーム80の前側における左右の位置と、後側における左右の位置とにそれぞれ位置する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。バネ81は、当接板82をフレーム80に対して離間方向P2に付勢できるものであればよく、4つより少なくてもよいし、4つより多くてもよい。また、バネ81をフレーム80の中央付近に配置してもよいし、フレーム80の縁よりも外の位置に配置して、当接板82を支持するものとしてもよい。
【0084】
プリンタ10では、第1凸部107が第1貫通孔112に嵌まり、第2凸部108が、左右方向9に移動可能な状態で第2貫通孔113内に挿通されている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、第2凸部108が第2貫通孔113内に嵌まり、第1凸部107が、左右方向9に移動可能な状態で第1貫通孔112内に挿通されていてもよい。
【0085】
また、第1凸部107および第2凸部108が円柱形状である場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。第1凸部107および第2凸部108は、例えば、角柱形状、円錐形状などの円柱形状以外の形状であってもよい。
【0086】
プリンタ10では、当接板82が、シートSに熱が伝達しやすいように、1枚の金属板が板金加工されることにより製造される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。当接板82は、シートSに熱が伝達できる材質であればよく、例えば、樹脂製であってもよい。
【0087】
プリンタ10では、中間部材85が、樹脂製である場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。中間部材85は、例えば、金属製であってもよい。
【0088】
プリンタ10では、中間部材85が、本体105から後方に向かって先細り状に延出する櫛形形状の延出片106を有している場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。中間部材85は、例えば、ヒーターユニット26の搬送方向P1における上流に延出する板状の部材であってもよく、ヒーターユニット26の搬送方向P1における上流を搬送されるシートSを支持するものであればよい。また、中間部材85は、延出片106を有しないものであってもよい。
【0089】
プリンタ10では、当接板82の第1面91が、挟持位置P2よりも離間方向P3に位置する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。第1面91は、上下方向7において、挟持位置P2と同じ位置であってもよい。
【0090】
プリンタ10では、当接板82から上方への放熱される熱を蓄えるヒーターカバー27を備える場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。プリンタ10は、ヒーターカバー27を備えなくてもよい。この場合、当接板82から上方へ向かう熱は放熱される。
【0091】
プリンタ10では、シートSに記録された画像を読み取るためのCISユニット30および基準板29を備える場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。プリンタ10は、CISユニット30および基準板29を備えなくてもよい。
【0092】
プリンタ10では、基準板29の厚みが0.3mm以上である場合を例にあげて説明したが、この厚みに限らない。基準板29は、厚みが0.3mm未満であってもよい。
【0093】
プリンタ10では、基準板29上を搬送されるシートSの厚みが0.2mmよりも大きく、且つ0.3mm未満である場合を例にあげて説明したが、この寸法に限らない。シートSの厚みは、0.2mm以下であってもよいし、0.3mm以上であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
10・・・プリンタ(搬送装置)
23・・・搬送部
27・・・ヒーターカバー
29・・・基準板(基準部材)
30・・・CISユニット(読取部)
53・・・第1排出ローラ(駆動ローラ)
55・・・第1拍車ローラ(従動ローラ)
80・・・フレーム
81・・・バネ
82・・・当接板
83・・・位置決め部材
84・・・フィルムヒータ(ヒータ)
85・・・中間部材
89・・・フレームのネジ孔
90・・・当接板の貫通孔
91・・・第1面
92・・・第2面
95・・・ネジ部
96・・・中央部
97・・・段差面
98・・・頭部
106・・・延出片
107・・・第1凸部
108・・・第2凸部
112・・・第1貫通孔
113・・・第2貫通孔
120・・・支持バネ(付勢部材)