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  • 特開-車内置き去り防止装置 図1
  • 特開-車内置き去り防止装置 図2
  • 特開-車内置き去り防止装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078684
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】車内置き去り防止装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 5/00 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B60Q5/00 630B
B60Q5/00 620Z
B60Q5/00 640Z
B60Q5/00 650A
B60Q5/00 660Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191170
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】595163320
【氏名又は名称】株式会社コアテックシステム
(72)【発明者】
【氏名】服部 憲由
(57)【要約】
【課題】園児や老人の送迎バス車両において、目的地に到着後、車内に人が置き去りにされていた場合、置き去りにされた人が、車外の人に連絡できず、熱中症等で死亡する事故を防ぐことにある。
【解決手段】制御部11は、検知部12と電源モニター部13と駆動部14で構成され、前記検知部12には、押しボタンスイッチSW11、同SW12、同SW1nが接続される。置き去り監視中、いずれかの押しボタンスイッチが押下された場合、車両のホーンH1を鳴らすことで車外の人に置き去りを知らせる手段を有する車内置き去り防止装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内に置き去りにされた人を検知する車内置き去り防止装置であって、
車両のホーンを鳴らすための駆動部とイグニッション電源をモニターするイグニッション電源モニター部と押しボタンスイッチと接続された検知部を備えた制御部は、
イグニッション電源がオフになると前記検知部をモニターし、置き去りにされた人が、前記押しボタンスイッチを押下したことを検知すると前記駆動部をオンにして車両のホーンを鳴らすことを特徴とする車内置き去り防止装置。
【請求項2】
前記車内置き去り防止装置において、前記置き去りにされた人を検知する手段として、圧力マットスイッチを使用したことを特徴とする請求項1に記載の車内置き去り防止装置。
【請求項3】
前記車内置き去り防止装置において、前記置き去りにされた人を検知する検知部を複数設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車内置き去り防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の中に人が置き去りにされた場合において、置き去りにされた人が近傍の押しボタンスイッチを押下したり、圧力マットスイッチを踏むことで、車両のホーンが鳴り、車両外の人に置き去りにされていることを知らせる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、子供用シートのシートベルトの装着状態を判別して、警報する子供置き去り警報装置を提供する装置が知られている。
【0003】
しかし、前記の装置は、シートベルトをしない場合に検出ができないなどの問題がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2012-188035
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、特に園児や老人の送迎バス車両において、目的地に到着後、車内に人が置き去りにされていないことを確認して施錠すべきところ、不十分な確認により、車内に置き去りにされた人が、車外の人に連絡できず、熱中症等で死亡する事故を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一は、車内に置き去りにされた人を検知する車内置き去り防止装置であって、
車両のホーンを鳴らすための駆動部とイグニッション電源をモニターするイグニッション電源モニター部と押しボタンスイッチと接続された検知部を備えた制御部は、
イグニッション電源がオフになると前記検知部をモニターし、置き去りにされた人が、前記押しボタンスイッチを押下したことを検知すると前記駆動部をオンにして車両のホーンを鳴らすことを特徴とする車内置き去り防止装置である。
【0006】
本発明の第二は、前記車内置き去り防止装置において、前記置き去りにされた人を検知する手段として、圧力マットスイッチを使用したことを特徴とする請求項1に記載の車内置き去り防止装置である。
本発明の第三は、前記車内置き去り防止装置において、前記置き去りにされた人を検知する検知部を複数設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車内置き去り防止装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第一の車内置き去り防止装置は、エンジン停止後すなわちイグニッション電源のオフを電源モニター部が認識すると、すぐにまたは一定時間後に前記車内置き去り防止装置の制御部が、置き去り監視を始める。万一、車内に置き去りにされた人がいた場合、その人が、近傍の押しボタンスイッチを押下すると前記検知部がスイッチの信号を検知し、前記制御部は、前記駆動部をオンにして車両のホーンリレーを駆動する。このことで、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができるという利点がある。
【0008】
エンジンを始動している場合、前記制御部は、イグニッション電源のオンを電源モニター部が認識しているので、乗員等が押しボタンスイッチを押下しても、車両のホーンは鳴らさないしくみである。
【0009】
本発明の第二の車内置き去り防止装置は、前記検知部に前記押しボタンスイッチの代わりまたは並列に前記圧力マットスイッチを接続したものである。万一、車内に置き去りにされた人がいた場合、その人が、前記圧力マットスイッチを踏むだけで、前記検知部がスイッチの信号を検知し、前記制御部は、前記駆動部をオンにして車両のホーンリレーを駆動し、車外の人に知らせることができる。置き去りにされた人が、意識して前記押しボタンスイッチを押下しなくても、その人の近傍の前記圧力マットスイッチの上を歩くだけで車外の人に知らせることができるという利点がある。
【0010】
前記圧力マットスイッチは、複数枚設置でき、複数枚設置することで、置き去りを検知する確率を高めることができる。
本発明の第三の車内置き去り防止装置は、前記押しボタンスイッチまたは前記圧力マットスイッチを接続した前記検知部を複数設けることで、第一の検知部に接続されている前記押しボタンスイッチや前記圧力マットスイッチの配線の断線や前記第一の検知部が故障しても、第二の検知部に接続されている前記押しボタンスイッチや前記圧力マットスイッチや前記第二の検知部が正常に作動することで、前記車内置き去り防止装置が完全に動作不能になることを防ぐことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】複数の押しボタンスイッチを検知部に接続した車内置き去り防止装置の構成図である。(実施例1)
図2】複数の押しボタンスイッチと圧力マットスイッチを検知部に接続した車内置き去り防止装置の構成図である。(実施例2)
図3図2の構成図に2個の検知部を設け、それぞれの検知部に複数の押しボタンスイッチと圧力マットスイッチを接続した車内置き去り防止装置の検知部と各スイッチの抜粋構成図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明装置の第一の実施の形態に係る複数の押しボタンスイッチを検知部に接続した車内置き去り防止装置の構成図である。本発明装置の実施の形態に係る車内置き去り防止装置の制御部11は、検知部12と電源モニター部13と駆動部14で構成され、前記検知部12には、押しボタンスイッチSW11、同SW12、同SW1nが接続される。前記押しボタンスイッチSW11~SW1nの接点のもう片方は、すべてアースに接続される。
【0014】
前記制御部11は、車両の常時電源(バッテリーBATのプラス)とアース(バッテリーBATのマイナス)とイグニッション電源と車両のホーンリレーRY1と車両のホーンスイッチSW20の接続線に接続される。
本発明装置の制御部11は、前記電源モニター部13が、イグニッション電源がオフになったことを検出するとすぐにまたは一定時間後に置き去り監視を始める。
【0015】
監視中に前記検知部12に接続された前記押しボタンスイッチSW11~SW1nのいずれかのスイッチが押下された場合、前記制御部11は前記駆動部14をオンして車両のホーンリレーRY1を駆動し車両のホーンH1を鳴らすことで、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができる
近隣の車両のホーンと区別する目的で、前記制御部11は、置き去りを検知した際に、車両の前記ホーンH1をSOSのモールス信号のリズムで鳴らしてもよい。
車両に前記ホーンリレーRY1がない場合、別途パワーリレーを設けて、前記パワーリレーで直接前記ホーンH1を鳴らしてもよい。
【0016】
エンジンを始動している場合、前記制御部11は、イグニッション電源のオンを電源モニター部13が認識しているので、乗員等が前記押しボタンスイッチSW11~SW1nを押下しても、車両のホーンは鳴らさないしくみである。
【実施例0017】
図2は、本発明装置の第二の実施の形態に係る複数の圧力マットスイッチを検知部に接続した車内置き去り防止装置の構成図である。本発明装置の実施の形態に係る車内置き去り防止装置の制御部11は、検知部12と電源モニター部13と駆動部14で構成され、前記検知部12には、圧力マットスイッチSW1、同SW2、同SWnが接続される。前記圧力マットスイッチSW1~SWnの接点のもう片方は、すべてアースに接続される。
【0018】
前記制御部11は、車両の常時電源(バッテリーBATのプラス)とアース(バッテリーBATのマイナス)とイグニッション電源と車両のホーンリレーRY1と車両のホーンスイッチSW20の接続線に接続される。
本発明装置の前記制御部11は、前記電源モニター部13が、イグニッション電源がオフになったことを検出するとすぐにまたは一定時間後に置き去り監視を始める。
【0019】
監視中に前記検知部12に接続された前記圧力マットスイッチSW1~SWnのいずれかが踏まれてマット内部のスイッチがオンした場合、前記制御部11は前記駆動部14をオンして車両のホーンリレーRY1を駆動し車両のホーンH1を鳴らすことで、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができる。
【実施例0020】
図3は、本発明装置の第三の実施の形態に係る図2の構成図に2個の検知部を設け、それぞれの検知部に複数の押しボタンスイッチと圧力マットスイッチを接続した車内置き去り防止装置の検知部と各スイッチの抜粋構成図である。本発明装置の実施の形態に係る車内置き去り防止装置の前記制御部11は、検知部12aと検知部12bと電源モニター部13と駆動部14で構成され、前記検知部12aには、前記圧力マットスイッチSW1、同SW2、同SWn1および前記押しボタンスイッチSW11が接続される。
【0021】
前記検知部12bには、前記圧力マットスイッチSW4、同SW5、同SWn2および前記押しボタンスイッチSW1nが接続される。前記圧力マットスイッチSW1~SWn1および前記押しボタンスイッチSW11および前記圧力マットスイッチSW4~SWn2および前記押しボタンスイッチSW1nの接点のもう片方は、すべてアースに接続される。
【0022】
本発明装置の前記制御部11は、前記電源モニター部13が、イグニッション電源がオフになったことを検出するとすぐにまたは一定時間後に置き去り監視を始める。
本発明装置の前記制御部11が、監視中に前記検知部12aに接続された前記圧力マットスイッチSW1~SWn1のいずれかが踏まれてマット内部のスイッチがオンした場合または前記押しボタンスイッチSW11が押下された場合、前記制御部11は、車両のホーンH1を鳴らし、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができる。
【0023】
本発明装置の前記制御部11が、監視中に前記検知部12bに接続された前記圧力マットスイッチSW4~SWn2のいずれかが踏まれてマット内部のスイッチがオンした場合または前記押しボタンスイッチSW1nが押下された場合、前記制御部11は、車両のホーンH1を鳴らし、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができる。
【0024】
前記検知部を複数設けることで、置き去り監視中に第一の前記検知部12aと接続されている前記押しボタンスイッチや前記圧力マットスイッチの断線や前記検知部12aの故障が発生しても、第二の検知部12bが機能することで、車内置き去り防止装置が完全に動作不能になることを防ぐことができるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の車内置き去り防止装置は、エンジン停止後、前記制御部11が、前記検知部12に接続された前記圧力マットスイッチSW4~SWn2のいずれかが踏まれたり、前記押しボタンスイッチSW11~SW1nが押下された場合、前記制御部11は、車両の前記ホーンH1を鳴らし、車外の人に置き去りにされていることを知らせることができるという利点がある。
【0026】
よって、特に園児や老人の送迎バス車両において、目的地に到着後、車内に人が置き去りにされていないことを確認して施錠すべきところ、不十分な確認により、車内に置き去りにされた人が、車外に人に連絡できない場合でも、圧力マットスイッチSW4~SWn2のいずれかを踏んだり、近傍のいずれかの押しボタンスイッチSW11~SW1nを押下することにより、ホーンH1が鳴り、車外に人に連絡でき、熱中症等で死亡する事故を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0027】
RY1 車両のホーンリレー
H1 車両のホーン
11 車内置き去り防止装置の制御部
12 車内置き去り防止装置の制御部内の検知部
13 車内置き去り防止装置の制御部内の電源モニター部
14 車内置き去り防止装置の制御部内の駆動部
SW1 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SW2 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SWn 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SWn1 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SW4 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SW5 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SWn2 制御部内の検知部に接続された圧力マットスイッチ
SW11 制御部内の検知部に接続された押しボタンスイッチ
SW12 制御部内の検知部に接続された押しボタンスイッチ
SW1n 制御部内の検知部に接続された押しボタンスイッチ
SW20 車両のホーンスイッチ
BAT バッテリー
図1
図2
図3