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  • 特開-車両用バックランプ 図1
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  • 特開-車両用バックランプ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078686
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】車両用バックランプ
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/26 20060101AFI20240604BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240604BHJP
   B60Q 1/22 20060101ALI20240604BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240604BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20240604BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240604BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240604BHJP
   F21Y 107/30 20160101ALN20240604BHJP
【FI】
B60Q1/26 Z
B60Q1/00 C
B60Q1/22
F21V23/00 110
F21K9/232 100
F21W103:45
F21Y115:10
F21Y107:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191175
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】516370235
【氏名又は名称】株式会社REIZ
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 晋士
【テーマコード(参考)】
3K014
3K339
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K339AA28
3K339BA09
3K339BA10
3K339BA25
3K339BA30
3K339CA11
3K339DA01
3K339GB21
3K339JA02
3K339JA21
3K339KA01
3K339KA27
3K339MA10
3K339MC99
(57)【要約】
【課題】車両のバックランプの点灯により、外部の車両や歩行者などに対し、誤った情報が伝達されるおそれを防ぐ。
【解決手段】バックランプに、発光部を有する発光半導体素子と、事前に設定された時間以上、発光半導体に通電されたときに発光部が発光するよう制御する制御装置と、を備える。事前に設定された時間は、0.5秒以上、2秒以下とすることが好ましい。これにより、ドライブ(D)からパーキング(P)に、また、逆にパーキング(P)からドライブ(D)に移動させても、バックランプが点灯することはない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有する発光半導体素子と、
事前に設定された時間以上前記発光半導体に通電されたときに前記発光部が発光するよう制御する制御装置と、を有するバックランプ。
【請求項2】
前記事前に設定された時間は、0.5秒以上、2秒以下である請求項1に記載のバックランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車などの車両に搭載されるバックランプに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両において、車体後方の左右両側に左右一対のバックランプが配設される。バックランプにはバルブ(灯具の一例)が内設されており、そのバルブが点灯することで車両が後退することを外部の車両や歩行者などに報知する。
【0003】
近年、灯具の省エネ化や、発光半導体素子(LED:Light Emitting Diode、以下「LED素子」ともいう。)の普及などにより、車両においてもバックランプを含めた各種信号灯具などの照明装置にLED素子が広く採用されるようになった。また、LED素子を含む灯具(以下「LED灯具」ともいう。)では、そのLED素子が点灯した際の消費電力の定格は、純正・標準の信号灯具のバルブと同等に設定されている場合が多い。
バックランプに関し、主な技術的課題は、特後部ランプが点灯しているかを車内から確認することができることであり、特許文献1に記載の技術等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-070529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バックランプを点灯させるためには、シフトレバーを操作して、リバース(R)に設定する必要がある。このシフトレバーの並びは、パーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)(以下略)の順に配置されていることから、リバース(R)に設定するためには、パーキング(P)からリバース(R)、ドライブ(D)からリバース(R)にシフトレバーを移動させればよい。
しかしながら、ドライブ(D)からパーキング(P)に、また、逆にパーキング(P)からドライブ(D)に移動させるためにはリバース(R)を経由することになる。このため、後退する意思がなくても、ドライブ(D)からパーキング(P)に、また、逆にパーキング(P)からドライブ(D)に移動させた場合、リバース(R)を経由することから、一瞬(数秒以下)バックランプが点灯する。これにより、外部の車両や歩行者などに対し、誤った情報が伝達されるおそれがある。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、リバース(R)に経由するときに、わずかな時間ではあるものの、リバース時に形成される回路(以下、「リバース回路」と記述する。)に通電されることに着目し、所定時間、リバース回路に電流が流れたときに、はじめて点灯するように灯具側で制御できれば、課題解決に寄与できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、外部の車両や歩行者などに対し、誤った情報が伝達されるおそれを防ぐことができるバックランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、発光部を有する発光半導体素子と、事前に設定された時間以上前記発光半導体に通電されたときに前記発光部が発光するよう制御する制御装置と、を有するバックランプである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記事前に設定された時間は、0.5秒以上、2秒以下である請求項1に記載のバックランプである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バックランプに制御装置を設け、事前に設定された時間以上前記発光半導体に通電されたとき、すなわち、所定時間、リバース回路に電流が流れたときに、はじめて発光部から発光される。これにより、ドライブ(D)からパーキング(P)に、また、逆にパーキング(P)からドライブ(D)に移動させても、バックランプが点灯することはなく、外部の車両や歩行者などに対し、誤った情報が伝達されるおそれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るバックランプの構成を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るバックランプの構成を示す縦断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るバックランプの構成を示す平面図である。
図4図1に示すバックランプの電気回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るバックランプに関する実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
本発明に係る実施形態のバックランプの物理的構成は、LED素子と、筐体部と、ICチップ(制御装置)を含んで構成される。
【0012】
LED素子は、外方に光を放射する発光部(不図示)を有する。また、LED素子は、5つで1組(以下この組を「ユニット」ともいう。)を構成しており、本実施形態ではLED素子11は30個用いられるので、合計、6組のユニット11Aが組成される。1つのユニット11Aにつき5個のLED素子11は、互いに隣接して直線状に(図中で上下方向に沿って)並設される。LED素子11のユニット11Aのそれぞれでは通電されるとその3つのLED素子11が同時に点灯する。
【0013】
筐体部12は、金属製部材(例えばアルミホイール製部材)からなり全体的に略円筒状に形成される。また、筐体部12は、LED固定部13と、ベース部20と、を有して構成される。
【0014】
LED固定部13は、有底の略円筒状に形成されており、先端部に開口部14を有する。LED固定部13の外周面に周方向と直行する方向に亘(わた)って段部が6か所設けられる。この段部の底部に、複数のLED素子11のユニット11Aのそれぞれが段部の形成方向に沿って略等間隔で並列して貼設または埋設される。これにより、複数のLED素子11のそれぞれは、LED固定部13の表面に固設されており、通電時にLED固定部13(LED灯具10の本体)の径方向外側に向けて放射して発光する。
【0015】
ベース部20は、LED固定部13に一体に設けられ、板状に形成される。ベース部20は、その先端部でLED固定部13の基端部に連結する。ベース部20の先端部の幅寸法は、LED固定部13の外周形状と略一致して設けられる。
なお、LED固定部13の外径は、取り付ける車両における正規品(従来品)のLED灯具の大きさにより規定される。
【0016】
ICチップ(制御装置)は、主記憶装置と演算装置と、入出力装置とから構成される。入出力装置は、LED素子に電流が流れたときに、その電流の一部をセンサ信号としてICチップ側に供給するとともに、LED素子の発光に必要な電圧を与え、必要に応じて電圧を与えないようにするためのスイッチの役割を果たすものである。主記憶装置は、演算を行うために必要なプログラムが組み込まれたものである。演算装置では、主記憶装置に記憶されたプログラムに基づいて、演算を行う。具体的に、センサ信号を受信したときに、そのセンサ信号が、受信開始時から所定時間、連続して供給されているか否かを判断し、所定時間連続してセンサ信号が供給されている場合には、LED素子に電圧を加えるために、入出力装置に、スイッチをONにする指令を与える。逆に、所定時間連続してセンサ信号が供給されていない場合には、LED素子に電圧を与えないようにするために、入出力装置にスイッチをOFFにする指令を与える。
【0017】
センサ信号が連続して供給されているか否かの基準となる所定時間とは、2秒以下であることが好ましい。しかし、0.5秒未満の場合、シフトレバーの操作に慣れていない使用者が、ドライブ(D)からパーキング(P)に、また、逆にパーキング(P)からドライブ(D)に移動させるときに、リバース(R)に置かれる時間が長く、バックランプが点灯するおそれがあり、その結果、外部の車両や歩行者などに対し、誤った情報が伝達されるおそれあるため、不適である。逆に、2秒以上とすると、バックランプが点灯せずに後退するおそれがあり、外部の車両や歩行者などに対して、かえって危険である。
【0018】
[LED灯具の電気回路の構成について]
次に図5を参照して、LED灯具10の電気回路の構成について説明する。図5は、図1に示すLED灯具10の電気回路の構成を示す回路図である。
【0019】
図5に示すように、電気回路は、電源として定電流装置30を有し、負荷として、1つのファン21と、複数(本実施形態では6つ)の抵抗素子31と、複数(本実施形態では6組)のLED素子11のユニット11Aと、を有する。また、ICチップ(制御装置)は、この回路の任意の位置に配置されるが、定電流装置30と、LED素子11-抵抗のユニット31Aとの間に設けられる。すなわち、ICチップ(制御装置)は、図5に示す回路の定電流装置30を起点とし、回路配線が分岐する箇所までの間に設けられるか、図5に示す回路の定電流装置30を終点とし、分岐された回路配線が結合し1つの回路配線として定電流装置30に向かうまでの間に設けられる。
【0020】
定電流装置30は、定電流ダイオード(不図示)を並列接続し、LED素子11およびファン21に一定電流を安定的に供給する。
なお、定電流装置30は、LED固定部13の内部に収納される(図4参照)。
【0021】
複数のLED素子11のユニット11Aのそれぞれに、複数の抵抗素子31のそれぞれが電気的に直列接続される。この1つのLED素子11のユニット11Aおよび1つの抵抗素子31で1つのLED素子11-抵抗のユニット31Aを組成し、これら6組のLED素子11-抵抗のユニット31Aのそれぞれが、互いに並列に電気的に接続する。これら負荷としての、LED素子11、抵抗素子31は、定電流装置30に接続されており、それにより、バックライト10として1つの電気回路が構成される。
【0022】
車載バッテリー(不図示)から供給される電流は、定電流装置30に流れ、その後、LED素子11、抵抗素子31のそれぞれに電流が流れる。その後、電流は、定電流装置30を経由してバッテリーに戻る。
【符号の説明】
【0023】
10 :LED灯具(灯具)
11 :LED素子(発光半導体素子)
18 :制御装置
図1
図2
図3
図4