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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078692
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】貯湯装置の梱包構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20240604BHJP
   B65D 81/02 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
B65D81/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191186
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 由典
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰介
(72)【発明者】
【氏名】大西 兼造
【テーマコード(参考)】
3E037
3E066
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA02
3E037BB05
3E037BB06
3E037BC04
3E037CA05
3E066AA24
3E066BA06
3E066CA04
3E066FA06
3E066GA11
3E066HA01
3E066JA04
3E066JA13
3E066KA02
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】貯湯装置の梱包構造の前部と後部の下部に梱包部材のみで取手を形成可能な梱包構造を提供する。
【解決手段】前後幅とこの前後幅よりも小さい左右幅を有する貯湯装置1の前面を覆う前面梱包材12Bと、後面を覆う後面梱包材13Bを備えた梱包構造10Bにおいて、貯湯装置は外装ケース2,3とこの外装ケース2,3を支持する複数の脚部4を備え、脚部4と脚部4の間を通り且つ貯湯装置1の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材16Bを設け、下部梱包材16Bの前面下部を覆う前面材16aと後面下部を覆う後面材16bには夫々段ボールを巻いた角筒体16e,16fからなる取手が設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯装置の前面を覆う前面梱包材と、後面を覆う後面梱包材を備えた梱包構造において、
前記貯湯装置は外装ケースとこの外装ケースを支持する複数の脚部を備え、
前記脚部と脚部の間を通り且つ貯湯装置の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材を設け、
前記下部梱包材の前記前面下部を覆う前面材と前記後面下部を覆う後面材には夫々取手が設けられていることを特徴とする貯湯装置の梱包構造。
【請求項2】
前記下部梱包材は、前記前面梱包材と後面梱包材よりも貯湯装置側に配設されており、前記前面材の取手は前面梱包材に形成された取手用開口と連通する前面開口部からなり、前記後面材の取手は後面梱包材に形成された取手用開口と連通する後面開口部からなることを特徴とする請求項1に記載の貯湯装置の梱包構造。
【請求項3】
前記下部梱包材は、前記前面梱包材と後面梱包材よりも貯湯装置側に配設されており、前記前面材の取手は下部梱包材を構成する段ボール材を巻いた前面角筒体からなり、この前面角筒体は前面梱包材に形成された前面開口穴から外側へ突出しており、
前記後面材の取手は前記段ボール材を巻いた後面角筒体からなり、この後面角筒体は後面梱包材に形成された後面開口穴から外側へ突出していることを特徴とする請求項1に記載の貯湯装置の梱包構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯装置の梱包構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水を加熱する熱源機と湯水を貯湯する貯湯タンクとをユニット化してなる貯湯装置が広く実用に供されている。貯湯装置は、段ボール紙等からなる梱包構造で梱包した形態でトラック輸送され、設置場所の付近においてトラックから降ろして梱包を解いてから、軒下等にある設置場所に人手にて運搬して設置するのが普通である。この人手にて運搬する際には、貯湯装置に形成された段付き部や取手を利用して運搬する。
ところで、梱包を解いてから軒下等の狭い通路を運搬する際に、貯湯装置の外装ケースに傷つけたり、汚したり、凹ませたりするトラブルが少なからず生じていた。そこで、梱包構造を解かずに、貯湯装置を設置場所に運搬したいというニーズがある。
【0003】
特許文献1に記載の包装装置においては、電気温水器の梱包構造における下部に別ピースからなる底部支持材を設け、中段部に横巻き状の帯状部材を設け、この帯状部材に取っ手穴を形成し、設置場所の付近において梱包状態のまま、電気温水器を運搬する際に傷つけやすい電気温水器の下部を底部支持材でガードしている。
【0004】
特許文献2の貯湯式給湯装置の梱包構造は、前面と左右側面を覆う三面板と、背面板と、上面カバーと、下部木枠とを有する。左右の側面の後端部分の上部と下部には、取っ手穴が形成されている。現地において、この貯湯式給湯装置を梱包したまま運搬する場合には、背面側を下に向けた状態で取っ手穴に手を掛けて運搬する。
【0005】
特許文献3の貯湯装置の梱包構造は、前面梱包材と、後面梱包材と、天部材および天板部材と、下端側のパレット部材とを有する。この梱包構造は、前部の縦巻き状のバンド部材と後部の縦巻き状のバンド部材によりパレット部材に固定されているため、現地では、トラックから降ろした後、梱包構造を解いてから貯湯装置を運搬する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5014302号公報
【特許文献2】特開2014-104989号公報
【特許文献3】特許第5858213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の包装装置では、中段部の後端側部分に左右1対の取っ手穴が形成されているだけであるため、電気温水器を横向き姿勢にして運搬可能であるが、横向き姿勢では運搬できないような狭い通路で電気温水器を縦向き姿勢にして運搬しにくく、特に包装装置の下部の前後両側に取っ手穴が形成されないため、二人で前後両側から包装装置の下部を手で支持して運搬するのに適していない。
【0008】
特許文献2の梱包構造においても、梱包構造の上部と下部の後端側部分に左右1対の取っ手穴が形成されているだけであるため、特許文献1の包装装置と同様の問題がある。
特許文献3の梱包構造は、梱包構造が縦巻き状の前後のバンド部材によりパレット部材に固定されているため、現地おいて梱包構造を解いてから設置場所に運搬することを前提としているから、軒下等の狭い通路を運搬する際に、被梱包物の外装ケースに傷つけたり、汚したり、凹ませたりする虞がある。
【0009】
本発明の目的は、貯湯装置の梱包構造の前部と後部の下部に梱包部材のみで取手を形成可能な梱包構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る貯湯装置の梱包構造は、貯湯装置の前面を覆う前面梱包材と、後面を覆う後面梱包材を備えた梱包構造において、前記貯湯装置は外装ケースとこの外装ケースを支持する複数の脚部を備え、前記脚部と脚部の間を通り且つ貯湯装置の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材を設け、前記下部梱包材は前記前面下部を覆う前面材と前記後面下部を覆う後面材を有し、前面材と後面材には夫々取手が設けられていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、貯湯装置の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材を設けたため、貯湯装置の底面を覆って確実にガードすることができる。
また、前面下部を覆う前面材と後面下部を覆う後面材には夫々取手が設けられているため、貯湯装置の梱包構造の前面の下部にある取手と後面の下部にある取手を前後両側から二人で支持して運搬することできる。
【0012】
請求項2の貯湯装置の梱包構造は、請求項1の発明において、前記下部梱包材は、前記前面梱包材と後面梱包材よりも貯湯装置側に配設されており、前記前面材の取手は前面梱包材に形成された取手用開口と連通する前面開口部からなり、前記後面材の取手は後面梱包材に形成された取手用開口と連通する後面開口部からなることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、前面材の取手は前面梱包材の取手用開口と連通する前面開口部からなるため、取手用開口と前面開口部とで梱包部材2枚分の厚さの取手となるため、手を掛け易くなる。同様に、後面材の取手は後面梱包材の取手用開口と連通する後面開口部からなるため、取手用開口と後面開口部とで梱包部材2枚分の厚さの取手となるため、手を掛け易くなる。
【0014】
請求項3の貯湯装置の梱包構造は、請求項1の発明において、前記下部梱包材は、前記前面梱包材と後面梱包材よりも貯湯装置側に配設されており、前記前面材の取手は下部梱包材を構成する段ボール材を巻いた前面角筒体からなり、この前面角筒体は前面梱包材に形成された前面開口穴から外側へ突出しており、前記後面材の取手は前記段ボール材を巻いた後面角筒体からなり、この後面角筒体は後面梱包材に形成された後面開口穴から外側へ突出していることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、前面材の取手を構成する前面角筒体が、前面梱包材の前面開口穴から外側へ突出しているため、確実に手を掛けることができる。同様に、後面材の取手を構成する後面角筒体が、後面梱包材の後面開口穴から外側へ突出しているため、確実に手を掛けることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記のように、本発明は種々の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る貯湯装置の梱包構造を示す斜視図である。
図2図1の梱包構造の分解斜視図である。
図3図1の貯湯装置と梱包構造の縦断側面図である。
図4】変更例に係る貯湯装置の梱包構造の斜視図である。
図5】本発明の実施例2に係る貯湯装置の梱包構造を示す斜視図である。
図6図5の梱包構造の分解斜視図である。
図7図5の貯湯装置と梱包構造の縦断側面図である。
図8】変更例に係る貯湯装置の梱包構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0019】
先ず、本発明の梱包構造が適用される貯湯装置について説明する。
図1図3に示すように、本実施例の貯湯装置1は、温水を発生させる補助熱源機と、給湯用温水を貯える貯湯タンクと、ホンプとセンサ類と配管・配管継手類を含む補機類と、制御ボックスなどを有する。貯湯装置1の後部に円筒状の貯湯タンクが配設されて外装ケース2,3で覆われ、貯湯装置1の前部の上部と中段部に前記の補助熱源機と補機類と制御ボックスとが配設され、外装ケース2で覆われている。尚、図1に矢印で示す前後左右を前後左右として説明する。図1に示すように、貯湯装置1は、前後幅と、この前後幅よりも小さな左右幅を有する。
【0020】
図1図3に示すように、外装ケース2を支持する脚部4を備え、貯湯装置1の下端部には、貯湯装置1を後述するパレット11に固定するための1対のベース部材1aが設けられている。
【0021】
次に、貯湯装置1の梱包構造10について説明する。
図1図3に示すように、この梱包構造10は、貯湯装置1を載置固定する為のパレット11、貯湯装置1の前部と後部を覆う1対の前面梱包部材12及び後面梱包部材13と、貯湯装置1の上部を覆う天部材14及び緩衝部材15と、下部梱包材16などを有し、これら構成部材は貯湯装置1の外面の大部分を覆うように取り付けられている。尚、図1は貯湯装置1の梱包状態を示している。
【0022】
次に、パレット11について説明する。
パレット11は材木で構成され、パレット11は、左右1対のベース板11aと、これらベース板11aの上に固定された5本の角材11bとを有する。1対のベース板11a の前端近傍部分には2本の角材11bが固定され、1対のベース板11aの後端近傍部分には2本の角材11bが固定され、1対のベース板11aの前後方向の中央部には1本の角材11bが固定されている。貯湯装置1の下端の1対のベース部材1aは、パレット11の角材11bに4本のボルトにて固定される。
【0023】
次に、梱包構造10の前面梱包材12と後面梱包材13について説明する。
図1図2に示すように、前面梱包材12と後面梱包材13は、厚紙状の段ボール材でもって正面開放状の平面視コ字状に夫々構成され、貯湯装置1の上下方向に沿うように縦方向に延びている。前面梱包材12と後面梱包材13の上下方向の全長は貯湯装置1の全長と略同一に設定されている。前面梱包材12と後面梱包材13は、貯湯装置1の前側部分と後側部分とを覆い保護するように装着される。前面梱包材12と後面梱包材13の上端部分は、後述する箱状の天部材14の内側に挿入される。
【0024】
次に、天部材14について説明する。
図1図3に示すように、天部材14は、貯湯装置1の左右幅と略同一の幅を有する箱体であり、この天部材14は、貯湯装置1の上部を包装し保護するものであり、天部材14の上面に載置される緩衝部材15は、貯湯装置1の輸送中における貯湯装置1の移動や揺動を防止する為のものである。
【0025】
天部材14は、段ボール材から下方開放状の箱体であって貯湯装置1の上端部に被せる得る箱体に構成されている。天部材14の前後幅は貯湯装置1の前後幅と略同一の幅に設定され、天部材14の左右幅は貯湯装置1の左右幅と略同一の幅に設定されている。
【0026】
次に、緩衝部材15について説明する。
この緩衝部15は、複数の貯湯装置1を納入先へ輸送する際に、複数の貯湯装置1をトラックの荷台上に列状に配列した状態で、貯湯装置1の移動や揺動を防止する為のものである。この緩衝部材15は段ボール材から構成され、緩衝部材15の左右幅は、パレット11の左右幅とほぼ同一の幅に設定されている。
【0027】
緩衝部材15は、天板部15aと、この天板部15aの左右方向の両端部に一体的に設けられた1対の緩衝機能部15bと、天板部15aの前後端から前後に張り出すバンド対応部15cを有する。緩衝部材15がバンド部材19aにより固定された状態では、1対の緩衝機能部15bの側面が天部材14の左右両側面に夫々当接する。
【0028】
緩衝部材15は緩衝機能部15bを除いて前後方向に細長い矩形状に形成され、緩衝部材15の前後幅は貯湯装置1の前後幅とほぼ同一の幅に設定され、緩衝部材15の左右幅は天部材14の左右幅と同一の幅に設定されている。
【0029】
緩衝部材15の左端部の長さ方向の中央部分には、その前後幅の約1/2の長さの緩衝機能部15bが一体形成され、緩衝部材15の右端部の長さ方向の中央部分には、その前後幅の約1/2の長さの緩衝機能部15bが一体形成されている。1対の緩衝機能部15bが結合された部分を除いて、緩衝部材15の前側部分と後側部分には、複数のバンド部材19aで締め付けられるバンド対応部15cが形成されている。
【0030】
1対の緩衝機能部15bは、段ボール材を巻いた角筒体で夫々構成されている。各緩衝機能部15bは、その上端面が緩衝部材15の上端面と同一平面上に位置するように形成されている。各緩衝機能部15bは、内部に斜辺状の斜辺板部を有し、各緩衝機能部15bの強度を高めている。
【0031】
パレット11の左右幅と、緩衝部材15の左右幅とがほぼ等しく設定されているため、複数の貯湯装置1を左右方向に整列させた状態では、緩衝機能部15bは、隣接する貯湯装置1の包装構造10の緩衝機能部15bに当接する。
従って、輸送中のトラックの停止時の慣性力や振動などが貯湯装置1に作用しても、緩衝機能部15bが隣接する緩衝機能部15bと当接しているので、貯湯装置1を鉛直姿勢に安定的に維持することができ、複数の貯湯装置1を安全に輸送することができる。
【0032】
次に、段ボール製の下部梱包材16について説明する。
貯湯装置1の脚部4と脚部4の間を通り且つ貯湯装置1の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材16が設けられている。
下部梱包材16は、貯湯装置1の前面下部を覆う前面材16aと後面下部を覆う後面材16bと底面を覆う底面材16cを有し、前面材16aと後面材16bには夫々取手16d,16eが設けられている。その取手16d,16eは手を挿入可能な左右方向に細長い開口からなる。但し、製作工程において、これら取手16d,16eを打ち抜いた際に
打ち抜き片を分断することなく内面の上側へ折り返した状態にし、手を掛け易い構造にしてある。
【0033】
下部梱包材16は、前面梱包材12と後面梱包材13よりも貯湯装置1側(つまり、内側)に配設されており、前面材16aの取手16dは前面梱包材12に形成された取手用開口12aと連通する前面開口部からなり、後面材16bの取手16eは後面梱包材13 に形成された取手用開口13aと連通する後面開口部からなる。
【0034】
次に、複数のバンド部材19a,19bについて説明する。
図1に示すように、貯湯装置1に下部梱包材16と前面梱包材12と後面梱包材13と天部材14と緩衝部材15とを装着した状態において、貯湯装置1の前部に縦巻き状態に掛け回す2本のバンド部材19aと、貯湯装置1の後部に縦巻き状態に掛け回す2本のバンド部材19bと、貯湯装置1の中段部に水平に掛け回す1本のバンド部材19cとが設けられている。
【0035】
貯湯装置1の前部を縛る2本のバンド部材19aは、緩衝部材15の前側のバンド対応部15cを締め付け、また、後部を縛る2本のバンド部材19bは、緩衝部材15の後側のバンド対応部15cを締め付ける。4本のバンド部材19a,19bにより、下部梱包材16と天部材14と緩衝部材15とが貯湯装置1に対して固定される。
【0036】
1本のバンド部材19cは4本のバンド部材19a,19bの内周側に配置され、このバンド部材19cにより、1対の前面梱包材12と後面梱包材13が貯湯装置1に対して固定される。尚、4本のバンド部材19a,19bは、貯湯装置1のベース部材1aに掛け回されるため、1対のベース部材1aをパレット11に固定する4本のボルトをとり外せば、貯湯装置1とその梱包構造10をパレット11から分離することができる。
【0037】
本発明の貯湯装置1の包装構造10の作用、効果について説明する。
この包装構造10によれば、貯湯装置1の前面下部と底面と後面下部を覆う下部梱包材16を設けたため、貯湯装置1の底面を覆って確実にガードすることができる。
また、下部梱包材16は前記前面下部を覆う前面材16aと前記後面下部を覆う後面材16bとを有し、前面材16aと後面材16bには夫々取手16d,16eが設けられているため、貯湯装置1の梱包を解くことなく、梱包構造10の前面の下部にある取手16dと後面の下部にある取手16eを前後両側から二人で支持して運搬することできる。
【0038】
特に、前面材16aの取手16cは前面梱包材12の取手用開口12aと連通する前面開口部からなるため、取手用開口12aと前面開口部とで梱包部材2枚分の厚さの取手となるため、確実に手を掛けることができる。同様に、後面材16bの取手16dは後面梱包材13の取手用開口13aと連通する後面開口部からなるため、取手用開口13aと後面開口部とで梱包部材2枚分の厚さの取手となるため、確実に手を掛けることができる。
【0039】
前記梱包構造10におけるバンド部材の掛け方を変更した例について簡単に説明する。
図4に示すように、この梱包構造10Aにおいては、貯湯装置1の左側部分に縦巻き状態に掛け回す1本のバンド部材19dと、貯湯装置1の右側部分に縦巻き状態に掛け回す1本のバンド部材19eと、貯湯装置1の中段部に水平に掛け回す1本のバンド部材19cとが設けられている。この梱包構造10Aによれば、3本のバンド部材19d,19e,19cを設ければよいため、経済的である。
【実施例0040】
実施例2に係る貯湯装置の梱包構造10Bについて図5図7に基づいて説明する。
この貯湯装置の梱包構造10Bは、下部梱包材16Bに形成する取手と、前面梱包材12Bの取手用開口12bと後面梱包材13Bの取手用開口13bを変更したものであるので、前記実施例と同一の部材に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0041】
下部梱包材16Bの前面材16aの上端部には、左右方向に延びる取手が形成され、この取手は、段ボールを巻いた前面角筒体16fで構成されている。同様に、下部梱包材 16Bの後面材16bの上端部には、左右方向に延びる取手が形成され、この取手は、段ボールを巻いた後面角筒体16gで構成されている。
【0042】
前面梱包材12Bには、前面材16aの前面角筒体16fを嵌入できる取手用開口12bが左右方向に延びるように形成されている。同様に、後面梱包材13Bには、後面材16bの後面角筒体16gを嵌入できる取手用開口13bが左右方向に延びるように形成されている。
【0043】
梱包状態では、前面側の前面角筒体16fを取手用開口12bに嵌めて前方へ突出させるため手を掛けることができる。また、後面側の後面角筒体16gを取手用開口13b に嵌めて後方へ突出させるため手を掛けることができる。
尚、前面角筒体16fの前端とパレット11の前端は同一鉛直面内に位置し、後面角筒体16gの後端とパレット11の後端は同一鉛直面内に位置している。
【0044】
以上説明した貯湯装置の梱包構造10Bの作用効果について説明する。
前面材16aの取手を構成する前面角筒体16fが、前面梱包材12Bの前面開口穴12bから外側へ突出しているため、確実に手を掛けることができる。同様に、後面材16bの取手を構成する後面角筒体16gが、後面梱包材13Bの後面開口穴13bから外側へ突出しているため、確実に手を掛けることができる。しかも、前面角筒体16fも後面角筒体16gも強度に優れるため破損する虞がない。
【0045】
尚、図5の梱包構造10Bにおけるバンド部材の掛け回し形態は、図1の梱包構造10におけるバンド部材の掛け回し形態と同じである。また、変更例に係る図8の梱包構造10Cにおけるバンド部材の掛け回し形態は、図4の梱包構造10Aにおけるバンド部材の掛け回し形態と同じである。
【0046】
尚、本実施例の貯湯装置1は、補助熱源機を有するものを例として説明したが、貯湯装置1は、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットを外装ケース内に一体的に組み込んだものであってもよい。
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例の種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0047】
1 貯湯装置
2,3 外装ケース
4 脚部
10,10A,10B,10C 包装構造
11 パレット
12,12B 前面梱包部材
12b 前面開口穴
13b 後面開口穴
13,13B 後面梱包部材
16,16B 下部梱包部材
16a 前面材
16b 後面材
16d,16e,16f,16g 取手
16d 前面開口部
16e 後面開口部
16f 前面角筒体
16g 後面角筒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8