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特開2024-78718アルコール濃度測定装置及びアルコール濃度測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078718
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】アルコール濃度測定装置及びアルコール濃度測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/497 20060101AFI20240604BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20240604BHJP
【FI】
G01N33/497 A
A61B5/1171 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191216
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】早川 義之
【テーマコード(参考)】
2G045
4C038
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB22
2G045DA74
4C038ST01
4C038SU20
4C038SX11
(57)【要約】
【課題】呼気中のアルコール濃度測定の利便性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定するアルコール濃度測定装置であって、被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定する測定部と、測定毎に、測定に用いられたアルコール濃度測定装置の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する生成部103と、認証表示情報を外部の端末装置に送信する送信部104と、認証表示情報において指定された認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する表示部と、を備える、アルコール濃度測定装置である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定するアルコール濃度測定装置であって、
前記濃度を測定する測定部と、
前記測定毎に、前記測定に用いられた前記アルコール濃度測定装置の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する生成部と、
前記認証表示情報を外部の端末装置に送信する送信部と、
前記認証表示情報において指定された前記認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する表示部と、
を備える、アルコール濃度測定装置。
【請求項2】
前記認証表示情報は、前記測定部の測定結果及びその測定を識別するための識別情報をコード化することにより生成されたコード情報を含み、
前記表示部は、前記認証表示として前記コード情報を表示する、請求項1に記載のアルコール濃度測定装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記認証表示と前記測定部の測定結果とを同じ表示画面に表示する、請求項1に記載のアルコール濃度測定装置。
【請求項4】
前記認証表示方法は、ランダムに決定される、請求項1から3のいずれか1項に記載のアルコール濃度測定装置。
【請求項5】
被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定するアルコール濃度測定装置と前記被測定者によって用いられる被測定者端末とを備え、
前記アルコール濃度測定装置は、
前記濃度を測定する測定部と、
前記測定毎に、前記測定に用いられた前記アルコール濃度測定装置の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する生成部と、
前記認証表示情報を前記被測定者端末に送信する送信部と、
前記認証表示情報において指定された前記認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する表示部と、
を備え、
前記被測定者端末は、前記アルコール濃度測定装置から前記認証表示情報を受信し、前記測定が行われているときに前記表示部を撮影した撮影データ中の前記認証表示が前記受信した認証表示情報において指定された前記認証表示方法に従っているか否かを判断する、アルコール濃度測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の呼気中に含まれるアルコールを検知するアルコール測定装置及び呼気アルコール測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者(被測定者)の飲酒運転を防止するために、アルコール検知器を用いて被測定者の呼気のアルコール濃度を測定し、その測定結果を携帯端末機を介して遠隔の管理装置に送信して、管理者に被測定者のアルコール摂取の有無を確認させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、本人確認のために、携帯端末機で撮影された被測定者の測定の様子を示す撮影データが測定結果とともに管理装置に送信される。
【0003】
このようなアルコール検査では、被測定者がアルコール検知器のダミー器に呼気を吹き込む様子を撮影しつつ、被測定者とは別の飲酒していない他人がアルコール検知器に呼気するなどの替え玉による不正な測定が行われることが想定される。このような不正を抑制するために、特許文献1に記載の技術では、以下が実行される。管理装置がランダムに決定された発光パターンの発光指示信号をアルコール検知器に送信して発光を開始させる。携帯端末機が発光パターンに従って発光したアルコール検知器に被測定者が呼気を吹き込む様子を撮影し、その撮影データを管理装置に送信する。管理装置側で撮影データ中の発光パターンと決定した発光パターンとが一致しているかを判断することにより、撮影データ中の人物が被測定者であるかが判別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-192859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、発光パターンの確認を行うための管理装置は、発光指示信号を生成する機能などの特定の機能を有する必要がある。そのため、本発明者らは、汎用の端末装置を管理装置として用いることができるようにして呼気中のアルコール濃度測定の利便性を向上させる観点で、改善の余地があると考えた。
【0006】
上記を鑑み、本発明の目的は、呼気中のアルコール濃度測定の利便性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のアルコール濃度測定装置は、被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定するアルコール濃度測定装置であって、前記濃度を測定する測定部と、前記測定毎に、前記測定に用いられた前記アルコール濃度測定装置の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する生成部と、前記認証表示情報を外部の端末装置に送信する送信部と、前記認証表示情報において指定された前記認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様のアルコール濃度測定システムは、被測定者の呼気中に含まれるアルコールの濃度を測定するアルコール濃度測定装置と前記被測定者によって用いられる被測定者端末とを備え、前記アルコール濃度測定装置は、前記濃度を測定する測定部と、前記測定毎に、前記測定に用いられた前記アルコール濃度測定装置の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する生成部と、前記認証表示情報を前記被測定者端末に送信する送信部と、前記認証表示情報において指定された前記認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する表示部と、を備え、前記被測定者端末は、前記アルコール濃度測定装置から前記認証表示情報を受信し、前記測定が行われているときに前記表示部を撮影した撮影データ中の前記認証表示が前記受信した認証表示情報において指定された前記認証表示方法に従っているか否かを判断する。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本実施形態の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本実施形態の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、呼気中のアルコール濃度測定の利便性を向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係るアルコール濃度測定システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係るアルコール濃度測定装置のハードウェア構成を例示する図である。
図3】第1実施形態に係る処理部の機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係るアルコール濃度測定システムの処理のシーケンス図である。
図5】第1実施形態における撮影の様子を示す被測定者端末の表示画面を例示する図である。
図6】第2実施形態に係るアルコール濃度測定システムの構成例を示す図である。
図7】第2実施形態に係るアルコール濃度測定システムの処理のシーケンス図である。
図8】第2実施形態における撮影の様子を示す被測定者端末の表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係るアルコール濃度測定システム1の構成例を示す図である。図1のアルコール濃度測定システム1は、管理者端末10と、管理サーバ20と、被測定者端末30と、アルコール濃度測定装置40と、を備える。管理者端末10、管理サーバ20、及び被測定者端末30は、インターネットなどの無線ネットワークを介して相互に通信可能である。
【0013】
管理者端末10は、アルコール濃度測定の管理者P1によって使用される端末装置である。管理者端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等を用いることができる。
【0014】
管理サーバ20は、アルコール濃度測定装置40の測定結果や後述の認証表示情報を被測定者端末30から受信し、管理サーバ20の記憶装置(不図示)に格納する。管理サーバ20は、管理者端末10からアクセス要求を受け付けた場合に、管理者端末10に対して測定結果や後述の認証表示情報を提供する。アルコール濃度測定装置40の測定結果は、例えば、測定されたアルコール濃度とそのアルコール濃度を検査基準値と比較したときのアルコール検査の合否結果とのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
被測定者端末30は、呼気中のアルコール濃度測定の被測定者P2によって使用される端末装置である。被測定者端末30は、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等を用いることができる。本実施形態の被測定者端末30は、カメラ等の撮像装置を含む。被測定者端末30は、無線ネットワークNWを介して管理者端末10及び管理サーバ20との間のデータ通信を行う。被測定者端末30は、アルコール濃度測定装置40と有線や無線(例えば、赤外線通信、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等)により通信する。以下の説明では、被測定者端末30としてスマートフォンを想定する。本実施形態の被測定者端末30は、図4で説明する被測定者端末30の各種処理を実行するアプリケーションプログラム、例えば、撮影データ中の認証表示が受信した認証表示情報において指定された認証表示方法に従っているか否かを判断するためのアプリケーションプログラムを事前に格納している。本実施形態の被測定者端末30は、外部の端末装置の一例である。
【0016】
アルコール濃度測定装置40は、被測定者P2の呼気中のアルコールの濃度を測定する。アルコール濃度測定装置40は、被測定者P2が呼気を吹込むことができるようにアルコール濃度測定装置40に交換可能に取り付けられたマウスピース41を備える。
【0017】
図2は、アルコール濃度測定装置40のハードウェア構成を例示する図である。アルコール濃度測定装置40は、測定部42と、表示部43と、入力部44と、通信部45と、電源スイッチ46と、処理部47と、を備える。
【0018】
測定部42は、被測定者の呼気中のアルコールの濃度を測定する。被測定者がマウスピース41をくわえて呼気を吹き込むことにより、吹込まれた呼気中のアルコール濃度が測定部42によって測定される。その後、吹込まれた呼気は、不図示の排気口から排出される。測定部42は呼気中のアルコールの濃度の測定に関する公知の原理を適用できるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
表示部43は、各種情報を表示する。表示部43は、後述の認証表示情報において指定された認証表示方法に基づいて認証表示を生成する。表示部43は、例えば、液晶ディスプレイ、電球、LED(発光ダイオード)、EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)及びこれらの組み合わせで構成される。本実施形態の表示部43は、例えば発光色を変更可能な3個のLED43A~43Cを備える。
【0020】
入力部44は、例えば、複数の入力スイッチで構成される。被測定者は、入力装置を操作することにより、各種情報を入力することができる。
【0021】
通信部45は、被測定者端末30と有線や無線(例えば、赤外線通信、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等)により通信する。
【0022】
電源スイッチ46は、アルコール濃度測定装置40の電源のオン及びオフを切り替え可能に構成される。
【0023】
処理部47は、アルコール濃度測定装置40における各種処理を実行する。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る処理部47の機能ブロック図である。処理部47は、取得部101と、判断部102と、生成部103と、送信部104と、記憶部105と、を備える。これらの構成要素は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源として、CPU、ROM、RAM、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ISP(Image Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェアなどのプログラムが利用可能である。
【0025】
取得部101は、測定部42の測定結果を取得する。判断部102は、処理部47における各種判断処理を実行する。生成部103は、測定毎に、後述の認証表示情報を生成する。送信部104は、認証表示情報等を被測定者端末30に送信する。記憶部105は、処理部47の各種処理を実行するためのプログラムを格納している。記憶部105は、生成した認証表示情報を一時的に記憶する。
【0026】
上記を鑑み、図4を用いて、第1実施形態に係るアルコール濃度測定システム1の処理を説明する。図4は、第1実施形態に係るアルコール濃度測定システム1の処理S100のシーケンス図である。
【0027】
被測定者が電源スイッチ46を操作してアルコール濃度測定装置40の電源がオンになると、ステップS101で、表示部43は、被測定者端末30との接続を確立させる旨の指示を表示する。例えば、入力部44を操作することにより、アルコール濃度測定装置40が被測定者端末30からのペアリング要求を受信可能な状態となる。
【0028】
ステップS102で、被測定者端末30は、ペアリング要求をアルコール濃度測定装置40に送信する。例えば、被測定者端末30がペアリング要求を送信する旨の入力を受け付けた場合にペアリング要求を送信し、アルコール濃度測定装置40が被測定者端末30からペアリング要求を受信した場合、被測定者端末30とのペアリングが行われ、接続が確立される。
【0029】
ステップS103で、アルコール濃度測定装置40の判断部102は、被測定者端末30との接続が確立されたか否かを判断する。接続が確立されない場合(ステップS103のNo)、処理S100はステップS103の先頭に戻る。接続が確立された場合(ステップS103のYes)、処理S100はステップS104に進む。
【0030】
ステップS104で、アルコール濃度測定装置40の生成部103は、測定毎に、今回の測定に用いられたアルコール濃度測定装置40の認証に用いられる認証表示方法を指定する認証表示情報を生成する。認証表示情報は、指定した認証表示方法に従って認証表示を生成させることにより、アルコール濃度測定装置40が測定に用いられたことを証明するための情報である。認証表示方法は、生成する認証表示における表示の仕方を示す。認証表示方法は、例えば、接続が確立される毎にランダムに決定される。本実施形態の認証表示情報は、例えば、LED43A~43Cを所定の強度で青、非点灯、赤にそれぞれ発光させるための発光パターンの表示を認証表示方法として指定する。発光パターンは、例えば、発光強度及び発光色などを調整することによりランダムに決定される。認証表示情報は、記憶部105に記憶される。
【0031】
ステップS105で、アルコール濃度測定装置40の送信部104は、生成した認証表示情報を被測定者端末30に送信する。これにより、認証表示情報が被測定者端末30に格納される。
【0032】
ステップS106で、アルコール濃度測定装置40の判断部102は、呼気中のアルコールの濃度の測定を開始するか否かを判断する。例えば、判断部102は、入力部44を介して測定を開始する旨が入力された場合に測定を開始すると判断してもよいし、アルコール濃度測定装置40に被測定者の呼気が吹き込まれたことに応答して測定を開始すると判断してもよい。測定が開始されない場合(ステップS106のNo)、処理S100はステップS106の先頭に戻る。測定を開始する場合(ステップS106のYes)、処理S100はステップS107に進む。
【0033】
ステップS107で、アルコール濃度測定装置40の表示部43は、認証表示情報において指定された認証表示方法に基づいて認証表示を生成し表示する。例えば、表示部43は、入力部44を介して認証表示を生成する旨が入力された場合に認証表示を生成してもよいし、アルコール濃度測定装置40に被測定者の呼気が吹き込まれたことに応答して認証表示を生成してもよい。本実施形態では、認証表示として上記発光パターンが表示される。
【0034】
ステップS108で、被測定者端末30は、被測定者の顔と認証表示とを撮影する。図5は、その撮影の様子を示す被測定者端末30の表示画面を例示する。例えば、認証表示情報が表示されたことを確認した被測定者が被測定者端末30の撮像装置を起動させ、図5に示すように、被測定者の顔とアルコール濃度測定装置40の認証表示が生成された表示部43とが撮影画面内に入るように撮像装置の向き、顔とアルコール濃度測定装置40の位置を調整して撮影する。撮影データは、被測定者端末30に格納される。本実施形態の撮影データは、静止画である。
【0035】
被測定者の呼気中のアルコール濃度の測定が完了して取得部101がその測定結果を測定部42から取得すると、ステップS109で、アルコール濃度測定装置40の送信部104は、測定結果を被測定者端末30に送信する。これにより、認証表示情報とともにその測定結果が被測定者端末30に格納される。
【0036】
ステップS110で、被測定者端末30は、撮影データ中の認証表示が受信した認証表示情報において指定された認証表示方法に従っているか否かを判断する。例えば、被測定者端末30は、公知の画像認識処理手法を用いて、撮影データ中のLED43A~43Cの発光パターンが、格納した認証表示情報で指定された認証表示方法のような所定の強度での青、非点灯、赤の発光パターンと一致しているかどうかを判断する。また、被測定者端末30は、撮影データ中の被測定者の顔に基づいて被測定者の本人認証を行ってもよい。認証表示方法に従っている場合(ステップS110のYes)、被測定者端末30は撮影データ中のアルコール濃度測定装置40が測定に使用されたアルコール濃度測定装置40であると判断し、処理S100はステップS111に進む。認証表示方法に従っていない場合(ステップS110のNo)、被測定者端末30は撮影データ中のアルコール濃度測定装置40が測定に使用されたアルコール濃度測定装置40ではないと判断し、処理S100はステップS112に進む。
【0037】
ステップS111で、被測定者端末30は、測定結果、撮影データ及び認証表示情報を管理サーバ20に送信する。これにより、これらのデータが管理サーバ20に格納される。管理者端末10が管理サーバ20にアクセスすることにより、管理者は、撮影データ中の認証表示がアルコール濃度測定装置40から送信された認証表示情報において指定された認証表示方法に従っているか否かを最終的に確認することができる。その結果、発光指示信号が送信されたアルコール濃度測定装置40を使用して被測定者が測定を行っていることを確認できるため、替え玉による不正検査が行われることを抑制できる。また、測定結果も確認できるため、飲酒の有無と本人確認とを同時に行うことが可能となる。被測定者端末30は、測定結果、撮影データ及び認証表示情報に加えて、被測定者を識別するための識別情報を関連付けて送信することが好ましい。その後、処理S100はステップS113に進む。
【0038】
ステップS112で、被測定者端末30は、認証表示が認証表示方法に従っていないため、例えば適切な手法で撮影し直す旨の指示を表示し、撮影データを削除する。または、被測定者端末30は、例えば、適切な手法で撮影し直す旨を表示するとともに、不正が行われた可能性があるため、認証表示が認証表示方法に従っていないことを示すエラー情報をその撮影データに関連付けて、このエラー情報が関連付けられた撮影データを保存し続けてもよい。その後、処理S100はステップS113に進む。
【0039】
ステップS113で、被測定者端末30は、ペアリング解除要求をアルコール濃度測定装置40に送信する。アルコール濃度測定装置40が被測定者端末30からペアリング解除要求を受信した場合、被測定者端末30とのペアリングが解除され、接続が解除される。例えば、被測定者端末30がペアリング解除要求を送信する旨の入力を受け付けた場合にペアリング解除要求が送信されてもよいし、ステップS112で認証表示が認証表示方法に従っていないと判断されたことに応答してペアリング解除要求が送信されてもよい。
【0040】
ステップS114で、アルコール濃度測定装置40は、生成した認証表示情報を記憶部105から削除し、測定を終了する。例えば、アルコール濃度測定装置40は電源を自動的にオフにするか、又は電源をオフにする旨を表示部43に表示し、電源スイッチ46がオフに切り替えられたことに応答して電源をオフにする。また、される。その後、アルコール濃度測定装置40における処理S100は終了する。
【0041】
ステップS115で、被測定者端末30は、認証表示情報を削除する。その後、被測定者端末30における処理S100は終了する。
【0042】
本実施形態では、アルコール濃度測定装置40が測定毎にその測定に用いられたアルコール濃度測定装置40の認証に用いられる認証表示情報を生成して表示し、外部の端末装置に送信する。本構成によると、管理者端末10は、例えば認証表示情報を生成する機能などの特定の機能を有する必要がなく、汎用の端末装置を利用することが可能となる。そのため、例えば、管理者端末10として特定の端末装置を用いずに汎用の端末装置を用いた場合であっても、認証表示方法に従っているか否かを判断することができる。その結果、呼気中のアルコール濃度測定の利便性を向上させることができる。また、仮に管理者端末10が認証表示情報を生成する場合には管理者端末10が認証表示情報の送信先のアルコール濃度測定装置40を指定する必要があるが、本実施形態では、アルコール濃度測定装置40自体で認証表示情報を生成することから管理者端末10が上記送信先のアルコール濃度測定装置40を指定する必要がない。そのため、その指定する作業負担を軽減できる。
【0043】
本実施形態では、認証表示方法は、ランダムに決定される。本構成によると、被測定者による不正を効果的に抑制することができる。
【0044】
以下、変形例を説明する。
【0045】
本実施形態では、送信部104が測定結果を送信したが、これに限定されず、表示部43が測定結果を表示してもよい。この場合、例えば、表示部43に測定された濃度を表示してもよいし、測定された濃度が基準を超えた場合には測定結果として表示部43の画面の少なくとも一部を特定の色で表示してもよい(例えば、赤表示など)。特に、認証表示情報と測定結果とを同じ表示画面に表示することが好ましい。本構成によると、表示部43を合理化することができるため、アルコール濃度測定装置40をシンプルな構造にすることが可能となる。
【0046】
本実施形態では、認証表示方法は、ランダムに決定されたが、これに限定されない。例えば、異なる複数の認証表示方法のパターンを用意しておき、所定の順番で認証表示方法が決定されてもよい。
【0047】
本実施形態では、被測定者端末30及び管理者が撮影データ中の認証表示が指定された認証表示方法に従っているか否かを判断していたが、これに限定されず、例えば、被測定者端末30はこの判断を行わなくてもよいし、管理者端末10又は管理サーバ20がこの判断を行ってもよい。
【0048】
本実施形態では、認証表示情報は、認証表示方法として、LED43A~43Cの発光パターンの表示を指定したが、これに限定されず、例えば特定のイラストや識別番号の表示を指定するものであってもよいし、他の任意の手法を指定するものであってもよい。また、本実施形態では、撮影データは、静止画としたが、動画であってもよい。この場合、認証表示情報における発光パターンは、発光強度及び発光色に加え、オン及びオフの切替えタイミング及びLEDの発光順序などを調整することによりランダムに決定されてもよい。
【0049】
本実施形態では、測定結果及び認証表示情報は被測定者端末30を介して管理サーバ20に送信されたが、これに限定されず、被測定者端末30を介さずにアルコール濃度測定装置40から管理者端末10及び管理サーバ20の少なくとも1つに直接送信されてもよい。この例での管理者端末10及び管理サーバ20は、外部の端末装置の一例である。この場合、アルコール濃度測定装置40は無線ネットワークNWを介して管理者端末10及び管理サーバ20と通信可能に構成され、管理者端末10、管理サーバ20及びアルコール濃度測定装置40の少なくとも1つに、アルコール濃度測定装置40を撮像する撮像装置が設けられればよい。
【0050】
本実施形態では、表示部43とともに被測定者の顔が撮影されたが、被測定者が測定していることを識別可能であるものであれば被測定者の顔に限定されない。
【0051】
アルコール濃度測定装置40から被測定者端末30への認証表示情報の送信は、ステップS105のタイミングに限定されず、例えば、ステップS109の測定結果の送信と同時であってもよい。すなわち、ステップS105を省略して、ステップS109において認証表示情報及び測定結果が送信されてもよい。
【0052】
第2実施形態
以下、第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0053】
図6は、第2実施形態に係るアルコール濃度測定システム1の構成例を示す図である。図6のアルコール濃度測定システム1は、管理者端末10と、被測定者端末30と、アルコール濃度測定装置40と、を備える。このように、第2実施形態のアルコール濃度測定システム1は、管理サーバ20を含まなくてもよい。
【0054】
図7は、第2実施形態に係るアルコール濃度測定システム1の処理S200のシーケンス図である。図7のステップS201~S203、S204、S206、S211~S214は、特に言及する点を除き、図4のステップS101~S103、S106、S105、S112~S115と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
【0055】
被測定者の呼気中のアルコール濃度の測定が終了すると、ステップS205で、生成部103は、測定結果及びその測定を識別するための識別情報(例えば、識別番号など)をコード化することにより生成されたコード情報を含む認証表示情報を生成する。本実施形態のコード情報は、測定結果及びその識別情報等を含む。コード情報は、測定時刻や、アルコール濃度測定装置40がGPSを搭載している場合には測定場所の位置情報等をさらに含んでもよい。コード情報は、例えば、測定結果及び識別情報等がコード化された二次元コード、バーコード等である。本実施形態の認証表示情報は、生成したコード情報の表示を認証表示方法として指定する。生成したコード情報は、記憶部105に記憶される。
【0056】
ステップS207で、表示部43は、認証表示としてコード情報を表示する。ステップS208で、被測定者端末30は、被測定者の顔と、コード情報が表示された表示部43と、を撮影する。図8は、第2実施形態の撮影の様子を示す被測定者端末30の表示画面を例示する。図8に示すように、第2実施形態のアルコール濃度測定装置40の表示部43は、第1実施形態のようなLED43A~43Cを有さず、二次元コード43Dを表示する。ステップS209で、被測定者端末30は、例えば、撮影データ中のコード情報をデコードすることにより得られた識別情報がステップS206で送信された認証表示情報中のコード情報をデコードすることにより得られた識別情報と一致しているか否かを確認することにより、認証表示が指定された認証表示情報に従っているかを判断する。
【0057】
ステップS210で、被測定者端末30は、撮影データ及び認証表示情報を管理者端末10に送信する。これにより、撮影データ及び認証表示情報が管理者端末10に格納され、管理者が撮影データ中の認証表示が指定された認証表示方法に従っているか否かを判断することが可能となる。例えば、管理者は、撮影データ中のコード情報をデコードすることにより得られた識別情報がステップS206で送信された認証表示情報中のコード情報をデコードすることにより得られた識別情報と一致しているか否かを確認することにより、不正の有無を確認できる。さらに、管理者はコード情報をデコードすることにより測定結果を確認することができる。
【0058】
第2実施形態では、認証表示情報は測定結果及び識別情報をコード化することにより生成されたコード情報を含み、表示部43は認証表示としてコード情報を表示する。本構成によると、改ざんの困難なコード情報を用いることにより、セキュリティの高い手法により測定結果の確認及び不正の有無の確認を行うことが可能となる。また、コード情報を表示するだけで測定結果の確認及び不正の有無の確認を行うことができることから、表示部43を合理化することができるため、アルコール濃度測定装置40をシンプルな構造にすることが可能となる。
【0059】
上記実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0060】
1 アルコール濃度測定システム、 10 管理者端末、 20 管理サーバ、 30 被測定者端末、 40 アルコール濃度測定装置、 41 マウスピース、 42 測定部、 43 表示部、 44 入力部、 45 通信部、 46 電源スイッチ、 47 処理部、 101 取得部、 102 判断部、 103 生成部、 104 送信部、 105 記憶部。
図1
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図5
図6
図7
図8