(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078724
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】金融商品取引システム、金融商品取引方法、及び金融商品取引プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191225
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】522468353
【氏名又は名称】アルケミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(74)【代理人】
【識別番号】100217227
【弁理士】
【氏名又は名称】野呂 亮仁
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 喜久男
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB57
5L055BB57
(57)【要約】 (修正有)
【課題】金融商品の取引に際し、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくする金融商品取引システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末と管理サーバとを含む金融商品取引システムは、金融商品の取引レートの変動によって、売建玉及び買建玉が同数となった場合に、売建玉に含まれる売却利益確定値と売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、売却利益確定値を更新し、買建玉に含まれる購入利益確定値と購入逆指値の差分である購入利益確定単位とが少なくとも2倍以上となるように購入利益確定値を更新し、ユーザ指定の購入逆指値を含む購入条件とユーザ指定の売却逆指値を含む売却条件とを含む第2の注文情報を生成する。第2の注文情報の購入逆指値は、第1の注文情報の購入逆指値より売買単位だけ大きく、第2の注文情報の売却逆指値は、第1の注文情報の売却逆指値より売買単位だけ小さい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段とこれらを制御する制御手段とを備えて金融商品の取引を行う金融商品取引システムであって、
前記制御手段は、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成であり、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する構成であり、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換する構成であり、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新する構成であり、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する構成であり、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記購入処理として、
前記買建玉よりさらに前記売買単位1つ分取引レートが上昇して前記第2の注文情報の前記購入逆指値に達すると、当該第2の注文情報による前記購入条件を第2の買建玉に変換する構成であり、
前記売却処理として、
前記売建玉よりさらに前記売買単位1つ分取引レートが下降して前記第2の注文情報の前記売却逆指値に達すると、当該第2の注文情報による前記売却条件を第2の売建玉に変換する構成であり、
前記生成処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、第2の買建玉の前記売買単位だけ大きい値を購入逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、第2の売建玉の前記売買単位だけ小さい値を売却逆指値とする第3の注文情報を生成する構成であり、
前記更新処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、前記第1の注文情報による第1の買建玉の購入損切値を前記第1の注文情報における前記購入逆指値と同じ値に更新し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、前記第1の注文情報による第1の売建玉の売却損切値を前記第1の注文情報における前記売却逆指値と同じ値に更新する構成である
請求項1記載の金融商品取引システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記更新処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新する構成である
請求項2記載の金融商品取引システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記生成処理として、
前記第1の注文情報による第1の買建玉の購入損切値を前記売買単位だけ大きい値に前記更新処理により更新すると、当該購入損切値を更新した買建玉の注文値と同じ値を購入逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記第1の注文情報による第1の売建玉の売却損切値を前記売買単位だけ小さい値に前記更新処理により更新すると、当該売却損切値を更新した売建玉の注文値と同じ値を売却逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記更新処理として、
第3の注文情報における購入利益確定値を購入逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における購入損切値を購入逆指値より3単位大きく設定し、
第3の注文情報における売却利益確定値を売却逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における売却損切値を売却逆指値より3単位大きく設定する構成である
請求項2または3記載の金融商品取引システム。
【請求項5】
情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段とこれらを制御する制御手段とを備えて金融商品の取引を行う金融商品取引システムを用いて、
前記制御手段が、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行し、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得し、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換し、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新し、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成し、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引方法。
【請求項6】
コンピュータを、情報の入力を受け付ける入力手段と、情報を表示する表示手段と、これらを制御する制御手段として機能させ、金融商品の取引を行う金融商品取引プログラムであって、
前記制御手段は、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成であり、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する構成であり、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換する構成であり、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新する構成であり、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する構成であり、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品取引システム、金融商品取引方法、及び金融商品取引プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、リスクを回避しつつ収益機会を十分に活用して合理的な取引を行える金融商品取引管理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の金融商品取引管理装置は、金融商品取引管理装置の約定情報生成部は、一の売買注文申込情報に基づいて生成された、第1の価格における第1注文情報、及び、第2の価格における第2注文情報をそれぞれ有する、複数の注文情報群が併設されたものについて、相場価格が第1の価格になったときに、複数の注文情報群の1又は複数の第1注文情報に基づいて1又は複数の第1注文を約定させ、相場価格が第2の価格になったときに、複数の注文情報群の1又は複数の第2注文情報に基づいて1又は複数の第2注文を約定させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、リスクを回避しつつ収益機会を確保する技術には、未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段とこれらを制御する制御手段とを備えて金融商品の取引を行う金融商品取引システムが提供される。この金融商品取引システムにおける制御手段は、金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、注文情報を生成する生成処理と、金融商品を売買する売買処理と、売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成である。取得処理は、ユーザによる金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する構成である。第1の注文情報は、金融商品の購入条件と、金融商品の売却条件と、ユーザによる金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含む。購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含む。売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含む。売買処理は、金融商品の取引レートが売却逆指値に達した場合に、売却条件を金融商品の売建玉に変換する。金融商品の取引レートが購入逆指値に達した場合に、購入条件を金融商品の買建玉に変換する。更新処理は、金融商品の取引レートの変動によって、売建玉及び買建玉が同数となった場合に、売建玉に含まれる売却利益確定値と売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、売建玉に含まれる売却利益確定値を更新する。買建玉に含まれる購入利益確定値と購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、買建玉に含まれる購入利益確定値を更新する構成である。生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する構成であり、第2の注文情報の購入逆指値は、第1の注文情報の購入逆指値より売買単位だけ大きく、第2の注文情報の売却逆指値は、第1の注文情報の売却逆指値より売買単位だけ小さいことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、金融商品の取引に際し、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における金融商品取引システム1のシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図3】第2の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図4】第3の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図5】第4の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図6】表示部に表示される画像IM1の一例を示す図である。
【
図7】第5の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図8】第6の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
<第1の実施例>
1.ハードウェア構成
図1は、本実施形態における金融商品取引システム1のシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように、金融商品取引システム1は、主にFX等のトレードを行いたい利用者が使用するユーザ端末2(コンピュータ)と、データを記憶し、記憶されたデータの管理を行う管理サーバ3(コンピュータ)とを備えている。ユーザ端末2と管理サーバ3は、インターネット5に接続されている。
【0011】
ユーザ端末2は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部20と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部21と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部22と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、またはこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部23と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部24とを備えている。表示部24は、情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段として機能する。
【0012】
管理サーバ3は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部30と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部31と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部32と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、またはこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部33と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部34とを備えている。
【0013】
記憶部31には、制御部30によって実行されるトレードプログラム310と、トレードデータを記憶するトレードデータベース311が格納されている。トレードデータは、例えば金融商品の取引レートを含む。制御部30は、記憶部31に記憶されている情報等に基づき、金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、注文情報を生成する生成処理と、金融商品を売買する売買処理と、売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成である。実行基準とは、金融商品の売買注文を行うための指令を出力する際の取引レート(例えば、指値、逆指値など)を含む。取得処理には、金融商品の売買を行うユーザに関するユーザ情報を取得する処理も含まれる。これにより、金融商品取引システム1は、当該ユーザ別に生成処理、売買処理、および更新処理を実行する構成となっている。
【0014】
2.情報処理の流れについて
本章では、上記金融商品取引システム1にて実行される情報処理の流れについて説明する。当該情報処理は、上記トレードプログラム320に基づき金融商品取引システム1によって実行される。なお、以下の情報処理では、金融商品取引システム1は、金融商品の取引レートを逐次取得している。
【0015】
2.1.第1の取引処理について(建玉の数が0の場合の処理)
本節では、取引開始時点、すなわち建玉の数が0の場合に行われる第1の取引処理について説明する。
図2は、第1の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0016】
[アクティビティA101]
まず、アクティビティA101にて、ユーザ端末2が金融商品の売買を行うユーザに関するユーザ情報を送信し、管理サーバ3は、当該ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザIDやパスワードなど、ユーザが管理サーバ3にアクセスするために必要な情報や、金融商品の取引状況などを含む。なお、アクティビティA101の処理は、第1の取引処理としてではなく、本情報処理を行う前提の処理として行われてもよい。
【0017】
[アクティビティA102]
次に、処理がアクティビティA102に進み、管理サーバ3にユーザによる金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する。
【0018】
<第1の注文情報>
第1の注文情報は、金融商品の売買に関する指示である。第1の注文情報は、例えばユーザによるユーザ端末2からの送信を通じて、管理サーバ3によって取得される。第1の注文情報は、金融商品の購入条件と、金融商品の売却条件と、売買単位と、を含む。
【0019】
<購入条件>
購入条件は、管理サーバ3が金融商品の購入を行うか否かを判定するための条件である。購入条件は、ユーザによる金融商品の購入指示ともいえる。購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含む。購入条件は、金融商品の買注文ともいえる。
【0020】
<購入逆指値>
購入逆指値は、購入条件を買建玉に変換する約定処理を行うか否かを判定するための判定値である。変換された買建玉は、取得されたユーザ情報に付与される。買建玉もまた、購入条件と同様に、購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含む。
【0021】
<購入利益確定値、購入損切値>
購入利益確定値、及び購入損切値は、それぞれ、変換された買建玉に基づく決済処理を行い、買建玉を約定させるか否かを判定するための判定値である。購入利益確定値は、購入損切値よりも大きい。この実施形態では、売買単位の1単位分だけ取引レートが上昇した値を購入利益確定値とする。また、購入損切値は、売買単位の1倍、2倍、3倍など所定倍だけ取引レートが上昇した値とすることができ、この実施形態では売買単位の3倍だけ取引レートが上昇した値とする。
【0022】
<売却条件>
売却条件は、管理サーバ3が金融商品の売却を行うか否かを判定するための条件である。売却条件は、ユーザによる金融商品の売却指示ともいえる。売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含む。売却条件は、金融商品の売注文ともいえる。以下、説明の便宜上、購入条件と売却条件とを総称して売買条件ということがある。
【0023】
<売却逆指値>
売却逆指値は、売却条件を売建玉に変換する約定処理を行うか否かを判定するための判定値である。変換された売建玉は、取得されたユーザ情報に付与される。売建玉もまた、売却条件と同様に、売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含む。以下、説明の便宜上、購入逆指値と売却逆指値とを総称して、逆指値ということがある。
【0024】
<売却利益確定値、売却損切値>
売却利益確定値、及び売却損切値は、それぞれ、変換された売建玉に基づく決済処理を行い、売建玉を約定させるか否かを判定するための判定値である。売却利益確定値は、売却損切値よりも小さい。本明細書では、買建玉、及び売建玉を総称して建玉ということがある。この実施形態では、売買単位の1単位分だけ取引レートが下降した値を売却利益確定値とする。また、売却損切値は、売買単位の1倍、2倍、3倍など所定倍だけ取引レートが下降した値とすることができ、この実施形態では売買単位の3倍だけ取引レートが下降した値とする。
【0025】
<売買単位>
売買単位は、ユーザによる金融商品の売買金額の単位を示す。売買単位は、例えばpipsにより表されるが、これに限られず、株数などによって表されてもよい。売買単位は、例えばユーザによって設定可能である。なお、売買単位は、所定の最小売買単位以上であり、最小売買単位の整数倍であってもよい。最小売買単位は、予め定められた、当該金融商品の取引レートを表す最小単位である。
【0026】
本実施形態の購入逆指値は、取得された最新の取引レートに対して売買単位だけ大きい値に設定される。また、本実施形態の売却逆指値は、取得された最新の取引レートに対して売買単位だけ小さい値に設定される。
【0027】
本実施形態では、管理サーバ3は、第1の注文情報として、1つの購入条件と、1つの売却条件と、を取得する。第1の注文情報としては、管理サーバ3は、現在の取引レートから上昇および下降にそれぞれ同じ売買単位だけ変動した値に購入条件および売却条件を設定する。具体的には、管理サーバ3は、現在の取引レートから1つの売買単位だけ上昇した値に購入条件、現在の取引レートから1つの売買単位だけ下降した値に売却条件を設定する。以下、説明の便宜上、当該購入条件を第1の購入条件と、当該売却条件を第1の売却条件ということがある。このような処理の後、取引レートが所定の条件を満たすまで、管理サーバ3は処理を保留する。なお。「購入」は「買注文」のことであり、「売却」は「売注文」のことである。これらの注文方式はIFD方式、OCO方式など任意であるが、特にIFDとOCOを組み合わせたIFO方式であることが好ましい。
【0028】
[アクティビティA103]
そして、取引レートの変化(詳細には取引レートの上昇)の結果、金融商品の取引レートが購入逆指値に達した場合に、処理がアクティビティA103に進み、管理サーバ3は、購入処理を行う。これにより、管理サーバ3は、取得された購入条件を金融商品の買建玉に変換する。これにより、管理サーバ3は、買建玉をユーザ情報に付与する。アクティビティA103の購入処理は、買注文の約定を行う処理ともいえる。本実施形態では、管理サーバ3は、購入条件が買建玉に変換されたことに伴い、さらに新たな購入条件を生成する。この新たな購入条件は、買建玉に変換された時点の取引レート(その時点の購入条件)から設定済みの売買単位1つ分だけ取引レートが上昇した値に設定される。これにより、買建玉が後述の決済処理によって消滅した場合にも、購入条件が残るため、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくなる。アクティビティA103の処理は、本実施形態の売買処理の一例である。
【0029】
[アクティビティA104]
一方、取引レートの変化(詳細には取引レートの減少)の結果、金融商品の取引レートが売却逆指値に達した場合に、処理がアクティビティA104に進み、管理サーバ3は、売却処理を行う。これにより、管理サーバ3は、取得された購入条件を金融商品の売建玉に変換する。これにより、管理サーバ3は、売建玉をユーザ情報に付与する。
【0030】
アクティビティA104の売却処理は、売注文の約定を行う処理ともいえる。本実施形態では、管理サーバ3は、売却条件が売建玉に変換されたことに伴い、さらに新たな売却条件を生成する。この新たな売却条件は、売建玉に変換された時点のレート(その時点の購入条件)から設定済みの売買単位1つ分だけ取引レートが下降した値に設定される。これにより、売建玉が後述の決済処理によって消滅した場合にも、売却条件が残るため、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくなる。アクティビティA104の売却処理は、本実施形態の売買処理の一例である。
【0031】
アクティビティA103又はアクティビティA104の処理により、建玉の数が1となるため、処理がアクティビティA105に進み、第2の取引処理に移行する。
【0032】
2.2.第2の取引処理について(建玉の数が1の場合の処理)
本節では、建玉の数が1の場合に行われる第2の取引処理について説明する。
図3は、第2の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。なお、本実施形態では第1の取引処理にてアクティビティA103の購入処理が実行された場合の第2の取引処理について説明するが、第1の取引処理にてアクティビティA104の処理が行われた場合についても、購入と売却および取引レートの上昇と下降とを適宜相互に読み替えることにより、同様の処理が実装可能である。なお、第2の取引処理は、第1の取引処理の実行後、取引レートが変動することにより実行される。
【0033】
上記アクティビティA103の処理の結果、第2の取引処理の開始時点でのユーザ情報には、1つの買建玉と、第1の売却条件と、新たな購入条件と、が付与されている。
【0034】
[アクティビティA201]
第2の取引処理の開始後、取引レートが変動する。特に、取引レートが上昇した結果、取引レートが買建玉の購入利益確定値(本実施形態では購入逆指値から売買単位1つ分だけ上の値)に達した場合、処理がアクティビティA201に進み、管理サーバ3は、建玉(本実施形態では買建玉)の決済処理を行う。これにより、ユーザ情報に付与された建玉が解消され、建玉の決済による利益を確保することができる。
【0035】
また、これに伴い、管理サーバ3は、第1の売却条件を取り消す。これにより、売却条件が売建玉となることで損失が生じることを抑制することができる。当該売却条件は、取引レートの変動が反転することによる損失を抑制するための売注文として機能する。なお、買建玉の購入逆指値とは、購入条件を買建玉に変換した際の取引レートであり、買建玉の決済値ともいえる。
【0036】
本実施形態では、上述したように、ユーザ情報には、さらにアクティビティA103にて新たな購入条件が付与されている。また、上記取引レートの上昇によって、取引レートが当該購入条件の購入逆指値に達する。その結果、当該購入条件が新たな買建玉として変換され、ユーザ情報に付与される。
【0037】
したがって、アクティビティA201の処理が実行されることにより、建玉の数が1となる。したがって、その後、処理がアクティビティA202に進み、第1の取引処理へ移行する。このときの第1の取引処理では、先に行った第1の取引処理よりも売買単位が1つ分上に取引レートが移行しており、この取引レートに対して売買単位1つ分上に購入逆指値を設定し、1つ分下に売却逆指値を設定して第1の注文情報とする。
【0038】
第1の取引処理に移行後、同様に取引レートが上昇する場合には、上述したようにアクティビティA103にて生成される新たな購入条件を買建玉に変換し、決済を行う、という処理が繰り返される。これにより、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくなる。
【0039】
[アクティビティA203]
一方、第2の取引処理の開始後、金融商品の取引レートの変動(詳細には、取引レートの降下)によって、取引レートが第1の売却条件の売却逆指値に達した場合、処理がアクティビティA203に進み、管理サーバ3は、第1の売却条件を売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。これにより、ユーザ情報には、1つの買建玉と、1つの売建玉とが付与されることとなる。これにより、取引レートがさらに降下することにより生じる損失を抑制することができる。
【0040】
その結果、処理がアクティビティA204に進み、処理が第3の取引処理へと移行する。アクティビティA203の処理は、例えば第2の取引処理の際に、取引レートが第1の買建玉の購入利益確定値に達する前に取引レートの変動方向が反転することにより、取引レートが第2の売却条件の売却逆指値に達した場合に実行される。
【0041】
2.3.第3の取引処理について(買建玉の数及び売建玉の数が同数の場合の処理)
本節では、買建玉及び売建玉が同数でユーザ情報に付与されている場合に行われる第3の取引処理について説明する。本実施形態では、
図4は、第3の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0042】
本実施形態では、ユーザ情報に1つの第1の買建玉と、1つの第1の売建玉とが付与されている。すなわち、買建玉の数と売建玉の数とが、ともに1である。ユーザ情報には、1対の建玉(第1の買建玉と、第1の売建玉)が付与されているともいえる。
【0043】
[アクティビティA301]
第3の取引処理では、まず処理がアクティビティA301に進み、金融商品取引システム1は、利益確定単位変更処理を実行する。
これにより、管理サーバ3は、売建玉に含まれる売却利益確定値と売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、売建玉に含まれる売却利益確定値を更新する。
【0044】
本実施形態では、管理サーバ3は、売建玉に含まれる売却利益確定値と売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍となるように、売建玉に含まれる売却利益確定値を更新する。以下、説明の便宜上、更新前の売却利益確定単位を第1の売却利益確定単位といい、更新後の売却利益確定単位を第2の売却利益確定単位ということがある。なお、売建玉の売却逆指値とは、売却条件を売建玉に変換した際の取引レートであり、売建玉の決済値ともいえる。
【0045】
また、管理サーバ3は、買建玉に含まれる購入利益確定値と購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、買建玉に含まれる購入利益確定値を更新する。本実施形態では、管理サーバ3は、買建玉に含まれる購入利益確定値と購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍となるように、買建玉に含まれる購入利益確定値を更新する。
【0046】
以下、説明の便宜上、更新前の購入利益確定単位を第1の購入利益確定単位といい、更新後の購入利益確定単位を第2の購入利益確定単位ということがある。これらの利益確定単位を大きくすることにより第1の買建玉又は第1の売建玉の決済を行うことで得られる利益を確保しつつ損失を抑制することができる。
【0047】
[アクティビティA302]
次に、処理がアクティビティA302に進み、管理サーバ3は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する。第2の注文情報としては、管理サーバ3は、現在の取引レートから上昇および下降にそれぞれ同じ売買単位だけ変動した値に購入条件および売却条件を設定する。
【0048】
具体的には、現在の取引レートから1つの売買単位だけ上昇した値に購入条件、現在の取引レートから1つの売買単位だけ下降した値に売却条件を設定する。例えば、第2の注文情報の購入逆指値は、第1の注文情報の購入逆指値より売買単位だけ大きく、第2の注文情報の売却逆指値は、第1の注文情報の売却逆指値より売買単位だけ小さい。
【0049】
以下、第2の注文情報の購入逆指値を、第2の購入逆指値といい、第2の注文情報の売却逆指値を第2の売却逆指値ということがある。本実施形態では、アクティビティA301の利益確定単位変更処理により、第2の購入条件の逆指値は、第1の買建玉の購入利益確定値より小さくなり、第2の売却条件の逆指値は、第1の売建玉の売却利益確定値より大きくなる。
【0050】
より詳細には、第2の購入条件の逆指値は、現在の取引レートより売買単位1つ分大きく、第1の買建玉の購入利益確定値は、現在の取引レートより売買単位2つ分大きい。また、第2の売却条件の逆指値は、現在の取引レートより売買単位1つ分小さく、第1の売建玉の売却利益確定値は、現在のレートより売買単位2つ分小さい。その後、取引レートが変動する。
【0051】
なお、アクティビティA301及びアクティビティA302の処理は、アクティビティA203等の処理により対となる買建玉と売建玉とがユーザ情報に付与されたタイミングから取引レートが変動する前に行われることが好ましい。例えば、アクティビティA301及びアクティビティA302の処理は、対となる買建玉と売建玉とがユーザ情報に付与されたタイミングと同時に行われる。
【0052】
上記アクティビティA302の処理により、ユーザ情報には、第2の売却情報と、第1の売建玉と、第1の買建玉と、第2の購入情報と、が付与されることとなる。上記逆指値及び利益確定値の大小関係により、取引レートが変動すると、第1の買建玉又は第1の売建玉の決済処理が行われるよりも前に、第2の注文条件に含まれる第2の購入条件又は第2の売却条件のいずれか一方が建玉に変換される。これにより、取引レートの変動により、3つの建玉がユーザ情報に付与されている状態が生成される。
【0053】
このように、対となる買建玉と売建玉との利益確定値が間に位置するように、第2の注文情報の逆指値を設定することにより、その後、取引レートが同一の方向に変動することによる利益を確保しつつ、変動が反転することによる損失を抑制することができる。その後、取引レートが第1の所定値に達するまで、次の処理を保留する。
【0054】
第1の所定値は、第1の買建玉の決済値より大きく、第2の購入条件の購入逆指値より小さい。言い換えれば、第1の所定値は、第1の注文情報に対応する建玉の決済値と第2の注文情報に含まれる逆指値との間にある。第1の所定値は、売買単位の0.2倍,0.4倍、0.6倍,0.8倍など任意である。本実施形態では、第1の所定値は、売買単位の0.2倍に設定されている。したがって、第1の所定値と第1の買建玉の決済値との差は、売買単位未満である。なお、なお、第1の所定値は任意に設定することができることに加えて、設定しないこともできる。設定しない場合は、取引レートが変動してもアクティビティA303以降の処理を実行しないこととなる。
【0055】
[アクティビティA303]
取引レートの変動により取引レートが第1の所定値に達した場合に、処理がアクティビティA303に進み、管理サーバ3は、第1の買建玉に対する損切値変更処理を実行する。これにより、管理サーバ3は、第1の買建玉の購入損切値を、第2の買建玉の購入逆指値(すなわち、決済値)と同じ値に変更する。これに伴い、取引レートの変動に対する損失を低減することができる。その後、取引レートが変動する。
【0056】
[アクティビティA311]
取引レートの変動が反転し、取引レートが第2の購入条件の購入逆指値に達する前に(変更された)第1の買建玉の購入損切値に達した場合、処理がアクティビティA311に進み、管理サーバ3は、第1の買建玉を取り消す。
【0057】
[アクティビティA312]
次に、処理がアクティビティA312に進み、管理サーバ3は、第1の購入条件を再生成する。なお、第1の購入条件は、取り消された第1の買建玉に対応する第1の購入条件と同一であっても、現在の取引レートによって異なるもの(例えば、購入逆指値が現在の取引レートの売買単位1つ分だけ大きい、など)であってもよい。
【0058】
また、このとき、管理サーバ3は、再生成された第1の購入条件又は現在の取引レートに基づき、第1の売却条件を更新してもよい。例えば、管理サーバ3は、第1の売却条件の売却逆指値を、現在の取引レートに対して売買単位1つ分小さい値に更新してもよい。また、第1の売却条件の更新とは、既存の第1の売却条件を取り消し、再度第1の売却条件を生成することを含む。これにより、現在の取引レートに適応することができ、より確実な収益機会を得やすくなる。
【0059】
なお、現在の時刻が金融商品の取引市場の稼働時間外である、又は管理サーバ3による処理の遅延がある等の事情により、第1の買建玉の取り消し後に即座に第1の購入条件の再生成が受け付けられない間に取引レートが上昇した場合、買建玉がユーザ情報に付与されていない状態で取引レートが上昇することとなる。
【0060】
この場合、取引レートが、例えば、所定の期間内に第1の購入条件の購入逆指値として設定される値まで戻った場合に当該第1の購入条件の再生成を行い、所定の期間内に第1の購入条件の購入逆指値として設定される値まで戻らなかった場合に当該第1の購入条件の再生成を行わず、処理を終了してもよい。これにより、第1の購入条件の再生成の遅延による損失を抑制することができる。この場合、管理サーバ3は、ユーザ情報に付与されている各売買条件及び建玉を取り消してもよい。
【0061】
[アクティビティA313]
その後、処理がアクティビティA313に進み、第2の取引処理に移行する。詳細には、管理サーバ3は、残存する第1の購入条件と、第1の売却条件と、に対して、第2の取引処理を実行する。これにより、ユーザは、継続的に収益機会を確保しやすくなる。
【0062】
[アクティビティA321]
一方、取引レートが第2の購入条件の購入逆指値に達した場合、処理がアクティビティA321に進み、管理サーバ3は、第2の購入条件を第2の買建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。なお、変動した取引レートが第2の売却逆指値に達した場合、管理サーバ3は、第2の売却条件を第2の売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。
【0063】
このようにして、取引レートの変動により、生成された第2の注文情報が売建玉又は買建玉に変換された場合に、ユーザ情報には、第1の買建玉と、第2の買建玉と、第1の売建玉とが付与され、建玉の数が3となる。
【0064】
このような処理は、例えば、アクティビティA301での利益確定単位変更処理等により、第2の購入条件の購入逆指値が第1の買建玉の購入利益確定値未満となることにより実現され得る。
【0065】
なお、管理サーバ3は、アクティビティA321での第2の買建玉への変換に伴い、第3の購入条件を生成してもよい。第3の購入条件の逆指値は、第2の買建玉の購入逆指値に対して売買単位1つ分だけ大きく設定されている。第2の買建玉の購入逆指値は、現在の取引レートとほぼ一致している。これにより、第1の買建玉及び第2の買建玉の決済が行われた後にさらに取引レートが上昇した場合の利益を、第3の購入条件によって確保することができる。
【0066】
[アクティビティA322]
その後、処理がアクティビティA322に進み、情報処理が第4の取引処理へと移行する。
【0067】
2.4.第4の取引処理について(建玉の数が3の場合の処理について)
本節では、建玉の数が3の場合に行われる第3の取引処理について説明する。
図5は、第4の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。なお、本実施形態ではアクティビティA321にて、取引レートが上昇することにより第2の購入条件が第2の買建玉に変換された場合の第4の取引処理について説明するが、第2の売却条件が第2の売建玉に変換された場合についても、購入と売却とを適宜相互に読み替えることにより、同様の処理が実装可能である。
【0068】
上記第3の取引処理の結果、第4の取引処理の開始時点でのユーザ情報には、3つの建玉(第1の買建玉、第2の買建玉、及び第1の売建玉)と、第2の売却条件と、が付与されている。詳細には、ユーザ情報には、1対の建玉(第1の買建玉と第1の売建玉)と、第2の買建玉と、第2の売却条件と、が付与されている。
【0069】
[アクティビティA401]
第4の取引処理の開始後、取引レートが第2の所定値に達した場合、処理がアクティビティA401に進み、管理サーバ3は、第2の買建玉に対する損切値変更処理を行う。これにより、管理サーバ3は、第2の注文情報に基づきユーザ情報に付与された売建玉の売却損切値又は買建玉の購入損切値を、売買単位未満の値に変更する。
【0070】
本実施形態では、管理サーバ3は、第2の買建玉に対する損切値変更処理により、第2の注文情報に基づきユーザ情報に付与された第2の買建玉の購入損切値を、売買単位未満の値に変更する。売買単位未満の値は任意であり、売買単位の0.1倍、0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、又は0.9倍の値や、これらの間の任意の値でもよい。その後、管理サーバ3は、取引レートの変動を監視する。なお、なお、第2の所定値は任意に設定することができることに加えて、設定しないこともできる。設定しない場合は、取引レートが変動してもアクティビティA401以降の処理およびアクティビティA501以降の処理を実行しないこととなる。
【0071】
なお、第2の所定値は、第1の所定値と同様に設定可能である。例えば、第2の所定値と第2の買建玉の決済値との差は、売買単位未満に設定されている。本実施形態では、第2の所定値は、第1の所定値と一致している。
【0072】
[アクティビティA411]
その後、取引レートが、第2の買建玉の購入利益確定値に達する前に、変更された、第2の買建玉の購入損切値に達した場合に、処理がアクティビティA411に進み、管理サーバ3は、購入損切値に達した第2の買建玉を取り消す。本実施形態では、管理サーバ3は、第2の買建玉を取り消す。
【0073】
[アクティビティA412]
次に、処理がアクティビティA412に進み、管理サーバ3は、第2の購入条件を再生成する。なお、第2の購入条件は、取り消された第2の買建玉に対応する第2の購入条件と同一であっても、現在の取引レートによって異なるもの(例えば、購入逆指値が現在の取引レートの売買単位1つ分だけ大きい、など)であってもよい。
【0074】
また、このとき、管理サーバ3は、再生成された第2の購入条件又は現在の取引レートに基づき、第1の売却条件を更新してもよい。例えば、管理サーバ3は、第2の売却条件の売却逆指値を、現在の取引レートに対して売買単位1つ分小さい値に更新してもよい。また、第2の売却条件の更新とは、既存の第2の売却条件を取り消し、再度第2の売却条件を生成することを含む。これにより、現在の取引レートに適応することができ、より確実な収益機会を得やすくなる。
【0075】
なお、現在の時刻が金融商品の取引市場の稼働時間外である、又は管理サーバ3による遅延がある等の事情により、第2の買建玉の取り消し後に即座に第2の購入条件の再生成が受け付けられない間に取引レートが上昇した場合、買建玉がユーザ情報に付与されていない状態で取引レートが上昇することとなる。
【0076】
この場合、取引レートが、例えば、所定の期間内に第2の購入条件の購入逆指値として設定される値まで戻った場合に当該第2の購入条件の再生成を行い、所定の期間内に第2の購入条件の購入逆指値として設定される値まで戻らなかった場合に当該第1の購入条件の再生成を行わず、処理を終了してもよい。これにより、第2の購入条件の再生成の遅延による損失を抑制することができる。
【0077】
この場合、管理サーバ3は、ユーザ情報に付与されている各売買条件及び建玉を取り消してもよい。
【0078】
その後、処理が第3の取引処理に移行し、取引レートが第1の所定値に到達した場合に、アクティビティA303に進む。なお、ここでの第1の所定値は、上述した第1の所定値と同じでなくてもよく、例えば、上述した第1の所定値の設定方法を現在の取引レートに応じて適宜実装することにより再設定されていてもよい。これにより、第2の買建玉による損失を低減することができる。
【0079】
[アクティビティA421]
一方、取引レートが、第1の買建玉の購入利益確定値に達した場合、処理がアクティビティA421に進み、管理サーバ3は、約定処理を行う。これにより、第2の買建玉で得られる利益を確定させることができる。
【0080】
本実施形態の約定処理では、管理サーバ3は、第1及び第2の買建玉の約定に伴い、さらに、第1の売建玉の約定を行う。言い換えれば、管理サーバ3は、ユーザに付与されている第1の売建玉及び第1および第2の買建玉の3つの建玉に対する約定処理を行う。これにより、第1および第2の買建玉及び第1の売建玉の約定により、損益のバランスを適切な範囲に納めることができるため、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくなる。そして、第1の買建玉による利益が第1の売建玉による損失を上回るため、損失を回避しつつ第1の注文情報から利益を得ることができる。
【0081】
なお、このとき、管理サーバ3は、第2の売却条件を取り消す。これにより、意図せず第2の売却条件が第2の売建玉に変換されることによる損失を回避することができる。その結果、ユーザ情報には、第2の買建玉が付与された状態となる。第2の買建玉の処理は任意であるが、本実施形態では、管理サーバ3は、第2の買建玉の約定をさらに行う。これにより、第2の買建玉により得られる利益を確保することができる。その後、情報処理を終了する。
【0082】
[アクティビティA501]
一方、取引レートが第2の所定値に達しなかった場合、処理がアクティビティA501に進み、管理サーバ3は、防衛売却条件を生成する。防衛売却条件の売却逆指値は、第2の買建玉の決済値以上である。本実施形態の防衛売却条件の売却逆指値は、第2の買建玉の決済値と等しい。なお、このアクティビティA501は、後述する第2の実施例におけるアクティビティA603が適用される場合は実施しない。
【0083】
すなわち、これにより、取引レートの変動(例えば降下)による第2の買建玉による損失の発生に備えることができる。特に、第2の買建玉の購入損切値が未設定の場合における損失の発生に備えることができる。このような防衛売却条件の生成は、損失予防のための売注文ともいえる。
【0084】
[アクティビティA502]
その後、取引レートが降下し、防衛売却条件の売却逆指値に達した場合、処理がアクティビティA502に進み、管理サーバ3は、防衛売却条件を防衛売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。これにより、第2の買建玉の損切が困難な場合における損失の発生を、防衛売建玉により抑制することができる。
【0085】
このとき、ユーザ情報には、4つの建玉(第1の買建玉と、第2の買建玉と、第1の売建玉と、防衛売建玉)と、が付与されている。詳細には、ユーザ情報には、2対の建玉(第1の買建玉と第1の売建玉という対と、第2の買建玉と防衛売建玉という対)が付与されている。
【0086】
[アクティビティA503]
その後、処理がアクティビティA503に進み、管理サーバ3は、第2の買建玉及び防衛売建玉に対して、第3の取引処理を実行する。例えば、管理サーバ3は、第2の買建玉を上述した第3の取引処理における第1の買建玉と、防衛売建玉を上記第3の取引処理における第1の売建玉と、それぞれ対応づけて第3の取引処理を行う。
【0087】
これにより、管理サーバ3は、第2の買建玉及び防衛売建玉の利益確定値を変更し、さらに、第2の買建玉の決済値より大きい購入逆指値を有する購入条件と、防衛売建玉の決済値より大きい売却逆指値を有する売却条件と、を含む注文情報を生成する。したがって、本情報処理は、建玉が4以上の場合においても適用可能である。なお、建玉の数の上限は、任意に設定可能である。
【0088】
このように、本情報処理では、買建玉(売建玉)の対となる売建玉(買建玉)をユーザ情報に付与することにより、一方の建玉による損失を他方の建玉による利益によって相殺することができる。このような一対の買建玉及び売建玉は、建玉ペアといってもよい。
【0089】
建玉ペアの具体的な態様は、上述の情報処理における第1の買建玉と第1の売建玉のように、それぞれに対応する注文情報が生成又は入力される際の取引レートに対して、対称的に構成されていてもよい。また、第2の買建玉と防衛売建玉のように、対称的に構成されていなくてもよい。
【0090】
3.情報処理のために表示される画像について
本章では、上記情報処理のために表示部24に表示される画像IM1について説明する。なお、画像IM1はあくまで一例であり、これに限られず任意の構成を採用可能である。
【0091】
図6は、表示部24に表示される画像IM1の一例を示す図である。画像IM1は、情報処理を行うために必要な取引条件設定情報を入力可能に構成されている。画像IM1は、取引対象となる金融商品の情報(金融商品の名称、その取引レートなど)と、少なくとも第1の注文情報(購入逆指値、売却逆指値、売買単位など)を決定できる取引条件設定と、を入力可能に構成されている。
【0092】
詳述すると、画像IM1には、ユーザが入力(もしくは選択)可能な項目として、通貨ペア、Bid、Ask、スプレッド、取引方法、数量1000単位、売買単位、売買、執行条件、新規指値、決済OCO1、決済OCO2、第1~第4の所定値、および有効期限が設けられている。
【0093】
通貨ペアは、売買する2カ国の通貨の組み合わせの入力を受け付け、図示の例ではドル/円が指定されている。
Bidは、売却逆指値の入力を受け付ける。
Askは、購入逆指値の入力を受け付ける。
【0094】
スプレッドは、買値と売値の差の入力を受け付ける。
取引方法は、IFD、OCO、IFOといった取引方法の入力を受け付け、図示の例ではIFOが指定されている。IFOが指定されると、新規注文を出すと同時に、新規注文が約定した後、2つの決済注文が自動的にセットされる。
【0095】
数量1000単位は、取引通貨1000単位としてどれだけの単位の取引を行うかの単位の入力を受け付け、図示の例では1が指定されている。
売買単位は、取引レートがどれだけ移動したら売買を行うかを示す売買単位の入力を受け付け、図示の例では25pipsが指定されている。
【0096】
売買は、画像IM1にて指定されている全ての条件が売る側の設定であるのか、買う側の設定であるのかの入力を受け付ける。
執行条件は、成行、指値、逆指値など、その注文をどのように執行するのかの入力を受け付け、図示の例では逆指値が指定されている。
【0097】
新規指値は、取引レートがいくらになれば新規の指値注文を行うかの入力を受け付け、「売買」の項目が「買」であれば「Bid」および「Ask」よりも高い値が指定され、「売買」の項目が「売」であれば「Bid」および「Ask」よりも低い値が指定される。
【0098】
決済OCO1は、決済指値注文と決済逆指値注文の2つの注文を同時に出しておき、一方が約定すると、もう一方の注文は自動的に取り消される注文方法として、いくらの値の指値を設定するかの入力を受け付け、「売買」の項目が「買」であれば「新規指値」よりも高い値が指定され、「売買」の項目が「売」であれば「新規指値」よりも低い値が指定される。
【0099】
決済OCO2は、決済指値注文と決済逆指値注文の2つの注文を同時に出しておき、一方が約定すると、もう一方の注文は自動的に取り消される注文方法の2つめの設定として、いくらの値の指値を設定するかの入力を受け付け、「売買」の項目が「買」であれば「Bid」および「Ask」よりも低い値が指定され、「売買」の項目が「売」であれば「Bid」および「Ask」よりも高い値が指定される。
有効期限は、画面上で設定した条件での取引を実行する期限の入力を受け付け、図示の例では期限なしが指定されている。
【0100】
ユーザは、画像IM1が表示された表示部24を入力部23として操作することで、これらの情報を入力することができる。また、売却条件の取引条件設定についても、
図6と同じ画像IM1にて設定される。売却条件の場合は、「売買」の項目に「売」が選択され、それ以外の項目については購入条件と同様に入力される。このように入力された情報(特に取引条件設定)がアクティビティA101の処理によって管理サーバ3に送信され、アクティビティA102以降の処理が行われる。
【0101】
以上の構成および動作により、この発明に係る金融商品取引システム1は、金融商品の取引に際し、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくすることができる。また、金融商品取引システム1は、現在の取引レートに対して、処理を通じて売買単位だけ異なる逆指値を有する購入条件及び売却条件を設定することにより、損益のバランスを図ることができる。
【0102】
さらに、金融商品取引システム1は、建玉の数に応じて異なる処理を行うことにより、注文状況に対して適した損益のバランスをとることができる。また、金融商品取引システム1は、取引レートの変動によって対となる買建玉と売建玉がユーザ情報に付与される際に、利益確定単位変更処理を行うことにより、損失を抑制しつつもより大きい収益機会を得ることができる。
【0103】
さらに、金融商品取引システム1は、利益確定単位変更処理が行われた際に、あわせて、対となる買建玉の購入利益確定単位より小さい逆指値を有する購入条件と、売建玉の売却利益確定値より大きい値の逆指値を有する売却条件とを生成することにより、これらの建玉が付与された後の取引レートの変動に対しても、よりリスクを回避しつつ収益機会を確保しやすくすることができる。
【0104】
また、取引レートが上昇(または下降)を続けている局面においては、買建玉(または売建玉)を約定してさらに売買単位上(または売買単位下)に購入逆指値(または売却逆指値)の注文を出す処理が繰り返し実行されるため、繰り返し利益を確定していくことができる。また、購入逆指値(または売却逆指値)の注文と同時に売却逆指値の売注文(または購入逆指値の買注文)が取引レートの売買単位下(または売買単位上)に発注されていくため、取引レートが下降(または上昇)に転じても、大きな小さな損失で留めることができる。このようにして、確実に利益を獲得していくことができる。
【0105】
また、取引レートが上昇(または下降)して買建玉(または売建玉)に変換された後に取引レートが下降(または上昇)して元の取引レートに戻り、買建玉と売建玉のペアができた場合に、買建玉と売建玉の利益確定値を2倍(すなわち取引単位を2単位に変更)とし、かつ、ヘッジの買注文をペアの買建玉の1単位上に入れ、売注文をペアの売建玉の1単位下に入れるため、損失解消のための守りの型として売買取引を実行できる。
【0106】
また、第3の処理においては、建玉が3つの状態となり、ヘッジの型とすることができる。これによりリスクヘッジをすることができ、大きな損失が生じることを防止することができる。
【0107】
また、上述したように処理を繰り返していくことで、買建玉と売建玉のペアが2つ生じて4つの建玉ができたり、建玉が5つのダブルヘッジの型ができるなどして、取引レートの変動に応じて利益を確定し、かつ、大きな損失を防止しながら取引を続けていくことができる。
【0108】
<第2の実施例>
4.情報処理の別例
本章では、第2の実施例として、上記情報処理の別例について説明する。なお、上記実施形態と共通の構成要素(すなわち
図1~
図3と共に説明した構成要素)については、同一の符号を付して説明を省略することがある。この第2の実施例は、上述した第1の実施例の第3の処理(
図4参照)の代わりに第5の処理(
図7参照)を実行し、第1の実施例の第4の処理(
図5参照)の代わりに第6の処理(
図8参照)を実行するものであり、それ以外の構成要素は第1の実施例と同一である。
【0109】
4.1.第5の取引処理について
図7は、第5の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。第5の処理は、第3の処理と同様に、アクティビティA204(
図2参照)に進んだ際に実行され、2つの建玉がユーザ情報に付与されている場合に行われる。本実施形態では、第5の処理の開始時点では、第3の処理の開始時点と同様に、第1の買建玉と、第1の売建玉とがユーザ情報に付与されている。
【0110】
[アクティビティA511]
まず、アクティビティA511にて、管理サーバ3は、利益確定単位変更処理を行う。処理の具体的態様は、アクティビティA301と同様である。
【0111】
[アクティビティA512]
次に、処理がアクティビティA512に進み、管理サーバ3は、第2の注文情報を生成する。第2の注文情報の生成態様は、アクティビティA302と同様である。その後、取引レートが変動する。
【0112】
[アクティビティA513]
取引レートの変動の結果、取引レートが第2の売却条件の売却損切値に達した場合、処理がアクティビティA513に進み、管理サーバ3は、第2の売却条件を第2の売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。
【0113】
[アクティビティA514]
一方、取引レートが第2の購入条件の購入損切値に達した場合、処理がアクティビティA514に進み、管理サーバ3は、第2の購入条件を第2の買建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。
【0114】
アクティビティA513又はアクティビティA514の処理により、ユーザ情報には、3つの建玉が付与されることとなる。その結果、処理がアクティビティA515に進み、当該情報処理が第6の処理へと移行する。
【0115】
4.2.第6の処理について
図8は、第6の取引処理の流れを示すアクティビティ図である。第6の処理は、第4の処理と同様に、3つの建玉がユーザ情報に付与されている場合に行われる。本実施形態では、第6の処理の開始時点では、第3の処理の開始時点と同様に、第1の買建玉と、第2の買建玉と、第1の売建玉とがユーザ情報に付与されている。詳細には、ユーザ情報には、第1の買建玉と、第2の買建玉と、第1の売建玉と、第2の売却条件とが付与されている。
【0116】
[アクティビティA601]
まず、アクティビティA601にて、管理サーバ3は、第1の買建玉に対する損切値変更処理を実行する。第2の買建玉への変換直後、取引レートは、第1の買建玉の決済値より1単位程度上に位置する。そのため、管理サーバ3は、第1の買建玉の購入損切値を、第1の買建玉の注文値とほぼ等しい値に設定する。これにより、取引レートが下降した場合に第1の買建玉がリセットされるため、損失が生じることを抑制することができる。なお、処理の具体的態様は、アクティビティA303のものと同様に実装可能である。
【0117】
[アクティビティA602]
次に、処理がアクティビティA602に進み、管理サーバ3は、第1の売建玉に対する利益確定単位変更処理を実行する。これにより、管理サーバ3は、ユーザ情報に新しく付与された第2の買建玉とは反対属性の建玉(本実施形態では第1の売建玉)の売却利益確定単位を変更する。具体的には、管理サーバ3は、アクティビティA511にて2倍となった第1の売建玉の利益確定単位を小さくする。ぐちアクティビティA的には、管理サーバ3は、第1の利益確定単位をアクティビティA511の処理が行われる前の状態(すなわち1倍)に戻す。これにより、取引レートが反転して後述する建玉の変換がなされた後に、当該建玉の利益確定値を予め設定することができる。したがって、処理をより簡略にすることができる。
【0118】
[アクティビティA603]
次に、処理がアクティビティA603に進み、管理サーバ3は、第1の防衛売却条件を生成する。第1の防衛売却条件の売却逆指値(注文値)は、変更された第1の買建玉の決済値と等しい。また、第1の防衛売却条件の売却利益確定値は、売却逆指値(注文値)より売買単位2つ分小さい。また、第1の防衛売却条件の売却損切値は、売却逆指値(注文値)より売買単位3つ分大きい。すなわち、第1の売却条件の売却利益確定値と売却損切値とは、売却逆指値に対して非対称に構成されている。具体的には、第1の売却条件の売却逆指値に対する売却利益確定値差は、第1の売却条件の売却逆指値に対する売却損切値の差よりも小さい。これにより、取引レートの変動に対応して、建玉の組み換えが行われるようになる。そのため、取引レートの反転によって生じる損失を抑制することができる。なお、これに限られず、第1の防衛売却条件の売却損切値は、任意の値に設定可能である。その後、取引レートが変動する。
【0119】
[アクティビティA611]
取引レートの変動(上昇)の結果、取引レートが第1の買建玉の購入利益確定値に達した場合、処理がアクティビティA611に進み、管理サーバ3は、第1の買建玉の約定処理を行う。これにより、第1の買建玉によって得られる利益を確保することができる。本実施形態ではこれに伴い、取引レートが第2の買建玉の購入利益確定値に達し、さらに第1の売建玉の購入損切値に達する。そのため、管理サーバ3は、ユーザ情報に付与されている第2の買建玉及び第1の売建玉の約定も行う。これにより、全体としての損失を抑制しつつ、利益機会を確保することができる。さらに、本実施形態では、管理サーバ3は、付与されている注文情報を取り消す。その結果、ユーザ情報に付与されている注文情報及び建玉が消滅し、情報処理が終了する。
【0120】
[アクティビティA621]
一方、取引レートの変動(下降)の結果、取引レートが第1の買建玉の購入利益確定値に達する前に第1の買建玉の購入損切値に達した場合、処理がアクティビティA621に進み、管理サーバ3は、ユーザ情報に付与された第1の買建玉を取り消す。言い換えれば、管理サーバ3は、取引レートが反転することにより買建玉がリセットされる。
【0121】
このとき、上記第1の防衛売却条件の生成態様より、取引レートが第1の防衛売却条件の逆指値に達することとなる。そのため、処理がアクティビティA622に進み、管理サーバ3は、第1の防衛売却条件を第1の防衛売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。すなわち、取引レートが反転して買建玉がリセットされた場合に、売建玉として第1の防衛売建玉が生じる。このことは、損失相殺のための利益確定単位が売買単位2つ分となる建玉の変換を意味する。そのため、取引レートが上昇局面から下降局面に反転する、あるいは下降局面から上昇局面へと反転するという動きに対して、決済のための建玉を入れ替える処理に相当する。
【0122】
アクティビティA621及びアクティビティA622の処理の結果、ユーザ情報には、第2の買建玉と、第1の売建玉と、第1の防衛売建玉とが付与されることとなる。
【0123】
[アクティビティA623]
次に、処理がアクティビティA623に進み、管理サーバ3は、第1の防衛購入条件を生成する。第1の防衛購入条件の生成態様は任意であるが、例えば第1の防衛売却条件と同様に、現在の取引レートに対して設定可能である。
【0124】
[アクティビティA624]
その後、取引レートが第3の所定値に達するまでは処理を保留し、第3の所定値に達した場合は処理がアクティビティA624に進む。第3の所定値は、第1の所定値と同様に、売買単位の0.2倍,0.4倍、0.6倍,0.8倍など任意である。本実施形態では、第3の所定値は、売買単位の0.2倍に設定されている。したがって、第3の所定値と第1の防衛売建玉の決済値との差は、売買単位未満である。
【0125】
アクティビティA624にて、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉に対する損切値変更処理を実行する。これにより、取引レートがさらに反転する際に生じる、第1の防衛売建玉による損失を予防することができる。具体的には、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉の売却損切値を、第1の防衛売建玉の決済値(注文値)と同じ値に変更する。これにより、取引レートが再度反転することによる第1の売建玉及び第1の防衛売建玉による利益をリセットし、利益機会を確保しやすくすることができる。
【0126】
[アクティビティA631]
その後、取引レートの変動の結果、取引レートが第1の防衛売建玉の売却利益確定値に達した場合、処理がアクティビティA631に進み、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉に対する約定処理を実行する。これにより、第1の防衛売建玉による損益をリセットすることができる。本実施形態では、管理サーバ3はこれに伴い、ユーザ情報に付与されている他の建玉をともに約定し、ユーザ情報に付与されている注文情報を取り消す。これにより、現在の利益を確保することができる。その後、管理サーバ3は、当該情報処理を終了する。
【0127】
[アクティビティA641]
一方、取引レートの変動の結果、取引レートが第1の防衛売建玉の売却利益確定値に達する前に、第2の買建玉の購入損切値に達した場合、処理がアクティビティA641に進み、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉を取り消す。これにより、第1の防衛売建玉によって損失が生じることを未然に防ぐことができる。
【0128】
[アクティビティA642]
その後、処理がアクティビティA642に進み、管理サーバ3は、第1の防衛購入条件を第1の防衛買建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。
【0129】
[アクティビティA643]
次に、処理がアクティビティA643に進み、管理サーバ3は、第2の防衛売却条件を生成する。
【0130】
[アクティビティA644]
その後、取引レートが第4の所定値に達するまでは処理を保留し、第4の所定値に達した場合は処理がアクティビティA644に進む。第4の所定値は、第2の所定値と同様に、売買単位の0.2倍,0.4倍、0.6倍,0.8倍など任意である。本実施形態では、第4の所定値は、売買単位の0.2倍に設定されている。したがって、第4の所定値と第1の防衛買建玉の決済値との差は、売買単位未満である。
【0131】
アクティビティA644にて、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉に対する損切値変更処理を実行する。これにより、取引レートがさらに反転する際に生じる、第1の防衛売建玉による損失を予防することができる。具体的には、管理サーバ3は、第1の防衛売建玉の売却損切値を、第1の防衛売建玉の決済値(注文値)と同じ値に変更する。これにより、取引レートが再度反転することによる第1の売建玉及び第1の防衛売建玉による利益をリセットし、利益機会を確保しやすくすることができる。その後、取引レートが変動する。
【0132】
[アクティビティA645]
取引レートの変動の結果、取引レートが第1の防衛買建玉の購入利益確定値に達した場合、処理がアクティビティA651に進み、管理サーバ3は、第1の防衛買建玉の約定処理を行う。これにより、第1の防衛買建玉による利益を確保することができる。本実施形態では、第1の防衛買建玉の約定処理に伴い、ユーザ情報に付与されている建玉のそれぞれの約定と、注文情報の取消を行う。これにより、全体での利益を確保しやすくなる。その後、本情報処理が終了する。
【0133】
[アクティビティA661]
一方、取引レートが第1の防衛買建玉の購入利益確定値に達する前に第1の防衛買建玉の購入損切値に達した場合、処理がアクティビティA661に進み、管理サーバ3は、第1の防衛買建玉を取り消す。これにより、第1の防衛買建玉による損失を抑制することができる。
【0134】
[アクティビティA662]
その後、処理がアクティビティA662に進み、管理サーバ3は、第2の防衛売却条件を第2の防衛売建玉に変換し、ユーザ情報に付与する。その後、処理がアクティビティA623に戻る。なお、その後のアクティビティA623にて生成される第1の防衛購入条件は、現在の取引レートに応じて決定されてもよい。
【0135】
このように、防衛買建玉と防衛売建玉の決済値(すなわち、防衛購入条件及び防衛売却条件の逆指値)を中心に取引レートが反転を繰り返す場合、アクティビティA623の処理からアクティビティA641、及びアクティビティA662の処理を介して、再度アクティビティA623の処理が行われる。その過程で、取引レートがそれぞれの防衛買建玉又は防衛売建玉の利益確定値又は損切値に達することにより、これに対応する建玉の約定処理が行われる。にこれにより、アクティビティA511及びアクティビティA602にて利益確定単位変更処理が行われた建玉の変換及び約定処理を行うことで、取引レートの変動に沿った損失相殺を図ることができる。
【0136】
第2の注文情報による購入条件が第2の買建玉に変換されると、第1の注文情報による第1の買建玉の購入損切値を第1の注文情報における購入逆指値と同じ値に更新するため、取引レートが下落してきた際に買建玉がリセットされ、損失が生じない効果を得られる。
同様に、第2の注文情報による売却条件が第2の売建玉に変換されると、第1の注文情報による第1の売建玉の売却損切値を第1の注文情報における売却逆指値と同じ値に更新するため、取引レートが上昇してきた際に売建玉がリセットされ、損失が生じない効果を得られる。
【0137】
また、購入処理により第2の注文情報による購入条件が第2の買建玉に変換されると、売建玉に含まれる売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新されるため、レートが反転して建玉変換がなされた後の利益確定値を予め設定することができる。
同様に、売却処理により第2の注文情報による売却条件が第2の売建玉に変換されると、買建玉に含まれる購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新されるため、レートが反転して建玉変換がなされた後の利益確定値を予め設定することができる。
【0138】
また、第3の注文情報における購入利益確定値を購入逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における購入損切値を購入逆指値より3単位大きく設定することにより、取引レートが反転して買建玉がリセットされた時に売建玉を立てることができる。したがって、損失相殺のための利益確定幅2単位の建玉の変換を実行でき、取引レートが上昇局面から下降局面に変動する動きに対応して決済のための建玉を入れ替えることができる。
同様に、第3の注文情報における売却利益確定値を売却逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における売却損切値を売却逆指値より3単位大きく設定することにより、取引レートが反転して売建玉がリセットされた時に買建玉を立てることができる。したがって、損失相殺のための利益確定幅2単位の建玉の変換を実行でき、取引レートが下降局面から上昇局面に変動する動きに対応して決済のための建玉を入れ替えることができる。
なお、これらのときの損切値は建玉成立後に注文値と同値に変更するので任意の値でよいが、便宜上他の建玉と同じ3単位に設定することができる。
【0139】
また、取引レートが上昇しヘッジの買建玉が利確ポイントに達すると、ペアの上位にあった買建玉も利確ポイントに、ペア下位の売建玉も損切ポイントに達するため、全体でプラスマイナスが相殺されて損失解消を成立させることができる。このとき、損失解消と同時に1単位上の買注文も買建玉となり取引の準備ができている。損失解消したら解消した建玉と逆の建玉(このケースでは売建玉)の側のヘッジの注文を取消すことができる。
【0140】
また、取引レートが買建玉に達する前に反転し買建玉の注文値すなわち損切値に戻ると買建玉はリセットされ、同時に防御の売注文が防御の売建玉となる。これにより、建玉はヘッジの買建玉、最初の売建玉、防御の売建玉となり、この3つの建玉で売方向に損失相殺を図っていくことができる。
【0141】
また、取引レートが注文値より任意に下がると売建玉の注文値に対して買注文が可能になる。スプリット差分だけ離れると注文可能になり、本取引では第4の所定値を設定して防御の買注文を入れる。これにより取引レートが更に反転して防御の売建玉がマイナスになった際の損失予防とすることができる。ここで、第4の所定値は、売買単位の0.1倍、0.2倍など任意に設定することができる。なお、防御の注文が可能となる第4の所定値は損切値設定の第1、第2、第3の所定値より小さい単位にすることが好ましい。
【0142】
また、任意の値、本取引では防御の売建玉注文値から0.1単位下がった値で防御の売建玉の損切値を注文値と同値に変更することにより、取引レートが再反転して上がった際の売建玉の損益をリセットすることができる。
【0143】
また、防御の買建玉と防御の売建玉の注文値すなわち決済値を中心に取引レートが反転する場合、利確幅2単位の買建玉と売建玉を変換させることによって、取引レートの流れに沿った損失相殺を図ることができる。
【0144】
この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。また、上述の実施形態で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
【0145】
例えば、管理サーバ3は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の管理サーバ3としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0146】
上記実施形態では、管理サーバ3が種々の記憶・制御を行ったが、管理サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0147】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0148】
この発明は、金融商品の取引を行うことが可能な任意のアプリケーションを構築又は改良する産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0149】
1…金融商品取引システム
2…ユーザ端末
3…管理サーバ
5…インターネット
20…制御部
21…記憶部
22…通信部
23…入力部
24…表示部
30…制御部
31…記憶部
32…通信部
33…入力部
34…表示部
310…トレードプログラム
311…トレードデータベース
320…トレードプログラム
IM1…画像
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段とこれらを制御する制御手段とを備えて金融商品の取引を行う金融商品取引システムであって、
前記制御手段は、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成であり、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する構成であり、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換する構成であり、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新する構成であり、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する構成であり、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記買建玉よりさらに前記売買単位1つ分取引レートが上昇して前記第2の注文情報の前記購入逆指値に達すると、当該第2の注文情報による前記購入条件を第2の買建玉に変換する購入処理を実行する構成であり、
前記売建玉よりさらに前記売買単位1つ分取引レートが下降して前記第2の注文情報の前記売却逆指値に達すると、当該第2の注文情報による前記売却条件を第2の売建玉に変換する売却処理を実行する構成であり、
前記生成処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、第2の買建玉の前記売買単位だけ大きい値を購入逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、第2の売建玉の前記売買単位だけ小さい値を売却逆指値とする第3の注文情報を生成する構成であり、
前記更新処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、前記第1の注文情報による第1の買建玉の購入損切値を前記第1の注文情報における前記購入逆指値と同じ値に更新し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、前記第1の注文情報による第1の売建玉の売却損切値を前記第1の注文情報における前記売却逆指値と同じ値に更新する構成である
請求項1記載の金融商品取引システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記更新処理として、
前記購入処理により前記第2の注文情報による前記購入条件が前記第2の買建玉に変換されると、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新し、
前記売却処理により前記第2の注文情報による前記売却条件が前記第2の売建玉に変換されると、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となっていたところを売買単位1単位に戻すように更新する構成である
請求項2記載の金融商品取引システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記生成処理として、
前記第1の注文情報による第1の買建玉の購入損切値を前記売買単位だけ大きい値に前記更新処理により更新すると、当該購入損切値を更新した買建玉の注文値と同じ値を購入逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記第1の注文情報による第1の売建玉の売却損切値を前記売買単位だけ小さい値に前記更新処理により更新すると、当該売却損切値を更新した売建玉の注文値と同じ値を売却逆指値とする第3の注文情報を生成し、
前記更新処理として、
第3の注文情報における購入利益確定値を購入逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における購入損切値を購入逆指値より3単位大きく設定し、
第3の注文情報における売却利益確定値を売却逆指値より2単位小さくし、第3の注文情報における売却損切値を売却逆指値より3単位大きく設定する構成である
請求項2または3記載の金融商品取引システム。
【請求項5】
情報の入力を受け付ける入力手段と情報を表示する表示手段とこれらを制御する制御手段とを備えて金融商品の取引を行う金融商品取引システムを用いて、
前記制御手段が、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行し、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得し、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換し、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新し、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成し、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引方法。
【請求項6】
コンピュータを、情報の入力を受け付ける入力手段と、情報を表示する表示手段と、これらを制御する制御手段として機能させ、金融商品の取引を行う金融商品取引プログラムであって、
前記制御手段は、
金融商品の売買に関する情報を取得する取得処理と、
注文情報を生成する生成処理と、
金融商品を売買する売買処理と、
前記売買の実行基準となる条件を更新する更新処理とを実行する構成であり、
前記取得処理は、ユーザによる前記金融商品の売買注文に関する第1の注文情報と、を取得する構成であり、
前記第1の注文情報は、前記金融商品の購入条件と、前記金融商品の売却条件と、前記ユーザによる前記金融商品の売買金額の単位を示す売買単位と、を含み、
前記購入条件は、ユーザにより指定される購入逆指値と、購入利益確定値と、購入損切値と、を含み、
前記売却条件は、ユーザにより指定される売却逆指値と、売却利益確定値と、売却損切値と、を含み、
前記売買処理は、
前記金融商品の取引レートが前記売却逆指値に達した場合に、前記売却条件を前記金融商品の売建玉に変換し、
前記金融商品の取引レートが前記購入逆指値に達した場合に、前記購入条件を前記金融商品の買建玉に変換する構成であり、
前記更新処理は、前記金融商品の取引レートの変動によって、前記売建玉及び前記買建玉が同数となった場合に、
前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値と前記売却逆指値の差分である売却利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記売建玉に含まれる前記売却利益確定値を更新し、
前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値と前記購入逆指値の差分である購入利益確定単位が少なくとも2倍以上となるように、前記買建玉に含まれる前記購入利益確定値を更新する構成であり、
前記生成処理は、ユーザにより指定される購入逆指値を含む購入条件と、ユーザにより指定される売却逆指値を含む売却条件と、を含む第2の注文情報を生成する構成であり、前記第2の注文情報の購入逆指値は、前記第1の注文情報の購入逆指値より前記売買単位だけ大きく、前記第2の注文情報の売却逆指値は、前記第1の注文情報の売却逆指値より前記売買単位だけ小さい
金融商品取引プログラム。