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特開2024-78729方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078729
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191236
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】村上 勝俊
(72)【発明者】
【氏名】中居 知大
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、方法が提供される。この方法は、支払データを含む入力データを受け付ける。支払データは、組織内で使用される契約対象に対する支払いについてのデータであり、契約対象は、サービスとシステムとソフトウェアとのうち少なくとも1つを含む。入力データから、組織が契約中の複数の契約対象を特定する。複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
支払データを含む入力データを受け付け、ここで前記支払データは、組織内で使用される契約対象に対する支払いについてのデータであり、前記契約対象は、サービスとシステムとソフトウェアとのうち少なくとも1つを含み、
前記入力データから、前記組織が契約中の複数の契約対象を特定し、
前記複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示する、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、月毎の単位で契約されており、かつ、月毎の単位から年毎の単位に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
2か月以上連続で支払いがされた契約対象を、月毎の単位で契約されている契約対象であると判断する、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、契約されているプランの変更によって使用の状況を維持可能、かつ、前記プランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、契約されているプランにより使用可能となる機能が他の契約対象により代替可能、かつ、前記プランを変更することにより支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、機能が重複する契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、前記組織に紐づいて複数のテナントが契約されている、契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、前記複数のテナントを統合することにより、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記複数のテナントの各々に含まれるユーザのアカウントを比較し、複数のテナントに所属するユーザのアカウントが存在する場合に、前記ユーザのアカウントを、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の契約対象の中に、退職した又は休職中の、ユーザのアカウントが含まれる場合に、前記アカウントに紐づく、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記支払データを請求書のデータから取得する、
方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記支払データを電子メールのデータから取得する、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記支払データを、前記組織の会計のデータを管理するシステムから取得する、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記組織に所属する人数と、前記組織の業種と、前記支払データとの少なくとも一つに基づいて、費用の削減見込み額を算出し、
前記削減見込み額に応じた金額を前記組織に対するサービス利用料として決定し、
提示した前記候補に基づいて削減される支払いの費用が、前記サービス利用料を下回った場合に、前記組織に対して、前記サービス利用料の一部を返金する、
方法。
【請求項15】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1~14のいずれか1つに記載の方法を実行する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
情報処理システムであって、
請求項1~14のいずれか1つに記載の方法を実行する制御部を備える、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、ライセンスの管理を容易化することができる情報処理システム、情報処理装置、ライセンス管理方法及びプログラムを提供することを課題とし、情報処理システムであって、機器にサービスを提供する1つ以上のサービス提供手段と、ライセンスを管理するライセンス管理手段とを有し、サービス提供手段はライセンス管理手段が管理するライセンスの複製を記憶する記憶手段と、機器からライセンスの有効化の要求を受け付け、記憶手段に記憶されている仮登録されたライセンスを機器と紐付けて有効化又は登録されたライセンスに機器を追加するように紐付け、記憶手段に記憶されているライセンスのライセンス情報に反映させるように要求する有効化手段とを有し、有効化手段はライセンス情報に含まれるサービスを利用可能とすることができる機器の数量に基づいてライセンスに紐付ける機器の数量を調整することにより上記課題を解決する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-114893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年において、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能な技術が求められている。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能な技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、方法が提供される。この方法は、支払データを含む入力データを受け付ける。支払データは、組織内で使用される契約対象に対する支払いについてのデータであり、契約対象は、サービスとシステムとソフトウェアとのうち少なくとも1つを含む。入力データから、組織が契約中の複数の契約対象を特定する。複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示する。
【0007】
本開示によれば、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】コンサルタントクライアント装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】顧客クライアント装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】実施形態1に係る情報処理を説明する図の一例である。
図6】名称参照情報D1の一例を示す図である。
図7】契約参照情報D2の一例を示す図である。
図8】ある契約対象について複数のテナントを契約している組織のイメージの一例を示す図である。
図9】費用削減アクションの実行により削減される支払いの費用の削減の効果を示す効果画面5の一例である。
図10】実施形態2に係る情報処理を説明する図の一例である。
図11】データベースに記憶されるデータの一例である。
図12】会計システムにより管理される支払データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント装置でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.情報処理システム1のシステム構成
まず、図1を参照しながら本実施形態の情報処理システム1のシステム構成について説明する。
【0014】
図1は、情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1が示すように、情報処理システム1は、サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3と、顧客クライアント装置4と、ネットワークNとを含む。サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成される。これにより、サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4は、相互に様々な情報を送信又は受信することができる。なお、サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4は、情報処理装置の一例であり、本実施形態に限定されるものではない。コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4は、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等のいずれであってもよい。なお、サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4は、複数あってもよい。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ装置2単体、コンサルタントクライアント装置3単体又は顧客クライアント装置4であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。
【0015】
2.ハードウェア構成
次に、図2図4を参照しながら本実施形態のサーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4のハードウェア構成について説明する。
【0016】
2.1.サーバ装置2のハードウェア構成
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備え、これらの構成要素がサーバ装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。サーバ装置2は、実施形態に係る処理を実行する。
【0017】
制御部21は、サーバ装置2に関連する全体動作の処理及び制御を行う。制御部21は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部21が、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出し、プログラムに基づき処理を実行することによって、サーバ装置2に係る種々の機能、例えば、後述する図5図12に示される処理が実現される。なお、制御部21は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部21を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0018】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム、変数及び制御部21がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶している。記憶部22は、名称参照情報D1、契約参照情報D2、図11のデータベース等の種々のテーブルを記憶している。記憶部22は、記憶媒体の一例である。
【0019】
通信部23は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G/4G/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置2は、通信部23を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
2.2.コンサルタントクライアント装置3のハードウェア構成
図3は、コンサルタントクライアント装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、コンサルタントクライアント装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、を有し、これらの構成要素がコンサルタントクライアント装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。コンサルタントクライアント装置3は、実施形態に係る処理を実行する。コンサルタントクライアント装置3の制御部31、記憶部32及び通信部33については、サーバ装置2の制御部21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。
【0021】
入力部34は、コンサルタントクライアント装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。例えば、入力部34は、出力部35と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、コンサルタントユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することが可能である。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部34がコンサルタントユーザによってなされた操作に基づく入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部31に転送され、制御部31が必要に応じて所定の制御又は演算を実行しうる。
【0022】
出力部35は、コンサルタントクライアント装置3の表示部として機能することが可能である。出力部35は、例えば、コンサルタントクライアント装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。出力部35は、コンサルタントユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、コンサルタントクライアント装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0023】
2.3.顧客クライアント装置4のハードウェア構成
図4は、顧客クライアント装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示されるように、顧客クライアント装置4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45と、を有し、これらの構成要素が顧客クライアント装置4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。顧客クライアント装置4は、実施形態に係る処理を実行する。顧客クライアント装置4の制御部41、記憶部42及び通信部43については、サーバ装置2の制御部21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。顧客クライアント装置4の入力部44及び出力部45については、コンサルタントクライアント装置3の入力部34及び出力部35を参照されたい。
【0024】
3.情報処理システム1の動作の流れ
本実施形態の情報処理システム1で実行される好ましい動作の一例を説明する。多くの組織において、組織内で契約している契約対象を網羅的に管理することは難しいため、機能的に重複する契約対象、利用されていない契約対象等が発生している。その結果、必要以上に契約対象に対してコストを支払っている組織が存在する場合がある。コンサルタントユーザは、そのような組織を顧客として、契約中の複数の契約対象を特定するユーザである。また、コンサルタントユーザは、複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を顧客ユーザに掲示するユーザである。コンサルタントユーザは、ユーザの一例である。また、実施形態1では、コンサルタントユーザは、コンサルタントクライアント装置3を使用して、後述する特定ステップS1、分析ステップS2、提示ステップS3等の種々の情報処理が実行されるように行動する。すなわち、制御部31によって実行される情報処理は、コンサルタントユーザによる行動に含まれてもよい。
【0025】
この契約対象は、ある組織が契約している、サービスとシステムとソフトウェアとのうち少なくとも1つを含むものである。より具体的には例えば、契約対象は、Webサービス、クラウドサービス、SaaS等の情報処理を利用するサービス、クラウドサービス等の情報処理を行うシステム、SaaS等の情報処理を行うソフトウェアのうち少なくとも1つを含むものである。クラウドサービスのように、サービスとシステムとの複数の側面を持つ契約対象が存在してもよい。また、契約対象は、サブスクリプション型のプランのサービス、システム又はソフトウェアを含むことがある。サブスクリプション型のプランでは、月毎の単位、年毎の単位等の任意の単位で利用料が発生する。
【0026】
この組織は、株式会社、有限会社、合資会社、合名会社、合資会社、一般社団法人、一般財団法人、公益社団・公益財団法人、NPO法人、組合等の法人を含んでもよい。また、組織は、その組織が会社である場合、グループ会社、関連会社、関係会社、親会社、子会社を含んでもよい。
【0027】
この顧客ユーザは、顧客となる組織のユーザであり、コンサルタントユーザの対応を行うユーザである。顧客ユーザは、ユーザの一例である。顧客クライアント装置4は、顧客ユーザにより使用される。
【0028】
本明細書において、ネットワークN、通信部23、通信部33又は通信部43を介して送受信された種々の情報は、記憶部22、記憶部32又は記憶部42に記憶されるものとする。なお、使用された通信部を有する装置内の記憶部にて記憶されるものとする。例えば、通信部23が使用された場合、送受信された情報は、記憶部22に記憶されるものとする。
【0029】
本明細書において、ネットワークN、通信部23、通信部33、入力部34、通信部43及び入力部44に関連する情報処理を省略して記載することがある。例えば、制御部31がユーザによる入力部34への操作を介して所定の入力を受け付けることを、単に制御部31がユーザから所定の入力を受け付けると記載することがある。制御部41がユーザによる入力部44への操作を介して所定の入力を受け付けることを、単に制御部41がユーザから所定の入力を受け付けると記載することがある。また、制御部21が通信部23とネットワークNと通信部33とを介して、コンサルタントクライアント装置3との間で情報を送受信することを、単に制御部21がコンサルタントクライアント装置3に情報を送信する、又は単に制御部21がコンサルタントクライアント装置3から情報を受け付けると省略して記載することがある。サーバ装置2と顧客クライアント装置4との間の情報処理と、コンサルタントクライアント装置3と顧客クライアント装置4との間の情報処理とについても同様に省略して記載することがある。
【0030】
情報処理を説明するにあたって、出力部35に情報を表示させる情報処理について、単に制御部31がある情報を出力部35に表示させるものとして、また、間接的には制御部21がある情報を出力部35に表示させるものとして省略して説明することがある。その場合例えば次に説明するような情報処理が実行されている。例えば、制御部31は、画面の状態を変化させる指示をコンサルタントユーザから受け付ける。制御部31は、その指示に基づいて表示情報を生成する。制御部31は、生成した表示情報に基づいて、出力部35への表示を制御する。また、他の例として、制御部31は、画面に情報を表示させるための指示をコンサルタントユーザから受け付ける。制御部31は、その指示をサーバ装置2に送信する。制御部21は、その指示をコンサルタントクライアント装置3から受信する。制御部21は、その指示に基づいて表示情報を生成する。制御部21は、生成した表示情報をコンサルタントクライアント装置3に送信する。制御部31は、生成した表示情報をサーバ装置2から受信する。制御部31は、生成した表示情報に基づいて、出力部35への表示を制御する。出力部45に情報を表示させる情報処理についても、単に制御部41がある情報を出力部45に表示させるものとして、また、間接的には制御部21がある情報を出力部45に表示させるものとして省略して説明することがある。ここで表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものだけでなく、表示させるためのレンダリング情報を含む概念である。
【0031】
なお本明細書において、「取得」とは、データ等を他の装置から受信する態様と、データ等を自ら生成する態様との両方を含む概念である。
【0032】
図5は、実施形態1に係る情報処理を説明する図の一例である。図5に示すように実施形態1に係る情報処理は、特定ステップS1と、分析ステップS2と、提示ステップS3とに分類される。まず特定ステップS1について説明する。
【0033】
(特定ステップS1)
特定ステップS1では、制御部31は、顧客の契約対象に関するデータを特定する。例えば、制御部31は、入力データに基づいて、ステップS1-1、S1-2、S1-3係る処理を実行する。
【0034】
入力データは、任意の態様で入力されるデータである。入力データは、支払データと、契約データと、履歴データとを含む。この入力データは、コンサルタントユーザが手動で入力した任意の形式のデータであってもよい。その場合、制御部31は、コンサルタントユーザから入力データの入力を受け付ける。また、入力データは、顧客ユーザが手動で入力した任意の形式のデータであってもよい。その場合、制御部31は、顧客クライアント装置4から顧客ユーザが手動で入力した任意の形式のデータを取得する。また、この入力データは、サーバ装置2から取得されてもよい。具体的には例えば、制御部31は、コンサルタントユーザから入力データの取得の指示を受け付ける。その後、制御部31は、入力データの取得の指示を受け付けたことに応じて、入力データの取得の指示をサーバ装置2に送信する。制御部21は、入力データの取得の指示をコンサルタントクライアント装置3から受け付ける。制御部21は、入力データの取得の指示を受け付けたことに応じて、入力データをコンサルタントクライアント装置3に送信する。その後、制御部31は、サーバ装置2から入力データを受け付ける。コンサルタントクライアント装置3がサーバ装置2から入力データを取得する場合、制御部21は、事前に入力データを任意の方法により取得する。
【0035】
(ステップS1-1)
ステップS1-1では、制御部31は、入力データに含まれる支払データから、組織が契約中の複数の契約対象を特定する。この支払データは、組織内で使用される、契約対象に対する支払いについてのデータである。支払データは、納品書、検収書、受領書、請求書、支払書、領収書等のデータであってもよい。支払データは、契約対象の名称のデータと、料金のデータと、支払先のデータとのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0036】
制御部31は、支払データに含まれる契約対象の名称のデータから、契約対象を特定してもよい。また、制御部31は、図6に示すように、支払先のデータ(支払先データD10)と料金のデータ(料金データD11)とから、名称参照情報D1を参照して契約対象の名称(名称データD12)を特定してもよい。図6は、名称参照情報D1の一例を示す図である。名称参照情報D1は、契約対象の名称を参照するためのテーブルである。名称参照情報D1は、支払先データD10と、料金データD11と、契約対象の名称データD12とを含む。支払先データD10は、契約対象の支払先を示すデータである。料金データD11は、契約対象の利用に必要な金額を示すデータである。料金データD11の数値は、契約対象に、価格改定や値引きの可能性がある場合、範囲を持って与えられてもよい(例えば、ABCクラウドの2,700~3,000円)。また、料金データD11の数値は、契約対象に、複数のプランがある場合、各プランに対応する複数の値が与えられてもよい(例えば、XYZチャットサービスの1,500~2,500円)。名称データD12は、契約対象の名称を示すデータである。
【0037】
また、制御部31は、ある契約対象について、支払データから支払いの間隔(例えば1ヶ月間隔、1年間隔等)を特定してもよい。制御部31は、支払いの間隔に基づいて、2か月以上連続で支払いがされた契約対象を、月毎の単位のプランで契約されている契約対象であると判断してもよい。
【0038】
この支払データは、任意の方法により取得される。例えば、支払データは、組織の会計のデータを管理するシステムとAPI(Application Programming Interface)等を通じて連携することにより取得されてもよい。例えば、支払データは、電子メールのデータから取得されてもよい。例えば、支払データは、ユーザの電子メールに添付している任意のデータから取得されてもよい。支払データを電子メールから取得する場合、制御部21は、顧客クライアント装置4から電子メールを転送してもらう。制御部21は、顧客ユーザが使用する電子メールを管理するメールサーバへのアクセス権を得た上で電子メールを取得してもよい。例えば、支払データは、コンサルタントクライアント装置3又は顧客クライアント装置4が、サーバ装置2にアップロードしたcsv等の任意の形式のデータから取得されてもよい。支払データは、会計のデータ、電子メールのデータ等の任意の形式のデータに含まれる請求書のデータ又はカード明細から取得されてもよい。
【0039】
(ステップS1-2)
ステップS1-2では、まず、制御部31は、組織が契約中の各契約対象について、任意の方法により、入力データに含まれる契約データを取得する。具体的には例えば、制御部31は、コンサルタントユーザが手動で入力した任意の形式のデータを契約データとして取得してもよい。例えば、制御部31は、顧客ユーザ(もしくは顧客ユーザの管理者)が使用する契約サーバにアクセスすることで契約データを取得してもよい。この契約サーバは、顧客ユーザが当事者として関連する契約が管理されているサーバである。また、制御部31は、顧客クライアント装置4から送信されることにより契約データを取得してもよい。更に、制御部31は、コンサルタントユーザの入力を受け付けることにより契約データを取得してもよい。その後、制御部31は、取得した契約データに基づいて、契約対象毎のタイミングデータとプランデータとを特定する。
【0040】
この契約データは、ある契約対象の契約のデータである。例えば、契約データは、契約対象の名称、契約の目的、対象、契約締結日、料金、契約対象の機能等の契約に紐づく種々のデータを含む。また、契約データは、後述する、タイミングデータ及びプランデータを含んでもよい。
【0041】
このタイミングデータは、ある契約の契約開始日、契約終了日、契約更新日のうち少なくとも1つを含むデータである。契約終了日及び契約更新日のそれぞれは、契約の更新又は解約に意思表示が必要な場合は、意思表示の期間のデータを含む。
【0042】
このプランデータは、ある契約対象のプランに関するデータである。プランは、グレード(ブロンズ、シルバー、ゴールド)と、契約対象の契約の期間の単位(月毎の単位の契約又は年毎の単位の契約)とのうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0043】
機能データは、ある契約対象に紐づく機能のデータである。この契約対象に紐づく機能の数は、プランの変更によって増減することがある。例えば、契約対象がチャットサービスである場合、機能データは、チャット機能である。当該チャットサービスの契約対象は、プランの変更により、チャットにより受け渡しするデータが安全であるかを判定するセキュリティ機能、一定期間のチャットのデータを保管するログ機能等が追加されてもよい。
【0044】
プランデータ及び機能データは、図7に示す契約参照情報D2のような契約対象の名称のデータと、プラン(グレード)の名称のデータと、プランの料金のデータと、プランの機能のデータとが対応付けられている情報を参照することにより特定されてもよい。図7は、契約参照情報D2の一例を示す図である。契約参照情報D2は、契約対象のプラン(グレード)又は機能を参照するためのテーブルである。制御部31は、支払データ又は契約データに含まれる契約対象の名称のデータ(契約対象データD20)又は料金データ(料金データD21a、D21b)から、契約対象のプランデータ(グレードデータD22)及び機能データ(機能データD23)を特定してもよい。契約参照情報D2は、契約対象データD20と、料金データD21a、D21bと、グレードデータD22と、機能データD23とを含む。契約対象データD20は、契約対象の名称を示すデータである。料金データD21a、D21bは、その契約対象のプラン毎の料金を示すデータである。料金データD21a、D21bは、値引きの可能性がある場合、範囲を持って与えられてもよい(図7の例では例えば、月毎のゴールには2,500円から2,300円に値引きされたケースが存在する)。グレードデータD22は、契約対象のグレードの名称を示すデータである。機能データD23は、契約対象のプラン毎に利用可能な機能を示すデータである。
【0045】
(ステップS1-3)
ステップS1-3では、制御部31は、コンサルタントユーザからの操作に応じて契約対象管理サービスのセットアップを行う。この契約管理対象サービスは、契約対象を管理するサービスであり、サーバ装置2により提供されるサービスであってもよい。制御部31は、この契約管理対象サービスを利用することにより、組織が契約中の各契約対象の履歴データを取得することができる。例えば、具体的には例えば、制御部31は、契約管理対象サービスに、顧客ユーザが使用するウェブブラウザの履歴機能のデータを読み込ませることで、履歴データを取得することができる。また、制御部31は、契約管理対象サービスをGoogle chromeの拡張機能と連携させることにより履歴データを取得してもよい。更に、制御部31は、契約管理対象サービスを顧客ユーザの所属する組織のシステム部門の管理者権限と連携させ、各従業員の操作ログを取得し、この操作ログに基づいて履歴データを取得してもよい。
【0046】
この履歴データは、契約対象毎又はアカウント毎の、最後に契約対象が使用されてからどのくらいの時間が経過したか(2ヶ月が経過した等)を示すデータを含むことができる。履歴データは、その契約対象の残りの使用可能な回数のデータを含んでもよく、スクレイピング、コンサルタントユーザからの入力、顧客ユーザからの入力等により取得される。
【0047】
(分析ステップS2)
分析ステップS2では、制御部31は、契約対象の分析を実行する。具体的には例えば、制御部31は、ステップS2-1、S2-2、S2-3、S2-4、S2-5、S2-6、S2-7に係る処理を実行する。
【0048】
(ステップS2-1)
制御部31は、ステップS1-2で特定したタイミングデータとプランデータとに基づいて、契約対象毎の契約更新のタイミングを特定する。具体的には例えば、制御部31は、タイミングデータが契約開始日として2022年1月1日のデータを含み、プランデータが年毎の単位の契約であるデータを含む場合は、2023年1月1日を契約更新のタイミングとして特定する。また、制御部31は、更新にあたって事前(1ヶ月前等)通知を必要とする場合、事前通知の期間を踏まえて契約更新のタイミング(1ヶ月前の場合2022年12月1日)を特定してもよい。また、制御部31は、コンサルタントユーザから、契約更新のタイミングの情報の入力を受け付けることで、契約更新のタイミングを特定してもよい。更に、制御部31は、顧客クライアント装置4から契約更新のタイミングの送信を受け付けることでタイミングを特定してもよい。
【0049】
(ステップS2-2)
制御部31は、ステップS1-2で特定したプランデータに基づいて、月毎の単位で契約されている契約対象を特定する。次に制御部31は、特定した月毎の単位で契約されている契約対象について、種々の方法により年間の単位の契約プランが存在するかを判定する。具体的には例えば、制御部31は、契約参照情報D2を参照することより年間の単位の契約プランが存在するかを判定してもよい。また、制御部31は、コンサルタントユーザ又は顧客ユーザから、年間の単位の契約プランが存在する旨の情報の入力を受け付けることで、年間の単位の契約が存在するかを判定してもよい。制御部31は、ある契約対象について任意の情報のスクレイピングを実行することにより年間の単位のプランが存在するかを判定してもよい。制御部31は、月毎の単位で契約する場合に年間で支払う料金と、年毎の単位で契約する場合の料金とを比較し、月毎の単位から年毎の単位に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象の候補であると判定する。
【0050】
(ステップS2-3)
制御部31は、ステップS1-2で特定した機能データに基づいて、複数の契約対象の中に、機能が重複する契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。例えば、制御部31は、組織内において、複数の勤怠管理システムが契約されている場合に、当該勤怠管理システムを、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。なお、このような機能の重複の判定は、契約対象の名称(例えば、契約対象データD20)と機能データ(例えば、機能データD23)とを関連付けた情報が、契約参照情報D2等に事前に記憶されているため、顧客ユーザが契約している契約対象を特定することにより可能となる。この場合、後述するステップS3-3では、制御部31は、複数の勤怠管理システムの少なくとも一つを削減可能な候補として掲示してもよい。
【0051】
また、ステップS2-3では、制御部31は、図8に示すようなテナントが存在する場合の費用の削減も判定する。テナントは、契約対象における課金の単位又は契約の単位である。図8は、ある契約対象について複数のテナントを契約している組織のイメージの一例を示す図である。図8には、ある組織が営業テナントと開発テナントとのそれぞれについて、契約対象を利用している。営業テナントにはユーザA、ユーザB、ユーザCのアカウントが含まれる。開発テナントにはユーザC、ユーザD、ユーザEのアカウントが含まれる。ユーザCは、営業テナントと開発テナントとに重複して所属している。
【0052】
制御部31は、ステップS1-2で特定した契約データに基づいて、その組織において、複数のテナントを有する態様で契約対象と契約をしている場合、そのテナントを統合してもよいかを判定する。例えば、図8の例において、制御部31は、営業テナントと開発テナントとを統合してもよいかを判定する。統合してもよいかの判定は、制御部31は、コンサルタントユーザからその指示を受け付けてもよいし、顧客クライアント装置4から指示を受け付けてもよい。すなわち、制御部31は、複数の契約対象の中に、組織に紐づいて複数のテナントが契約されている契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、複数のテナントを統合することにより、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。図8の例では、統合前の状態では、営業テナントのアカウント数は3であり、開発テナントのアカウント数は3であり、合計で6つであるところ、営業テナントと開発テナントを統合することにより、ユーザCの重複分を削減することが出来、統合後のアカウント数は5つとなる。このように、アカウントの数に応じて費用が決定される契約対象については、テナントを統合することによって費用を削減することができる場合がある。
【0053】
また、制御部31は、ステップS1-2で特定した契約データに基づいて、その組織において、複数のテナントを有する態様で契約対象と契約をしており、2以上のテナントに重複する顧客ユーザのアカウントが存在する場合、そのテナントを統合してもよいと判定する。例えば、図8において、制御部31は、ユーザCのアカウントをそれぞれ含む営業テナントと開発テナントとを統合してもよいと判定する。制御部31は、統合してもよいかの判定を、コンサルタントユーザからその指示を受け付けることで判定してもよいし、顧客ユーザから指示を受け付けることで判定してもよい。すなわち、制御部31は、複数のテナントの各々に含まれる顧客ユーザのアカウントを比較し、複数のテナントに所属する顧客ユーザのアカウントが存在する場合に、当該顧客ユーザのアカウントを、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。
【0054】
(ステップS2-4)
制御部31は、ステップS1-2で特定した、プランデータと機能データとに基づいて、複数の契約対象の中に、契約されているプランにより使用可能となる機能が他の契約対象により代替可能、かつ、プランを変更することにより支払いの費用を削減可能な、契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。また、制御部31は、あるプランの契約により使用可能となる機能を他の契約対象の使用によって代替して費用を削減できることを表示させてもよい。例えば、図7に示すXYZチャットサービスの場合、制御部31は、他の契約対象により無料でログ機能を代替でき、アカウント1つあたり500円費用を削減できることを表示させてもよい。
【0055】
制御部31は、ステップS1-2で特定したプランデータとステップS1-3で特定した履歴データとに基づいて、複数の契約対象の中に、契約されているプランの変更によって使用の状況を維持可能、かつ、プランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。例えば、制御部31は、プランごとに消費される数が変化する契約対象(例えば、上級のプランでは100回消費可能で、下級のプランでは10回消費可能な契約対象)について、1つ下のグレードのプランに変更したとしても、使用の状況が維持可能であるかを判定する。また、制御部31は、プランごとに使用可能なアカウントの数が変化する契約対象(例えば、上級のプランでは100人使用可能で、下級のプランでは10人使用可能な契約対象)について、1つ下のグレードのプランに変更したとしても、使用の状況を維持可能であるかを判定する。更に、制御部31は、そのプランを維持する場合の費用と、その機能とを比較させて表示させてもよい。例えば、図7に示すXYZチャットサービスの場合、制御部31は、シルバープランを維持するのに追加で500円発生する代わりにログ機能が得られることを表示させてもよい。また、制御部31は、そのプランを維持する場合の費用(この場合500円)に、アカウント数(例えば20人)を乗じた金額(この場合10,000円)を、そのプランの維持に必要な費用として表示させてもよい。
【0056】
(ステップS2-5)
制御部31は、ステップS1-3で特定した履歴データに基づいて、顧客ユーザが契約する利用頻度の低い契約対象を特定する。利用頻度の低い契約対象は、一定期間その契約対象を使用する顧客ユーザの人数に応じて特定されてもよい。例えば、利用頻度の低い契約対象は、その契約対象を使用する顧客ユーザの人数が、所定数未満の人数(例えば10人未満)である又は所定割合未満の人数(例えば1割未満の人数)である等のように定義され得る。また、利用頻度の低い契約対象は、契約対象毎に異なるように定義され得る(例えば、チャット等のコミュニケーションに使用される契約対象は比較的短く、年末調整等の利用頻度の少ない契約対象は比較的長い)更に、利用頻度の低い契約対象は、組織毎、部署毎に異なるように定義されてもよい。また、制御部31は、複数の契約対象の中に、最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。この"一定期間"は、契約対象に関わらず一律(例えば、1か月)であってもよいし、契約対象ごとに異なっていてもよい。
【0057】
(ステップS2-6)
制御部31は、ステップS1-3で特定した履歴データに基づいて、退職者又は利用されていないアカウントを特定する。制御部31は、その組織の人事に関するデータベースにアクセスして、それぞれの従業員が在籍しているか退職しているかの情報を取得してもよい。また、制御部31は、履歴データに基づいて、利用されていないアカウントを特定する。利用されていないアカウントか否かの特定は、利用頻度の低い契約対象の特定と同様に行われる。すなわち、制御部31は、複数の契約対象の中に、退職した又は休職中の、顧客ユーザのアカウントが含まれる場合に、当該アカウントに紐づく契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補であると判定する。
制御部31は、従業員マスターに登録されているアカウント(複数の従業員アカウント)と、契約対象に紐づくアカウント(複数の利用アカウント)と、を比較し、契約対象に紐づくアカウントが従業員マスターにおいては存在しない場合(削除済みである場合)、当該アカウントが退職済みアカウントであると判定することが出来る。この場合、当該アカウントを契約対象に対して削除すれば、当該アカウントに要する費用を削減することができる。なお、従業員マスターに登録されているアカウント情報は、例えば、ステップS1-3でセットアップされた契約対象管理サービスが、顧客ユーザが利用している従業員管理サービスとAPI連携をすることにより、従業員管理サービスから取得することが出来る。
【0058】
(ステップS2-7)
制御部31は、退職者又は利用されていないアカウントを特定する頻度を特定する。具体的には例えば、制御部31は、コンサルタントユーザから、退職者又は利用されていないアカウントを特定する頻度の入力を受け付ける。退職者又は利用されていないアカウントを特定する頻度は、例えば半年に1回等である。
【0059】
(提示ステップS3)
提示ステップS3では、制御部31は、複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示する。具体的には例えば、制御部31は、ステップS3-1、S3-2、S3-3、S3-4、S3-5に係る処理を実行する。
【0060】
(ステップS3-1)
ステップS2-1の特定の結果及びステップS2-2の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、月毎の単位(月払いプラン)で契約されており、かつ、月毎の単位から年毎の単位(年払いプラン)に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。この時、制御部31は、削減可能な費用の金額を計算し、算出された金額を掲示してもよい。
【0061】
(ステップS3-2)
ステップS2-3の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、組織に紐づいて複数のテナントが契約されている契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、複数のテナントを統合することにより、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。また、ステップS2-3の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数のテナントの各々に含まれる顧客ユーザのアカウントを比較し、複数のテナントに所属する顧客ユーザのアカウントが存在する場合に、当該顧客ユーザのアカウントを、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。この時、制御部31は、削減可能な費用の金額を計算し、算出された金額を掲示してもよい。
【0062】
(ステップS3-3)
ステップS2-4の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、契約されているプランにより使用可能となる機能が他の契約対象により代替可能、かつ、プランを変更することにより支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。また、ステップS2-4の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、契約されているプランの変更によって使用の状況を維持可能、かつ、プランを変更することで支払いの費用を削減可能な、契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。この時、制御部31は、削減可能な費用の金額を計算し、算出された金額を掲示してもよい。
【0063】
(ステップS3-4)
ステップS2-5の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない、契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。また、ステップS2-5の判定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、機能が重複する契約対象が含まれる場合に、当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。この時、制御部31は、削減可能な費用の金額を計算し、算出された金額を掲示してもよい。
【0064】
(ステップS3-5)
ステップS2-6の判定の結果、S2-7の決定の結果に基づいて、制御部31は、複数の契約対象の中に、退職した又は休職中の、顧客ユーザのアカウントが含まれる場合に、アカウントに紐づく当該契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する。この時、制御部31は、削減可能な費用の金額を計算し、算出された金額を掲示してもよい。
【0065】
制御部31は、提示ステップS3において、図9に示す画面を出力部35に提示してもよい。図9は、費用削減アクションの実行により削減される支払いの費用の削減の効果を示す効果画面5の一例である。効果画面5は、どの費用削減アクションにより、どのくらいの費用の削減の効果を得られるかを示す画面である。この費用の削減の効果は、効果画面5に表示されるように削減される割合(図9では全体で約15%削減)で効果を示すものであってもよいし、削減される金額で効果を示すものであってもよい。
【0066】
(提示ステップS3以降の流れ)
制御部31は、提示ステップS3で提示された各契約対象について、費用削減アクションを実行してもよいか顧客クライアント装置4に承認依頼を送信する等することで、顧客ユーザに確認する。制御部31は、承認が得られた契約対象について、支払いの費用の削減のための費用削減アクションを実行する。この費用削減アクションは、契約対象に紐づく費用を削減するためのアクションであり、契約対象のプランの変更と、契約対象の組み合わせの最適化と、アカウントの管理とを含む。
【0067】
(契約対象のプランの変更)
制御部31は、以下に示す種類の契約対象について、契約対象のプランの変更の処理を実行する。
・月毎の単位で契約されており、かつ、月毎の単位から年毎の単位に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象
・契約されているプランにより使用可能となる機能が他の契約対象により代替可能、かつ、プランを変更することにより支払いの費用を削減可能な契約対象
・契約されているプランの変更によって使用の状況を維持可能、かつ、プランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象
この契約対象のプランの変更の処理は、各契約対象に対応するウェブサイトとAPI連携することによりプランの変更の処理の手続きを実行する処理であってもよい。また、契約対象のプランの変更の処理は、各契約対象に対応するプランの変更の定型文を、所定の送信方法により、各契約対象の問い合わせ先に送信する処理を含む。所定の送信方法は、チャットツール、電子メール、インスタントメッセージ等による送信の方法を含む。更に、契約対象のプランの変更の処理は、コンサルタントユーザが、ウェブサイトを操作したり、メッセージを送信したり、電話したりすることで実行されてもよい。
【0068】
(契約対象の組み合わせの最適化)
制御部31は、以下に示す種類の契約対象について、契約対象の組み合わせの最適化の処理を実行する。
・組織に紐づいて複数のテナントが契約されている契約対象
・機能が重複する契約対象
・最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない契約対象
この契約対象の組み合わせの最適化の処理は、各契約対象に対応するウェブサイトとAPI連携することにより契約対象の解約の処理の手続きを実行する処理であってもよい。また、契約対象の組み合わせの最適化の処理は、契約対象の解約を依頼する定型文を、所定の送信方法により、各契約対象の問い合わせ先に送信する処理を含む。更に、契約対象の組み合わせの最適化の処理は、コンサルタントユーザが、ウェブサイトを操作したり、メッセージを送信したり、電話したりすることで実行されてもよい。
【0069】
(アカウントの管理)
制御部31は、以下に示す種類の契約対象について、アカウントの管理の処理を実行する。
・退職した顧客ユーザ又は休職中の顧客ユーザのアカウント
・複数のテナントの各々に含まれる顧客ユーザのアカウントを比較し、複数のテナントに所属する顧客ユーザのアカウント
このアカウントの管理の処理は、各契約対象に対応するウェブサイトとAPI連携することによりアカウントの解約の手続きを実行する処理であってもよい。また、アカウントの管理の処理は、アカウントの解約を依頼する定型文を、所定の送信方法により、各契約対象の問い合わせ先に送信する処理を含む。更に、アカウントの管理の処理は、コンサルタントユーザが、ウェブサイトを操作したり、メッセージを送信したり、電話したりすることで実行されてもよい。
【0070】
なお、特定ステップS1を実行する前にコンサルタントユーザは、顧客ユーザからサービス利用料を取得してもよい。制御部31は、組織に所属する人数と、組織の業種と、支払データとの少なくとも一つに基づいて、費用の削減見込み額を算出し、削減見込み額に応じた金額を組織に対するサービス利用料として決定する。例えば、制御部31は、支払データをその組織に所属する人数で割ることでその組織の一人当たりの費用を算出し、その組織の業種の平均との差分を、費用の削減見込額として決定する。制御部31は、この削減見込額の一定の割合をサービス利用料として決定する。
【0071】
また、コンサルタントユーザは、提示した候補に基づいて削減される支払いの費用が、サービス利用料を下回った場合に、組織に対して、サービス利用料の一部を返金する。ある観点によると、制御部31は、提示した候補に基づいて削減される支払いの費用が、サービス利用料を下回った場合に、組織の銀行口座に対して、サービス利用料の一部を返金する処理を実行する。サービス利用料の一部は、サービス利用料の40%―50%の金額等任意の金額とすることができる。例えば、削減見込み額が500万円で、サービス利用料が200万円であった場合に、掲示した候補に基づいて削減される支払い金額が100万円であった場合、200万―100万円=100万円を返金する。なお、このような返金処理は、契約対象管理サービスを通じて実行されてもよい。
【0072】
本実施形態によれば、情報処理システム1は、支払データを含む入力データを受け付ける。支払データは、組織内で使用される、サービス、システム、又はソフトウェアに対する支払いについてのデータである。情報処理システム1は、入力データから、組織が契約中の複数のサービス、システム、又はソフトウェアを特定する。情報処理システム1は、複数のサービス、システム、又はソフトウェアの中から、支払いの費用を削減可能な、サービス、システム、又はソフトウェアの候補を掲示する。
【0073】
本実施形態によれば、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能となる。支払いの費用を効率的に削減可能な契約対象を提示するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置2、コンサルタントクライアント装置3及び顧客クライアント装置4のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。また、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置又はコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0074】
[実施形態2]
実施形態2では、顧客ユーザが、コンサルタントユーザを介さずに、サーバ装置2により提供されるサービスを使用して、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減する例について説明する。
【0075】
1.システム構成
実施形態2の情報処理システム1のシステム構成は、コンサルタントクライアント装置3を含まなくてもよい点を除いて、実施形態1の情報処理システム1のシステム構成と同様である。
【0076】
2.ハード構成
実施形態2のサーバ装置2及び顧客クライアント装置4の各ハード構成については、実施形態1のサーバ装置2及び顧客クライアント装置4のハード構成と同様である。
【0077】
3.情報処理方法
実施形態2では、実施形態1と比較して、制御部31が実行していた一部の情報処理を制御部21が実行する。実施形態2では、図10に示す情報処理を実行する。図10は、実施形態2に係る情報処理を説明する図の一例である。
【0078】
(アクティビティA1)
制御部41は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補の提示の指示を顧客ユーザから受け付ける。制御部41は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補の提示の指示をサーバ装置2に送信する。
【0079】
(アクティビティA2)
制御部21は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補の提示の指示を顧客クライアント装置4から受け付ける。
【0080】
(アクティビティA3)
制御部21は、図5の特定ステップS1で制御部31が実行した情報処理を実行する。
【0081】
(アクティビティA4)
制御部21は、図5の分析ステップS2で制御部31が実行した情報処理を実行する。
【0082】
(アクティビティA5)
制御部21は、図5の提示ステップS3で制御部31が実行した情報処理を実行する。
【0083】
(アクティビティA6)
制御部21は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を顧客クライアント装置4に送信する。
【0084】
(アクティビティA7)
制御部41は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補をサーバ装置2から受信する。
【0085】
(アクティビティA8)
制御部41は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を出力部45に表示させる。制御部41は、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補の中から、費用削減アクションを実行する契約対象の指定と、費用削減アクションの実行の指示とを顧客ユーザから受け付ける。
【0086】
(アクティビティA9)
制御部41は、指定された契約対象と、費用削減アクションの実行の指示とをサーバ装置2に送信する。
【0087】
(アクティビティA10)
制御部21は、指定された契約対象と、費用削減アクションの実行の指示とを顧客クライアント装置4から受け付ける。
【0088】
(アクティビティA11)
制御部21は、指定された契約対象について、費用削減アクションを実行する。
【0089】
(アクティビティA12)
制御部21は、削減した費用がサービス利用料を下回ったか否か判定する。サービス利用料の決定は、実施形態1を参照されたい。削減した費用がサービス利用料を下回った場合、制御部21は、アクティビティA13に処理を進める。削減した費用がサービス利用料を上回った場合、制御部21は、情報処理を終了する。
【0090】
(アクティビティA13)
制御部21は、提示した候補に基づいて削減される支払いの費用が、サービス利用料を下回った場合に、組織に対して、サービス利用料の一部を返金する処理を実行する。
【0091】
本実施形態によれば、情報処理システム1は、支払データを含む入力データを受け付ける。支払データは、組織内で使用される、サービス、システム、又はソフトウェアに対する支払いについてのデータである。情報処理システム1は、入力データから、組織が契約中の複数のサービス、システム、又はソフトウェアを特定する。情報処理システム1は、複数のサービス、システム、又はソフトウェアの中から、支払いの費用を削減可能な、サービス、システム、又はソフトウェアの候補を掲示する。
【0092】
本実施形態によれば、契約対象に紐づく支払いの費用を効率的に削減することが可能となる。支払いの費用を効率的に削減可能な契約対象を提示するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置2及び顧客クライアント装置4のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。また、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置又はコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0093】
[その他]
サーバ装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0094】
上記実施形態では、サーバ装置2が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0095】
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、コンピュータを、情報処理システム1の制御部31として機能させるプログラムであってもよい。また、情報処理方法は、情報処理システムが実行する情報処理方法である。情報処理システム1は、方法を実行する制御部を備える。
【0096】
また、ユーザが利用中の契約対象を特定する処理は次のように、記憶部22が記憶するデータベースと、ユーザの支払情報とのマッチングを行うことによって、実行されてもよい。
【0097】
図11は、データベースに記憶されるデータの一例である。データベースは、少なくとも複数のサービス名を記憶している。また、図11に示されるように、データベースは、複数のサービス名毎に、サービス名を特定するサービスID、サービス名、サービス名の提供者、カテゴリ、ユーザー1人あたりの料金[円/月]、及びサービスに関する説明が掲載されているウェブサイトへのリンクを表すURLを対応付けて記憶してもよい。
【0098】
ここで、図11におけるサービス名は、主にサブスクリプション型のSaaS形式で提供されるものを示している。かかるサービスのカテゴリは、機能別に分類されたカテゴリであって、チャット、TV会議、案件管理、勤怠管理、財務・会計であってもよい。ここで、カテゴリは任意に分類することが可能であり、機能別、料金別、利用地域別、関連会社別、部署別、チーム別、ユーザー別により分類されたものでもよい。また、かかるカテゴリは、複数のサービスをインストール可能なアプリストアで表記されている記載を用いてもよく、データベースの構築者が独自のカテゴリに分類してもよい。すなわち、データベースは、複数のサービス名毎に、サービスの種類を示すカテゴリ情報を記憶してもよい。
【0099】
変形例では、制御部31は、アクセスしたデータベースに記憶される複数のサービス名の中から、テキスト情報に対応するサービス名を特定する。例えば、支払情報に含まれるテキスト情報が、図12に示される「A社(service_a)」である場合には、データベースに記憶されるデータ(図11参照)の中に、「A社(service_a)」に対応するサービス名が存在するか否かを調べる。そして、データベースに記憶されるデータの中に「A社(service_a)」に対応するサービス名である「service_a」が存在する場合、サービスIDが「1」で特定される「service_a」を、テキスト情報である「A社(service_a)」に対応するサービス名として特定する。
【0100】
図12は、会計システムにより管理される支払情報を示す。かかる支払情報は、情報処理システム1と会計システムをAPI(Application Programming Interface)により接続することで、スプレッドシート形式で取得することができる。図12に示されるように、支払情報は、支払金額(金額の列に含まれる情報)と、支払金額に対応するテキスト情報(支払先・内容の列に含まれる情報)を含む。ここで、テキスト情報は、サービスの提供者名(A社、B社、C社)と、サービス名(service_a,service_b,service_c)と、の少なくとも一方を特定できる情報である。図12の例では、テキスト情報として、サービスの提供者名とサービス名がセットになった情報がテキスト情報に相当する。ここで、テキスト情報は、サービスの提供者名のみ、又はサービス名のみ、であってもよい。
【0101】
図12の例では、明細番号毎に、サービスを利用した(又は費用が発生する起点となる)「日付」と、テキスト情報の一例である「支払先・内容」と、利用サービスに対する支払金額である「金額」と、経費計上する際の経費科目」と、現在の「税区分」と、が対応付いて管理されている。ここで、支払情報の内容は、支払情報を生成する者が任意に定めることができる。
【0102】
更に、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0103】
(1)方法であって、支払データを含む入力データを受け付け、ここで前記支払データは、組織内で使用される契約対象に対する支払いについてのデータであり、前記契約対象は、サービスとシステムとソフトウェアとのうち少なくとも1つを含み、前記入力データから、前記組織が契約中の複数の契約対象を特定し、前記複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示する、方法。
【0104】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0105】
(2)上記(1)に記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、月毎の単位で契約されており、かつ、月毎の単位から年毎の単位に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0106】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、月毎の単位から年毎の単位に契約を変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0107】
(3)上記(2)に記載の方法において、2か月以上連続で支払いがされた契約対象を、月毎の単位で契約されている契約対象であると判断する、方法。
【0108】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、月毎の単位で契約されている契約対象の判断ができるようになる。
【0109】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、契約されているプランの変更によって使用の状況を維持可能、かつ、前記プランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0110】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、契約のプランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0111】
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、契約されているプランにより使用可能となる機能が他の契約対象により代替可能、かつ、前記プランを変更することにより支払いの費用を削減可能な契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0112】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、契約のプランを変更することで支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0113】
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、機能が重複する契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0114】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、機能が重複する契約対象を支払いの費用を削減可能な契約対象の候補として掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0115】
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、前記組織に紐づいて複数のテナントが契約されている、契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、前記複数のテナントを統合することにより、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0116】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、複数のテナントを含む契約対象を支払いの費用を削減可能な契約対象の候補として掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0117】
(8)上記(7)に記載の方法において、前記複数のテナントの各々に含まれるユーザのアカウントを比較し、複数のテナントに所属するユーザのアカウントが存在する場合に、前記ユーザのアカウントを、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0118】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、複数のテナントを含み、ユーザが重複して登録されている契約対象を、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補として掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0119】
(9)上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない契約対象が含まれる場合に、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0120】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、最後に利用されてから一定期間以上を利用されていない契約対象を、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補として掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0121】
(10)上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の方法において、前記複数の契約対象の中に、退職した又は休職中の、ユーザのアカウントが含まれる場合に、前記アカウントに紐づく、前記契約対象を、支払いの費用を削減可能な候補として掲示する、方法。
【0122】
このような構成によれば、組織が契約中の複数の契約対象の中から、退職したユーザ又は休職中のユーザのアカウントを含む契約対象を、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補として掲示するため、契約対象の支払いの費用を効率的に削減することができるようになる。
【0123】
(11)上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の方法において、前記支払データを請求書のデータから取得する、方法。
【0124】
このような構成によれば、請求書のデータに基づいて、組織が契約中の複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示することができる。
【0125】
(12)上記(1)~(11)のいずれか1つに記載の方法において、前記支払データを電子メールのデータから取得する、方法。
【0126】
このような構成によれば、電子メールのデータに基づいて、組織が契約中の複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示することができる。
【0127】
(13)上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の方法において、前記支払データを、前記組織の会計のデータを管理するシステムから取得する、方法。
【0128】
このような構成によれば、組織の会計のデータを管理するシステムと連携することにより、組織が契約中の複数の契約対象の中から、支払いの費用を削減可能な契約対象の候補を掲示することができる。
【0129】
(14)上記(1)~(13)のいずれか1つに記載の方法において、前記組織に所属する人数と、前記組織の業種と、前記支払データとの少なくとも一つに基づいて、費用の削減見込み額を算出し、前記削減見込み額に応じた金額を前記組織に対するサービス利用料として決定し、提示した前記候補に基づいて削減される支払いの費用が、前記サービス利用料を下回った場合に、前記組織に対して、前記サービス利用料の一部を返金する、方法。
【0130】
このような構成によれば、一定以上の費用の削減の効果が得られなかった場合、顧客ユーザにサービス利用料の一部を返金することができる。
【0131】
(15)プログラムであって、コンピュータを、上記(1)~(14)のいずれか1つに記載の方法を実行する制御部として機能させるためのプログラム。
【0132】
(16)情報処理システムであって、上記(1)~(14)のいずれか1つに記載の方法を実行する制御部を備える、情報処理システム。
もちろん、この限りではない。
【0133】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0134】
1 :情報処理システム
2 :サーバ装置
20 :通信バス
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
3 :コンサルタントクライアント装置
30 :通信バス
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
4 :顧客クライアント装置
40 :通信バス
41 :制御部
42 :記憶部
43 :通信部
44 :入力部
45 :出力部
5 :効果画面
D1 :名称参照情報
D10 :支払先データ
D11 :料金データ
D12 :名称データ
D2 :契約参照情報
D20 :契約対象データ
D21a :料金データ
D21b :料金データ
D22 :グレードデータ
D23 :機能データ
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12