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  • 特開-プリント配線板 図1
  • 特開-プリント配線板 図2A
  • 特開-プリント配線板 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078765
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/38 20060101AFI20240604BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240604BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H05K3/38 A
H05K1/18 Z
H05K3/34 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191303
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊輔
【テーマコード(参考)】
5E319
5E336
5E343
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC02
5E319CC22
5E319GG20
5E336AA04
5E336BB03
5E336BB15
5E336DD02
5E336GG30
5E343AA12
5E343AA36
5E343BB09
5E343GG04
(57)【要約】
【課題】ソケットへの嵌め込み取り外しを容易化できるプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、最上の樹脂絶縁層と、前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている電子部品搭載用パッドと、前記最上の樹脂絶縁層と前記電子部品搭載用パッド上に形成されていて、前記電子部品搭載用パッドを部分的に露出するための第1開口を有する上側のソルダーレジスト層と、最下の樹脂絶縁層と、前記最下の樹脂絶縁層上に形成されている金属ピン搭載用パッドと、前記最下の樹脂絶縁層と前記金属ピン搭載用パッド上に形成されていて、前記金属ピン搭載用パッドを完全に露出するための第2開口を有する下側のソルダーレジスト層、とを有する。前記金属ピンは、略円柱状の鍔部と前記鍔部から延びる軸部からなるTピンであり、前記最上の樹脂絶縁層の上面の第1粗さは、前記最下の樹脂絶縁層の上面の第2粗さより小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最上の樹脂絶縁層と、
前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている電子部品搭載用パッドと、
前記最上の樹脂絶縁層と前記電子部品搭載用パッド上に形成されていて、前記電子部品搭載用パッドを部分的に露出するための第1開口を有する上側のソルダーレジスト層と、
最下の樹脂絶縁層と、
前記最下の樹脂絶縁層上に形成されている金属ピン搭載用パッドと、
前記最下の樹脂絶縁層と前記金属ピン搭載用パッド上に形成されていて、前記金属ピン搭載用パッドを完全に露出するための第2開口を有する下側のソルダーレジスト層、とを有するプリント配線板であって、
前記金属ピンは、略円柱状の鍔部と前記鍔部から延びる軸部からなるTピンであり、
前記最上の樹脂絶縁層の上面の第1粗さは、前記最下の樹脂絶縁層の上面の第2粗さより小さい。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2粗さは、前記第1粗さの1.5倍以上である。
【請求項3】
請求項2のプリント配線板であって、前記第2粗さは、前記第1粗さの2倍以上である。
【請求項4】
請求項3のプリント配線板であって、前記第2粗さは、前記第1粗さの3倍以下である。
【請求項5】
請求項1のプリント配線板であって、前記電子部品搭載用パッドの外周は前記上側のソルダーレジスト層で完全に覆われている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リードピン付き配線基板を開示している。特許文献1の図1に示されるように、特許文献1は、フランジ部と軸部からなるリードピンを開示している。そして、フランジ部は凸状部を有し、凸状部と電極が接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-217341号公報
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1の技術では、リードピンのフランジ部が凸状部を有するので、リードピンが傾きやすいと考えられる。リードピンが傾くと、リードピン付き配線基板をソケットに嵌めることやリードピン付き配線基板をソケットから外すことが難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、最上の樹脂絶縁層と、前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている電子部品搭載用パッドと、前記最上の樹脂絶縁層と前記電子部品搭載用パッド上に形成されていて、前記電子部品搭載用パッドを部分的に露出するための第1開口を有する上側のソルダーレジスト層と、最下の樹脂絶縁層と、前記最下の樹脂絶縁層上に形成されている金属ピン搭載用パッドと、前記最下の樹脂絶縁層と前記金属ピン搭載用パッド上に形成されていて、前記金属ピン搭載用パッドを完全に露出するための第2開口を有する下側のソルダーレジスト層、とを有する。前記金属ピンは、略円柱状の鍔部と前記鍔部から延びる軸部からなるTピンであり、前記最上の樹脂絶縁層の上面の第1粗さは、前記最下の樹脂絶縁層の上面の第2粗さより小さい。
【0006】
本発明の実施形態では、金属ピンは、略円柱状の鍔部(フランジ部)と軸部からなるTピンである。そのため、金属ピン搭載用パッドに向く鍔部の面が略平坦である。そのため、金属ピンが傾き難い。実施形態のTピンと特許文献1のリードピン間で金属ピン搭載用パッドとフランジ間の接触面積が比較される。フランジ部の径が同じであると、実施形態の接触面積は特許文献1の接触面積より小さい。しかしながら、実施形態では、金属ピン搭載用パッドがNSMDパッドなので、鍔部の径を大きくすることができる。そのため、金属ピンと金属ピン搭載用パッド間の接触面積を大きくすることができる。金属ピンがTピンであっても、金属ピン搭載用パッドをNSMDにすることで、Tピンと金属ピン搭載用パッド間の接合強度を高くすることができる。パッドがNSMDパッドの場合、パッドの外周がソルダーレジスト層で被覆されていない。そのため、金属ピン搭載用パッドが最下の樹脂絶縁層から剥がれやすい。実施形態では、最下の樹脂絶縁層の上面の粗さ(第2粗さ)が最上の樹脂絶縁層の上面の粗さ(第1粗さ)より大きい。そのため、金属ピン搭載用パッドがNSMDパッドであっても最下の樹脂絶縁層から剥がれ難い。実施形態のプリント配線板では、金属ピンと金属ピン搭載用パッド間の接合強度が高い。金属ピンの傾きを防止することができる。そのため、金属ピン付きプリント配線板をソケットに容易に嵌めることができ、また、金属ピン付きプリント配線板をソケットから容易に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2A図1中A部を抽出して模式的に示す断面図。
図2B図1中B部を抽出して模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図1は、実施形態の半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、実施形態のプリント配線板10とプリント配線板10に実装されている電子部品90で形成されている。
【0009】
図2A及び図2Bに示されるように、プリント配線板10は、コア基板(図示省略)とコア基板の表裏に形成されているビルドアップ層80A,80Bを有する。 コア基板とビルドアップ層80A、80Bは周知な方法で製造されている。ビルドアップ層80A,80Bは、樹脂絶縁層150U、150Lと導体層158U、158Lと樹脂絶縁層150U、150Lを貫通し隣接する導体層を接続するビア導体(図示せず)で形成されている。樹脂絶縁層150Uは最上の樹脂絶縁層である。樹脂絶縁層150Lは最下の樹脂絶縁層である。樹脂絶縁層150Uの上面150aの表面粗さ(第1粗さ)は、樹脂絶縁層150Lの上面150bの表面粗さ(第2粗さ)より小さい。第2粗さは、第1粗さの1.5倍以上である。あるいは、第2粗さは、第1粗さの2倍以上である。あるいは、第2粗さは、第1粗さの3倍以下である。
【0010】
プリント配線板10は、ビルドアップ層80A,80B上にソルダーレジスト層70U、70Dを有する。ソルダーレジスト層70Uは第1開口71Uを有する。ソルダーレジスト層70Dは第2開口71Dを有する。ソルダーレジスト層70Uは上側のソルダーレジスト層である。ソルダーレジスト層70Dは下側のソルダーレジスト層である。
【0011】
第1開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158pは電子部品搭載用パッドである。パッド158pは、第1開口71Uにより部分的に露出される。パッド158pは、いわゆるSMD(Solder Mask Defined)パッドである。SMDパッドの外周はソルダーレジスト層70Uで覆われている。パッド158pの外周はソルダーレジスト層70Uで完全に覆われている。パッド158p上に電子部品90を実装するためのバンプ76Uが形成されている。バンプ76Uは半田により形成されている。あるいは、バンプ76Uはめっきにより形成されている。
【0012】
第2開口71Dにより露出される導体層158Lは金属ピン120を搭載するためのパッド(金属ピン搭載用パッド)158qとして機能する。パッド158qは、第2開口71Dにより完全に露出される。パッド158qは、いわゆるNSMD(Non Solder Mask Defined)パッドである。金属ピン120は、略円柱状の鍔部122と鍔部122から延びる軸部121からなるTピンである。パッド158q上に金属ピン120の鍔部122を実装するためのバンプ76Dが形成されている。バンプ76Dは半田により形成されている。
【0013】
図1に示されるように、実施形態のプリント配線板10に用いられている金属ピン120はTピンであるため、パッド158qに向く鍔部122の面が略平坦である。そのため、金属ピン120が傾き難い。金属ピン120を搭載するためのパッド158qがNSMDパッドである。そのため、鍔部122の大きさを大きくすることができる。金属ピン120とパッド158q間の接触面積を大きくすることができる。その結果、金属ピン120とパッド158qの間の接合強度を高くすることができる。樹脂絶縁層150Lの上面150bの第2粗さが樹脂絶縁層150Uの上面150aの第1粗さより大きい。そのため、パッド158qがNSMDパッドであっても樹脂絶縁層150Lから剥がれ難い。実施形態のプリント配線板10では、金属ピン120とパッド158q間の接合強度が高い。金属ピン120の傾きを防止することができる。そのため、金属ピン120付きのプリント配線板10をソケットに容易に嵌めることができる。金属ピン120付きのプリント配線板10をソケットから容易に外すことができる。
【符号の説明】
【0014】
10 :プリント配線板
70D :ソルダーレジスト層
70U :ソルダーレジスト層
71D :第2開口
71U :第1開口
76D :バンプ
76U :バンプ
80A :ビルドアップ層
80B :ビルドアップ層
90 :電子部品
120 :金属ピン
121 :軸部
122 :鍔部
150a 上面
150b 上面
150L:樹脂絶縁層
150U:樹脂絶縁層
158L:導体層
158U:導体層
158p:パッド
158q:パッド
200 :半導体装置
図1
図2A
図2B