(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078767
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】水流導光センサ
(51)【国際特許分類】
G01S 17/88 20060101AFI20240604BHJP
G01S 17/10 20200101ALI20240604BHJP
E03C 1/05 20060101ALN20240604BHJP
【FI】
G01S17/88
G01S17/10
E03C1/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191306
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】在原 快
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡郎
(72)【発明者】
【氏名】立川 徹
【テーマコード(参考)】
2D060
5J084
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060CA04
5J084AA05
5J084AB07
5J084AB20
5J084AD01
5J084CA03
5J084EA07
(57)【要約】
【課題】吐水部から出た吐水に触れた物体を検知でき、かつ、検知範囲が広い水流導光センサを提供する。
【解決手段】水流導光センサ1は、装飾的設備として設置される吐水部2と、吐水部2の流路21内に配置され、吐水部2から吐き出された吐水5に触れた物体6を検知する検知部3と、を備えている。流路21の出口から水平方向に吐き出された吐水5は、湾曲しながら落下する。検知部3は、流路21内の水にパルス光を照射するとともに流路21の出口に向かってパルス光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて吐水5の中を導光され、物体6に反射された光を受光する受光部と、を備えている。水流導光センサ1は、物体6が吐水5の何れの箇所に触れていても物体6の存在とその位置を検知することが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流れる流路を有し、該流路の出口から水を出す吐水部と、
前記吐水部の内部に配置され、前記出口から出た吐水に触れた物体を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記流路内の水に光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて前記吐水の中を導光され、前記物体に反射された光を受光する受光部と、を備えている
ことを特徴とする水流導光センサ。
【請求項2】
前記検知部は、パルス光を照射し、該パルス光が戻ってくるまでの時間を計測して当該検知部と前記物体との距離を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の水流導光センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水と光を用いて物体を検知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤外線を投光し、物体に反射した反射光を受光することで物体を検知するセンサが公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、吐水部から吐き出された吐水に触れた物体を検知する技術について検討した。上述した従来のセンサを用いる場合、
図4に示すように、吐水部502の外部にセンサ503を設けた物体検知構造501が考えられる。センサ503は、吐水部502から吐き出された吐水505に向けて赤外線を投光する。吐水505に手などの物体506が触れている場合、物体506に反射した反射光をセンサ503が受光することで物体506を検知する。
【0005】
しかしながら、上記物体検知構造501においては、吐水505に触れる物体506が決まった位置にないと(検知範囲から外れると)センサ503が物体506を検知できないという問題があり、改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、吐水部から出た吐水に触れた物体を検知でき、かつ、検知範囲が広い水流導光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水が流れる流路を有し、該流路の出口から水を出す吐水部と、前記吐水部の内部に配置され、前記出口から出た吐水に触れた物体を検知する検知部と、を備え、前記検知部は、前記流路内の水に光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて前記吐水の中を導光され、前記物体に反射された光を受光する受光部と、を備えていることを特徴とする水流導光センサである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吐水部から出た吐水に触れた物体を検知でき、かつ、検知範囲が広い水流導光センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる水流導光センサの概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態にかかる水流導光センサの概略図である。
【
図3】本発明の第3実施形態にかかる水流導光センサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態にかかる「水流導光センサ」を
図1を参照して説明する。
【0011】
図1に示す本例の水流導光センサ1は、観光施設、遊園地、商業施設などに装飾的設備として設置される吐水部2と、吐水部2の流路21内に配置され、吐水部2から吐き出された吐水5に触れた物体6を検知する検知部3と、検知部3を吐水部2の内部に固定するための固定部材4と、を備えている。図示例では、吐水5に「物体」としての人間の手6が触れているが、水流導光センサ1が検知する物体は人体に限らない。
【0012】
吐水部2は、水が流れる流路21を有し、該流路21の出口から水を吐き出す。流路21の出口近傍は水平方向に延びており、出口から水平方向に吐き出された吐水5は、湾曲しながら落下し、不図示の水受けで回収される。本例の吐水部2は、上述したように装飾的設備として設置されるものであり、設置施設の営業時間中は常時水を吐き出している。これ以外に、任意に吐水開始、吐水終了させるための操作機構を設けるようにしてもよい。
【0013】
検知部3は、流路21内の水に光を照射するとともに流路21の出口に向かって光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて吐水5の中を導光され、物体6に反射された光を受光する受光部と、を備えている。
図1中の矢印は、光照射部から照射された光の進路の一例を示している。物体6に反射された光も吐水5の中を導光されて流路21内に戻る。なお、赤外線は水中での減衰が著しいため、光照射部は、赤外線よりも短波長の可視光線を照射する。
【0014】
また、検知部3は、所定間隔で発光するパルス光を照射し、該パルス光が戻ってくるまでの時間を計測して当該検知部3と物体6との距離を算出する。吐水5の落下軌道は予め規定されているので、検知した検知部3と物体6との距離を吐水5の落下軌道上に当てはめることで物体6の位置を算出することができる。
【0015】
上記水流導光センサ1は、物体6が吐水5の何れの箇所(吐水部2の出口から前記水受けまでの何れの箇所)に触れていても物体6の存在とその位置を検知することが可能である。また、検知部3が吐水部2の外部に露出していないので、吐水部2のデザイン性を良好なものとすることができる。なお、固定部材4は吐水部2の外部に露出しているが、検知部3の固定部材は吐水部2に内蔵されていてもよい。
【0016】
また、上記水流導光センサ1は、不図示の制御部と接続されており、物体6の検知信号を制御部に出力する。制御部は、物体6の検知信号に基づいて各種の演出プログラムを実行する。演出プログラムは、例えば、上述した施設に備わった照明装置に特別な照明を行わせたり、スピーカーから音声を出力させたりするものである。検知した物体6の位置に応じて演出内容を変更してもよい。
【0017】
本発明の第2実施形態にかかる「水流導光センサ」を
図2を参照して説明する。
【0018】
図2に示す本例の水流導光センサ101は、浴槽に適用されるものである。浴槽は、湯水を貯める浴槽本体100と、この浴槽本体100内に湯水を吐き出す吐水部102と、吐水部102の流路121内に配置され、吐水部102から吐き出された吐水105に触れた物体106を検知する検知部103と、これらを制御する制御部と、制御部への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)等を備えている。
【0019】
本例の吐水部102は、浴槽本体100に浸かっている入浴者の首や肩を温めることを主機能とするものである。よって、吐水105に触れる物体106は、ほとんどの場合が入浴者となる。吐水部102は、湯水が流れる流路121を有し、該流路121の出口から湯水を吐き出す。流路121の出口近傍は水平方向に延びており、出口から水平方向に吐き出された吐水105は、入浴者が吐水部102の近くにいない場合は、湾曲しながら浴槽本体100の水面107に落下する。入浴者が吐水部102の近くにいる場合は、入浴者の体に当たる。
【0020】
検知部103は、第1実施形態の検知部3と同様に、流路121内の湯水にパルス光を照射するとともに流路121の出口に向かってパルス光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて吐水105の中を導光され、物体106に反射された光を受光する受光部と、を備えている。
【0021】
検知部103が吐水105に触れている物体106を検知すると、制御部は各種のプログラムを実行する。プログラムは、例えば、浴室内の照明装置に特別な照明を行わせたり、検知した物体106の位置に応じて照明範囲を変更させたり、ヒーリングサウンドを流したりするものである。
【0022】
本発明の第3実施形態にかかる「水流導光センサ」を
図3を参照して説明する。
図3において、第2実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
図3に示す本例の水流導光センサ201は、第2実施形態と同様に浴槽に適用されるものである。浴槽は、湯水を貯める浴槽本体100と、この浴槽本体100内に湯水を吐き出す吐水部202と、吐水部202の流路221内に配置され、吐水部202から吐き出された吐水205に触れた物体106を検知する検知部103と、これらを制御する制御部と、制御部への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)等を備えている。
【0024】
本例の吐水部202は、湯水を勢いよく噴出して浴槽本体100に浸かっている入浴者の体に刺激を与えることを主機能とするものである。このような機能は一般的に「ジェットバス」と呼ばれている。よって、吐水205に触れる物体106は、ほとんどの場合が入浴者となる。吐水部202は、湯水が流れる流路221を有し、該流路221の出口から湯水を噴出する。流路221の出口近傍は水平方向に延びており、出口から水平方向に噴出された吐水205は、浴槽本体100に溜められた湯の中に噴出される。
【0025】
検知部103は、第2実施形態の検知部103と同じ構成であり、流路221内の湯水にパルス光を照射するとともに流路221の出口に向かってパルス光を照射する光照射部と、該光照射部から照射されて吐水205の中を導光され、物体106に反射された光を受光する受光部と、を備えている。検知部103が吐水205に触れている物体106を検知すると、制御部は各種のプログラムを実行する。
【0026】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0027】
1,101,201 水流導光センサ
2,102,202 吐水部
3,103 検知部
5,105,205 吐水
6,106 物体