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特開2024-78819空気入りタイヤおよびタイヤ成型用金型
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078819
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】空気入りタイヤおよびタイヤ成型用金型
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/12 20060101AFI20240604BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240604BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60C11/12 A
B60C11/12 C
B60C11/03 300A
B29C33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191385
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】網本 光希
【テーマコード(参考)】
3D131
4F202
【Fターム(参考)】
3D131BC12
3D131BC18
3D131EB83V
3D131EB83X
3D131EB83Z
3D131EB84V
3D131EB84X
3D131EB84Z
3D131EC12V
3D131EC12X
3D131EC12Z
3D131LA28
4F202AA45
4F202AH20
4F202AR13
4F202CA21
4F202CK12
4F202CU02
(57)【要約】
【課題】ブロック剛性を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤ10は、サイプ41が形成されたブロック30を含むトレッド20を有する空気入りタイヤ10であって、サイプ41は、タイヤ深さ方向Yから見て少なくとも波形部分41Aを含み、タイヤ深さ方向Yから見て波形部分41Aに沿って鋸刃形41Cに形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイプが形成されたブロックを含むトレッドを有する空気入りタイヤであって、
前記サイプは、タイヤ深さ方向から見て少なくとも波形部分を含み、タイヤ深さ方向から見て前記波形部分に沿って鋸刃形に形成されている、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
サイプが形成されたブロックを含むトレッドを有する空気入りタイヤであって、
前記サイプは、タイヤ深さ方向から見て、少なくとも波形部分と、ストレート部分と、を含み、タイヤ軸方向から見てタイヤ深さ方向に沿って鋸刃形に形成されている、
空気入りタイヤ。
【請求項3】
請求項2に記載の空気入りタイヤであって、
前記サイプの前記ストレート部分のみがタイヤ軸方向から見てタイヤ深さ方向に沿って鋸刃形に形成されている、
空気入りタイヤ。
【請求項4】
タイヤのトレッドのブロックにサイプを形成するためのサイプブレードを備えるタイヤ成型用金型であって、
前記サイプブレードは、タイヤ深さ方向から見て少なくとも波形部分を含み、タイヤ深さ方向から見て前記波形部分に沿って鋸刃形に形成されている、
タイヤ成型用金型。
【請求項5】
タイヤのトレッドのブロックにサイプを形成するためのサイプブレードを備えるタイヤ成型用金型であって、
前記サイプブレードは、タイヤ深さ方向から見て、少なくとも波形部分と、ストレート部分と、を含み、タイヤ軸方向から見てタイヤ深さ方向に沿って鋸刃形に形成されている、
タイヤ成型用金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイプが形成されたブロックを含むトレッドを有する空気入りタイヤ、および当該空気入りタイヤを成型するタイヤ成型用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは、路面に接地する部分であるトレッドを有している。トレッドは、複数のブロックを含んでいる。各ブロックには、サイプが形成されている。サイプによれば、氷雪路においてエッジ効果および除水効果が得られる。空気入りタイヤのサイプは、タイヤ成型用金型が備えているサイプブレードを用いて成型される。
【0003】
例えば、特許文献1には、サイプ幅方向と深さ方向とで波の周期が異なる空気入りタイヤが開示されている。また、特許文献2には、サイプ幅方向の中央部は波(ジグザグ)形状であって、サイプ幅方向の端部は深さ方向で波(ジグザグ)形状の空気入りタイヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-515468号公報
【特許文献2】特開2006-082659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および特許文献2に開示された空気入りタイヤでは、ブロック剛性の向上について改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、ブロック剛性を向上させることができる空気入りタイヤおよびタイヤ成型金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空気入りタイヤは、サイプが形成されたブロックを含むトレッドを有する空気入りタイヤであって、サイプは、タイヤ深さ方向から見て少なくとも波形部分を含み、タイヤ深さ方向から見て波形部分に沿って鋸刃形に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の空気入りタイヤによれば、ブロック剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の一例である空気入りタイヤのブロックを示す模式平面図である。
図2】実施形態1のサイプを示す斜視図である。
図3】実施形態2のサイプを示す斜視図である。
図4】実施形態3のサイプを示す斜視図である。
図5】実施形態の一例であるタイヤ成型用金型を示す模式図である。
図6】実施形態1のサイプを成型するサイプブレードを示す斜視図である。
図7】実施形態2のサイプを成型するサイプブレードを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。
【0011】
[空気入りタイヤ]
図1を用いて、実施形態の一例である空気入りタイヤ10について説明する。
【0012】
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、ブロック30を含むトレッド20を有している。また、ブロック30には、サイプ41が形成されている。空気入りタイヤ10によれば、詳細は後述するが、ブロック剛性を向上させることができる。
【0013】
以下では、タイヤ軸方向X、タイヤ深さ方向Yおよびタイヤ周方向Zに従って、各部材について説明する。また、タイヤ軸方向Xでは、赤道CLを用いて説明する場合もある。
【0014】
トレッド20は、空気入りタイヤ10において路面に接地する部分である。トレッド20は、主溝21と副溝22とによって区切られる複数のブロック30を有している。ブロック30は、それぞれ平面視にて赤道CLに向かうに従ってタイヤ軸方向Xの長さが小さくなる矩形状に形成され、トレッド20において整列して形成されている。ただし、本発明のブロックは、本実施形態の矩形状に限定されることはない。本発明のブロックは、主溝21と副溝22とで区切られていれば、ひし形でもよく、平行四辺形でもよく、特に形状が限定されることはない。
【0015】
主溝21は、タイヤ周方向Zに沿って延びる溝である。主溝21は、タイヤ周方向Zに沿って直線状に形成されている。副溝22は、タイヤ軸方向Xに沿って延びる溝である。副溝22は、タイヤ軸方向Xに沿って直線状に形成されている。ただし、本発明の主溝または副溝は、本実施形態の主溝21または副溝22の形状に限定されることはない。本発明では、主溝がタイヤ周方向Zに対して傾斜して形成されていてもよく、副溝がタイヤ軸方向Xに対して傾斜して形成されていてもよい。
【0016】
[実施形態1のサイプ]
図1および図2を用いて、実施形態1のサイプ41について説明する。
【0017】
図1に示すように、ブロック30には、サイプ41が形成されている。サイプ41は、ブロック30のタイヤ周方向Zにおいて等間隔に例えば3本形成されている。サイプ41の溝の深さは、ブロック30のタイヤ深さ方向Yの長さの60~80%であることが好ましい(図2参照)。
【0018】
ただし、本発明のサイプは、本実施形態のタイヤ周方向Zにおいて等間隔に3本形成されたサイプ41に限定されることはない。本発明のサイプは、ブロック30に3~5本形成されていてもよい。また、本発明のサイプは、タイヤ軸方向Xに対し傾斜して形成されていてもよい。さらに、本発明のサイプは、ブロック30のタイヤ軸方向Xの端側を貫通するオープンサイプであってもよく、ブロック30のタイヤ軸方向Xの端側を貫通しないクローズサイプであってもよい。
【0019】
サイプ41によれば、ブロック30を軟らかくして路面への接触面を増加させて路面との摩擦力を向上させている。また、サイプ41によれば、氷雪路においてエッジ効果および除水効果が得られる。エッジ効果とは、氷雪路においてブロック30またはサイプ41の角部分で路面を引っ掻きグリップ力を増加させることができる効果である。除水効果とは、氷雪路においてサイプ41の空隙に水を取り込むことができる効果である。
【0020】
図2に示すように、サイプ41は、タイヤ深さ方向Yからみて波形部分41Aと、ストレート部分41Bとを含んでいる。ただし、本発明のサイプは、波形部分のみから形成されていてもよい。
【0021】
波形部分41Aの波形は、タイヤ深さ方向Yからみて正弦波に近い波形に形成されている。ただし、本発明の波形は、正弦波に近い波形に限定されない。本発明の波形は、ジグザグ状の波形、ジグザグ状に近い波形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形波形等であってもよい。波形部分41Aによれば、一般的なストレートサイプと比較して、上述したサイプ41のエッジ効果をさらに向上させることができる。
【0022】
ストレート部分41Bは、タイヤ軸方向Xにおいて波形部分41Aの両側に形成されている。ただし、本発明のストレート部分は、波形部分に挟まれて形成されていてもよく、波形部分の一方側にのみ形成されていてもよい。また、ストレート部分41Bの溝の深さ(タイヤ深さ方向Yの長さ)は、波形部分41Aの溝の深さよりも浅くなるように形成されている。
【0023】
サイプ41(波形部分41Aおよびストレート部分41B)は、タイヤ深さ方向Yから見て波形部分41Aおよびストレート部分41Bに沿って鋸刃形41Cに形成されている。換言すれば、サイプ41は、波形部分41Aおよびストレート部分41Bを基準とする鋸刃形41Cに形成されている。ただし、本発明のサイプは、波形部分41Aのみがタイヤ深さ方向Yから見て波形部分41Aに沿って鋸刃形41Cに形成されていてもよい。
【0024】
鋸刃形41Cの波長は、波形部分41Aの波長よりも十分に小さいものとして形成されている。本実施形態の鋸刃形41Cは、タイヤ軸方向Xからみてジグザグ状の鋸刃形に形成されている。ただし、本発明の鋸刃形は、ジグザグ状の鋸刃形に限定されない。本発明のジグザグ状の鋸刃形は、ジグザグ状に近い鋸刃形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形の波形、正弦波に近い波形等であってもよい。
【0025】
サイプ41によれば、空気入りタイヤ10のブロック剛性を向上させることができる。より詳細には、サイプ41がタイヤ軸方向Xから見て波形部分41Aおよびストレート部分41Bに沿って鋸刃形41Cに形成されていることによって、サイプ41の壁面同士の接触面積が向上され、小ブロック(ブロック30のサイプ41で区切られた部分)同士の支え合う力が向上され、空気入りタイヤ10のブロック剛性を向上させることができる。これにより、空気入りタイヤ10の制動性能を向上させることができる。また、ブロック30の接地面の変形を少なくすることができるため、氷上性能(制動性能および加速性能)を向上させることができる。
【0026】
[実施形態2のサイプ]
図3を用いて、実施形態2のサイプ42について説明する。以下では、実施形態1のサイプ41と異なる構成、作用および効果について説明し、実施形態1のサイプ41と同様の構成、作用および効果については説明を省略する。
【0027】
図3に示すように、ブロック30には、サイプ42が形成されている。サイプ42は、タイヤ深さ方向Yからみて波形部分42Aと、ストレート部分42Bとを含んでいる。ただし、本発明のサイプは、波形部分42Aのみから形成されていてもよい。
【0028】
波形部分42Aの波形は、タイヤ深さ方向Yからみて正弦波に近い波形に形成されている。ただし、本発明の波形は、正弦波に近い波形に限定されない。本発明の波形は、ジグザグ状の波形、ジグザグ状に近い波形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形波形等であってもよい。
【0029】
ストレート部分42Bは、タイヤ軸方向Xにおいて波形部分42Aの両側に形成されている。ただし、本発明のストレート部分は、波形部分に挟まれて形成されていてもよく、波形部分の一方側にのみ形成されていてもよい。また、ストレート部分42Bの溝の深さ(タイヤ深さ方向Yの長さ)は、波形部分42Aの溝の深さよりも浅くなるように形成されている。
【0030】
サイプ42(波形部分42Aおよびストレート部分42B)は、タイヤ軸方向Xから見てタイヤ深さ方向Yに沿って鋸刃形42Cに形成されている。換言すれば、サイプ42は、波形部分42Aおよびストレート部分42Bの壁面がタイヤ軸方向Xから見て鋸刃形42Cに形成されている。
【0031】
鋸刃形42Cの波長は、波形部分42Aの波長よりも十分に小さいものとして形成されている。本実施形態の鋸刃形42Cは、タイヤ軸方向Xからみてジグザグ状の鋸刃形に形成されている。ただし、本発明の鋸刃形は、ジグザグ状の鋸刃形に限定されない。本発明のジグザグ状の鋸刃形は、ジグザグ状に近い鋸刃形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形の波形、正弦波に近い波形等であってもよい。
【0032】
サイプ42によれば、空気入りタイヤ10のブロック剛性を向上させることができる。より詳細には、サイプ42がタイヤ軸方向Xから見てタイヤ深さ方向Yに沿って鋸刃形42Cに形成されていることによって、小ブロックにおいてタイヤ周方向Zに力が加わった際に鋸刃形42C同士が噛み合い、小ブロックの倒れ込みが抑制され、空気入りタイヤ10のブロック剛性を向上させることができる。これにより、空気入りタイヤ10の制動性能を向上させることができる。また、ブロック30の接地面の変形を少なくすることができるため、氷上性能(制動性能および加速性能)を向上させることができる。
【0033】
[実施形態3のサイプ]
図4を用いて、実施形態3のサイプ43について説明する。以下では、実施形態2のサイプ42と異なる構成、作用および効果について説明し、実施形態2のサイプ42と同様の構成、作用および効果については説明を省略する。
【0034】
図4に示すように、ブロック30には、サイプ43が形成されている。サイプ43は、タイヤ深さ方向Yからみて波形部分43Aと、ストレート部分43Bとを含んでいる。
【0035】
波形部分43Aの波形は、タイヤ深さ方向Yからみて正弦波に近い波形に形成されている。ただし、本発明の波形は、正弦波に近い波形に限定されない。本発明の波形は、ジグザグ状の波形、ジグザグ状に近い波形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形波形等であってもよい。
【0036】
ストレート部分43Bは、タイヤ軸方向Xにおいて波形部分43Aの両側に形成されている。ただし、本発明のストレート部分は、波形部分に挟まれて形成されていてもよく、波形部分の一方側にのみ形成されていてもよい。また、ストレート部分43Bの溝の深さ(タイヤ深さ方向Yの長さ)は、波形部分43Aの溝の深さよりも浅くなるように形成されている。
【0037】
ストレート部分43Bは、タイヤ軸方向Xから見てタイヤ深さ方向Yに沿って鋸刃形43Cに形成されている。換言すれば、サイプ43は、ストレート部分43Bの壁面のみがタイヤ軸方向Xから見て鋸刃形43Cに形成されている。
【0038】
鋸刃形43Cの波長は、波形部分43Aの波長よりも十分に小さいものとして形成されている。本実施形態の鋸刃形43Cは、タイヤ軸方向Xからみてジグザグ状の鋸刃形に形成されている。ただし、本発明の鋸刃形は、ジグザグ状の鋸刃形に限定されない。本発明のジグザグ状の鋸刃形は、ジグザグ状に近い鋸刃形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形の波形、正弦波に近い波形等であってもよい。
【0039】
サイプ43によれば、空気入りタイヤ10の雪上性能を向上させることができる。より詳細には、サイプ43のストレート部分43Bのみがタイヤ軸方向Xから見てタイヤ深さ方向Yに沿って鋸刃形43Cに形成されていることによって、ストレート部分43B同士が噛み合う一方で、波形部分43Aが変形しやすくなって波形部分43A同士の間で隙間を生じさせることができる。これにより、エッジ効果を向上させると共に雪を掴むことができるため、空気入りタイヤ10の雪上性能を向上させることができる。
【0040】
[タイヤ成型用金型]
図5を用いて、実施形態の一例である金型50について説明する。
【0041】
タイヤ成型用金型としての金型50は、上述した空気入りタイヤ10を成型する金型である。空気入りタイヤ10は、上述したようにサイプ41が形成されたブロック30を含むトレッド20と、側面を形成するサイドウォール(図示なし)とを有している。金型50によれば、ブロック剛性を向上させることができる空気入りタイヤ10を成型することができる。
【0042】
以下では、金型50によって成型される上述した空気入りタイヤ10のタイヤ軸方向X、タイヤ深さ方向Yおよびタイヤ周方向Zに従って、各部材について説明する。
【0043】
金型50は、空気入りタイヤ10のトレッド20の表面を成型するトレッド金型51と、サイドウォールの表面を成型する一対のサイド金型52とを有している。
【0044】
トレッド金型51は、トレッド成形面53を有する本体54と、トレッド成形面53から突出している突起55と、トレッド成形面53から突出して突起55同士の間に設けられるサイプブレード61とを有している。
【0045】
本体54は、金属材料によって構成され、例えばアルミニウム合金から構成されている。アルミニウム合金として、例えばAC4系、AC7系等が好適に用いられる。突起55は、空気入りタイヤ10に主溝21を成型する部分である。突起55は、本体54を構成する金属材料と同じ材料である。
【0046】
[実施形態1のサイプを成型するサイプブレード]
図6を用いて、実施形態1のサイプ41を成型するサイプブレード61について説明する。
【0047】
サイプブレード61は、上述した空気入りタイヤ10のサイプ41を成型する。サイプブレード61は、突起55同士の間においてトレッド成形面53からタイヤ深さ方向Yに突出している。サイプブレード61は、平板状であって金属材料から構成され、例えばステンレス鋼から構成されていてもよい。ステンレス鋼として、例えばSUS303、SUS304、SUS630、SUS631等が好適に用いられる。また、3次元造型機を用いる場合には、SUS304L、SUS630相当材の17-4PH等が好適に用いられる。
【0048】
サイプブレード61の一般的な加工方法については、プレス成型機を用いて形状を形成する。本実施形態のサイプブレード61のように厚み方向に形状変化がある場合の加工方法は、機械加工を用いて切削加工による形状を形成する。また、3次元造型機を用いることで、機械加工では難しい複雑な形状を形成してもよい。
【0049】
図6に示すように、サイプブレード61は、タイヤ深さ方向Yからみて波形部分61Aと、ストレート部分61Bとを含んでいる。ただし、本発明のサイプブレードは、波形部分61Aのみから形成されていてもよい。
【0050】
波形部分61Aの波形は、タイヤ深さ方向Yからみて正弦波に近い波形に形成されている。ただし、本発明の波形は、正弦波に近い波形に限定されない。本発明の波形は、ジグザグ状の波形、ジグザグ状に近い波形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形波形等であってもよい。
【0051】
ストレート部分61Bは、タイヤ軸方向Xにおいて波形部分61Aの両側に形成されている。ただし、本発明のストレート部分は、波形部分に挟まれて形成されていてもよく、波形部分の一方側にのみ形成されていてもよい。また、ストレート部分61Bのタイヤ深さ方向Yの長さは、波形部分61Aのタイヤ深さ方向Yの長さよりも短くなるように形成されている。
【0052】
サイプブレード61(波形部分61Aおよびストレート部分61B)は、タイヤ深さ方向Yから見て波形部分61Aおよびストレート部分61Bに沿って鋸刃形61Cに形成されている。換言すれば、サイプブレード61は、波形部分61Aおよびストレート部分61Bを基準とする鋸刃形61Cに形成されている。ただし、本発明のサイプブレードは、波形部分61Aのみがタイヤ深さ方向Yから見て波形部分61Aに沿って鋸刃形61Cに形成されていてもよい。
【0053】
鋸刃形61Cの波長は、波形部分61Aの波長よりも十分に小さいものとして形成されている。本実施形態の鋸刃形61Cは、タイヤ軸方向Xからみてジグザグ状の鋸刃形に形成されている。ただし、本発明の鋸刃形は、ジグザグ状の鋸刃形に限定されない。本発明のジグザグ状の鋸刃形は、ジグザグ状に近い鋸刃形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形の波形、正弦波に近い波形等であってもよい。
【0054】
[実施形態2のサイプを成型するサイプブレード]
図7を用いて、実施形態2のサイプ42を成型するサイプブレード62について説明する。
【0055】
図7に示すように、サイプブレード62は、上述した空気入りタイヤ10のサイプ42を成型する。以下では、サイプブレード62について上述したサイプブレード61と異なる構成についてのみ説明し、サイプブレード61と同様の構成については説明を省略する。
【0056】
サイプブレード62は、タイヤ軸方向Xからみて波形部分62Aと、ストレート部分62Bとを含んでいる。ただし、本発明のサイプブレードは、波形部分62Aのみから形成されていてもよい。
【0057】
波形部分62Aの波形は、タイヤ深さ方向Yからみて正弦波に近い波形に形成されている。ただし、本発明の波形は、正弦波に近い波形に限定されない。本発明の波形は、ジグザグ状の波形、ジグザグ状に近い波形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形波形等であってもよい。
【0058】
ストレート部分62Bは、タイヤ軸方向Xにおいて波形部分62Aの両側に形成されている。ただし、本発明のストレート部分は、波形部分に挟まれて形成されていてもよく、波形部分の一方側にのみ形成されていてもよい。また、ストレート部分62Bのタイヤ深さ方向Yの長さは、波形部分42Aのタイヤ深さ方向Yの長さよりも短くなるように形成されている。
【0059】
サイプブレード62は、タイヤ軸方向Xから見てタイヤ深さ方向Yに沿って鋸刃形62Cに形成されている。換言すれば、サイプブレード62は、波形部分62Aおよびストレート部分62Bの表面がタイヤ軸方向Xから見て鋸刃形62Cに形成されている。
【0060】
鋸刃形62Cの波長は、波形部分62Aの波長よりも十分に小さいものとして形成されている。本実施形態の鋸刃形62Cは、タイヤ軸方向Xからみてジグザグ状の鋸刃形に形成されている。ただし、本発明の鋸刃形は、ジグザグ状の鋸刃形に限定されない。本発明のジグザグ状の鋸刃形は、ジグザグ状に近い鋸刃形、直線と曲線とを交互に組み合わせた波形、矩形の波形、正弦波に近い波形等であってもよい。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
10 空気入りタイヤ、20 トレッド、21 主溝、22 副溝、30 ブロック、41 サイプ、41A 波形部分、41B ストレート部分、41C 鋸刃形、42 サイプ、42A 波形部分、42B ストレート部分、42C 鋸刃形、43 サイプ、43A 波形部分、43B ストレート部分、43C 鋸刃形、50 金型、51 トレッド金型、52 サイド金型、53 トレッド成形面、54 本体、55 突起、61 サイプブレード、61A 波形部分、61B ストレート部分、61C 鋸刃形、62 サイプブレード、62A 波形部分、62B ストレート部分、62C 鋸刃形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7