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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078847
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】画像形成装置及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240604BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240604BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240604BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240604BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20240604BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/42 F
B41J29/00 E
H04N1/00 127Z
G06F3/04847
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191428
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】古渡 祐一
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061BB10
2C061CG15
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK07
2C061HN04
2C061HN15
2C061HQ02
5C062AA05
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5E555AA09
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC09
5E555CB74
5E555DB18
5E555DB49
5E555DC31
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】設定の利便性を向上させる画像形成装置等の提供。
【解決手段】画像形成装置100-Aは、ネットワークを介して他の画像形成装置100-Bと通信接続する通信部110-Aと、処理部120-Aと、を含む。処理部120-Aは、設定画面を提供し、設定画面において画像形成装置100-Aの設定を受け付けた場合、設定を画像形成装置100-Aに反映させ、画像形成装置100-Aに反映させた設定を他の画像形成装置100-Bに反映させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信部と、
処理部と、
を含み、
前記処理部は、
設定画面を提供し、
前記設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、前記設定を画像形成装置に反映させ、画像形成装置に反映させた前記設定を前記他の画像形成装置に反映させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記設定画面に表示される前記設定は、
印刷設定、スキャン設定、コピー設定、ネットワーク設定及びセキュリティー設定のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
前記他の画像形成装置として、複数の画像形成装置が探索される場合、探索結果を一覧表示し、
一覧表示された複数の画像形成装置の中から選択された画像形成装置に対して前記設定を反映させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
画像形成装置の前記設定画面を提供し、前記設定を反映させる前記他の画像形成装置を選択する画面を提供し、前記他の画像形成装置の設定反映を確認する画面を提供することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
画像形成装置の前記設定画面が表示されている間に、前記他の画像形成装置への前記設定の反映の移行を表示するための画面またはアイコンを表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
設定項目の一覧を表示し、
前記設定項目のうち、画像形成装置に適用した前記設定項目を識別可能に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
識別可能に表示された前記設定項目に対して、前記他の画像形成装置の設定反映のキャンセルを受け付けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
識別可能に表示された前記設定項目以外の前記設定項目を、前記他の画像形成装置に反映させる入力を受け付けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記設定画面は、
画像形成装置が提供するWebページ画面であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記設定画面は、
画像形成装置に含まれる表示部に表示される画面であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、
画像形成装置に適用した前記設定を、自動的に前記他の画像形成装置に適用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、
前記設定画面において、画像形成装置の前記設定を当該画像形成装置に反映する入力が行われたことをトリガーとして、画像形成装置の前記設定を、前記他の画像形成装置に適用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信処理と、
設定画面を提供する処理と、
前記設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、前記設定を画像形成装置に反映する処理と、画像形成装置に対する前記設定を前記他の画像形成装置に反映させる処理とを、
行うことを特徴とする処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像形成装置を、管理者用端末装置で管理する手法が知られている。特許文献1には、画像形成装置としてのプリンターの状態に関するプリンター情報を端末装置のディスプレイに表示させる手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-084856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の手法は、管理者用端末装置が存在することが前提であり、管理者用端末装置を用いずに複数の画像形成装置の設定を行うには、それぞれの画像形成装置ごとに設定作業を行う必要が有る。そのため、画像形成装置の設定の利便性を向上が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信部と、処理部と、を含み、前記処理部は、設定画面を提供し、前記設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、前記設定を画像形成装置に反映させ、画像形成装置に反映させた前記設定を前記他の画像形成装置に反映させる画像形成装置に関係する。
【0006】
また、本開示の一態様は、ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信処理と、設定画面を提供する処理と、前記設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、前記設定を画像形成装置に反映する処理と、画像形成装置に対する前記設定を前記他の画像形成装置に反映させる処理とを、行う処理方法に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置等の構成例を説明する図。
図2】本実施形態の処理の流れを説明する図。
図3】画像形成装置等の別の構成例を説明する図。
図4】本実施形態の処理の流れを説明する別の図。
図5】画像形成装置の別の構成例を説明する図。
図6】画像形成装置の別の構成例を説明する図。
図7】本実施形態の処理例を説明するフローチャート。
図8】一括設定の処理例を説明するフローチャート。
図9】第1設定の処理例を説明するフローチャート。
図10】第2設定の処理例を説明するフローチャート。
図11】第3設定の処理例を説明するフローチャート。
図12】本実施形態の手法を適用した画面例を説明する図。
図13】本実施形態の手法を適用した画面例を説明する別の図。
図14】本実施形態の手法を適用した画面例を説明する別の図。
図15】本実施形態の手法を適用した画面例を説明する別の図。
図16】本実施形態の別の処理例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態の画像形成装置100と端末装置200を含むシステムの構成例を説明するブロック図である。本実施形態の画像形成装置100は、例えばプリンターであるが、スキャナー、プロジェクター等でもよい。また、ここでいうプリンターは複合機を含む。複合機とは、プリンター機能以外の機能を含むプリンターをいい、プリンター機能以外の機能は、コピー機能、ファックス機能等であるが、他の機能でもよい。
【0010】
画像形成装置100は、通信部110と処理部120を含む。なお、本実施形態の画像形成装置100は、図1の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりする等、種々の変形実施が可能である。他の構成要素とは、例えば後述する表示部130、記憶部140等であるが、印刷部、操作部等を含んでもよい。
【0011】
通信部110は、図1に不図示のネットワークNWを介して他の画像形成装置100と通信接続する。ネットワークNWの通信方式はクライアント・サーバー方式であってもよいし、P2P(peer to peer)方式であってもよく、通信方式は特に問わない。本実施形態において、画像形成装置100は後述する変更コマンドの送受信を行う。以降の説明において、変更コマンドの送信を行う画像形成装置100を画像形成装置100-Aと、符号を適宜区別して表記することがある。同様に、変更コマンドを受信する他の画像形成装置100を他の画像形成装置100-B等と、符号を適宜区別して表記することがある。通信部110-A、通信部110-B等についても同様であり、処理部120-A、処理部120-B等についても同様である。また、本実施形態の画像形成装置100と、他の画像形成装置100は同一機種とは限らないが、設定可能な項目は共通するものとする。
【0012】
通信部110は、所定の通信規格による通信を行う通信インターフェースである。通信部110は、例えば通信用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又は通信用プロセッサーなどの通信用ハードウェアー、通信用ファームウェアー等により実現できる。本実施形態では、後述する処理部120-Aが情報の送信処理や受信処理等、通信の制御処理を通信部110-Aに対して行うことで、例えば通信部110-Aは他の画像形成装置100-B等の外部装置に対して変更コマンド等の情報を送信できる。同様に、処理部120-Bが通信の制御処理を通信部110-Bに対して行うことで、通信部110-Bは画像形成装置100-Aから変更コマンド等の情報を受信できる。つまり、本実施形態の通信部110は、所望の無線通信規格に対応するハードウェアーと通信用ファームウェアー等をそれぞれ含んでいる。
【0013】
所定の通信規格は、例えばWi-Fi(登録商標)等による無線通信であり、通信部110は、Wi-Fiの所定の接続モードによる無線通信を行う。所定の接続モードは、例えばインフラストラクチャーモードである。この場合、例えば画像形成装置100-Aは、不図示の外部アクセスポイントを介して他の画像形成装置100-B、後述する端末装置200等と通信できる。また、所定の接続モードはWi‐Fi Direct(登録商標)モードであってもよい。この場合、例えば画像形成装置100-Aは、他の画像形成装置100-B、後述する端末装置200をクライアントとするグループオーナーとして機能する。なお、所定の接続モードはアドホックモード等であってもよい。また、所定の無線通信規格は、例えばBluetooth(登録商標)等、他の無線通信の規格であってもよいし、有線通信の規格であってもよい。
【0014】
処理部120は、画像形成装置100の各部の処理を行う。処理部120は、下記のハードウェアーにより構成される。ハードウェアーは、デジタル信号を処理する回路を含むが、さらにアナログ信号を処理する回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置と、1又は複数の回路素子で構成できる。1又は複数の回路装置は例えばIC(Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。また、処理部120は、少なくとも下記のプロセッサーを1つ含むことにより実現される。処理部120は、情報を記憶する後述の記憶部140と、記憶部140に記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーと、を含む。情報は、例えばプログラムと各種のデータ等である。プロセッサーは、ハードウェアーを含む。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。記憶部140は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、記憶部140にはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、画像形成装置100の各部のうち一部又は全部の機能が処理として実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサーのハードウェアー回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0015】
処理部120は、設定画面を提供する。設定画面は、画像形成装置100の設定項目と設定内容を表示する画面である。設定画面を提供するとは、所定の表示装置に設定画面を表示する処理、設定画面のデータを送信する処理をいう。所定の表示装置は、例えば図5で後述するように、画像形成装置100に含まれる表示部130として機能するハードウェアー、または、例えば図6で後述するように、端末装置200に含まれる端末装置表示部として機能するハードウェアー等である。ユーザーは、例えば工場出荷時における初期設定データが反映された設定項目を所定の表示装置を介して閲覧できるし、不図示の操作部を操作することにより設定内容を変更することもできる。なお、以降の説明において、画像形成装置100に設定内容の変更を反映させること等を、画像形成装置100に設定を反映させる等ということがある。
【0016】
図2を用いて、本実施形態に係る処理の流れを説明する。処理部120-Aは、前述の設定画面において画像形成装置100-Aの設定を受け付けた場合、設定を画像形成装置100-Aに反映させる処理を行う。具体的には、例えばユーザーは、設定画面に表示された設定項目を変更し、変更を確定させる操作を行った場合、処理部120-Aは、図1に不図示の記憶部140-Aに記憶された設定データを変更する。
【0017】
その後、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aに反映させた設定を他の画像形成装置100-Bに反映させる。具体的には、例えば処理部120-Aは、画像形成装置100-Aに反映させた設定データを、他の画像形成装置100-Bの間で共通に使用可能な通信プロトコルに従って、変更コマンドとしてパケット化する。そして処理部120-Aは、通信部110-Aを介して、変更コマンドを他の画像形成装置100-Bの通信部110-Bに送信する処理を行う。なお、ここでの通信プロトコルは例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)等であるが、他のプロトコルであってもよい。
【0018】
そして他の画像形成装置100-Bの処理部120-Bは、通信部110-Bを介して変更コマンドを受信した後、当該変更コマンドのパケットを解析し、解析により得られた設定データに基づいて、図1に不図示の記憶部140-Bに記憶された設定内容を変更する。これにより、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-Bへ反映させることができる。
【0019】
以上のように、本実施形態の画像形成装置100-Aは、ネットワークNWを介して他の画像形成装置100-Bと通信接続する通信部110-Aと、処理部120-Aと、を含む。処理部120-Aは、設定画面を提供し、設定画面において画像形成装置100-Aの設定を受け付けた場合、設定を画像形成装置100-Aに反映させ、画像形成装置100-Aに反映させた設定を他の画像形成装置100-Bに反映させる。
【0020】
このように、本実施形態の画像形成装置100-Aは、通信部110-Aと処理部120-Aを含むことから、ネットワークNWを介して他の画像形成装置100-Bとの通信を行うことができる。また、処理部120-Aは、設定画面を提供することから、ユーザーは設定画面を通じて設定内容を確認でき、設定画面を通じて設定変更を行うことができる。これにより、処理部120-Aは、ユーザーから所望の設定変更を受け付け、受け付けた設定変更を画像形成装置100-Aに反映させることができる。また、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定を反映させた設定を、他の画像形成装置100-Bに反映させることから、他の画像形成装置100-Bの設定を容易に行うことができる。
【0021】
これまで、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-Bに反映させることができる画像形成装置100-Aについて提案されていない。例えば画像形成装置100-Aと他の画像形成装置100-Bの近くに、例えば管理者用コンピューターが設置されている場合は、当該管理者用コンピューターの管理者用アプリケーションを用いて画像形成装置100-Aと他の画像形成装置100-Bの設定を一括で行うことが可能であった。しかし、例えばそれぞれの画像形成装置100がモバイル型のプリンターで、かつ、管理者用コンピューターが設置されていない場合がある。このような場合においては、画像形成装置100-Aと他の画像形成装置100-Bに対して別々に設定変更を行わなければならず、画像形成装置100の利便性は十分ではない。その点、本実施形態の手法を適用することで、ユーザーが画像形成装置100-Aの設定を反映させる操作を行えば、ユーザーが他の画像形成装置100-Bを操作することなく、他の画像形成装置100-Bに対し画像形成装置100-Aの設定を反映させることができるので、画像形成装置100の利便性を向上させることができる。
【0022】
また、画像形成装置100-Aの設定項目全てを他の画像形成装置100-Bに移植する手法も考えられるが、画像形成装置100の設定項目は多数有るため、処理負担は大きく、利便性が高い手法とは言えない。その点、本実施形態の手法適用することで、画像形成装置100-Aに反映させた設定のみが他の画像形成装置100-Bに反映させるため、処理負担を最小限にすることができる。これにより、画像形成装置100の利便性を向上させることができる。
【0023】
また、本実施形態の手法は、処理方法によって実現してもよい。つまり本実施形態の処理方法は、ネットワークNWを介して他の画像形成装置100-Bと通信接続する通信処理と、設定画面を提供する処理とを行う。また、本実施形態の処理方法は、設定画面において画像形成装置100-Aの設定を受け付けた場合、当該設定を画像形成装置100-Aに反映させる処理と、画像形成装置100-Aに対する設定を他の画像形成装置100-Bに反映させる処理とを、行う。このようにすることで、同様の効果を得ることができる。
【0024】
本実施形態の手法は上記に限られず、種々の変形実施が可能である。例えば他の画像形成装置100は複数有ってもよい。例えば図3に示すように、同一のネットワークNWに画像形成装置100-Aと、他の画像形成装置100-B,100-Cに所属している状況があるとする。そして設定画面において画像形成装置100-Aが設定を受け付けたとき、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-B,100-Cに反映させるようにしてもよい。なお、図3では他の画像形成装置100-B,100-Cの2台を示しているが、他の画像形成装置100は3台以上に拡張可能である。
【0025】
この場合における処理の流れは、例えば図4に示す通りになる。例えば処理部120-Aは設定画面において画像形成装置100-Aの設定を受け付けた場合、図2と同様に、設定を画像形成装置100-Aに反映させる処理を行う。その後処理部120-Aは、他の画像形成装置100を探索する処理を行う。具体的には、例えば処理部120-Aは、通信部110-Aを介して、他の画像形成装置100-B,100-Cの通信部110-B,110-Cがブロードキャストするビーコン信号をスキャンし、他の画像形成装置100-B,100-Cを発見する。そして処理部120-Aは、発見した他の画像形成装置100-B,100-Cのそれぞれに変更コマンドを通信部110-Aを介して送信する。そして他の画像形成装置100-Bの処理部120-Bと他の画像形成装置100-Cの処理部120-Cは、前述のように、受信した変更コマンドに基づいて、設定の変更を行う。
【0026】
また、例えば図5に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、表示部130をさらに含んでもよい。つまり処理部120は、表示部130に設定画面を表示することによって、ユーザーに設定画面を提供できるようにしてもよい。なお図5では画像形成装置100-Aが表示部130-Aを含むように図示しているが、例えば図1図3に示す他の画像形成装置100-Bが表示部130-Bを含んでもよいし、図3の他の画像形成装置100-Cが表示部130-Cを含んでもよい。
【0027】
表示部130は、各種情報をユーザーに表示するディスプレイ等で構成される。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイにより実現できるが、有機ELディスプレイやドットマトリックスLED等で実現してもよい。なお、表示部130は、タッチパネルによりは不図示の操作部と一体的なハードウェアーとしてもよい。
【0028】
前述の図1図4の例において、画像形成装置100-Aの処理部120-Aは、表示部130-Aに設定画面を表示することで、ユーザーに設定画面を提供する。そしてユーザーは不図示の操作部を操作することで、処理部120-Aは設定変更を受け付け、画像形成装置100-Aの設定変更を反映させ、さらに他の画像形成装置100-B等に変更コマンドを送信する。これにより、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-B等に反映させることができる。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、設定画面は、画像形成装置100-Aに含まれる表示部130-Aに表示される画面である。このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置100-Aの表示部130-Aに表示される設定画面に基づいて、画像形成装置100-A及び他の画像形成装置100-Bの設定変更を行うことができる。
【0029】
また、図6に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、後述の端末装置200と通信してもよく、記憶部140をさらに含んでもよい。記憶部140には、Webページ142が記憶されている。Webページ142は、外部機器にインストールされた所定のブラウザーによって閲覧可能なページデータである。つまり画像形成装置100はWebサーバーを含み、ユーザーは、端末装置200を当該Webサーバーのクライアントとして、後述するWebブラウザー230に所定のURLを入力することで、Webページ142の情報を閲覧できる。Webページ142の情報は、例えば後述する設定情報であるが、これに限らず、例えば画像形成装置100の消耗品の管理情報を含んでもよい。画像形成装置100の消耗品とは、例えばケーブル、インク、トナー、ランプ等である。また、ユーザーはWebページ142に表示された設定項目を変更する等の操作入力をできる。つまり、ユーザーは、画像形成装置100の不図示の操作部を操作する代わりに、Webページ142を介して端末装置200側の操作を行うことにより、画像形成装置100に関する各種設定を変更できるようになっている。
【0030】
なお、図6に示す構成は、図1図3図5に示した構成と適宜組み合わせることができる。例えば図6の画像形成装置100―Aは表示部130-Aを含まないように図示しているが、表示部130-Aをさらに含んでいても構わない。また、例えば図3に示したネットワークNWに、さらに図6の端末装置200が所属するようにしてもよい。また、例えば図3の他の画像形成装置100-Bが記憶部140-Bをさらに含んでもよいし、他の画像形成装置100-Cが記憶部140-Cをさらに含んでもよい。また、例えば当該記憶部140-BはWebページ142-Bをさらに含んでもよいし、当該記憶部140-CはWebページ142-Cをさらに含んでもよい。
【0031】
端末装置200は、例えばスマートフォン等の携帯情報端末であるが、パーソナルコンピューター等であってもよい。端末装置200は、端末装置制御部202と端末装置通信部210を含む。また、図示は省略しているが、端末装置200は端末装置表示部をさらに含んでもよいし、端末装置操作部をさらに含んでもよく、端末装置操作部は例えばタッチパネルにより端末装置表示部と一体的なハードウェアーとしてもよい。
【0032】
端末装置制御部202は、端末装置処理部220とWebブラウザー230を含む。つまり、端末装置制御部202は前述のハードウェアーにより構成され、不図示のメモリーから各種プログラムを読み出して入出力処理、表示処理等を行うことにより、ソフトウェアーとしての端末装置処理部220、Webブラウザー230の機能を果たす。本実施形態のWebブラウザー230は、前述のWebページ142専用のソフトウェアーである必要は無く、例えば端末装置200に通常用いられる汎用のソフトウェアーで構わない。
【0033】
端末装置通信部210は、画像形成装置100の通信部110と同様に、所定の通信規格に対応する通信インターフェースである。つまり本実施形態において、端末装置通信部210は、当該所定の通信規格に対応するハードウェアーと通信用ファームウェアー等をそれぞれ含んでいるものとする。
【0034】
例えば、前述の図1図4の例において、ユーザーは端末装置200の不図示の操作部を操作することにより、画像形成装置100-Aに対し、Webページ142-Aを要求する。そして、処理部120-Aは、通信部110-A及び端末装置通信部210を介してWebページ142-Aを端末装置200に送信する。これにより、ユーザーは、Webブラウザー230で設定画面に関するWebページ142-Aを閲覧できる。これにより、画像形成装置100-Aによる設定画面の提供が実現する。
【0035】
そしてユーザーは、Webブラウザー230における操作により、端末装置通信部210及び通信部110-Aを介して処理部120-Aに対して設定変更を要求する。そして処理部120-Aは設定変更を受け付け、画像形成装置100-Aの設定変更を反映させ、さらに他の画像形成装置100-B等に変更コマンドを送信する。以上のことから、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、設定画面は、画像形成装置100-Aが提供するWebページ画面である。このようにすることで、ユーザーは、端末装置200に表示されるWebページ画面をタッチパネル等で操作することにより、画像形成装置100-A及び他の画像形成装置100-Bの設定変更を行うことができる。
【0036】
図7のフローチャートを用いて、本実施形態の手法の処理例について説明する。処理部120-Aは、一括設定開始の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS10)を行う。そして処理部120-Aは、一括設定開始の入力が行われたと判断した場合(ステップS10でYES)、一括設定(ステップS20)を行う。一方、処理部120-Aは、一括設定開始の入力が行われていないと判断した場合(ステップS10でNO)、再度ステップS10を行う。
【0037】
図8のフローチャートを用いて、一括設定(ステップS20)の処理例について説明する。処理部120-Aは、図9で後述する第1設定(ステップS100)を行った後、図10で後述する第2設定(ステップS200)を行う。処理部120-Aは、第2設定(ステップS200)を行った後、図11で後述する第3設定(ステップS300)を行い、フローを終了する。
【0038】
図9のフローチャートを用いて、第1設定(ステップS100)の処理例について説明する。処理部120-Aは、設定変更開始の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS110)を行う。そして処理部120-Aは、設定変更開始の入力が行われたと判断した場合(ステップS110でYES)、設定変更を開始し(ステップS120)、また所定画像を表示する(ステップS130)。一方、処理部120-Aは、設定変更開始の入力が行われていないと判断した場合(ステップS110でNO)、再度ステップS110を行う。その後、処理部120-Aは、設定変更後の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS140)を行う。そして処理部120-Aは、設定変更後の入力が行われたと判断した場合(ステップS140でYES)、フローを終了する。一方、処理部120-Aは、設定変更後の入力が行われていないと判断した場合(ステップS140でNO)、再度ステップS140を行う。
【0039】
図10のフローチャートを用いて、第2設定(ステップS200)の処理例について説明する。処理部120-Aは、探索開始の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS210)を行う。そして処理部120-Aは、探索開始の入力が行われたと判断した場合(ステップS210でYES)、発見した他の画像形成装置100を表示する(ステップS220)。一方、処理部120-Aは、探索開始の入力が行われていないと判断した場合(ステップS210でNO)、再度ステップS210を行う。その後、処理部120-Aは、装置選択の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS230)を行う。そして処理部120-Aは、装置選択の入力が行われたと判断した場合(ステップS230でYES)、フローを終了する。一方、処理部120-Aは、装置選択の入力が行われていないと判断した場合(ステップS230でNO)、再度ステップS230を行う。
【0040】
図11のフローチャートを用いて、第3設定(ステップS300)の処理例について説明する。処理部120-Aは、変更項目を強調表示(ステップS310)した後、設定実行の入力が行われたか否かについて判断する処理(ステップS320)を行う。そして処理部120-Aは、設定実行の入力が行われたと判断した場合(ステップS320でYES)、変更コマンドを送信(ステップS330)し、完了画面を表示(ステップS340)した後に、フローを終了する。一方、処理部120-Aは、設定実行の入力が行われていないと判断した場合(ステップS320でNO)、再度ステップS320を行う。
【0041】
図12図13図14図15を用いて、本実施形態の手法を適用した場合における具体的な画面の例を説明する。なお、図12図15は、図6に示したWebページ142を想定した画面例であるが、図6の表示部130に表示される画面に適宜変更することもできる。また、前述と同様に、ユーザーは端末装置200の操作を通じて、画像形成装置100-AのWebページ142-Aを開いているものとする。
【0042】
ユーザーは、端末装置200にインストールされた一括設定アプリケーションプログラムを起動する操作を行う。これによりWebブラウザー230上に、図12のA0に示す画面が表示される。そしてユーザーがB0に示すアイコンを選択すると、図7のステップS10の処理が行われ、図12のA0に示した画面は図12のA10に示す画面に遷移する。図12のA10に示す画面は、画像形成装置100-Aの設定を行う画面である。
【0043】
本実施形態の画像形成装置100は、設定項目について階層構造を持たせている。これにより、設定項目が整理されるため、ユーザーは所望の設定項目を容易に検索できる。以降の説明において、浅い階層側の設定項目から深い階層側の設定項目の順に、第1階層の設定項目、第2階層の設定項目、第3階層の設定項目等と呼ぶ。
【0044】
図12のA10に示す画面において、第1階層の設定項目として、B1に示す印刷設定、B2に示すコピー設定等がタブとして表示されている。なお、本実施形態の画像形成装置100において設定可能な項目は、これに限らない。例えばスキャン設定、ネットワーク設定、セキュリティー設定ができるようにしてもよい。また、設定項目は、これらのうちいずれか1つが設定できればよい。なお、例えばB3に示すように、複数の第1階層の設定項目を簡略して表示してもよい。このように、本実施形態の画像形成装置100において、設定画面に表示される設定は、印刷設定、スキャン設定、コピー設定、ネットワーク設定及びセキュリティー設定のうち少なくとも1つを含む。このようにすることで、画像形成装置100に含まれる機能に関する設定の変更を行うことができる。
【0045】
なお、図示や詳細な説明は省略するが、スキャン設定、コピー設定、ネットワーク設定及びセキュリティー設定を第1階層の設定項目にした場合、より深い階層の項目は例えば以下の項目が挙げられるが、これに限られず、適宜追加、変更等が可能である。第1階層の設定項目を例えばスキャン設定とした場合、第2階層の設定項目は例えばドライバー設定、メールサーバー設定等が挙げられる。また、第1階層の設定項目を例えばコピー設定とした場合、第2階層の設定項目は例えば倍率設定、コピー濃度設定等が挙げられる。また、第1階層の設定項目を例えばネットワーク設定とした場合、第2階層の設定項目は例えば接続方式設定、通信速度設定、ポート番号設定等が挙げられる。また、第1階層の設定項目をセキュリティー設定とした場合、例えば第2階層の設定項目は例えば管理者パスワード設定、利用者制限設定、プロトコル制御設定等が挙げられる。
【0046】
図12のA10の画面において、第1階層の設定項目として印刷設定が選択されている。そして、A10の画面には、第2階層の設定項目として、B10に示す給紙装置設定、B20に示すインターフェース設定、B30に示すユーザーデフォルト設定等が表示されている。また、A10の画面には、第2階層の給紙装置設定に属する、第3階層の設定項目として、B11に示す用紙サイズ設定、B12に示す用紙種類設定等が表示されている。
【0047】
ユーザーは、例えばB13に示すプルダウン表示を選択すると、図示は省略するが、用紙サイズとしてA4、B4等が列挙され、適宜所望の用紙サイズを選択できる。同様に、ユーザーは、例えばB14に示すプルダウン表示を選択すると、図示は省略するが、用紙種類として普通紙、写真用紙等が列挙され、適宜所望の用紙種類を選択できる。なお、詳細は図15で後述するが、A10の画面においてユーザーは、B11に示す用紙サイズの設定変更を行ったが、B12に示す用紙種類の設定変更は行っていないものとする。
【0048】
同様に、A10の画面には、第2階層のインターフェース設定に属する、第3階層の設定項目として、B21に示すタイムアウト設定、B22に示す言語設定が表示されている。ユーザーは、例えばB23に示すボックスを選択すると、不図示のソフトウェアーキーボードが表示され、所望のタイムアウト時間を入力できる。同様に、ユーザーは、例えばB24に示すプルダウン表示を選択すると、図示は省略するが、言語設定として日本語、英語等が列挙され、所望の言語を適宜選択できる。なお、詳細は図15で後述するが、A10の画面においてユーザーは、B21に示すタイムアウト設定の設定変更と、言語設定の設定変更の両方を行ったものとする。
【0049】
ユーザーは、第1階層の設定項目としての印刷設定の設定変更を終了した後、他の第1階層の設定項目としてコピー設定の設定変更を行いたい場合は、B2に示したタブを選択し、適宜第2階層以下の設定項目の変更を行う。そしてユーザーは、同様の作業を繰り返し行い、画像形成装置100-Aの全ての設定項目の変更を行った後、B40に示すアイコンを選択する。これにより、図9のステップS110でYESと判断され、ステップS120、ステップS130の処理が行われ、図12のA10に示す画面は図13のA20に示す画面に遷移する。図13のA20に示す画面は、例えば不図示のA10の画面にB42に示すダイアログボックスが重畳表示され、B42に示すダイアログボックスには、画像形成装置100-Aの設定変更を行っている旨のメッセージが表示されている。つまり、図9のステップS130における所定画像は、図13のB42に示すダイアログボックスに対応する。なお、当該メッセージを示す手法はこれに限らず、メッセージをロゴ化したアイコンを重畳表示してもよいし、図12のA10の画面を分割し、分割した画面をB42に示す画面として表示してもよく、種々の変形実施が可能である。後述するB44に示す画面についても同様である。
【0050】
その後、画像形成装置100-Aの設定変更が終了すると、図13のA20に示す画面は、図13のA30に示す画面に遷移する。A30に示す画面には、例えばB42に示すダイアログボックスが、B44に示すダイアログボックスに変化して、図12のA10の画面に重畳表示される。図13のB44のダイアログボックスには、画像形成装置100-Aの設定変更が終了した旨のメッセージと、B46に示すアイコンが表示される。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定画面が表示されている間に、他の画像形成装置100-Bへの設定の反映の移行を表示するための画面またはアイコン(B42、B44)を表示する。このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置100-Aに対する設定変更が行われ、他の画像形成装置100-Bに対する設定変更が開始されることを認識できる。
【0051】
ユーザーは、図13のB46に示すアイコンを選択すると、図9のステップS140でYESと判断され、図13のA30に示す画面は図14のA40に示す画面に遷移する。A40に示す画面において、他の画像形成装置100を探索する旨の表示と、B48に示すアイコンが表示される。
【0052】
ユーザーは、図14のB48に示すアイコンを選択すると、図10のステップS210でYESと判断され、ステップS220が行われる。これにより、図14のA40に示す画面は図14のA50に示す画面に遷移する。A50に示す画面例において、例えばB51、B52、B53、B54等に示すように、探索により発見された他の画像形成装置100が一覧表示される。なお、B51に示す機種は他の画像形成装置100-Bに対応し、B52に示す機種は他の画像形成装置100-Cに対応し、B53に示す機種は他の画像形成装置100-Dに対応し、B54に示す機種は他の画像形成装置100-Eに対応するものとする。また、図14のA50の画面例では機種のみが表示されているが、これに限らず、例えばMACアドレス、IPアドレス、製造番号等の情報を表示してもよい。このようにすることで、ユーザーは所望の機種を適切に選択できる。
【0053】
また、図14のB55、B56、B57、B58に示すように、他の画像形成装置100の左隣には、チェックボックスが表示される。そしてユーザーは、設定変更を行いたい他の画像形成装置100を選択できるようになっている。なお本実施形態において、チェックボックスを選択すると、チェックボックス全体が黒く塗りつぶされるように図示しているが、ユーザーが選択したか否かが識別可能であれば、他の態様で表示してもよい。
【0054】
ユーザーは、図14のB59に示すアイコンを選択すると、図10のステップS230でYESと判断され、図14のA50に示す画面は図15のA60に示す画面に遷移する。これにより、設定変更の対象となる他の画像形成装置100が確定する。具体的には例えば図14のA50に示す画面例では、B56とB57に示すチェックボックスが選択されたことを示す態様で表示されていることから、B52とB53に示す機種が設定変更の対象である他の画像形成装置100であることが確定する。つまり、他の画像形成装置100-C,100-Dが設定変更の対象であることが確定する。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、他の画像形成装置100として、複数の画像形成装置(100-B、100-C、100-D、100-E、…)が探索される場合、探索結果を一覧表示する。そして処理部120-Aは、一覧表示された複数の画像形成装置(100-B、100-C、100-D、100-E、…)の中から選択された画像形成装置100-C,100-Dに対して設定を反映させる。このようにすることで、ユーザーは、所望の画像形成装置100-C,100-Dに対して設定の変更を行うことができる。
【0055】
図15のA60の画面において、画像形成装置100-Aの設定項目は、図12のA10の画面で前述した階層構造に対応するように表示されている。具体的には例えば第1階層の設定項目としてB6100に示す印刷設定、B6200に示すコピー設定が表示されている。また、第2階層の設定項目としてB6110に示す給紙装置設定、B6120に示すインターフェース設定、B6130に示すユーザーデフォルト設定が表示されている。また、第3階層の設定項目としてB6111に示す用紙サイズ設定、B6112に示す用紙種類設定、B6121に示すタイムアウト設定、B6122に示す言語設定が表示されている。なお、図15のA60の画面例に示してある設定項目の階層構造は一部であり、ユーザーは、端末装置200の端末装置表示部をスクロール等することにより設定項目の階層構造全体を把握できるようになっている。つまり、図示は省略しているが、スキャン設定、ネットワーク設定及びセキュリティー設定等が存在する場合は、これらの階層構造もユーザーは認識できるようになっている。
【0056】
これらの設定項目の左隣にはチェックボックスが併せて表示されている。図12のA10の画面例で前述した設定項目について、ユーザーが設定変更を行った場合、図11のステップS310によって、図15のA60の画面例で示すチェックボックスは選択されたことを示す態様となって表示される。具体的には、図12のB11に示す用紙サイズ設定と、B21に示すタイムアウト設定と、B22に示す言語設定の設定変更を行ったことから、図15のB6111に示すチェックボックスの態様と、B6121に示すチェックボックスの態様と、B6122に示すチェックボックスの態様が、選択されたことを示す態様となっている。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、設定項目の一覧を表示し、設定項目のうち、画像形成装置100-Aに適用した設定項目を識別可能に表示する。このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置100-Aに適用した設定項目を確認できる。
【0057】
なお、例えば第N階層(Nは2以上の自然数)の設定項目が全て変更されている場合は、第(N-1)階層の設定項目のチェックボックスの態様を、選択されたことを示す態様としてもよい。具体的には例えば図15において、第3階層の設定項目であるタイムアウト設定と言語設定の設定変更が行われたことから、第2階層の設定項目であるインターフェース設定全体が設定変更されたことを示すように、B6120に示すチェックボックスの態様を、選択されたことを示す態様にしてもよい。なお、前述のように、ユーザーは図12のB12に示す用紙種類の設定変更は行っていないことから、B6112のチェックボックスは選択されていないことを示しているので、第2階層の設定項目である給紙装置設定全体の設定変更は行われてなく、B6110に示すチェックボックスの態様は、選択されていないことを示す態様となっている。また、画像形成装置100-Aの全ての設定項目が変更されたことを示すチェックボックスをさらに設けてもよい。例えばB6000に示すように、全ての設定項目が設定変更の対象であることを示すチェックボックスをさらに設け、画像形成装置100-Aの全ての設定項目が変更された場合、B6000のチェックボックスの態様を、選択されたことを示す態様にしてもよい。
【0058】
以上のことから、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定画面(A10)を提供し、設定を反映させる他の画像形成装置100-C,100-Dを選択する画面(A50)を提供し、他の画像形成装置100-C,100-Dの設定反映を確認する画面(A60)を提供する。このようにすることで、ユーザーは、画面表示を介して設定変更の実行及び確認を行うことができる。
【0059】
そして、ユーザーは、B60に示すアイコンを選択すると、図11のステップS330の処理が行われ、画像形成装置100-Aは他の画像形成装置100-C,100-Dに変更コマンドを送信する。これにより、画像形成装置100-Aに反映させた用紙サイズ設定、タイムアウト設定、言語設定が他の画像形成装置100-C,100-Dに反映される。
【0060】
また、ユーザーがB60に示すアイコンを選択したことにより、図11のステップS340の処理が行われ、図15のA60に示す画面例は、図15のA70に示す画面例に遷移する。A70に示す画面例は、一括設定が完了したことを示す旨の表示がなされる。つまり図11のステップS340の完了画面は、図15のA70に示す画面に対応する。その後、ユーザーはWebブラウザー230の起動を終了すれば、一括設定アプリケーションプログラムは終了する。
【0061】
なお、ユーザーは、図15のA60の画面が表示されているときに、チェックボックスの選択操作を行うことができる。例えば前述のように、図15のB6111のチェックボックスは選択されていることを示す態様で表示されているが、ユーザーはB6111のチェックボックスを再度選択することで、選択されていないことを示す態様に表示できる。そしてユーザーはB60に示すアイコンを選択すると、B6111のチェックボックスに対応する用紙サイズ設定は、他の画像形成装置100-C,100-Dに反映されないことになる。つまり本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、識別可能に表示された設定項目に対して、他の画像形成装置100-C,100-Dの設定反映のキャンセルを受け付ける。このようにすることで、他の画像形成装置100-C,100-Dに対する設定変更をより適切に行うことができる。例えば画像形成装置100-Aに適用した設定変更が、他の画像形成装置100-C,100-Dに必要ないことが、一括設定の作業の途中で判明する場合がある。このような場合には、図15のA60の画面が表示されている段階で、他の画像形成装置100-C,100-Dへの設定反映のキャンセルができることが便宜である。
【0062】
また、例えば前述のように、図15のB6112のチェックボックスは選択されていないことを示す態様で表示されているが、ユーザーはB6112のチェックボックスを選択することで、選択されていることを示す態様に表示してもよい。この場合にユーザーはB60のアイコンを選択すると、画像形成装置100-Aの用紙種類の設定項目が、他の画像形成装置100-C,100-Dに反映されるようになる。つまり本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、識別可能に表示された設定項目以外の設定項目を他の画像形成装置100-C,100-Dに反映させる入力を受け付ける。このようにすることで、画像形成装置100-Aに反映させていない設定項目を、他の画像形成装置100-C,100-Dに反映させることができる。例えば、他の画像形成装置100-C,100-Dに対して設定変更したい設定項目が、画像形成装置100-Aには設定変更していない設定項目を含んでいることが、途中で判明する場合がある。このような場合には、図15のA60の画面が表示されている段階で、他の画像形成装置100-C,100-Dへ所望の設定項目の移植を併せて行うことが便宜である。
【0063】
また、図15のB6000のチェックボックスは選択されていないことを示す態様で表示されているが、ユーザーはB6000のチェックボックスを選択することで、全ての設定項目に対応するチェックボックスが選択された態様として表示してもよい。この状態でB60のアイコンを選択すると、画像形成装置100-Aの設定項目全てに関する設定データがパケット化されて、変更コマンドとして他の画像形成装置100-C,100-Dに送信される。これにより、画像形成装置100-Aの設定項目の全てが、他の画像形成装置100-C,100-Dに移植されたことになる。例えば他の画像形成装置100-C,100-Dに対して設定変更したい設定項目が、画像形成装置100-Aには設定変更していない設定項目を含んでいるか否かが、不明な場合がある。このような場合、B6000のチェックボックスを選択する態様にすることで、他の画像形成装置100-C,100-Dへの設定変更を確実に行うことができる。
【0064】
また、以上の説明はユーザーが設定画面を操作したことにより、画像形成装置100が設定変更を受け付け、画像形成装置100と他の画像形成装置100へ設定を反映させる例であるが、本実施形態の手法はこれに限られない。例えば、画像形成装置100-Aの設定が変更された場合、自動的に他の画像形成装置100-Bへ設定を反映させるようにしてもよい。具体的には例えば図7の処理例を図16の処理例にしてもよい。
【0065】
処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定の変更が行われたか否かについて判断する処理(ステップS12)を行う。そして処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定の変更が行われたと判断した場合(ステップS12でYES)、他の画像形成装置100-Bに変更コマンドを送信する(ステップS22)。一方、処理部120-Aは、画像形成装置100-Aの設定の変更が行われていないと判断した場合(ステップS12でNO)、再度ステップS12を行う。
【0066】
図16のステップS12は、図7のステップ10と比較して、ユーザーの入力を要さない点で異なる。具体的には例えば、図16のステップS12は、記憶部140-Aにおける設定変更に関する内容を記憶するアドレスにアクセスが有ったか否かを判断している。また、図16のステップS22は、具体的には例えば図7図11の一括設定(ステップS20)に含まれる各処理から、入力に係るステップS110、ステップS140、ステップS210、ステップS230、ステップS320等を省略した処理である。このようにすることで、ユーザーの入力を要することなく、画像形成装置100-Aに対して反映させた設定は、他の画像形成装置100-Bに対して反映される。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、画像形成装置に適用した設定を、自動的に他の画像形成装置100-Bに適用する。このようにすることで、ユーザーが他の画像形成装置100-Bに対して設定変更を行う負担を軽減できる。例えばネットワークNWの方式がP2Pネットワークの場合、画像形成装置100-Aに反映させた設定は、サーバーを介することなく、他の画像形成装置100-Bに反映させることができる。
【0067】
なお、上記した図16の処理例は、探索によって発見された全ての他の画像形成装置100に対して変更コマンドを送信する処理となる。他の画像形成装置100をユーザーが選択する処理が含まれないからである。
【0068】
また、例えば、探索により発見され得る他の画像形成装置100のうち、特定の他の画像形成装置100に対して変更コマンドを自動的に送信できるようにしてもよい。例えば図示は省略するが、処理部120-Aは他の画像形成装置100の探索を行い、ユーザーは探索により発見された複数の他の画像形成装置100から、他の画像形成装置100-Bを選択し、処理部120-Aは当該他の画像形成装置100-Bの情報を記憶部140-Aに記憶させる。その後、図16のステップS22において、記憶部140-Aに記憶された他の画像形成装置100-Bに対して変更コマンドを送信する処理とすることで、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-Bに自動的に反映させることができる。
【0069】
また、例えば、画像形成装置100-Aは、図7図11の処理に係るプログラムと、図16に係るプログラムを両方含んでもよい。例えば初回は図7図11のプログラムを採用し、処理部120-Aは、図7図11の処理を一度行い、図10のステップS230で選択された他の画像形成装置100-Bの情報を記憶する。そして以降は図16のプログラムを採用し、記憶された他の画像形成装置100-Bに対して図16の処理を行うようにすることで、画像形成装置100-Aに反映させた設定を、他の画像形成装置100-Bに自動的に反映させることができる。なお、他の画像形成装置100を再度選択し直したい場合は、図7図11のプログラムを再度実行できるようにしてもよい。このように、本実施形態の画像形成装置100-Aにおいて、処理部120-Aは、設定画面において、画像形成装置100-Aの設定を当該画像形成装置100-Aに反映する入力が行われたことをトリガーとして、画像形成装置100-Aの設定を他の画像形成装置100-Bに適用する。このようにすることで、所望の他の画像形成装置100-Bに対し、画像形成装置100-Aの設定を自動的に反映させることができる。
【0070】
以上のように、本実施形態の画像形成装置は、ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信部と、処理部と、を含み、処理部は、設定画面を提供し、設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、設定を画像形成装置に反映させ、画像形成装置に反映させた設定を他の画像形成装置に反映させる。
【0071】
このようにすることで、ユーザーが画像形成装置の設定を反映させる操作を行えば、ユーザーが他の画像形成装置を操作することなく、他の画像形成装置に対し画像形成装置100-Aの設定を反映させることができるので、画像形成装置の利便性を向上させることができる。
【0072】
また、設定画面に表示される設定は、印刷設定、スキャン設定、コピー設定、ネットワーク設定及びセキュリティー設定のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0073】
このようにすることで、画像形成装置に含まれる機能に関する設定の変更を行うことができる。
【0074】
また、処理部は、他の画像形成装置として、複数の画像形成装置が探索される場合、探索結果を一覧表示し、一覧表示された複数の画像形成装置の中から選択された画像形成装置に対して設定を反映させてもよい。
【0075】
このようにすることで、ユーザーは、所望の画像形成装置に対して設定の変更を行うことができる。
【0076】
また、処理部は、画像形成装置の設定画面を提供し、設定を反映させる他の画像形成装置を選択する画面を提供し、他の画像形成装置の設定反映を確認する画面を提供してもよい。
【0077】
このようにすることで、ユーザーは、画面表示を介して設定変更の実行及び確認を行うことができる。
【0078】
また、処理部は、画像形成装置の設定画面が表示されている間に、他の画像形成装置への設定の反映の移行を表示するための画面またはアイコンを表示してもよい。
【0079】
このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置に対する設定変更が行われ、他の画像形成装置に対する設定変更が開始されることを認識できる。
【0080】
また、処理部は、設定項目の一覧を表示し、設定項目のうち、画像形成装置に適用した設定項目を識別可能に表示してもよい。
【0081】
このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置に適用した設定項目を確認できる。
【0082】
また、処理部は、識別可能に表示された設定項目に対して、他の画像形成装置の設定反映のキャンセルを受け付けてもよい。
【0083】
このようにすることで、他の画像形成装置に対する設定変更をより適切に行うことができる。
【0084】
また、処理部は、識別可能に表示された設定項目以外の設定項目を、他の画像形成装置に反映させる入力を受け付けてもよい。
【0085】
このようにすることで、画像形成装置に反映させていない設定項目を、他の画像形成装置に反映させることができる。
【0086】
また、設定画面は、画像形成装置が提供するWebページ画面であってもよい。
【0087】
ユーザーは、端末装置に表示されるWebページ画面をタッチパネル等で操作することにより、画像形成装置及び他の画像形成装置の設定変更を行うことができる。
【0088】
また、設定画面は、画像形成装置に含まれる表示部に表示される画面であってもよい。
【0089】
このようにすることで、ユーザーは、画像形成装置の表示部に表示される設定画面に基づいて、画像形成装置及び他の画像形成装置の設定変更を行うことができる。
【0090】
また、処理部は、画像形成装置に適用した設定を、自動的に他の画像形成装置に適用してもよい。
【0091】
このようにすることで、ユーザーが他の画像形成装置に対して設定変更を行う負担を軽減できる。
【0092】
また、処理部は、設定画面において、画像形成装置の設定を当該画像形成装置に反映する入力が行われたことをトリガーとして、画像形成装置の設定を、他の画像形成装置に適用してもよい。
【0093】
このようにすることで、所望の他の画像形成装置に対し、画像形成装置の設定を自動的に反映させることができる。
【0094】
また、本実施形態の処理方法は、ネットワークを介して他の画像形成装置と通信接続する通信処理と、設定画面を提供する処理と、設定画面において画像形成装置の設定を受け付けた場合、設定を画像形成装置に反映させる処理と、画像形成装置に対する設定を他の画像形成装置に反映させる処理とを、行う。
【0095】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また画像形成装置及び処理方法等の構成・動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0096】
100,100-A,100-B,100-C,100-D,100-E…画像処理装置、110,110-A,110-B,110-C…通信部、120,120-A,120-B,120-C…処理部、130,130-A,130-B,130-C…表示部、140,140-A,140-B,140-C…記憶部、142,142-A,142-B,142-C…Webページ、200…端末装置、202…端末装置制御部、210…端末装置通信部、220…端末装置処理部、230…Webブラウザー、NW…ネットワーク
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