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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078862
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】人力駆動車用のハブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60B 27/02 20060101AFI20240604BHJP
   B60B 27/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60B27/02 Z
B60B27/00 D
B60B27/02 A
B60B27/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191450
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡 智成
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減できる人力駆動車用のハブアセンブリを提供する。
【解決手段】ハブアセンブリは、人力駆動車用のハブアセンブリであって、中心軸心を有する軸部材と、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの一方から前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造と、前記トルク伝達構造に設けられ、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能に構成される工具係合部と、を備え、前記工具係合部は、前記中心軸心に関する径方向において、前記スプロケット支持体よりも径方向外側に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のハブアセンブリであって、
中心軸心を有する軸部材と、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、
前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの一方から前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造と、
前記トルク伝達構造に設けられ、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能に構成される工具係合部と、を備え、
前記工具係合部は、前記中心軸心に関する径方向において、前記スプロケット支持体よりも径方向外側に位置する、ハブアセンブリ。
【請求項2】
人力駆動車用のハブアセンブリであって、
中心軸心を有する軸部材と、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、
前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの一方から前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造と、
前記トルク伝達構造に設けられ、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能に構成される工具係合部と、を備え、
前記スプロケット支持体は、前記スプロケットと係合するスプロケット係合部を有し、
前記工具係合部は、前記中心軸心に関する軸方向において、前記スプロケット係合部よりも前記ハブシェル側に位置する、ハブアセンブリ。
【請求項3】
前記トルク伝達構造は、ワンウェイクラッチを含み、
前記ワンウェイクラッチは、前記スプロケット支持体と一体回転する第1ワンウェイクラッチ部、および、前記ハブシェルと一体回転する第2ワンウェイクラッチ部を含む、請求項1または2に記載のハブアセンブリ。
【請求項4】
前記第1ワンウェイクラッチ部は、前記中心軸心に関する径方向において、前記第2ワンウェイクラッチ部の少なくとも一部よりも外方に配置される、請求項3に記載のハブアセンブリ。
【請求項5】
前記トルク伝達構造は、前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとが一体回転するように前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとを接続する接続部を含み、
前記工具係合部は、前記接続部に設けられる、請求項3に記載のハブアセンブリ。
【請求項6】
人力駆動車用のハブアセンブリであって、
中心軸心を有する軸部材と、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、
前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、
前記スプロケット支持体と一体回転する第1ワンウェイクラッチ部、および、前記ハブシェルと一体回転する第2ワンウェイクラッチ部を含むワンウェイクラッチと、
前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとが一体回転するように前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとを接続する接続部と、を備え、
前記ワンウェイクラッチは、前記スプロケット支持体から前記ハブシェルにトルクを伝達するトルク伝達構造に含まれ、
前記接続部は、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能な工具係合部を含む、ハブアセンブリ。
【請求項7】
前記ハブシェルには、第1雌ねじ部が設けられ、
前記接続部には、前記第1雌ねじ部に螺合する第1雄ねじ部が設けられる、請求項5に記載のハブアセンブリ。
【請求項8】
前記接続部は、前記第2ワンウェイクラッチ部と別体に形成され、前記第2ワンウェイクラッチ部に対して回転不能なように前記第2ワンウェイクラッチ部に取り付けられる、請求項5に記載のハブアセンブリ。
【請求項9】
前記接続部には、第2雌ねじ部が設けられ、
前記第2ワンウェイクラッチ部には、前記第2雌ねじ部に螺合する第2雄ねじ部が設けられる、請求項8に記載のハブアセンブリ。
【請求項10】
前記接続部は、前記中心軸心に関する軸方向において前記ハブシェルの外部に突出する突出部を含み、
前記工具係合部は、前記突出部の前記中心軸心に関する径方向外側に形成される外面に設けられる、請求項5に記載のハブアセンブリ。
【請求項11】
前記トルク伝達構造は、前記中心軸心に関する軸方向において前記ハブシェルの外部に突出する突出部を含み、
前記工具係合部は、前記突出部の前記中心軸心に関する径方向外側に形成される外面に設けられる、請求項1、2、および、6のいずれか一項に記載のハブアセンブリ。
【請求項12】
前記突出部は、前記中心軸心に関する径方向において外方に延びる、請求項11に記載のハブアセンブリ。
【請求項13】
前記工具係合部は、前記軸部材に前記ハブシェルを配置した状態において、前記トルク伝達構造を前記ハブシェルに取り付けるための工具が係合するように構成される、請求項1、2、および、6のいずれか一項に記載のハブアセンブリ。
【請求項14】
前記工具係合部には、スプラインが形成される、請求項1、2、および、6のいずれか一項に記載のハブアセンブリ。
【請求項15】
電気部品をさらに備え、
前記電気部品は、前記ハブシェルの内部空間に設けられる、請求項1、2、および、6のいずれか一項に記載のハブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のハブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軸部材と、ハブシェルと、スプロケット支持体と、スプロケット支持体およびハブシェルの一方からスプロケット支持体およびハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造とを備える人力駆動車用のハブアセンブリが開示される。特許文献1のハブアセンブリは、工具係合部によって、トルク伝達構造がハブシェルに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0220449号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のハブアセンブリの工具係合部は、ハブシェルおよびトルク伝達構造とは別体に形成される部材に設けられる。ハブシェルおよびトルク伝達構造とは別体に形成される部材は、トルク伝達構造に取り付けられる。
【0005】
本開示の目的の1つは、部品点数を削減できる人力駆動車用のハブアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従うハブアセンブリは、人力駆動車用のハブアセンブリであって、中心軸心を有する軸部材と、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの一方から前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造と、前記トルク伝達構造に設けられ、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能に構成される工具係合部と、を備え、前記工具係合部は、前記中心軸心に関する径方向において、前記スプロケット支持体よりも径方向外側に位置する。
第1側面のハブアセンブリによれば、工具係合部がトルク伝達構造に設けられるため、部品点数を削減できる。第1側面のハブアセンブリによれば、工具係合部がスプロケット支持体よりも径方向外側に位置するため、工具がハブシェルの外部から工具係合部に係合しやすい。
【0007】
本開示の第2側面に従うハブアセンブリは、人力駆動車用のハブアセンブリであって、中心軸心を有する軸部材と、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの一方から前記スプロケット支持体および前記ハブシェルの他方にトルクを伝達するトルク伝達構造と、前記トルク伝達構造に設けられ、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能に構成される工具係合部と、を備え、前記スプロケット支持体は、前記スプロケットと係合するスプロケット係合部を有し、前記工具係合部は、前記中心軸心に関する軸方向において、前記スプロケット係合部よりも前記ハブシェル側に位置する。
第2側面のハブアセンブリによれば、工具係合部がトルク伝達構造に設けられるため、部品点数を削減できる。第2側面のハブアセンブリによれば、工具係合部が軸方向においてスプロケット係合部よりもハブシェル側に位置するため、スプロケットがスプロケット係合部に係合しやすい。
【0008】
本開示の第1または2側面に従う第3側面のハブアセンブリにおいて、前記トルク伝達構造は、ワンウェイクラッチを含み、前記ワンウェイクラッチは、前記スプロケット支持体と一体回転する第1ワンウェイクラッチ部、および、前記ハブシェルと一体回転する第2ワンウェイクラッチ部を含む。
第3側面のハブアセンブリによれば、ワンウェイクラッチによって、スプロケット支持体とハブシェルとの間において、トルクを好適に伝達できる。
【0009】
本開示の第3側面に従う第4側面のハブアセンブリにおいて、前記第1ワンウェイクラッチ部は、前記中心軸心に関する径方向において、前記第2ワンウェイクラッチ部の少なくとも一部よりも外方に配置される。
第4側面のハブアセンブリによれば、第1ワンウェイクラッチ部を、中心軸心に関する径方向において、第2ワンウェイクラッチ部の少なくとも一部よりも外方に配置できる。
【0010】
本開示の第3または4側面に従う第5側面のハブアセンブリにおいて、前記トルク伝達構造は、前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとが一体回転するように前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとを接続する接続部を含み、前記工具係合部は、前記接続部に設けられる。
第5側面のハブアセンブリによれば、工具係合部が接続部に設けられるため、接続部が工具によって操作されることによって、トルク伝達構造がハブシェルに接続される。
【0011】
本開示の第6側面に従うハブアセンブリは、人力駆動車用のハブアセンブリであって、中心軸心を有する軸部材と、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置されるハブシェルと、前記中心軸心のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケットが取り付けられるスプロケット支持体と、前記スプロケット支持体と一体回転する第1ワンウェイクラッチ部、および、前記ハブシェルと一体回転する第2ワンウェイクラッチ部を含むワンウェイクラッチと、前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとが一体回転するように前記第2ワンウェイクラッチ部と前記ハブシェルとを接続する接続部と、を備え、前記ワンウェイクラッチは、前記スプロケット支持体から前記ハブシェルにトルクを伝達するトルク伝達構造に含まれ、前記接続部は、前記ハブシェルの外部から工具を係合可能な工具係合部を含む。
第6側面のハブアセンブリによれば、工具係合部がトルク伝達構造の接続部に含まれるため、部品点数を削減できる。第6側面のハブアセンブリによれば、工具係合部がトルク伝達構造の接続部に含まれるため、接続部が工具によって操作されることによって、トルク伝達構造がハブシェルに接続される。
【0012】
本開示の第5または6側面に従う第7側面のハブアセンブリにおいて、前記ハブシェルには、第1雌ねじ部が設けられ、前記接続部には、前記第1雌ねじ部に螺合する第1雄ねじ部が設けられる。
第7側面のハブアセンブリによれば、第1雌ねじ部および第1雄ねじ部によって、トルク伝達構造の接続部がハブシェルに接続できる。
【0013】
本開示の第5から7側面のいずれか1つに従う第8側面のハブアセンブリにおいて、前記接続部は、前記第2ワンウェイクラッチ部と別体に形成され、前記第2ワンウェイクラッチ部に対して回転不能なように前記第2ワンウェイクラッチ部に取り付けられる。
第8側面のハブアセンブリによれば、接続部によって、第2ワンウェイクラッチ部からハブシェルにトルクを好適に伝達できる。
【0014】
本開示の第8側面に従う第9側面のハブアセンブリにおいて、前記接続部には、第2雌ねじ部が設けられ、前記第2ワンウェイクラッチ部には、前記第2雌ねじ部に螺合する第2雄ねじ部が設けられる。
第9側面のハブアセンブリによれば、第2雌ねじ部および第2雄ねじ部によって、トルク伝達構造の接続部が第2ワンウェイクラッチ部に接続できる。
【0015】
本開示の第5から9側面のいずれか1つに従う第10側面のハブアセンブリにおいて、前記接続部は、前記中心軸心に関する軸方向において前記ハブシェルの外部に突出する突出部を含み、前記工具係合部は、前記突出部の前記中心軸心に関する径方向外側に形成される外面に設けられる。
第10側面のハブアセンブリによれば、突出部の外面に工具係合部が形成されるため、工具がハブシェルの外部から工具係合部に係合し易い。
【0016】
本開示の第1から9側面のいずれか1つに従う第11側面のハブアセンブリにおいて、前記トルク伝達構造は、前記中心軸心に関する軸方向において前記ハブシェルの外部に突出する突出部を含み、前記工具係合部は、前記突出部の前記中心軸心に関する径方向外側に形成される外面に設けられる。
第11側面のハブアセンブリによれば、突出部の外面に工具係合部が形成されるため、工具がハブシェルの外部から工具係合部に係合し易い。
【0017】
本開示の第10または11側面に従う第12側面のハブアセンブリにおいて、前記突出部は、前記中心軸心に関する径方向において外方に延びる。
第12側面のハブアセンブリによれば、突出部が径方向において外方に延びるため、工具がハブシェルの外部から、外面に設けられる工具係合部に係合し易い。
【0018】
本開示の第1から12側面のいずれか1つに従う第13側面のハブアセンブリにおいて、前記工具係合部は、前記軸部材に前記ハブシェルを配置した状態において、前記トルク伝達構造を前記ハブシェルに取り付けるための工具が係合するように構成される。
第13側面のハブアセンブリによれば、軸部材にハブシェルが配置された状態において、工具によって、トルク伝達構造をハブシェルに取り付けできる。
【0019】
本開示の第1から13側面のいずれか1つに従う第14側面のハブアセンブリにおいて、前記工具係合部には、スプラインが形成される。
第14側面のハブアセンブリによれば、スプラインによって工具が工具係合部に好適に係合できる。
【0020】
本開示の第1から14側面のいずれか1つに従う第15側面のハブアセンブリにおいて、電気部品をさらに備え、前記電気部品は、前記ハブシェルの内部空間に設けられる。
第15側面のハブアセンブリによれば、ハブシェルの内部空間に電気部品を設けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の人力駆動車用のハブアセンブリは、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態の人力駆動車用のハブアセンブリの正面図である。
図2図1の人力駆動車用のハブアセンブリの斜視図である。
図3図1の人力駆動車用のハブアセンブリの側面図である。
図4図3のD4-D4線に沿う断面図である。
図5図1の人力駆動車用のハブアセンブリの分解斜視図である。
図6図1の人力駆動車用のハブアセンブリの端部の斜視図である。
図7図4の人力駆動車用のハブアセンブリの軸方向における右方の端部およびその周辺を拡大して示す部分断面図である。
図8図4の人力駆動車用のハブアセンブリの軸方向における中間部分を拡大して示す部分断面図である。
図9図8のボビン、巻線、および、引出線の斜視図である。
図10図8のボビンの平面図である。
図11図8の規制部材の正面図である。
図12図8のハウジングの正面図である。
図13図8のハウジングの平面図である。
図14図12のハウジングから蓋部を除いた正面図である。
図15図8の磁石、磁気センサ、磁気発生部品、および、電気基板の位置関係を示す平面図である。
図16図8の第1部材、第2部材、磁石、磁気センサ、磁気発生部品、および、電気基板の位置関係を示す模式図である。
図17図1の人力駆動車用のハブアセンブリの電気的な構成を示すブロック図である。
図18図4の軸部材の軸方向における右方の端部の斜視図である。
図19図4の軸部材の側面図である。
図20図4の補助部材の正面図である。
図21図4の補助部材の第1状態および第2状態を示す平面図である。
図22図1の人力駆動車用のハブアセンブリ、および、ハブシェルにトルク伝達構造を取り付けるための工具の斜視図である。
図23図15の磁気センサに入力される磁束密度、第1磁気センサの出力、および、第2磁気センサの出力の変化の一例を示すタイミングチャートである。
図24図17の制御部によって実行される第2部材の回転方向を判定する処理のフローチャートである。
図25】第2実施形態の人力駆動車用のハブアセンブリの軸方向における中間部分を示す部分断面図である。
図26】第1変更例の人力駆動車用のハブアセンブリの軸方向における右方の端部およびその周辺を拡大して示す部分断面図である。
図27】第2変更例の人力駆動車用のハブアセンブリの軸方向における右方の端部およびその周辺を拡大して示す部分断面図である。
図28】第3変更例のボビン、巻線、および、引出線の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
図1から図24を参照して、第1実施形態の人力駆動車用のハブアセンブリ20を説明する。
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を自転車として説明する。
【0024】
<ハブアセンブリ20>
図1に示されるように、ハブアセンブリ20のハブ軸22は、人力駆動車10のフレーム14に支持される。ハブアセンブリ20のハブシェル24には、人力駆動車10の駆動輪のスポークが取り付けられる。ハブアセンブリ20は、例えば、リアハブアセンブリである。ハブアセンブリ20は、スプロケット12から入力される人力駆動力を、人力駆動車10の駆動輪に伝達するように構成される。
【0025】
図2から図5に示されるように、ハブアセンブリ20は、ハブ軸22を備える。ハブアセンブリ20は、軸部材26と、ハブシェル24と、スプロケット支持体32と、トルク伝達構造36と、工具係合部36Cと、を備える。ハブ軸22は、軸部材26を含む。ハブアセンブリ20は、例えば、軸受34と、ワンウェイクラッチ38と、接続部36Aと、をさらに備える。ハブアセンブリ20は、例えば、発電部40をさらに備える。ハブアセンブリ20は、例えば、発電装置42を備える。発電装置42は、発電部40を含んで構成される。ハブアセンブリ20は、例えば、電気部品58をさらに備える。ハブアセンブリ20は、電気ケーブル88を備える。例えば、ハブアセンブリ20は、補助部材92をさらに備える。ハブアセンブリ20は、例えば、少なくとも1つのコネクタ70を備える。
【0026】
<ハブ軸22>
図4に示されるように、ハブ軸22は、ハブシェル24を回転可能に支持し、中心軸心C1を有する。中心軸心C1に関する軸方向X1は、第1軸方向A1を含む。軸方向X1は、例えば、第1軸方向A1とは反対向きの第2軸方向A2を含む。ハブ軸22は、例えば、人力駆動車10のフレーム14のフレームエンドに取り付けられる。ハブ軸22は、例えば、人力駆動車10のフレーム14のリヤエンドに取り付けられる。ハブ軸22は、例えば、周壁部22Aを有する中空形状の部分を含む。本実施形態では、周壁部22Aは、エンドキャップ28に設けられている。
【0027】
ハブ軸22は、例えば、軸部材26、および、少なくとも1つのエンドキャップ28を含む。ハブ軸22は、例えば、追加エンドキャップ30を含む。ハブ軸22は、位置決部材80を含む。ハブ軸22は、第1フレーム当接端面22B、第2フレーム当接端面22C、および、少なくとも1つのケーブルガイド部90を含む。
【0028】
軸部材26は、中心軸心C1を有する。軸部材26の中心軸心は、ハブ軸22の中心軸心C1と一致する。軸部材26は、ハブシェル24を回転可能に支持する。軸部材26は、例えば、中空軸であって、中心軸心C1に関する径方向X2において内面26Aおよび外面26Bを含む。軸部材26は、端部26Cを含む。端部26Cは、軸方向X1における一方の端部26Cと、他方の端部26Cとを含む。
【0029】
端部26Cには、軸部材26の中心軸心C1に関する軸方向X1において、エンドキャップ28が取り付けられる。少なくとも1つのエンドキャップ28は、軸方向X1において軸部材26の端部26Cに取り付けられる。少なくとも1つのエンドキャップ28は、例えば、エンドキャップ28Xおよび追加エンドキャップ30を含む。エンドキャップ28は、端部26Cに取り付けられる。例えば、エンドキャップ28Xは、軸方向X1における一方の端部26Cに取り付けられ、追加エンドキャップ30は、軸方向X1における他方の端部26Cに取り付けられる。軸部材26の端部26Cには、例えば、雄ねじが設けられる。エンドキャップ28は、例えば、ハブ軸22の周壁部22Aを有する中空形状の部分を形成する。
【0030】
図4および図7に示されるように、エンドキャップ28Xは、軸部材26よりも第1軸方向A1側に配置される。エンドキャップ28Xは、軸部材26の端部26Cに嵌め込まれる。位置決部材80は、中心軸心C1に関する周方向X3において、軸部材26に対するエンドキャップ28Xの位置を決めるように構成される。例えば、位置決部材80は、中心軸心C1に関する径方向X2に延びる。位置決部材80は、例えば、エンドキャップ28Xおよび軸部材26とは、別体に構成される。位置決部材80は、例えば、ピン部材を含む。エンドキャップ28Xは、第1配置部28Aを有する。軸部材26の端部26Cは、第2配置部26Dを有する。位置決部材80は、第1部分80Aと第1部分80Aとは異なる第2部分80Bとを有する。第1配置部28Aは、第1部分80Aが配置される。第2配置部26Dは、第2部分80Bが配置される。
【0031】
例えば、第1配置部28Aおよび第2配置部26Dの一方は、位置決孔82Aを含む。エンドキャップ28Xの第1配置部28Aは、例えば、位置決孔82Aを含む。例えば、位置決孔82Aは、位置決部材80を保持する。位置決部材80の第1部分80Aが位置決孔82Aに圧入されることによって、位置決孔82Aに位置決部材80が保持される。
【0032】
例えば、第1配置部28Aおよび第2配置部26Dの他方は、位置決凹部82Bを含む。軸部材26の端部26Cの第2配置部26Dは、例えば、位置決凹部82Bを含む。例えば、位置決凹部82Bは、位置決部材80を受ける。位置決部材80の第2部分80Bが位置決凹部82Bに配置されることによって、位置決凹部82Bが位置決部材80を受ける。
【0033】
例えば、位置決凹部82Bは、中心軸心C1に関する径方向X2に少なくとも開口する。位置決凹部82Bの開口は、位置決部材80の第2部分80Bが位置決凹部82Bに配置される状態において、位置決部材80と、周方向X3における位置決凹部82Bの側面の一方との間に隙間を有する。位置決凹部82Bの開口は、位置決部材80の第2部分80Bが位置決凹部82Bに配置される状態において、位置決部材80と、周方向X3における位置決凹部82Bの側面の一方とが接触しないように軸部材26の端部26Cに形成される。位置決凹部82Bの開口は、位置決部材80の第2部分80Bが位置決凹部82Bに取り外し可能に圧入されるように形成されてもよい。位置決凹部82Bは、例えば、径方向X2において、外面26Bから内面26Aまで連続する。位置決凹部82Bは、位置決部材80を受けられるように少なくとも外面26Bに開口していれば、径方向X2において外面26Bから内面26Aまで連続しなくてもよい。位置決部材80は、例えば、追加位置決部材80Xを含む。追加位置決部材80Xは、軸方向X1において軸部材26に対するエンドキャップ28の位置を決めるように構成される。本実施形態では、追加位置決部材80Xは、軸方向X1において軸部材26に対するエンドキャップ28Xの位置を決めるように構成される。追加位置決部材80Xは、例えば、Oリングを含む。追加位置決部材80Xは、例えば、樹脂材料を含む。
【0034】
追加エンドキャップ30は、例えば、端部26Cの雄ねじに螺合する雌ねじを有する。追加エンドキャップ30は、軸方向X1における軸部材26に対する追加軸受30Aの位置を決めるように軸部材26に取り付けられる。追加軸受30Aは、ナットによって軸部材26に取り付けられてもよい。
【0035】
図1に示されるように、第1フレーム当接端面22Bは、例えば、軸部材26のうちの軸方向X1における一方の端面であり、第2フレーム当接端面22Cは、例えば、軸部材26のうちの軸方向X1における他方の端面である。第2フレーム当接端面22Cは、中心軸心C1に関する軸方向X1において第1フレーム当接端面22Bとは反対側の端面である。本実施形態では、第1フレーム当接端面22Bおよび第2フレーム当接端面22Cは、それぞれエンドキャップ28の端面に設けられる。第1フレーム当接端面22Bは、エンドキャップ28Xの端面に設けられ、第2フレーム当接端面22Cは、追加エンドキャップ30の端面に設けられる。
【0036】
フレーム14は、第1フレーム14Aおよび第2フレーム14Bを含む。第1フレーム当接端面22Bは、例えば、第1フレーム14Aと対向する。第2フレーム当接端面22Cは、例えば、第2フレーム14Bと対向する。第1フレーム当接端面22Bおよび第2フレーム当接端面22Cは、軸部材26がフレーム14に取り付けられた状態において、人力駆動車10のフレーム14に当接する。軸方向X1における第1フレーム当接端面22Bから第2フレーム当接端面22Cまでの距離は、ハブアセンブリ20のオーバーロックナット寸法を定義する。
【0037】
<ハブシェル24>
ハブシェル24は、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置される。ハブシェル24は、軸部材26と相対回転する。ハブシェル24は、軸部材26の外面26Bを囲う。ハブアセンブリ20は、例えば、追加軸受30Aをさらに含む。追加軸受30Aは、軸方向X1においてハブシェル24の追加エンドキャップ30側の端部に設けられる。追加軸受30Aは、ハブシェル24を軸部材26に対して回転可能に支持する。ハブシェル24の内部空間H1には、軸部材26の一部、発電部40、ハウジング62、ハウジング規制部材62X、および、電気ケーブル88の一部が収容される。
【0038】
<スプロケット支持体32>
図1および図2に示されるように、スプロケット支持体32は、トルク伝達構造36を介してハブシェル24に取り付けられる。スプロケット支持体32は、軸方向X1におけるハブ軸22の端部の一方に取り付けられる。スプロケット支持体32は、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケット12が取り付けられる。スプロケット支持体32は、例えば、軸部材26と相対回転し、少なくとも1つのスプロケット12が取り付けられる。スプロケット支持体32は、スプロケット12と係合するスプロケット係合部32Aを有する。スプロケット係合部32Aは、例えば、スプラインを含む。
【0039】
図7に示されるように、軸受34は、例えば、軸部材26に設けられ、スプロケット支持体32を軸部材26に対して回転可能に支持する。軸受34は、例えば、スプロケット支持体32に支持部材34Dを介して設けられる。軸受34には、軸受35を介して、スプロケット支持体32が接続される。軸受34は、例えば、複数の軸受34を含む。軸受34は、1つの軸受34であってもよい。軸受34は、例えば、外輪34A、内輪34B、および、回転体34Cを含む。外輪34Aは、スプロケット支持体32の径方向内側に、第2ワンウェイクラッチ部38Bを介して設けられる。内輪34Bは、軸部材26の外面に設けられる。回転体34Cは、外輪34Aが内輪34Bに対して回転可能なように外輪34Aと内輪34Bとの間に設けられる。例えば、回転体34Cは球であり、軸受34は玉軸受である。軸受34は、ローラ軸受であってもよい。
【0040】
<トルク伝達構造36>
トルク伝達構造36は、スプロケット支持体32およびハブシェル24の一方からスプロケット支持体32およびハブシェル24の他方にトルクを伝達する。例えば、トルク伝達構造36の少なくとも一部は、スプロケット支持体32に着脱不能に設けられる。例えば、トルク伝達構造36は、ワンウェイクラッチ38を含む。ワンウェイクラッチ38は、スプロケット支持体32からハブシェル24にトルクを伝達するトルク伝達構造36に含まれる。
【0041】
ワンウェイクラッチ38は、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。ワンウェイクラッチ38は、スプロケット支持体32の所定方向に回転する速度が、ハブシェル24の人力駆動車10が前進する方向と対応する所定方向に回転する速度よりも大きくなろうとする場合に、スプロケット支持体32からハブシェル24にトルクを伝達する。スプロケット支持体32からハブシェル24にトルクが伝達される場合には、スプロケット支持体32はハブシェル24と一体に回転する。スプロケット支持体32からハブシェル24にトルクが伝達される場合は、例えば、人力駆動車10のクランクが回転することによって人力駆動車10が駆動される場合である。ワンウェイクラッチ38は、ハブシェル24の所定方向に回転する速度がスプロケット支持体32の所定方向に回転する速度よりも大きい場合に、ハブシェル24とスプロケット支持体32との相対回転を許容するように構成される。ワンウェイクラッチ38が相対回転を許容する場合は、例えば、人力駆動車10がコースティングする場合である。
【0042】
ワンウェイクラッチ38は、第1ワンウェイクラッチ部38A、および、第2ワンウェイクラッチ部38Bを含む。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、例えば、ワンウェイクラッチ38の外輪を含む。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、例えば、ワンウェイクラッチ38の内輪を含む。ワンウェイクラッチ38は、係合部38Cと被係合部38Dとをさらに含む。係合部38Cは、爪部材または転動体を含む。被係合部38Dは溝部を含む。係合部38Cは、第1ワンウェイクラッチ部38Aと第2ワンウェイクラッチ部38Bとの間に設けられる。係合部38Cは第1ワンウェイクラッチ部38Aおよび第2ワンウェイクラッチ部38Bの一方に設けられ、かつ、被係合部38Dは第1ワンウェイクラッチ部38Aおよび第2ワンウェイクラッチ部38Bの他方に設けられる。
【0043】
第1ワンウェイクラッチ部38Aは、スプロケット支持体32と一体回転する。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、例えば、スプロケット支持体32と一体に形成される。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、スプロケット支持体32と別体に形成されてもよい。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、例えば、スプロケット支持体32の内面に設けられる。例えば、第1ワンウェイクラッチ部38Aは、中心軸心C1に関する径方向X2において、第2ワンウェイクラッチ部38Bの少なくとも一部よりも外方に配置される。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、ハブシェル24と一体回転する。
【0044】
<スプロケット支持体32とハブシェル24との接続構造>
例えば、トルク伝達構造36は、接続部36Aを含む。スプロケット支持体32およびトルク伝達構造36は、接続部36Aを介してハブシェル24に着脱可能に取り付けられる。接続部36Aは、第2ワンウェイクラッチ部38Bとハブシェル24とが一体回転するように第2ワンウェイクラッチ部38Bとハブシェル24とを接続する。接続部36Aは、例えば、ハブシェル24と別体に形成され、ハブシェル24に対して回転不能なようにハブシェル24に取り付けられる。例えば、接続部36Aは、第2ワンウェイクラッチ部38Bと別体に形成され、第2ワンウェイクラッチ部38Bに対して回転不能なように第2ワンウェイクラッチ部38Bに取り付けられる。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、径方向X2において、接続部36Aの少なくとも一部よりも内方に配置される。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、軸方向X1から見て、接続部36Aと重なるように配置される。
【0045】
例えば、接続部36Aには、第1雄ねじ部36Xが設けられる。例えば、ハブシェル24には、第1雌ねじ部24Aが設けられる。例えば、第1雄ねじ部36Xは、第1雌ねじ部24Aに螺合する。接続部36Aには、第2雌ねじ部36Yが設けられる。例えば、第2ワンウェイクラッチ部38Bには、第2雄ねじ部38Xが設けられる。第2雄ねじ部38Xは、第2雌ねじ部36Yに螺合する。
【0046】
例えば、接続部36Aは、突出部36Bを含む。例えば、トルク伝達構造36は、突出部36Bを含む。例えば、突出部36Bは、中心軸心C1に関する軸方向X1においてハブシェル24の外部に突出する。スプロケット支持体32がハブシェル24に取り付けられた状態において、突出部36Bは、ハブシェル24の内部から第1軸方向A1に突出する。突出部36Bは、例えば、単一の部品であり、一部がハブシェル24の外部に突出する部分と、ハブシェル24の内部に収容される部分と、を含む。例えば、突出部36Bは、中心軸心C1に関する径方向X2において外方に延びる。本実施形態において、突出部36Bは、接続部36Aと一体に形成されている。
【0047】
図7および図22に示される工具係合部36Cは、工具T1が係合するように構成される。工具係合部36Cは、トルク伝達構造36に設けられ、ハブシェル24の外部から工具T1を係合可能に構成される。トルク伝達構造36は、工具係合部36Cを用いて、ハブシェル24に取り付けられる。
【0048】
例えば、工具係合部36Cは、接続部36Aに設けられる。例えば、接続部36Aは、工具係合部36Cを含む。例えば、工具係合部36Cは、突出部36Bに設けられる。例えば、工具係合部36Cは、突出部36Bのうちのハブシェル24の外部に突出する部分に設けられる。工具係合部36Cは、中心軸心C1に関する径方向X2において、スプロケット支持体32よりも径方向外側に位置する。例えば、工具係合部36Cは、突出部36Bの中心軸心C1に関する径方向外側に形成される外面36Dに設けられる。突出部36Bの中心軸心C1に関する径方向外側に形成される外面36Dは、径方向X2において、ハブシェル24の内面よりも外方に位置する。ハブシェル24の内面は、接続部36Aが取り付けられるハブシェル24の端部に位置する。突出部36Bの中心軸心C1に関する径方向外側に形成される外面36Dは、径方向X2において、ハブシェル24の外面の少なくとも一部よりも外方に位置する。ハブシェル24の外面は、接続部36Aが取り付けられるハブシェル24の端部に位置する。工具係合部36Cは、中心軸心C1に関する軸方向X1において、スプロケット係合部32Aよりもハブシェル24側に位置する。工具係合部36Cは、例えば、全体がスプロケット係合部32Aよりもハブシェル24側に位置するように外面36Dに設けられる。
【0049】
例えば、工具T1は、軸部材26にハブシェル24を配置した状態において、トルク伝達構造36をハブシェル24に取り付けるために使用される。例えば、工具係合部36Cには、スプライン36Zが形成される。スプライン36Zには、工具T1が係合する。工具T1は、例えば、スプライン36Zと係合する内周スプラインが形成される環状部を含む。工具T1は、軸方向X1から工具係合部36Cに嵌め込まれ、工具係合部36Cを回転させることによって、第1雄ねじ部36Xを、第1雌ねじ部24Aに螺合する。
【0050】
<発電装置42>
図8に示されるように、本実施形態の発電装置42は、ハブアセンブリ20として構成される。発電装置42は、例えば、ハブダイナモを含む。発電装置42は、第1部材42Aと、第2部材42Bと、磁石44と、電気部品58と、磁気シールド部材60と、を備える。第1部材42Aは、中心軸心C1を有する。発電装置42は、例えば、軸部材26をさらに備える。本実施形態では、第1部材42Aは、軸部材26を含む。例えば、第2部材42Bは、径方向X2において第1部材42Aの外面42Zを囲うように設けられる。第2部材42Bは、第1部材42Aに対して中心軸心C1まわりに相対回転可能である。本実施形態では、第2部材42Bは、ハブシェル24を含む。本実施形態の発電装置42は、発電部40を含む。例えば、発電部40は、ハブシェル24の回転にともなって発電する。発電部40は、軸部材26と相対回転しないように、軸部材26に配置される。
【0051】
第2部材42Bは、例えば、金属材料を含む。第2部材42Bは、例えば、アルミニウム合金を含む。第2部材42Bは、例えば、全体が金属材料によって形成される。磁石44は、第2部材42Bに取り付けられる。例えば、磁石44は、第2部材42Bの内面に設けられる。磁石44は、例えば、複数の磁石44を含む。複数の磁石44は、例えば、周方向X3において並ぶように、第2部材42Bの内面に設けられる。
【0052】
発電装置42は、例えば、径方向X2において、少なくとも一部が磁石44と第2部材42Bとの間に配置されるバックヨーク42Cを備える。バックヨーク42Cは、磁石44の磁力線の進行方向を変えるように第2部材42Bの内面に設けられる。バックヨーク42Cは、例えば、磁石44の外面の全体を覆うように設けられる。バックヨーク42Cは、第2部材42Bの内面に設けられる。バックヨーク42Cの内面には、磁石44が設けられる。
【0053】
図7から図9に示されるように、発電装置42は、ボビン46と、巻線50Aと、引出線50Bと、少なくとも1つの引出線ガイド部54と、を備える。発電装置42は、例えば、ヨーク42Dを備える。発電装置42は、例えば、クローポール型のダイナモを含む。発電装置42は、磁石44がハブシェル24とともに回転することによって、軸部材26に設けられる巻線50Aに電流が発生することによって発電する。発電部40は、例えば、ダイナモを構成する部分である。発電部40は、例えば、ボビン46、巻線50A、および、ヨーク42Dを含む。発電部40は、例えば、磁石44、および、バックヨーク42Cをさらに含む。
【0054】
<ボビン46>
図9および図10に示されるように、ボビン46は、軸部材26と相対回転しないように軸部材26に配置される。したがって、軸部材26が回転しない場合には、ボビン46は回転しない。一方、軸部材26が回転する場合には、ボビン46は軸部材26と一体に回転する。本実施形態では、軸部材26は回転しない。ボビン46の中心軸心は、ハブ軸22の中心軸心C1と一致する。ボビン46は、巻線配置部46Aと、第1フランジ46Bと、を含む。ボビン46は、例えば、第2フランジ46Cを含む。巻線50Aは、ボビン46に巻かれる。巻線50Aは、ボビン46の巻線配置部46Aに巻かれる。例えば、巻線配置部46Aには、巻線50Aが配置される。第2フランジ46Cは、軸方向X1において第1フランジ46Bとは反対側の巻線配置部46Aの端部から径方向X2に突出するように配置される。第1軸方向A1は、巻線配置部46Aから第1フランジ46Bに向かう方向である。例えば、第1軸方向A1は、巻線50Aから第1ボビン端部46Xに向かう方向である。第2軸方向A2は、巻線配置部46Aから第2ボビン端部46Yに向かう方向である。第2ボビン端部46Yは、軸方向X1において第1ボビン端部46Xとは反対側の端部である。
【0055】
図9および図10に示されるように、例えば、第1フランジ46Bは、軸方向X1における巻線配置部46Aの端部からボビン46の中心軸心C1に関する径方向外側に延びる。第1フランジ46Bは、巻線配置部46Aの端部から巻線配置部46Aよりも径方向X2に突出するように配置される。例えば、第1フランジ46Bは、第1軸方向A1へ突出する複数の突出部48を含む。突出部48は、第1フランジ46Bから第1軸方向A1へ突出している。例えば、複数の突出部48は、第1突出部48A、および、第2突出部48Bを含む。第1突出部48Aは、第1軸方向A1において規制部材52に接触しないように、第1フランジ46Bから第1軸方向A1へ突出する。例えば、第2突出部48Bは、第1軸方向A1への突出量が第1突出部48Aよりも大きい。第2突出部48Bは、第1軸方向A1において規制部材52を超えて延びるように、第1軸方向A1へ突出する。複数の突出部48は、例えば、複数の第1突出部48A、および、複数の第2突出部48Bを含む。本実施形態では、複数の突出部48は、14個の第1突出部48A、および、2つの第2突出部48Bを含む。2つの第2突出部48Bは、周方向X3において隣り合うように配置される。
【0056】
図8および図9に示されるように、ヨーク42Dは、ボビン46に配置される。ヨーク42Dの一部は、ボビン46よりも径方向X2の内側に配置される。ヨーク42Dの一部は、ボビン46よりも径方向X2の外側に配置される。発電装置42は、複数のヨーク42Dを含む。複数のヨーク42Dは、周方向X3に並んで配置される。複数のヨーク42Dのうちの一部のヨーク42Dは、第1フランジ46Bに支持され、他の一部のヨーク42Dは、第2フランジ46Cに支持される。第1フランジ46Bに支持されるヨーク42Dは、隣り合う2つの突出部48の間に一部が配置される。
【0057】
ヨーク42Dは、径方向X2において磁石44に対向する。ヨーク42Dは、第1ヨーク42Xおよび第2ヨーク42Yを含む。第1ヨーク42Xは、軸方向X1において第2ヨーク42Yと隣り合うように配置される。第1ヨーク42Xは、複数の突出部48のうち周方向X3において隣り合う2つの突出部48の間に位置するように、第1フランジ46Bに配置される。第2ヨーク42Yは、周方向X3において隣り合う2つの第3突出部48Cの間に位置するように、第2フランジ46Cに配置される。第3突出部48Cは、第2フランジ46Cから第2軸方向A2へ突出する。第1ヨーク42Xおよび第2ヨーク42Yは、それぞれ複数のヨーク片によって構成される。
【0058】
<引出線50B>
引出線50Bは、巻線50Aと電気的に接続される。引出線50Bは、巻線50Aに生じた電流を発電部40の外部に送る。引出線50Bは、例えば、正極の引出線50Bと、負極の引出線50Bと、を含む。正極の引出線50Bと負極の引出線50Bとは、それぞれ巻線50Aの両端部に接続される。本実施形態では、引出線50Bは、巻線50Aと別体である。引出線50Bが巻線50Aと電気的に接続されれば、引出線50Bは、巻線50Aと一体でもよい。図14に示されるように、第1軸方向A1側に引き出された正極の引出線50Bと負極の引出線50Bとは、電気部品58に電気的に接続される。
【0059】
<規制部材52>
発電装置42は、例えば、規制部材52を備える。例えば、軸部材26には、ボビン46および規制部材52が取り付けられる。規制部材52は、ボビン46の中心軸心C1に関する軸方向X1においてボビン46の第1ボビン端部46Xに隣接し、ボビン46の軸方向X1の移動を規制する。規制部材52は、第1軸方向A1へのボビン46の移動を規制する。例えば、規制部材52は、軸部材26に溶接される。規制部材52は、溶接によって、軸部材26に取り付けられる。例えば、規制部材52は、軸方向X1において第1ボビン端部46Xと対向する第1面52A、および、軸方向X1において第1面52Aと反対側の第2面52Bを有する。規制部材52には、軸方向X1に垂直な方向から見て、第1面52Aから第2面52Bにかけて引出線50Bが配置される。
【0060】
図8に示されるように、規制部材52は、例えば、第1規制部材52C、第2規制部材52Dおよび追加規制部材52Xを備える。第1規制部材52Cは、ボビン46の中心軸心C1に関する軸方向X1においてボビン46の第1ボビン端部46Xに隣接し、第1軸方向A1へのボビン46の移動を規制する。第1規制部材52Cは、軸部材26に溶接される。第2規制部材52Dおよび追加規制部材52Xは、軸方向X1においてボビン46の第2ボビン端部46Yに隣接し、第2軸方向A2へのボビン46の移動を規制する。追加規制部材52Xは、例えば、Cリングを含む。軸部材26に第2規制部材52Dおよび追加規制部材52Xが配置され、発電部40が軸部材26に配置され、第1規制部材52Cが軸部材26に溶接されることによって、発電部40が軸部材26に配置される。軸方向X1において、第2規制部材52Dは、第2ボビン端部46Yおよび追加規制部材52Xの間に配置される。
【0061】
<引出線ガイド部54>
引出線ガイド部54は、引出線50Bと規制部材52との接触を抑制する。引出線ガイド部54は、例えば、引出線50Bを規制部材52に接触させないように構成される。引出線ガイド部54は、例えば、ボビン46と一体に設けられる。例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、樹脂材料を含む。例えば、ボビン46の全体が樹脂材料によって形成される。引出線ガイド部54は、例えば、ポリエステル樹脂、および、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂を含む。例えば、引出線ガイド部54は、樹脂材料によって形成される。
【0062】
例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第1フランジ46Bに設けられる。例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、複数の突出部48のうちの少なくとも1つに設けられる。少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第2突出部48Bに設けられる。少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第2突出部48Bのうち、径方向X2に凹む第2突出部48Bの凹部に設けられる。引出線ガイド部54の貫通部54Aは、径方向X2に凹む第2突出部48Bの凹部に含まれる。引出線ガイド部54の貫通部54Aは、軸方向X1に延びる第2突出部48Bの孔に含まれる。
【0063】
引出線ガイド部54は、引出線50Bを、規制部材52よりも第1軸方向A1側に引き出すように構成される。少なくとも1つの引出線ガイド部54は、引出線50Bの少なくとも一部が配置され、軸方向X1に延びる。少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第2突出部48Bを軸方向X1に貫通し、引出線50Bは少なくとも1つの引出線ガイド部54のうち第2突出部48Bを軸方向X1に貫通する部分に配置される。例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、例えば、引出線50Bが配置され、軸方向X1に貫通する貫通部54Aを含む。貫通部54Aは、第2突出部48Bを軸方向X1に貫通する。例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第1軸方向A1において第1面52Aを超えて延びるように構成される。引出線ガイド部54は、第1軸方向A1において第2面52Bを超えて延びるように構成される。引出線ガイド部54は、第1軸方向A1において第2面52Bを超えて延びないように構成されてもよい。
【0064】
例えば、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、複数の引出線ガイド部54を含む。1つの引出線ガイド部54には、例えば、1つの引出線50Bが配置される。少なくとも1つの引出線ガイド部54の数は、例えば、引出線50Bの数と一致する。本実施形態では、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、2つの引出線ガイド部54を含む。2つの引出線ガイド部54は、それぞれ異なる第2突出部48Bに設けられ、かつ、それぞれ正極の引出線50Bと負極の引出線50Bとが配置される。引出線ガイド部54が設けられる2つの第2突出部48Bは、2つの第2突出部48Bの間に他の突出部48がないように、周方向X3において隣り合う。
【0065】
<引出線ガイド配置部56>
図9および図11に示されるように、規制部材52には、引出線ガイド配置部56が設けられる。引出線ガイド配置部56には、少なくとも1つの引出線ガイド部54の少なくとも一部が配置される。例えば、引出線ガイド配置部56は、軸方向X1に延びる孔、および、ボビン46の中心軸心C1に関する径方向X2に凹む凹部56Bの少なくとも1つを含む。本実施形態では、引出線ガイド配置部56は、径方向X2に凹む凹部56Bを含む。引出線ガイド部54は、凹部56Bに配置される。引出線ガイド配置部56は、軸方向X1に延びる孔56Aを含んでもよい。引出線ガイド配置部56が軸方向X1に延びる孔56Aを含む場合、引出線ガイド部54は、孔56Aに配置されてもよい。引出線ガイド配置部56の形状は、引出線ガイド部54の形状に応じて決められる。
【0066】
<電気部品58>
図8に示されるように、電気部品58は、ハブアセンブリ20の内部に配置される。例えば、電気部品58は、ハブシェル24の内部空間H1に設けられる。例えば、電気部品58は、中心軸心C1に関する軸方向X1において、磁石44と異なる位置に配置される。電気部品58は、軸方向X1において、磁石44と重ならないように配置される。例えば、電気部品58は、蓄電器64Xを含む。例えば、電気部品58は、少なくとも1つの蓄電器64Xを含む。例えば、蓄電器64Xは、巻線50Aに生じた電気が充電される。
【0067】
例えば、電気部品58は、磁気センサ76を含む。例えば、電気部品58は、電気基板58Aを含む。例えば、電気基板58Aは、中心軸心C1に関する軸方向X1に延びる。電気基板58Aは、軸方向X1において、磁石44と異なる位置に配置される。電気基板58Aは、軸方向X1において、磁石44と重ならないように配置される。電気基板58Aは、軸部材26に取付けられる。電気基板58Aは、径方向X2に延びる追加電気基板58Yを含む。追加電気基板58Yには、軸方向X1から見た場合に、少なくとも一部が磁石44に重なるように、センサ58Xが配置される。センサ58Xは、例えば、磁気センサ76の一部を含んでもよい。センサ58Xは、例えば、加速度、および、傾斜の少なくとも1つを検出するセンサを含んでもよい。センサ58Xは、ジャイロセンサを含んでいてもよい。
【0068】
<磁気シールド部材60>
磁気シールド部材60は、磁石44の磁力線の進行方向を変えるように第2部材42Bの内部に配置される。磁気シールド部材60は、少なくとも磁石44のうち第1軸方向A1の端部から発生する磁力線の進行方向を変える。磁気シールド部材60は、軸方向X1から見た場合に、少なくとも一部が磁石44に重なり、軸方向X1において磁石44と電気部品58との間に位置し、中心軸心C1に関する径方向X2に延びる。磁気シールド部材60は、軸方向X1から見た場合に、磁石44の全てと重なる。したがって、磁気シールド部材60は、軸方向X1から見た場合に、磁石44の全てと重なる領域を含んでいる。磁気シールド部材60は、軸方向X1において規制部材52と同じ位置に配置される。例えば、磁気シールド部材60は、軟磁性材料を含む。
【0069】
例えば、磁気シールド部材60は、径方向X2において、第2部材42Bの内面から内方に延びる。例えば、第1径方向距離Y1は、第2径方向距離Y2よりも小さい。例えば、第1径方向距離Y1は、径方向X2において中心軸心C1から磁気シールド部材60までの距離である。第1径方向距離Y1は、例えば、中心軸心C1から、径方向X2において最も内側に位置する磁気シールド部材60の端部までの距離である。例えば、第2径方向距離Y2は、径方向X2において中心軸心C1から磁石44までの距離である。第2径方向距離Y2は、例えば、中心軸心C1から、径方向X2において最も内側に位置する磁石44の端部までの距離である。
【0070】
例えば、磁気シールド部材60は、バックヨーク42Cに磁気的に接続される。例えば、磁気シールド部材60は、バックヨーク42Cに接触するように配置される。例えば、磁気シールド部材60は、バックヨーク42Cと一体に形成される。例えば、磁気シールド部材60は、中心軸心C1に関する周方向X3において、全周に配置される。磁気シールド部材60は、第1径方向距離Y1が、全周において実質的に同じになるように配置される。例えば、磁気シールド部材60に対して、磁石44が中心軸心C1まわりに回転するように構成される場合でも、磁気シールド部材60が全周に配置されるため、磁気シールド部材60は、磁石44の磁力線の進行方向を変えることができる。磁気シールド部材60は、例えば、バックヨーク42Cの端部が、径方向内側に折り曲げられることによって形成される。例えば、磁気シールド部材60は、磁石44と接触するように配置される。磁気シールド部材60は、少なくとも第1軸方向A1における磁石44の端部に、接触するように配置される。
【0071】
<ハウジング62およびハウジング規制部材62X>
図8に示されるように、ハブアセンブリ20は、例えば、電気部品58の少なくとも一部を収容するハウジング62と、ハウジング62の軸部材26に対する移動を規制するハウジング規制部材62Xと、をさらに備える。電気部品58の少なくとも一部は、ハウジング62に設けられる。ハウジング62は、ハブシェル24の内部に、ハブシェル24とは別体に設けられる。ハウジング62は、例えば、樹脂材料を含む。ハウジング62は、電気部品58の少なくとも一部を収容する。例えば、ハウジング62の内部空間H2には、電気部品58の少なくとも一部が収容される。例えば、ハウジング62は、内壁62A、外壁62B、端壁62C、および、蓋部62Dを含む。例えば、ハウジング62は、電気部品58を配置する収容部64を有する。ハウジング62は、軸部材受入部66、および、開口部68を含む。ハウジング62は、例えば、軸方向X1から見てU字形状を有する。例えば、開口部68は、U字形状の開口部と対応し、軸部材受入部66はU字形状の底部と対応する。
【0072】
図12から図14に示されるように、例えば、内壁62Aは、軸部材受入部66および開口部68を画定する。内壁62Aは、軸方向X1に延びる板状部材を含む。例えば、外壁62Bは、内壁62Aから中心軸心C1に関する径方向外側に離れて位置する。外壁62Bは、軸方向X1に延びる板状部材を含む。例えば、端壁62Cは、内壁62Aと外壁62Bとを接続し、ハウジング62の内部空間H2を少なくとも部分的に画定する。端壁62Cは、軸方向X1に対して垂直な方向に延びる板状部材を含む。例えば、蓋部62Dは、内部空間H2の少なくとも一部を覆う。蓋部62Dは、軸方向X1に対して垂直な方向に延びる板状部材を含む。例えば、内壁62A、外壁62Bおよび端壁62Cは一体に形成され、内部空間H2を形成する。例えば、蓋部62Dは、内壁62A、外壁62Bおよび端壁62Cとは別体に形成され、内壁62Aおよび外壁62Bに取り付けられる。蓋部62Dは、ハウジング62の内部空間H2に電気部品58の少なくとも一部が収容される状態において、内壁62Aおよび外壁62Bに取り付けられる。
【0073】
例えば、収容部64は、第1収容部64Aと、第2収容部64Bと、第3収容部64Cと、を含む。例えば、第2収容部64Bは、第1収容部64Aと中心軸心C1を挟むように配置される。例えば、第3収容部64Cは、中心軸心C1に関する周方向X3において第1収容部64Aおよび第2収容部64Bの間に配置される。例えば、第1収容部64Aおよび第2収容部64Bの少なくとも一方には、少なくとも1つの蓄電器64Xが収容される。少なくとも1つの蓄電器64Xは、2つの蓄電器64Xを含む。少なくとも1つの蓄電器64Xの数に応じて、第1収容部64Aおよび第2収容部64Bの少なくとも一方に少なくとも1つの蓄電器64Xを任意に収容できる。2つの蓄電器64Xは、それぞれが第1収容部64Aおよび第2収容部64Bに収容される。
【0074】
図8に示されるように、ハウジング規制部材62Xは、軸部材26に対するハウジング62の移動を規制するように構成される。ハウジング規制部材62Xは、例えば、ハウジング62にねじ等によって取り付けられる。ハウジング規制部材62Xは、例えば、軸方向X1に垂直に延びる板状部材を含む。ハウジング規制部材62Xは、例えば、ハウジング62との取付部分とは異なる部分において、ねじ等によって発電部40に取り付けられることによって軸部材26に対して移動しないように軸部材26に取り付けられる。ハウジング規制部材62Xは、例えば、第1規制部材52Cに取り付けられる。
【0075】
図4に示されるように、ハウジング62は、軸部材26の少なくとも一部を囲むように構成される。例えば、軸部材26は、第1軸部26Xを含む。例えば、第1軸部26Xは、中心軸心C1に関する軸方向X1において、ハウジング62が配置される。第1軸部26Xの寸法D1は、例えば、第1軸部26Xにおいて、軸方向X1に垂直な方向における軸部材26の外面26Bの外径のうち、最も大きい寸法である。
【0076】
例えば、軸部材26は、第1軸部26X、および、第2軸部26Yを含む。例えば、第2軸部26Yは、軸方向X1において第1軸部26Xとは異なる。第2軸部26Yは、第1軸部26Xに対して第2軸方向A2側に配置される。例えば、径方向X2における第2軸部26Yの寸法D2は、径方向X2における第1軸部26Xの寸法D1よりも大きい。例えば、第2軸部26Yには、発電部40が設けられる。第2軸部26Yの寸法D2は、ハウジング62が軸部材26に配置された状態において、軸方向X1においてハウジング62が第2軸部26Yを超えて移動できない寸法である。したがって、ハウジング62は、軸方向X1において、第2軸部26Yから第1軸部26Xに向けて、軸部材26に挿入することができない。
【0077】
例えば、軸部材26は、第3軸部26Zを含む。例えば、第3軸部26Zは、軸方向X1において第1軸部26Xおよび第2軸部26Yの両方と異なる。第3軸部26Zは、第1軸部26Xに対して第1軸方向A1側に配置される。例えば、第2軸部26Yおよび第3軸部26Zは、第1軸部26Xを挟むように配置される。例えば、径方向X2における第3軸部26Zの寸法D3は、径方向X2における第1軸部26Xの寸法D1よりも大きい。例えば、第3軸部26Zには、軸受34が取り付けられる。第3軸部26Zの寸法D3は、ハウジング62が軸部材26に配置された状態において、軸方向X1において、ハウジング62が第3軸部26Zを超えて移動できない寸法である。したがって、ハウジング62は、軸方向X1において、第3軸部26Zから第1軸部26Xに向けて、軸部材26に挿入することができない。
【0078】
軸部材受入部66は、軸部材26を受け入れる。軸部材26が開口部68を介して軸部材受入部66に径方向X2から受け入れられることによって、ハウジング62が軸部材26に配置される。軸部材受入部66は、内壁62Aの径方向内面に配置される。例えば、軸部材受入部66は、中心軸心C1に関する周方向X3において、軸部材26の少なくとも一部の形状に沿うように構成される。例えば、軸部材受入部66が軸部材26の外周面のうち円弧形状の部分の形状に沿うように構成される場合、軸部材受入部66は、軸部材26の外周面の円弧形状と対応する形状を有する。例えば、軸部材受入部66は、周方向X3において軸部材26の90度以上200度以下の部分の形状に沿うように構成される。換言すれば、軸部材受入部66のうちの軸部材26の形状に沿う部分は、周方向X3において90度以上200度以下と対応する長さを備える。軸部材受入部66は、例えば、周方向X3において軸部材26の実質的に180度の部分の形状に沿うように構成される。
【0079】
開口部68は、軸部材26が開口部68を介して軸部材受入部66に受け入れられるように、軸部材受入部66と連通する。開口部68は、中心軸心C1に関する径方向X2において軸部材受入部66に連結される。例えば、開口部68は、周方向X3において、軸部材受入部66が軸部材26に沿う部分とは異なる部分に配置され、中心軸心C1に関する軸方向X1において、ハウジング62の端部の一方から他方にわたるように構成される。開口部68は、径方向X2において内壁62Aから外壁62Bにわたるように構成される。
【0080】
内壁62Aの径方向内面のうち、軸部材受入部66が配置されていない部分に、開口部68が配置される。開口部68は、第1側部68Aおよび第2側部68Bを含む。内壁62Aの径方向内面には、第1側部68Aと隣り合うように軸部材受入部66が配置され、かつ、軸部材受入部66と隣り合うように第2側部68Bが配置される。要するに、周方向X3において、軸部材受入部66の一端に第1側部68Aが配置され、軸部材受入部66の他端に第2側部68Bが配置される。第1側部68Aおよび第2側部68Bは、互いに平行に配置される。
【0081】
例えば、開口部68は、軸部材26が通過可能な軸部材通過経路68Cを形成する。軸部材通過経路68Cは、ハウジング62の外壁62Bから内壁62Aまで連続する通路である。例えば、軸部材26は、軸部材通過経路68Cを経由して軸部材受入部66に受け入れられるように構成される。軸部材26は、軸部材受入部66に受け入れられるように軸部材通過経路68Cを通過する。例えば、開口部68の開口寸法D4は、径方向X2における第1軸部26Xの寸法D1以上である。開口部68の開口寸法D4は、例えば、軸方向X1から見て、第1側部68Aから第2側部68Bまでの距離である。開口部68の開口寸法D4は、例えば、径方向X2における第1軸部26Xの寸法D1よりも大きい。本実施形態では第1側部68Aおよび第2側部68Bが平行に配置されるため、軸部材通過経路68Cを通して開口寸法D4は、一定である。軸部材26が軸部材通過経路68Cを通過できれば、開口部68の開口寸法D4は、軸部材通過経路68Cを通して一部が異なっていてもよい。
【0082】
<コネクタ70>
図8および図14に示されるように、例えば、少なくとも1つのコネクタ70は、ハウジング62に収容される電気部品58とハウジング62の外部に配置される電気ケーブル88とを接続する。例えば、少なくとも1つのコネクタ70は、第1収容部64Aおよび第2収容部64Bの少なくとも一方に配置される。コネクタ70は、例えば、第2収容部64Bに配置される。少なくとも1つのコネクタ70は、複数のコネクタ70を含み、第1収容部64Aおよび第2収容部64Bの両方にコネクタ70が配置されてもよい。コネクタ70は、少なくとも電気基板58Aに電気的に接続する。コネクタ70は、蓄電器64Xに電気的に接続する。コネクタ70の接続部分は、ハウジング62の外壁62Bから露出する。コネクタ70に電気ケーブル88が接続される状態においてコネクタ70を保護するため、コネクタ70には、Oリングが配置される。コネクタ70の受口は、軸方向X1に垂直な方向から電気ケーブル88が接続できるように、軸方向X1に垂直な方向を向くように配置される。コネクタ70の一部は、外壁62Bから外部に突出する。外壁62Bとコネクタ70との間には環状部材が設けられている。環状部材は、例えば、Oリングである。環状部材によって、外壁62Bとコネクタ70との隙間から収容部64に埃、液体等が侵入することを防ぐことができる。
【0083】
<回転装置72>
図7および図17に示されるように、例えば、ハブアセンブリ20は、人力駆動車用の回転装置72を含む。本実施形態の回転装置72は、ハブアセンブリ20として構成される。回転装置72は、第1部材72Aと、第2部材72Bと、少なくとも1つの磁石74と、少なくとも1つの磁気センサ76と、を備える。回転装置72は、第1部材72Aと、第2部材72Bと、磁石74と、磁気センサ76と、磁気発生部品72Xと、を備える。磁気発生部品72Xは、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、磁石74とは異なる。したがって、第1部材72Aが回転しない場合には、磁気発生部品72Xは回転しない。一方、第1部材72Aが回転する場合には、磁気発生部品72Xは第1部材72Aと一体に回転する。磁気発生部品72Xは、電気基板58Aに取り付けられることによって、第1部材72Aと相対回転しないように構成される。磁気発生部品72Xは、磁気を発生する電気的な部品を含む。磁気発生部品72Xは、例えば、インダクタを含む。磁気発生部品72Xは、例えば、コイルを含む。磁気発生部品72Xは、電気が流された場合に、磁気を発生する。回転装置72は、例えば、電気基板58Aをさらに備える。回転装置72は、例えば、制御部78を備える。
【0084】
第1部材72Aは、中心軸心C1を有する。本実施形態の第1部材72Aは、軸部材26である。第2部材72Bは、中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する。第2部材72Bは、ハブシェル24およびスプロケット支持体32の少なくとも1つを含む。本実施形態の第2部材72Bは、例えば、スプロケット支持体32を含む。
【0085】
<磁気センサ76>
例えば、磁気センサ76は、磁石44とは異なる磁気部品74Xの磁気を検出するように構成される。磁気部品74Xは、例えば、磁石74である。磁気センサ76は、電気基板58Aに設けられる。磁気センサ76は、軸方向X1において、磁気シールド部材60よりも電気部品58側に配置される。磁気センサ76は、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、磁石74の磁気を検出する。したがって、第1部材72Aが回転しない場合には、磁気センサ76は回転しない。一方、第1部材72Aが回転する場合には、磁気センサ76は第1部材72Aと一体に回転する。少なくとも1つの磁気センサ76は、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、少なくとも1つの磁石74の磁気を検出する。少なくとも1つの磁気センサ76は、第1部材72Aと相対回転不能に構成される。磁気センサ76は、電気基板58Aに取り付けられることによって、第1部材72Aと相対回転しないように構成される。磁気センサ76は、例えば、第1部材72Aとは別体に構成される。磁気センサ76は、例えば、第1部材72Aと一体回転できるように第1部材72Aに設けられる。例えば、少なくとも1つの磁気センサ76は、少なくとも1つの磁石74に対して非対向となるように配置される。磁気センサ76は、軸方向X1において磁石74と対向しないように配置される。例えば、少なくとも1つの磁気センサ76は、径方向X2における第1領域R1に配置される。
【0086】
図8および図15に示されるように、少なくとも1つの磁気センサ76は、磁石74の磁気を検出する検出面76Xを有する。検出面76Xには、磁気検出素子が配置される。検出面76Xは、少なくとも1つの磁石74のS極とN極とが並ぶ磁化方向M1に対して非垂直に配置される。例えば、磁化方向M1は、軸方向X1に平行である。検出面76Xは、磁化方向M1に対して傾斜して、または、磁化方向M1に平行に配置される。例えば、検出面76Xは、磁化方向M1に平行に配置される。
【0087】
磁石74から発生する磁気の磁束密度は、磁化方向M1と交差する方向、かつ、磁石74から離れる方向に向かうにつれて低くなる。また、磁石74の磁力線の進行方向は、磁石74から離れるにつれて、磁化方向M1と交差する方向に湾曲する。磁石74から軸方向X1にずれ、かつ、磁石74から径方向X2にずれた位置に磁気センサ76を配置することによって、磁気センサ76が、磁石74の磁気を効率よく検出できる。
【0088】
図15および図16に示されるように、磁気センサ76は、第1磁気センサ76A、および、第2磁気センサ76Bを含む。第1磁気センサ76Aは、磁石74の磁気を検出する。第2磁気センサ76Bは、第1磁気センサ76Aとは独立して磁石74の磁気を検出する。第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、例えば、それぞれ別の検出素子を備える。第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、離れて設けられる。
【0089】
<磁石74>
図15および図16に示されるように、少なくとも1つの磁石74は、第2部材72Bに設けられる。磁石74は、第2部材72Bに設けられる。磁石74は、第2部材72Bが中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する場合に、中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転するように構成される。第2部材72Bが中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する場合に、磁石74は、中心軸心C1まわりに第2部材72Bと一体に回転するように構成される。少なくとも1つの磁石74は、例えば、第1磁石74Aおよび第2磁石74Bを含む。第2磁石74Bは、周方向X3において、中心軸心C1に関して第1磁石74Aの反対側に配置される。第2磁石74Bは、例えば、径方向X2において、中心軸心C1に関して第1磁石74Aの反対側に配置される。要するに、第1磁石74Aと第2磁石74Bとは、中心軸心C1を挟んで配置される。
【0090】
少なくとも1つの磁石74は、中心軸心C1に関する径方向X2において、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置される。少なくとも1つの磁石74は、径方向X2において、少なくとも1つの磁気センサ76と重なることなく、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置される。磁石74は、例えば、径方向X2において、磁気センサ76よりも径方向外側に配置される。少なくとも1つの磁石74は、中心軸心C1に関する軸方向X1において、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置される。少なくとも1つの磁石74は、軸方向X1において、少なくとも1つの磁気センサ76と重なることなく、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置される。磁石74は、例えば、軸方向X1において、磁気センサ76よりも第1軸方向A1側に配置される。例えば、磁石74は、軸方向X1において、電気基板58Aと異なる位置に配置される。磁石74は、軸方向X1において、電気基板58Aと重なることなく、電気基板58Aと異なる位置に配置される。磁石74は、例えば、軸方向X1において、電気基板58Aに対して第1軸方向A1側に配置される。例えば、少なくとも1つの磁石74は、径方向X2において第1領域R1と重ならない第2領域R2に配置される。第1領域R1は、例えば、径方向X2において最も内側に位置する磁石74の端部よりも、径方向X2の内側に位置する円形の領域である。第2領域R2は、径方向X2において最も内側に位置する磁石74の端部が作る円と、径方向X2において最も外側に位置する磁石74の端部が作る円との間に位置する領域である。第1領域R1は、例えば、径方向X2において最も外側に位置する磁石74の端部よりも、径方向X2の外側に位置する円形の領域であってもよい。
【0091】
<磁気発生部品72X、磁気センサ76、および、磁石74の配置>
例えば、磁気発生部品72X、および、磁気センサ76は、電気基板58Aに設けられる。磁気発生部品72Xの磁気は、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bに対して同様に影響するように、磁気センサ76に到達する。第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、電気基板58Aのうち磁気発生部品72Xが設けられる面に設けられる。第1磁気センサ76Aは、基準面P1に関して、第2磁気センサ76Bと反対側に配置される。基準面P1は、中心軸心C1を含み磁気発生部品72Xを通る。基準面P1は、例えば、中心軸心C1を全て含む。例えば、基準面P1は、磁気発生部品72Xの中心を通る。磁気発生部品72Xは、磁気が基準面P1に対して対称に発生するように電気基板58Aに設けられる。例えば、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、基準面P1に対して対称に配置される。第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、基準面P1に対して面対称に配置される。第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bは、第1磁気センサ76Aの検出面76Xと第2磁気センサ76Bの検出面76Xとが、基準面P1に対して対称に配置される。
【0092】
第1磁気センサ76A、第2磁気センサ76Bおよび磁気発生部品72Xは、所定平面P2に配置される。所定平面P2は、基準面P1に直交する平面である。所定平面P2は、例えば、電気基板58Aのうち第1磁気センサ76A、第2磁気センサ76Bおよび磁気発生部品72Xが設けられる面を含む。第1磁気センサ76A、第2磁気センサ76Bおよび磁気発生部品72Xは、所定平面P2上においてそれぞれの中心が二等辺三角形を形成するように配置される。第1磁気センサ76A、第2磁気センサ76Bおよび磁気発生部品72Xが形成する二等辺三角形は、磁気発生部品72Xが頂角の位置の頂点に位置し、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bがそれぞれ底角の位置の頂点に位置する。
【0093】
例えば、第1距離Z1は、第2距離Z2に等しい。例えば、第1距離Z1は、第1磁気センサ76Aから磁気発生部品72Xまでの距離である。例えば、第1距離Z1は、第1磁気センサ76Aから磁気発生部品72Xまでの最短距離である。例えば、第1距離Z1は、第1磁気センサ76Aの検出面76Xの中心から磁気発生部品72Xの中心までの距離である。例えば、第2距離Z2は、第2磁気センサ76Bから磁気発生部品72Xまでの距離である。例えば、第2距離Z2は、第2磁気センサ76Bから磁気発生部品72Xまでの最短距離である。例えば、第2距離Z2は、第2磁気センサ76Bの検出面76Xの中心から磁気発生部品72Xの中心までの距離である。
【0094】
<制御部78>
図16および図17に示されるように、制御部78は、磁気センサ76が検出した磁石74の磁気に応じて、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転を判定するように構成される。制御部78は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部78は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部78は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。例えば、制御部78は、記憶部をさらに備える。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0095】
制御部78は、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bが検出した磁気が信号として入力されるように、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bに電気的に接続される。制御部78は、出力制御回路78Aを介して、ハブアセンブリ20の外部に設けられる外部電気部品16に電気的に接続される。制御部78は、外部電気部品16に対して、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転に関する情報を出力する。出力制御回路78Aは、電気ケーブル88を介して、外部電気部品16に電気的に接続される。電気ケーブル88によって電気部品58と外部電気部品16とが電気的に接続される。外部電気部品16は、例えば、ハブアセンブリ20とは異なる人力駆動車用のコンポーネントを含む。外部電気部品16は、例えば、人力駆動車用のドライブユニットを含む。出力制御回路78Aは、制御部78の電気的な出力が安定するように動作する回路である。制御部78は、例えば、保護回路78Bを介して、発電部40から電力が供給されるように電気基板58Aに実装される。保護回路78Bは、制御部78への電力の供給量が安定するように動作する。
【0096】
<電気ケーブル88>
図4および図5に示されるように、例えば、電気ケーブル88は、電気部品58に電気的に接続される。例えば、電気ケーブル88は、制御部78に接続される。例えば、電気ケーブル88は、磁気センサ76の信号をハブアセンブリ20の外部に送信する。例えば、電気ケーブル88は、発電部40によって発電された電力をハブアセンブリ20の外部に送る。例えば、電気ケーブル88は、ハブシェル24の内部においてハブ軸22に沿って配置される。電気ケーブル88は、例えば、ハブシェル24の内部においてハブ軸22の軸方向X1に延びるように、ハブ軸22の外面に配置される。ハブ軸22の外面には、電気ケーブル88を配置するための軸方向X1に延びる配線部94が設けられてもよい。配線部94は、例えば、軸方向X1に延びる溝94Aを含む。配線部94は、電気ケーブル88が軸部材26の中空部分を通過するように、ハブシェル24の内部に配置されてもよい。
【0097】
例えば、電気ケーブル88は、収容部分88Aにおいて、径方向内側に面する第1面88Xを有する。収容部分88Aは、電気ケーブル88のうちのハブシェル24の内部に収容される部分である。収容部分88Aは、例えば、電気ケーブル88のうちのハブアセンブリ20の内部に収容される部分である。例えば、第1面88Xは、収容部分88Aから露出部分88Bまで延びる。露出部分88Bは、電気ケーブル88のうちのハブシェル24の外部に露出する部分である。露出部分88Bは、ハブアセンブリ20の外部に露出する。例えば、電気ケーブル88は、第1面88Xとは反対側の第2面88Yを有する。例えば、第2面88Yは、収容部分88Aから露出部分88Bまで延びる。
【0098】
<ケーブルガイド部90>
図2から図4に示されるように、例えば、電気ケーブル88は、ハブシェル24の外部において径方向X2に延びるように、ケーブルガイド部90によってガイドされる。例えば、電気ケーブル88は、少なくとも1つのケーブルガイド部90によって、中心軸心C1の径方向X2に延びるようにガイドされる。ケーブルガイド部90は、電気ケーブル88がハブシェル24およびスプロケット支持体32の少なくとも一方に接触しないように、電気ケーブル88をガイドする。少なくとも1つのケーブルガイド部90は、軸方向X1において、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に設けられ、電気ケーブル88をガイドするように構成される。ケーブルガイド部90は、軸方向X1において、電気ケーブル88が人力駆動車10のフレーム14と軸部材26の端部26Cとの間を通過するように、電気ケーブル88をガイドするように構成される。少なくとも1つのケーブルガイド部90は、少なくとも部分的に、少なくとも1つのエンドキャップ28に設けられる。例えば、少なくとも1つのケーブルガイド部90は、エンドキャップ28に設けられる。本実施形態のケーブルガイド部90は、エンドキャップ28Xに設けられる。本実施形態では、ケーブルガイド部90は、第1フレーム当接端面22Bに設けられ、第1フレーム当接端面22Bから軸方向X1の内側に向かう凹部である。軸部材26がエンドキャップ28を含まない場合、ケーブルガイド部90は、軸部材26の端部26Cに設けられてもよい。ケーブルガイド部90の一部は、例えば、軸方向X1においてエンドキャップ28Xの内部に配置される。電気ケーブル88がエンドキャップ28Xの内部からケーブルガイド部90の凹部を通って引き出される。電気ケーブル88がケーブルガイド部90の凹部から引き出される場合にケーブルガイド部90の凹部の端部に電気ケーブル88が接する。ケーブルガイド部90のうち、電気ケーブル88が接する部分が当接部90Bである。電気ケーブル88が当接部90Bに接することで、電気ケーブル88がスプロケット支持体32またはハブシェル24などの回転体と接することを抑制できる。電気ケーブル88が溝94Aにガイドされて、ハブ軸22の端部まで配置される場合、ハブアセンブリ20は、例えば、電気ケーブル88の第2面88Yに当接する部品を備えてもよい。電気ケーブル88の第2面88Yに当接する部品は、電気ケーブル88およびハブ軸22が貫通する環状部材を含む。例えば、環状部品をハブ軸22に取り付けることによって、電気ケーブル88がハブ軸22から離れることを抑制できる。電気ケーブル88の第2面88Yに当接する部品の環状部品は、当接部90Bの機能を有する。
【0099】
少なくとも1つのケーブルガイド部90は、少なくとも部分的に、中心軸心C1に関する径方向X2において、ハブ軸22を貫通する。例えば、ケーブルガイド部90は、中空形状の部分に設けられ、周壁部22Aを貫通する。少なくとも1つのケーブルガイド部90は、周壁部22Aを貫通する孔であってもよい。例えば、少なくとも1つのケーブルガイド部90は、第1フレーム当接端面22Bおよび第2フレーム当接端面22Cの少なくとも1つに設けられる切欠部90Aである。切欠部90Aは、周壁部22Aの一部を横断して切り取るように形成される。
【0100】
例えば、ケーブルガイド部90は、当接部90Bを有する。当接部90Bには、電気ケーブル88が当接する。当接部90Bは、エンドキャップ28の内面のうち、電気ケーブル88のガイドされる部分に当接する部分を含む。当接部90Bは、スプロケット支持体32よりも第1軸方向A1側に位置するように配置される。ケーブルガイド部90は、当接部90Bによって、電気ケーブル88のうち径方向X2にガイドされる部分がスプロケット支持体32よりも第1軸方向A1側に位置するように、電気ケーブル88をガイドできる。
【0101】
<補助部材92>
図2から図4に示されるように、補助部材92は、露出部分88Bの少なくとも一部を、中心軸心C1に関する径方向X2に案内するように構成される。補助部材92は、例えば、ハブ軸22に取り付けられる。補助部材92は、例えば、エンドキャップ28に取り付けられる。補助部材92は、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に配置される。例えば、補助部材92は、線状部材によって形成される。例えば、ハブ軸22は、線状部材の端部が挿入される孔22Xおよび凹部22Yの少なくとも1つを含む。ハブ軸22の孔22Xおよび凹部22Yの少なくとも1つは、例えば、エンドキャップ28に形成される。線状部材の端部が孔22Xおよび凹部22Yの少なくとも1つに挿入されることによって、補助部材92がハブ軸22に取り付けられる。ハブ軸22は、孔22Xおよび凹部22Yの両方を含む。
【0102】
図20および図21に示されるように、例えば、補助部材92は、ハブ軸取付部92Aを含む。ハブ軸取付部92Aは、ハブ軸22の孔22Xおよび凹部22Yの少なくとも1つに挿入される。例えば、補助部材92は、第1ケーブル支持部92Bを含む。第1ケーブル支持部92Bは、第1面88Xに接触する。例えば、補助部材92は、第2ケーブル支持部92Cを含む。第2ケーブル支持部92Cは、第2面88Yに接触する。ハブ軸取付部92A、第1ケーブル支持部92Bおよび第2ケーブル支持部92Cは線状部材によって一体に形成される。
【0103】
例えば、補助部材92は、第1状態、および、第2状態の一方から他方に切り替え可能に構成される。図21において、第1状態の補助部材92が実線で示される。例えば、第1状態は、電気ケーブル88のうちの露出部分88Bの少なくとも一部を径方向X2に案内する状態である。補助部材92は、第1状態において、露出部分88Bが中心軸心C1から遠ざかるように、電気ケーブル88を径方向X2に案内する。図21において、第2状態の補助部材92が二点鎖線で示される。例えば、第2状態は、電気ケーブル88のうちの露出部分88Bの少なくとも一部を軸方向X1に案内する。補助部材92は、第2状態において、露出部分88Bが中心軸心C1に近づくように電気ケーブル88を径方向X2の内側に案内する。補助部材92は、第2状態において、電気ケーブル88のうち露出部分88Bを軸方向X1に案内する。
【0104】
例えば、ハブアセンブリ20がフレーム14に取り付けられた状態において、補助部材92は、第1状態に設定される。例えば、スプロケット12がスプロケット支持体32に取り付けられる場合、および、スプロケット12がスプロケット支持体32から取り外される場合、補助部材92は、第2状態に設定される。第1状態と第2状態との切り替えは、例えば、作業者が補助部材92を押すまたは引っ張ることによって実現される。
【0105】
<ハブアセンブリ20の組立方法>
軸部材26には、軸部材26の中心軸心C1に関する軸方向X1における軸部材26の端部26Cのうち軸方向X1を向く面84Aに、工具係合部84が設けられる。軸方向X1を向く面84Aは、例えば、軸部材26の端面である。工具係合部84は、工具T2が係合可能である。
【0106】
例えば、工具係合部84は、軸方向X1に凹む少なくとも1つの凹部86を含む。例えば、凹部86は、軸方向X1を向く工具係合面84Bを含む。工具係合面84Bは、少なくとも一部が軸方向X1に対して垂直に形成される。例えば、少なくとも1つの凹部86は、径方向X2において、外面26Bから内面26Aまで連続する。凹部86は、例えば、少なくとも径方向X2に開口する。凹部86は、例えば、軸方向X1に開口する。
【0107】
図19に示されるように、例えば、少なくとも1つの凹部86は、第1凹部86Aおよび第2凹部86Bを含む。例えば、第2凹部86Bは、中心軸心C1に関する周方向X3において、中心軸心C1に関して第1凹部86Aの反対側に配置される。第2凹部86Bは、例えば、径方向X2において、中心軸心C1に関して第1凹部86Aの反対側に配置される。第1凹部86Aおよび第2凹部86Bは、中心軸心C1を挟むように配置される。本実施形態では、工具係合部84の凹部86は、図7に示す位置決部材80が配置される位置決凹部82Bを含む。位置決部材80は、エンドキャップ28Xに取り付けられ、工具係合部84に配置される。位置決部材80の第2部分80Bは、工具係合部84の凹部86に配置される。工具係合部84の凹部86は、位置決凹部82Bとは別に設けられてもよい。
【0108】
図4図5図9、および、図22を参照して、ハブアセンブリ20の組立方法が説明される。ハブアセンブリ20の組立方法は、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、第5工程、および、第6工程を含む。
【0109】
第1工程は、軸部材26に発電部40およびハウジング規制部材62Xが配置される工程である。第1工程において、発電部40が軸部材26の第2軸部26Yに取り付けられた後に、ハウジング規制部材62Xが発電部40取り付けられる。
【0110】
第2工程は、軸部材26にハウジング62が配置される工程である。第2工程において、ハウジング62が径方向X2から軸部材26の第1軸部26Xに配置された後に、ハウジング62がハウジング規制部材62Xに取り付けられる。巻線50Aから引き出された引出線50Bがハウジング62に電気的に接続される。電気ケーブル88が、ハウジング62のコネクタ70に接続される。
【0111】
第3工程は、軸部材26にハブシェル24が配置される工程である。磁石44、バックヨーク42C、および、追加軸受30Aが内面に取り付けられたハブシェル24が軸部材26に配置される。
【0112】
第4工程は、軸部材26に追加エンドキャップ30が取り付けられる工程である。第4工程において、ハブシェル24の内面に配置される追加軸受30Aの軸方向X1の位置が位置決めされる。第4工程において、工具係合部84に工具T2が係合することによって、少なくとも周方向X3における軸部材26の回転が抑制される。周方向X3における軸部材26の回転が抑制される状態において、軸部材26に追加エンドキャップ30が取り付けられる。工具係合部84によって周方向X3における軸部材26の回転を抑制できるため、軸部材26に追加エンドキャップ30を取り付け易い。
【0113】
第5工程は、トルク伝達構造36がハウジング62に取り付けられる工程である。第5工程において、工具係合部36Cに工具T1のスプラインが係合された状態において、工具T1が周方向X3に回転することによって、トルク伝達構造36がハウジング62に取り付けられる。
【0114】
第6工程は、軸部材26にエンドキャップ28Xが取り付けられる工程である。第6工程において、コネクタ70に接続された電気ケーブル88が、エンドキャップ28Xの中空形状の部分を通過して、ハブシェル24の外部に引き出される。電気ケーブル88がエンドキャップ28Xの中空形状の部分を通過する状態において、軸部材26にエンドキャップ28Xが取り付けられる。
【0115】
<制御部78による回転の判定方法>
図23および図24を参照して、制御部78による回転の判定方法を説明する。
磁気センサ76は、例えば、磁気を検出する場合に制御部78に検出信号を出力し、磁気を検出しない場合に制御部78に非検出信号を出力するように構成される。磁気センサ76は、例えば、検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値以上である場合に制御部78に検出信号を出力するように構成される。磁気センサ76は、例えば、検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値より小さい場合に制御部78に非検出信号を出力するように構成される。検出信号および非検出信号は、電圧値であってもよい。検出信号および非検出信号の一方は、ハイ信号であり、検出信号および非検出信号の一方は、ロー信号であってもよい。ロー信号は、0Vであってもよい。制御部78は、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bからの出力の変化に応じて、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転を判定するように構成される。
【0116】
第2部材72Bが回転する場合、第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングとは異なる。第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第2磁気センサ76Bによる磁石74の磁気の検出タイミングとの差は、中心軸心C1に関する第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの位相差と対応する。要するに、第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第2磁気センサ76Bによる磁石74の磁気の検出タイミングとの差は、第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの周方向X3における位置と対応する。中心軸心C1に関する第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの位相差は、例えば、中心軸心C1に関する第1磁石74Aと第2磁石74Bとの位相差よりも小さい。中心軸心C1に関する第1磁石74Aと第2磁石74Bとの位相差は、例えば、180度である。
【0117】
第2部材72Bが回転する場合、第1磁気センサ76Aは、第1所定期間にわたり検出信号を出力するように構成されてもよい。第2部材72Bが回転する場合、第2磁気センサ76Bは、第2所定期間にわたり検出信号を出力するように構成されてもよい。例えば、第1所定期間は、実質的に第2所定期間と等しい。中心軸心C1に関する第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの位相差は、例えば、第1磁気センサ76Aが検出信号を出力している場合に、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号になるように設定される。
【0118】
図23では、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力する磁束密度変化が実線で示され、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力する磁束密度の変化が二点鎖線で示される。
【0119】
時刻t11は、第2部材72Bが所定方向に回転することによって、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値以上になった時刻を示す。時刻t11において、第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号から検出信号に変化する。時刻t11において、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値未満のため、第2磁気センサ76Bの出力は非検出信号である。
【0120】
時刻t12は、第2部材72Bが所定方向にさらに回転することによって、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値以上になった時刻を示す。時刻t12において、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化する。時刻t12において、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力される磁束密度は所定閾値以上に維持されているため、第1磁気センサ76Aの出力は検出信号に維持されている。
【0121】
時刻t13は、第2部材72Bが所定方向にさらに回転することによって、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値未満になった時刻を示す。時刻t13において、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号から非検出信号に変化する。時刻t13において、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力される磁束密度は所定閾値以上に維持されているため、第2磁気センサ76Bの出力は検出信号に維持されている。
【0122】
時刻t14は、第2部材72Bが所定方向にさらに回転することによって、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力される磁束密度が所定閾値未満になった時刻を示す。時刻t14において、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化する。時刻t14において、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力される磁束密度は所定閾値以未満に維持されているため、第1磁気センサ76Aの出力は非検出信号に維持されている。
【0123】
図23は、第2部材72Bが第1部材72Aに対して所定方向に回転する場合を示したが、第2部材72Bが第1部材72Aに対して所定方向と反対方向に回転する場合は、時刻t14から時刻t11に向かうように、第1磁気センサ76Aの検出面76Xに入力する磁束密度、第2磁気センサ76Bの検出面76Xに入力する磁束密度、第1磁気センサ76Aの出力、および、第2磁気センサ76Bの出力が変化する。
【0124】
制御部78は、例えば、第2磁気センサ76Bの出力が変化した場合の第1磁気センサ76Aの出力に応じて、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転を判定するように構成される。制御部78は、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bの出力の変化が第1パターンである場合に、第2部材72Bが第1部材72Aに対して所定方向に回転していると判定する。制御部78は、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bの出力の変化が第2パターンである場合に、第2部材72Bが第1部材72Aに対して所定方向と反対方向に回転していると判定する。制御部78は、例えば、第1磁気センサ76Aおよび第2磁気センサ76Bの出力の変化が第1パターンおよび第2パターンのいずれとも異なる場合、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転を判定しないように構成される。
【0125】
第1パターンは、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が検出信号であって、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号であるパターンである。第1パターンでは、時刻t12において第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が検出信号である。その後、時刻t14において第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号である。
【0126】
第2パターンは、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号であって、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が検出信号であるパターンである。第2パターンでは、時刻t14において第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号である。その後、時刻t12において第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化する場合に第1磁気センサ76Aの出力が検出信号である。
【0127】
図24を参照して、制御部78が第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転方向を判定する制御の一例を説明する。制御部78は、例えば、制御部78に電力が供給されると、ステップS11の処理を開始する。制御部78は、例えば、図24の処理が終了すると、所定期間後にステップS11の処理を再び開始する。
【0128】
ステップS11において、制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化したか否かを判定する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化していない場合、処理を終了する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が非検出信号から検出信号に変化した場合、ステップS12に移行する。
【0129】
ステップS12において、制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号か否かを判定する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号である場合、ステップS13に移行する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号ではない場合、ステップS16に移行する。
【0130】
ステップS13において、制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化したか否かを判定する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化していない場合、再びステップS13の処理を実行する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化した場合、ステップS14に移行する。
【0131】
ステップS14において、制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号か否かを判定する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号である場合、ステップS15に移行する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号ではない場合、処理を終了する。ステップS15において、制御部78は、第1部材72Aに対して第2部材72Bが所定方向に回転していると判定してから処理を終了する。制御部78は、ステップS14において、第1磁気センサ76Aの出力が非検出信号ではない場合、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転方向を判定しない。
【0132】
ステップS16において、制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化したか否かを判定する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化していない場合、再びステップS16の処理を実行する。制御部78は、第2磁気センサ76Bの出力が検出信号から非検出信号に変化した場合、ステップS17に移行する。
【0133】
ステップS17において、制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号か否かを判定する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号である場合、ステップS18に移行する。制御部78は、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号ではない場合、処理を終了する。ステップS18において、制御部78は、第1部材72Aに対して第2部材72Bが所定方向と反対方向に回転していると判定して処理を終了する。制御部78は、ステップS17において、第1磁気センサ76Aの出力が検出信号ではない場合、第1部材72Aに対する第2部材72Bの回転方向を判定しない。
【0134】
<第2実施形態>
図25を参照して、第2実施形態のハブアセンブリ20について説明する。第2実施形態のハブアセンブリ20は、発電装置42およびハウジング62の構成以外は第1実施形態のハブアセンブリ20と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0135】
<発電装置42>
本実施形態の発電装置42は、ボビン46と、巻線50Aと、引出線50Bと、電気部品58と、導体96と、を備える。本実施形態の発電装置42は、電気部品58と導体96とを備える点以外は、第1実施形態の発電装置42と同様である。
【0136】
<導体96>
例えば、導体96は、ボビン46の中心軸心C1に関する軸方向X1に延びる。導体96は、ボビン46の第1フランジ46Bに取り付けられ、第1フランジ46Bから規制部材52を超えて延びるように構成される。導体96は、第1軸方向A1に突出するように構成される。導体96は、突出部48に取り付けられる。導体96は、第1フランジ46Bから規制部材52を超えて延びることができれば、第1突出部48Aおよび第2突出部48Bの少なくとも1つに取り付けられなくてもよい。
【0137】
導体96は、第1部分96Xと、第2部分96Yと、を含む。導体96は、第1部分96Xに引出線50Bが電気的に接続され、かつ、第2部分96Yに電気部品58が電気的に接続されることによって、引出線50Bと電気部品58とを電気的に接続する。例えば、第1部分96Xは第1フランジ46Bの突出部48に設けられる。引出線50Bが突出部48まで引き延ばされることによって、引出線50Bが第1部分96Xに電気的に接続される。
【0138】
導体96は、コネクタピン96A、ソケット96B、および、バスバーの少なくとも1つである。導体96は、例えば、電気ケーブル88よりも剛性が高い。コネクタピン96A、ソケット96B、および、バスバーの少なくとも1つは、軸方向X1に平行となるように、第1フランジ46Bから第1軸方向A1に突出する。本実施形態では、導体96は、コネクタピン96Aである。コネクタピン96Aは、例えば、露出する電極を含む。コネクタピン96Aは、例えば、露出する電極がソケット96Bに挿入されることによって、ソケット96Bと電気的に接続される。
【0139】
<電気部品58>
本実施形態の電気部品58は、第2部分96Yに接続されるソケット96Bを含む。本実施形態の電気部品58は、ソケット96Bを含む点以外は、第1実施形態の電気部品58と同様である。ソケット96Bは、コネクタピン96Aの第2部分96Yに接続される。ソケット96Bは、受口が第2軸方向A2を向き、軸方向X1から見てコネクタピン96Aと重なるように、追加電気基板58Yに設けられる。ソケット96Bは、軸部材26に配置される発電装置42に対して、ハウジング62を第2軸方向A2に動かすことによって、コネクタピン96Aとソケット96Bとが接続できるように配置される。
【0140】
<ハウジング62>
本実施形態のハウジング62には、軸方向X1において端壁62Cに貫通孔62Eが設けられる。本実施形態のハウジング62は、端壁62Cに貫通孔62Eが設けられる点以外は、第1実施形態のハウジング62と同様である。コネクタピン96Aは、貫通孔62Eを通過する。コネクタピン96Aは、例えば、貫通孔62Eを介して、端壁62Cから第1軸方向A1に突出する。コネクタピン96Aは、例えば、貫通孔62Eを介して、軸方向X1において端壁62Cに関して、収容部64に突出する。ソケット96Bの一部が、貫通孔62Eを介して、ハウジング62の外に突出してもよい。ソケット96Bの一部がハウジング62の外に突出する場合、コネクタピン96Aは、端壁62Cから第1軸方向A1に突出せずに、端壁62Cに対して第2軸方向A2側においてソケット96Bと接続する。
【0141】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従うハブアセンブリが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従うハブアセンブリは、例えば以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0142】
・規制部材52は、溶接以外の方法によって、軸部材26に取り付けられてもよい。規制部材52は、例えば、ねじまたはナット等、規制部材52とは異なる部品によって、軸部材26に取り付けられてもよい。
【0143】
・引出線ガイド部54は、ボビン46とは別体に設けられてもよい。引出線ガイド部54がボビン46と別体に設けられる場合、引出線ガイド部54は、ボビン46から取り外しできるように、ボビン46に取り付けられてもよい。引出線ガイド部54がボビン46と別体に設けられる場合、引出線ガイド部54は、ボビン46ではなく、規制部材52の引出線ガイド配置部56に設けられてもよい。
【0144】
・接続部36Aは、ハブシェル24に対して回転不能にハブシェル24に取り付けられれば、ハブシェル24への取り付け方法は適宜変更してもよい。接続部36Aは、例えば、圧入またはセレーション嵌合によってハブシェル24に取り付けられる。
【0145】
・接続部36Aは、第2ワンウェイクラッチ部38Bに対して回転不能なように第2ワンウェイクラッチ部38Bに取り付けられれば、第2ワンウェイクラッチ部38Bへの取り付け方法は適宜変更してもよい。接続部36Aは、例えば、圧入またはセレーション嵌合によって第2ワンウェイクラッチ部38Bに取り付けられてもよい。
【0146】
図26に示されるように、第1ワンウェイクラッチ部38Aは、径方向X2において、第2ワンウェイクラッチ部38Bの少なくとも一部よりも内方に配置されてもよい。本変更例では、第2ワンウェイクラッチ部38Bが接続部36Aに対応する。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、例えば、ハブシェル24にねじによって結合される。本変更例では、工具係合部36Cは、第2ワンウェイクラッチ部38Bの外面に設けられる。本変更例の第2ワンウェイクラッチ部38Bは、突出部36Bを含む。本変更例では、工具係合部36Cは、第2ワンウェイクラッチ部38Bの突出部36Bの外面に設けられる。
【0147】
図27に示されるように、トルク伝達構造36は、ワンウェイクラッチ38を含まなくてもよい。図27に示される例では、接続部36Aとスプロケット支持体32とが一体に形成される。本変更例のトルク伝達構造36は、スプロケット支持体32からハブシェル24にトルクを伝達する。本変更例のトルク伝達構造36は、ハブシェル24からスプロケット支持体32にトルクを伝達する。
【0148】
・発電装置42は、第1部材42Aがハブシェル24を含み、かつ、第2部材42Bが軸部材26を含んでもよい。第1部材42Aがハブシェル24を含み、かつ、第2部材42Bが軸部材26を含む場合、磁石44が軸部材26に取り付けられ、磁気シールド部材60は、径方向X2において軸部材26の外面26Bから外方に延びる。
【0149】
・回転装置72は、第1部材72Aがハブシェル24およびスプロケット支持体32の少なくとも1つを含み、かつ、第2部材72Bが軸部材26であってもよい。ハブシェル24およびスプロケット支持体32の少なくとも1つに設けられる磁気センサ76が、軸部材26に設けられる磁石74を検出する。
【0150】
・磁気シールド部材60が、周方向X3において全周に配置されなくてもよい。磁気シールド部材60は、例えば、軸方向X1から見た場合に、少なくとも一部が磁石44と電気部品58との間に位置すればよい。磁気シールド部材60が、軸方向X1から見た場合に、少なくとも一部が磁石44と電気部品58との間に位置する場合、磁気シールド部材60は電気部品58に取り付けられてもよい。磁気シールド部材60が、例えば、電気部品58に取り付けられる場合、磁気シールド部材60は、電気部品58の磁気シールドが必要な部分に設けられる。
【0151】
・磁気シールド部材60は、軸方向X1において磁石44と電気部品58との間に位置すれば、磁石44と接触しないように配置されてもよい。
【0152】
・磁気シールド部材60は、磁気シールド部材60がバックヨーク42Cに磁気的に接続できれば、バックヨーク42Cと別体に形成されてもよい。磁気シールド部材60がバックヨーク42Cと別体に形成される場合、磁気シールド部材60がバックヨーク42Cに接触しなくてもよい。
【0153】
・軸部材26の端部26Cの工具係合部84の凹部86は、工具T2が係合可能であれば、径方向X2において外面26Bから内面26Aまで連続していなくてもよい。工具係合部84の凹部86は、例えば、径方向X2において外面26Bから、径方向X2における外面26Bと内面26Aとの間の位置まで連続する。工具係合部84の凹部86は、例えば、径方向X2において内面26Aから、径方向X2における外面26Bと内面26Aとの間の位置まで連続する。
【0154】
・位置決部材80は、エンドキャップ28および軸部材26の一方と一体に形成されてもよい。位置決部材80がエンドキャップ28および軸部材26の一方と一体に形成される場合、例えば、位置決部材80は、エンドキャップ28および軸部材26の一方に設けられる凸部として形成される。位置決部材80が、エンドキャップ28および軸部材26の一方に設けられる凸部として形成される場合、エンドキャップ28および軸部材26の他方は、凸部と嵌合する凹部を含んでもよい。
【0155】
・開口部68の開口寸法D4は、軸部材26が軸部材受入部66に受け入れられるように軸部材26が通過できれば、径方向X2における第1軸部26Xの寸法D1以下であってもよい。開口部68の開口寸法D4が第1軸部26Xの寸法D1以下の場合、例えば、ハウジング62は、撓むように変形可能であってもよい。
【0156】
・軸部材26の中心軸心C1に垂直な方向における断面形状は、非円形状であってもよい。軸部材26の中心軸心C1に垂直な方向における断面形状が非円形状である場合、開口部68の開口寸法D4は軸部材26の最大寸法以下であってもよい。非円形状の断面形状は、例えば、一部に直線を有する形状である。一部に直線を有する形状の一例は、D形状である。軸部材26の中心軸心C1に垂直な方向における断面形状がD形状である場合、D形状の直線部分と垂直な方向における第1寸法と、D形状の直線部分と平行となる方向における第2寸法とは異なる。例えば第2寸法が軸部材26の最大寸法の場合、開口部68の開口寸法D4は、第1寸法よりも大きく、かつ、第2寸法以下であってもよい。
【0157】
・第2実施形態において、導体96は、コネクタピン96Aに代えて、または、加えて、ソケット96Bおよびバスバーの少なくとも1つであってもよい。導体96がソケット96Bである場合、電気部品58は、ソケット96Bの第2部分96Yに接続されるコネクタピン96Aを含む。導体96がバスバーである場合、電気部品58は、バスバーの第2部分96Yに接続されるコネクタ70を含む。
【0158】
図28に示されるように、引出線50Bが第1部分96Xに巻かれることによって、引出線50Bが第1部分96Xに電気的に接続されてもよい。
【0159】
・発電装置42は、ボビン46と、ボビン46に巻かれる巻線50Aと、巻線50Aと電気的に接続される引出線50Bと、ボビン46の中心軸心C1に関する軸方向X1においてボビン46の第1ボビン端部46Xに隣接し、ボビン46の軸方向X1の移動を規制する規制部材52と、引出線50Bの少なくとも一部が配置され、軸方向X1に延びる少なくとも1つの引出線ガイド部54と、を備え、規制部材52には、少なくとも1つの引出線ガイド部54の少なくとも一部が配置される引出線ガイド配置部56が設けられていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0160】
・発電装置42は、ボビン46と、ボビン46に巻かれる巻線50Aと、巻線50Aと電気的に接続される引出線50Bと、引出線50Bの少なくとも一部が配置され、ボビン46の中心軸心C1に関する軸方向X1に延びる少なくとも1つの引出線ガイド部54と、を備え、ボビン46は、巻線50Aが配置される巻線配置部46Aと、軸方向X1における巻線配置部46Aの端部からボビン46の中心軸心C1に関する径方向外側に延びる第1フランジ46Bと、を含み、軸方向X1は、巻線配置部46Aから第1フランジ46Bに向かう第1軸方向A1を含み、第1フランジ46Bは、第1軸方向A1へ突出する複数の突出部48を含み、複数の突出部48は、第1突出部48A、および、第1軸方向A1への突出量が第1突出部48Aよりも大きい第2突出部48Bを含み、少なくとも1つの引出線ガイド部54は、第2突出部48Bに設けられていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0161】
・発電装置42は、ボビン46と、ボビン46に巻かれる巻線50Aと、巻線50Aと電気的に接続される引出線50Bと、電気部品58と、導体96と、を備え、導体96は、コネクタピン96A、ソケット96B、および、バスバーの少なくとも1つであり、第1部分96Xと、第2部分96Yと、を含み、第1部分96Xに引出線50Bが電気的に接続され、かつ、第2部分96Yに電気部品58が電気的に接続されることによって、引出線50Bと電気部品58とを電気的に接続されていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0162】
・ハブアセンブリ20は、中心軸心C1を有する軸部材26と、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置されるハブシェル24と、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケット12が取り付けられるスプロケット支持体32と、スプロケット支持体32およびハブシェル24の一方からスプロケット支持体32およびハブシェル24の他方にトルクを伝達するトルク伝達構造36と、トルク伝達構造36に設けられ、ハブシェル24の外部から工具T1を係合可能に構成される工具係合部36Cと、を備え、工具係合部36Cは、中心軸心C1に関する径方向X2において、スプロケット支持体32よりも径方向外側に位置していれば、他の構成は省略されてもよい。
【0163】
・ハブアセンブリ20は、中心軸心C1を有する軸部材26と、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置されるハブシェル24と、中心軸心C1のまわりに回転可能に配置され、少なくとも1つのスプロケット12が取り付けられるスプロケット支持体32と、スプロケット支持体32およびハブシェル24の一方からスプロケット支持体32およびハブシェル24の他方にトルクを伝達するトルク伝達構造36と、トルク伝達構造36に設けられ、ハブシェル24の外部から工具T1を係合可能に構成される工具係合部36Cと、を備え、スプロケット支持体32は、スプロケット12と係合するスプロケット係合部32Aを有し、工具係合部36Cは、中心軸心C1に関する軸方向X1において、スプロケット係合部32Aよりもハブシェル24側に位置していれば、他の構成は省略されてもよい。
【0164】
・発電装置42は、中心軸心C1を有する第1部材42Aと、第1部材42Aに対して中心軸心C1まわりに相対回転可能な第2部材42Bと、第2部材42Bに取り付けられる磁石44と、中心軸心C1に関する軸方向X1において、磁石44と異なる位置に配置される電気部品58と、軸方向X1から見た場合に、少なくとも一部が磁石44に重なり、軸方向X1において磁石44と電気部品58との間に位置し、中心軸心C1に関する径方向X2に延びる磁気シールド部材60と、を備えていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0165】
・ハブアセンブリ20は、ハブシェル24を回転可能に支持する軸部材26を含むハブ軸22を備え、軸部材26は、軸部材26の中心軸心C1に関する軸方向X1における軸部材26の端部26Cのうち軸方向X1を向く面84Aに、工具T2が係合可能な工具係合部84が設けられていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0166】
・ハブアセンブリ20は、軸部材26、エンドキャップ28、および、第1部分80Aと第1部分80Aとは異なる第2部分80Bとを有する位置決部材80を含むハブ軸22を備え、軸部材26は、軸部材26の中心軸心C1に関する軸方向X1において、エンドキャップ28が取り付けられる端部26Cを含み、位置決部材80は、中心軸心C1に関する周方向X3において、軸部材26に対するエンドキャップ28の位置を決めるように構成され、エンドキャップ28は、第1部分80Aが配置される第1配置部28Aを有し、端部26Cは、第2部分80Bが配置される第2配置部26Dを有していれば、他の構成は省略されてもよい。
【0167】
・回転装置72は、中心軸心C1を有する第1部材72Aと、中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する第2部材72Bと、第2部材72Bに設けられる磁石74と、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、磁石74の磁気を検出する磁気センサ76と、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、磁石74とは異なる磁気発生部品72Xと、を備え、磁気センサ76は、第1磁気センサ76A、および、第1磁気センサ76Aとは独立して磁石74の磁気を検出する第2磁気センサ76Bを含み、第1磁気センサ76Aは、中心軸心C1を含み磁気発生部品72Xを通る基準面P1に関して、第2磁気センサ76Bと反対側に配置されていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0168】
・回転装置72は、中心軸心C1を有する第1部材72Aと、中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する第2部材72B、第2部材72Bに設けられる少なくとも1つの磁石74と、第1部材72Aと相対回転しないように構成され、磁石74の磁気を検出する少なくとも1つの磁気センサ76と、を備え、少なくとも1つの磁石74は、中心軸心C1に関する軸方向X1において、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置され、少なくとも1つの磁石74は、中心軸心C1に関する径方向X2において、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置されていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0169】
・回転装置72は、中心軸心C1を有する第1部材72Aと、中心軸心C1まわりに第1部材72Aと相対回転する第2部材72Bと、第2部材72Bに設けられる少なくとも1つの磁石74と、第1部材72Aと相対回転不能に構成され、磁石74の磁気を検出する検出面76Xを有する少なくとも1つの磁気センサ76と、を備え、少なくとも1つの磁石74は、中心軸心C1に関する軸方向X1において、少なくとも1つの磁気センサ76とは異なる位置に配置され、検出面76Xは、少なくとも1つの磁石74のS極とN極とが並ぶ磁化方向M1に対して非垂直に配置されていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0170】
・ハブアセンブリ20は、ハブシェル24を回転可能に支持し、中心軸心C1を有するハブ軸22と、電気ケーブル88と、を備え、ハブ軸22は、第1フレーム当接端面22B、中心軸心C1に関する軸方向X1において第1フレーム当接端面22Bとは反対側の第2フレーム当接端面22C、および、軸方向X1において、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に設けられ、電気ケーブル88をガイドするように構成される少なくとも1つのケーブルガイド部90を含み、少なくとも1つのケーブルガイド部90は、軸方向X1において少なくとも部分的に、中心軸心C1に関する径方向X2において、ハブ軸22を貫通していれば、他の構成は省略されてもよい。
【0171】
・ハブアセンブリ20は、ハブシェル24を回転可能に支持し、中心軸心C1を有し、軸部材26、および、中心軸心C1に関する軸方向X1において軸部材26の端部26Cに取り付けられる少なくとも1つのエンドキャップ28を含むハブ軸22と、電気ケーブル88と、を備え、ハブ軸22は、第1フレーム当接端面22B、軸方向X1において第1フレーム当接端面22Bとは反対側の第2フレーム当接端面22C、および、軸方向X1において、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に設けられ、電気ケーブル88をガイドするように構成される少なくとも1つのケーブルガイド部を含み、少なくとも1つのケーブルガイド部90は、少なくとも部分的に、少なくとも1つのエンドキャップ28に設けられていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0172】
・ハブアセンブリ20は、ハブシェル24を回転可能に支持し、中心軸心C1を有するハブ軸22と、電気ケーブル88と、電気ケーブル88のうちのハブシェル24の外部に露出する露出部分88Bの少なくとも一部を、中心軸心C1に関する径方向X2に案内するように構成される補助部材92と、を備え、ハブ軸22は、第1フレーム当接端面22B、中心軸心C1に関する軸方向X1において第1フレーム当接端面22Bとは反対側の第2フレーム当接端面22C、および、軸方向X1において、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に設けられ、電気ケーブル88をガイドするように構成される少なくとも1つのケーブルガイド部90を含み、補助部材92は、第1フレーム当接端面22Bと第2フレーム当接端面22Cとの間に配置されていれば、他の構成は省略されてもよい。
【0173】
・ハブアセンブリ20は、中心軸心C1を有する軸部材26と、電気部品58と、電気部品58の少なくとも一部を収容するハウジング62と、を備え、ハウジング62は、軸部材26を受け入れる軸部材受入部66、および、中心軸心C1に関する径方向X2において軸部材受入部66に連結される開口部68を含んでいれば、他の構成は省略されてもよい。
【0174】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0175】
10…人力駆動車、12…スプロケット、20…ハブアセンブリ、24…ハブシェル、24A…第1雌ねじ部、26…軸部材、32…スプロケット支持体、32A…スプロケット係合部、36…トルク伝達構造、36A…接続部、36B…突出部、36C…工具係合部、36X…第1雄ねじ部、36Y…第2雌ねじ部、36Z…スプライン、38…ワンウェイクラッチ、38A…第1ワンウェイクラッチ部、38B…第2ワンウェイクラッチ部、38X…第2雄ねじ部、58…電気部品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
第5工程は、トルク伝達構造36がハウジング62に取り付けられる工程である。第5工程において、工具係合部36Cに工具T1のスプラインが係合された状態において、工具T1が周方向X3に回転することによって、トルク伝達構造36がハブシェル24に取り付けられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
第2部材72Bが回転する場合、第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第磁気センサ76による磁石74の磁気の検出タイミングとは異なる。第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第2磁気センサ76Bによる磁石74の磁気の検出タイミングとの差は、中心軸心C1に関する第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの位相差と対応する。要するに、第1磁気センサ76Aによる磁石74の磁気の検出タイミングと、第2磁気センサ76Bによる磁石74の磁気の検出タイミングとの差は、第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの周方向X3における位置と対応する。中心軸心C1に関する第1磁気センサ76Aと第2磁気センサ76Bとの位相差は、例えば、中心軸心C1に関する第1磁石74Aと第2磁石74Bとの位相差よりも小さい。中心軸心C1に関する第1磁石74Aと第2磁石74Bとの位相差は、例えば、180度である。