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▶ アール・ビー・コントロールズ株式会社の特許一覧

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  • 特開-浴室排水口 図1
  • 特開-浴室排水口 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078876
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】浴室排水口
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/262 20060101AFI20240604BHJP
   E03C 1/264 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
E03C1/262 A
E03C1/264
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191467
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】荒木 洋一
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DE03
2D061DE06
2D061DE15
(57)【要約】
【課題】浴室の床面に矩形の凹部を設け、その凹部内に排水口を設ける従来の構造では、凹部を覆う蓋板が比較的大きくなるが、蓋板が踏まれた場合などの荷重によって蓋板が破損しないように分厚く形成されており、そのため比較的重量が重くなっている。一方、排水口にセットされる捕集部材にはゴミなどが溜まり続けるので定期的に清掃をする必要があるが、その際には上記のように比較的重量が重い蓋板を凹部から取り外さなければならず、清掃作業がおっくうになる。
【解決手段】排水口は上記床面と同一平面上に開口しており、上記捕集部材と蓋部座とのうち、少なくとも一方から他方に当接する荷重受部を設け、蓋部材が踏まれた際の荷重を捕集部材へと分散する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の床面に開口する排水口に、浴室内で生じたゴミを捕集する捕集部材と、この捕集部材を覆い隠す蓋部材とを備えた浴室排水口において、上記排水口は上記床面と同一平面上に開口しており、上記捕集部材と蓋部座とのうち、少なくとも一方から他方に当接する荷重受部を設け、蓋部材が踏まれた際の荷重を捕集部材へと分散するようにしたことを特徴とする浴室排水口。
【請求項2】
上記蓋部材は中心部分に持ち上げ用の摘まみ部を設け、上記捕集部材とこの摘まみ部において着脱自在に係合し、蓋部材のみを持ち上げるか蓋部材と共に捕集部材を持ち上げるかを択一的に選択し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の浴室排水口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の床面に開口する排水口に、浴室内で生じたゴミを捕集する捕集部材と、この捕集部材を覆い隠す蓋部材とを備えた浴室排水口に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室内では洗髪時などに湯水が床面に流れる場合が多く、この流れた湯水を排水するために排水口が設けられている。この排水口は多くの場合、床面に形成した矩形の凹部の底面に形成されており、その排水口は髪の毛などのゴミを捕集する網状の捕集部材が取り付けられている。そして、矩形の凹部は排水口を覆い隠すための蓋板が取り付けられている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.qracian.co.jp/column/bathroom/10610/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造では蓋板が比較的大きくなるが、蓋板が踏まれた場合などの荷重によって蓋板が破損しないように分厚く形成されており、そのため比較的重量が重くなっている。
【0005】
一方、捕集部材にはゴミなどが溜まり続けるので定期的に清掃をする必要があるが、その際には上記のように比較的重量が重い蓋板を凹部から取り外さなければならず、清掃作業がおっくうになる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、蓋板に相当する部材を比較的軽量にすることにより清掃作業がおっくうにならない浴室排水口を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による浴室排水口は、浴室の床面に開口する排水口に、浴室内で生じたゴミを捕集する捕集部材と、この捕集部材を覆い隠す蓋部材とを備えた浴室排水口において、上記排水口は上記床面と同一平面上に開口しており、上記捕集部材と蓋部座とのうち、少なくとも一方から他方に当接する荷重受部を設け、蓋部材が踏まれた際の荷重を捕集部材へと分散するようにしたことを特徴とする。
【0008】
従来の矩形の凹部を廃止したことにより蓋部材の大きさを従来の蓋板より小さくすることができ、かつ、上記荷重受部を設けることにより蓋部材が踏まれた際の荷重を捕集部材へと分散し、蓋部材の厚みを薄くする。
【0009】
なお、上記蓋部材は中心部分に持ち上げ用の摘まみ部を設け、上記捕集部材とこの摘まみ部において着脱自在に係合し、蓋部材のみを持ち上げるか蓋部材と共に捕集部材を持ち上げるかを択一的に選択し得るように構成すれば、ヌメリなどが付着しづらい摘まみ部のみを摘まんで、蓋部材単独か、蓋部材と共に捕集部材を排水口から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、従来の蓋板に相当する蓋部材を小さくし、かつ踏まれた際の荷重を捕集部材に分散するので、蓋部材を従来の蓋板より薄く、かつ軽くすることができ、捕集部材の清掃がおっくうにならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
図2】II-II断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1および図2を参照して、FLは浴室の床面であり、この床面と同一平面上に排水口Dが設けられている。床面FLに流れた湯水は粉の排水口Dに流れ込む。そして、その湯水には毛髪等のゴミが含まれているので、特に毛髪などを捕集するための捕集器具が排水口Dに取り付けられている。
【0013】
この捕集器具は蓋部材1と捕集部材2とで構成されている。蓋部材1の上面中心部分にはアーチ状の摘まみ部11が形成されている。そして、捕集部材2から上方に延設された連結杆21の上端がこの摘まみ部11の内部に挿入されるように構成されている。連結杆21は板状であり、厚み方向に撓むように構成されており、かつ先端部分には三角形の係合突起21aが形成されている。通常は係合突起21aは蓋部材1の上面に係合しており、そのため、摘まみ部11をB方向から摘まんで持ち上げると、蓋部材1と共に捕集部材2が排水口Dから持ち上げられる。これに対して、摘まみ部11をA方向から摘まむと、連結杆21が摘まみ部11の内側に撓んで係合突起21aが蓋部材1の上面から外れて、蓋部材と捕集部材2との連結が解除される。従って、そのまま持ち上げれば、蓋部材1のみが持ち上げられ、捕集部材2は排水口Dに嵌まったままの状態になる。
【0014】
捕集部材2の内側には迷路を構成する突起23が形成されており、床面FLから捕集部材2内へと流れ込んだ湯水は、この迷路内を流れて排水部22から下方へと落下する。一方、蓋部材1の下面には髪の毛を捕集するための捕集突起12(荷重受部)が設けられている。この捕集突起12は捕集部材2の迷路の底部に当接しており、仮に蓋部材1を上方から踏んだ場合に、その荷重を蓋部材1から捕集部材2へと分散するように構成されている。なお、荷重を分散するために、これら捕集突起12のほかに、捕集部材2側に支持柱24(荷重受部)を設けたが、この支持柱24は省略しても構わない。
【0015】
捕集部材2の上部周縁には排水口Dの内部に係合する鍔部2aを設けたが、この鍔部2aの下面には図示しないがシリコンゴムなどからなるパッキンを貼着し、床面FLからの湯水が確実に捕集部材2の内部へと流れるようにした。なお、大量の湯水が排水口Dに流れてきた際に、捕集部材2の湯水の重みで浮き上がることはないが、上記連結杆21によって蓋部材1は湯水による浮力で浮き上がることが防止される。また、この連結杆21の下端部は上記排水部22の内周面に固定されている。
【0016】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0017】
1 蓋部材
2 捕集部材
2a 鍔部
11 摘まみ部
12 捕集突起
21 連結杆
21a 係合突起
22 排水部
24 支持柱
D 排水口
FL 床面
図1
図2