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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007888
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ネットワーク装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
H05K7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109271
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】守田 義教
【テーマコード(参考)】
4E352
【Fターム(参考)】
4E352AA03
4E352BB02
4E352CC02
4E352DR05
4E352DR13
4E352DR32
4E352GG23
(57)【要約】
【課題】設置場所及び設置方向の自由度を向上させること。
【解決手段】ケーブルのコネクタを接続可能であり、並んで配置された複数のコネクタ接続部50と、複数のコネクタ接続部50に接続された複数のケーブルが外部へ延出するとともに取り出し方向を規制可能な左側開口部22、背側開口部23、及び底側開口部24からなるケーブル取出部と、備える。ケーブル取出部は、複数のケーブルを異なる3つ以上の方向に延出可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルのコネクタを接続可能であり、並んで配置された複数のコネクタ接続部と、
前記複数のコネクタ接続部に接続された複数のケーブルが外部へ延出するとともに取り出し方向を規制可能なケーブル取出部と、を備え、
前記ケーブル取出部は、前記複数のケーブルを異なる3つ以上の方向に延出可能である、
ネットワーク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク装置であって、
床置き設置及び壁掛け設置が可能である、
ネットワーク装置。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク装置であって、
前記3つ以上の方向は、前記床置き設置において床側に向かう第1方向と、前記壁掛け設置において壁側に向かう第2方向と、を含む、
ネットワーク装置。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワーク装置であって、
前記3つ以上の方向は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向を含む、
ネットワーク装置。
【請求項5】
請求項3に記載のネットワーク装置であって、
前記床置き設置において接地し、前記複数のケーブルの前記第1方向への延出を規制する、着脱可能なスタンドを備える、
ネットワーク装置。
【請求項6】
請求項2に記載のネットワーク装置であって、
前記ケーブル取出部は、前記床置き設置において接地する複数の脚部により構成され、
前記3つ以上の方向は、前記複数の脚部の間隙に対応する方向を含む、
ネットワーク装置。
【請求項7】
請求項2に記載のネットワーク装置であって、
前記ケーブル取出部は、複数の開口部により構成され、
前記3つ以上の方向は、前記複数の開口部の開口方向に対応する各方向である、
ネットワーク装置。
【請求項8】
請求項1に記載のネットワーク装置であって、
内側に窪んだ凹部を有する筐体を備え、
前記複数のコネクタ接続部は、前記凹部に設けられ、
前記ケーブル取出部は、前記凹部から前記3つ以上の方向に前記複数のケーブルを延出可能である、
ネットワーク装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のネットワーク装置であって、
無線通信のアクセスポイントとハブとの複合装置であり、
前記複数のコネクタ接続部は、前記ハブのコネクタ接続部を含む、
ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のケーブルコネクタが設けられ、これらのコネクタに複数のケーブルを接続可能な通信機器が開発されている。例えば、特許文献1には、筐体本体の底面に設けられた複数のコネクタと、筐体本体の底面に着脱自在に取り付けられたスタンドと、を備え、スタンドに設けられた開口部を通して、コネクタに接続された複数のケーブルを背面方向に束ねて引き出すことが可能な通信機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-39190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の通信機器の場合、コネクタに接続された複数のケーブルを限られた方向(背面方向)にしか配線することができないため、通信機器の設置場所や設置方向の自由度が低かった。
【0005】
特に、無線LAN(Local Area Network)等のアクセスポイントとハブとの複合装置などにおいては、無線通信の品質向上のために設置場所や設置方向の自由度を高くすることが求められるが、接続されるケーブルの数が多く見た目が悪くなりやすいという特有の課題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設置場所及び設置方向の自由度を向上させることが可能なネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のネットワーク装置は、ケーブルのコネクタを接続可能であり、並んで配置された複数のコネクタ接続部と、前記複数のコネクタ接続部に接続された複数のケーブルが外部へ延出するとともに取り出し方向を規制可能なケーブル取出部と、を備え、前記ケーブル取出部は、前記複数のケーブルを異なる3つ以上の方向に延出可能に構成されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設置場所及び設置方向の自由度を向上させることが可能なネットワーク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明における実施形態1のネットワーク装置1Aを示す斜視図である。
図2】ネットワーク装置1Aの正面図である。
図3】ネットワーク装置1Aの側面図である。
図4】ネットワーク装置1Aの背面図である。
図5】ネットワーク装置1Aの底面図である。
図6】ケーブルの延出方向の一例を示すネットワーク装置1Aの背面斜視図である。
図7】本発明における実施形態2のネットワーク装置1Bを示す斜視図である。
図8】ネットワーク装置1Bの正面図である。
図9】ネットワーク装置1Bの側面図である。
図10】ネットワーク装置1Bの背面図である。
図11】ネットワーク装置1Bの底面図である。
図12】ネットワーク装置1Bのコネクタ接続部を示す背面斜視図である。
図13】ネットワーク装置1Bのスタンドを取り外した状態を示す背面斜視図である。
図14】ネットワーク装置1Bのスタンドを示す斜視図である。
図15】ケーブルの延出方向の一例を示すネットワーク装置1Bの背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(実施形態1)
<本発明における実施形態1のネットワーク装置1A>
図1は、本発明における実施形態1のネットワーク装置1Aを右斜め上方から見た斜視図である。図2は、図1に示すネットワーク装置1Aの正面図である。ネットワーク装置1Aは、例えば、無線通信のアクセスポイント及びハブとして機能する複合装置である。ネットワーク装置1Aは、アクセスポイント及びハブとしての機能に加え、更にルータとしても機能する複合装置であってもよい。
【0012】
図1及び図2に示すように、ネットワーク装置1Aは、略箱型形状の筐体10を備える。図に示す例では、筐体10は、縦長の箱型形状に形成されている。また、図1に示すように、筐体10の右側部11には、ネットワーク装置1Aの動作状態を示すLED(Light Emitting Diode)ランプ11aが設けられている。
【0013】
図3は、図1に示すネットワーク装置1Aの左側面図である。図3に示すように、筐体10の左側部12には、左側開口部22が設けられている。左側開口部22は、左側部12の下端部における後方側に設けられている。左側開口部22は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルをネットワーク装置1Aの左方向の外部へ延出させるとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。換言すると、左側開口部22は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルの延出方向を、ネットワーク装置1Aの左方向に誘導する。
【0014】
左側開口部22は、本発明のケーブル取出部の一例である。なお、本発明のケーブル取出部は、ケーブルの規制部材としての側面も有する。ネットワーク装置1Aにおける筐体10の左方向は、本発明の第3方向の一例である。左側開口部22の開口方向は、本発明の第3方向に対応する方向である。図に示す例の左側開口部22は、略矩形状に形成されているが、これに限定されない。左側開口部22は、例えば、円形状、多角形状等に形成されていてもよい。
【0015】
図4は、図1に示すネットワーク装置1Aの背面図である。図4に示すように、筐体10の背部13には、背側開口部23が設けられている。背側開口部23は、背部13の下端部に設けられている。図に示す例の背側開口部23は、背部13の下端部において、背部左端から背部右端に亘る略背部全幅領域に設けられている。背側開口部23は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルをネットワーク装置1Aの背方向の外部へ延出させるとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。換言すると、背側開口部23は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルの延出方向を、ネットワーク装置1Aの背方向に誘導する。
【0016】
背側開口部23は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Aにおける筐体10の背方向は、本発明の第2方向の一例である。背側開口部23の開口方向は、本発明の第2方向に対応する方向である。第2方向(背方向)は、第3方向(左方向)と直交する方向である。図に示す例の背側開口部23は、略矩形状に形成されているが、これに限定されない。背側開口部23は、例えば、円形状、多角形状等に形成されていてもよい。
【0017】
また、筐体10の背部13には、壁掛け部31が設けられている。壁掛け部31は、ネットワーク装置1Aを例えば部屋の壁に掛けて設置する際に使用される部材である。壁掛け部31には凹状係合部31aが設けられている。この凹状係合部31aを例えば部屋の壁に設けられた凸状係合部(図示省略)に係合させることにより、ネットワーク装置1Aを壁掛け設置型のネットワーク装置として使用可能である。
【0018】
また、図4に示すように、ネットワーク装置1Aは、ケーブルのコネクタを接続することが可能な複数のコネクタ接続部50(第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50d)を備える。複数のコネクタ接続部50は、ネットワーク装置1Aを背側から見たときに、背側開口部23を介して筐体10内に見ることができるような位置に設けられている。複数のコネクタ接続部50については、図6において後述する。
【0019】
図5は、図1に示すネットワーク装置1Aの底面図である。図5に示すように、筐体10の底部14には、底側開口部24が設けられている。底側開口部24は、底部14の左端部における後方側に設けられている。底側開口部24は、左側部12に設けられた左側開口部22の下端部と連続するように設けられている。底側開口部24は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルをネットワーク装置1Aの底方向の外部へ延出させるとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。換言すると、底側開口部24は、ネットワーク装置1Aに接続されたケーブルの延出方向を、ネットワーク装置1Aの底方向に誘導する。
【0020】
底側開口部24は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Aにおける筐体10の底方向は、本発明の第1方向の一例である。底側開口部24の開口方向は、本発明の第1方向に対応する方向である。第1方向(底方向)は、第3方向(左方向)と直交する方向である。図に示す例の底側開口部24は、略矩形状に形成されているが、これに限定されない。底側開口部24は、例えば、円形状、多角形状等に形成されていてもよい。
【0021】
図6は、ネットワーク装置1Aにおける複数のコネクタ接続部50に接続されたケーブルの延出方向の一例を示す背面斜視図である。図6に示すように、筐体10には、筐体10の内側に窪んだ凹部41が設けられている。凹部41は、筐体10の下端部における後方側に設けられている。凹部41は、筐体10の背面側から筐体10の前面側へ向かって内側に窪んだ空間である。
【0022】
凹部41には、複数のコネクタ接続部50が設けられている。コネクタ接続部50は、例えば、LANケーブルのコネクタを接続可能な第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dと、DC電源ケーブルを接続可能な電源ジャック50eと、を含む。図示は省略するが、筐体10内には、ネットワーク装置1Aの動作を制御するための種々の電子部品が搭載された回路基板が収納されている。第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50d及び電源ジャック50eは、筐体10内の回路基板と電気的に接続されている。
【0023】
第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50d及び電源ジャック50eは、凹部41内において左右方向へアレイ状に並んで配置されている。凹部41は、第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dに接続されたLANケーブル及び電源ジャック50eに接続されたDC電源ケーブルを、所定方向の開口部(左側開口部22、背側開口部23、底側開口部24)へ延出させるための空間である。
【0024】
左側開口部22、背側開口部23、及び底側開口部24は、凹部41に連結されている。背側開口部23は、左右方向の幅が、凹部41内に配置されている第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50d及び電源ジャック50eの左右方向の幅と少なくとも同等又はそれ以上となるように形成されている。
【0025】
左側開口部22、背側開口部23、及び底側開口部24は、第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dに接続されたLANケーブル及び電源ジャック50eに接続されたDC電源ケーブルをネットワーク装置1Aの外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。
【0026】
例えば、図6に示すように、左側開口部22は、第1コネクタ接続部50aに接続されたLANケーブルC1をネットワーク装置1Aの左方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。背側開口部23は、第3コネクタ接続部50cに接続されたLANケーブルC3をネットワーク装置1Aの背方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。底側開口部24は、第2コネクタ接続部50bに接続されたLANケーブルC2をネットワーク装置1Aの底方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。
【0027】
このような構成のネットワーク装置1Aは、筐体10の底部14を床に接地させるように置くことにより床置き設置が可能である。また、ネットワーク装置1Aは、壁掛け部31を用いることにより壁掛け設置が可能である。筐体10の底方向(第1方向)は、ネットワーク装置1Aを床置き設置した場合における床側の方向である。床側とは、ネットワーク装置1Aが設置される床との接地面を有する筐体10の底面側のことである。筐体10の背方向(第2方向)は、ネットワーク装置1Aを壁掛け設置した場合における壁側の方向である。壁側とは、ネットワーク装置1Aが設置される壁と対向する側、すなわち壁掛け部31が設けられる筐体10の背部側のことである。また、筐体10の左右方向(第3方向)は、筐体10の底方向(第1方向)及び背方向(第2方向)と直交する方向である。
【0028】
なお、図6に示すLANケーブルC3のように、ネットワーク装置1Aの背方向への延出が背側開口部23によって規制(誘導)されるのは、ネットワーク装置1Aが床置き型として使用される場合である。また、図6に示すLANケーブルC2のように、ネットワーク装置1Aの底方向への延出が底側開口部24によって規制(誘導)されるのは、ネットワーク装置1Aが壁掛け型として使用される場合である。
【0029】
以上に説明したように、実施形態1のネットワーク装置1Aによれば、コネクタ接続部50に接続された複数のケーブルの取り出し方向を、左側開口部22、背側開口部23、及び底側開口部24からなるケーブル取出部によって規制することが可能である。これにより、ネットワーク装置1Aの外部に延出する複数のケーブルを無造作な方向に延出させないようにすることができ、見た目をすっきりとさせてケーブルを整えることができる。
【0030】
また、複数のケーブルを例えばネットワーク装置1Aの左方向、背方向、底方向等の3つ以上の方向に延出させることが可能である。このため、ケーブルをより目立たない方向に延出させることが容易になり、ケーブルの延出部分が目立つことによるネットワーク装置1Aの設置場所や設置方向の制限を緩和し、ネットワーク装置1Aの設置場所や設置方向の自由度を向上させることができる。したがって、これまで部屋の隅に設置されることが多かったネットワーク装置1Aをより無線通信に適した開けた場所(例えば部屋の中央部付近や高い位置など)に設置することができ、電波品質の改善を期待できる。
【0031】
また、ネットワーク装置1Aは、無線通信の品質向上のために設置場所や設置方向の自由度を高めることが可能であるため、無線通信のアクセスポイントとして機能するのに適している。また、ネットワーク装置1Aは、延出される複数のケーブルの見た目をすっきりさせることが可能であるため、無線通信のハブとして機能するのに適している。
【0032】
また、ネットワーク装置1Aは、床置き型のネットワーク装置としても、壁掛け型のネットワーク装置としても使用することが可能であり、設置される場所の状況に応じて適宜使い分けができるので利便性が高い。そして、ネットワーク装置1Aは、壁掛け設置の際にケーブルが目立ちにくい底方向への延出を可能とする底側開口部24と、床置き設置の際にケーブルが目立ちにくい背方向への延出を可能とする背側開口部23と、を有することで、より設置場所の自由度を向上させることができる。
【0033】
また、ネットワーク装置1Aは、コネクタ接続部50に接続されたケーブルを所定方向の開口部(左側開口部22、背側開口部23、底側開口部24)へ延出することが可能な凹部41が設けられているので、ケーブル配線の自由度をさらに高めることができる。
【0034】
なお、上述した実施形態1では、背面視において左側に第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dが設けられ、第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dの右側に電源ジャック50eが設けられている構成であるため第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dを左方向へ延出すための左側開口部22が設けられていたが、これに限定されない。例えば、背面視において右側に第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dが設けられ、第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dの左側に電源ジャック50eが設けられている構成である場合には、第1コネクタ接続部50a~第4コネクタ接続部50dを右方向へ延出すために筐体10の右側部11に右側開口部を設ける構成としてもよい。
【0035】
(実施形態2)
<本発明における実施形態2のネットワーク装置1B>
図7は、本発明における実施形態2のネットワーク装置1Bを右斜め上方から見た斜視図である。図8は、図7に示すネットワーク装置1Bの正面図である。ネットワーク装置1Bも上述したネットワーク装置1Aと同様にアクセスポイント及びハブとして機能する複合装置である。また、ネットワーク装置1Bは、アクセスポイント及びハブとしての機能に加え、更にルータとしても機能する複合装置であってもよい。
【0036】
図7及び図8に示すように、ネットワーク装置1Bは、略箱型形状の筐体110を備える。図に示す例では、筐体110は、上述したネットワーク装置1Aの筐体10と同様に、縦長の箱型形状に形成されている。
【0037】
また、図7に示すように、筐体110の右側部111には、右前脚部161と右後脚部162が設けられている。右前脚部161は、右側部111の下端部における前方側に設けられている。右後脚部162は、右側部111の下端部における後方側に設けられている。そして、右前脚部161と右後脚部162が設けられることにより、右前脚部161と右後脚部162との間には右間隙163が形成されている。
【0038】
右前脚部161と右後脚部162は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルをネットワーク装置1Bの右方向の外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な脚部である。換言すると、右前脚部161と右後脚部162は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルの延出方向を、ネットワーク装置1Bの右方向に誘導する。
【0039】
右前脚部161と右後脚部162は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Bにおける筐体110の右方向は、本発明の第3方向の一例である。右間隙163の方向は、本発明の第3方向に対応する方向である。図に示す例の右間隙163は、略矩形状に形成されているが、これに限定されない。右間隙163は、例えば、円形状、多角形状等に形成されてもよい。また、右側部111には、ネットワーク装置1Bの動作状態を示すLEDランプ111aが設けられている。
【0040】
図9は、図7に示すネットワーク装置1Bの左側面図である。図9に示すように、筐体110の左側部112には、左前脚部164と左後脚部165が設けられている。左前脚部164は、左側部112の下端部における前方側に設けられている。左後脚部165は、左側部112の下端部における後方側に設けられている。左前脚部164は、右側部111の右前脚部161に対応する脚部である。左後脚部165は、右側部111の右後脚部162に対応する脚部である。左前脚部164と左後脚部165が設けられることにより、左前脚部164と左後脚部165との間には左間隙166が形成されている。
【0041】
左前脚部164と左後脚部165及び上述した右前脚部161と右後脚部162を例えば部屋の床に接地させることにより、ネットワーク装置1Bを床置き設置型のネットワーク装置として使用可能である。右前脚部161、右後脚部162、左前脚部164、及び左後脚部165の底にはそれぞれ滑り止め用のゴム部材161a,162a,164a,165aが取り付けられている。また、左側部112には、ネットワーク装置1Bの動作状態を切り替えるスイッチ部112aが設けられている。
【0042】
左前脚部164と左後脚部165は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルをネットワーク装置1Bの左方向の外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な脚部である。換言すると、左前脚部164と左後脚部165は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルの延出方向を、ネットワーク装置1Bの左方向に誘導する。左前脚部164と左後脚部165は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Bにおける筐体110の左方向は、本発明の第3方向の一例である。左間隙166の方向は、本発明の第3方向に対応する方向である。
【0043】
図10は、図7に示すネットワーク装置1Bの背面図である。図10に示すように、筐体110の背部113には、背側開口部123が設けられている。背側開口部123は、背部113の下端部に設けられている。図に示す例の背側開口部123は、背部113の下端部において、背部左端から背部右端に亘る略背部全幅領域に設けられている。背側開口部123は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルをネットワーク装置1Bの背方向の外部へ延出させるとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。
【0044】
背側開口部123は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Bにおける筐体110の背方向は、本発明の第2方向の一例である。背側開口部123の開口方向は、本発明の第2方向に対応する方向である。第2方向(背方向)は、第3方向(左方向)と直交する方向である。図に示す例の背側開口部123は、略矩形状に形成されているが、これに限定されない。背側開口部123は、例えば、円形状、多角形状等に形成されていてもよい。
【0045】
また、筐体110の背部113には、壁掛け部131が設けられている。壁掛け部131は、ネットワーク装置1Bを例えば部屋の壁に掛けて設置する際に使用される部材である。壁掛け部131には凹状係合部が設けられており、この凹状係合部を例えば部屋の壁に設けられた凸状係合部(図示省略)に係合させることにより、ネットワーク装置1Bを壁掛け設置型のネットワーク装置として使用することが可能である。
【0046】
図11は、図7に示すネットワーク装置1Bの底面図である。図7図9図10図11に示すように、筐体110の底部114には、スタンド171が設けられている。スタンド171は、右前脚部161及び右後脚部162と、左前脚部164及び左後脚部165との間に入り込むように設けられている。図に示す例のスタンド171は、矩形の板状に形成されている。
【0047】
また、筐体110の底部114には、底側開口部124が設けられている。底側開口部124は、右前脚部161、右後脚部162、左前脚部164、及び左後脚部165を四隅とする矩形状に設けられている。スタンド171は、底側開口部124を塞ぐように設けられている。スタンド171は、筐体110に対して着脱可能に設けられている。
【0048】
底側開口部124は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルをネットワーク装置1Bの底方向の外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な開口部である。底側開口部124は、本発明のケーブル取出部の一例である。ネットワーク装置1Bにおける筐体110の底方向は、本発明の第1方向の一例である。底側開口部124の開口方向は、本発明の第1方向に対応する方向である。第1方向(底方向)は、第3方向(左方向及び右方向)と直交する方向である。
【0049】
スタンド171は、ネットワーク装置1Bに接続されたケーブルが筐体110の底方向へ延出するのを規制する部材である。スタンド171は、右前脚部161、右後脚部162、左前脚部164、及び左後脚部165を例えば部屋の床に接地させてネットワーク装置1Bを床置き設置型として使用するときに、右前脚部161、右後脚部162、左前脚部164、及び左後脚部165と共に床に接地する。スタンド171の底には滑り止め用のゴム部材172a~172dが取り付けられている。
【0050】
図12は、ネットワーク装置1Bのコネクタ接続部の一例を示す背面斜視図である。図12に示すように、筐体110には、筐体10の内側に窪んだ凹部141が設けられている。凹部141は、筐体110の下端部における後方側に設けられている。凹部141は、筐体110の背面側から筐体110の前面側へ向かって内側に窪んだ空間である。ネットワーク装置1Bにおける複数のコネクタ接続部150は、凹部141内に設けられている。複数のコネクタ接続部150は、凹部141内の天井部142に左右方向へアレイ状に並んで配置されている。複数のコネクタ接続部150については、図15においてさらに後述する。
【0051】
図13は、スタンド171を取り外した状態のネットワーク装置1Bを示す背面斜視図である。図13に示すように、ネットワーク装置1Bは、スタンド171が取り外されると底側開口部124が開放されて、複数のコネクタ接続部150に接続されたケーブルをネットワーク装置1Bの底方向の外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制することが可能な状態となる。
【0052】
図14は、ネットワーク装置1Bの筐体110から取り外されたスタンド171を示す斜視図である。図14に示すように、スタンド171は、矩形状を有する板状のスタンド本体173と、スタンド本体173の前端部に設けられる係合部174a,174bと、を有する。スタンド171は、係合部174a,174bを筐体110の前部に設けられた係合部181a,181b(図15参照)にそれぞれ係合させることにより筐体110に取り付けられる。
【0053】
図15は、ネットワーク装置1Bにおける複数のコネクタ接続部150に接続されたケーブルの延出方向の一例を示す背面斜視図である。図15に示すように、筐体110の凹部141には、複数のコネクタ接続部150が設けられている。コネクタ接続部150は、例えば、LANケーブルのコネクタを接続可能な第1コネクタ接続部150a~第4コネクタ接続部150dと、DC電源ケーブルを接続可能な電源ジャック150eと、を含む。ネットワーク装置1Bの動作を制御する回路基板が収納されている点については上述したネットワーク装置1Aと同様である。
【0054】
凹部141は、第1コネクタ接続部150a~第4コネクタ接続部150dに接続されたLANケーブル及び電源ジャック150eに接続されたDC電源ケーブルを、所定方向の脚部の間隙(左間隙166、右間隙163)及び所定方向の開口部(背側開口部123、底側開口部124)へ延出するための空間である。左間隙166、右間隙163、背側開口部123、及び底側開口部124は、凹部141に連結されている。なお、図15には、スタンド171を取り外した状態のネットワーク装置1Bが示されている。
【0055】
左間隙166、右間隙163、背側開口部123、及び底側開口部124は、第1コネクタ接続部150a~第4コネクタ接続部150dに接続されたLANケーブル及び電源ジャック150eに接続されたDC電源ケーブルをネットワーク装置1Bの外部へ延出するとともに、そのケーブルの取出し方向を規制する間隙及び開口部である。
【0056】
例えば、図15に示すように、左前脚部164と左後脚部165の間の左間隙166は、第1コネクタ接続部150aに接続されたLANケーブルC11をネットワーク装置1Bの左方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。右前脚部161と右後脚部162の間の右間隙163は、第4コネクタ接続部150dに接続されたLANケーブルC14をネットワーク装置1Bの右方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。背側開口部123は、第2コネクタ接続部150bに接続されたLANケーブルC12をネットワーク装置1Bの背方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。底側開口部124は、第3コネクタ接続部150cに接続されたLANケーブルC13をネットワーク装置1Bの底方向の外部へ延出するとともに、その取出し方向を規制する。
【0057】
このような構成のネットワーク装置1Bは、筐体110の右前脚部161、右後脚部162、左前脚部164、及び左後脚部165を床に接地させるように置くことにより床置き設置が可能である。また、ネットワーク装置1Bは、壁掛け部131を用いることにより壁掛け設置が可能である。筐体110の底方向(第1方向)は、ネットワーク装置1Bを床置き設置した場合における床側の方向である。床側とは、ネットワーク装置1Bが設置される床との接地面を有する筐体110の底面側のことである。筐体110の背方向(第2方向)は、ネットワーク装置1Bを壁掛け設置した場合における壁側の方向である。壁側とは、ネットワーク装置1Bが設置される壁と対向する側、すなわち壁掛け部が設けられる筐体110の背部側のことである。また、筐体110の左右方向(第3方向)は、筐体110の底方向(第1方向)及び背方向(第2方向)と直交する方向である。
【0058】
なお、図15に示すLANケーブルC12のように、ネットワーク装置1Bの背方向への延出が背側開口部123によって規制(誘導)されるのは、ネットワーク装置1Bが床置き型として使用される場合である。また、図15に示すLANケーブルC13のように、ネットワーク装置1Bの底方向への延出が底側開口部124によって規制(誘導)されるのは、ネットワーク装置1Bが壁掛け型として使用されるとともに、スタンド171が取り外された場合である。スタンド171が取り付けられている場合には、スタンド171によってケーブルが底方向へ延出できないように規制されるため、ケーブルは底方向へは延出されない。
【0059】
以上に説明したように、実施形態2のネットワーク装置1Bにおいても、上記実施形態1のネットワーク装置1Aと同様の効果を得ることができる。また、ネットワーク装置1Bによれば、スタンド171を取り付けることにより、ネットワーク装置1Bを床置き設置したときにスタンド171によってケーブルの底方向への延出を規制(制限)することができるので、延出するケーブルの反力を床面(接地面)に伝わらないようにすることができる。このため、各ケーブルを所望の方向に容易に延出することができるとともに、安定した状態でネットワーク装置1Bを床置きして使用することができる。
【0060】
なお、上述した実施形態1,2では複数のコネクタ接続部50,150をアレイ状に配置する例を説明したが、これに限定されない、例えば、複数のコネクタ接続部50,150は、マトリクス状に配置されてもよい。また、実施形態1のネットワーク装置1Aではコネクタ接続部50の向きを背側向きの構成とし、実施形態2のネットワーク装置1Bではコネクタ接続部150の向きを底側向きの構成としたが、これに限定されない、例えば、ネットワーク装置1Aのコネクタ接続部50は底側向きの構成であってもよい。ネットワーク装置1Bのコネクタ接続部150は背側向きの構成であってもよい。
【0061】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0062】
(1)
ケーブルのコネクタを接続可能であり、並んで配置された複数のコネクタ接続部と、
上記複数のコネクタ接続部に接続された複数のケーブルが外部へ延出するとともに取り出し方向を規制可能なケーブル取出部と、を備え、
上記ケーブル取出部は、上記複数のケーブルを異なる3つ以上の方向に延出可能である、
ネットワーク装置。
【0063】
(2)
(1)に記載のネットワーク装置であって、
床置き設置及び壁掛け設置が可能である、
ネットワーク装置。
【0064】
(3)
(2)に記載のネットワーク装置であって、
上記3つ以上の方向は、上記床置き設置において床側に向かう第1方向と、上記壁掛け設置において壁側に向かう第2方向と、を含む、
ネットワーク装置。
【0065】
(4)
(3)に記載のネットワーク装置であって、
上記3つ以上の方向は、上記第1方向及び上記第2方向と直交する第3方向を含む、
ネットワーク装置。
【0066】
(5)
(3)又は(4)に記載のネットワーク装置であって、
上記床置き設置において接地し、上記複数のケーブルの上記第1方向への延出を規制する、着脱可能なスタンドを備える、
ネットワーク装置。
【0067】
(6)
(2)から(5)のいずれか1項に記載のネットワーク装置であって、
上記ケーブル取出部は、上記床置き設置において接地する複数の脚部により構成され、
上記3つ以上の方向は、上記複数の脚部の間隙に対応する方向を含む、
ネットワーク装置。
【0068】
(7)
(2)から(5)のいずれか1項に記載のネットワーク装置であって、
上記ケーブル取出部は、複数の開口部により構成され、
上記3つ以上の方向は、上記複数の開口部の開口方向に対応する各方向である、
ネットワーク装置。
【0069】
(8)
(1)から(7)のいずれか1項に記載のネットワーク装置であって、
内側に窪んだ凹部を有する筐体を備え、
上記複数のコネクタ接続部は、上記凹部に設けられ、
上記ケーブル取出部は、上記凹部から上記3つ以上の方向に上記複数のケーブルを延出可能である、
ネットワーク装置。
【0070】
(9)
(1)から(8)のいずれか1項に記載のネットワーク装置であって、
無線通信のアクセスポイントとハブとの複合装置であり、
上記複数のコネクタ接続部は、上記ハブのコネクタ接続部を含む、
ネットワーク装置。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B ネットワーク装置
10,110 筐体
11,111 右側部
12,112 左側部
13,113 背部
14,114 底部
22 左側開口部
23,123 背側開口部
24,124 底側開口部
31,131 壁掛け部
41,141 凹部
50,150 コネクタ接続部
50a,150a 第1コネクタ接続部
50b,150b 第2コネクタ接続部
50c,150c 第3コネクタ接続部
50d,150d 第4コネクタ接続部
50e,150e 電源ジャック
142 天井部
161 右前脚部
162 右後脚部
163 右間隙
164 左前脚部
165 左後脚部
166 左間隙
171 スタンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15