IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工サーマルシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-78889空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム
<>
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図1
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図2
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図3
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図4
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図5
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図6
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図7
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図8
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図9
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図10
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図11
  • 特開-空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078889
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/50 20180101AFI20240604BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20240604BHJP
【FI】
F24F11/50
F24F11/56
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191486
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】角間 香澄
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA64
3L260BA73
3L260CB61
3L260JA18
(57)【要約】
【課題】遠隔操作の操作性を向上させる。
【解決手段】空気調和システムは、空気調和機と、第1入力部を有し、第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して空気調和機へ送信する操作端末と、第2入力部を有し、第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して操作端末へ送信する通信端末と、を備え、操作端末は、操作が制限された第1入力操作を表す第1情報を通信端末へ送信するとともに、通信端末から受信した第2制御信号に応じて第1制御信号を生成して空気調和機へ送信し、通信端末は、第2入力操作を受け付ける前に、第1情報を受信するとともに第1情報に基づき操作が制限された第1入力操作に対応する第2入力操作を制限する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備え、
前記操作端末は、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信し、
前記通信端末は、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
空気調和システム。
【請求項2】
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記通信端末は、前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を前記機能毎に制限し、
前記第1情報は、前記機能毎の制限を表す情報を含む
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記通信端末は、前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を前記機能毎に制限し、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す情報、および、現在の前記設定条件を表す情報を含む
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記第1情報は、所定の前記機能の設定範囲の制限に関する情報を含み、
前記通信端末は、前記第1情報に基づき設定範囲が制限されている前記機能について前記第2入力操作における設定範囲を制限する
請求項2または3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を用いて、
前記操作端末が、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップと、
前記通信端末が、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップと
を含む空気調和システムの制御方法。
【請求項6】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備える空気調和システムにおいて、
前記操作端末が有するコンピュータに、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップを実行させ、
前記通信端末が有するコンピュータに、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップを実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、簡易な操作により、特定操作の無効化および特定の画面へのアクセス制限を実現することを目的とした、次のような空気調和機用コントローラが記載されている。すなわち、特許文献1に記載されているコントローラは、空気調和機の管理用の複数の表示項目を含む空調管理画面を表示する情報表示部と、情報表示部に空調管理画面を表示させる表示制御部と、通信端末から指令を受信する無線通信部とを有する。そして、表示制御部は、無線通信部が通信端末から少なくとも1つの表示項目を非表示にさせる非表示指令を受信したときに、非表示指令に応じて該当する表示項目を非表示にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/212614号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、空気調和機用のスマートフォンApp(アプリ;アプリケーションソフトウェア)等、遠隔操作用アプリケーションソフトウェアが各社からリリースされている。例えば、スマートフォンAppから設定信号をリモコン(リモートコントローラ)やユニット等に送信することができる。ただし、リモコンやユニットの設定により操作が制限されていることが原因でスマートフォンAppが送った信号をリモコン・ユニットの設定に反映できない場合がある。その場合は例えば設定が反映できない旨をスマートフォンApp上に通知することができるが、ユーザとしてはスマートフォンAppへの入力操作に多少の時間と労力を使っており、入力操作後という通知のタイミングに対し不満を感じる可能性があるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、遠隔操作の操作性を向上させることができる空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る空気調和システムは、空気調和機と、第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、を備え、前記操作端末は、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信し、前記通信端末は、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する。
【0007】
本開示に係る空気調和システムの制御方法は、空気調和機と、第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、を用いて、前記操作端末が、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップと、前記通信端末が、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップとを含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、空気調和機と、第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、を備える空気調和システムにおいて、前記操作端末が有するコンピュータに、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップを実行させ、前記通信端末が有するコンピュータに、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップを実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0009】
本開示の空気調和システム、空気調和システムの制御方法およびプログラムによれば、遠隔操作の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る空気調和システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本開示の実施形態に係るリモコンの機能的構成例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る通信端末の機能的構成例を示すブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係るリモコンの入力操作の制限の一例を示す模式図である。
図5】本開示の実施形態に係る第1情報の一例を示す模式図である。
図6】本開示の実施形態に係る第1情報の他の例を示す模式図である。
図7】本開示の実施形態に係る空気調和システムの動作例を示すフローチャートである。
図8】本開示の実施形態に係る通信端末の表示例を示す模式図である。
図9】本開示の実施形態に係る通信端末の表示例を示す模式図である。
図10】本開示の実施形態に係る通信端末の表示例を示す模式図である。
図11】本開示の実施形態に係る通信端末の表示例を示す模式図である。
図12】本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラムについて、図1図12を参照して説明する。図1は、本開示の実施形態に係る空気調和システムの構成例を示すブロック図である。図2は、本開示の実施形態に係るリモコンの機能的構成例を示すブロック図である。図3は、本開示の実施形態に係る通信端末の機能的構成例を示すブロック図である。図4は、本開示の実施形態に係るリモコンの入力操作の制限の一例を示す模式図である。図5は、本開示の実施形態に係る第1情報の一例を示す模式図である。図6は、本開示の実施形態に係る第1情報の他の例を示す模式図である。図7は、本開示の実施形態に係る空気調和システムの動作例を示すフローチャートである。図8図11は、本開示の実施形態に係る通信端末の表示例を示す模式図である。図12は、本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
(空気調和システムの構成)
図1に示すように本実施形態に係る空気調和システム1は、空気調和機20-1、20-2および20-3と、空気調和機20-1、20-2または20-3の操作端末としてのリモコン10-1、10-2、10-3、10-4、10-5および10-6と、通信端末30とを備える。なお、以下では、空気調和機20-1~20-3を総称する場合、空気調和機20という。リモコン10-1~10-6を総称する場合、リモコン10という。なお、各構成の台数については図1に示す場合に限定されず、空気調和システム1は、1または複数の空気調和機20と、1または複数のリモコン10と、1以上の通信端末30を備えることができる。
【0013】
各空気調和機20は、1または複数の室内機21と、1つの室外機22とを備える。室内機21は、通信線24によって室外機22に接続されるとともに、通信線23によってリモコン10に接続されている。各空気調和機20は、1または複数のリモコン10によって操作される。なお、空気調和機20-1および20-2は、各1台の室内機21と室外機22とを備え、各1台の室内機21には各1台のリモコン10-1または10-2が接続されている。また、空気調和機20-3は、3台の室内機21と1台の室外機22とを備え、各室内機21には、2台のリモコン10-3および10-4と、各1台のリモコン10-5とリモコン10-6がそれぞれ接続されている。なお、1台の室内機21に複数台のリモコン10を接続する場合、例えば一方を親機、他方を子機として、操作項目や操作範囲等に差異を設定しておくことができる。また、各リモコン10を図示していない集中管理機に接続し、集中管理機において各リモコン10を集中管理するようにしてもよい。
【0014】
(リモコンの構成)
リモコン10は、空気調和機20またはリモコン10自身の動作を制御する。本実施形態において、リモコン10は、例えば、空気調和機20の運転または停止の指示、運転モード(冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転、自動運転等)の設定、設定温度、風量、風向等の設定値、風量や風向の設定範囲についての設定、タイマのオンまたはオフの設定値や、時刻の設定値、ハイパワー運転、省エネ運転等の各機能のオンまたはオフの切り換え、操作項目毎の設定変更の可否の制限、空気調和機20を設置した日付、担当者、連絡先等についての情報の設定等を行う。
【0015】
図2は、リモコン10の構成例を示す。リモコン10は、例えば、マイクロコンピュータ等のコンピュータを用いて構成することができ、コンピュータ、周辺回路、周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、次の各部を備える。すなわち、リモコン10は、機能的構成として、入出力部11、無線通信部12、有線通信部13、および制御部14を備える。
【0016】
入出力部11は、例えば、複数の操作ボタンと表示装置等、あるいはタッチパネル等の入力装置と表示装置とを組み合わせた構成等、音声等による入出力装置等を含む。入出力部11は、本開示に係る第1入力部の一構成例である。また、本実施形態では、入出力部11に対する所定の入力操作を、第1入力操作という。
【0017】
無線通信部12は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、通信端末30との間で後述する第1情報、第2制御信号等の所定の情報を送受信する。
【0018】
有線通信部13は、室内機21との間で第1制御信号等の所定の情報を送受信する。
【0019】
制御部14は、入出力部11、無線通信部12および有線通信部13の各部を制御する。制御部14は、例えば、入出力部11に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して空気調和機20(室内機21)へ送信する。ここで、第1入力操作は、例えば、空気調和機20に対して所定の第1制御信号を送信するための操作、リモコン10において操作制限等を設定するための操作等であり、例えば、入出力部11における複数階層の操作画面上のボタン等に対する入力操作等を含む。また、第1制御信号は、例えば空気調和機20の動作を制御するための信号であり、例えば、空気調和機20に運転開始または停止を指示する制御信号、運転モード(冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転、自動運転等)を指示する制御信号、設定温度、風量、風向等の設定値の切り換えを指示する制御信号、タイマ機能によって運転のオンまたはオフを指示する制御信号、空気調和機20が計測した室温や外気温の通知を指示する制御信号、リモコン10自身の動作状態を設定するための制御信号等を含む。
【0020】
また、制御部14は、入出力部11に対する複数種類の第1入力操作および通信端末30から受信する第2制御信号のうちの例えば一部を制限することができる。ここで、入力操作や信号の制限とは、入力操作や信号の無効化、入力操作や信号に応じて設定値を切り換える場合の設定値の範囲の制限等を含む。本実施形態において、制御部14は、例えば、空気調和機20の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の機能に共通する所定の設定条件毎かつ空気調和機20の複数種類の機能毎に、第1入力操作や通信端末30から受信する第2制御信号を制限することができる。ここで、図4を参照して、第1入力操作の制限の例について説明する。
【0021】
図4は、リモコン10で操作(設定)される空気調和機20の複数種類の機能と、第1制御信号を生成する際の設定条件と個別条件との対応関係の例を示す。ここで、設定条件は、全機能(あるいは所定の複数の機能)に対して共通に設定される条件であり、個別条件は、個別の機能(各機能)に対して機能毎に設定される条件である。図4では、リモコン10で操作する空気調和機20の機能の例として、運転/停止機能、設定温度切換選択機能、設定温度自動ON/OFF機能、運転モード切換選択機能、風量切換選択機能、風向切換選択機能、ハイパワー運転機能、省エネ運転機能、ドラフト感防止ON/OFF機能、人感センサON/OFF機能、および、換気機能を挙げている。また、図4は、リモコン10による操作が制限されることを「×」印で示し、制限なしを「○」印で示す。
制御部14は、例えば所定の記憶領域に格納されている図4に示すような各条件と各機能との対応関係を示す操作制限の一覧情報を参照し、入出力部11に入力される第1入力操作に対応する機能が制限されているか否かを判断し、制限されている機能に該当する第1入力操作を制限する。制御部14は、例えば、入出力部11において制限されている機能に該当する第1入力操作を無効とするように、画面表示の態様を変化させる。画面表示の態様の変化は、例えば、当該機能に対応するボタンを非表示としたり、グレーアウトしたりすることで、選択できないようにすることで行う。
【0022】
なお、運転/停止機能は、空気調和機20の運転を開始または停止する機能である。設定温度切換選択機能は、設定温度(目標温度)の値を切り換える機能である。設定温度自動ON/OFF機能は、設定温度を自動で設定する機能のON/OFFを切り換える機能である。運転モード切換選択機能は、運転モードを冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転、自動運転等に切り換える機能である。風量切換選択機能は、所定の範囲で風量を切り換える機能(例えば4段階で風量の強弱を切り換える機能)である。この範囲は、リモコン10によって制限する(例えば4段階目の最強の風量を選択できないようにする)ことができる。風向切換選択機能は、風向の上下または左右を切り換えて選択する機能である。ハイパワー運転機能は、例えば所定時間、設定温度を自動で上げたり(暖房時)、下げたり(冷房時)する機能である。ハイパワー運転機能は、冷房または暖房以外の運転モードでは無効となる。省エネ運転機能は、例えば、冷房時は28℃、暖房時は22℃を基準に、室外温度により能力を自動的にコントロールする機能である。省エネ運転機能は、冷房、暖房または自動以外の運転モードでは無効となる。ドラフト感防止ON/OFF機能は、空気の流れを制御することで過度な冷感や温感を与えないようにする機能をオンまたはオフする機能である。ドラフト感防止ON/OFF機能は、当該機能を搭載していない室内機では無効である。人感センサON/OFF機能は、人感センサが検知した人の動きに応じて空気調和機20の動作を制御する機能をオンまたはオフする機能である。人感センサON/OFF機能は、当該機能を搭載していない室内機では無効である。換気機能は、換気運転のオンまたはオフを切り換える機能である。
【0023】
また、図4に示す設定条件(あるいは設定状態と読み替えてもよい)は、集中/分散管理による制限に関する条件(状態と読み替えてもよい(以下、同様))と、親子設定による制限に関する条件を含む。集中/分散管理による制限に関する条件は、集中管理中であるか分散管理中であるかの条件を含み、集中管理中である場合は運転中であるときと停止中であるときの各条件を含み、分散管理中である場合は運転中であるときと停止中であるときの各条件を含む。また、親子設定による制限に関する条件は、リモコン10に親子設定なされている場合の親機に設定されているときと子機に設定されているときの各条件を含む。なお、分散管理は、集中管理機による集中管理が行われず、例えばリモコン10のみによる空気調和機20の管理である。また、親子設定がなされていない場合、当該リモコン10の設定条件は親設定となる。
【0024】
また、図4に示す個別条件は、操作制限設定の条件と、その他の室内設定の条件を含む。操作制限設定の条件は、リモコン10に対して各機能を個別に制限する設定がなされているか否かという条件である。操作制限設定として、例えば、運転停止機能の操作を禁止する設定がなされている場合には、運転/停止機能に対する操作は制限される。また、その他の室内設定の条件では、例えば、省エネ運転時には設定温度切換選択機能が制限される。同様に、設定温度自動が無効である場合には設定温度自動ON/OFF機能が制限される。また、運転モード一種時には運転モード切換選択機能が制限される。ここで、運転モード一種時とは、運転モードを一種類(例えば冷房運転のみとか、暖房運転のみとか)に限定する設定がなされている場合である。また、ファンタップ一種時には風量切換選択機能が制限される。ファンタップ一種時とは、風量の設定を一種類に限定する設定がなされている場合である。また、ハイパワー運転、省エネ運転、ドラフト感防止ON/OFF、人感センサON/OFFについても個々に制限される場合がある。
【0025】
図4に示す例では、集中/分散管理による制限に関する条件と、親子設定による制限に関する条件と、個別条件のいずれかで「×」(制限あり)となった場合、当該機能は制限される。例えば、運転/停止機能は、集中管理中の場合、運転中と停止中とに関わらず当該機能が制限される。また、運転/停止機能は、分散管理中の場合、運転停止操作の禁止設定がなされていない場合、当該機能は制限されない(制限なしとなる)。
【0026】
また、制御部14は、例えば、操作が制限された第1入力操作を表す第1情報を無線通信部12を介して通信端末30へ送信するとともに、通信端末30から受信した第2制御信号に応じて第1制御信号を生成して有線通信部13を介して空気調和機20へ送信する。本実施形態において、第1入力操作における操作の制限は、空気調和機20の複数種類の機能毎に個別に(図4の個別条件に基づく各機能の制限として)、および、複数の機能に共通する所定の設定条件毎かつ空気調和機20の複数種類の機能毎に(図4の設定条件に基づく各機能の制限として)、設定することができる。また、第1情報は、操作が制限された第1入力操作を表す情報である。また、第2制御信号は、第1制御信号に対応する信号であり(例えば複数種類の第2制御信号と複数種類の第1制御信号は種類毎に同一であってもよい)、通信端末30で生成される。
【0027】
第1情報は、例えば、機能毎の制限を表す情報を含む。図5は、第1情報が機能毎の制限を表す情報を含む場合の第1情報の例を示す。図5に示す第1情報51は、機能毎の制限を表す情報511と、所定の機能の設定範囲の制限に関する情報512を含む。情報511は、各機能が制限されているか(「×」の場合)、いないか(「○」の場合)を表す。この場合、情報511は、図4に示す例において、設定条件が「分散管理中」かつ「運転中」で個別条件による制限が無い場合に対応する。なお、情報511は、この例のように機能毎の制限の有無を表す情報のほか、制限された各機能を表す情報、制限されていない各機能を表す情報等から構成してもよい。また、情報512は、範囲制限が設定された第1入力操作が無い場合、省略することができる。
【0028】
また、第1情報は、個別に設定されている機能毎の制限(図4の個別条件に基づき制限された各機能の制限)を表す情報、および、現在の設定条件(図4の設定条件)を表す情報を含むようにしてもよい。図6は、第1情報が、現在の設定条件を表す情報と、個別に設定されている機能毎の制限を表す情報とを含む場合の第1情報の例を示す。図6に示す第1情報52は、現在の設定条件を表す情報527と、個別に設定されている機能毎の制限を表す情報528と、所定の機能の設定範囲の制限に関する情報526とを含む。
【0029】
情報527は、集中管理中か分散管理中であるかを示す情報521、運転中であるか停止中であるかを示す情報522、および親設定であるか子設定されるかを示す情報523を含む。情報528は、図4に示す操作制限の設定の内容を示す情報524および図4に示すその他の室内設定の内容を示す情報525を含む。また、情報526は、図5に示す情報512と同様の情報である。
【0030】
第1情報の構成の仕方については任意に選択可能である(例えば図5に示す例と図6に示す例のいずれかとすることができる)。あるいは、リモコン10等への設定によって任意に構成の仕方を選択できるようにしてもよい。
【0031】
(通信端末の構成)
通信端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置等を用いて構成することができ、携帯通信端末、情報処理装置等が備えるコンピュータ、周辺回路、周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム(アプリ)等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、次の各部を備える。すなわち、通信端末30は、機能的構成として、入出力部31、無線通信部32および制御部33を備える。なお、本実施形態では、通信端末30で実行される本実施形態に係るアプリを、設定情報変更アプリという。
【0032】
入出力部31は、例えば、タッチパネル等の入力装置と表示装置とを組み合わせた構成、音声等による入出力装置等を含む。入出力部31は、例えば所定の画面を表示し、当該画面に対する入力操作に従って画面を変化させながら、所定の入力情報を入力したり、所定の出力情報を表示したりする。入出力部31は、本開示に係る第2入力部の一構成例である。また、本実施形態では、入出力部31に対する所定の入力操作を、第2入力操作という。
【0033】
無線通信部32は、例えば、近距離無線通信を用いて、リモコン10との間で所定の情報を送受信する。
【0034】
制御部33は、入出力部31、および、無線通信部32の各部を制御する。制御部33は、例えば、入出力部31に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して無線通信部32を介してリモコン10へ送信する。その際、制御部33は、入出力部31に対する第2入力操作を受け付ける前に、リモコン10から第1情報(例えば図5の第1情報51あるいは図6の第1情報52)を受信するとともに第1情報に基づき操作が制限された第1入力操作に対応する第2入力操作を制限する。また、制御部33は、第1情報に基づき操作が制限された第1入力操作に対応する第2入力操作を機能毎に制限することができる。
【0035】
制御部33は、第1情報が、現在の設定条件を表す情報と、個別に設定されている機能毎の制限を表す情報(個別条件を表す情報)とを含む場合(例えば図6の第1情報52の場合)、例えば所定の記憶領域に格納されている図4に示すような各条件と各機能との対応関係を示す操作制限の一覧情報を参照し、第1情報が表す設定条件と個別条件とに基づいて、各機能の操作制限の有無を判断し、制限されている機能に関する第2入力操作を制限する。この場合、リモコン10から通信端末30へ送信する第1情報は比較的少なくて良いが、一方で制御部33の処理はやや複雑になる。
【0036】
あるいは、制御部33は、第1情報が、機能毎の制限を表す情報を含む場合(例えば図5の第1情報51の場合)、第1情報に基づいて、制限されている機能に関する第2入力操作を制限する。この場合、制御部33では、各機能の操作制限の有無を判断する必要がないため制御部33の処理は簡素化できるが、通信端末30で操作する機能の数が増えた場合に通信量が増えるデメリットがある。
【0037】
また、制御部33は、第1情報が所定の機能の設定範囲の制限に関する情報(例えば図5の情報512、図6の情報526)を含む場合、第1情報に基づき設定範囲が制限されている機能について第2入力操作における設定範囲を制限する。例えばリモコン10の設定により設定温度や風量の設定可能範囲が変更されている場合等もあり、リモコン10側と通信端末30との通信成立と同時にそれらの情報も通信端末30へ送信し、通信端末30上での設定可能範囲に反映する。
【0038】
(空気調和システムの動作例)
次に、図7図11等を参照して、図1図6を参照して説明した空気調和システム1の動作例について説明する。図7に示す処理は、通信端末30で設定情報変更アプリが起動されたときに開始される処理である。通信端末30で設定情報変更アプリが起動されると、無線通信部32と無線通信部12が所定のプロトコルに従い通信接続し、通信端末30とリモコン10間の通信を開始する(ステップS1)。
【0039】
次に、リモコン10が通信端末30へ第1情報を送信し、通信端末30がリモコン10から第1情報を受信する(ステップS2)。次に、通信端末30が第1情報に基づき第2入力操作を制限する(ステップS3)。以後、ステップS3での制限状態に応じて第2入力操作は制限される。
【0040】
次に、通信端末30が第2入力操作に応じて第2制御信号を生成してリモコン10へ送信し、リモコン10が通信端末30から第2制御信号を受信する(ステップS4)。次に、リモコン10が第2制御信号に応じて第1制御信号を生成して空気調和機20へ送信するか、または、リモコン10の設定を変更する(ステップS5)。次に、例えばリモコン10の制御部14が、運転/停止の切換があったか否かを判断し(ステップS6)、運転/停止の切換があった場合(ステップS6:YES)、ステップS2へ戻り、運転/停止の切換がなかった場合(ステップS6:NO)、例えば通信端末30の制御部33が、設定情報変更アプリの終了指示があったか否かを判断する(ステップS7)。
【0041】
設定情報変更アプリの終了指示があった場合(ステップS7:YES)、通信端末30とリモコン10間の通信を終了し(ステップS8)、図7に示す処理を終了する。設定情報変更アプリの終了指示がなかった場合(ステップS7:NO)、ステップS4へ戻る。
【0042】
図8は、通信端末30の入出力部31で表示されるホーム画面の一例(ホーム画面C100-1)を示す。図8に示すホーム画面C100-1は、設定温度および室温表示アイコンC102、運転開始および停止切り替えボタンC103、設定温度上昇ボタンC104、設定温度降下ボタンC105、冷房運転選択ボタンC106、除湿運転選択ボタンC107、送風運転選択ボタンC108、暖房運転選択ボタンC109、自動運転選択ボタンC110、風量設定ボタンC111、風向(上下)設定ボタンC112、風向(左右)設定ボタンC113、ハイパワー運転ON/OFFボタンC114、省エネ運転ON/OFFボタンC115、ドラフト防止機能ON/OFFボタンC116、人感センサON/OFF選択ボタンC117、換気機能ON/OFFボタン C118、タイマ機能選択ボタンC119等を含む。
【0043】
図9および図10は、ホーム画面C100-1の状態から、人感センサON/OFF選択ボタンC117による第2入力操作を制限した場合の例であるホーム画面C100-2と他の例であるホーム画面C100-3を示す。図9は、人感センサON/OFF選択ボタンC117がグレーアウトされた状態を示す。図10は、人感センサON/OFF選択ボタンC117を非表示とした状態を示す。
【0044】
また、図11は、ホーム画面C100-1の状態から、風量の設定範囲を制限した場合(風量の設定範囲を4段階から3段階に制限)の例であるホーム画面C100-4を示す。
【0045】
(作用・効果)
本実施形態によれば、通信端末30が、第2入力操作を受け付ける前に、リモコン10で操作が制限された第1入力操作を表す第1情報を受信するとともに第1情報に基づき操作が制限された第1入力操作に対応する第2入力操作を制限する。この構成によれば、ユーザは入力操作前に制限されている入力操作を把握することができ、例えば操作後に制限されている旨が通知される場合と比較して、遠隔操作の操作性を向上させることができる。
【0046】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。上記動作例では、設定変更アプリ起動時と、運転または停止の切り換え時に、リモコン10から通信端末30へ第1情報を送信することとしたが、第1情報の送信タイミングはこの例に限定されない。例えば、リモコン10に対する操作によって空気調和機20の動作状態が変更された場合等、通信端末30での操作制限の内容が変化するような場合には、リモコン10で新たな第1情報を生成して、通信端末30へ送信するようにしてもよい。また、上記実施形態では、室内機21とリモコン10とを別々の構成としているが、例えば、室内機21がリモコン10の機能を有するようにして、室内機21とリモコン10とを一体として構成してもよい。また、上記実施形態では、通信端末30からリモコン10へ第2制御信号を送信し、リモコン10が第2制御信号に対応する第1制御信号を生成して、空気調和機20へ第1制御信号を送信しているが、これに限定されない。例えば、通信端末30で第2制御信号に対応する第1制御信号を生成し、第1制御信号を通信端末30からリモコン10へ送信するようにしてもよい。
【0047】
また、リモコン10は、入出力部11を持たない実施形態で構成することも可能である。その場合、空気調和機20またはリモコン10自身の動作を制御する第1制御信号は、通信端末30から受信する第2制御信号のみに基づいて生成される。この場合、本実施形態の空気調和システム1は、例えば次の態様を有するものとして把握することができる。すなわち、空気調和システム1は、無線端末(リモコン10に相当する構成)を有する空気調和機20と、第2入力部(入出力部31)を有し、第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して無線端末へ送信する通信端末30とを備える。そして、無線端末は、通信端末30から受信した第2制御信号に応じて第1制御信号を生成し、第1制御信号によって空気調和機20を制御する。また、無線端末は、操作が制限された第1制御信号、第2制御信号または第2入力操作を表す第1情報を通信端末へ送信する。また、通信端末30は、第2入力操作を受け付ける前に、第1情報を受信するとともに第1情報に基づき操作が制限された第1制御信号もしくは第2制御信号に対応する第2入力操作または第1情報に基づき操作が制限された第2入力操作を制限する。この場合、無線端末は、例えば、空気調和機20に搭載可能なインタフェースとしての機能を有する着脱可能な基板等として構成することができる。
【0048】
(コンピュータ構成)
図12は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の通信端末30およびリモコン10は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0049】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0050】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0051】
<付記>
実施形態に記載の空気調和システム1は、例えば以下のように把握される。
【0052】
(1)第1の態様に係る空気調和システム1は、空気調和機20と、第1入力部(入出力部11)を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末(リモコン10)と、第2入力部(入出力部31)を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末30と、を備え、前記操作端末は、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信し、前記通信端末は、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する。本態様および以下の各態様によれば、遠隔操作の操作性を向上させることができる。
【0053】
(2)第2の態様に係る空気調和システム1は、(1)の空気調和システム1であって、前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、前記通信端末は、前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を前記機能毎に制限し、前記第1情報51は、前記機能毎の制限を表す情報を含む。本態様によれば、通信端末における処理を簡略化することができる。
【0054】
(3)第3の態様に係る空気調和システム1は、(1)の空気調和システム1であって、前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、前記通信端末は、前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を前記機能毎に制限し、前記第1情報52は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す情報、および、現在の前記設定条件を表す情報を含む。本態様によれば、第1情報の情報量を減らすことが比較的容易である。
【0055】
(4)第4の態様に係る空気調和システム1は、(1)~(3)の空気調和システム1であって、前記第1情報は、所定の前記機能の設定範囲の制限に関する情報512、526を含み、前記通信端末は、前記第1情報に基づき設定範囲が制限されている前記機能について前記第2入力操作における設定範囲を制限する。
【符号の説明】
【0056】
1…空気調和システム
10、10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6…リモコン
30…通信端末
11、31…入出力部
12、32…無線通信部
13…有線通信部
14、33…制御部
51、52…第1情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備え、
前記操作端末は、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信し、
前記通信端末は、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限し、
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
前記通信端末は、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
空気調和システム。
【請求項2】
前記第1情報は、所定の前記機能の設定範囲の制限に関する情報を含み、
前記通信端末は、前記第1情報に基づき設定範囲が制限されている前記機能について前記第2入力操作における設定範囲を制限する
請求項に記載の空気調和システム。
【請求項3】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を用いて、
前記操作端末が、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップと、
前記通信端末が、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップと
を含み、
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
前記第2入力操作を制限するステップは、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
空気調和システムの制御方法。
【請求項4】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備える空気調和システムにおいて、
前記操作端末が有するコンピュータに、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップを実行させ、
前記通信端末が有するコンピュータに、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップを実行させ
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
前記第2入力操作を制限するステップは、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備え、
前記操作端末は、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信し、
前記通信端末は、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限し、
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
現在の前記設定条件を表す情報は、集中管理中であるか分散管理中であるかを示す情報、運転中であるか停止中であるかを示す情報、および親設定であるか子設定であるかを示す情報を含み、
前記通信端末は、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
空気調和システム。
【請求項2】
前記第1情報は、所定の前記機能の設定範囲の制限に関する情報を含み、
前記通信端末は、前記第1情報に基づき設定範囲が制限されている前記機能について前記第2入力操作における設定範囲を制限する
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を用いて、
前記操作端末が、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップと、
前記通信端末が、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップと
を含み、
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
現在の前記設定条件を表す情報は、集中管理中であるか分散管理中であるかを示す情報、運転中であるか停止中であるかを示す情報、および親設定であるか子設定であるかを示す情報を含み、
前記第2入力操作を制限するステップは、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
空気調和システムの制御方法。
【請求項4】
空気調和機と、
第1入力部を有し、前記第1入力部に対する複数種類の第1入力操作に応じて複数種類の第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信する操作端末と、
第2入力部を有し、前記第2入力部に対する複数種類の第2入力操作に応じて複数種類の第2制御信号を生成して前記操作端末へ送信する通信端末と、
を備える空気調和システムにおいて、
前記操作端末が有するコンピュータに、操作が制限された前記第1入力操作を表す第1情報を前記通信端末へ送信するとともに、前記通信端末から受信した前記第2制御信号に応じて前記第1制御信号を生成して前記空気調和機へ送信するステップを実行させ、
前記通信端末が有するコンピュータに、前記第2入力操作を受け付ける前に、前記第1情報を受信するとともに前記第1情報に基づき操作が制限された前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限するステップを実行させ、
前記第1入力操作における操作の制限は、前記空気調和機の複数種類の機能毎に個別に、および、複数の前記機能に共通する所定の設定条件毎かつ前記機能毎に、設定することができ、
前記第1情報は、個別に設定されている前記機能毎の制限を表す個別条件、および、現在の前記設定条件を表す情報を含み、
現在の前記設定条件を表す情報は、集中管理中であるか分散管理中であるかを示す情報、運転中であるか停止中であるかを示す情報、および親設定であるか子設定であるかを示す情報を含み、
前記第2入力操作を制限するステップは、前記第1情報に含まれる前記個別条件に基づいて操作が制限された前記第1入力操作を特定するとともに、予め記憶領域に格納された前記設定条件と前記機能毎の操作制限の有無との対応関係を示す情報を参照して前記第1情報に含まれる現在の前記設定条件において操作が制限された前記第1入力操作を特定し、特定した前記第1入力操作に対応する前記第2入力操作を制限する
プログラム。