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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078896
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】SnS2の製造方法及び利用方法
(51)【国際特許分類】
   C01G 19/00 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
C01G19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191495
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】合庭 健太
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 裕一郎
(57)【要約】
【課題】純度の高いSnSを効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させ、該ろ材上にSnS凝集体を形成するろ過工程と、形成した前記ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液して、該SnS凝集体を洗浄する洗浄工程と、を有するSnSの製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させ、該ろ材上にSnS凝集体を形成するろ過工程と、
形成した前記ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液して、該SnS凝集体を洗浄する洗浄工程と、
を有するSnSの製造方法。
【請求項2】
前記溶媒が水を含む、請求項1に記載のSnSの製造方法。
【請求項3】
前記溶媒の導電率が10μS/cm未満である、請求項2に記載のSnSの製造方法。
【請求項4】
前記洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体の厚みが、前記ろ材のろ過面から垂直方向に1~100mmである、請求項1に記載のSnSの製造方法。
【請求項5】
前記洗浄液が水を含む、請求項1に記載のSnSの製造方法。
【請求項6】
前記洗浄液の導電率が10μS/cm未満である、請求項5に記載のSnSの製造方法。
【請求項7】
前記洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体を5kPa未満の圧力で乾燥する乾燥工程を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のSnSの製造方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により製造したSnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させることにより、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を得る工程を有する、SnSの利用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SnSの製造方法及び利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池に用いられ得るCZTS化合物半導体(シリコンの代わりにCu、Zn、Sn及びSを用いた化合物半導体)の焼結助剤や電極の触媒材料として、SnS(二硫化スズ(IV))が着目されている。また、固体電解質として好適に用いられるLiSnS等の原料としてSnSを用いることが提案されており、SnSの製造方法についての検討がなされている。
【0003】
非特許文献1には、NaS水溶液とSnCl水溶液を混合し、NaClを含むSnS分散液を得た後、遠心沈降機を用いて5回程度洗浄し、NaClを除去することにより、SnSを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Solid State Ionics, 2020, vol. 345, 115190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載の方法において、洗浄性を高めるためには、形成したSnSの凝集体を解砕して水に分散させる必要がある。しかしながら、本発明者らは、遠心沈降機を用いて沈降した後のSnSは強固な凝集体を形成するため、水に浸漬しただけでは分散させることができず、強力な解砕機を用いる等して物理的に強い力をかけることにより凝集体を解砕する必要があるという知見を得た。そのため、非特許文献1に記載の方法を用いて量産を行う場合、凝集体を解砕する工程が必要となり、該方法は製造効率が低いという課題を有することが分かった。
【0006】
したがって、本発明は、純度の高いSnSを効率良く製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の方法によって得られるSnSの利用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させ、該ろ材上にSnS凝集体を形成するろ過工程と、形成した前記ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液して、該SnS凝集体を洗浄する洗浄工程と、を有するSnSの製造方法である。
【0008】
また、本発明は、上記の方法により製造したSnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させることにより、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を得る工程を有する、SnSの利用方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、純度の高いSnSを効率良く製造することができる。また、本発明によれば、上記の方法によって得られるSnSを用いて、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る反応工程を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るろ過工程を説明する模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係るろ過工程を説明する模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る洗浄工程を説明する模式図である。
図5】フィルタープレスが有するろ材部分の構造を示す模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係るNaSnS及びNaSnSの製造工程を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<SnSの製造方法>
本発明に係るSnSの製造方法は、以下の工程を有する。SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させ、該ろ材上にSnS凝集体を形成するろ過工程。形成した前記ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液して、該SnS凝集体を洗浄する洗浄工程。また、本発明に係るSnSの製造方法は、前記洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体を、好ましくは5kPa未満の圧力で乾燥する乾燥工程を有していてもよい。以下、各工程について詳細に説明する。
【0012】
[ろ過工程]
ろ過工程では、SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させる。これにより、該ろ材上にSnS凝集体が形成される。
【0013】
(SnS分散液)
SnS分散液は、少なくともSnSと、溶媒と、不純物と、を含む。SnS分散液は、公知の方法によって調製することができる。一例として、NaSとSnClとから、溶媒中、以下の反応に基づき調製することができる(図1参照)。なお、NaSの代わりに、LiS等、他のアルカリ金属の硫化物を用いてもよいが、汎用性の観点から、NaSが好ましい。
2NaS+SnCl→SnS+4NaCl
【0014】
溶媒としては、水;メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の水可溶性の有機溶媒;これらの混合溶媒等を挙げることができる。溶媒は水を含むことが好ましい。水としては、純水又は超純水が挙げられる。また、目的物の変質及び純度の低下を抑制する観点から、溶媒(好ましくは水)の導電率は10μS/cm未満であることが好ましく、溶媒(好ましくは水)中の溶存酸素濃度は10mg-O/L未満であることが好ましい。SnS分散液の調製に用いる各原料は、無水物であっても水和物であってもよい。各原料は、それぞれ固体形態で混合した後、溶媒を加えて反応させてもよく、少なくとも一方に溶媒を加えて溶液又は分散液の形態とした後に反応に用いてもよいが、各原料を上記溶媒に溶解した溶液の形態として反応に用いることが好ましい。この場合、溶液中の各原料の濃度は特に限定されないが、例えば、1質量%~40質量%とすることができる。
【0015】
上記のように調製されたSnS分散液に含まれる前記不純物は、主として、例えばNaClであり、それ以外に、未反応の原料(例えば、NaSやSnCl)等を含む。なお、原料として、NaS及びSnClに替えて他の原料を用いた場合は、当該他の原料に由来する塩が不純物として得られる。
【0016】
例えばNaS水溶液とSnCl水溶液とを混合すると、生成したSnSが沈殿となって分散液中に分散し、不純物であるNaClは、水溶液中に溶解した状態となる。ろ過工程では、このようにして得られたSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させる。これにより、該分散液中に分散していたSnSがろ材上に堆積し、SnS凝集体を形成する。一方で、分散液中に溶解しているNaCl等を含む不純物の大部分は、ろ液として排出される。SnS分散液中のSnSの濃度は特に限定されず、適宜、設定することができ、例えば、1質量%~15質量%であることができる。
【0017】
(ろ過手段)
ろ過手段は特に限定されず、重圧ろ過法を用いる遠心ろ過機等、真空ろ過法を用いるドラムフィルター等、及び加圧ろ過法を用いるフィルタープレス等の公知の手段を用いることができる。これらの中でも、本発明においては、洗浄効率の観点から、フィルタープレスを用いることが好ましい。フィルタープレスを用いた場合、ろ過の際に凝集体の割れが起きにくく、洗浄性を高めることができる。ろ過手段としてフィルタープレスを用いた場合、ろ材としてはろ布等が挙げられる。ろ過手段としてドラムフィルターを用いた場合、ろ材としてはろ布等が挙げられる。また、ろ過手段として遠心ろ過機を用いた場合、ろ材としてはろ布、金属フィルター等が挙げられる。なお、本明細書において、遠心ろ過機とは、回転体(バスケット)がろ材及び液体の通過する孔を有するものである。遠心ろ過機では、処理液(分散液等)を、壁面に孔を有するバスケットの内側に設置されたろ材を通過させることにより、処理液中の固体と液体を分離し、さらに、ろ材の目よりも小さい水分をバスケットの孔から外へ排出することにより、固液分離を行うことができる。一方で、非特許文献1において用いられている遠心沈降機とは、回転体(バスケット)がろ材(フィルター)及び液体の通過する孔を有さず、回転体の壁面に重液(液体又は結晶(ケーキ))を形成、沈降させて、その上に軽液を形成させることにより、ろ材を使用せずに固液分離又は液液分離を行うものである。
【0018】
ろ過工程においてろ材上に形成される前記SnS凝集体の厚みが大きすぎると、後述する洗浄工程における洗浄液の通液効率が低下する。そのため、ろ過工程において形成されるSnS凝集体の厚みは、後述するように、洗浄後のSnS凝集体の厚みが、ろ材のろ過面から垂直方向に1~100mmとなるように調整することが好ましい。なお、洗浄後のSnS凝集体は、洗浄前のSnS凝集体(ろ過工程において形成されるSnS凝集体)と比べて不純物が除去されている程度の差であるため、洗浄後のSnS凝集体の厚みは、洗浄前のSnS凝集体の厚みとほぼ同視し得るものである。洗浄後のSnS凝集体の厚みが上記範囲を超えることが想定される場合、SnS分散液を分割してろ過することもできる。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係るろ過工程を示す模式図である。本実施形態において、ろ過工程は、例えば、以下のようにして実施される。工程1:SnS分散液を貯留する原液タンク1から、ポンプPを用いて、SnS分散液をろ材2上に循環通液又はワンパス通液することにより、ろ材上にSnS凝集体を形成する。なお、SnS分散液を貯留する原液タンク1内には、撹拌機(不図示)が備えられている。また、SnS分散液の循環通液又はワンパス通液は、不図示のバルブを用いることにより制御することができる。フィルタープレスを用いてSnS分散液のろ過を行う場合において、SnS分散液をろ材へ通液した直後は、SnS分散液中の(SnS凝集体を形成する前の)SnS分散体の一部が、ろ材(ろ布)を通過してろ液側へ流れてしまうことがある。これは、フィルタープレスが備えるろ布の目が、SnS分散体の粒子サイズよりも若干大きいためである。ろ過を進める過程において、SnS分散体の粒子が、少しずつ、ろ布の目に詰まっていくことで、最終的にろ材上にSnS凝集体が形成される。そのため、SnS分散液を循環通液することにより、ろ過工程の初期においてろ液中へ流出したSnSを回収することができる。SnS分散液の通液は、ワンパス通液でもよく循環通液でもよいが、循環通液する方法によれば、SnS凝集体をほぼ全量回収することが可能である。工程2:SnS凝集体の回収が完了した後、ろ液(主にNaClを含有する)を廃液タンク3内に回収し、廃液として排出する。なお、不図示の配管を使用して、ろ過手段を通過させずにろ液を排液してもよい。
【0020】
図3は、本発明の他の実施形態に係るろ過工程を示す模式図である。本実施形態において、ろ過工程は、例えば、以下のようにして実施される。工程1:SnS分散液を貯留する原液タンク1から、ポンプP1を用いて、SnS分散液をろ材2上にワンパス通液することにより、ろ材上にSnS凝集体を形成する。この際、ろ液は後段のろ液タンク4に貯留する。なお、SnS分散液を貯留する原液タンク1内、及びろ液を貯留するろ液タンク4内には、撹拌機(不図示)が備えられている。この段階において、SnS分散体は、原液タンク1及びろ液タンク4内に少し残った状態である。工程2:続いて、ろ液タンク4から原液タンク1へ、ポンプP2を用いてろ液を送液し、残ったSnS分散体を原液タンク1に回収する。工程3:回収したSnS分散体を含むSnS回収液を、原液タンク1から、ポンプP1を用いて、ろ材2上に循環通液又はワンパス通液することにより、SnS分散体をSnS凝集体として回収する。この方法によれば、工程1及び工程2の追加によって設備は増加するものの、SnS凝集体をほぼ全量回収することが可能であるうえ、図2に示す方法と比べて、ろ過効率の向上を図ることができる。なお、SnS回収液の循環通液又はワンパス通液は、不図示のバルブを用いることにより制御することができる。
【0021】
[洗浄工程]
NaCl等の不純物は、ろ過工程においてろ液として排出されるが、ろ材上に形成されるSnS凝集体中には、まだNaCl等の不純物が残存している。そのため、図4に示すように、洗浄工程において、ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液することにより、SnS凝集体を洗浄する。これにより、不純物量が低減された洗浄後のSnS凝集体が得られる。なお、洗浄液は、前記ろ過工程においてSnS分散液を入れていた原液タンク内から供給してもよく、別の配管から供給してもよい。また、廃液は、前記ろ過工程におけるろ液タンク又は廃液タンクに貯めてもよく、別の配管から排液してもよい。
【0022】
ここで、非特許文献1に記載の方法においては、遠心沈降機を用いて以下の工程を実施し、SnS分散液に含まれるNaClを除去することにより、目的物であるSnSを得ている。
1.SnS分散液を遠心沈降機が備える遠沈管内に入れる;
2.遠沈管を遠心沈降機にセットし、3000~10000rpmで5分間回転させる;
3.NaClを含む上澄み液を捨てる(遠沈管の底にSnS凝集体が残る);
4.遠沈管に水を加え、SnS凝集体を浸漬する;
5.工程4で得られるSnS凝集体が浸漬した水を、工程1におけるSnS分散液として使用し、工程1~4を繰り返し行う(合計5回程度)。
【0023】
上述のように、非特許文献1に記載の方法では、上記工程2~3において、遠心沈降機を用いてSnS凝集体を洗浄するため、該SnS凝集体が強固な塊となり、洗浄を繰り返すだけでは、そのような強固なSnS凝集体が十分に分散されず、SnS凝集体中に取り込まれた不純物を十分に洗浄することが困難である。そのため、SnS凝集体中に取り込まれた不純物を除去するためには、該SnS凝集体を、例えば超音波ホモジナイザー等を用いて解砕してから、再度分散液中に分散させる必要がある。一方で、本発明においては、好ましくはフィルタープレスを用いてSnS分散液をろ過し、ろ材上に形成されたSnS凝集体を、該ろ材上で洗浄する。本発明においては、SnS凝集体を解砕する工程を経ずとも、SnS凝集体中の不純物を低減、除去することが可能となり、純度の高いSnSを効率良く製造することができる。すなわち、本発明に係る洗浄工程は、好ましくは、SnS凝集体を解砕する工程を含まないものである。
【0024】
(洗浄液)
洗浄液は、SnS凝集体から不純物を除去し得るものであれば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の水可溶性の有機溶媒;これらの混合溶媒等を挙げることができる。該洗浄液は、前記SnS分散液に含まれる溶媒と同じであってもよく、異なっていてもよい。ただし、製造方法の簡素化の観点から、該洗浄液は、前記SnS分散液に含まれる溶媒と同じであることが好ましく、水を含むことが好ましい。水としては、純水又は超純水が挙げられる。また、目的物の変質及び純度の低下を抑制する観点から、洗浄液(好ましくは水)の導電率は10μS/cm未満であることが好ましく、洗浄液(好ましくは水)中の溶存酸素濃度は10mg-O/L未満であることが好ましい。
【0025】
ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液する方法は限定されない。例えば、洗浄液をタンクに貯蔵し、洗浄液を該タンクからSnS凝集体へポンプで送液する方法や、該タンクを不活性ガス等で加圧して洗浄液をSnS凝集体へ送液する方法等を用いることができる。洗浄液の通液速度は、SnS凝集体から不純物を除去し得るものであれば特に限定されず、圧力損失や洗浄時間を考慮して決定することができる。洗浄液の通液量は、SnS凝集体から不純物を除去し得るものであれば特に限定されず、SnSの純度や洗浄時間を考慮して決定することができる。なお、洗浄液の通液中は、流出した洗浄液中の不純物濃度を常時計測することが好ましい。流出した洗浄液中の不純物濃度を常時計測する方法は、特に限定されない。例えば、導電率計を配管に接続して計測することにより流出した洗浄液中の不純物濃度を常時計測する方法が挙げられる。
【0026】
本発明において、洗浄工程は、1回のみ行ってもよく、繰り返し行ってもよい。ただし、本発明によれば、洗浄工程を1回行うことにより、SnS凝集体から不純物を十分に除去し得る。
【0027】
洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体の厚みは、洗浄性の観点から、前記ろ材のろ過面から垂直方向に1~100mmであることが好ましい。なお、ろ材のろ過面が1つではなく複数存在する場合がある。ろ材のろ過面が複数存在する場合は、複数のろ過面からの垂直方向の厚みのうち、最大の厚みが上記範囲であることが好ましい。図5は、フィルタープレスが有するろ材(ろ布)部分の構造を示す模式図である。図5において、ろ過板とろ布の間には、スリット状の溝(不図示)があり、その部分をろ液(洗浄液)が流れていく。そのため、図5に示すろ材においては、ケーキ(SnS凝集体)の紙面左右の側面がろ過面であり、該ろ過面から垂直方向の厚みは、ケーキの横幅(図5中のd)に相当する。
【0028】
[乾燥工程]
本発明に係るSnSの製造方法は、前記洗浄工程を経て得られる洗浄後の前記SnS凝集体を乾燥する乾燥工程を有していてもよい。乾燥工程を行うことにより、SnS凝集体中の溶媒が除去され、SnSを単離することができる。乾燥工程の具体的な操作は特に限定されず、従来、公知の方法の1つ又は複数を組み合わせて適用することができる。乾燥方法として、具体的には、減圧乾燥(凍結乾燥を含む)及び噴霧乾燥等が挙げられる。これらの中でも、減圧乾燥が好ましい。SnSの変質を抑制する観点から、乾燥工程は、5kPa未満の圧力で行うことが好ましい。また、加熱しながら減圧乾燥してもよく、その場合、加熱温度は、例えば40℃~80℃とすることができる。なお、いずれの場合も、SnS凝集体に含まれる溶媒の種類に応じて、適切な条件を設定することが好ましい。
【0029】
本発明に係る方法によって得られるSnSは、例えば、蛍光X線分析等による元素分析、X線回折の測定、及び赤外吸収スペクトルやラマンスペクトルの測定等により同定することができる。
【0030】
<SnSの利用方法>
本発明に係るSnSの利用方法は、前記方法により製造したSnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させることにより、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を得る工程を有する。すなわち、本発明に係るSnSの利用方法は、SnSとアルカリ金属を含む硫化物とから、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を製造する方法ということもできる。アルカリ金属を含む硫化物としては、アルカリ金属の硫化物が好ましく、アルカリ金属としては、Na、Li、及びKが好ましい。アルカリ金属の硫化物としては、例えば、LiS、NaS、及びKS等が挙げられる。
【0031】
SnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させる方法は特に限定されない。SnSとアルカリ金属を含む硫化物は、それぞれ固体形態で混合し、溶媒を加えて反応させてもよく、少なくとも一方に溶媒を加えて溶液の形態として反応に用いてもよい。溶媒としては、水;メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の水可溶性の有機溶媒;これらの混合溶媒等を挙げることができる。該溶媒は、前記SnSの製造方法において用いるSnS分散液に含まれる溶媒と同じであってもよく、異なっていてもよい。ただし、前記SnSの製造方法によってSnSを製造し、得られたSnSをそのまま本方法にて用いる場合は、本方法において用いる溶媒は、前記SnS分散液に含まれる溶媒と同じであることが好ましく、水を含むことが好ましい。水としては、純水又は超純水が挙げられる。また、目的物の変質及び純度の低下を抑制する観点から、該溶媒(好ましくは水)の導電率は10μS/cm未満であることが好ましく、該溶媒(好ましくは水)中の溶存酸素濃度は10mg-O/L未満であることが好ましい。
【0032】
SnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させることにより得られるアルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。ナトリウム、スズ、及び硫黄からなる化合物(例えば、NaSnS、NaSnS)、リチウム、スズ、及び硫黄からなる化合物(例えば、LiSnS、LiSnS)等。得られたアルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物は、例えば、蛍光X線分析等による元素分析、X線回折の測定、及び赤外吸収スペクトルやラマンスペクトルの測定等により同定することができる。
【0033】
(NaSnSの製造)
以下、一実施形態として、SnSと、アルカリ金属を含む硫化物としてのNaSと、を接触させて、NaSnSを製造する場合について図6を参照して説明する。まず、NaSを水で溶解したNaS水溶液をタンク内に用意する。該NaS水溶液中のNaSの濃度は特に限定されず、適宜、設定することができ、例えば、1質量%~20質量%とすることができる。続いて、前記本発明に係る方法によって製造した、ろ材上の、洗浄後のSnS凝集体に対し、該SnSとNaSのモル比が1:2となるように、NaS水溶液を通液する。これにより、以下の反応式に基づきNaSnSが生成する。得られるNaSnS水溶液は淡黄色である。なお、この反応は、例えば、SnS凝集体を製造したフィルタープレス装置内で、そのまま行うことができる。
SnS+2NaS→NaSnS
【0034】
なお、上記反応によりNaSnSが生成するが、実際には、SnSとNaSのモル比が1:1となる時点までは、NaSnSが生成しているものと推測している。NaSnSは水に可溶であるため、ろ材上のSnSがNaSと反応してNaSnSが生成すると、該NaSnSは、ろ液の方へ流れていく。そのため、SnS凝集体に対し、該SnSとNaSのモル比が1:2となる量のNaS水溶液を通液する際は、図6に示すように、該ろ液を循環して(ろ液は、NaS水溶液が入っていたタンク内に貯まって循環される)、再度、SnSとの反応に用いることが好ましい(循環通液)。これにより、先に生成したNaSnSがNaSnSに変換され、最終的に、消費されたSnSとNaSのモル比が1:2となる時点においては、NaSnSが主生成物として得られる。なお、図6に示す装置において、ろ液の循環通液は、適宜、不図示のバルブを用いることにより制御することができる。
【0035】
また、以下に示す手順により、2段階でNaSnSを製造することも好ましい。まず、1段階目の工程として、前記ろ材上の、洗浄後のSnS凝集体に対し、該SnSとNaSのモル比が1:1となるように、タンク内のNaS水溶液を循環通液する。これにより、NaS水溶液が入っていたタンク内に、NaSnSを主成分とする循環液が得られる。次いで、2段階目の工程として、該タンク内の循環液に対し、生成したNaSnSとNaSのモル比が1:1となる量のNaSを再度反応させる。これにより、NaSnSからNaSnSが得られる。
【0036】
(NaSnSの製造)
上記NaSnSの製造において、SnSとNaSのモル比が1:1となる量のNaSを用いることで、NaSnSを得ることができる。すなわち、まず、NaSを水で溶解したNaS水溶液をタンク内に用意する。続いて、図6に示すように、前記本発明に係る方法によって製造した、ろ材上の、洗浄後のSnS凝集体に対し、該SnSとNaSのモル比が1:1となるように、NaS水溶液を循環通液する。これにより、NaS水溶液が入っていたタンク内に、NaSnS水溶液が得られる。得られるNaSnS水溶液は淡黄色である。
【0037】
なお、SnSに対し、モル比が1:1を超える量のNaSを反応させると、NaSnSが生成する。そのため、NaSnSを製造する場合においては、NaSnSの生成を確実に抑制することを目的として、あえて、SnSに対するNaSの使用量を、理論量である1倍モル量よりも少なくして、未反応のSnSをろ材上に残すように反応を行ってもよい。ここで、NaSnSの製造に限らず、ろ材上の、洗浄後のSnS凝集体に対し、NaS水溶液を通液した直後に、SnS凝集体が崩れて一部が粒子に戻り、ろ材を通過してろ液中へ流出してしまう場合がある。そのため、特に、SnSに対するNaSの使用量を1倍モル量よりも少なくする場合においては、ろ液中に流出した未反応のSnSを、MF(マイクロフィルター)やUF(限外ろ過)等を用いてろ過することにより、回収してもよい。
【0038】
上述のように、SnSに対するNaSの使用量を理論量よりも少なく調整した場合、ろ材上に未反応のSnS凝集体が残存する。この、未反応のSnS凝集体が残存した状態で、前記SnSの製造方法におけるSnS分散液を通液して、前記洗浄工程(NaClの除去工程)を繰り返し行うこともできる。また、ろ材上に残存した未反応のSnS凝集体を、NaS水溶液のような溶解液で洗浄してもよい。
【0039】
上記NaSnS及びNaSnSの製造方法は、他のアルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を製造する際にも同様に適用することができる。このようにして得られるアルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物は、固体電解質として好適に用いられる、例えばLiSnS、LGPS(リチウム・ゲルマニウム・リン・硫黄)系固体電解質、チオリシコン(Thio-LISICON)等の原料として利用することができる。
【実施例0040】
[実施例1]
(ろ過工程)
NaS・9HOを水(溶存酸素濃度:10mg-O/L未満、導電率:10μS/cm未満)に溶解し、12質量%のNaS水溶液(A)を調製した。続いて、SnCl・5HOを水(溶存酸素濃度:10mg-O/L未満、導電率:10μS/cm未満)に溶解し、28質量%のSnCl水溶液(B)を調製した。
Aを冷却しながら撹拌し、A中のNaS:B中のSnCl=2:1のモル比になるまで、Bを少量ずつ滴下して混合することにより、不純物としてNaClを含む8質量%のSnS分散液(C)を得た。
Cを、ろ過面積0.1mのフィルタープレス装置に通液することにより、ろ材上にSnS粒子を堆積させて、洗浄前SnS凝集体(D)を形成した。なお、SnS分散液(C)の通液は、図2に示す装置を用いて、ワンパス通液にて行った。
(洗浄工程)
Dに水(溶存酸素:10mg-O/L未満、導電率:10μS/cm未満)を3時間通液した後、圧搾することにより、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。得られた洗浄済SnS凝集体(E)について、ろ材のろ過面から垂直方向の厚み(図5中のd)は10mmであった。
【0041】
(分析)
Eをフィルタープレス装置から取り出し、水(溶存酸素:10mg-O/L未満、導電率:10μS/cm未満)を加え、超音波ホモジナイザー(商品名:LUH300、ヤマト科学(株)製)で解砕することにより、NaClの量が減少した8質量%のSnS分散液(F)を得た。Fを孔径0.1μmの親水性PVDFメンブレンフィルターを用いてろ過することにより、ろ液(G)を調製し、キャピラリー電気泳動法を用いて、ろ液(G)中のNa及びClの濃度を分析した。
【0042】
[実施例2]
実施例1と同様の方法により、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。
Eを80℃、2kPa未満において減圧乾燥することにより、SnS乾燥体(H)を製造した(乾燥工程)。
【0043】
[実施例3]
実施例1と同様の方法により、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。
Eを80℃、7kPaにおいて減圧乾燥することにより、SnS乾燥体(H)を製造した(乾燥工程)。
【0044】
[実施例4]
実施例1と同様の方法により、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。
Eに対して、E:A中のNaS=1:2のモル比となる量のAを準備し、図6に示すように、ろ液を再度ろ材上へ通液させる循環通液により、SnSとNaSとを反応させた。これにより、15~20質量%のNaSnS水溶液(I)を調製した。
【0045】
[実施例5]
実施例1と同様の方法により、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。
Eに対して、E:A中のNaS=1:1のモル比となる量のAを準備し、図6に示すように、ろ液を再度ろ材上へ通液させる循環通液により、SnSとNaSとを反応させた。これにより、20~30質量%のNaSnS水溶液(J)を調製した。
【0046】
[比較例1]
実施例1と同様の方法により、NaClを含む8質量%のSnS分散液(C)を調製した。
Cを遠沈管の中に入れ、遠心沈降機を用いて3000~10000rpmで5分間回転させることで、遠沈管の底にSnS凝集体を沈降させた。上澄み液を捨てて、洗浄済SnS凝集体(E)を得た(洗浄工程)。
Eに水(溶存酸素:10mg-O/L未満、導電率:10μS/cm未満)を加え、実施例1と同様に超音波ホモジナイザーで解砕することで、NaClの量が減少した8質量%のSnS分散液(F)を得た(解砕工程)。
Fを孔径0.1μmの親水性PVDFメンブレンフィルターを用いてろ過することにより、ろ液(G)を調製し、実施例1と同様にろ液(G)中のNa及びClの濃度を分析した。
【0047】
[比較例2]
比較例1で得られたSnS分散液(F)を再度遠沈管の中に入れ、遠心沈降機を用いた洗浄工程と超音波ホモジナイザーを用いた解砕工程とを4回繰り返し行い(合計の解砕工程の回数は5回)、NaClの量が減少した8質量%のSnS分散液(F)を得た。
Fを孔径0.1μmの親水性PVDFメンブレンフィルターでろ過することで、ろ液(G)を調製し、実施例1と同様にろ液(G)中のNa及びClの濃度を分析した。なお、本比較例2において、合計の解砕工程の回数は5回であるが、最後の1回の解砕は、Na及びClの濃度を分析するための解砕であるため、洗浄済SnS凝集体(E)を得るまでの解砕工程の回数は4回である。
【0048】
[比較例3]
比較例2と同様の方法(洗浄工程:5回)により、洗浄済SnS凝集体(E)を得た。
Eに対して、ビーカー内で、E:A中のNaS=1:2のモル比となるまでAを混合し、15~20質量%のNaSnS水溶液(I)を調製した。
【0049】
実施例及び比較例にて得られた洗浄済SnS凝集体(E)、ろ液(G)、SnS乾燥体(H)、NaSnS水溶液(I)、及びNaSnS水溶液(J)について、物質の状態、硬さ、色及びろ過面からの厚み、金属光沢、濁り、並びにNa及びClの濃度を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示すように、実施例1、比較例1、及び比較例2で得られたろ液(G)中のNa及びClの濃度を比較することで、洗浄済SnS凝集体(E)の純度を相対的に比較することができる。実施例1と比較例1との比較から、本発明に係るSnSの製造方法は、従来技術(比較例1)の方法よりも、圧倒的に洗浄性に優れた製造方法であることが分かる。また、実施例1と比較例2との比較から、本発明によれば、非特許文献1に記載の方法において、洗浄する度に凝集体を解砕する工程を実施した場合と比べても、不純物量を1/5~1/10以下にまで低減させることができ、本発明は、従来技術と比べて純度の高いSnSを製造することができる方法であることが分かる。仮に、従来技術の方法に基づき、本発明と同等の純度を有するSnSを製造しようとした場合、比較例2で実施した5回の洗浄工程を、少なくとも6回以上繰り返す必要があり、製造効率はさらに低下する。
【0052】
また、実施例2と実施例3との比較から、乾燥時の圧力により、SnS乾燥体(H)の状態が大きく変化することが分かる。すなわち、実施例2で得られたHは、黄褐色の乾燥固体であったが、実施例3で得られたHは、金属光沢のある黒褐色の乾燥固体であり、乾燥工程において、SnSが一部変質していた。原因は明らかではないが、実施例2においては、乾燥時の圧力をより低下させることにより、SnSと酸素との反応が減少し、SnSの変質が抑制されたものと推測している。いずれにせよ、本発明を用いることにより、純度の高いSnSの乾燥体を製造することも可能であることが分かる。
【0053】
実施例4と比較例3との比較から、本発明に係る方法により製造したSnSは、従来技術と同様に、アルカリ金属と、スズと、硫黄とを含む化合物であるNaSnSの製造に利用できることが分かる。実施例4及び比較例3で得られたそれぞれのNaSnS水溶液(I)は、製造方法が異なるだけで、色等に変化が見られないことから、純度は異なるものの、本質的には同じ化合物(NaSnS)を含むものであることが分かる。すなわち、本発明の方法により製造したSnSと従来技術の方法により製造したSnSも、純度を除いて同一の化合物であることが分かる。ただし、解砕工程の有無や回数からも明らかなように、本発明によれば、従来技術において問題となっていたSnS凝集体の解砕を行うことなく、純度の高いSnSを効率良く製造することができる。
【0054】
さらに、実施例5に示すように、本発明に係る方法により製造したSnSは、実施例4とは異なるモル比のNaSとの反応により、NaSnSの製造にも利用できることが分かった。本発明により得られるNaSnSは、NaSnSと同様、固体電解質の原料として用いることができる。
【0055】
本発明は、以下の構成を含む。
[構成1]
SnSと、溶媒と、不純物と、を含むSnS分散液を、ろ過手段が備えるろ材へ通過させ、該ろ材上にSnS凝集体を形成するろ過工程と、
形成した前記ろ材上のSnS凝集体に洗浄液を通液して、該SnS凝集体を洗浄する洗浄工程と、
を有するSnSの製造方法。
[構成2]
前記溶媒が水を含む、構成1に記載のSnSの製造方法。
[構成3]
前記溶媒の導電率が10μS/cm未満である、構成1又は2に記載のSnSの製造方法。
[構成4]
前記洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体の厚みが、前記ろ材のろ過面から垂直方向に1~100mmである、構成1~3のいずれかに記載のSnSの製造方法。
[構成5]
前記洗浄液が水を含む、構成1~4のいずれかに記載のSnSの製造方法。
[構成6]
前記洗浄液の導電率が10μS/cm未満である、構成1~5のいずれかに記載のSnSの製造方法。
[構成7]
前記洗浄工程を経て得られる洗浄後のSnS凝集体を5kPa未満の圧力で乾燥する乾燥工程を有する、構成1~6のいずれかに記載のSnSの製造方法。
[構成8]
構成1~7のいずれかに記載の方法により製造したSnSと、アルカリ金属を含む硫化物と、を接触させることにより、アルカリ金属と、スズと、硫黄と、を含む化合物を得る工程を有する、SnSの利用方法。
【符号の説明】
【0056】
1:原液タンク
2:ろ材
3:廃液タンク
4:ろ液タンク
P、P1、P2:ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6