(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078912
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】トレー付平詰め用いちごパック
(51)【国際特許分類】
B65D 85/34 20060101AFI20240604BHJP
B65D 85/36 20060101ALI20240604BHJP
B65D 81/133 20060101ALN20240604BHJP
【FI】
B65D85/34 110
B65D85/36 100
B65D81/133
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191528
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】522468663
【氏名又は名称】合同会社リバスト
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 道久
【テーマコード(参考)】
3E066
3E096
【Fターム(参考)】
3E066AA43
3E066AA44
3E066BA10
3E066CA01
3E066DB01
3E066JA01
3E066KA20
3E066LA30
3E066MA06
3E066MA07
3E066NA53
3E096AA06
3E096BA27
3E096CA02
3E096CA06
3E096CB03
3E096CC01
3E096DA01
3E096DA05
3E096DC03
3E096EA04
3E096FA10
3E096FA40
3E096GA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】いちごを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に収納できかついちご同士を密着せずソフトタッチに受承でき受承面が運搬時の振動に対し緩衝機能を有し、パック内にパック外空気を流通できていちごの損傷・品質劣化の防止の効果的であること。
【解決手段】トレー付平詰め用いちごパック1は、蓋付容器10とトレー20とからなり、トレー20が、いちご平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けた正列状となるよう複数の凹部を有して成形されてなり、蓋12の閉蓋状態の保持が、蓋12と容器本体11との周縁部に設けられた一対の嵌着部11b、12b同士の嵌合および一対のロック部11d、12d同士の嵌合により行われ、閉蓋状態において、容器外空気が蓋12と容器本体11の嵌着構造部分または蓋12の側面部から流入・流出し蓋12の上面部12aを通して流出・流入するように所要の空気流通孔14が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋付容器と前記蓋付容器に装填したトレーとからなり前記トレーに基端部が大径で略半球状であり先端部が略円錐状である典型的形状の所要数のいちごを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に平詰めするためのトレー付平詰め用いちごパックであって、
前記蓋付容器は、透明なプラスチックシートにて成形され、平底部を有しかつ略矩形凹部空間を有する容器本体と平天面部を有しかつ略矩形凹部空間を有する蓋とを含む連結形態であり、
前記トレーは、柔軟性または弾力性を有するプラスチック製発泡シートにて成形され、周縁部が前記容器本体の四方の内側面に密着する大きさでかつ前記周縁部に囲まれる領域にいちごの平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けた正列状となるよういちごを1つずつ収容する複数の凹部を有する形態であり、
前記蓋の閉蓋状態の保持が、前記蓋と前記容器本体との周縁部に設けられた一対の嵌着部同士の嵌合および一対のロック部同士の嵌合により行われるようになっており、
閉蓋状態において、容器外空気が前記蓋と前記容器本体の嵌着構造部分または前記蓋の側面部から流入・流出し前記蓋の上面部を通して流出・流入するように所要配置に複数の空気流通孔が設けられている
ことを特徴とするトレー付平詰め用いちごパック。
【請求項2】
前記蓋の上面部には分散状に開口された所要大きさの複数の上側空気流通孔を有するとともに、
前記閉蓋状態において、前記蓋に設けられた嵌着部および前記容器本体に設けられた嵌着部がそれぞれ前記蓋と前記容器本体との連結側を除く少なくとも1辺の中程において断続しこの断続部が下側空気流通孔として設けられている
請求項1に記載のトレー付平詰め用いちごパック。
【請求項3】
前記トレーの前記収容用凹部はいちごの大径で略半球状である基端部を収容する部分が深く形成されるとともに、いちごの略円錐状である先端部を収容する部分がトレー側辺に関し平面視30-60度の傾き角を有し前記基端部を収容する部分より連続して浅くなるよう設けられている
請求項1または2に記載のトレー付平詰め用いちごパック。
【請求項4】
前記蓋付容器は紫外線透過性を有するプラスチックシートより成形されている
請求項1に記載のトレー付平詰め用いちごパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基端部が大径で略半球状であり先端部が略円錐状である典型的形状のいちごを平詰めするためのトレー付平詰め用いちごパックであって、特に蓋付容器にトレーを装填したトレー付平詰め用いちごパックに関する。
【背景技術】
【0002】
いちごは、基端部が傷み難いが、先端部は基端部よりも熟成が進み糖度が高く柔らかくて小さな振動によっても損傷し易い。このため、例えばケーキ用の高級ないちごにあっては平詰めパックが適用され、例えば
図11に示すような平詰めパックが使用されている。この例のトレー付平詰め用いちごパックP1では、矩形平面状である底面部の周囲に低い周壁部と周壁部の外側に対蓋連結用嵌合部を有するトレーT1と、トレーT1に被さり全周嵌着する角錐状の蓋C1とを有してなり、収容個数の例として、いずれのいちごも中心軸線がトレーの長辺に平行となるように、いちごSの配列がトレー内の長辺に沿った両側に4個、中央の列に3個並べて収容される。
【0003】
しかし、このようないちごの配列では、いちごを密に収容できない。また、いちごの詰め込み時に配置位置が指定されていないので配置間隔がまちまちになり、さらに搬送中の振動により位置ずれを起こすことなどにより、いちご同士の間およびいちごとトレーの周壁部との間で接触や圧迫が生じる恐れがあり、いちごに損傷が生じる恐れが高い。
【0004】
そこで、特許文献1には、いちごを接触がなく密に収容できかつ搬送中に位置ずれの恐れが無くいちごに損傷が生じる恐れを解消できる改善提案として、
図12に示すように(公報中の
図4に対応している)、いちごの中心軸がトレーの長辺に関し斜め30-45度となる斜正列状にして収容できるように、いちごの収容個数に応じて、(3×4)列、(4×5)列、(4×6)列等に平詰めされるトレーT2が提案されており、さらに容器本体Vとこれに一側が連結された蓋C2とからなるトレー付平詰め用いちごパックP2にトレーT2を収容する形態が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【0006】
特許文献1の蓋付容器にトレーを収納したいちごパックは、パック内に空気が閉じ込められている空気がいちごの呼吸と外来光により次第に高い温度となりかつ炭酸ガスの占める割合も次第に高くなって品質を早期に落としてしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解消するため、パック内にパック外空気を流通させることにより回避することができ、また収納するいちごを1つずつ密着することなくソフトタッチで受承できて運搬時の振動に対して受承面が緩衝機能を有し、いちごの損傷・品質劣化の防止の効果的であるトレー付平詰め用いちごパックを提供することを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解消するため、所要数のいちごを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に収納できかついちご同士を密着しない状態にかつソフトタッチに受承でき受承面が運搬時の振動に対し緩衝機能を有し、パック内にパック外空気を流通させることができていちごの損傷・品質劣化の防止の効果的であるトレー付平詰め用いちごパックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1の発明態様に係るトレー付平詰め用いちごパックは、上記目標達成するため、蓋付容器と前記蓋付容器に装填したトレーとからなり前記トレーに基端部が大径で略半球状であり先端部が略円錐状である典型的形状の所要数のいちごを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に平詰めするためのトレー付平詰め用いちごパックである。
【0010】
そして、前記蓋付容器は、透明なプラスチックシートにて成形され、平底部を有しかつ略矩形凹部空間を有する容器本体と平天面部を有しかつ略矩形凹部空間を有する蓋とを含む連結形態であり、前記トレーは、柔軟性または弾力性を有するプラスチック製発泡シートにて成形され、周縁部が前記容器本体の四方の内側面に密着する大きさでかつ前記周縁部に囲まれる領域にいちごの平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けた正列状となるよういちごを1つずつ収容する複数の凹部を有する形態であり、前記蓋の閉蓋状態の保持が、前記蓋と前記容器本体との周縁部に設けられた一対の嵌着部同士の嵌合および一対のロック部同士の嵌合により行われるようになっており、閉蓋状態において、容器外空気が前記蓋と前記容器本体の嵌着構造部分または前記蓋の側面部から流入・流出し前記蓋の上面部を通して流出・流入するように所要の空気流通孔が設けられた構成である。
【0011】
本願の第2の発明態様に係るトレー付平詰め用いちごパックは、第1の発明態様の構成に加え、前記蓋の上面部には分散状に開口された所要大きさの複数の上側空気流通孔を有するとともに、前記閉蓋状態において、前記蓋に設けられた嵌着部および前記容器本体に設けられた嵌着部がそれぞれ前記蓋と前記容器本体との連結側を除く少なくとも1辺の中程において断続しこの断続部が下側空気流通孔として設けられている構成である。
【0012】
本願の第3の発明態様に係るトレー付平詰め用いちごパックは、第1または第2の発明態様の構成に加え、前記トレーの前記収容用凹部はいちごの大径で略半球状である基端部を収容する部分が深く形成されるとともに、いちごの略円錐状である先端部を収容する部分がトレー側辺に関し平面視30-60度の傾き角を有し前記基端部を収容する部分より連続して浅くなるよう設けられている構成である。
【0013】
本願の第4の発明態様に係るトレー付平詰め用いちごパックは、第1の発明態様の構成に加え、前記蓋付容器が紫外線透過性を有するプラスチックシートより成形された構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所要数のいちごを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に収納できかついちご同士を密着しない状態にかつソフトタッチに受承でき受承面が運搬時の振動に対し緩衝機能を有し、パック内にパック外空気を流通させることができていちごの損傷・品質劣化の防止の効果的であるトレー付平詰め用いちごパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態のトレー付平詰め用いちごパックに係り、いちごを平詰めし、蓋を閉じる前のトレー付平詰め用いちごパックの平面図である。
【
図2】本発明の実施の形態のトレー付平詰め用いちごパックに係り、蓋が開いた状態の蓋付容器の平面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係り、蓋が閉じた状態の蓋付容器の平面図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係り、
図8中の図(a1)-図(a3)は容器本体と蓋の閉蓋状態を保持するための嵌着部の断面形状を示す断面図、
図8中の図(b1)-図(b3)は容器本体と蓋の閉蓋状態を保持するためのロック部の断面形状を示す断面図、および
図8中の図(c1)-図(c3)は容器本体と蓋の閉蓋時の嵌着・ロック状態を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係るトレーを示すもので、図(A)は平面図、図(B)は図(A)におけるB-B矢視図である。
【
図11】従来例のトレー付平詰め用いちごパックの斜視図である。
【
図12】特許文献1に開示された
図4に相当する開蓋状態のトレー付平詰め用いちごパックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願発明の実施の形態に係るトレー付平詰め用いちごパックについて図面を参照して説明する。
【0017】
図1はいちごSを平詰めし蓋を閉じる前のトレー付平詰め用いちごパック1の平面図を示す。トレー付平詰め用いちごパック1は、蓋付容器10と、蓋付容器10に装填したトレー20とからなり、トレー20に基端部S1が大径で略半球状であり先端部S2が略円錐状である典型的形状の所要数のいちごSを平面視で同一の斜め方向に向けた正列状に平詰めするためのいちごパックである。
【0018】
図2-
図4は蓋が開いた状態の蓋付容器10を示す。
図5-
図7は蓋が閉じた状態の蓋付容器10を示す。蓋付容器10は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール、ABS、ポリカーボネイト製、またはベンゼン核を含む透明プラスチックシートの、透明な所要厚さのプラスチックシートにてブロー成形されてなる。ここで、所要厚さとは、プラスチックシートで成形した蓋付容器10がいちごを収容した蓋付容器10を例えば10個積み重ねても潰れ気味にならない形状安定性を有する厚さである。例えば、シート圧として0.15-0.2mm位が好ましい。なお、需要者(購買者)が店舗に陳列された容器内のいちごの陳列状態と大きさや新鮮さが感得できるように確保するため、不透明なプラスチックシートを使用して成形した蓋付容器は好ましくない。
【0019】
蓋付容器10は特に紫外線透過性を有するのが好ましい。蓋付容器10は、後述する空気流通孔14,15が設けられ容器内を外気がを流通し得る構成としていることと相まって、蓋付容器10の成形前のプラスチックシートとしては、殺菌線と言われる260μmの短波長の紫外線透過性を有するものが好ましい。具体的には、蓋付容器10について、ポリエチレンシート、ポロプロピレンシート、普通セロファンシート、または脂肪族系ナイロンシートより成形されたものとすることで、紫外線透過性が高いので空気流通孔14,15から殺菌線である紫外線が容器内に侵入する虫や容器に収納する前にいちごに付着している細菌を死滅させいちごを防護し品質を落とすことから回避できる。ポリエチレンシート、ポロプロピレンシートの中、特に高圧法によるポリエチレンシート、ポロプロピレンシートは紫外線透過性が高く殺菌機能を備える蓋付容器10として好ましい。普通セロファンシートはヒートシール性が無いが本願は蓋付容器10が袋形態ではないので蓋付容器構成座量となりうる。上述したベンゼン核を含む透明プラスチックシートについては紫外線透過性がない。
【0020】
蓋付容器10は、平面視略矩形で平らな底面部11aと4つの側面部を有して収容空間を形成する容器本体11と、平面視略矩形で平らな上面部12aと4つの側面部を有して上部収容空間を形成する蓋12と、容器本体11と蓋12と連結している連結部13を含む連結形態である。
【0021】
図8は容器本体11と蓋12に設けられた嵌着部とロック部の断面形状を示す図である。
図8の図(a1)-図(a3)は、容器本体11の嵌着部とロック部の断面形状を示すための
図2中のa1-a1矢視断面図、a2-a2矢視断面図およびa3-a3矢視断面図である。
図8の図(b1)-図(b3)は、蓋12の嵌着部とロック部の断面形状を示すための
図2中のb1-b1矢視断面図、b2-b2矢視断面図およびb3-b3矢視断面図である。
図8の図(c1)-図(c3)は、容器本体11と蓋12の嵌着・ロック状態の断面形状を示すための
図3中のc1-c1矢視断面図、c2-c2矢視断面図およびc3-c3矢視断面図である。
【0022】
容器本体11は、4つの側面部の上端に断面逆さU字形の雄側嵌着部11bを有し、さらに雄側嵌着部11bの外側面下端より水平方向に延在する下側フランジ部11cを有する。
【0023】
蓋12は、容器本体11の雄側嵌着部11bの外側に係合する断面U字形の雌側嵌着部12bを有し、さらに雌側嵌着部12bの外側面上端より水平方向に延在する上側フランジ部12cを有する。
【0024】
そして、蓋12の閉蓋状態の保持が、容器本体11との周縁部に設けられた雄側嵌着部11b(嵌着部)と蓋12の周縁部に設けられた雌側嵌着部12b(嵌着部)との嵌合、並びに容器本体11との周縁部に設けられたロック用凹部11d(ロック部)と蓋12の周縁部に設けられたロック用凸部12d(ロック部)との嵌合により行われるようになっている。
図9は
図6中のVIII-VIII矢視図であって、容器本体11と蓋12の閉蓋状態を保持するための嵌着部とロック部の係合状態を示す。
【0025】
そして、閉蓋状態において、容器外空気が蓋12と容器本体11の嵌着構造部分または蓋12の側面部から流入・流出し、蓋12の上面部12aを通して流出・流入するように所要配置に複数の空気流通孔14,15が設けられている。
【0026】
具体的には、この実施の形態では、蓋12の上面部12aには分散状に開口された所要大きさの複数の上側空気流通孔14を有するとともに、閉蓋状態において、蓋12に設けられた雌側嵌着部12bと容器本体11に設けられた雄側嵌着部11bが、蓋12と容器本体11との連結側を除く各3辺の中程において断続部15a,15bが設けられ、上下の断続部15a,15bが閉蓋時に開口となり下側空気流通孔15として設けられている。上側空気流通孔14は、例えば直径8-10mmの大きさの円形孔よりなり2列で6-8個備えているのが良い。なお、下側空気流通孔15は、蓋12と容器本体11との連結側を除く少なくとも1辺の嵌着構造部分の中程において断続しこの断続部15a,15bによって設けられていると良い。
【0027】
なお、容器本体11には補強用リブ(凹条部)11e,11fが形成され、また蓋12には補強用リブ(凹条部)12eが形成される。
【0028】
図10はトレー20を示す。トレー20は、例えばポリプロピレンまたはポリエチレン製の、柔軟性または弾力性を有するプラスチック製発泡シートにてブロー成形またはプレス成形されてなる。柔軟性または弾力性を有する発泡シートに限定しているのは、いちごをソフトタッチで受承でき、振動が加わっても発泡シートといちごとの接触圧が高まらないからいちごの損傷を回避できるためである。なお、プラスチック製発泡シートは所要厚さ、例えば1.5―2.0mm位であるものが選択される。これにより、プラスチック製発泡シートを成形したトレー20単体では形状安定性を保てるが、いちごを載せると全体として柔らかく弾力性があり平面性を保ちがたく、容器本体11に装填した状態でいちごを収納したときは型崩れしない。
【0029】
トレー20は、周縁部が容器本体11の四方の内側面に密着する大きさでかつ周縁部に囲まれる領域にいちごSの平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けた正列状となるよういちごSを1つずつ収容する複数の凹部21を有する形態である。
【0030】
トレー20は、周縁部が容器本体11の四方の内側面に密着する大きさであるから、搬送時に傾斜状態になっても水平方向の加速度が加わっても容器本体11内でずれないからいちごS同士の接触を回避できる。また、トレー20は、いちごSを収容する複数の凹部21が正列状であって、いちごSの平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けて収容できる構成であるから、いちごS同士の接触を回避して密に収容することができる。
【0031】
いちごSを収容するための凹部21はいちごSの大径で略半球状である基端部S1を収容する部分が深く形成されるとともに、いちごSの略円錐状である先端部S2を収容する部分がトレー側辺に関し平面視30-60度の傾き角θを有し基端部S1を収容する部分より連続して浅くなるよう設けられている。基端部S1を収容する部分が深く、先端部S2を収容する部分が基端部S1を収容する部分より連続して浅い凹部形態であると、凹部21に収容したいちごSが若干上向きで上端側が略水平になり、いちごが横向きまたは上向きにある置き方に比べて販売促進上の陳列効果が上昇する。
【0032】
いちごSを収容するための凹部21が整列状であってトレー側辺に関し平面視30-60度の傾き角θを有して設けられていることで、トレーに人力でいちごを並べて収容する作業を円滑に行える。いちごの大きさが少しずつ相違し三段階以内の大きさであれば、凹部21を一番大きいクラスのいちごに対応して成形することで三段階の大きさのいちごを同一の分散状態に収容する作業が容易に行える。
【0033】
本発明に係るトレー付平詰め用いちごパックは、いちごの収容個数に応じて、(3×4)列、(4×5)列、(4×6)列等に平詰めされる大きさのものを提案できる。なお、トレー20は、1つのコーナー部が斜めに切除されていることにより、この切除されたコーナーが容器本体11内の所定に位置に来るように装填されると、いちごの斜め45度の向きが常に一定方向になるので好ましい。
【0034】
以上説明してきたように、本発明によれば、容器外空気が蓋12と容器本体11の嵌着構造部分または蓋12の側面部から流入・流出し、蓋12の上面部12aを通して流出・流入するように上側空気流通孔14と下側空気流通孔15とを備えたので、パック内に空気が閉じ込められてしまうとパック内の空気が次第に高い温度となりかつ炭酸ガスの占める割合も次第に高くなってしまうのに対しパック内にパック外空気を流通させることにより回避することができ、また柔軟性または弾力性を有するプラスチック製発泡シートにて成形されいちごSの平詰め時の平面視の方向が同一の斜め方向に向けた正列状となるよういちごSを収容するための凹部21を有するトレー20を備えたので、収納するいちごSを1つずつ密着することなくソフトタッチで受承できて運搬時の振動に対して受承面が緩衝機能を有し、いちごSの損傷・品質劣化の防止の効果的であるトレー付平詰め用いちごパック1を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…トレー付平詰め用いちごパック
10…蓋付容器
11…容器本体
11a…底面部
11b…雄側嵌着部(嵌着部)
11c…下側フランジ部
11d…ロック用凹部(ロック部)
11e,11f…補強用リブ
12…蓋
12a…上面部
12b…雌側嵌着部(嵌着部)
12c…上側フランジ部
12d…ロック用凸部(ロック部)
12e…補強用リブ
13…連結部
14…上側空気流通孔(空気流通孔)
15…下側空気流通孔(空気流通孔)
15a,15b…断続部
20…トレー
21…凹部(いちごを収容するための)
S…いちご
S1…基端部
S2…先端部