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特開2024-78943液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078943
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191581
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】小関 光浩
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB06
2C056EB30
2C056EB31
2C056EC12
2C056EC31
2C056HA29
2C056HA60
(57)【要約】
【課題】常に新しいウェブ接触面をベルト表面に対して送り出す従来技術の構成に比較して、ウェブの寿命を延ばすことができる液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、媒体を搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、搬送ベルトをクリーニングするクリーニング機構と、クリーニング機構を制御する制御部と、を備える。クリーニング機構は、搬送ベルトと当接し、搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、搬送ベルトが当接するウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備える。制御部は、搬送ベルトと当接するウェブの払拭面を変更する第1動作を、搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内に所定回数M3行う(ステップS19~S25)。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、
前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング機構と、
前記クリーニング機構を制御する制御部と、を備え、
前記クリーニング機構は、
前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、
前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備え、
前記制御部は、
前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1動作を、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内に所定回数行う
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、
前記吐出部から前記媒体に向けて吐出される液体の量に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて、前記所定回数を決定し、
前記液体の量が第1の量である場合、前記所定回数を第1の回数とし、
前記液体の量が前記第1の量よりも少ない第2の量である場合、前記所定回数を前記第1の回数よりも少ない第2の回数とする、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、
装置本体内の湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報を取得し、
前記情報に基づいて、前記所定回数を決定する
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、
前記搬送ベルトが搬送した媒体の累積枚数に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて、前記所定回数を決定し、
前記媒体の累積枚数が第1の枚数である場合における前記所定回数は、前記媒体の累積枚数が前記第1の枚数よりも少ない第2の枚数である場合における前記所定回数より多い、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、
クリーニング開始時から所定時間まで第1速度で前記搬送ベルトを回転させ、前記所定時間後に前記第1速度よりも速い第2速度で前記搬送ベルトを回転させる
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記ウェブは、無端状のウェブである
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記クリーニング機構は、
前記搬送ベルトが回転する回転方向において前記ウェブの上流に設けられ、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を掻き取るワイパーを備える
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記クリーニング機構は、前記駆動部からの動力を伝達する歯車を備え、
前記ウェブは、前記歯車を介して前記駆動部からの動力を受けて送られることにより、前記払拭面が変更される構成であり、
前記ウェブが送られる方向は、前記ウェブが当接する状態で回転する前記搬送ベルトから前記ウェブが摩擦力を受ける方向に一致することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記クリーニング機構は、前記駆動部の回転量を検出する検出部を備え、
前記検出部は、前記駆動部の回転軸と一体回転する円盤の周方向に間隔を空けて設けられる複数の被検知部と、前記複数の被検知部を順番に検知するセンサーとを備える
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1工程を含み、
前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内において、前記第1工程を所定回数行う
ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体にインク等の液体を吐出する吐出部を備える液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、媒体を搬送する搬送ベルトと、インク等の液体を媒体に向けて吐出する吐出部とを備える印刷装置(液体吐出装置の一例)が開示されている。
この記録装置は、搬送ベルトに付着したインクを取り除くベルトクリーナーを備える。ベルトクリーナーは、ベルトに付着したインクを掻き落とすクリーニングブレードと、掻き落とした後に残ったインクを拭き取るクリーニングウェブとを備える。クリーニングウェブは、ベルト回転方向においてクリーニングブレードよりも下流に配置される。記録装置において、クリーニングウェブは予め設定された量だけ回転駆動され、ベルト接触面のウェブが新しい面となる。また、クリーニングウェブ側へ捕集された残留インク及びクリーニング液は、クリーニングウェッブが、ウェッブ駆動モーターにより適時駆動されて巻き取られる。クリーニングウェッブ駆動モーターは、制御手段からクリーニングウェッブ駆動信号が入力された時に駆動され、その回転によりクリーニングウェッブの巻き取り側のローラーを回転させる。これにより、所定量のウェッブを巻き取り、ベルトとの接触面を新しい面にする。このように、ウェブ駆動モーターが適宜クリーニングウェブを送り出すため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して送り出すことができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-169968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベルトクリーナー等のクリーニング機構の長寿命化のためにはウェブの全長を長くすることが考えられるが、その場合、クリーニング機構自体が大型化する虞がある。一方で、ウェブの全長を短くした場合、ウェブの寿命が短くなるのでウェブの交換頻度が高まり、結果としてユーザー或いはサービスマンの負担が大きくなる。すなわち、従来の技術では装置の大型化や交換頻度が高まることがあり、ウェブの長寿命化が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング機構と、前記クリーニング機構を制御する制御部と、を備え、前記クリーニング機構は、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備え、前記制御部は、前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1動作を、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内に所定回数行う。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1工程を含み、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内において、前記第1工程を所定回数行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態における液体吐出装置を示す模式正断面図である。
図2】クリーニング機構を示す模式正面図である。
図3】クリーニング機構を示す模式側面図である。
図4】退避位置に配置されたときのクリーニング機構及び搬送ベルト機構を示す模式正断面図である。
図5】清掃位置に配置されたときのクリーニング機構及び搬送ベルト機構を示す模式正断面図である。
図6】クリーニング機構における検出部を示す模式背面図である。
図7】検出部を示す模式斜視図である。
図8】液体吐出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図9】第1参照データを示す模式図である。
図10】第2参照データを示す模式図である。
図11】第3参照データを示す模式図である。
図12】第1クリーニング動作の手順を説明する模式正面図である。
図13】第2クリーニング動作の手順を説明する模式正面図である。
図14】クリーニング制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、液体吐出装置の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の液体吐出装置は、例えば、用紙等の媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。図1では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Y軸に沿う方向は、媒体17の幅方向であるので、幅方向Yともいう。Z軸に沿う方向は、重力と平行な方向であるので、鉛直方向Zともいう。
【0009】
<液体吐出装置11の構成>
図1に示すように、液体吐出装置11は、装置本体12内に、スタッカー13と、印刷部14と、制御部15と、搬送装置16とを備えてもよい。
【0010】
液体吐出装置11の各種構成は、装置本体12内に収容される。具体的には、装置本体12は、印刷部14と、制御部15と、搬送装置16とを収容する。
スタッカー13は、搬送装置16により搬送された媒体17を受ける。スタッカー13は、印刷済みの複数の媒体17を積載可能である。
【0011】
印刷部14は、吐出部19を有してもよい。吐出部19には、複数のノズル20が開口する。印刷部14は、吐出部19が水平面に対して傾いて設けられてもよい。印刷部14は、ノズル20から液体を吐出することにより、搬送される媒体17に対して印刷を行う。本実施形態の印刷部14は、搬送される媒体17に対して印刷を行うライン印刷方式である。なお、印刷部14は、吐出部19を支持するキャリッジ(図示略)を備え、キャリッジが幅方向Yに移動する途中で吐出部19がノズル20から液体を吐出することで、媒体17に印刷を行うシリアル印刷方式であってもよい。
【0012】
制御部15は、液体吐出装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。
制御部15は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0013】
<搬送装置16の構成>
搬送装置16は、媒体載置部21と、給送部22と、搬送部23とを備える。搬送装置16は、複数の媒体載置部21を備えてもよい。この場合、搬送装置16は、媒体載置部21と同数の給送部22を備えてもよい。搬送部23は、搬送ローラー対24、送りローラー対26、搬送ベルト機構30、及び排出ローラー対29を備えてもよい。搬送ベルト機構30は、搬送ベルト27と、一対のローラー28とを備えてもよい。このように、液体吐出装置11は、媒体17を搬送する搬送ベルト27と、搬送ベルト27により搬送される媒体17に液体を吐出する吐出部19とを備える。そして、本実施形態の液体吐出装置11は、搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング機構60を備える。制御部15は、クリーニング機構60を制御する。
【0014】
給送部22は、対応する媒体載置部21から、この媒体載置部21に収容された媒体17を搬送経路36に1枚ずつ給送する。給送部22は、給送モーター31と、ピックアップローラー32と、給送ローラー33と、分離ローラー34とを備えてもよい。
【0015】
搬送ローラー対24、送りローラー対26、及び排出ローラー対29は、それぞれ媒体17の表面に接触するローラーと、媒体17の裏面に接触するローラーとを含む。2つのローラーは、一方が回転駆動される駆動ローラーであり、他方が従動回転する従動ローラーであってもよい。
【0016】
図1では、媒体17が搬送される搬送経路36及び反転経路37を一点鎖線で示す。搬送経路36は、媒体載置部21と、スタッカー13とを結ぶ。反転経路37は、印刷部14より下流の搬送経路36と、印刷部14より上流の搬送経路36とを結ぶ。反転経路37は、媒体17の両面に印刷する場合に、片面に印刷された媒体17を印刷部14より上流に戻すための経路である。搬送装置16は、媒体17を搬送する経路を切り替えるフラップ38を備えてもよい。
【0017】
媒体載置部21は、複数の媒体17を積層状態で収容可能であってもよい。媒体載置部21には、複数の媒体17が載置される。載置とは、上に載せた状態であって、外力を加えることで移動させることが可能な状態である。
【0018】
搬送ローラー対24は、給送ローラー33から送られる媒体17を搬送する。搬送ローラー対24は、媒体17を挟んだ状態で回転することにより、媒体17を搬送する。搬送ローラー対24を構成する2つのローラーのうち、一方のローラーは歯付きローラーであってもよい。片面に印刷された媒体17の印刷された面に接するローラーを歯付きローラーにすると、印刷品質の低下を抑制できる。
【0019】
搬送装置16は、複数の送りローラー対26を備えてもよい。複数の送りローラー対26は、搬送経路36及び反転経路37に設けられてもよい。送りローラー対26は、媒体17を挟んだ状態で回転することにより、媒体17を搬送経路36もしくは反転経路37に沿って搬送する。
【0020】
搬送ベルト27は、搬送ローラー対24から送られる媒体17を搬送してもよい。搬送ベルト27は、環状のベルトである。搬送ベルト27は、一対のローラー28に掛け渡される。搬送ベルト27は、1つのローラー28の回転に伴って一対のローラー28の周りを周回する。搬送ベルト27は、媒体17を搬送する搬送面40を有する。搬送面40は、搬送ベルト27の外周面のうち、例えば静電吸着によって媒体17を支持する平面である。搬送ベルト27は、搬送面40が吐出部19のノズル面19Aに平行になるように設けられてもよい。搬送ベルト27は、媒体17のうち印刷部14により印刷される部分を支持する。搬送ベルト27は、媒体17を支持した状態で周回することにより、媒体17を搬送方向Dcに搬送する。搬送方向Dcは、搬送経路36に沿う方向であって、媒体載置部21からスタッカー13に向かう方向である。
【0021】
排出ローラー対29は、搬送経路36の下流端に設けられてもよい。排出ローラー対29は、媒体17を挟んだ状態で回転することより、印刷された媒体17をスタッカー13に排出する。
【0022】
給送モーター31は、ピックアップローラー32を回転させる。ピックアップローラー32は、媒体載置部21に載置される最上位の媒体17を1枚ずつ送り出す。
給送ローラー33は、ピックアップローラー32により送り出された媒体17の上面に接触する。すなわち、ピックアップローラー32により複数の媒体17が送られる重送が生じたとき、給送ローラー33は、最も上に位置する媒体17に接触する。給送ローラー33は、最も上に位置する媒体17を搬送方向Dcに送る。
【0023】
分離ローラー34は、給送ローラー33との間に媒体17をニップする。分離ローラー34は、正逆回転可能な従動ローラーである。そのため、分離ローラー34は、重送が生じたとき、下側の媒体17が搬送方向Dcに送り出されることを阻止する。
【0024】
液体吐出装置11は、搬送方向Dcにおいて吐出部19を挟む両側には、媒体17を検知可能な第1検知部41及び第2検知部42を備える。第1検知部41は、吐出部19よりも搬送方向Dcの上流の位置で媒体17を検知する。第2検知部42は、吐出部19よりも搬送方向Dcの下流の位置で媒体17を検知する。
【0025】
制御部15は、第1検知部41及び第2検知部42からの各検知信号に基づいて媒体17の搬送経路36上の位置を認識する。また、制御部15は、第1検知部41及び第2検知部42からの各信号に基づいて搬送ベルト27の搬送面40上における媒体17のジャムを検出する。制御部15は、第1検知部41が媒体17を検知してから、所定の搬送量の搬送動作を終えたにも関わらず、第2検知部42から媒体17を検知した旨の検知信号の入力がない場合、搬送面40上で媒体17のジャムが発生したことを検出する。
【0026】
<搬送ベルト機構30及びクリーニング機構60の構成>
次に、図2を参照して、搬送ベルト機構30及びクリーニング機構60の詳細な構成について説明する。
【0027】
図2に示すように、クリーニング機構60は、搬送ベルト27に対して吐出部19と反対側の位置に配置されている。クリーニング機構60は、搬送ベルト27の搬送面40と反対側の位置で搬送ベルト27の表面を清掃する。クリーニング機構60は、ジャム発生時に媒体17がない状態で吐出部19が液体を吐出した結果、搬送ベルト27に付着したインク等の液体を搬送ベルト27から除去するクリーニングを行う。
【0028】
制御部15は、搬送面40上で媒体17のジャムを検出した場合、クリーニング機構60に搬送ベルト27を清掃させる。詳しくは、制御部15は、媒体17のジャムを検出すると、ジャム発生の旨の情報及びジャムの解消を促す旨の情報を含むメッセージを表示部92(図8参照)に表示させる。メッセージを読んだユーザーは、装置本体12のカバー(図示略)を開けてジャムの媒体17を除去する。ジャムを解消したユーザーは、操作部91(図8参照)で「OK」の旨の操作を行うことで、液体吐出装置11に対してジャム解消の旨を通知する。制御部15は、操作部91からジャム解消の旨の通知を受け付けると、クリーニング機構60に搬送ベルト27をクリーニングさせる。
【0029】
<搬送ベルト機構30の詳細な構成>
次に、図2図4を参照して、搬送ベルト機構30及びクリーニング機構60の構成について詳細に説明する。まず、図2を参照して、搬送ベルト機構30の詳細な構成を説明する。図2に示すように、搬送ベルト機構30は、無端状の搬送ベルト27、一対のローラー28、一対のローラー28を回転可能に支持する支持フレーム51と、一方のローラー28と同軸上に設けられた歯車52とを備える。一対のローラー28は、互いに離間する方向に付勢された状態で支持フレーム51に支持されている。このため、一対のローラー28に働く離間方向の付勢力によって搬送ベルト27には一定の張力が付与される。
【0030】
搬送ベルト27に対して下流側の端部近傍には、搬送ベルト27の搬送面40上の媒体17を排出ローラー53へ案内するガイド部材54と、搬送ベルト27の帯電を除電する除電ブラシ55とが配置されている。除電ブラシ55は、不図示の駆動部により駆動されるカム機構56により、搬送ベルト27に近接又は接触する図2に示す作動位置と、搬送ベルト27から離間する退避位置とに移動可能に構成される。
【0031】
カム機構56は、ばね57の付勢力により回動軸58を中心に一方向に付勢されるレバー部材59を備える。ばね57は、除電ブラシ55が離間位置に配置される方向に向かってレバー部材59を付勢している。レバー部材59が、不図示の駆動部により、ばね57の付勢方向とは反対の方向に回動することで、除電ブラシ55が離間位置から接触位置へ移動する。なお、一方のローラー28は歯車52を介して駆動源であるベルトモーター97(図8参照)から伝達される動力により回転する。
【0032】
また、搬送ベルト27の搬送面40において搬送方向Dcの上流側の位置には、図2に二点鎖線で示すガイドローラー45が配置されている。ガイドローラー45は、ガイドモーター98(図8参照)の動力で搬送面40に当接する作動位置と、搬送面40から離間する離間位置との間を移動可能に構成される。なお、ガイドローラー45は、除電ブラシ55と連動して移動するため、ガイドモーター98が除電ブラシ55の駆動部を兼ねてもよい。
【0033】
<クリーニング機構60の詳細な構成>
次に、図2図3を参照して、クリーニング機構60の詳細な構成を説明する。クリーニング機構60は、回動軸61を中心に所定の角度範囲内で回動可能な支持フレーム62を備える。支持フレーム62には、清掃部63、駆動部64及び動力伝達機構65等が組み付けられている。
【0034】
清掃部63は、清掃用のウェブ66を有する部分である。ウェブ66は後述する所定の循環経路で巻き掛けられている。ウェブ66の一部は、搬送ベルト27の搬送面40と反対側の表面と対向する状態で搬送ベルト27に向かって突出する払拭部67を形成する。ウェブ66は、駆動部64から動力伝達機構65を介して伝達される駆動力により間欠送り(間欠駆動)される。ウェブ66の1回の間欠送りによって、払拭部67の部分のウェブ66が、インク等の液体で汚れたウェブ66から新しいウェブ66に変更される。つまり、ウェブ66の1回の間欠送りによって、払拭部67の払拭面67Aが新しいウェブ66の面に変更される。
【0035】
このように、クリーニング機構60は、搬送ベルト27と当接し、搬送ベルト27上の液体を払拭するウェブ66と、搬送ベルト27に当接する払拭部67の部分のウェブ66を新しい払拭面67Aに変更させる間欠駆動用の駆動部64とを備える。制御部15は、搬送ベルト27と当接するウェブ66の払拭面67Aを変更する第1動作を、搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング期間内に所定回数行う。
【0036】
支持フレーム62は、回動軸61と反対側の端部寄りの位置に一端が掛止されたばね68の付勢力により搬送ベルト27に近づく方向に回動するように付勢されている。ばね68は、例えば、コイルばねよりなる引っ張りばねであり、その他端は搬送ベルト機構30構成する支持フレーム51又は不図示のメインフレームの所定箇所に掛止されている。このように、クリーニング機構60は、ばね68の付勢力により払拭部67が搬送ベルト27に近づく方向に付勢されている。
【0037】
クリーニング機構60は、ウェブ66、ウェブ66を回転させる駆動部64、後述する歯車72~75等を含む。さらに、クリーニング機構60は、図2に二点鎖線で示すワイパー87(ブレード)を備えてもよい。ワイパー87は、搬送ベルト27が回転する回転方向BDにおいてウェブ66の払拭部67よりも上流に設けられる。ワイパー87は、クリーニング期間に搬送ベルト27と当接し、搬送ベルト27上の液体を掻き取る。クリーニング機構60は、ワイパー87及びワイパー87の駆動部(図示略)を含んでもよい。なお、ワイパー87は、クリーニング時の搬送ベルト27の回転方向BDにおいて払拭部67よりも下流の位置に配置されてもよい。
【0038】
クリーニング機構60は、支持フレーム62を回動軸61を中心に回動させることが可能な駆動源であるカムモーター69(図8参照)を備える。支持フレーム62の回動先端部近傍には、カムモーター69の駆動力で駆動されるカム部材70が配置されている。支持フレーム62は、その回動先端部(下端部)に、カム部材70と係合可能な被係合面部71を有する。カム部材70は、例えば、回動カムである。カム部材70は、回動軸70Bと、その回動先端部に形成される係合面70Aとを有する。
【0039】
カム部材70は、図2図5に示すように、その係合面70Aが被係合面部71から離間する非係合位置と、図4に示すように係合面70Aが被係合面部71に当接する係合位置との間を回動する。詳しくは、カム部材70が図2図5に示す非係合位置にあるとき、カム部材70の係合面70Aが被係合面部71から離間することで、支持フレーム62は、ばね68の付勢力により図2における時計方向に回動する。これにより、クリーニング機構60は、払拭部67が搬送ベルト27の表面に当接する清掃位置CPに配置される。一方、カム部材70が図4に示す係合位置にあるとき、カム部材70の係合面70Aによって被係合面部71が押し込まれることで、支持フレーム62は清掃位置CPから図2における反時計方向に回動する。これにより、クリーニング機構60は、払拭部67が搬送ベルト27から離間する退避位置RPに配置される。
【0040】
次に、図2図3を参照して、ウェブ66を含む清掃部63、駆動部64及び動力伝達機構65の詳細な構成について説明する。
駆動部64は、例えば、モーターである。駆動部64の駆動力は、動力伝達機構65を介して清掃部63に伝達される。清掃部63は、駆動部64の駆動力によって、ウェブ66を送り方向WDに間欠送りする。清掃部63は、払拭部67の払拭面67Aを、インク等の液体で汚れた清掃済みのウェブ66から清掃前の新しいウェブ66に変更するように駆動される。
【0041】
動力伝達機構65は、例えば、図2に示すような歯車機構65Gであってもよい。歯車機構65Gは、複数の歯車72~75を備える。すなわち、図2図3に示す例の歯車機構65Gは、駆動部64の駆動力により回転するウォーム歯車72及び歯車73~75を含む。2つの歯車73,74は、例えば、二段歯車よりなる。ウォーム歯車72は、歯車73の大歯車73Aと噛合する。歯車73は、その小歯車73B(図3参照)が歯車74の大歯車74Aと噛合する。歯車74は、その小歯車74B(図3参照)が歯車75と噛合する。
【0042】
歯車75は、駆動歯車であり、ウェブ66が掛け渡された複数のローラー76~78(図4も参照)のうちの1つである駆動ローラー76の軸端部に固定されている。また、ウェブ66は、幅方向Yに延びるガイドロッド79を経由して払拭部67へ案内される。なお、図2に示すように、支持フレーム62には、複数のローラー76~78に掛け渡されたウェブ66に張力を付与するばね80が設けられている。
【0043】
上記の構成から、歯車機構65Gの減速比は大きい。詳しくは、ウォーム歯車72が複数回転すると歯車73が1回転し、歯車73が複数回転すると、歯車74が1回転し、さらに歯車74が複数回転すると歯車75が1回転する。このため、歯車機構65Gの減速比は、例えば、10~30の範囲内の所定値に設定されている。なお、図2に示すように、搬送ベルト機構30を構成する支持フレーム51には、クリーニング機構60が清掃位置CPにあることを検知する位置センサー81が取り付けられている。
【0044】
また、図3に示すように、幅方向Yに延びるフレーム部62Aには、複数の押圧ローラー82が幅方向Yに間隔を空けた状態で配置されている。複数の押圧ローラー82は、駆動ローラー76(図4参照)との間でウェブ66を所定の押圧力で挟む。また、図3に示すクリーニング機構60において、駆動部64及び動力伝達機構65が組み付けられた面と幅方向Yにウェブ66の配置領域を挟んだ反対側の面には、検出部83が配置されている。検出部83は、駆動ローラー76の回転を検出することで、ウェブ66の送り量を検出する。検出部83は、被検出部84とセンサー85とを有する。
【0045】
<清掃部63の構成>
次に、図4図5を参照して、清掃部63の構成について説明する。図4は、クリーニング機構60が退避位置RPにある状態を示す。また、図5は、クリーニング機構60が清掃位置CPにある状態を示す。
【0046】
まず、クリーニング機構60が退避位置RPと清掃位置CPとの間を回動する位置切替動作について説明する。図4に示すように、カム部材70が同図に示す第1回動姿勢へ回動すると、この過程で係合面70Aが被係合面部71に当接してこれをばね68の付勢力に抗して反時計回り方向に押し込む。この結果、クリーニング機構60が退避位置RPに配置される。この退避位置RPでは、払拭部67が搬送ベルト27から離間している。また、位置センサー81はオフする。
【0047】
一方、図5に示すように、カム部材70が同図に示す第2回動姿勢まで回動すると、この過程でクリーニング機構60がばね68の付勢力によって、払拭部67が搬送ベルト27に接触するまで時計回り方向に回動する。この結果、クリーニング機構60が清掃位置CPに配置される。この清掃位置CPでは、位置センサー81がオンする。
【0048】
図4図5に示すように、清掃部63が有するウェブ66は、環状を呈する。つまり、ウェブ66は無端状である。ウェブ66は、複数のローラー76~78の外周に掛け渡されている。すなわち、無端状のウェブ66は、駆動ローラー76と、第1ガイドローラー77と、第2ガイドローラー78とに掛け渡されている。第1ガイドローラー77は、支持フレーム62から搬送ベルト27側に少し突出する位置に配置されている。ウェブ66が第1ガイドローラー77の外周面の一部に巻き付けられることによって払拭部67が形成される。また、ウェブ66が駆動ローラー76と第1ガイドローラー77との間に位置するガイドロッド79を経由することで、第1ガイドローラー77の外周面に対するウェブ66の巻付け角が大きく確保されている。また、図3に示すばね80により第2ガイドローラー78が駆動ローラー76から離間する方向に引っ張られることで、ウェブ66には所定の張力が付与されている。
【0049】
駆動ローラー76は、例えば、ゴムローラーである。このため、駆動ローラー76の外周面に対してウェブ66は滑りにくい。また、ウェブ66は、駆動ローラー76と押圧ローラー82との間に所定のニップ圧で挟持される。このため、ウェブ66は駆動ローラー76に対してさらに滑りにくくなっている。これにより、制御部15(図1参照)により駆動部64の回転量が制御されれば、ウェブ66の間欠送り量も正確に制御される。
【0050】
駆動部64からの駆動力で駆動ローラー76が所定方向に回転することで、ウェブ66は一定の送り方向WDに回転する。この送り方向WDは、払拭部67において清掃時に払拭部67が搬送ベルト27から受ける力の方向に一致する。清掃時に搬送ベルト27に当接する払拭部67は搬送ベルト27からその回転方向BDの力を受ける。清掃時に払拭部67が搬送ベルト27から受ける回転方向BDの力の方向と、払拭部67におけるウェブ66の送り方向とが同じになる向きに送り方向WDが設定されている。
【0051】
前述のように、クリーニング機構60は、駆動部64からの動力を伝達する歯車72~75を備える。ウェブ66は、歯車72~75を介して駆動部64からの動力を受けて送られることにより、払拭部67の払拭面67Aが変更される構成である。ウェブ66が送られる送り方向WDは、ウェブ66が当接する状態で回転する搬送ベルト27からウェブ66が摩擦力を受ける方向に一致する。つまり、ウェブ66が送られる送り方向WDは、搬送ベルト27に当接する払拭部67の部分のウェブ66が、クリーニング動作中に搬送ベルト27から受ける摩擦力の方向と同じ方向である。このため、払拭部67が清掃時に搬送ベルト27から受ける力(摩擦力)の方向は、歯車72~75のバックラッシを詰める方向に一致する。これにより、払拭部67が搬送ベルト27を払拭した後にウェブ66を送り方向WDに送っても、その送り方向WDは、クリーニング動作中に歯車72~75のバックラッシを詰めた方向なので、バックラッシに起因するウェブ66の送り量のずれが発生しにくい。
【0052】
本実施形態のウェブ66の送り量は、送り1回当たり、例えば、0.5~5mmの範囲内の所定値である。所定値は、例えば約1mmである。この非常に短い送り量でウェブ66を送ることで、それまでの拭き取りでインクで汚れた払拭面67Aのウェブ66を新しいウェブ66に変更する。ここで、仮に送り方向WDが搬送ベルト27から受ける力の方向と逆であると、駆動部64の駆動量のうち一部が歯車72~75のバックラッシを詰めるために使われるため、駆動部64の駆動量の割にウェブ66の送り量が最大でバックラッシの分だけ少なくなるばらつきが発生する。この場合、汚れた払拭面67Aが新しいウェブ66に変更されない部分が発生する可能性がある。あるいは、完全にウェブ66の新しい払拭面67Aに変更されるように、1回当たりの送り量をバックラッシ分を見込んで多めに設定する無駄が発生する。なお、ウェブ66の1回の送り量は、5mmを超えてもよい。
【0053】
本実施形態では、払拭部67を搬送ベルト27の表面に接触させた状態で搬送ベルト27を回転方向BDに回転させることで、搬送ベルト27をクリーニング(清掃)する。クリーニング開始時から搬送ベルト27が所定の回転量の回転を終えると、払拭部67は搬送ベルト27から拭き取ったインクで汚れる。制御部15は、払拭部67が一定以上汚れたとみなされるタイミングで、ウェブ66を1回分の送り量だけ送る間欠送りを行うことで、払拭面67Aを新しいウェブ66に変更する。
【0054】
清掃中にウェブ66を1回分の送り量だけ送る間欠送りのタイミングは、搬送ベルト27の回転量で管理してもよいし、搬送ベルト27の回転時間で管理してもよい。また、清掃中にウェブ66を1回送る間欠送りのタイミングは、搬送ベルト27に付着したと推定されるインク量に応じて変更してもよい。さらに、清掃中の搬送ベルト27の回転速度を、搬送ベルト27に付着したと推定されるインク量に応じて変更してもよい。これらの制御は、制御部15が清掃中に駆動部64及び搬送ベルト27を駆動制御することにより行われる。この制御部15の制御内容の詳細については後述する。
【0055】
なお、図5に示すように、搬送ベルト機構30において、払拭部67と搬送ベルト27を挟んで対向する位置では、前述の受け部46がばね47によって搬送ベルト27を外側(払拭部67に近づく方向)に押す状態にある。払拭部67が搬送ベルト27に当接した状態では、払拭部67が搬送ベルト27を押すが、その押す力を、ばね47の付勢力で搬送ベルト27の反対側から受け部46が受ける。よって、払拭部67が搬送ベルト27の表面に当接した際に所定の接触圧が確保される。
【0056】
搬送ベルト27は、撥水加工されたベルトである。すなわち、搬送ベルト27の表面には、撥水加工によって撥水層が形成されている。搬送ベルト27の表面は撥水性を有するので、搬送ベルト27からインクの汚れを取り除きやすい。なお、搬送ベルト27は、撥水加工されたベルトに限定されない。
【0057】
<ウェブ66について>
ウェブ66は、インク等の液体を吸収する特性を有する材質よりなる。ウェブ66は、例えば、布である。ウェブ66は、布以外に、不織布や紙、多孔質な合成樹脂材料などであってもよい。ウェブ66は、液体を吸収する特性を有する材質よりなる無端状(環状)のテープによって構成されてもよい。ここで、ウェブ66の全長は、搬送面40上で発生するジャムの頻度(総推定発生回数)と、ジャム1回の清掃で消費されるウェブ66の平均長さとの積よりも、少しのマージンを加えた長さに設定されている。
【0058】
<ジャムについて>
搬送経路36及び反転経路37上で発生するジャムのうち、搬送ベルト27の搬送面40上で発生するジャムはその頻度が非常に低い。ここで、搬送面40上で発生するジャムを第1ジャムと称し、これ以外のジャムである第2ジャムと区別する。第1ジャムは、第1検知部41によって検知された媒体17が、第2検知部42によって検知されるまでに必要な十分な長さである所定の搬送量で搬送されたにも関わらず、第2検知部42が媒体17を検知しないことによって検出される。
【0059】
このため、第1ジャムの発生時は、媒体17が搬送面40上に存在しない場合がある。この状態で、吐出部19がノズル20から液体を吐出すると、その吐出された液体は搬送ベルト27の表面に着弾する。つまり、誤吐出により、搬送ベルト27の表面がインク等の液体で汚れる。ユーザーが、第1ジャムの解消後、搬送ベルト27が液体で汚れたまま次の印刷を開始すると、搬送ベルト27上のインク等の液体が媒体17に転写されることで、媒体17がインク等の液体で汚れてしまう。この場合、印刷された媒体17は不良品になるので、ユーザーは搬送ベルト27を清掃した後、印刷をやり直す必要がある。
【0060】
本実施形態では、この種の印刷の失敗を低減又は解消するべく、第1ジャム検出後、次の印刷が開始される前に、クリーニング機構60が搬送ベルト27を清掃する。このため、第1ジャムの後に開始される次の印刷において搬送ベルト27のインク汚れに起因する印刷の失敗が回避される。
【0061】
<検出部83の構成>
次に、図3図6及び図7を参照して、ウェブ66の送り量を検出する検出部83の構成について説明する。
【0062】
図3に示すように、クリーニング機構60は、駆動部64の回転量を検出する検出部83を備える。検出部83は、駆動ローラー76の回転軸76Aの端部に固定された回転式の被検出部84と、被検出部84を検知するセンサー85とを備える。
【0063】
図6図7に示すように、検出部83は、駆動部64の回転軸76Aと一体回転する円盤84Aの周方向に間隔を空けて設けられる複数の被検知部84Bと、複数の被検知部84Bを順番に検知するセンサー85とを備える。被検出部84は、円盤84Aと、円盤84Aの外周部に周方向に一定のピッチで間欠的に配置された複数の被検知部84Bとを備える。図7に示すように、円盤84Aは、中央部に挿通孔84Cを備える。挿通孔84Cには、駆動ローラー76の回転軸76Aが回り止めされた状態で嵌挿されている。回転軸76Aが回転することで円盤84Aは回転する。複数の被検知部84Bは、円盤84Aの外周部から挿通孔84Cの軸線と平行な向きに略直角に屈曲している。
【0064】
センサー85は、例えば、発光部85Aと受光部85Bとを含む。センサー85は、例えば、フォトインターラプターにより構成されてもよい。センサー85を構成する発光部85Aと受光部85Bは、円盤84Aに対して被検知部84Bの回転軌跡を挟む径方向の両側に対向して配置されている。
【0065】
図7に示すように、被検出部84は、例えば、3つ以上の被検知部84Bを有する。被検知部84Bの数は、3つ以上であれば、4つ、5つ、6つ以上の複数個でもよい。図7に示す例では、被検出部84は、8つの被検知部84Bを有する。ここで、被検出部84が有する被検知部84Bの数をM個とすると、被検知部84Bの数が1つの場合に比べ、M倍の解像度でウェブ66の送り量を検出可能である。このようにウェブ66を間欠送りする構成であるため、1回の送り量は払拭部67のウェブ66が新しい面に変更されるのに必要な少量の送り量だけでよい。このため、検出部83は、ウェブ66の1回当たりの少量の送り量を検出するために必要な解像度が得られるように構成される。
【0066】
<液体吐出装置11の電気的構成>
次に、図8を参照して液体吐出装置11の電気的構成を説明する。
図8に示すように、液体吐出装置11は、前述の制御部15を備える。制御部15は、印刷データPDを入力する。制御部15は、印刷データPDに基づいて印刷機構12Aを駆動制御することで、媒体17に印刷する。印刷データPDには、印刷コマンド、印刷条件情報及び画像データが含まれる。印刷条件情報には、媒体の種類、サイズ、カラー/モノクロの印刷モード等が含まれる。画像データは、ドットデータである。画像データのドット情報により吐出部19のノズル20から吐出されるインクの量が決定される。インク滴のサイズが複数段階に分かれていてもよい。例えば、インク滴のサイズは、大小の2種類でもよいし、大中小の3種類でもよいし、4種類以上の複数種類であってもよい。吐出部19の全てのノズル20で大ドットのインク滴が吐出される場合、印刷デューティは100%である。印刷デューティ値100%のときは、吐出されるインク量が最大量である。印刷デューティ値が小さくなるに連れて吐出部19から吐出されるインク量は少量になる。
【0067】
制御部15には、入力系として、操作部91、表示部92、第1検知部41、第2検知部42、媒体幅センサー93、温度センサー94、湿度センサー95、位置センサー81、及び検出部83が電気的に接続されている。検出部83は、光学式のセンサー85を含む。
【0068】
制御部15には、出力系として、吐出部19、給送部22、搬送部23、及びクリーニング機構60が電気的に接続されている。詳しくは、制御部15には、給送部22を構成する給送モーター31、搬送部23を構成する、搬送モーター96、ベルトモーター97及びガイドモーター98が電気的に接続されている。さらに、制御部15には、クリーニング機構60を構成する駆動部64及びカムモーター69が電気的に接続されている。
【0069】
制御部15は、コンピューター100を備える。コンピューター100は、第1カウンター101、第2カウンター102、及び第3カウンター103を備える。さらに、コンピューター100は、吐出制御部104、異常検知部105、クリーニング制御部106及び記憶部107を備える。クリーニング制御部106は、演算部108を備える。また、記憶部107には、プログラムPR、第1参照データRD1、第2参照データRD2、第3参照データRD3、累積回数TN、累積枚数TMなどの情報が記憶されている。プログラムPRには、図14にフローチャートで示されるクリーニング制御ルーチンが含まれる。
【0070】
吐出制御部104、異常検知部105及びクリーニング制御部106は、コンピューター100がプログラムPRを実行することで構築されるソフトウェア、あるいはASIC等の電子回路よりなるハードウェア、さらにはソフトウェアとハードウェアとの協働による構成であってもよい。なお、本実施形態では、吐出制御部104、異常検知部105、及びクリーニング制御部106は、少なくとも一部にソフトウェアを含む。
【0071】
第1カウンター101は、媒体17の搬送経路上の位置を示す値を計数する。例えば、媒体17の先端が第1検知部41に検知されると第1カウンター101はリセットされ、その後、搬送モーター96の回転を検出するロータリーエンコーダー(図示略)からの入力パルスの数又はパルスエッジの数を計数する。この第1カウンター101の計数値は、媒体17の搬送経路上の位置を示す。制御部15は、第1カウンター101の計数値から媒体17の搬送経路上の位置を認識する。
【0072】
第2カウンター102は、媒体17の累積枚数を計数する。例えば、第2カウンター102は、第2検知部42が媒体17の後端を検知した数を計数することで、累積枚数を計数する。
【0073】
第3カウンター103は、クリーニング機構60で行われたウェブ66の間欠送りの累積回数を計数する。ウェブ66の1周の長さである全長WLは、1回の間欠送り量Fと、液体吐出装置11の耐用年数の期間内に発生しうる第1ジャムの推定回数Jと、第1ジャム1回当たりの平均ウェブ間欠送り回数Pとを乗算して得られる値に所定のマージンΔLを加えた長さである。つまり、ウェブ66の全長WLは、WL=F*J*P+ΔLに設定されている。よって、第3カウンター103の計数値は、液体吐出装置11が耐用年数に達しても、ウェブ66の全長に相当する値に達しない。
【0074】
吐出制御部104は、吐出部19を制御する。詳しくは、吐出制御部は104は、印刷データPDに含まれる画像データに基づいて吐出部19を制御する。吐出制御部は104は、画像データの画素値に基づくデューティ値で吐出部19のノズル20から吐出される液滴のサイズ(量)を制御する。
【0075】
コンピューター100は、吐出制御部104が吐出制御に用いるデューティ値又は画像データを用いて、印刷デューティ値を算出する。ここで、印刷デューティ値とは、吐出部19が媒体17の単位面積当たりに吐出する液体の量に相当する値である。また、印刷デューティ値は、媒体17の搬送速度を一定とすると、吐出部19が単位時間当たりに吐出する液体の量、すなわち吐出部19の単位時間当たりの平均吐出量とも定義される。例えば、吐出部19の全てのノズル20から最大サイズの液滴を吐出するとき、印刷デューティ値は100%とされる。印刷デューティ値は、吐出部19の全ノズル20のうち液滴を吐出するノズル数と、これら各ノズル20から吐出される液滴のサイズとの積に比例する。なお、印刷デューティ値は、吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報の一例に相当する。
【0076】
異常検知部105は、媒体17が搬送経路上で詰まるジャムなどの異常を検知する。ジャムには、搬送ベルト27上で発生する第1ジャムが含まれる。第1ジャムは、搬送ベルト27上に存在すべき媒体17が搬送ベルト27上の正規の位置まで搬送される途中で詰まったジャムである。異常検知部105は、第1検知部41によって検知された媒体17が、第2検知部42によって検知されるまでに必要な十分な長さである所定の搬送量で搬送されたにも関わらず、第2検知部42が媒体17を検知しないことによって、第1ジャムを検出する。
【0077】
第1ジャムが発生したとき、制御部15がその異常を検知して吐出を中止しても、その中止前に指令した分があるため、吐出部19は媒体17の存在しない搬送ベルト27の搬送面40上にインク等の液体を吐出してしまう。そのため、コンピューター100は、第1ジャム解消の旨の操作信号を受け付けると、クリーニング機構60に、インク等の液体で汚れた搬送ベルト27のクリーニングを指令する。
【0078】
クリーニング制御部106は、クリーニング機構60を制御する。クリーニング制御部106は、異常検知部105が第1ジャムを検知すると、クリーニング機構60に搬送ベルト27のクリーニングを行わせる。クリーニング制御部106は、駆動部64及びカムモーター69を制御することで、クリーニング機構60に一連のクリーニング動作を行わせる。クリーニング制御部106は、各種の演算を行うために演算部108を備える。なお、一連のクリーニング動作の詳細については後述する。
【0079】
制御部15は、吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報を取得する。制御部15は、この情報に基づいて、所定回数M1を決定する。さらに、制御部15は、液体の量が第1の量である場合、所定回数を第1の回数m1とする。また、制御部15は、液体の量が第1の量よりも少ない第2の量である場合、所定回数を第1の回数m1よりも少ない第2の回数m2とする。
【0080】
本実施形態では、吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報として、印刷デューティ値を用いる。制御部15は、印刷デューティ値に応じて所定回数M1を設定する。なお、印刷デューティ値とは、前述のとおり、媒体17の単位面積当たりの吐出量、または単位時間当たりの吐出量を指す。制御部15は、印刷デューティ値が第1の印刷デューティ値である場合、所定回数M1を第1の回数m1とする。また、制御部15は、印刷デューティ値が第1の量よりも少ない第2の量の液体を吐出する第2の印刷デューティ値である場合、所定回数M1を第1の回数m1よりも少ない第2の回数m2とする。
【0081】
制御部15は、印刷デューティ値を基に、図9に示す第1参照データRD1を参照することで、印刷デューティ値に応じたウェブ送り回数を示す所定回数M1を決定してもよい。
【0082】
図9に示す第1参照データRD1は、印刷デューティ値とウェブ送り回数(間欠送り回数)との対応関係を示すテーブルデータである。図9に示す例では、印刷デューティ値が、0~10%のときはウェブ送り回数が1回、11~30%のときは3回、31~60%のときは6回、61%以上のときは10回に設定されている。図9は一例であり、印刷デューティ値を他の範囲で区分けし、それぞれの範囲にウェブ送り回数として他の値を設定してもよい。図9に示すように、第1参照データRD1における範囲の区分け数は、4段階に限定されず、2段階、3段階、5段階、6段階以上の複数段階であってもよい。例えば、第1参照データRD1において、印刷デューティ値を10%ずつ区分けして10段階とし、小さい方の範囲から順にウェブ送り回数を1回~10回に設定してもよい。また、例えば、0~50%と51~100%の2段階に区分けし、小さい方の範囲から順にウェブ送り回数を1回、2回に設定してもよい。
【0083】
また、制御部15は、装置本体12内の湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報を取得してもよい。制御部15は、湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報に基づいて、所定回数を決定してもよい。本実施形態では、印刷デューティ値に応じて設定した所定回数M1を、湿度及び温度の少なくとも一つに基づいて補正する。制御部15は、温度センサー94から温度の情報を取得し、湿度センサー95から湿度の情報を取得する。本実施形態では、制御部15は、例えば、湿度及び温度に関する情報に基づいて、所定回数を決定する。なお、制御部15が、湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報に応じて所定回数を設定し、この所定回数を印刷デューティ値に応じて補正してもよい。
【0084】
制御部15は、湿度及び温度に関する情報を基に、図10に示す第2参照データRD2を参照することで、湿度及び温度の組合せに応じたウェブ送り回数を示す所定回数M2を決定してもよい。図10に示す例では、第2参照データRD2には、湿度及び温度の組合せに応じたウェブ送り補正回数が設定されている。制御部15は、印刷デューティ値を基に決定した所定回数M1を、湿度及び温度の組合せに応じたウェブ送り補正回数で補正することで、所定回数M2を決定する。
【0085】
さらに、制御部15は、搬送ベルト27が搬送した媒体の累積枚数TMに関する情報を取得する。制御部15は、この情報に基づいて、所定回数を決定する。媒体の累積枚数TMが第1の枚数TM1である場合における所定回数は、媒体17の累積枚数TMが第1の枚数TM1よりも少ない第2の枚数TM2である場合における所定回数より多い。制御部15は、所定回数の決定に用いる累積枚数TMの情報を、第2カウンター102の計数値又は記憶部107から取得する。
【0086】
制御部15は、媒体の累積枚数TMに関する情報を基に、図11に示す第3参照データRD3を参照することで、累積枚数TMに応じた補正係数Aを取得する。制御部15は、湿度及び温度の組合せに応じて補正した所定回数M2に、補正係数Aを乗算することで、所定回数M3を決定する。なお、所定回数M3は、印刷デューティ値、湿度及び温度の少なくとも一方、累積枚数TMのうち、1つ又は2つに基づき決定されてもよい。
【0087】
また、制御部15は、クリーニング開始時から所定時間まで第1速度V1で搬送ベルト27を回転させ、所定時間後に第1速度V1よりも速い第2速度V2で搬送ベルト27を回転させる。
【0088】
例えば、1回又は2回の間欠駆動(ウェブ間欠送り)の後に、搬送ベルト27の回転速度を低速から高速に切り換えてもよい。また、例えば、1回の間欠駆動のみ行う場合、1回の間欠駆動によって所定時間の間、第1速度V1(低速度)で回転させる。その後、第1速度V1よりも速い第2速度V2(高速度)で搬送ベルト27を回転させてもよい。また、例えば、2回の間欠駆動を行う場合、1回目の間欠駆動の後に第1時間の間、第1速度V1で回転させる。次に、2回目の間欠駆動の後に第2時間の間、第1速度V1で回転させる。この場合、第1時間と第2時間の合計時間が所定時間に相当する。そして、クリーニング開始時から、これらの所定時間の間、搬送ベルト27を第1速度V1で回転させ、この所定時間後に搬送ベルト27を第2速度V2(高速度)で回転させてもよい。
【0089】
媒体幅センサー93は、媒体17の幅を検出する。制御部15は、媒体幅センサー93からの検知信号に基づき媒体17の幅に関する情報を取得する。制御部15は、媒体17の幅を検出することで、実際に搬送された媒体17の幅が、印刷条件情報で指定された媒体サイズと一致するかどうかを判定する。また、制御部15は、媒体幅センサー93の検知信号に基づいて媒体17の幅方向Yのずれを検出し、そのずれた位置に応じて液体の吐出位置を幅方向Yに調整する。
【0090】
さらに、制御部15は、媒体幅センサー93からの幅に関する情報を基に、第1ジャム発生時に搬送ベルト27の表面においてインク等の液体が付着する幅方向Yの領域を特定してもよい。幅方向Yのインク付着領域が特定されることで、払拭部67が拭き取るべきインク量を推定できる。このため、制御部15は、印刷デューティ値に加え、媒体幅センサー93が検出した媒体17の幅情報から特定されるインクが付着すると推定される幅領域の情報に基づいて、ウェブ66の送り回数、すなわち所定回数M1を決定してもよい。なお、媒体幅センサー93からの幅に関する情報に替え、印刷条件情報に含まれる媒体サイズの情報から特定される幅領域を基に、ウェブ66の送り回数、すなわち所定回数M1を決定してもよい。
【0091】
<作用>
次に、液体吐出装置11の作用について説明する。図14を参照して、液体吐出装置11において搬送ベルト27を清掃するクリーニング動作を中心に説明する。
【0092】
以下、制御部15内のコンピューター100が、図14にフローチャートで示されるクリーニング制御ルーチンのプログラムPRを実行することで、搬送ベルト機構30及びクリーニング機構60を駆動制御する。以下、コンピューター100が実行するクリーニング制御について説明する。
【0093】
まずステップS11において、コンピューター100は、印刷領域でジャムを検知したか否かを判定する。第1検知部41が媒体17を検知してから所定の搬送量の搬送動作を行ったにも関わらず、媒体17が第2検知部42に検知されない場合、制御部15は、媒体17が搬送ベルト27の搬送面40上、つまり印刷領域で詰まるジャムである第1ジャムが発生したと認識する。印刷領域でジャムを検知すればステップS12に進み、印刷領域でジャムを検知しなければ当該ルーチンを終了する。
【0094】
次のステップS12において、コンピューター100は、印刷デューティ値を取得する。コンピューター100は、印刷データPD中の画像データに基づいて印刷デューティ値を算出する。印刷デューティ値は、第1ジャム発生時に搬送ベルト27に向かって誤吐出されたインク量に比例する値である。つまり、印刷デューティ値は、クリーニング対象である搬送ベルト27に付着したインク量の推定に用いられる。
【0095】
ステップS13において、コンピューター100は、ウェブ送り回数を所定回数M1に決定する。詳しくは、コンピューター100は、印刷デューティ値を基に第1参照データRD1を参照することで、印刷デューティに応じた所定回数M1を決定する。図9に示すように、例えば、印刷デューティ値が31~60%の範囲内の値であれば、ウェブ送り回数を「6回」と決定する。
【0096】
次のステップS14において、コンピューター100は、温度・湿度を取得する。すなわち、コンピューター100は、温度センサー94及び湿度センサー95から入力した検出信号に基づき温度・湿度に関する情報を取得する。この情報は、装置本体12の内部又は装置本体12の周辺の温度・湿度を表す。温度・湿度は、搬送ベルト27に付着したインクの粘度に影響する。
【0097】
ステップS15において、コンピューター100は、温度・湿度に応じた所定回数M2に補正する。詳しくは、コンピューター100は、温度・湿度の組合せを基に、図10に示す第2参照データRD2を参照して温度・湿度の組合せに対応するウェブ送り補正回数を取得する。さらに、コンピューター100は、先に決定した所定回数M1を、ウェブ送り補正回数で補正することで、所定回数M2を決定する。図10に示すように、取得された温度・湿度が、例えば、「高温高湿」又は「低温低湿」の範囲内にあれば、ウェブ送り補正回数が「追加2回」であるので、所定回数M1に「2」を加算して所定回数M2(=M1+2)に補正する。また、取得された温度・湿度が、例えば、「高温低湿」の範囲内にあれば、ウェブ送り補正回数が「追加4回」であるので、所定回数M1に「4」を加算して所定回数M2(=M1+4)に補正する。なお、取得された温度・湿度が、常温を含む低温高湿の組合せの範囲である場合、所定回数M1は補正されない(M2=M1)。
【0098】
ステップS16において、コンピューター100は、累積枚数を取得する。コンピューター100は、印刷した媒体17の累積枚数TMを第2カウンター102に計数させており、その累積枚数TMの情報を記憶部107に記憶している。コンピューター100は、第2カウンター102の計数値又は記憶部107から累積枚数TMの情報を取得する。
【0099】
ステップS17において、コンピューター100は、累積枚数に応じた所定回数M3に補正する。詳しくは、コンピューター100は、累積枚数TMを基に図11に示す第3参照データRD3を参照することで、累積枚数TMに応じた補正係数Aを取得する。さらに、コンピューター100は、所定回数M2に補正係数Aを乗算することで、所定回数M3を決定する。こうして、クリーニング時のウェブ送り回数として所定回数M3が決定される。コンピューター100は、次のステップS18~S26の処理で、ウェブ送り回数M3の条件でクリーニング動作を行う。
【0100】
ステップS18において、コンピューター100は、ウェブ送り回数Nを計数する第3カウンター103をリセットする(N=0)。
次のステップS19において、コンピューター100は、クリーニング機構60を搬送ベルト27に当接させる。すなわち、コンピューター100は、カムモーター69を駆動させてカム部材70を図4に示す第1回動姿勢から図5に示す第2回動姿勢まで回動させることで、クリーニング機構60を、回動軸61を中心に、図2図4に示す退避位置RPから、図5に示す清掃位置CPへ移動させる。この清掃位置CPにおいて払拭部67が搬送ベルト27に当接する。このとき、クリーニング機構60を付勢するばね68の弾性力により払拭部67は搬送ベルト27の表面に所定の接触圧で当接する。また、払拭部67は、搬送ベルト27に対して受け部46と対向する部分に当接するので、搬送ベルト27の撓みに起因する接触圧の低下が抑制される。
【0101】
ステップS20において、コンピューター100は、ウェブ送り回数Nが、所定回数M3未満であるか否かを判定する(N<M3)。N<M3であればステップS21に進み、N<M3でなければ(つまりN≧M3であれば)ステップS24に進む。
【0102】
ステップS21において、コンピューター100は、第1クリーニング動作を行う。つまり、コンピューター100は、低速クリーニングを行う。詳しくは、コンピューター100は、払拭部67が搬送ベルト27に当接する状態の下で、ベルトモーター97を低速駆動させることで搬送ベルト27を第1速度V1で低速回転させる(図12参照)。コンピューター100は、搬送ベルト27を予め決められた所定回転量だけ回転させることをもって1回の第1クリーニング動作とする。ここで、1回のクリーニング動作は、搬送ベルト27の1回転未満の回転によるものでもよいし、搬送ベルト27の1回転以上の回転によるものでもよい。本例では、1回のクリーニング動作は、搬送ベルト27の1回転以上の回転による。コンピューター100は、1回のクリーニング動作の間に搬送ベルト27を、例えば、複数回回転させてもよい。コンピューター100は、搬送ベルト27を、例えば、1~5周の範囲内の所定回転量で低速回転させることにより、1回の低速クリーニング動作を行う。
【0103】
ステップS22において、コンピューター100は、ウェブ間欠送り(間欠駆動)を行う。すなわち、1回分の第1クリーニング動作が終わると、コンピューター100は、駆動部64を所定駆動量だけ間欠駆動させる。本例において、ウェブ間欠送り時の所定送り量は、払拭部67のウェブ66が新しい面に変更される分の駆動量である。所定送り量は、例えば、0.5~5mmの範囲内の所定値(例えば1mm)である。
【0104】
ステップS23において、コンピューター100は、ウェブ送り回数Nをインクリメントする(N=N+1)。すなわち、コンピューター100は、第3カウンター103の計数値に「1」を加算する。その後、コンピューター100は、ステップS20の処理に戻る。
【0105】
こうして、ステップS20においてウェブ送り回数Nが所定回数M3に達する(否定判定)まで、ステップS21~ステップS23の処理が繰り返し実行されることで、低速クリーニングである第1クリーニング動作が所定回数M3行われる。1回終わる度にウェブ間欠送りが行われるが、このとき、搬送ベルト27は低速回転を継続する。つまり、ウェブ間欠送りは、搬送ベルト27の回転を停止させることなく低速回転を継続する状態の下で行われる。なお、第1クリーニング動作は1回であってもよい。また、ウェブ間欠送りの際に、搬送ベルト27の回転を一時的に停止させてもよい。
【0106】
そして、ステップS20において、ウェブ送り回数が所定回数M3に達すると、ステップS24において、コンピューター100は、第2クリーニング動作を行う。つまり、コンピューター100は、高速クリーニングを行う。詳しくは、コンピューター100は、払拭部67が当接する状態の下で、ベルトモーター97を高速駆動させることで、搬送ベルト27を第2速度V2で高速回転させる(図13参照)。コンピューター100は、搬送ベルト27を予め決められた所定回転量だけ回転させることをもって1回の第2クリーニング動作とする。ここで、1回の第2クリーニング動作は、搬送ベルト27の1回転以上の運転によるものであるが、搬送ベルト27の1回転未満の運転によるものでもよい。コンピューター100は、1回の第2クリーニング動作の間に搬送ベルト27を、例えば、複数回回転させる。コンピューター100は、搬送ベルト27を例えば1~5周の範囲内の所定回転量で回転する間、高速クリーニングである第2クリーニング動作を行う。第2クリーニング動作は仕上げクリーニングに相当する。仕上げクリーニングを高速で行うことで、クリーニング所要時間が短く済む。なお、高速クリーニング時における搬送ベルト27の所定回転量は、低速クリーニング時における搬送ベルト27の所定回転量に対して同じでもよいし多くてもよい。
【0107】
ステップS25において、コンピューター100は、クリーニング機構60を搬送ベルト27から離間させる。すなわち、コンピューター100は、カムモーター69を駆動させてカム部材70を図5に示す第2回動姿勢から図4に示す第1回動姿勢へ回動させる。この結果、カム部材70の係合面70Aが被係合面部71を押すことによって、クリーニング機構60は、図5に示す清掃位置CPから図4に示す退避位置RPへ退避する。この退避動作によって、払拭部67は搬送ベルト27から離間する。
【0108】
ステップS26において、コンピューター100は、ガイドモーター98を駆動させることで、ガイドローラー45及び除電ブラシ55を搬送ベルト27に当接させる。こうして、クリーニングが終わると、ガイドローラー45及び除電ブラシ55が搬送ベルト27に当接する印刷可能な状態に準備される。
【0109】
上記のクリーニング制御によって制御部15が液体吐出装置11を制御する制御方法について説明する。前述のとおり、液体吐出装置11は、吐出部19、搬送ベルト27、ウェブ66及び駆動部64とを備える。この液体吐出装置11の制御方法は、搬送ベルト27と当接するウェブ66の払拭面67Aを変更する第1工程を含む。搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング期間内において、第1工程を所定回数行う。なお、図14において、ステップS22におけるウェブ間欠送りの処理工程が、第1工程の一例に相当する。
【0110】
次に、クリーニング機構60が搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング動作について説明する。クリーニング動作は、図12に示す第1クリーニング動作及び図13に示す第2クリーニング動作が含まれる。ウェブ送り回数である所定回数M3が決まると、制御部15によって搬送ベルト27及びクリーニング機構60等が制御されることにより、クリーニング動作が開始される。
【0111】
まず、図12に示す低速クリーニングである第1クリーニング動作が行われる。まず、ガイドローラー45及び除電ブラシ55が搬送ベルト27から離間する(図12の左上図)。次に、クリーニング機構60の払拭部67が搬送ベルト27に当接する(図12の右上図)。そして、この状態で、搬送ベルト27が低速回転することで、搬送ベルト27の表面に付着したインクが払拭部67によって低速で拭き取られる(図12の右下図)。例えば、ジャム発生直後は、搬送ベルト27の表面には、吐出部19から吐出された多くの量のインクが付着している。最初に搬送ベルト27の表面に付着したインクは、低速で拭き取られる。このため、インクは払拭部67のウェブ66に吸収されつつ効率よく拭き取られる。つまり、低速で拭き取ることでインクがウェブ66に効率よく吸収される。
【0112】
1回の第1クリーニング動作(低速クリーニング)が終了する度に、ウェブ66が所定送り量だけ(例えば1mm)間欠送りされる(図12の左下図)。この結果、払拭部67のウェブ66が新しい面に変更される。
【0113】
また、インク量が多い場合、1回の低速クリーニング動作で十分に拭き取り切れない場合がある。例えば、印刷デューティ値が大きい場合は、吐出部19から吐出されるインク量が多いので、第1ジャム発生時に搬送ベルト27の表面に付着するインク量が多くなる。この場合、払拭部67のウェブ66が新しい面であっても、1回の低速クリーニング動作ではインクを吸収し切れない。そのため、印刷デューティ値に応じて低速クリーニング動作の回数である所定回数が大きな値に設定される。
【0114】
印刷デューティ値が大きく搬送ベルト27に付着するインク量が多い場合、低速クリーニング動作が複数回行われる。1回の低速クリーニング動作と、この動作終了の度に行われる1回のウェブ間欠送り動作とで、1サイクルとされる(図12)。そして、この1サイクルを所定回数M3の回数だけ行われる。この結果、搬送ベルト27に付着したインク量が多い場合でも、搬送ベルト27の表面からインクを十分拭き取った後、仕上げに相当する次の第2クリーニング動作に移行できる。
【0115】
そして、次の仕上げクリーニングである第2クリーニング動作は、高速クリーニングで行う。第2クリーニング動作は、搬送ベルト27の表面に薄く残ったインクを拭き取る仕上げクリーニングである。第2クリーニング動作は、インクの吸収よりも搬送ベルト27の表面を擦ってきれいに拭き取るクリーニングである。このため、所定の時間内で搬送ベルト27の表面を擦る面積を多くするために、第2クリーニング動作は高速クリーニングで行われる。また、高速クリーニングであるので、第1クリーニング動作と同じ速度で第2クリーニング動作を行う構成に比べ、クリーニングに要する総所要時間の短縮に寄与する。
【0116】
図13に示すように、第2クリーニング動作は、搬送ベルト27が第2速度V2で高速回転されることで、払拭部67によって搬送ベルト27の表面が高速でクリーニングされる(図13の左上図)。第2クリーニング動作は1回で終わる。次に、クリーニング機構60が清掃位置CPから退避位置RPへ回動することで、払拭部67が搬送ベルト27から離間する(図13の右上図)。その後、次の印刷準備のため、ガイドローラー45及び除電ブラシ55が搬送ベルト27に当接する作動位置に配置される(図13の右下図)。
【0117】
また、インクの粘度に応じてクリーニング動作の内容を変更してもよい。制御部15は、温度センサー94及び湿度センサー95が検出した温度・湿度の情報に基づいてインクの粘度を予測できる。インクの粘度は高温であるほど小さくなる。また、インクの粘度は高湿度であるほど小さくなる。換言すれば、インクの粘度は低温であるほど大きくなる。また、インクの粘度は低湿度であるほど大きくなる。
【0118】
高粘度のインクは拭き取りにくい。これは、高粘度のインクは低粘度のインクに比べウェブ66に吸収されにくいからである。低粘度のインクは払拭部67に吸収されることで拭き取ることができる。しかし、高粘度のインクは払拭部67のウェブ66に吸収されにくいため、払拭部67で繰り返し拭き取る必要がある。そして、高粘度のインクを拭き取るためには、払拭部67が搬送ベルト27の表面を擦る面積を多くするとよい。
【0119】
高温低湿時などインクが高粘度である場合、払拭部67で搬送ベルト27の表面を擦る面積を増やすために、低温高湿時などのインクが低粘度である場合に比べ、第1クリーニング動作1回当たりの搬送ベルト27の回転量を多くしてもよい。この場合、ウェブ66へのインク吸収性能は低粘度インクに比べさほど重要ではないので、搬送ベルト27の回転速度も低粘度インク時よりも高速にしてもよい。これにより、第1クリーニング動作で払拭部67が搬送ベルト27の表面を擦る面積(回数)を多くすることで、高粘度インクの拭き取り性能を高めることができる。このように、制御部15は、温度センサー94及び湿度センサー95から得た温湿度の情報に基づいて、第1クリーニング動作のクリーニング速度を変更してもよい。
【0120】
よって、この実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液体吐出装置11は、媒体17を搬送する搬送ベルト27と、搬送ベルト27により搬送される媒体17に液体を吐出する吐出部19と、搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング機構60と、クリーニング機構60を制御する制御部15と、を備える。クリーニング機構60は、搬送ベルト27と当接し、搬送ベルト27上の液体を払拭するウェブ66と、搬送ベルト27が当接するウェブ66の払拭面67Aを変更させる駆動部64と、を備える。制御部15は、搬送ベルト27と当接するウェブ66の払拭面67Aを変更する第1動作を、搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング期間内に所定回数行う。この構成によれば、クリーニング期間内に第1動作を所定回数行う。すなわち、ウェブ66を間欠駆動させる。これにより、常に新しいウェブ接触面をベルト表面に対して送り出す従来技術の構成に比較して、ウェブ66の寿命を延ばすことができる。
【0121】
(2)制御部15は、吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報を取得する。制御部15は、情報に基づいて、所定回数を決定する。制御部15は、液体の量が第1の量である場合、所定回数を第1の回数m1とする。制御部15は、液体の量が第1の量よりも少ない第2の量である場合、所定回数を第1の回数m1よりも少ない第2の回数m2とする。この構成によれば、搬送ベルト27に付着した液体の量に応じて、第1動作を行う回数を変更する。例えば、搬送ベルト27に付着した液体の量が少ないときには第1動作の回数を減らす。これにより、クリーニング効果を達成しつつ、ウェブ66の寿命を延ばすことができる。
【0122】
(3)制御部15は、装置本体12内の湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報を取得する。制御部15は、情報に基づいて、所定回数を決定する。インクの粘性が高温低湿で上昇することが原因で拭き取り性が低下する。この構成によれば、温湿度によって変更するので、適切に搬送ベルト27をクリーニングすることができる。
【0123】
(4)制御部15は、搬送ベルト27が搬送した媒体17の累積枚数に関する情報を取得する。制御部15は、情報に基づいて、所定回数を決定する。制御部15は、媒体17の累積枚数が第1の枚数TM1である場合における所定回数は、媒体17の累積枚数が第1の枚数TM1よりも少ない第2の枚数TM2である場合における所定回数より多い。この構成によれば、媒体17の枚数が多くなると搬送ベルト27が劣化する。この場合であっても、所定回数を増加させることで、適切に搬送ベルト27をクリーニングすることができる。
【0124】
(5)制御部15は、クリーニング開始時から所定時間まで第1速度V1で搬送ベルト27を回転させ、所定時間後に第1速度V1よりも速い第2速度V2で搬送ベルト27を回転させる。この構成によれば、クリーニング期間の初期時は搬送ベルト27を低速で回転させることにより、搬送ベルト27がウェブ66と当接する時間が長くなるため、搬送ベルト27上のインクがウェブ66に払拭(吸収)されやすい。結果として、クリーニングで必要な所定回数を減らすことができる。
【0125】
(6)ウェブ66は、無端状のウェブ66である。この構成によれば、無端状のウェブ66の場合特に長寿命化が要求されるが、本構成であれば長寿命化させることができる。
(7)クリーニング機構60は、ワイパー87を備える。ワイパー87は、搬送ベルト27が回転する回転方向BDにおいてウェブ66の上流に設けられ、搬送ベルト27と当接し、搬送ベルト27上の液体を掻き取る。この構成によれば、ワイパー87をさらに備えるので、より適切にクリーニングすることができる。
【0126】
(8)クリーニング機構60は、駆動部64からの動力を伝達する歯車72~75を備える。ウェブ66は、歯車72~75を介して駆動部64からの動力を受けて送られることにより、払拭面67Aが変更される構成である。ウェブ66が送られる送り方向WDは、ウェブ66が当接する状態で回転する搬送ベルト27から摩擦力を受ける方向に一致する。
【0127】
ウェブ66が送られる方向が搬送ベルト27が回転する方向に逆らう場合、ウェブ66の送り動作が開始されるまでに歯車72~75のバックラッシが詰まるまでの駆動量が必要となる。このため、間欠駆動時のウェブ66の送り量が安定しない場合がある。本構成によれば、ウェブ66の間欠駆動時はバックラッシが詰まった状態に維持されるので、ウェブ66の送り量が安定する。例えば、ウェブ66の送り量が仮に新しい払拭面67Aに変更されるために必要な最小限に近い値に抑えられても、ウェブ66の払拭面67Aをほぼ確実に新しい面に変更することができる。よって、限られた長さのウェブ66をクリーニングに効率よく使用できるので、クリーニング機構60の長寿命化に寄与できる。
【0128】
(9)クリーニング機構60は、駆動部64の回転量を検出する検出部83を備える。検出部83は、駆動部64の回転軸76Aと一体回転する円盤84Aの周方向に間隔を空けて設けられる複数の被検知部84Bと、複数の被検知部84Bを順番に検知するセンサー85とを備える。ウェブ66を間欠駆動させる本構成の場合、ウェブ66の送り量、すなわち駆動部64の回転量が微小である。そのため、検出部の構成によっては、必要な精度での回転量の検出が難しい場合がある。これに対して、検出部83は、複数の被検知部84Bを備えるので、駆動部64の微小な回転量も検出することができる。
【0129】
(10)搬送ベルト27、吐出部19、ウェブ66及び駆動部64を備える液体吐出装置11の制御方法は、搬送ベルト27と当接するウェブ66の払拭面67Aを変更する第1工程を含む。搬送ベルト27をクリーニングするクリーニング期間内において、第1工程を所定回数行う。この方法によれば、常に新しいウェブ接触面をベルト表面に対して送り出す従来技術の構成に比較して、ウェブ66の寿命を延ばすことができる。
【0130】
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
【0131】
ステップS21における第1クリーニング動作において、少なくとも1回目は、所定回数目(M3回目)の低速クリーニング動作(以下、「第2低速クリーニング」ともいう。)よりも更に低速な低速クリーニング動作(以下、「第1低速クリーニング動作」ともいう。)を行ってもよい。例えば、コンピューター100は、ウェブ送り回数Nが回数閾値K未満であるか否かを判定する。ここで、回数閾値Kは、第1低速クリーニング動作を行う回数の閾値である。回数閾値Kは、1≦K<M3を満たす自然数である。N<KであればステップS21において、第1低速クリーニング動作を行う。N<Kでなければ(つまりN≧Kであれば)、第2低速クリーニングを行う。ここで、回数閾値Kは、一定値でもよいし、第1ジャム発生時に搬送ベルト27上に誤吐出されたインク量に応じて設定されてもよい。例えば、回数閾値Kは、第1ジャム発生時の印刷デューティ値に応じて決定されてもよい。印刷デューティ値が大きいほど、回数閾値Kが大きな値に決定される。換言すれば、印刷デューティ値が第1の印刷デューティ値であるときの回数閾値Kを第1の回数閾値K1とする。印刷デューティ値が第1の印刷デューティ値よりも大きな第2の印刷デューティ値のときの回数閾値Kである第2の回数閾値K2は、第1の回数閾値K1よりも大きな値に決定される。この変更例では、第1低速クリーニング動作が実施される所定時間(総実施時間)を、ウェブ送り回数の回数閾値Kで管理する。すなわち、第1低速クリーニング動作の1回当たりの実施時間に回数閾値Kを乗算した時間が、所定時間に相当する。クリーニング開始から所定時間が経過すると、第2低速クリーニング動作に移行する。この変更例においては、第1クリーニング動作の実施期間の中でも、クリーニング開始時から所定時間まで第1速度V1で搬送ベルト27を回転させ、所定時間後に第1速度V1よりも速い第2速度V2で搬送ベルト27を回転させる制御が行われる。
【0132】
・制御部15は、クリーニング中において、払拭部67を搬送ベルト27に当接させた清掃位置CPにある状態のまま、ウェブ66を間欠送りしたが、これに限定されない。例えば、クリーニング中において、1回の第1クリーニング動作が終了すると、払拭部67を搬送ベルト27から離間させた退避位置RPに切り替え、この退避位置RPにある状態で、ウェブ66を間欠送りしてもよい。すなわち、クリーニング中に第1クリーニング動作が終了すると、払拭部67を搬送ベルト27から離した状態とし、この退避状態でウェブ66の間欠送りを行ってもよい。この場合、次のクリーニング方法を行ってもよい。制御部15は、ウェブ66を搬送ベルト27に当接する当接状態から搬送ベルト27から離間する離間状態に切り替える動作を所定回数行う離間工程と、ウェブ66を離間状態から当接状態に切り換える動作を所定回数行う当接工程とを含んでもよい。そして、クリーニング期間内において、離間工程、第1工程、当接工程の順で行う一連の工程を所定回数行ってもよい。この液体吐出装置11の制御方法によれば、ウェブ66を搬送ベルト27に当接した状態でウェブ66を間欠駆動すると駆動部64に負荷が生じる可能である。ウェブ66が搬送ベルト27から離間した状態で、搬送ベルト27と当接するウェブ66の払拭面67Aを変更する第1動作を行う。このため、ウェブ66が搬送ベルト27に接触した状態で第1動作を行う場合と比較して、ウェブ66の送り動作が搬送ベルト27の回転負荷の影響を受けることを抑制できる。例えば、ウェブ66が搬送ベルト27の回転負荷の影響を受けにくくなれば、ウェブ66の送り量の精度を向上できる。
【0133】
・吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報に基づく所定回数の決定は、予め決められた所定回数の初期値に対して、吐出部19から媒体17に向けて吐出される液体の量に関する情報に応じた補正係数を乗算するものでもよい。
【0134】
・湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報に基づく所定回数の補正は、テーブルデータ等の第2参照データRD2を参照して行う構成に限定されず、所定回数に対して湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報に応じた補正係数を乗算するものでもよい。
【0135】
・温湿度に関する情報は、装置本体12内の温湿度センサーから取得してもよいし、装置の外部の温湿度センサーから取得してもよい。ここで、温湿度センサーとは、温度センサーと湿度センサーとにより構成されてもよいし、温度センサーと湿度センサーとが1つのセンサーユニットとして構成されるものでもよい。
【0136】
・高温低湿の場合には、搬送ベルト27の回転速度を高速にしたり、回転回数を増やしたりすることで、ウェブ66で擦る回数を増やしてもよい。すなわち、高温低湿の場合は、インク等の液体の粘度が高くなり易い。例えば、高粘度のインクはウェブ66に吸収させるよりは擦る方が効果的に取り除くことができる。このウェブ66の擦る効果を高めるため、高温低湿の場合に、搬送ベルト27の回転速度を高速にしたり、回転回数を増やしたりする。
【0137】
・インクの粘性が高い場合は、ウェブ66の新しい払拭面67Aを出す回数を増やすよりも、搬送ベルト27の回転量を増やすことで、ウェブ66が搬送ベルト27を擦る量を増やしてもよい。粘性が高いインクは搬送ベルト27に固着し易いので、1回の払拭(例えば、ベルト1回転)ではインクの汚れを取り除きにくい。そのため、インクの汚れを擦る回数(例えば、ベルト回転回数)を増やしてもよい。1つの払拭面当たりの搬送ベルト27の回転量を多くすることで、1つの払拭面当たりの搬送ベルト27を擦る量を増やしてもよい。一方、インクの粘度が高い場合、粘度が低い場合に比べ、1回の清掃でウェブ66の新しい払拭面67Aを出す回数を増やしてもよい。
【0138】
・制御部15は、装置本体12内の湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報を取得すれば足りる。詳しくは、制御部15は、装置本体12内の湿度及び温度の両方に関する情報を取得する構成に限定されず、湿度のみに関する情報を取得してもよいし、温度のみに関する情報を取得してもよい。装置本体12内の湿度及び温度に限らず、装置本体12内の周辺の湿度及び温度の少なくとも1つに関する情報を取得してもよい。装置本体12内と装置本体12の外側周辺との間で湿度及び温度の差が許容範囲内であれば、温度センサー94及び湿度センサー95の配設位置は、装置本体12内でもよいし、装置本体12の外側周辺でもよい。
【0139】
・累積枚数TMに関する情報に応じた所定回数の補正に用いる補正係数Aは、図11に示す累積枚数TMに比例する直線状のグラフ線に限らず、階段状のグラフ線や曲線状のグラフ線に基づくテーブルデータ等を参照して取得されてもよい。また、補正係数Aは、演算部108が所定の計算式に基づく計算を行って取得されてもよい。
【0140】
・所定回数M1は、印刷デューティ値を用いた所定の計算式に基づく計算を行って取得されてもよい。また、所定回数M1は、温度と湿度の各値を用いた所定の計算式に基づく計算を行って取得されてもよい。
【0141】
・ウェブ66は無端状であることに限定されない。例えば、一端が第1ローラーに巻回され、他端が第2ローラーに巻回される構成でもよい。この場合、第1ローラーから繰り出されたウェブ66が第2ローラーに巻き取られる構成であってもよい。
【0142】
・制御部15は、クリーニング期間内に、一定の速度で搬送ベルト27を回転させてもよい。また、制御部15は、クリーニング期間内に、多段階に、あるいは時間に比例して速度を上げて、搬送ベルト27を回転させてもよい。
【0143】
・特許文献1は、印刷デューティ値に関わらず一定量のウェブ66がクリーニングに使われるので無駄がある。一方、本実施形態は、印刷デューティ値に応じてウェブ66の払拭面67Aが変えられる量(ウェブ送り回数)が変更されるので、ウェブ66が無駄になることを抑制できる。例えば、印刷デューティ値に関わらずウェブ66を一定の送り量で送ると、高い印刷デューティ値の際に拭き取るべきインク量の多い場合でも、必要な清掃品質が確保されるようにインク量が多い場合を基準にして多めのウェブ送り量を設定する必要がある。この場合、低い印刷デューティ値の際に拭き取りインク量の少ないときに、ウェブが無駄になる。
【0144】
・クリーニング機構60は、ワイパー87を備えない構成であってもよい。
・検出部83は、ロータリーエンコーダーでもよい。すなわち、ロータリーエンコーダーにより回転軸76Aの回転を検出してもよい。
【0145】
・1つの払拭面67Aに対して搬送ベルト27を複数回回転させてもよい。この場合、従来技術と比較して、ウェブ66の長寿命化、ひいてはクリーニング機構60の長寿命化を実現できる。
【0146】
・媒体17は、用紙等に限定されず、布や不織布などの布帛又はボード紙、合成樹脂製のフィルムや、ラミネート媒体などでもよい。
・液体吐出装置11は、用紙に印刷するインクジェット式の印刷装置(プリンター)に限定されず、捺染装置でもよい。搬送ベルトは、表面に粘着層を有するものでもよい。
【0147】
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
(A)液体吐出装置は、媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング機構と、前記クリーニング機構を制御する制御部と、を備え、前記クリーニング機構は、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備え、前記制御部は、前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1動作を、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内に所定回数行う。
【0148】
この構成によれば、クリーニング期間内に当該第1動作を所定回数行う。すなわち、ウェブを間欠駆動させる。これにより、常に新しいウェブ接触面をベルト表面に対して送り出す従来技術の構成に比較して、ウェブの寿命を延ばすことができる。
【0149】
(B)上記(A)に記載の液体吐出装置において、前記制御部は、前記吐出部から前記媒体に向けて吐出される液体の量に関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記所定回数を決定し、前記液体の量が第1の量である場合、前記所定回数を第1の回数とし、前記液体の量が前記第1の量よりも少ない第2の量である場合、前記所定回数を前記第1の回数よりも少ない第2の回数としてもよい。
【0150】
この構成によれば、搬送ベルト27に付着した液体の量に応じて、第1動作を行う回数を変更する。例えば、搬送ベルトに付着した液体の量が少ないときには第1動作の回数を減らす。これにより、クリーニング効果を達成しつつ、ウェブ66の寿命を延ばすことができる。
【0151】
(C)上記(A)又は(B)に記載の液体吐出装置において、前記制御部は、装置本体内の湿度及び温度の少なくとも一つに関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記所定回数を決定してもよい。
【0152】
インクの粘性が高温低湿で上昇することが原因で拭き取り性が低下する。この構成によれば、温湿度によって変更するので、適切にベルトをクリーニングすることができる。
(D)上記(A)~(C)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記制御部は、前記搬送ベルトが搬送した媒体の累積枚数に関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記所定回数を決定し、前記媒体の累積枚数が第1の枚数である場合における前記所定回数は、前記媒体の累積枚数が前記第1の枚数よりも少ない第2の枚数である場合における前記所定回数より多くてもよい。
【0153】
この構成によれば、媒体の枚数が多くなると搬送ベルトが劣化する。この場合であっても、所定回数を増加させることで、適切にベルトをクリーニングすることができる。
(E)上記(A)~(D)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記制御部は、クリーニング開始時から所定時間まで第1速度で前記搬送ベルトを回転させ、前記所定時間後に前記第1速度よりも速い第2速度で前記搬送ベルトを回転させてもよい。
【0154】
この構成によれば、クリーニング期間の初期時は搬送ベルトを低速で回転させることにより、搬送ベルトがウェブと当接する時間が長くなるため、搬送ベルト上のインクがウェブに払拭(吸収)されやすい。結果として、クリーニングで必要な所定回数を減らすことができる。
【0155】
(F)上記(A)~(E)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記ウェブは、無端状のウェブであってもよい。
この構成によれば、無端状のウェブの場合、特に長寿命化が要求されるが、本構成であれば長寿命化させることができる。
【0156】
(G)上記(A)~(F)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記クリーニング機構は、前記搬送ベルトが回転する回転方向において前記ウェブの上流に設けられ、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を掻き取るワイパーを備えてもよい。
【0157】
この構成によれば、ワイパーをさらに備えるので、より適切にクリーニングすることができる。
(H)上記(A)~(G)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記クリーニング機構は、前記駆動部からの動力を伝達する歯車を備え、前記ウェブは、前記歯車を介して前記駆動部からの動力を受けて送られることにより、前記払拭面が変更される構成であり、前記ウェブが送られる方向は、前記ウェブが当接する状態で回転する前記搬送ベルトから前記ウェブが摩擦力を受ける方向に一致してもよい。
【0158】
ウェブが送られる方向が前記搬送ベルトが回転する方向に逆らう場合、ウェブの送り動作が開始されるまでに歯車のバックラッシが詰まるまでの駆動量が必要となる。このため、間欠駆動時のウェブの送り量が安定しない場合がある。本構成によれば、ウェブの間欠駆動時はバックラッシが詰まった状態に維持されるので、ウェブの送り量が安定する。
【0159】
(I)上記(A)~(H)のいずれか一つに記載の液体吐出装置において、前記クリーニング機構は、前記駆動部の回転量を検出する検出部を備え、前記検出部は、前記駆動部の回転軸と一体回転する円盤の周方向に間隔を空けて設けられる複数の被検知部と、前記複数の被検知部を順番に検知するセンサーとを備えてもよい。
【0160】
この構成によれば、ウェブを間欠駆動させる構成の場合、ウェブの送り量すなわち駆動部の回転量が微小であるため、検出部の構成によっては、必要な精度での回転量の検出が難しい場合がある。本構成によれば、検出部が複数の被検知部を備えるので、駆動部の微小な回転量も検出することができる。
【0161】
(J)媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される媒体に液体を吐出する吐出部と、前記搬送ベルトと当接し、前記搬送ベルト上の液体を払拭するウェブと、前記搬送ベルトが当接する前記ウェブの払拭面を変更させる駆動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記搬送ベルトと当接する前記ウェブの払拭面を変更する第1工程を含み、前記搬送ベルトをクリーニングするクリーニング期間内において、前記第1工程を所定回数行う。
【0162】
この方法によれば、常に新しいウェブ接触面をベルト表面に対して送り出す従来技術の構成に比較して、ウェブの寿命を延ばすことができる。
【符号の説明】
【0163】
11…液体吐出装置、12…装置本体、13…スタッカー、14…印刷部、15…制御部、16…搬送装置、17…媒体、19…吐出部、19A…ノズル面、20…ノズル、21…媒体載置部、22…給送部、23…搬送部、24…搬送ローラー対、26…送りローラー対、27…搬送ベルト、28…ローラー、29…排出ローラー対、30…搬送ベルト機構、31…給送モーター、32…ピックアップローラー、33…給送ローラー、34…分離ローラー、36…搬送経路、37…反転経路、38…フラップ、40…搬送面、41…第1検知部、42…第2検知部、45…ガイドローラー、46…受け部、47…ばね、51…支持フレーム、52…歯車、53…排出ローラー、54…ガイド部材、55…除電ブラシ、56…カム機構、57…ばね、58…回動軸、59…レバー部材、60…クリーニング機構、61…回動軸、62…支持フレーム、62A…フレーム部、63…清掃部、64…駆動部、65…動力伝達機構、65G…歯車機構、66…ウェブ、67…払拭部、67A…払拭面、68…ばね、69…カムモーター、70…カム部材、70A…係合面、71…被係合面部、72…ウォーム歯車、73…歯車、74…歯車、75…歯車、76…駆動ローラー、76A…回転軸、77…第1ガイドローラー、78…第2ガイドローラー、79…ガイドロッド、80…ばね、81…位置センサー、82…押圧ローラー、83…検出部、84…被検出部、84A…円盤、84B…被検知部、84C…挿通孔、85…センサー、85A…発光部、85B…受光部、87…ワイパー、91…操作部、92…表示部、93…媒体幅センサー、94…温度センサー、95…湿度センサー、96…搬送モーター、97…ベルトモーター、98…ガイドモーター、100…コンピューター、101…第1カウンター、102…第2カウンター、103…第3カウンター、104…吐出制御部、105…異常検知部、106…クリーニング制御部、107…記憶部、108…演算部、CP…清掃位置、RP…退避位置、WD…送り方向、TN…累積回数、TM…累積枚数、M1…所定回数、M2…補正後の所定回数、M3…補正後の所定回数、V1…第1速度、V2…第2速度、A…補正係数、N…ウェブ送り回数(ウェブ間欠駆動回数)、m1…第1の回数、m2…第2の回数、TM1…第1の枚数、TM2…第2の枚数、Y…幅方向、Dc…搬送方向、Z…鉛直方向、BD…回転方向、WD…送り方向。
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