(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078944
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240604BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G06F3/041 550
G06F3/045 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191582
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000230722
【氏名又は名称】NKKスイッチズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】山田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 成弥
(72)【発明者】
【氏名】山中 剛
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タッチパネルについてのコストの削減や利便性を向上させること。
【解決手段】抵抗膜式のタッチパネル1において、表示面を有するディスプレイ11と、物体による操作面がディスプレイの表示面に積層される基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123からなる3個の単位タッチパッドが、所定の側面の連結面において連結されて構成されるタッチパッドと、を備える。
【効果】上述の構成により、コストの都合上、直接的には製造されない長さのタッチパッドを、低コストで実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗膜式のタッチパネルにおいて、
表示面を有するディスプレイと、
物体による操作面が前記ディスプレイの前記表示面に積層されるN個(Nは2以上の整数値)の単位タッチパッドが、所定の側面の連結面において連結されて構成されるタッチパッドと、
を備えるタッチパネル。
【請求項2】
前記単位タッチパッドは、
他の単位タッチパッドと電気的に連結するための連結用テールを、
前記連結面とは異なる側面に1以上有する、
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
連結される2つの前記単位タッチパッドの夫々の前記連結用テールを電気的に接続する連結コネクタ
をさらに備える請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記Nの前記単位タッチパッドの夫々は、第1抵抗膜と第2抵抗膜を夫々有しており、
前記Nの前記第1抵抗膜を直列接続し、かつ、前記Nの前記第2抵抗膜を並列接続するように、夫々の前記連結用テールで電気的に接続されている、
請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記Nの前記単位タッチパッドのうち所定の1つは、コントローラと電気的に接続するためのテールを有する、
請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記単位タッチパッドは、
M(Mは1以上の整数値)の前記連結面を有し、
当該Mの前記連結面の夫々に対応して、前記Mの前記連結用テールを有する、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明導電膜(ITO膜)が付されたガラス(以下「ITOガラス」)が存在する。ITOガラスに付された2層のITO膜の接触した位置に応じた抵抗値を読み出すことで、タッチ操作された座標を検出することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなITOガラスを用いたタッチパッドと液晶ディスプレイ(LCD)を組み合わせたタッチパネルが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に流通する製品は、需要に応じて、ラインナップされる寸法やその価格が決定される。
従来の抵抗膜式タッチパネル、即ち例えば、ITOガラスを用いたタッチパネルは、4対3や16対9等のアスペクト比で作成されている。更には、抵抗膜式タッチパネルの大きさは、ITOガラスのサイズや、印刷、加工、検査の制約を受けてしまうことから、縦方向、横方向のサイズの制限があった。特に、安価に調達可能なITOガラスの大きさ(長さ)の上限は、およそ450mm程度であった。
ここで、昨今、デジタルサイネージ(液晶ディスプレイ等を用いた看板)の需要が高まっている。例えば、商品棚の棚板に沿って配置される縦5cm、横100cm前後以上のデジタルサイネージも生産されている。
しかしながら、このようなデジタルサイネージは、液晶ディスプレイや有機EL等のディスプレイにすぎない。このようなデジタルサイネージにおいて、タッチ操作を実現させる要望があった。
しかしながら、上述ようにコスト等がかさむための側面から、このような特殊なアスペクト比のタッチパネルを用いたデジタルサイネージは製品化されてこなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タッチパネルについてのコストの削減や利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るタッチパネルは、
抵抗膜式のタッチパネルにおいて、
表示面を有するディスプレイと、
物体による操作面が前記ディスプレイの前記表示面に積層されるN個(Nは2以上の整数値)の単位タッチパッドが、所定の側面の連結面において連結されて構成されるタッチパッドと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチパネルについてのコストの削減や利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るタッチパネルが採用されたデジタルサイネージシステムの概要を示す図である。
【
図2】
図1に示すデジタルサイネージシステムに備えられたタッチパッドを構成する面とテール部の配置の例を示す図である。
【
図3】
図2に示すタッチパネルを構成する基本タッチパッドの形状の例を示す図である。
【
図4】
図2に示すタッチパネルを構成する中間タッチパッドの形状の例を示す図である。
【
図5】
図2に示すタッチパネルを構成する端部タッチパッドの形状の例を示す図である。
【
図6】
図3乃至
図5に示すタッチパネルにおける、単位タッチパッドにおける抵抗膜の抵抗値の読み出し方法の一例を示す図である。
【
図7】
図3乃至
図5に示すタッチパッドからなる一体のタッチパッドの配線の一例を示す図である。
【
図8】
図3乃至
図5に示すタッチパッドの配線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係るタッチパネルについて、図面を用いて説明する。なお、以下、本発明のタッチパネルは、タッチ操作を受け付ける抵抗膜式のタッチパッドと、表示面を有するディスプレイとからなっているものとして説明する。
換言すれば、本明細書において、「タッチパッド」とは、タッチ操作等を受け付けて、タッチ操作等がなされた座標を取得するためのデバイスをいう。そして、「タッチパネル」とは、所定内容の画像(静止画像及び動画像を含む)を表示するためのディスプレイとタッチパッドとが組み合わせられたものをいう。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルが採用されたデジタルサイネージシステムの概要を示す図である。
図1に示すデジタルサイネージシステムは、タッチパネル1と、制御端末2と、コントロールボード3とを含んで構成されている。
【0011】
タッチパネル1は、タッチ操作等を受け付けることができる表示デバイスである。
制御端末2は、タッチパネル1に対するタッチ操作等に基づいて、タッチパネル1に表示する画像の管理や制御を行う情報処理装置である。
【0012】
まず、タッチパネル1における画像データの表示のための配線の概要について説明する。
タッチパネル1は、ケーブルC1を介して制御端末2と接続されている。ケーブルC1は、制御端末2から出力された画像データを伝送する信号線である。即ち、ケーブルC1は、後述するディスプレイ11に接続されている。
また、図示はしないが、タッチパネル1には、適宜電源ケーブルなどが別途配線される。即ち、タッチパネル1のうち、後述するディスプレイ11の画像表示に必要な電力は、図示せぬ別途配線された電源ケーブルから供給される。なお、後述するディスプレイ11の画像表示に必要な電力は、上述のケーブルC1等を用いて供給されてもよい。
【0013】
次に、タッチパネル1におけるタッチ操作等がなされた座標等の検知のための配線の概要について説明する。
コントロールボード3は、タッチパネル1においてタッチ操作等がなされた座標等を検出するためのデバイスである。
コントロールボード3は、ケーブルC2を介して制御端末2と接続されている。タッチパネル1においてタッチ操作等がなされた座標等は、コントロールボード3において検出され、ケーブルC2を介して制御端末2に出力される。
なお、詳しくは後述するが、タッチパネル1においてタッチ操作等がなされた座標等は、タッチパネル1のうち、タッチパッド121乃至123の抵抗膜を用いて行われる。そのため、コントロールボード3は、後述する連結用テール1212を介してタッチパッド121に接続されている。
【0014】
次に、
図1に示すデジタルサイネージシステムのタッチパネル1の詳細について説明する。
【0015】
タッチパネル1は、ディスプレイ11と、基本タッチパッド121と、中間タッチパッド122と、端部タッチパッド123と、連結コネクタ13とを含んで構成されている。
ディスプレイ11は、液晶ディスプレイや有機EL等からなるデバイスであって、表示面を軸Zの正方向に積層(配置)されている。
【0016】
ディスプレイ11の軸Zの正方向には、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123が配置されている。
基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、夫々、タッチ操作等を受け付けて、タッチ操作等がなされた座標を取得するためのデバイスである。
なお、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、基本的に透明である。そのため、ディスプレイ11の表示面に表示されたが像は基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123を透過し、軸Zの正方向から視認可能となっている。
【0017】
本実施形態の基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、抵抗膜式のタッチパッドである。即ち、詳しくは
図6を用いて後述するが、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、2つの抵抗膜を有しており、タッチ面に対してタッチ操作を受け付けた位置において2つの抵抗膜が接触することで抵抗値が決定されるデバイスである。
なお、以下、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「単位タッチパッド」と呼ぶ。
【0018】
基本タッチパッド121は、タッチ面1211と、連結用テール1212及び1213を有している。基本タッチパッド121のより詳細な構造は、
図3を用いて説明する。
中間タッチパッド122は、タッチ面1221と、連結用テール1222及び1223を有している。中間タッチパッド122のより詳細な構造は、
図4を用いて説明する。
端部タッチパッド123は、タッチ面1231と、連結用テール1232を有している。端部タッチパッド123のより詳細な構造は、
図5を用いて説明する。
【0019】
ここで、
図1に示すように、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、夫々、連結用テールが異なる方向に配置されている。基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123と、これらの単位タッチパッドの夫々の連結用テールの配置については、
図2を用いて説明する。
【0020】
図1に示すように、基本タッチパッド121の連結用テール1212と、中間タッチパッド122の連結用テール1222とが、連結コネクタ13を介して接続されている。
また、
図1に示す例では、中間タッチパッド122の連結用テール1223と、端部タッチパッド123の連結用テール1232とが、連結コネクタ13を介して接続されている。
【0021】
このように、
図1の例の3個の単位タッチパッドは、連結用テールを介して数珠繋ぎに接続される。詳しくは後述するが、複数の単位タッチパッドは、例えば、
図7に示すように配線されることで、1つの従来から用いられるコントロールボード3での座標の読み出しが可能となる。
【0022】
以下、上述のタッチパネル1の配置等についてより詳細に説明する。
図2は、
図1に示すデジタルサイネージシステムに備えられたタッチパッドを構成する面とテール部の配置の例を示す図である。
【0023】
図2において、単位タッチパッドは、拡大して図示されている。即ち、単位タッチパッドは、
図2においては、軸Zの方向の長さ(厚み)のある直方体の形状として図示されている。
まず、以下、
図2を用いて、各単位タッチパッドの各面に対する連結用テールの配置について説明する。
【0024】
図1に示すタッチ面1211は、基本タッチパッド121の面121Aに配置されている。
また、連結用テール1212と、ケーブルC1は、基本タッチパッド121の面121Bに配置されている。
また、連結用テール1213は、基本タッチパッド121の面121Cに配置されている。
このように、連結用テール1212及び1213は、タッチ面1211を有する面121Aを正面としたときの側面にあたる面121B及び121Cに夫々配置されている。
ここで、側面とは、タッチ面の法線に対して垂直方向に法線を有する面である。
【0025】
図1に示すタッチ面1221は、中間タッチパッド122の面121Aに配置されている。
また、連結用テール1222及び1223は、中間タッチパッド122の面122Bに配置されている。
このように、連結用テール1222及び1223は、タッチ面1221を有する面122Aを正面としたときの側面にあたる面122Bに配置されている。
【0026】
図1に示すタッチ面1231は、端部タッチパッド123の面123Aに配置されている。
また、連結用テール1232は、端部タッチパッド123の面123Bに配置されている。
このように、連結用テール1232は、タッチ面1231を有する面123Aを正面としたときの側面にあたる面123Bに配置されている。
【0027】
図2に示すように、各単位タッチパッドの各面に対して連結用テールが配置されている。
図1を用いて説明したように、このように配置された連結用テールが、連結コネクタ13を用いて接続される。
具体的には、
図1に示すように、基本タッチパッド121の連結用テール1212と、中間タッチパッド122の連結用テール1222とが、連結コネクタ13を介して接続されている。
これにより、基本タッチパッド121の面121Cと、中間タッチパッドの面122Bとが接続された仮想的な1枚のタッチパッドとなるように電気的に接続される。
【0028】
また、
図1に示すように、中間タッチパッド122の連結用テール1223と、端部タッチパッド123の連結用テール1232とが、連結コネクタ13を介して接続される。
これにより、中間タッチパッド122の面122Cと、端部タッチパッドの面123Bとが接続された仮想的な1枚のタッチパッドとなるように電気的に接続される。
【0029】
その結果、単位タッチパッドは、他の単位タッチパッドと電気的に連結され、仮想の1枚のタッチパッドとして機能する。即ち、基本タッチパッド121と、中間タッチパッド122と、端部タッチパッド123とが仮想の1枚のタッチパッドとして機能する。
さらに、
図2に示すように、単位タッチパッドが他の単位タッチパッドと仮想的の1枚のタッチパッドとして機能するために接触する面には、連結用テールが配置されていないため、電気的な連結をしつつ、単位タッチパッド同士の隙間を削減して配置が可能となっている。
以上、
図2を用いて、単位タッチパッドを構成する面とテール部の配置の例を説明した。
以下、
図3乃至
図5を用いて、単位タッチパッドのより詳細な構造について説明する。
【0030】
図3は、
図2に示すタッチパネルを構成する基本タッチパッドの形状の例を示す図である。
基本タッチパッド121は、軸Zの正方向に、タッチ面1211を有している。
基本タッチパッド121は、軸Xの負方向に、連結用テール1212を有している。
基本タッチパッド121は、軸Yの正方向に、連結用テール1213を有している。
連結用テール1213は、軸Yの正方向の端部に、連結接点1214を有している。
連結接点1214は、連結コネクタ13と接続するための電気的接点である。
【0031】
図4は、
図2に示すタッチパネルを構成する中間タッチパッドの形状の例を示す図である。
中間タッチパッド122は、軸Zの正方向に、タッチ面1221を有している。
中間タッチパッド122は、軸Yの正方向に、連結用テール1222を有している。
連結用テール1222は、軸Yの正方向の端部に、連結接点1224を有している。
中間タッチパッド122は、軸Yの正方向に、連結用テール1223を有している。
連結用テール1223は、軸Yの正方向の端部に、連結接点1225を有している。
連結接点1224及び1225は、連結コネクタ13と接続するための電気的接点である。
【0032】
図5は、
図2に示すタッチパネルを構成する端部タッチパッドの形状の例を示す図である。
端部タッチパッド123は、軸Zの正方向に、タッチ面1231を有している。
端部タッチパッド123は、軸Yの負方向に、連結用テール1232を有している。
連結用テール1232は、軸Yの正方向の端部に、連結接点1233を有している。
連結接点1233は、連結コネクタ13と接続するための電気的接点である。
【0033】
以上、
図3乃至
図5を用いて、単位タッチパッドのより詳細な構造について説明した。
以下、
図6及び
図7を用いて、単位タッチパッドのより具体的な電気的配線について説明する。
まず、
図6を用いて、抵抗膜式における位置の検出方法について説明する。
【0034】
図6は、
図3乃至
図5に示すタッチパネルにおける、単位タッチパッドにおける抵抗膜の抵抗値の読み出し方法の一例を示す図である。
図6(A)は、抵抗膜式のタッチパッドの配置と、電気的配線の基本的構造を示す図である。
即ち、
図6の例の抵抗膜式のタッチパッドは、抵抗膜TP及び抵抗膜LPの2つの抵抗膜を有している。
【0035】
抵抗膜TPの軸Xの負方向には、電極XLが配置されている。そして、電極XLは電線LXLと接続されている。
また、抵抗膜TPの軸Xの正方向には、電極XRが配置されている。そして、電極XLは電線LXLと接続されている。
換言すると、電線LXL及び電線LXRの夫々は、電極XL及びXRの夫々を介して、抵抗膜TPと接続されている。
【0036】
同様に、抵抗膜TLの軸Yの負方向には、電極YLが配置されている。そして、電極YLは電線LYLと接続されている。
また、抵抗膜TLの軸Yの正方向には、電極YUが配置されている。そして、電極YUは電線LYUと接続されている。
換言すると、電線LYL及び電線LYUの夫々は、電極YL及びYUの夫々を介して、抵抗膜TLと接続されている。
このような単位タッチパッドの電気的配線を前提に、タッチ操作が行われた場合、以下のようにして抵抗値の読み出しが行われて、抵抗値に基づいてタッチ操作がなされた位置が算出される。
【0037】
図6(B)及び
図6(C)は、タッチ操作が行われた場合における、抵抗値の測定の例を示す図である。
タッチ面に対してタッチ操作を受け付けた場合例えば、位置PUにおいて、軸Zの負方向にタッチ操作を受け付けた場合、抵抗膜TPの点PUが、抵抗膜TLの点PLと接触する。即ち、タッチ操作により、抵抗膜TPの点PUと抵抗膜TLの点PLとの間の抵抗値は、導通無し(例えば抵抗値無限大)から、十分低い抵抗値(例えばゼロオーム)に変化される。
【0038】
例えば、
図6(B)の例においては、電線LXL及びLXRの間に電圧VCCが印加される。この時、抵抗値R1乃至R3は、電極XL,XR,YL及びYUと、点PU(点PL)の位置関係に応じた値となる。そして、電線LYL及びLXRの間の電圧は、抵抗値R1乃至R3の抵抗値に応じた値となる。
【0039】
同様に、
図6(C)の例においては、電線LYL及びLYUの間に電圧VCCが印加される。この時、抵抗値R4乃至R6は、電極XL,XR,YL,YUと、点PU(点PL)の位置関係に応じた値となる。そして、電線LXL及びLYLの間の電圧は、抵抗値R4乃至R6の抵抗値に応じた値となる。
【0040】
なお、電圧を印加する電線と、
このように、電極LXL,LXR,LYL及びLYUの2極の間に電圧を印加し、2極の間の電圧を測定する。そして、測定された電圧に基づいて、電極XL,XR,YL及びYUと、点PU(点PL)の位置関係を算出する。このようにして、点PU(点PL)の抵抗膜TP,TL上の点PU(点PL)が算出される。
【0041】
本実施形態の単位タッチパッドが連結されたものは、複数の抵抗膜の組(例えば、抵抗膜TP及びTLの組)を複数連結させた際においても容易に、抵抗膜TP,TL上の点PU(点PL)を算出可能とする電気的配線がなされている。
【0042】
図7は、
図3乃至
図5に示すタッチパッドからなる一体のタッチパッドの配線の一例を示す図である。
また、抵抗膜TPの軸Xの正方向には、電極XRが配置されている。そして、電極XLは電線LXLと接続されている。
換言すると、電線LXL及び電線LXRの夫々は、電極XL及びXRの夫々を介して、抵抗膜TPと接続されている。
【0043】
同様に、抵抗膜TLの軸Yの負方向には、電極YLが配置されている。そして、電極YLは電線LYLと接続されている。
また、抵抗膜TLの軸Yの正方向には、電極YUが配置されている。そして、電極YUは電線LYUと接続されている。
換言すると、電線LYL及び電線LYUの夫々は、電極YL及びYUの夫々を介して、抵抗膜TLと接続されている。
図7に示すように、基本タッチパッド121は、軸Xの負方向に電極121XL、軸Xの正方向に電極121XR、軸Yの負方向に電極121YL、軸Yの正方向に電極121YUを有している。また、電極121XLは電線121LXLに、電極121XRは電線121LXRに、電極121YLは電線121LYLに、電極121YUは電線121LYUに接続されている。
なお、電線L1は、連結用テール1212と連結用テール1213の間で導通しているが、基本タッチパッド121の電極には接続されていない。
【0044】
また、中間タッチパッド122は、軸Xの負方向に電極122XL、軸Xの正方向に電極122XR、軸Yの負方向に電極122YL、軸Yの正方向に電極122YUを有している。また、電極122XLは電線122LXLに、電極122XRは電線122LXRに、電極122YLは電線122LYLに、電極122YUは電線122LYUに接続されている。
なお、電線L2は、連結用テール1222と連結用テール1223の間で導通しているが、中間タッチパッド122の電極には接続されていない。
【0045】
また、端部タッチパッド123は、軸Xの負方向に電極123XL、軸Xの正方向に電極123XR、軸Yの負方向に電極123YL、軸Yの正方向に電極123YUを有している。また、電極123XLは電線123LXLに、電極123XRは電線123LXRに、電極123YLは電線123LYLに、電極123YUは電線123LYUに接続されている。
【0046】
そして、
図7に示すように、電線121LYLと、電線122LYLとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極121YLと、電極122YLとが導通する。
また、電線121LYUと、電線122LYUとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極121YUと、電極122YUとが導通する。
また、電線121LXRと、電線122LXLとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極121XRと、電極122XLとが導通する。
【0047】
同様に、
図7に示すように、電線122LYLと、電線123LYLとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極122YLと、電極123YLとが導通する。
また、電線122LYUと、電線123LYUとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極122YUと、電極123YUとが導通する。
また、電線122LXRと、電線123LXLとが連結コネクタ13を介して接続される。これにより、電極122XRと、電極123XLとが導通する。
【0048】
そして、電線L1,L2及び123XLRが連結コネクタ13を介して接続される。
【0049】
上述をまとめると、軸X方向においては、電極121XR及び122XLが相互に導通する。また、電極122XR及び123XLが相互に導通する。電極121XLは、電線121LXLを介してコントロールボード3に接続される。また、電極123XRは、電線123LYLから電線L1及びL2を介してコントロールボード3に接続される。
これにより、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123の夫々の抵抗膜TPは、電気的に直列接続されて、コントロールボード3に接続される。
【0050】
また、軸Y方向においては、電極121YU、122YU及び123YUが相互に導通する。また、電極121YL、122YL及び123YLが相互に導通する。電極121YU、122YU及び123YUは、電線121LYUを介してコントロールボード3に接続される。また、電極121YL、122YL及び123YLは、電線121LYLを介してコントロールボード3に接続される。
これにより、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123の夫々の抵抗膜TLは、電気的に並列接続されて、コントロールボード3に接続される。
【0051】
コントロールボードは、電線L1,121LXL、121LYU及び121LYLについて、1つの仮想的なタッチパッドとみなして抵抗値の読み出しを行い、抵抗値に基づいてタッチ操作がなされた位置を算出する。上述のような配線により、コントロールボード3は、基本的に同一の算出ロジックを用いて、タッチ操作がなされた位置の算出が可能である。
これにより、複数の単位タッチパッドを連結して用いた場合においても、コントロールボード3に搭載する算出ロジックの変更が不要となるため、コストの削減が可能となる。
【0052】
以上、
図1乃至
図7を用いて、本発明の一実施形態に係るタッチパネルにおける単位タッチパッドの構造等ついて説明した。このような単位タッチパッドをもちいることにより、以下のような効果を奏することができる。
【0053】
即ち、上述の構成により、コストの都合上、直接的には製造されない長さ(例えば、
図1の軸X方向の長さ)のタッチパッドを、低コストで実現することができる。
さらに、単にタッチパッドを配線するのではなく、
図6や
図7を用いて説明したような配線により、複数の単位タッチパッドを1つの仮想的なタッチパッドとみなせる電気的配線がなされる。即ち、複雑な演算をせずとも、従来のコントロールボード3で用いている算出ロジックを流用して、タッチ操作がなされた位置を算出することが可能となる。これにより、コントロールボード3の開発や修正といったコストを削減することが出来る。
【0054】
また、上述の
図2を用いて説明したような連結用テールの配置が採用されることにより、複数の単位タッチパッドの間のスペースを削減し、単位タッチパッド間の外観上の位置関係より好適な配置となる。
【0055】
さらに言えば、以下、
図8を用いて説明するように、本実施形態の単位タッチパッドを用いることにより、様々に単位タッチパッドを組み合わせて、様々な長さのタッチパッドを実現することが出来るという効果を奏する。
【0056】
図8は、
図3乃至
図5に示すタッチパッドの配線の一例を示す図である。
また、
図8に示すように、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123は、各種各様な組み合わせで利用が可能である。
即ち、
図8(A)の例においては、基本タッチパッド121と、端部タッチパッド123とを接続した例である。この場合においても、コントロールボード3は、基本的に同一の算出ロジックを用いて、タッチ操作がなされた位置の算出が可能である。
【0057】
また、
図8(B)の例においては、基本タッチパッド121と、1つの中間タッチパッド122と、端部タッチパッド123とを接続した例である。この場合においても、コントロールボード3は、基本的に同一の算出ロジックを用いて、タッチ操作がなされた位置の算出が可能である。
【0058】
また、
図8(C)の例においては、基本タッチパッド121と、2つの中間タッチパッド122と、端部タッチパッド123とを接続した例である。この場合においても、コントロールボード3は、基本的に同一の算出ロジックを用いて、タッチ操作がなされた位置の算出が可能である。
また、いずれの場合においてもコントロールボード3は、1台で足りる。
さらに言えば、同一のコントロールボード3を流用して、容易にタッチパッドの連結が可能な構成となっている。
【0059】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での、変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0060】
例えば、上述の実施形態では、
図6を用いて、抵抗値の測定の例を説明したが、抵抗値の測定方法は、
図6の例に限定されない。
【0061】
また例えば、連結コネクタ13は、連結用テール同士を連結させる配線であるものとして説明したが、所定の電気部品(受動部品や能動部品を含む)を含んでいると好適である。即ち例えば、連結コネクタ13は、所定の固定抵抗器や、可変抵抗器を含んでいるとよい。これにより、この固定抵抗器や可変抵抗器は、単位タッチパッド同士の隙間に抵抗膜が存在すると仮定した場合の抵抗値を有するとよい。これにより、単位タッチパッドの間の隙間を考慮したタッチ位置の検知が可能となる。
【0062】
また例えば、軸Zの正方向からのディスプレイ11の視認性を向上させる為、単位タッチパッドの夫々の額縁は、検知されるタッチ位置のリニアリティや電気的特性を保つように、電極や絶縁体を細くすることで狭額縁化されると好適である。
これにより、単位タッチパッド間の場所におけるディスプレイ11の視認性が向上されつつ、より正確なタッチ位置の検知が可能となる。
【0063】
また例えば、上述の実施形態、例えば、
図1の例では、1つのディスプレイ11に対して連結された単位タッチパッド(例えば、基本タッチパッド121、中間タッチパッド122及び端部タッチパッド123)が配置されているものとしたが、ディスプレイ11の数は1つに限定されない。即ち例えば、軸Xの方向に複数のディスプレイが配置され、それに対して、仮想的な1つのタッチパッドとして読みだされるように連結された複数の単位タッチパッドが配置されてもよい。これにより、複数のディスプレイ11を利用したタッチパネル1のタッチパネルのコストの削減や利便性の向上が可能となる。ひいては、デジタルサイネージシステムのコストの削減や利便性の向上が可能となる。
【0064】
以上を換言すると、本発明の情報処理端末は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0065】
即ち、本発明が適用されるタッチパネル(例えば、
図1のタッチパネル1)は、
抵抗膜式のタッチパネルにおいて、
表示面を有するディスプレイ(例えば、
図1のディスプレイ11)と、
物体による操作面が前記ディスプレイの前記表示面に積層されるN個(Nは2以上の整数値)の単位タッチパッドが、所定の側面の連結面(例えば、
図2の面121C及び122B、
図2の面122C及び123B等)において連結されて構成されるタッチパッド(例えば、
図1の基本タッチパッド121、中間タッチパッド122、端部タッチパッド123とからなるタッチパッド)と、
を備えればたりる。
これにより、タッチパネルについてのコストの削減や利便性を向上させることができる。
【0066】
前記単位タッチパッドは、
他の単位タッチパッドと電気的に連結するための連結用テール(例えば、
図2の連結用テール1212,1213,1222,1223及び1232)を、
前記連結面とは異なる側面に1以上有する、ことができる。
これにより、複数の単位タッチパッドを電気的に接続しつつ、連結面の距離を短縮させることで、単位タッチパッド間を密にすることができ、不感の領域を削減することができる。
【0067】
連結される2つの前記単位タッチパッドの夫々の前記連結用テールを電気的に接続する連結コネクタ
をさらに備えることができる。
【0068】
前記Nの前記単位タッチパッドの夫々は、第1抵抗膜と第2抵抗膜を夫々有しており、
前記Nの前記第1抵抗膜を直列接続し、かつ、前記Nの前記第2抵抗膜を並列接続するように、夫々の前記連結用テールで電気的に接続されている、ようにすることができる。
これにより、仮想の1枚のタッチパッドとして機能するようため、従来の位置の算出ロジックを採用した、1つのコントローラを採用可能となる。
【0069】
前記Nの前記単位タッチパッドのうち所定の1つは、コントローラと電気的に接続するためのテールを有する、ことができる。
【0070】
前記単位タッチパッドは、
M(Mは1以上の整数値)の前記接触面(例えば、基本タッチパッド121及び端部タッチパッド123はM=1、中間タッチパッド122はM=2)を有し、
当該Mの前記接触面の夫々に対応して、前記Mの前記連結用テールを有する、ことができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・タッチパネル
2・・・制御端末
3・・・コントロールボード
C1,C2・・・ケーブル
11・・・ディスプレイ
121・・・基本タッチパッド
122・・・中間タッチパッド
13・・・連結コネクタ
1211,1221,1231・・・タッチ面
1212,1213,1222,1223,1232・・・連結用テール
1214,1224,1225,1233・・・連結接点
XL,XR,YL,YU,121XL,121XR,121YL,121YU,122XL,122XR,122YL,122YU,123XL,123XR,123YL,123YU・・・電極
LXL,LXR,LYL,LYU,121LXL,121LXR,121LYL,121LYU,122LXL,122LXR,122LYL,122LYU,123LXL,123LXR,123LYL,123LYU,L1,L2・・・電線
R1乃至R6・・・抵抗
VCC・・・電圧