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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078951
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ヘッダー付き包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/14 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B65D77/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191591
(22)【出願日】2022-11-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和4年10月12日~14日 展示会名 TOKYO PACK 2022 東京国際包装展 展示場所 東京ビッグサイト(東京国際展示場)東1~3・東6ホール(東京都江東区有明3丁目11-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】永長 朗
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC03
3E067BA15A
3E067BA21A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067CA11
3E067EA22
3E067EE15
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】環境に優しい材料を使用して容易に製造でき、陳列用に商品を包装できるヘッダー付き包装体を提供する。
【解決手段】シートを材料とする平板状の保持部材1と、フィルムを材料としてチューブ状をなす被覆部材2とから成り、保持部材1は、基板部3の上方及び下方にヘッダー部及びフッター部となる端板部4がそれぞれ連なった構成とする。基板部3の前面と被覆部材2の間に商品を収納し、いずれか一方の端板部4の両側の幅調整部12及び抱持帯13を内側折線bに沿った折り曲げに伴い前面板11に重ねた状態で、被覆部材2が基板部3に挿入される。その後、内側折線bに沿った折り曲げが戻され、前面板11が前面側へ折り曲げられて、上方及び下方の端板部4が背面側でロックされ、収納された商品が基板部3と下方の端板部4の境界部分で受け止められるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを材料とする平板状の保持部材(1)と、フィルムを材料としてチューブ状をなす被覆部材(2)とから成るヘッダー付き包装体であって、
前記保持部材(1)は、前記被覆部材(2)が被さる基板部(3)の上方及び下方に端板部(4)がそれぞれ連なった構成とされ、前記端板部(4)のうち、上方及び下方のものがそれぞれヘッダー部及びフッター部となり、
前記基板部(3)の前面と前記被覆部材(2)の内面との間に商品を収納し、前記端板部(4)のいずれか一方に形成された前面板(11)の両側から内側折線(b)を介して順次延びる幅調整部(12)及び抱持帯(13)を、前記内側折線(b)に沿った折り曲げに伴い前記前面板(11)に重ねた状態で、前記被覆部材(2)が前記基板部(3)に挿入され、
前記幅調整部(12)及び抱持帯(13)の内側折線(b)に沿った折り曲げが戻されて、前記前面板(11)が前面側へ折り曲げられ、前記端板部(4)の両側の抱持帯(13)が幅調整部(12)との境界の外側折線(c)に沿って背面側へ折り曲げられ、互いに係合してロックされ、
前記一方の端板部(4)の反対側に位置する他方の端板部(4)に形成された前面板(16)が前面側へ折り曲げられ、前記前面板(16)の両側から延びる抱持帯(17)が背面側へ折り曲げられ、互いに係合してロックされるヘッダー付き包装体。
【請求項2】
前記他方の端板部(4)の両側に形成された鉤状の留部(14)と前記一方の端板部(4)の前面板(11)とで前記被覆部材(2)が前記保持部材(1)から抜け止めされることを特徴とする請求項1に記載のヘッダー付き包装体。
【請求項3】
前記ヘッダー部となる端板部(4)には、前記前面板(16)の折り曲げに伴い下端となる先端に先折線(f)を介して押圧フラップ(18)が連設され、
前記押圧フラップ(18)が前記先折線(f)に沿って内側へ折り込まれ、前記被覆部材(2)の上端部が前記押圧フラップ(18)により前記基板部(3)に押し付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッダー付き包装体。
【請求項4】
請求項3に記載のヘッダー付き包装体において、前記押圧フラップ(18)には、商品を引っ掛けるための切込穴(18a)が設けられており、
前記保持部材(1)の基板部(3)の前面と前記被覆部材(2)との間に収納された商品が前記切込穴(18a)から吊り下げられて支持されることを特徴とするヘッダー付き包装体。
【請求項5】
前記被覆部材(2)がセロファンから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッダー付き包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品を陳列用に包装するためのヘッダー付き包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、図9に示すように、商品を見えるように収納するため透明なフィルムを材料とする包装袋51と、その上部に取り付けられた紙製シートを材料とするヘッダー52とから成る包装体が記載されている。
【0003】
包装袋51は、ポリエチレン等の樹脂フィルムをチューブ状とし、底部51aをヒートシールにより閉じたものとされ、ヘッダー52は、折り込まれた包装袋51の上部を前板52aとその両側から延びる抱持帯52bとで挟み込んで抱持するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3204491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような従来のヘッダー付き包装体は、製造時にチューブ状とされたフィルムから包装袋51を形成するため、各個の底部51aでヒートシールする工程が必要となり、工程数が多くなるが、材料のフィルムがヒートシール性を有する石油由来のものであれば、製造上の負荷はあまり大きくない。
【0006】
しかしながら、例えば、昨今環境負荷低減を目的として活用が注目されている木質パルプ由来のセロファンを包装袋51の材料として使用する場合、セロファンはヒートシール性がないことから、事前にヒートシール性を付与する薬剤を包装袋51の底部51aや背貼部となる部分に沿ってセロファンに塗工する必要があり、製造効率が低下する。
【0007】
そこで、この発明は、環境に優しい材料を使用して容易に製造でき、陳列用に商品を包装できるヘッダー付き包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明は、シートを材料とする平板状の保持部材と、フィルムを材料としてチューブ状をなす被覆部材とから成るヘッダー付き包装体であって、
前記保持部材は、前記被覆部材が被さる基板部の上方及び下方に端板部がそれぞれ連なった構成とされ、前記端板部のうち、上方及び下方のものがそれぞれヘッダー部及びフッター部となり、
前記基板部の前面と前記被覆部材の内面との間に商品を収納し、前記端板部のいずれか一方に形成された前面板の両側から内側折線を介して順次延びる幅調整部及び抱持帯を、前記内側折線に沿った折り曲げに伴い前記前面板に重ねた状態で、前記被覆部材が前記基板部に挿入され、
前記幅調整部及び抱持帯の内側折線に沿った折り曲げが戻されて、前記前面板が前面側へ折り曲げられ、前記端板部の両側の抱持帯が幅調整部との境界の外側折線に沿って背面側へ折り曲げられ、互いに係合してロックされ、
前記一方の端板部の反対側に位置する他方の端板部に形成された前面板が前面側へ折り曲げられ、前記前面板の両側から延びる抱持帯が背面側へ折り曲げられ、互いに係合してロックされるものを提供することとしたのである。
【0009】
また、このヘッダー付き包装体において、前記他方の端板部の両側に形成された鉤状の留部と前記一方の端板部の前面板とで前記被覆部材が前記保持部材から抜け止めされるものとしたのである。
【0010】
また、前記ヘッダー部となる端板部には、前記前面板の折り曲げに伴い下端となる先端に先折線を介して押圧フラップが連設され、
前記押圧フラップが前記先折線に沿って内側へ折り込まれ、前記被覆部材の上端部が前記押圧フラップにより前記基板部に押し付けられるものとしたのである。
【0011】
さらに、このヘッダー付き包装体において、前記押圧フラップには、商品を引っ掛けるための切込穴が設けられており、
前記保持部材の基板部の前面と前記被覆部材との間に収納された商品が前記切込穴から吊り下げられて支持されるものとしたのである。
【0012】
また、このヘッダー付き包装体において、前記被覆部材がセロファンから成ることを特徴とするものとしたのである。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係るヘッダー付き包装体は、保持部材のフッター部又はヘッダー部となる一方の端板部の幅調整部及び抱持帯を内側折線に沿って折り曲げた状態で、チューブ状の被覆部材を基板部に挿入する。そして、この抱持帯を外側折線に沿って折り曲げ直してロックし、他方の端板部の前面板を折り曲げ、この端板部の抱持帯を折り曲げてロックすることにより、商品を陳列用に包装することとしている。
【0014】
このため、被覆部材がセロファンのようにヒートシール性がないものであっても、例えば、商品の包装前に被覆部材をチューブ状にするため、被覆部材にヒートシール性を付与する薬剤を塗工しておけば、被覆部材の底部となる部分に同様の薬剤を塗工してヒートシールする工程が不要となり、製造時の効率が向上する。
【0015】
また、他方の端板部の留部と一方の端板部の前面板とで被覆部材が上下方向へ抜けないように位置決めされるようにすると、包装作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、被覆部材の材料として、ヒートシール性はないが生分解性が高い木質パルプ由来のものを使用して、これを紙製の保持部材と組み合わせることにより、環境保全に寄与することができる。特に、包装する商品の性質が屋外で使用されるもの等、包装体の不当廃棄を招きやすいものである場合には、環境保全への寄与が大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の第1実施形態に係るヘッダー付き包装体の商品陳列用の包装状態を示す前面側からの斜視図
図2】同上の包装状態を示す背面側からの斜視図
図3】同上の保持部材のブランクを示す図
図4】同上の基板部への被覆部材の挿入過程を示す斜視図
図5】同上の基板部からの端板部の折曲過程を示す斜視図
図6】この発明の第2実施形態に係るヘッダー付き包装体の商品陳列用の包装状態を示す前面側からの斜視図
図7】同上の保持部材のブランクを示す図
図8】同上の押圧フラップの切込穴への商品の引掛状態を示す一部拡大斜視図
図9】特許文献1に記載のヘッダー付き包装体を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
(概要)
図1及び図2に示すヘッダー付き包装体は、板紙のシートを材料とする平板状の保持部材1と、セロファンの透明なフィルムを材料としてチューブ状をなす被覆部材2とから成り、被覆部材2の接合部2aを背面側の幅方向中央部に位置させ、商品Gとして、例えば、釣具のスプリットリングを収納し、店頭で吊下陳列するものである。
【0019】
(保持部材のブランク)
図3に示す保持部材1のブランクは、被覆部材2が被さる基板部3の上方及び下方に端板部4がそれぞれが連なった構成とされ、これらの端板部4のうち、上方に位置するものがヘッダー部となり、下方に位置するものがフッター部となる。
【0020】
基板部3の幅Wは、被覆部材2の偏平状態での幅Wよりも狭くなっている。被覆部材2の偏平状態での幅Wは、厳密には外径ではなく内径である。
【0021】
下方の端板部4は、基板部3との境界に底折線aが入れられた前面板11の両側から幅調整部12を介して抱持帯13が延びる構成とされ、一方の抱持帯13の先端には差込片13aが、他方の抱持帯13の先端寄りの部分にはスリット状の差込穴13bがそれぞれ設けられている。前面板11と幅調整部12の境界には内側折線bが、幅調整部12と抱持帯13の境界には外側折線cがそれぞれ入れられている。
【0022】
両側の内側折線b間の幅Wは、被覆部材2の偏平状態での幅Wよりも狭く、両側の外側折線c間の幅Wは、被覆部材2の偏平状態での幅Wよりも広くなっている。
【0023】
上方の端板部4は、基板部3との境界の両側に鉤状の留部14が形成され、留部14の上方に位置する背留板15には頂折線dを介して前面板16が連設され、前面板16の両側から側折線eを介して抱持帯17が延び、前面板16の先端には先折線fを介して押圧フラップ18が連設された構成とされている。
【0024】
背留板15の幅Wは、被覆部材2の偏平状態での幅Wよりも広くなっており、留部14と底折線aの間の長さLは、被覆部材2の長さLと同一又は被覆部材2の長さLよりも僅かに長くなっている。
【0025】
一方の抱持帯17の先端には差込片17aが、他方の抱持帯17の先端寄りの部分にはスリット状の差込穴17bがそれぞれ設けられている。
【0026】
背留板15及び前面板16には、頂折線dを挟んで対応する位置に、それぞれ吊下穴19が穿設され、一対の抱持帯17は、背留板15に折り重ねたとき、吊下穴19が隠れないように切り欠かれている。
【0027】
(包装過程)
商品の包装に際しては、図4に示すように、保持部材1の下方の端板部4の両側の幅調整部12及び抱持帯13を、内側折線bに沿った折り曲げに伴い前面板11の前面に重ねた状態で、被覆部材2を基板部3に挿入する。この状態では、被覆部材2は下方の端板部4を通過し、基板部3に全体を挿入することができる。図示省略するが、商品は基板部3の前面と被覆部材2の内面との間に収納しておく。
【0028】
基板部3への被覆部材2の挿入は、被覆部材2の先端が留部14に当接することにより停止する。その後、図5に示すように、幅調整部12及び抱持帯13の内側折線bに沿った折り曲げを戻し、前面板11を底折線aに沿って前面側へ折り曲げると、留部14と前面板11とで被覆部材2が上下方向に抜けないように位置決めされ、収納された商品が基板部3と下方の端板部4の境界部分で受け止められるようになる。
【0029】
また、上方の端板部4の前面板16を頂折線dに沿って前面側へ折り曲げると、図1に示す包装状態での陳列時における商品Gの上方への飛び出しが防止される。
【0030】
さらに、押圧フラップ18を先折線fに沿って内側へ折り込むと、被覆部材2の上端部が押圧フラップ18により基板部3に押し付けられて、商品Gの飛び出しが一層確実に防止され、商品Gが被覆部材2から万一飛び出しても、押圧フラップ18により抜け落ちが阻止される。このため、商品Gが員数不足になる事態が防止される。
【0031】
そして、図2に示すように、下方の端板部4の両側の抱持帯13を外側折線cに沿って背面側へ折り曲げ、一方の抱持帯13の差込片13aを他方の抱持帯13の差込穴13bに差し込むと、下方の端板部4がロックされ、上方の端板部4の両側の抱持帯17を側折線eに沿って背面側へ折り曲げ、一方の抱持帯17の差込片17aを他方の抱持帯17の差込穴17bに差し込むと、上方の端板部4がロックされる。
【0032】
<第2実施形態>
図6に示すヘッダー付き包装体もまた、板紙のシートを材料とする平板状の保持部材1と、セロファンの透明なフィルムを材料としてチューブ状をなす被覆部材2とから成り、商品Gとして、例えば、釣具のジグと呼ばれる金属製のルアー(疑似餌)を収納し、店頭で吊下陳列するものである。
【0033】
このヘッダー付き包装体の基本構成は、上記第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、上記第1実施形態と相違する部分の説明に留める。
【0034】
図7に示すように、このヘッダー付き包装体の保持部材1のブランクでは、押圧フラップ18にスリット状の切込穴18aが設けられている。この切込穴18aは、縦長の切目線と、その両端に交わる半円状の切目線と、両端の半円状の切目線の端部間にわたる折目線とから成り、押し広げられて開口するものとされている。基板部3には、背面側からの視認性を高める長円形の抜窓3aが設けられている。
【0035】
図8に示すように、このヘッダー付き包装体では、商品Gの端部のリング部分を切込穴18aに差し込むと、リング部分で押し広げられた切込穴18aが閉じて、リング部分が切込穴18aから抜け止めされる。
【0036】
この状態では、図6に示すように、保持部材1の基板部3の前面と被覆部材2との間に収納された商品Gが切込穴18aから吊り下げられて支持されるので、商品Gが重いものであっても、安定して固定される。
【0037】
<効果>
上記各実施形態のヘッダー付き包装体は、保持部材1の下方の端板部4の幅調整部12及び抱持帯13を内側折線bに沿って折り曲げた状態で、チューブ状の被覆部材2を全体にわたって基板部3に挿入することができ、上方の端板部4の留部14と下方の端板部4の前面板11とで被覆部材2を上下方向へ抜けないように位置決めすることができる。
【0038】
そして、下方の端板部4の抱持帯13を外側折線cに沿って折り曲げ直してロックし、上方の端板部4の前面板16を前面側へ折り曲げて、商品G,Gの上方への飛び出しを防止することにより、商品G,Gを陳列用に包装することができる。
【0039】
このため、被覆部材2がセロファンのようにヒートシール性がないものであっても、例えば、商品G,Gの包装前に被覆部材2をチューブ状(背貼された状態を含む)にするため、被覆部材2にヒートシール性を付与する薬剤を塗工しておけば、被覆部材2の底部となる部分に同様の薬剤を塗工してヒートシールする工程が不要となり、製造時の工程編成が簡略化され、効率が向上する。
【0040】
また、被覆部材2の材料として、ヒートシール性はないが生分解性が高い木質パルプ由来のものを使用して、これを紙製の保持部材1と組み合わせることにより、特に、海で使用する釣具のような商品G,Gの包装に適用すると、海洋プラスチック問題の原因になることがなく、環境保全に寄与することができる。
【0041】
<その他>
上記各実施形態では、保持部材1の下方のフッター部となる端板部4に、前面板11の両側から順次延びる幅調整部12及び抱持帯13が設けられ、内側折線bと外側折線cとが入れられたものを例示したが、保持部材1の上方のヘッダー部となる端板部4がこのような構成を備えたものとしてもよい。
【0042】
また、上記各実施形態では、保持部材1として、板紙を材料とするものを例示したが、保持部材1の材料は、ある程度の剛性があり、折り曲げ可能なものであれば、段ボールやプラスチックのシートであってもよい。
【0043】
また、被覆部材2として、一枚のフィルムを背面側の幅方向中央部となる位置で接合したものを例示したが、被覆部材2は、上下端が開放されていれば、継ぎ目なくチューブ状に成形されたものであってもよい。
【0044】
そのほか、被覆部材2の材料として、セロファンを例示したが、被覆部材2の材料は、セロファンに限られることはなく、紙や樹脂フィルムであってもよいが、包装する商品の性質が屋外で使用されるもの等、包装体の不当廃棄を招きやすいものである場合には、保持部材1と共に、生分解性が高いものを使用することが望ましい。
【符号の説明】
【0045】
1 保持部材
2 被覆部材
2a 接合部
3 基板部
3a 抜窓
4 端板部
11 前面板
12 幅調整部
13 抱持帯
13a 差込片
13b 差込穴
14 留部
15 背留板
16 前面板
17 抱持帯
17a 差込片
17b 差込穴
18 押圧フラップ
18a 切込穴
19 吊下穴
a 底折線
b 内側折線
c 外側折線
d 頂折線
e 側折線
f 先折線
,G 商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9