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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078960
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】カップホルダー
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B60N3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191612
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 敦夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 紀子
(72)【発明者】
【氏名】小山 眞佐子
(72)【発明者】
【氏名】中山 潤一
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088LA03
3B088LB07
(57)【要約】
【課題】部品点数が最少で済み、かつ不使用時に厚みも薄くできて、収納に困らないカップホルダーを得る。
【解決手段】略矩形平板状に形成され、挿入されたカップCを支持可能な貫通孔23を有するホルダー本体22と、平板状に形成されるとともにホルダー本体22の一方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シート10のチャイルドシート固定用のアンカーバー15に嵌合可能な先端部24Aを有する第1脚部24と、平板状に形成されるとともにホルダー本体22の他方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シート10のシートクッション12の座面12Aに当接可能な先端部26Aを有する第2脚部26と、を備えたカップホルダー20とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形平板状に形成され、挿入されたカップを支持可能な貫通孔を有するホルダー本体と、
平板状に形成されるとともに前記ホルダー本体の一方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シートのチャイルドシート固定用のアンカーバーに嵌合可能な先端部を有する第1脚部と、
平板状に形成されるとともに前記ホルダー本体の前記一方の辺縁部と対辺をなす他方の辺縁部に回動可能に設けられ、前記車両用シートのシートクッションの座面に当接可能な先端部を有する第2脚部と、
を備えたカップホルダー。
【請求項2】
前記ホルダー本体は、前記車両用シートのシート幅方向が長手方向とされており、
前記貫通孔が複数形成されるとともに、前記第1脚部が一対の前記アンカーバーにそれぞれ嵌合可能な一対で設けられている請求項1に記載のカップホルダー。
【請求項3】
前記ホルダー本体に対して前記第1脚部及び前記第2脚部が折り畳まれたとき、前記第1脚部及び前記第2脚部が、複数の前記貫通孔のうち、いくつかの前記貫通孔の一部をそれぞれ塞ぐ構成とされている請求項2に記載のカップホルダー。
【請求項4】
前記車両用シートが、中央のシートバックにアームレストが回動かつ格納可能に設けられたベンチシートの左右何れか一方のシートとされるとともに、前記アームレストが格納される前記シートバックの下端部に支持バーが設けられており、
前記ホルダー本体の前記一方の辺縁部及び前記他方の辺縁部とは異なる辺縁部に、前記アームレストと前記シートバックとの間に収納する際に前記支持バーに嵌合可能な嵌合部が形成されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載のカップホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用テーブルの前脚及び後脚を引き起こして、ボルトにより締め付けて固定し、車両用テーブルの後脚の先端部のキャッチ部材をシートの座面とシートバックとの隙間からISO-FIXバーに向けて挿入し、そのキャッチ部材の先端部をISO-FIXバーに嵌合させて、車両用テーブルをシートに固定した車両用テーブルは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-293183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような構造のテーブルは、シートに対する着脱が容易ではあるが、脚部の構造が複雑で部品点数が多い。また、脚部を折り畳んだ際にかなりの厚みがあり、使わないときにおいて、収納する場所に困る。
【0005】
そこで、本発明は、部品点数が最少で済み、かつ不使用時に厚みも薄くできて、収納に困らないカップホルダーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の態様のカップホルダーは、略矩形平板状に形成され、挿入されたカップを支持可能な貫通孔を有するホルダー本体と、平板状に形成されるとともに前記ホルダー本体の一方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シートのチャイルドシート固定用のアンカーバーに嵌合可能な先端部を有する第1脚部と、平板状に形成されるとともに前記ホルダー本体の前記一方の辺縁部と対辺をなす他方の辺縁部に回動可能に設けられ、前記車両用シートのシートクッションの座面に当接可能な先端部を有する第2脚部と、を備えている。
【0007】
第1の態様の発明によれば、挿入されたカップを支持可能な貫通孔を有するホルダー本体が略矩形平板状に形成されている。そして、ホルダー本体の一方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シートのチャイルドシート固定用のアンカーバーに嵌合可能な先端部を有する第1脚部が、平板状に形成されている。更に、ホルダー本体の一方の辺縁部と対辺をなす他方の辺縁部に回動可能に設けられ、車両用シートのシートクッションの座面に当接可能な先端部を有する第2脚部が、平板状に形成されている。したがって、このカップホルダーは、部品点数が最少で済み、かつ不使用時に(折り畳まれたときに)厚みも薄くできて、収納に困らない。
【0008】
また、本発明に係る第2の態様のカップホルダーは、第1の態様のカップホルダーであって、前記ホルダー本体は、前記車両用シートのシート幅方向が長手方向とされており、前記貫通孔が複数形成されるとともに、前記第1脚部が一対の前記アンカーバーにそれぞれ嵌合可能な一対で設けられている。
【0009】
第2の態様の発明によれば、ホルダー本体が、車両用シートのシート幅方向が長手方向とされており、貫通孔が複数形成されている。そして、第1脚部が、一対のアンカーバーにそれぞれ嵌合可能な一対で設けられている。したがって、シート幅方向に亘って複数のカップを支持する場合でも、一対の第1脚部が一対のアンカーバーに嵌合しているため、その複数のカップは、ぐらつかずに安定して保持される。
【0010】
また、本発明に係る第3の態様のカップホルダーは、第2の態様のカップホルダーであって、前記ホルダー本体に対して前記第1脚部及び前記第2脚部が折り畳まれたとき、前記第1脚部及び前記第2脚部が、複数の前記貫通孔のうち、いくつかの前記貫通孔の一部をそれぞれ塞ぐ構成とされている。
【0011】
第3の態様の発明によれば、第1脚部及び第2脚部が、ホルダー本体に対して折り畳まれたとき、ホルダー本体の複数の貫通孔のうち、いくつかの貫通孔の一部をそれぞれ塞ぐ。したがって、このカップホルダーは、不使用時(折り畳まれたときに)において、第1脚部及び第2脚部のホルダー本体から突出する厚みを低減させることができる。つまり、このカップホルダーは、不使用時において、より一層コンパクトになる。
【0012】
また、本発明に係る第4の態様のカップホルダーは、第1~第3の態様の何れか1つの態様のカップホルダーであって、前記車両用シートが、中央のシートバックにアームレストが回動かつ格納可能に設けられたベンチシートの左右何れか一方のシートとされるとともに、前記アームレストが格納される前記シートバックの下端部に支持バーが設けられており、前記ホルダー本体の前記一方の辺縁部及び前記他方の辺縁部とは異なる辺縁部に、前記アームレストと前記シートバックとの間に収納する際に前記支持バーに嵌合可能な嵌合部が形成されている。
【0013】
第4の態様の発明によれば、ホルダー本体の一方の辺縁部及び他方の辺縁部とは異なる辺縁部に、アームレストが格納されるシートバックの下端部に設けられた支持バーに嵌合可能な嵌合部が形成されている。したがって、アームレストとシートバックとの間にカップホルダーを収納する際に、その支持バーに嵌合部を嵌合することにより、カップホルダーをシートバックに沿わせて配置することができる。つまり、このカップホルダーは、不使用時において、収納し易くなる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、部品点数が最少で済み、かつ不使用時に厚みも薄くできて、収納に困らないカップホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るカップホルダーの使用状態を示す概略側面図である。
図2】第1実施形態に係るカップホルダーの使用状態を示す概略平面図である。
図3】第1実施形態に係るカップホルダーを示す概略展開図である。
図4】第1実施形態に係るカップホルダーを収容可能な車両用シートを示す概略斜視図である。
図5】第1実施形態に係るカップホルダーの収容状態(不使用状態)を一部断面で示す概略側面図である。
図6】第2実施形態に係るカップホルダーの不使用状態を示す概略斜視図である。
図7】第2実施形態に係るカップホルダーの不使用状態を示す概略平面図である。
図8】第2実施形態に係るカップホルダーの不使用状態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において適宜示す矢印UPを車両用シートの上方向、矢印FRを車両用シートの前方向、矢印LHを車両用シートの左方向とする。また、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車両用シートにおける上下、前後、左右を示すものとする。また、左右方向は、シート幅方向と同義である。
【0017】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態について説明する。図1図2に示されるように、第1実施形態に係るカップホルダー20が配置される車両用シート10は、乗員が着座する(乗員の臀部及び大腿部を支持する)シートクッション12と、乗員の背部を支持するシートバック14と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト16と、を有している。
【0018】
なお、図4に示されるように、この車両用シート10は、中央のシートバック14にアームレスト18が回動かつ格納可能に設けられたベンチシートの左右何れか一方のシートである。ここでは、図2に示されるように、左側の車両用シート10を例に採って説明するが、右側の車両用シートの場合でも同様である。
【0019】
車両用シート10のシートクッション12の後方側で、かつシートバック14の下方側には、ISO-FIX方式のチャイルドシート(図示省略)を固定するためのアンカーバー15が、シート幅方向に所定の間隔を空けて左右一対で設けられている。各アンカーバー15は、所定の外径を有する金属製の円柱状部材が、平面視で開放側を後方側に向けた略「U」字状に屈曲されて構成されており、シートクッション12とシートバック14との間の隙間から露出可能に設けられている。
【0020】
図1図3に示されるように、カップホルダー20は、樹脂製であり、車両用シート10のシート幅方向が長手方向となる略矩形平板状に形成されたホルダー本体22を備えている。ホルダー本体22は、その厚みが比較的薄く形成されており、所定の内径とされた複数の円形状の貫通孔23を有している。これにより、ホルダー本体22は、貫通孔23に挿入されたカップCを支持可能になっている。
【0021】
なお、図示の貫通孔23は、同じ内径とされた6個の貫通孔23Aと、その貫通孔23Aよりも小さい内径とされた2個の貫通孔23Bと、で構成されているが、これに限定されるものではない。但し、ホルダー本体22に貫通孔23Aだけではなく、内径の異なる貫通孔23Bも形成されていると、種類(外径)の異なるカップCをホルダー本体22が保持可能となるので好ましい。
【0022】
また、ホルダー本体22のシート幅方向に沿った長さ(長手方向の長さ)は、格納状態のアームレスト18の上下方向に沿った長さ以下とされている(図5参照)。そして、ホルダー本体22のシート前後方向に沿った長さは、アームレスト18のシート幅方向に沿った長さ(幅)以下とされている。
【0023】
なお、ホルダー本体22のシート前後方向に沿った長さは、これに限定されるものではなく、アームレスト18のシート幅方向に沿った長さ(幅)よりも長く形成されていてもよい。この場合、ホルダー本体22は、例えば長手方向と直交する方向である短手方向の略中央部で折り畳まれる構造になっていればよい。
【0024】
また、カップホルダー20は、シート前後方向が長手方向とされた矩形平板状に形成されるとともにホルダー本体22のシート後方側端部(一方の辺縁部)に回動可能に設けられた左右一対の第1脚部24を備えている。左右一対の第1脚部24は、車両用シート10のチャイルドシート固定用の左右一対のアンカーバー15に嵌合可能な先端部24Aを有している。つまり、各第1脚部24の先端部24Aには、それぞれ断面略半円弧形状の嵌合部25(図1参照)が一体に形成されている。そして、各第1脚部24は、嵌合部25を除き、ホルダー本体22と略同一の厚み(板厚)とされている。
【0025】
また、カップホルダー20は、シート幅方向に沿った長さがホルダー本体22のシート幅方向に沿った長さと同一とされた矩形平板状に形成されるとともにホルダー本体22のシート前方側端部(他方の辺縁部)に回動可能に設けられた単一の第2脚部26を備えている。第2脚部26は、車両用シート10のシートクッション12の座面12Aに当接可能な先端部26Aを有している。つまり、第2脚部26の先端部26Aには、シート幅方向を軸方向とする略半円柱形状の当接部27(図1参照)が一体に形成されている。そして、第2脚部26は、ホルダー本体22と略同一の厚み(板厚)とされている。
【0026】
なお、第2脚部26は、シート幅方向が長手方向とされており、シート前後方向に沿った長さが、第1脚部24のシート前後方向に沿った長さよりも短くされている。これにより、第2脚部26の先端部26Aに形成されている当接部27が、側面視でシート前方上側へ傾斜するシートクッション12の座面12Aに当接されたときに、ホルダー本体22が水平姿勢を採れるようになっている(図1参照)。
【0027】
また、ホルダー本体22のシート幅方向外側端部(一方の辺縁部及び他方の辺縁部とは異なる辺縁部)におけるシート前後方向中央部には、後述する支持バー17に嵌合可能な嵌合部28が一体に形成されている。この嵌合部28も、断面略半円弧形状に形成されている(図5参照)。なお、嵌合部28は、ホルダー本体22の一方のシート幅方向外側端部にだけ形成されていればよい。
【0028】
図4に示されるように、アームレスト18が格納されるシートバック14の下端部には、支持バー17が設けられている。支持バー17は、所定の外径を有する金属製の円柱状部材が、正面視で開放側を下方側に向けた略「U」字状に屈曲されて構成されている。そして、この支持バー17は、アームレスト18が前方側へ回動したときに、アームレスト18の上面よりも上方側へ突出しないようになっている。
【0029】
つまり、支持バー17の上端面は、前方側へ回動したアームレスト18の上面よりも下方側に位置するようになっており、アームレスト18が前方側へ回動した状態で正面から見ても、支持バー17が見えないようになっている。換言すれば、支持バー17によって見栄えが損なわれないようになっている。なお、支持バー17は、これに限定されるものではなく、見栄えが多少損なわれるが、アームレスト18が前方側へ回動したときに、アームレスト18の上面よりも上方側へ僅かに突出していてもよい。
【0030】
また、図5に示されるように、カップホルダー20の不使用時には、第1脚部24及び第2脚部26がホルダー本体22の下面側へ折り畳まれる。そして、嵌合部28が支持バー17に嵌合された状態で、ホルダー本体22がシートバック14に沿って配置可能になる。これにより、格納状態のアームレスト18とシートバック14との間にカップホルダー20が収納可能になる構成になっている。
【0031】
以上のような構成とされた第1実施形態に係るカップホルダー20において、次にその作用について説明する。
【0032】
カップホルダー20を使用するときには、各第1脚部24をホルダー本体22の下面側から離すように回動させ、車両用シート10の各アンカーバー15に、各第1脚部24の先端部24Aに形成されている嵌合部25を嵌合させる。そして、第2脚部26をホルダー本体22の下面側から離すように回動させ、車両用シート10のシートクッション12の座面12Aに、第2脚部26の先端部26Aに形成されている当接部27を当接させる。
【0033】
これにより、図1に示されるように、ホルダー本体22が水平姿勢に支持される。したがって、そのホルダー本体22に形成されている貫通孔23(貫通孔23A又は貫通孔23B)にカップCを挿入させることにより、そのカップCの中途部(カップCの外径において、貫通孔23A又は貫通孔23Bの内径と同等となる部位)がカップホルダー20に保持され、カップCが水平に支持される。よって、カップCの中身が液体でも、その液体がこぼれ難い。特に、一対の第1脚部24を一対のアンカーバー15に嵌合させるため、複数のカップCを支持する場合でも、ぐらつかずに安定して保持することができる。
【0034】
一方、カップホルダー20を使用しないとき(不使用時)には、第1脚部24をホルダー本体22の下面側へ回動させ、第2脚部26をホルダー本体22の下面側へ回動させる。ここで、ホルダー本体22は、厚み(板厚)の薄い略矩形平板状に形成されている。そして、一対の第1脚部24及び第2脚部26も、ホルダー本体22と略同一の厚み(板厚)とされた平板状に形成されている。したがって、このカップホルダー20は、部品点数が最少(ホルダー本体22、第1脚部24、第2脚部26の3点)で済み、かつ不使用時(折り畳まれたとき)において、厚みも薄くできて、収納に困ることがない。
【0035】
すなわち、このカップホルダー20は、第1脚部24及び第2脚部26を折り畳んでも、全体の厚みが薄いため、アームレスト18とシートバック14との間に収納することができる。具体的に説明すると、ホルダー本体22のシート幅方向外側端部には、アームレスト18が格納されるシートバック14の下端部に設けられた支持バー17に嵌合可能な嵌合部28が形成されている。
【0036】
したがって、アームレスト18とシートバック14との間に、折り畳まれたカップホルダー20を収納する際に、その支持バー17に嵌合部28を嵌合することにより、そのカップホルダー20をシートバック14に沿わせて配置することができる。よって、このカップホルダー20は、不使用時において、格納状態のアームレスト18とシートバック14との間に容易に収納することができる。
【0037】
また、第1脚部24及び第2脚部26は、ホルダー本体22に対して回動可能に設けられているため、ホルダー本体22に対する第1脚部24及び第2脚部26の開き角度を任意に設定できる。したがって、このカップホルダー20は、側面視におけるシートクッション12の傾斜角度によらず、アンカーバー15を有する様々な車両用シート10に適用することができる。
【0038】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同等となる構成については、その説明を適宜省略する。
【0039】
図6図8に示されるように、第2実施形態に係るカップホルダー30は、樹脂製であり、車両用シート10のシート幅方向が長手方向となる略矩形平板状に形成されたホルダー本体32を備えている。ホルダー本体32は、その厚みが比較的薄く形成されており、所定の大きさとされた複数の略台形状の貫通孔33を有している。これにより、ホルダー本体32は、貫通孔33に挿入されたカップCを支持可能になっている。
【0040】
なお、図示の貫通孔33は、同じ大きさとされた6個の貫通孔で構成されているが、これに限定されるものではない。また、ホルダー本体32のシート幅方向に沿った長さ(長手方向の長さ)は、格納状態のアームレスト18の上下方向に沿った長さ以下とされている。そして、ホルダー本体32のシート前後方向に沿った長さは、アームレスト18のシート幅方向に沿った長さ(幅)以下とされているが、これに限定されないことは、上記第1実施形態と同様である。
【0041】
また、ホルダー本体32のシート後方側で、かつシート幅方向外側端部に形成されている各貫通孔33Aの周縁部の一部は、ホルダー本体32に回動可能に支持されている後述する第1脚部34の回動部34Bで構成されている。同様に、ホルダー本体32のシート前方側に形成されている各貫通孔33Bの周縁部の一部は、ホルダー本体32に回動可能に支持されている後述する第2脚部36の回動部36Bで構成されている。
【0042】
また、カップホルダー30は、略「L」字状をなす平板状に形成されるとともにホルダー本体32のシート後方側端部(一方の辺縁部)に回動可能に設けられた左右一対の第1脚部34を備えている。左右一対の第1脚部34は、車両用シート10のチャイルドシート固定用の左右一対のアンカーバー15に嵌合可能な先端部34Aを有している。つまり、第1脚部34の先端部34Aには、断面略半円弧形状の嵌合部35が一体に形成されている。そして、各第1脚部34は、嵌合部35を除き、ホルダー本体32と略同一の厚み(板厚)とされている。
【0043】
なお、各第1脚部34は、ホルダー本体32のシート後方側で、かつシート幅方向外側端部に形成されている各貫通孔33Aに対応した位置に、それぞれホルダー本体32の長手方向を軸方向とする円筒状の回動部34Bを介して回動可能に設けられている。つまり、各回動部34Bが各貫通孔33Aの周縁部の一部を構成するようになっている。そして、各第1脚部34は、各貫通孔33Aよりも、その大きさが小さくされており、ホルダー本体32に対して折り畳まれたときに、各貫通孔33Aの一部をそれぞれ塞ぐ構成になっている。
【0044】
また、カップホルダー30は、略台形状をなす平板状に形成されるとともにホルダー本体32のシート前方側端部(他方の辺縁部)に回動可能に設けられた複数(図示のものは3個)の第2脚部36を備えている。各第2脚部36は、車両用シート10のシートクッション12の座面12Aに当接可能な先端部36Aを有している。つまり、各第2脚部36の先端部36Aには、シート幅方向を軸方向とする略円柱形状の当接部37が一体に形成されている。そして、各第2脚部36は、当接部37を除き、ホルダー本体32と略同一の厚み(板厚)とされている。
【0045】
なお、各第2脚部36は、ホルダー本体32のシート前方側に形成されている各貫通孔33Bに対応した位置に、それぞれホルダー本体32の長手方向を軸方向とする円筒状の回動部36Bを介して回動可能に設けられている。つまり、各回動部36Bが各貫通孔33Bの周縁部の一部を構成するようになっている。そして、各第2脚部36は、各貫通孔33Bよりも、その大きさが小さくされており、ホルダー本体32に対して折り畳まれたときに、各貫通孔33Bの一部をそれぞれ塞ぐ構成になっている。
【0046】
また、各第2脚部36は、シート前後方向に沿った最大長さが、各第1脚部34のシート前後方向に沿った最大長さよりも短くされている。これにより、各第2脚部36の先端部36Aに形成されている当接部37が、側面視でシート前方上側へ傾斜するシートクッション12の座面12Aに当接されたときに、ホルダー本体32が水平姿勢を採れるようになっている。
【0047】
また、図示は省略するが、この第2実施形態に係るカップホルダー30においても、ホルダー本体32のシート幅方向外側端部(一方の辺縁部及び他方の辺縁部とは異なる辺縁部)におけるシート前後方向中央部に、支持バー17に嵌合可能な嵌合部が一体に形成されている。この嵌合部も、断面略半円弧形状に形成されている。
【0048】
以上のような構成とされた第2実施形態に係るカップホルダー30において、次にその作用について説明する。なお、例えば支持バー17に嵌合可能な上記嵌合部(図示省略)の作用のように、第1実施形態と共通する作用については、その説明を適宜省略する。
【0049】
カップホルダー30を使用するときには、各第1脚部34を、ホルダー本体32の各貫通孔33Aを開放させるように回動させ、車両用シート10の各アンカーバー15に、各第1脚部34の先端部34Aに形成されている嵌合部35を嵌合させる。そして、各第2脚部36を、ホルダー本体32の貫通孔33Bを開放させるように回動させ、車両用シート10のシートクッション12の座面12Aに、各第2脚部36の先端部36Aに形成されている当接部37を当接させる。
【0050】
これにより、ホルダー本体32が水平姿勢に支持される。したがって、そのホルダー本体32に形成されている各貫通孔33(貫通孔33A又は貫通孔33B)にカップCを挿入させることにより、そのカップCの中途部(カップCの外径において、貫通孔33の大きさと同等となる部位)がカップホルダー30に保持され、カップCが水平に支持される。よって、カップCの中身が液体でも、その液体がこぼれ難い。特に、一対の第1脚部34を一対のアンカーバー15に嵌合させるため、複数のカップCを支持する場合でも、ぐらつかずに安定して保持することができる。
【0051】
一方、カップホルダー30を使用しないとき(不使用時)には、各第1脚部34をホルダー本体32の各貫通孔33Aの一部を塞ぐように回動させ、各第2脚部36をホルダー本体32の各貫通孔33Bの一部を塞ぐように回動させる。ここで、ホルダー本体32は、厚み(板厚)の薄い略矩形平板状に形成されている。そして、一対の第1脚部34及び第2脚部36も、ホルダー本体32と略同一の厚み(板厚)とされた平板状に形成されている。したがって、このカップホルダー30は、部品点数が最少(ホルダー本体32、第1脚部34、第2脚部36の3点)で済み、かつ不使用時(折り畳まれたときに)において、厚みも薄くできて、収納に困ることがない。
【0052】
特に、この第2実施形態に係るカップホルダー30の場合は、不使用時(折り畳まれたとき)において、図8に示されるように、側面視で第1脚部34及び第2脚部36のホルダー本体32から突出する厚みを低減させることができる。つまり、ホルダー本体32から突出するのは、嵌合部35及び当接部37のそれぞれ一部のみとなるため、カップホルダー30の全体の厚みを第1実施形態に係るカップホルダー20の全体の厚みよりも薄くすることができる。よって、このカップホルダー30は、不使用時において、より一層コンパクトになり、格納状態のアームレスト18とシートバック14との間に容易に収納することができる。
【0053】
以上、本実施形態に係るカップホルダー20、30について、図面を基に説明したが、本実施形態に係るカップホルダー20、30は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、ホルダー本体22、32に形成される貫通孔23、33の大きさ(内径)、形状、数量等は、図示のものに限定されるものではない。また、このカップホルダー20、30は、その厚みが薄いため、支持バー17が設けられていなくても、格納状態のアームレスト18とシートバック14との間に収納することができる。つまり、このカップホルダー20、30には、嵌合部28が形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 車両用シート
12 シートクッション
12A 座面
14 シートバック
15 アンカーバー
17 支持バー
18 アームレスト
20 カップホルダー
22 ホルダー本体
23 貫通孔
24 第1脚部
24A 先端部
26 第2脚部
26A 先端部
28 嵌合部
30 カップホルダー
32 ホルダー本体
33 貫通孔
34 第1脚部
34A 先端部
36 第2脚部
36A 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8