(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078966
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造
(51)【国際特許分類】
B65D 81/02 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B65D81/02 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191619
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】江口 愛友
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA44
3E066BA01
3E066CA01
3E066DB01
3E066FA06
3E066HA03
3E066HA06
3E066JA01
3E066NA48
(57)【要約】
【課題】瓶を大きくした場合に直方体状の箱を変えることなく市場に流通させることができるブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造を提供すること。
【解決手段】ブリスターパック10に、第1の瓶12を収容する第1収容部20と、第2の瓶16を収容する第2収容部22とが設けられている。第1の瓶12と第2の瓶16とがそれぞれ第1収容部20と第2収容部22に収容された状態で平面視した場合、ブリスターパック10の長さL2方向に対して第1の瓶12と第2の瓶16の軸心方向は同じ方向に傾斜しており、ブリスターパック10の幅W2方向から見て、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所とはオーバーラップし、また、第1の瓶12の第1肩部1210と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とは離されている。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部と首部とを有する第1の瓶と第2の瓶とを離した状態で収容するブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造であって、
前記ブリスターパックに、前記第1の瓶を収容する第1収容部と、前記第2の瓶を収容する第2収容部とが設けられ、
前記第1の瓶と前記第2の瓶とがそれぞれ前記第1収容部と前記第2収容部に収容された状態で平面視した場合、前記ブリスターパックの長さ方向に対して前記第1の瓶と前記第2の瓶の少なくとも一方の瓶の軸心方向は傾斜しており、
前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶と前記第2の瓶の一方の瓶の前記首部と、他方の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしている、
ことを特徴とするブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項2】
前記第1の瓶の前記首部にキャップが取着され、
前記第1の瓶と前記第2の瓶とがそれぞれ前記第1収容部と前記第2収容部に収容された状態で平面視した場合、前記ブリスターパックの長さ方向に対して前記第1の瓶と前記第2の瓶の軸心方向はほぼ同じ方向に傾斜しており、
前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶の前記キャップと前記第2の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしている、
ことを特徴とする請求項1記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項3】
前記第1の瓶と前記第2の瓶の前記首部と前記胴部との境の箇所に肩部が介在しており、
前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶の前記肩部と前記第2の瓶の前記胴部の底部とは離されている、
ことを特徴とする請求項2記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項4】
前記第1の瓶が前記第1収容部に収容された状態で、前記第1の瓶の軸心方向は前記首部が前記胴部よりも上方に位置するように前記ブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜している、
ことを特徴とする請求項2または3記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項5】
前記第2の瓶の前記胴部は、厚さと、厚さよりも大きい寸法の幅を有し、
前記第2の瓶の前記胴部の厚さ方向の両方向のうちの一方に位置する面は前記第2の瓶の正面となっており、
前記第2の瓶が前記第2収容部に収容された状態で、前記第2の瓶の前記胴部の幅方向は、前記ブリスターパックの上方から前記正面が視認できる程度に前記ブリスターパックの幅方向に対して傾斜し前記正面は斜め上方に向いている、
ことを特徴とする請求項2または3記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項6】
前記第2の瓶の前記胴部の幅は、前記胴部の上端から底部に至るにつれて次第に小さくなるように形成されると共に、前記胴部の厚さは、前記幅方向の中央が最も大きく前記幅方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成され、
前記第2の瓶が前記第2収容部に収容された状態で、前記第2の瓶の軸心方向は前記首部が前記胴部よりも上方に位置するように前記ブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜しており、
平面視した場合、前記第2の瓶の前記胴部寄りの前記キャップの箇所と、前記キャップ寄りで前記第2の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしている、
ことを特徴とする請求項5記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項7】
前記ブリスターパックは平面視長方形を呈し、
前記ブリスターパックは、前記平面視長方形の4辺に沿って延在する上端壁と、前記上端壁から下方に延在する側壁と、前記ブリスターパックの高さ方向の中間部で前記側壁から前記ブリスターパックの内側に延在する中間壁とを有し、
前記第1収容部は、前記中間壁に設けられ前記第1の瓶の前記胴部、前記肩部、前記キャップを収容する第1胴部用凹部と第1肩部用凹部とキャップ用凹部とを含んで構成され、
前記第2収容部は、前記中間壁に設けられ前記第2の瓶の前記胴部、前記肩部、前記首部を収容する第2胴部用凹部と第2肩部用凹部と首部用凹部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項6記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項8】
前記第1肩部用凹部は、前記第1の瓶の前記肩部に当接しその上端が前記中間壁に接続される第1肩部用壁を有し、
第2胴部用凹部は、前記第2の瓶の前記胴部の底部に当接しその上端が前記中間壁に接続される第2底部用壁を有し、
前記ブリスターパックの幅方向の内側に位置する前記第1肩部用壁が接続された前記中間壁の部分と、前記第2底部用壁が接続された前記中間壁との部分により、平面視した場合に前記第1の瓶の前記首部側に凸状の凸状部分が設けられ、
前記凸状部分に凹凸部が設けられ前記凸状部分は剛性が高められた第1補強壁部として形成されている、
ことを特徴とする請求項7記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【請求項9】
前記第1の瓶が前記第1収容部に収容された状態で、前記キャップは前記ブリスターパックの前記幅方向の両側に位置する前記側壁のうちの一方の側壁に寄せて配置され、
前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所は、前記ブリスターパックの前記幅方向の一方における前記キャップ用凹部の箇所を構成しており、
前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所に凹凸部が設けられ、前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所は剛性が高められた第2補強壁部として形成されている、
ことを特徴とする請求項7記載のブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、揮散性の芳香剤や防虫剤、殺虫剤など液状の薬剤が収容される瓶と、瓶に差し込まれその下部が薬剤に浸漬されその上部が容器の上方に突出する複数の棒状の薬剤揮散体とを備える薬剤揮散器を提供している。
このような薬剤揮散器では、薬剤揮散体が差し込まれる瓶と、液状の薬剤を気密、液密に収容する瓶と、複数の棒状の薬剤揮散体とを備えている。
そのため、それら2つの瓶が破損しないように、市場流通時に、1つのブリスターパックに2つの瓶を収容し、このブリスターパックを直方体状の箱に収容し、また、箱の内部でブリスターパックと箱の内面との隙間に複数の棒状の薬剤揮散体を束ねて入れ、市場に流通させている。
そして、2つの瓶は、ブリスターパックの内部において、それらの軸心方向が同一となるように直線状に並べられて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、薬剤の収容量を多くするため薬剤を収容する瓶を大きくした場合や、薬剤揮散体が差し込まれる瓶の大きさや形状を変更した場合に、ブリスターパックの内部において2つの瓶をそれらの軸心方向が同一となるように並べるのでは、ブリスターパックの大きさが変わり、このブリスターパックを収容する箱も変えなければならず、薬剤揮散器の包装についてのコストが上昇し、また、箱が大きくなると輸送効率が低下し、輸送コストも増大する。また、販売店での陳列棚には高さの制限があり、箱の高さを高くしてしまうと、店頭で陳列することができなくなってしまう。そのため、箱の高さを著しく高くすることは不可能であるのが実情である。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、薬剤揮散体が差し込まれる瓶の大きさや形状を変更した場合や、薬剤量を増やすため薬剤を収容する瓶を大きくした場合に直方体状の箱を変えることなく市場に流通させることができるブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、胴部と首部とを有する第1の瓶と第2の瓶とを離した状態で収容するブリスターパックを用いた2つの瓶の収容構造であって、前記ブリスターパックに、前記第1の瓶を収容する第1収容部と、前記第2の瓶を収容する第2収容部とが設けられ、前記第1の瓶と前記第2の瓶とがそれぞれ前記第1収容部と前記第2収容部に収容された状態で平面視した場合、前記ブリスターパックの長さ方向に対して前記第1の瓶と前記第2の瓶の少なくとも一方の瓶の軸心方向は傾斜しており、前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶と前記第2の瓶の一方の瓶の前記首部と、他方の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第1の瓶の前記首部にキャップが取着され、前記第1の瓶と前記第2の瓶とがそれぞれ前記第1収容部と前記第2収容部に収容された状態で平面視した場合、前記ブリスターパックの長さ方向に対して前記第1の瓶と前記第2の瓶の軸心方向はほぼ同じ方向に傾斜しており、前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶の前記キャップと前記第2の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第1の瓶と前記第2の瓶の前記首部と前記胴部との境の箇所に肩部が介在しており、前記ブリスターパックの長さ方向と直交する幅方向から見て、前記ブリスターパックの長さ方向の中間部において、前記第1の瓶の前記肩部と前記第2の瓶の前記胴部の底部とは離されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第1の瓶が前記第1収容部に収容された状態で、前記第1の瓶の軸心方向は前記首部が前記胴部よりも上方に位置するように前記ブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第2の瓶の前記胴部は、厚さと、厚さよりも大きい寸法の幅を有し、前記第2の瓶の前記胴部の厚さ方向の両方向のうちの一方に位置する面は前記第2の瓶の正面となっており、前記第2の瓶が前記第2収容部に収容された状態で、前記第2の瓶の前記胴部の幅方向は、前記ブリスターパックの上方から前記正面が視認できる程度に前記ブリスターパックの幅方向に対して傾斜し前記正面は斜め上方に向いていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第2の瓶の前記胴部の幅は、前記胴部の上端から底部に至るにつれて次第に小さくなるように形成されると共に、前記胴部の厚さは、前記幅方向の中央が最も大きく前記幅方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成され、前記第2の瓶が前記第2収容部に収容された状態で、前記第2の瓶の軸心方向は前記首部が前記胴部よりも上方に位置するように前記ブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜しており、平面視した場合、前記第2の瓶の前記胴部寄りの前記キャップの箇所と、前記キャップ寄りで前記第2の瓶の前記胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ブリスターパックは平面視長方形を呈し、前記ブリスターパックは、前記平面視長方形の4辺に沿って延在する上端壁と、前記上端壁から下方に延在する側壁と、前記ブリスターパックの高さ方向の中間部で前記側壁から前記ブリスターパックの内側に延在する中間壁とを有し、前記第1収容部は、前記中間壁に設けられ前記第1の瓶の前記胴部、前記肩部、前記キャップを収容する第1胴部用凹部と第1肩部用凹部とキャップ用凹部とを含んで構成され、前記第2収容部は、前記中間壁に設けられ前記第2の瓶の前記胴部、前記肩部、前記首部を収容する第2胴部用凹部と第2肩部用凹部と首部用凹部とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第1肩部用凹部は、前記第1の瓶の前記肩部に当接しその上端が前記中間壁に接続される第1肩部用壁を有し、第2胴部用凹部は、前記第2の瓶の前記胴部の底部に当接しその上端が前記中間壁に接続される第2底部用壁を有し、前記ブリスターパックの幅方向の内側に位置する前記第1肩部用壁が接続された前記中間壁の部分と、前記第2底部用壁が接続された前記中間壁との部分により、平面視した場合に前記第1の瓶の前記首部側に凸状の凸状部分が設けられ、前記凸状部分に凹凸部が設けられ前記凸状部分は剛性が高められた第1補強壁部として形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記第1の瓶が前記第1収容部に収容された状態で、前記キャップは前記ブリスターパックの前記幅方向の両側に位置する前記側壁のうちの一方の側壁に寄せて配置され、前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所は、前記ブリスターパックの前記幅方向の一方における前記キャップ用凹部の箇所を構成しており、前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所に凹凸部が設けられ、前記一方の側壁で前記キャップに対向する箇所は剛性が高められた第2補強壁部として形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、平面視した場合、ブリスターパックの長さ方向に対して第1の瓶と第2の瓶の軸心方向はほぼ同じ方向に傾斜しており、ブリスターパックの幅方向から見て、ブリスターパックの長さ方向の中間部において、第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしているので、第1の瓶の軸心方向の長さを大きくした場合でも、ブリスターパックの幅、長さ、高さを変えることなく第1の瓶と第2の瓶と離した状態でブリスターパックに収容できる。そのため、ブリスターパックの大きさやブリスターパックを収容する箱の形状や大きさを変更することなく使用でき、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となり、また、輸送についてのコストアップを抑える上で有利となり、また、店頭で陳列する上でも有利となる。
また、第1の瓶の肩部と第2の瓶の胴部の底部とは離されているので、ブリスターパックの大きさを変えることなく第1の瓶と第2の瓶と離した状態でブリスターパックに収容する上で有利となる。
また、第1の瓶の軸心方向は首部が胴部よりも上方に位置するようにブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜しているので、第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部との衝突を防止し、キャップの損傷を防止する上で有利となる。
また、第2の瓶が第2収容部に収容された状態で、第2の瓶の胴部の幅方向は、ブリスターパックの上方から正面が視認できる程度にブリスターパックの幅方向に対して傾斜し正面は斜め上方に向いているので、第2の瓶の胴部の幅を大きくした場合でも、ブリスターパックや箱の大きさを変えずに第2の瓶を収容でき、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となる。
また、第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部との衝突を防止し、キャップの損傷を防止する上で有利となる。
また、第2の瓶が第2収容部に収容された状態で、第2の瓶の軸心方向は首部が胴部よりも上方に位置するようにブリスターパックの長さ方向に対して上下に傾斜しており、第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶のキャップと第2の瓶の胴部の底部との衝突を防止し、キャップの損傷を防止する上で有利となる。
また、平面視した場合、第2の瓶の第2胴部寄りのキャップの箇所と、キャップ寄りで第2の瓶の胴部の底部寄りの箇所とはオーバーラップしているので、箱の形状や大きさを変更することなく、第1の瓶と第2の瓶とを大型化する上で有利となり、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、ブリスターパックを上端壁と側壁と中間壁とで構成し、中間壁に、第1胴部用凹部と第1肩部用凹部とキャップ用凹部とからなる第1収容部と、第2胴部用凹部と第2肩部用凹部と首部用凹部とからなる第2収容部を設けるといった簡単な構成により第1の瓶と第2の瓶とを離した状態で収容できるブリスターパックの収容構造を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、キャップ用凹部よりもブリスターパックの幅方向の内側に位置する第1肩部用壁の上端が接続された中間壁の部分と、第2底部用壁が接続された中間壁との部分により、平面視した場合に第1の瓶の首部側に凸状の凸状部分が設けられ、この凸状部分は中間壁の剛性が高められた第1補強壁部として形成されているので、第1の瓶と第2の瓶とが収容されたブリスターパックが、箱に収容された場合、キャップが寄せられた側の箱の側面を下方に向けた落下した際の衝撃によるブリスターパックのねじれを防止できる。
そのため、ブリスターパックがねじれ、第2の瓶の胴部の底部寄りの箇所がキャップに衝突することによるキャップの損傷を防止する上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、キャップ用凹部が寄せられた一方の側壁でキャップに対向する箇所は、側壁の剛性が高められた第2補強部として形成されているので、第1の瓶と第2の瓶とが収容されたブリスターパックが、箱に収容された場合、キャップが寄せられた側の箱の側面を下方に向けて落下した際に、第2補強部はクッション材として機能し衝撃を緩和するので、キャップの先端面と外周面との角部が床面に当たることによるキャップの損傷を防止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】第1収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図8】第1収容部の上方で
図7と異なる角度から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図9】第2収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図10】第2収容部の上方で
図9と異なる角度から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図11】第1収容部の下方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図12】第1収容部の下方で
図11と異なる角度から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図13】第2収容部の下方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図14】第2収容部の下方で
図13と異なる角度から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図15】第1の瓶と第2の瓶とを収容したブリスターパックの平面図である。
【
図16】第1の瓶と第2の瓶とを収容したブリスターパックの底面図である。
【
図21】第1の瓶と第2の瓶とを収容した状態で第1収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図22】第1の瓶と第2の瓶とを収容した状態で
図21と異なる角度の第1収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図23】第1の瓶と第2の瓶とを収容した状態で第2収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図24】第1の瓶と第2の瓶とを収容した状態で
図23と異なる角度の第2収容部の上方から見たブリスターパックの斜視図である。
【
図26】(A)は第2の瓶の正面図、(B)は同平面図、(C)は同側面図、(D)は同底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態のブリスターパック10について説明する。
まず、ブリスターパック10に収容する薬剤揮散器から説明すると、薬剤揮散器は、揮散性の芳香剤や防虫剤、殺虫剤などの液状の薬剤を気密、液密に収容する瓶と、複数の棒状の薬剤揮散体14と、薬剤が注入され複数の棒状の薬剤揮散体が差し込まれる瓶とを備えている。
以後の説明では、薬剤を気密、液密に収容する瓶を第1の瓶12(
図25参照)と呼び、
図26(A)に想像線で示す複数の棒状の薬剤揮散体14が差し込まれる瓶を第2の瓶16(
図26参照)と呼ぶ。
第1の瓶12と第2の瓶16はブリスターパック10に収容され、このブリスターパック10は複数の棒状の薬剤揮散体14と共に直方体状の箱18(
図15、
図17、
図19参照)に収容されて市場に流通され、薬剤揮散器の購入者は、箱18からブリスターパック10と複数の棒状の薬剤揮散体14とを取り出し、ブリスターパック10から第1の瓶12と第2の瓶16とを取り出し、第2の瓶16に、第1の瓶12の薬剤を注入し、複数の棒状の薬剤揮散体14を第2の瓶16に差し込み、第2の瓶16から上方に突出する複数の棒状の薬剤揮散体14の部分から薬剤を揮散させて使用する。
複数の棒状の薬剤揮散体14は、木材製、藤(ラタン)製、竹材製、樹脂製、紙製等である。
第1の瓶12と第2の瓶16は、ガラス製または合成樹脂製であり、透明または半透明または不透明である。
【0009】
図25に示すように、第1の瓶12は、第1胴部1202と、第1胴部1202から起立する第1首部1204と、第1首部1204に装脱可能に取着された円筒状のキャップ1206とを備えている。
第1首部1204と第1胴部1202は共に円筒状を呈し、第1首部1204と反対に位置する第1胴部1202の底部1208は円形を呈し、第1首部1204寄りの第1胴部1202の箇所は第1首部1204に近づくにつれて断面積が次第に小さくなる第1肩部1210となっている。なお、瓶の肩部とは、首部と胴部の境の箇所を言い、肩部は、胴部の軸心と直交する平面で形成されていてもよく、その形状は任意である。
【0010】
図26(A)~(D)に示すように、第2の瓶16は、第2胴部1602と、第2胴部1602から起立する第2首部1604とを備えている。
図26(B)に示すように、第2胴部1602は、厚さT1と、厚さT1よりも大きい寸法の幅W1とを有し、平面視した場合、細長形状を呈している。
第2胴部1602の厚さT1方向の両方向のうちの一方に位置する面は正面1602Aとなっており、他方に位置する面は背面1602Bとなっており、正面1602Aや背面1602Bにはそれぞれ模様やキャラクター、商品名、製造会社名などが印刷されたシールなどが貼られる。
図26(A)に示すように、第2胴部1602を正面視した場合、第2胴部1602の幅W1は、上端から底部1608に至るに近づくにつれて次第に小さくなっている。
図26(B)に示すように、第2胴部1602の厚さT1は、幅W1方向の中央が最も大きく幅W1方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されている。
第2首部1604寄りの第2胴部1602の箇所は第2首部1604に近づくにつれて断面積が次第に小さくなる第2肩部1610となっている。
図26(D)に示すように、第2首部1604と反対に位置する第2胴部1602の底部1608は円形を呈している。
図26(A)に示すように、第2首部1604は円筒状を呈し、先端には厚肉環状部1604Aが形成され、厚肉環状部1604Aの内側が、棒状の薬剤揮散体14が差し込まれる開口1604Bとなっている。
【0011】
次に、それら第1の瓶12、第2の瓶16、複数の棒状の薬剤揮散体14を収容するブリスターパック10について説明する。
ブリスターパック10を構成する材料には、従来公知の様々な合成樹脂材料が使用可能である。
図1、
図3に示すように、ブリスターパック10は水平方向の幅W2と長さL2と上下方向の高さH2とを有し、平面視長方形であり、流通時に用いられる直方体状の箱18(
図15、
図17、
図19参照)の長手方向から箱18の内部に装脱できる寸法で形成されている。
箱18には厚紙や合成樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能であり、
図15、
図17、
図19に示すように、箱18は、上下方向で対向する上面1802および下面1804と、箱18の長さ方向において対向する一対の端面1806と、箱18の長さ方向と直交する方向において対向する左側面1808及び右側面1810とを有し、それらの面は長方形を呈している。
ブリスターパック10は箱18の内部に収容された状態で、箱18の内部の直方体状の輪郭内にがたつくことなく収まる形状、寸法で形成され、直方体状の箱18の内部の6面のそれぞれにブリスターパック10の箇所が当接し、あるいは、近接している。
図1に示すように、ブリスターパック10には、第1の瓶12を収容する上方に開放された第1収容部20と、第2の瓶16を収容する上方に開放された第2収容部22とがブリスターパック10の長さL2方向に並べられて設けられている。
図15に示すように、第1の瓶12と第2の瓶16とは、それらの軸心方向をブリスターパック10の長さ方向にほぼ沿わせ寝かされた状態で第1収容部20と第2収容部22に収容される。
【0012】
図15に示すように、第1収容部20は、第1の瓶12をそのキャップ1206をブリスターパック10の長さL2方向の一方に向け、第1胴部1202の底部1208をブリスターパック10の長さL2方向の他方に向けた状態で第1の瓶12の軸心方向及び軸心方向と直交する方向に移動不能に保持すると共に上方から取り出し可能に収容する。
第2収容部22は、第2の瓶16をその第2首部1604をブリスターパック10の長さL2方向の一方に向け、第2胴部1602の底部1608をブリスターパック10の長さL2方向の他方に向けた状態で第2の瓶16の軸心方向及び軸心方向と直交する方向に移動不能に保持し上方から取り出し可能に収容する。
第1の瓶12と第2の瓶16とがそれぞれ第1収容部20と第2収容部22に収容された状態で、第1の瓶12と第2の瓶16の全ての部分は接触せずに隙間をおいて切り離されており、平面視した場合、
図15に示すように、ブリスターパック10の長さL2方向に対して第1の瓶12と第2の瓶16の軸心方向は互いに同じ方向のブリスターパック10の幅W2方向に傾斜しており、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とは、ブリスターパック10の長さL2方向の中間部に位置している。
ブリスターパック10の幅W2方向から見て、
図17、
図18に示すように、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所とはオーバーラップし、また、第1の瓶12の第1肩部1210と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とは離されている。
図15、
図17に示すように、流通時に破損しないように、第1の瓶12と第2の瓶16とがそれぞれ第1収容部20、第2収容部22に収容された状態で、第1の瓶12と第2の瓶16とは、直方体状の箱18の内部の6面から言い換えると箱18の内部の輪郭の内側に離れた箇所に位置している。
【0013】
詳細に説明すると、平面視した場合ブリスターパック10は長方形状を呈し、この長方形の4辺をなすブリスターパック10の上端の箇所は、
図7~
図10に示すように、上方に向いた上端壁24が位置しており、
図11~
図14に示すように、上端壁24の外縁に、下方に折り返された折り返し壁26が形成され、また、
図1、
図7に示すように、折り返し壁26の下端に外側に屈曲されたフランジ壁2602が設けられ、さらに、上端壁24の内縁に、下方に折り返された側壁28が形成され、したがって、ブリスターパック10の4辺の上端は強度、剛性が高められたリブ形状を呈している。
平面視した場合、ブリスターパック10の4隅に位置する上端壁24の部分と、それら上端壁24に続く長方形の4辺上に位置する上端壁24の部分は、市場流通時に用いられる直方体状の箱18の内部において箱18の上面1802に当接可能に設けられ、ブリスターパック10の幅W2方向の両側のフランジ壁2602は、箱18の内部において箱18の幅方向両側の左側面1808、右側面1810に当接可能に、あるいは近接するように設けられ、ブリスターパック10の長さL2方向の両側のフランジ壁2602は、箱18の内部において箱18の長さ方向の両側の端面1806に当接可能に、あるいは近接するように設けられている。
したがって、箱18の内部において、上端壁24と折り返し壁26によりブリスターパック10の幅W2方向、長さL2方向のがたつきが防止される。
【0014】
上端壁24から下方に延在する側壁28の下端は場所にもよるが、
図3、
図4に示すように、ブリスターパック10の高さH2の4/5から1/2程度の高さの箇所に位置している。
図7~
図10に示すように、側壁28の下端からはブリスターパック10の輪郭の内側に延在する中間壁30が設けられている。
平面視した場合ブリスターパック10の4隅に位置する中間壁30の箇所に、
図11~
図14に示すように、ブリスターパック10の輪郭をなす長方形の外側に向かって膨出するスタッキングリブ32が設けられ、スタッキングリブ32の下面により、ブリスターパック10を拡げることなくブリスターパック10の積み重ねが円滑になされるように図られている。
【0015】
図1に示すように、第1収容部20は、ブリスターパック10の長さL2方向の一方の半部に設けられ、中間壁30の上方に開放状に設けられている。
図17、
図18に示すように、第1の瓶12が第1収容部20に寝かされて収容された状態で、第1の瓶12の軸心方向は第1首部1202及びキャップ1206が第1胴部1204よりも上方に位置するようにブリスターパック10の長さL2方向に対して上下に傾斜している。
図1に示すように、第1収容部20は、中間壁30から下方に窪み第1胴部1204のほぼ下半部を収容する第1胴部用凹部20Aと、第1胴部用凹部20Aと連通され第1肩部1210のほぼ下半部を収容する第1肩部用凹部20Bと、キャップ1206(第1首部1204)を収容するキャップ用凹部20Cとを含んで構成されている。
【0016】
図2、
図11~
図14に示すように、第1胴部用凹部20Aは、寝かされた第1胴部1202のほぼ下半部に当接する円筒面状の第1胴部用壁2002と、寝かされた第1胴部1202の底部1208の上端を除いた部分に当接可能な第1底部用壁2004と、第1下部膨出壁2006とを備えている。
図17~
図18に示すように、第1胴部用壁2002は、第1胴部1202の幅方向の両側においては、寝かされた第1胴部1202のほぼ下半部よりも上方の箇所まで収容している。
寝かされた第1胴部1202のほぼ下半部に第1胴部用壁2002が当接することで、第1の瓶12の軸心方向と直交する幅方向においてブリスターパック10に対して第1の瓶12が位置決めされた状態で保持される。
【0017】
図7、
図8に示すように、第1胴部用壁2002が中間壁30に接続する上端の互いに対向する両側には、収容された第1の瓶12の第1胴部1202にブリスターパック10の幅W2方向両側で上方から係止可能な第1胴部用係止壁2008が第1胴部用凹部20Aの長さ方向に間隔をおいて2つずつ設けられ、
図15、
図21に示すように、それら第1胴部用係止壁2008が第1の瓶12の第1胴部1202に係止することで、第1の瓶12の第1収容部20への収容状態が保持されるように図られている。
なお、ブリスターパック10の4辺の上端が強度、剛性が高められたリブ形状を呈していること、さらに、
図1に示すように、第1胴部用係止壁2008が設けられた箇所のブリスターパック10の幅方向の両側の上端壁24の箇所にそれぞれ幅広の上端壁24A、24B、幅広の中間壁30A、30Bを設けていることにより、第1胴部用係止壁2008の第1胴部1202への係止力が確保され、箱18がその上面1802を下方に向けた落下した際の第1の瓶12の第1収容部20からの抜けの防止が図られている。
【0018】
第1肩部用凹部20Bは、
図2、
図11~
図14に示すように、寝かされた第1肩部1210のほぼ下半部に当接可能で中間壁30に接続される第1肩部用壁2010を備えている。
【0019】
図9に示すように、ブリスターパック10の幅W2方向の内側に位置する第1肩部用壁2010の上端が接続された中間壁30の部分と、後述する第2底部用壁2204が接続された中間壁30との部分により、平面視した場合に第1の瓶12の第1首部1204側に凸状の凸状部分が設けられ、この凸状部分は第1補強壁部2012として形成されている。
すなわち、凸状部分の基部に、中間壁30から下方に窪む底壁2012Aが設けられ、凸状部分の先部に、底壁2012Aから中間壁30と同一の高さまで起立した上壁2012Bが設けられ、このような凹凸部を設けることで、
図21に示すように、第1の瓶12の第1肩部1210と第2の瓶16の底部1608との間に位置する中間壁30の箇所の剛性が高められた第1補強壁部2012が構成され、さらに、
図7に示すように、第1補強壁部2012が設けられた中間壁30の箇所に幅広の中間壁30Cと幅広の上端壁24Cを設けたことによりブリスターパック10の長さL2方向の中間部の剛性が確保され、衝撃を受けた際のブリスターパック10にねじれが生じないように図られている。
【0020】
第1の瓶12の第1胴部1202の底部1208が
図11、
図12に示す第1底部用壁2004に当接し、第1の瓶12の第1肩部1210が
図11、
図14に示す第1肩部用壁2010に当接することで、第1の瓶12の軸心方向は位置決めされる。
図11、
図12に示すように、第1下部膨出壁2006は、第1胴部用凹部20Aの底部で第1胴部用凹部20Aの幅方向と長さ方向の中央部に、下方に突出して設けられている。
第1下部膨出壁2006は、市場流通時に用いられる直方体状の箱18の内部において箱18の下面に当接可能に設けられている。
【0021】
図1、
図7に示すように、キャップ用凹部20Cは、ブリスターパック10の長さL2方向の中間部で、ブリスターパック10の幅W2方向の両側に位置する側壁28のうちの一方の側壁28(箱18の左側面1808寄りの箇所)に寄せて設けられている。
キャップ用凹部20Cは、
図2、
図13に示すように、寝かされたキャップ1206の外周面に下方から対向する円筒状のキャップ用壁2014と、キャップ用壁2014の先端から起立しキャップ1206の先端面に対向する平坦なキャップ用先端壁2016とを備えている。
【0022】
図9に示すように、キャップ用壁2014は、第2収容部22の第2胴部用凹部22Aに収容された第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所の側方に位置しており、第2胴部用凹部22A側に位置するキャップ用壁2014の箇所には、第2胴部用凹部22Aに近づくにつれて上昇する曲面壁2018が設けられている。
この曲面壁2018の上端は下方に折り返されて第2胴部用凹部22Aの第2胴部用壁2202の上端に接続され、第2胴部用壁2202として下方に折り返されている。
すなわち、曲面壁2018の上部と第2胴部用壁2202の上部とにより2つの壁部からなる上方に凸状の第1リブ2020が形成されている。
そして、第1肩部用凹部20B側の第1リブ2020の端部は第1補強壁部2012に接続され、第1肩部用凹部20Bと離れた第1リブ2020の端部は、キャップ用先端壁2016と後述する第2胴部用係止壁2208とが交差する角部に接続されていることから、キャップ用凹部20Cの剛性が高められ、また、衝撃を受けた際に第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とキャップ1206との衝突を阻止するように図られている。
【0023】
また、
図7に示すように、キャップ用凹部20Cが寄せられた一方の側壁28でキャップ1206に対向する箇所はキャップ用壁2014を構成しており、このキャップ用壁2014を構成する側壁28の箇所に凹凸部が設けられ、このキャップ用壁2014を構成する側壁28の箇所は第2補強部2022として構成されている。
すなわち、この側壁28の箇所には、ブリスターパック10の幅W2方向外側からキャップ1206に対向する第1外側壁2022Aと、第1外側壁2022Aよりもブリスターパック10の幅W2方向内側に位置する第2外側壁2022Bとからなる第2補強壁部2022が設けられ、この側壁28の箇所の剛性が高められている。
キャップ1206がキャップ用凹部20Cに収容された状態で、キャップ1206の先端面と外周面との角部は第2外側壁2022Bから離れた箇所で第2外側壁2022Bに対向しており、キャップ1206の外周面は第1外側壁2022Aに対して離れており、例えば、箱18の左側面1808を下方に向けて落下した際に、第2補強壁部2022により、キャップ1206の先端面と外周面との角部が床面に衝突することでのキャップ1206の損傷防止が図られている。
【0024】
図1に示すように、第2の瓶16を収容する第2収容部22は、ブリスターパック10の長さL2方向の他方の半部に設けられ、中間壁30の上方に開放状に設けられている。
図21、
図22に示すように、第2の瓶16が寝かされて第2収容部22に収容された状態で、第2の瓶16の第2胴部1602の幅W1方向は、第2の瓶16の上方から正面1602Aが視認できる程度にブリスターパック10の幅W2方向に対して傾斜し、正面1602Aは斜め上方に向いている。ここで視認できる程度の傾斜とは、30度から60度であり、本実施の形態では45度傾斜している。
図17、
図18に示すように、本実施の形態では、第2の瓶16が第2収容部22に収容された状態で、第2の瓶16の軸心方向は、第2首部1604が第2胴部1602よりも上方に位置するようにブリスターパック10の長さL2方向に対して上下に若干傾斜している。
図1に示すように、第2収容部22は、中間壁30から下方に窪み幅W1方向を傾かせて寝かされた状態の第2胴部1602のほぼ下半部を収容する第2胴部用凹部22Aと、第2胴部用凹部22Aと連通され第2肩部1610のほぼ下半部を収容する第2肩部用凹部22Bと、第2首部1604のほぼ下半部を収容する首部用凹部22Cとを含んで構成されている。
【0025】
図2に示すように、第2胴部用凹部22Aは、寝かされた状態の第2胴部1602のほぼ下半部に当接する曲面状の第2胴部用壁2202と、第2胴部1602の底部1608の上端を除いた部分に当接しその上端が中間壁30に接続される第2底部用壁2204と、第2下部膨出壁2206とを備えている。
ブリスターパック10の幅W2方向に対して第2胴部1602の幅W1方向を傾かせて寝かされることから、第2胴部用凹部22Aの幅方向の一方においては、
図24に示すように、第2胴部用壁2202の上端は、第2胴部1602の正面1602Aと背面1602Bとの境の箇所に位置しており、第2胴部用凹部22Aの幅方向の他方においては、第2胴部用壁2202の上端は、
図21に示すように、第2胴部1602の幅W1方向において正面1602Aの1/3程度の箇所に位置している。
【0026】
第2胴部用壁2202の上部の互いに対向する箇所には、
図1、
図15に示すように、収容された第2の瓶16の第2胴部1602にブリスターパック10の幅W2方向両側で上方から係止可能な第2胴部用係止壁2208がそれぞれ設けられ、それら一対の第2胴部用係止壁2208が第2の瓶16の第2胴部1602に係止することで、第2の瓶16が第2収容部22に収容された状態が保持されるように図られている。
なお、ブリスターパック10の4辺の上端が強度、剛性が高められたリブ形状を呈していること、
図9に示すように、ブリスターパック10の幅W2方向の一方において、第2胴部用係止壁2208が設けられた箇所の中間壁30に幅広の中間壁30Dを設けたこと、ブリスターパック10の幅W2方向の一方において第2胴部用係止壁2208はキャップ用先端壁2016と交差し角部を形成していることから、一対の第2胴部用係止壁2208が設けられた箇所の中間壁30Cの剛性が高められている。
したがって、第2胴部用係止壁2208の第2胴部1602への係止力が確保され、箱18がその上面1802を下方に向けた落下した際の第2の瓶16の第2収容部22からの抜けの防止が図られている。
【0027】
図9に示すように、第1の瓶12と第2の瓶16とがそれぞれ第1収容部20と第2収容部22に収容された状態で、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所との間には、曲面壁2018の上部と第2胴部用壁2202の上部とからなる第1リブ2020が介在していることから隙間が確保されている。
また、
図15に示すように、平面視した場合、第2の瓶16の胴部1602寄りのキャップ1206の箇所と、胴部1602のキャップ1206寄りで底部1608寄りの箇所とはオーバーラップしている。
【0028】
図2に示すように、第2下部膨出壁2206は、ブリスターパック10の幅W2方向における第2胴部用凹部22Aの中央に下方に突出して設けられている。
第2下部膨出壁2206は、市場流通時に用いられる直方体状の箱18の内部において箱18の下面に当接可能に、あるいは近接するように設けられ、箱18の内部において、上端壁24が箱18の上面に当接し、あるいは近接し、第1下部膨出壁2006と第2下部膨出壁2206が箱18の下面に当接し、あるいは近接することで、箱18内においてブリスターパック10の上下方向のがたつきが防止される。
図2、
図10に示すように、第2底部用壁2204は、第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608に当接可能に設けられている。
第2肩部用凹部22Bは、
図2、
図7に示すように、第2の瓶16の第2肩部1610のほぼ下半部に対向する円錐面状の第2肩部用壁2210を備えている。
第2収容部22に第2の瓶16が収容された状態で、第2肩部用壁2210と第2の瓶16の第2肩部1610との間には隙間が確保されている。
【0029】
図7に示すように、首部用凹部22Cは、第2首部1604の厚肉環状部1604Aの先端面のほぼ下半部に当接可能な首部用先端壁2212と、第2首部1604のほぼ下半部を収容し厚肉環状部1604Aの外周面のほぼ下半部に当接可能な首部用円筒壁2214とを備えている。
首部用先端壁2212には、第2の瓶16が第2収容部22に収容された状態で、第2首部1604の開口1604B内の下部に侵入し、開口1604B内で開口1604Bの縁に係止する開口用係止壁2216が膨出形成されている。
したがって、第2首部1604は、厚肉環状部1604Aの先端面のほぼ下半部が首部用先端壁2212に当接し、また、厚肉環状部1604Aの下方に位置する箇所が首部用円筒壁2214と開口用係止壁2216とにより上下に挟まれ、ブリスターパック10の高さH2、幅W2、長さL2方向における第2首部1604の位置決めがなされる。
すなわち、第2首部1604の先端が首部用先端壁2212に当接し、また、第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608が
図10に示す第2底部用壁2204に当接することで、第2の瓶16の軸心方向は位置決めがなされる。
【0030】
本実施の形態によれば、ブリスターパック10に、第1の瓶12を収容する第1収容部20と、第2の瓶16を収容する第2収容部22が設けられ、第1の瓶12と第2の瓶16とがそれぞれ第1収容部20と第2収容部22に収容された状態で平面視した場合、
図15に示すように、ブリスターパック10の長さL2方向に対して第1の瓶12と第2の瓶16の軸心方向はほぼ同じ方向に傾斜しており、ブリスターパック10の幅W2方向から見て、
図17に示すように、ブリスターパック10の長さL2方向の中間部において、第1の瓶12のキャップ1206(第1首部1204)と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所とはオーバーラップしている。
したがって、薬剤の収容量を多くするため第1の瓶12の軸心方向の長さL2を大きくした場合でも、ブリスターパック10の幅W2、長さL2、高さH2を変えることなく第1の瓶12と第2の瓶16と離した状態でブリスターパック10に収容できる。
そのため、ブリスターパック10の大きさや、ブリスターパック10を収容する箱18の形状や大きさを変更することなく使用でき、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となり、また、輸送についてのコストアップを抑える上で有利となる。
また、ブリスターパック10を介して箱18に収容された薬剤揮散器は、ブリスターパック10の長さL2方向を上下に向けて、すなわち、箱18の長手方向を上下に向けて店頭で陳列される。
本実施の形態によれば、ブリスターパック10の長さL2を抑えることができるので、箱18の高さを抑えることができ、店頭の陳列棚等で陳列する上でも有利となる。
また、ブリスターパック10の幅W2方向から見て、
図17に示すように、ブリスターパック10の長さL2方向の中間部において、第1の瓶12の第1肩部1210と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とは離されているので、ブリスターパック10の幅W2、長さL2、高さH2を変えることなく第1の瓶12と第2の瓶16と離した状態でブリスターパック10に収容する上で有利となる。
また、第1の瓶12が第1収容部20に収容された状態で、第1の瓶12の軸心方向は第1首部1204が第1胴部1202よりも上方に位置するようにブリスターパック10の長さL2方向に対して上下に傾斜しているので、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608との衝突を防止し、キャップ1206の損傷を防止する上で有利となる。
【0031】
また、第2の瓶16の第2胴部1602は、厚さT1と、厚さT1よりも大きい寸法の幅W1を有し、第2の瓶16の第2胴部1602の厚さT1方向の両方向のうちの一方に位置する面は正面1602Aとなっており、第2の瓶16が第2収容部22に収容された状態で、第2の瓶16の第2胴部1602の幅W1方向は、ブリスターパック10の上方から正面1602Aが視認できる程度にブリスターパック10の幅W1方向に対して傾斜し正面1602Aは斜め上方に向いているので、第2の瓶16の第2胴部1602の幅W1を大きくした場合でも、ブリスターパック10や箱18の大きさを変えずに第2の瓶16を収容でき、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となる。
また、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608との衝突を防止し、キャップ1206の損傷を防止する上で有利となる。
【0032】
また、第2の瓶16が第2収容部22に収容された状態で、第2の瓶16の軸心方向は第2首部1604が第2胴部1602よりも上方に位置するようにブリスターパック10の長さL2方向に対して上下に傾斜しているので、第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608とをより離した状態で収容する上で有利となり、衝撃を受けた際に第1の瓶12のキャップ1206と第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608との衝突を防止し、キャップ1206の損傷を防止する上で有利となる。
また、平面視した場合、第2の瓶16の第2胴部1602寄りのキャップ1206の箇所と、第2胴部1602のキャップ1206寄りで底部1608寄りの箇所とはオーバーラップしているので、箱18の形状や大きさを変更することなく、第1の瓶12と第2の瓶16とを大型化する上で有利となり、薬剤揮散器の包装についてのコストアップを抑える上で有利となる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、ブリスターパック10を上端壁24と側壁28と中間壁30とで構成し、中間壁30に、第1胴部用凹部20Aと第1肩部用凹部20Bとキャップ用凹部20Cとからなる第1収容部20と、第2胴部用凹部22Aと第2肩部用凹部22Bと首部用凹部22Cとからなる第2収容部22を設けるといった簡単な構成により第1の瓶12と第2の瓶16とを離した状態で収容できるブリスターパック10の収容構造を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、キャップ用凹部20Cよりもブリスターパック10の幅W2方向の内側に位置する第1肩部用壁2010の上端が接続された中間壁30の部分と、第2底部用壁2204が接続された中間壁30との部分により、平面視した場合に第1の瓶12の第1首部1204側に凸状の凸状部分が設けられ、この凸状部分は中間壁30の剛性が高められた第1補強壁部2012として形成されているので、箱18がその左側面1808を下方に向けた落下した際の衝撃によるブリスターパック10のねじれを防止できる。
そのため、ブリスターパック10がねじれ、第2の瓶16の第2胴部1602の底部1608寄りの箇所がキャップ1206に衝突することによるキャップ1206の損傷を防止する上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、キャップ用凹部20Cが寄せられた一方の側壁28でキャップ1206に対向する箇所は、側壁28の剛性が高められた第2補強部2022として形成されているので、箱18の左側面1808を下方に向けて落下した際に、第2補強部2022はクッション材として機能し衝撃を緩和するので、キャップ1206の先端面と外周面との角部が床面に当たることによるキャップ1206の損傷を防止する上で有利となる。
【0034】
なお、本実施の形態では、第1の瓶12と第2の瓶16の双方を傾けた場合について説明したが、第2の瓶16が小型である場合、円筒状である場合などでは、第2の瓶16の軸心をブリスターパック10の長さL2方向に沿わせて第2の瓶16を配置し、第1の瓶12のみを傾斜させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10 ブリスターパック
12 第1の瓶
1202 第1胴部
1204 第1首部
1206 キャップ
1208 第1胴部の底部
1210 第1肩部
14 薬剤揮散体
16 第2の瓶
1602 第2胴部
1602A 正面
1602B 背面
1604 第2首部
1604A 厚肉環状部
1604B 開口
1608 第2胴部の底部
1610 第2肩部
18 箱
1802 箱の上面
1804 箱の下面
1806 箱の端面
1808 箱の左側面
1810 箱の右側面
20 第1収容部
20A 第1胴部用凹部
20B 第1肩部用凹部
20C キャップ用凹部
2002 第1胴部用壁
2004 第1底部用壁
2006 第1下部膨出壁
2008 第1胴部用係止壁
2010 第1肩部用壁
2012 第1補強壁部
2012A 底壁
2012B 上壁
2014 キャップ用壁
2016 キャップ用先端壁
2018 曲面壁
2020 第1リブ
2022 第2補強壁部
2022A 第1外側壁
2022B 第2外側壁
22 第2収容部
22A 第2胴部用凹部
22B 第2肩部用凹部
22C 首部用凹部
2202 第2胴部用壁
2204 第2底部用壁
2206 第2下部膨出壁
2208 第2胴部用係止壁
2210 第2肩部用壁
2212 首部用先端壁
2214 首部用円筒壁
2216 開口用係止壁
24 上端壁
24A、24B、24C 幅広の上端壁
26 折り返し壁
2602 フランジ壁
28 側壁
30 中間壁
30A、30B、30C、30D 幅広の中間壁
32 スタッキングリブ
T1 第2の瓶の第2胴部の厚さ
W1 第2の瓶の第2胴部の幅
W2 ブリスターパックの幅
L2 ブリスターパックの長さ
H2 ブリスターパックの高さ