(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078979
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B41J 15/04 20060101AFI20240604BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B41J15/04
B41J29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191638
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】辻 泰成
(72)【発明者】
【氏名】田中 貢
【テーマコード(参考)】
2C060
2C061
【Fターム(参考)】
2C060BC03
2C060BC47
2C060BC55
2C060BC71
2C061AQ05
2C061AS07
2C061BB33
2C061BB35
2C061CD07
2C061CD14
(57)【要約】
【課題】シートの浮き上がりを部品点数を増加させることなく抑制できる搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送装置100は、搬送路43を区画するガイド部材と、上記ガイド部材よりもシートSの搬送方向50の下流に位置する第1ローラおよび第2ローラと、上記ガイド部材と対向する押さえ部材10と、上記第1ローラの外周面に当接する当接部と、を備えており、上記押さえ部材10は、上記当接部と接続される位置に開口18を有する箱体12を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路を区画するガイド部材と、
上記ガイド部材よりもシートの搬送方向の下流に位置する第1ローラおよび第2ローラと、
上記ガイド部材と対向する押さえ部材と、
上記第1ローラの外周面に当接する当接部と、を備えており、
上記押さえ部材は、上記当接部と接続される位置に開口を有する箱体を備える搬送装置。
【請求項2】
開口を有する筐体をさらに備えており、
上記搬送路は、上記開口に通じており、
上記箱体は、上記第1ローラと上記開口との間に位置しており、且つ上記開口から上記搬送方向に沿って視たときに、上記第1ローラの少なくとも一部と重なる請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記第1ローラを支持する支持部材をさらに備えており、
上記支持部材は、上記第1ローラが上記第2ローラから離れる方向に移動可能であり、
上記押さえ部材は、上記支持部材に支持されている請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記箱体において上記ガイド部材と対向する面は、平面である請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記第1ローラと上記開口との間に位置しており、上記搬送方向に沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、
上記第1ガイド面に対向する第2ガイド面を有する第2サイドガイドと、をさらに備えており、
上記箱体は、上記第1ガイド面と上記第2ガイド面との間に位置する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの浮き上がりを押さえる押さえ部材を備えた搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された記録装置は、押さえ部材を備える。押さえ部材は、記録部よりも搬送方向の前方に位置する。押さえ部材は、記録部から逆向きに搬送される記録媒体(シート)の上面に当接する。押さえ部材により、逆搬送される記録媒体が支持部材から離れるように浮き上がることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された記録装置は、押さえ部材と支持部材とをそれぞれ備えているので、2つの部品が配置されるための空間が、筐体の内部に必要となる。また、2つの部品を組み付ける工程も必要となる。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を増加させずにシートの浮き上がりを抑制する搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る搬送装置は、搬送路を区画するガイド部材と、上記ガイド部材よりもシートの搬送方向の下流に位置する第1ローラおよび第2ローラと、上記ガイド部材と対向する押さえ部材と、上記第1ローラの外周面に当接する当接部と、を備えており、上記押さえ部材は、上記当接部と接続される位置に開口を有する箱体を備える。
【0007】
上記構成によれば、ローラ対によりシートが搬送方向と逆向きに搬送されるとき、押さえ部材によりシートがガイド部材から浮き上がることが抑制される。当接部が第1ローラの外周面から除去した紙粉が箱体に収容される。押さえ部材が紙粉収容箱としても機能するので、部品点数の増加が抑制される。
【0008】
(2) 好ましくは、開口を有する筐体をさらに備えており、上記搬送路は、上記開口に通じており、上記箱体は、上記第1ローラと上記開口との間に位置しており、且つ上記開口から上記搬送方向に沿って視たときに、上記第1ローラの少なくとも一部と重なる請求項1に記載の搬送装置である。
【0009】
上記構成によれば、開口から搬送方向に沿って視たときに、第1ローラと箱体とが重なるので、開口を通じて第1ローラへアクセスし難くなる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記第1ローラを支持する支持部材をさらに備えており、上記支持部材は、上記第1ローラが上記第2ローラから離れる方向に移動可能であり、上記押さえ部材は、上記支持部材に支持されている請求項2に記載の搬送装置である。
【0011】
上記構成によれば、支持部材が移動されることにより、第1ローラと第2ローラとが離れる。押さえ部材が支持部材とともに移動するので、搬送路にシートをセットし易い。
【0012】
(4) 好ましくは、上記箱体において上記ガイド部材と対向する面は、平面である請求項1に記載の搬送装置である。
【0013】
(5) 好ましくは、上記第1ローラと上記開口との間に位置しており、上記搬送方向に沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、上記第1ガイド面に対向する第2ガイド面を有する第2サイドガイドと、をさらに備えており、上記箱体は、上記第1ガイド面と上記第2ガイド面との間に位置する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置である。
【0014】
上記構成によれば、第1サイドガイドと第2サイドガイドとの間でシートが浮き上がろうとしても、箱体によりシートの浮き上がりが抑制される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シートの浮き上がりを部品点数を増加させることなく抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図2は、搬送装置の内部構造を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、搬送装置の支持部材を開放した状態の内部構造を示す縦断面図である。
【
図8】
図8は、搬送装置の後面を示す平面図である。
【
図9】
図9は、第1サイドガイドおよび第2サイドガイドを近接させた搬送装置の後面を示す平面図である。
【
図10】
図10は、押さえ部材によってシートを押えている状態の断面部分拡大図である。
【
図11】
図11は、支持部材を開放した搬送装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0018】
また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、搬送装置100が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、排出口33が設けられている側を手前側(前面)として前後方向8が定義され、搬送装置100を手前側(前面)から見て左右方向9が定義される。
【0019】
[搬送装置100の外観構成]
図1および
図2に示されるように、搬送装置100は、ロール体37から引き出されたシートSおよび開口115から挿入されたファンフォールド紙F(シートの一例)を搬送可能な搬送装置100と、シートSまたはファンフォールド紙Fに画像をインクジェット記録方式で記録可能なヘッド38と、を有する。なお、以下では、シートSとファンフォールド紙Fの両方を含めて説明するときは記録媒体として説明する。
【0020】
搬送装置100は、筐体30、記録媒体が搬送される搬送路43、及び記録媒体を搬送する搬送部71を備える。筐体30は、全体として概ね直方体形状であって、卓上に載置可能な大きさである。筐体30は、右壁部30R及び左壁部30Lと、上壁部30U及び下壁部30D(
図2参照)と、前壁部30F及び後壁部30Bと、を有する。右壁部30R及び左壁部30Lは、左右方向9に離れて位置する。上壁部30U及び下壁部30Dは、上下方向7に離れて位置する。前壁部30F及び後壁部30Bは、前後方向8に離れて位置する。
【0021】
前壁部30Fには、ヘッド38によって記録された記録媒体が排出される排出口33が形成されている。排出口33は、前壁部30Fの上部に位置している。排出口33は、上下方向7よりも左右方向9に長い矩形状である。前壁部30Fの上部には操作パネル44が設けられている。操作パネル44は、搬送装置100を動作させたり各種設定を確定したりするための入力を作業者から受け付ける。
【0022】
筐体30は、第1上カバー31A(支持部材の一例)と第2上カバー31Bとを有する。第1上カバー31Aは、上壁部30Uの後方側の一部と右壁部30Rの後方側の上部を形成している(
図1参照)。第1上カバー31Aは、左右方向9に延びる回動軸15(
図2参照)を中心に回動可能に後壁部30Bの上端部に連結されている。第1上カバー31Aは、
図1および
図2に示される閉位置から、上壁部30Uの後方側の一部が上方へ持ち上げられるようにして回動されて、
図3、
図10に示される開位置まで回動する。第1上カバー31Aが開位置まで回動すると、筐体30の内部空間30Aが外部へ露出される。
【0023】
第2上カバー31Bは、第1上カバー31Aの前方に位置している。第2上カバー31Bは、左壁部30Lの上部と右壁部30Rの前方側の上部と上壁部30Uの前方側と上壁部30Uの後方側の一部とを形成している(
図1参照)。第2上カバー31Bは、左右方向9に延びる回動軸15を中心に回動可能に後壁部30Bの上端部に連結されている。第2上カバー31Bは、
図1に示される閉位置から、
図3に示されるように、上壁部30Uの前方側の一部が上方へ持ち上げられるようにして回動されて開位置まで回動する。閉位置の第2上カバー31Bは、筐体30の内部空間30Aを塞ぐ(
図2参照)。開位置の第2上カバー31Bは、筐体30の内部空間30Aを外部に対して開く。
【0024】
図2、
図3に示されるように、後壁部30Bは、第1上カバー31Aの回動に連動して回動する。後壁部30Bは、左右方向9に延びる回動軸16を中心に回動可能に下壁部30Dの後端部に連結されている。後壁部30Bは、下壁部30Dに対して直角になる閉位置と、閉位置から後向き52に回動した開位置と、に移動可能である(
図11参照)。後壁部30Bは、第1上カバー31Aが閉位置から開位置に向かって回動することに伴って、後壁部30Bが閉位置から開位置に向かって回動する。閉位置の後壁部30Bは、筐体30の内部空間30Aを塞ぐ。開位置の後壁部30Bは、筐体30の内部空間30Aを外部に対して開く。
【0025】
後壁部30Bには、筐体30の内部空間30Aと外部とを連通する開口115が形成されている(
図2参照)。開口115は、後壁部30Bの上部に位置している。開口115は、上下方向7よりも左右方向9に長い矩形状に形成されている。開口115の左右方向9の中央は、後壁部30Bの左右方向9の中央よりも左方に位置している。開口115は、ファンフォールド紙Fが通過可能である。
【0026】
図2に示されるように、搬送路43は、筐体30の内部空間30Aにおいてロール紙収容空間30Cから上向きに延びた後、排出口33まで前向き51に延びている。具体的には、搬送路43は、第1搬送路43Aおよび第2搬送路43Bを有する。第1搬送路43Aは、ロール紙収容空間30Cから隙間42を通って後述のテンショナ45の上端45Aまで上向き53に延びた後、搬送ローラ対36まで前向き51に延びている。第2搬送路43Bは、テンショナ45の上端45Aから開口115に通じている。第2搬送路43Bは、搬送ローラ対36から前向き51に延びて排出口33に繋がっている。
【0027】
[搬送装置100の内部構成]
筐体30の内部空間30Aには、2つのサイドフレーム20が設けられている。各サイドフレーム20は、鋼板からなる平板形状であり、支持する部材に応じた形状の切り欠きや貫通孔が適宜形成されている。2つのサイドフレーム20は、左右方向9に離れて位置する。各サイドフレーム20は、筐体30の下壁部30Dに連結されている。各サイドフレーム20の連結は、ネジ止めや溶接によりなされている。
【0028】
筐体30の内部空間30Aにおけるサイドフレーム20の間には、
図2および
図3に示されるように、ロール体ホルダ35、テンショナ45、搬送部71、ヘッド38、支持機構116、ヒータ39、支持台47、およびカッターユニット26が配置されている。
【0029】
筐体30の内部空間30Aには、隔壁41が設けられている。隔壁41は、内部空間30Aの後方側の下部を仕切って、ロール紙収容空間30Cを区画する。ロール紙収容空間30Cは、隔壁41、後壁部30B、及び下壁部30Dによって包囲され、ヘッド38などから隔離された空間である。ロール紙収容空間30Cには、ロール体37、及びロール体ホルダ35が収容される。
【0030】
ロール紙収容空間30Cには、ロール体37、及びロール体ホルダ35が収容される。ロール体37は、芯管と、長尺のシートSとを有している。シートSは、芯管の軸芯の周方向にロール状に芯管に巻回されている。シートSは、搬送装置100が画像を記録可能な最小幅から最大幅までの幅をとり得る。すなわち、ロール紙収容空間30Cには、幅が異なる複数種類のロール体37が収容可能である。なお、ロール体37は、芯管を有さず、シートSがロール体ホルダ35に装着可能にロール状に巻回されていてもよい。
【0031】
ロール紙収容空間30Cは、後部において上向き53に開口している。詳細には、隔壁41と後壁部30Bとの間、すなわち、ロール体37の後端の上方に隙間42が形成されている。シートSは、搬送部71によってロール体37の後端から上方に引き出され隙間42を介してテンショナ45へと案内される。
【0032】
テンショナ45は、内部空間30Aの後部において隔壁41よりも上方に位置する。テンショナ45は、後壁部30Bの開口115と前後方向8に対向している。テンショナ45は、筐体30の内部空間30Aに設けられたサイドフレーム20に回動可能に支持されている。テンショナ45の詳細については、後に説明する。
【0033】
搬送部71は、ロール紙収容空間30Cに収納されたロール体37のシートSと、筐体30の外部から開口115を通して筐体30の内部空間30Aに挿入されたファンフォールド紙Fを搬送路43に沿って搬送可能に構成されている。具体的には、搬送部71は、第1搬送路43Aに位置する第1搬送部71Aと、第2搬送路43Bに位置する第2搬送部71Bと、を有する。
【0034】
第1搬送部71Aは、ロール体ホルダ35によって構成されている。ロール体ホルダ35は、図示しないモータからの駆動力によって回転することでロール体37を回転させる。これにより、ロール体ホルダ35は、ロール体37からシートSを繰り出す。
【0035】
第2搬送部71Bは、搬送ローラ対36から排出口33まで記録媒体を搬送する。第2搬送部71Bは、搬送ローラ対36、支持台47(ガイド部材の一例)、押さえ部材10、排出ローラ対40、及び搬送ベルト117を有する。
【0036】
搬送ローラ対36は、テンショナ45の前方に位置する。搬送ローラ対36は、テンショナ45によって案内されたシートSまたは開口115を通して筐体30の内部空間30Aに挿入されたファンフォールド紙Fを前向き51に搬送する。具体的には、搬送ローラ対36は、搬送ローラ36B(第2ローラの一例)とピンチローラ36A(第1ローラの一例)とを有する。搬送ローラ36Bは、サイドフレーム20に回転可能に支持されている。搬送ローラ36Bは、図示しないモータから駆動伝達されて回転することによって、ピンチローラ36Aとの間に記録媒体をニップしつつ前向きに記録媒体を搬送する。
【0037】
支持台47は、テンショナ45の前方に位置する。支持台47は、搬送ローラ対36の後方(搬送方向50の下流)に位置する。支持台47は、搬送路43の下方に位置する。支持台47は、ロール体37から繰り出されるシートSまたは開口115を通して筐体30の内部空間に挿入されるとともに、テンショナ45によって案内されるファンフォールド紙Fの下面を支持する。支持台47は、平面である上面でシートSまたはファンフォールド紙Fの下面を支持する。支持台47は、搬送路43を区画する。
【0038】
図2および
図3に示されるように、ピンチローラ36Aの後方には、支持台47からのファンフォールド紙Fの浮き上がりを抑制する押さえ部材10が位置している。押さえ部材10は、支持台47に対向する。押さえ部材10は、ピンチローラ36Aに付着する紙粉を収容する紙粉収容箱としても機能する。押さえ部材10の詳細については、後に説明する。
【0039】
排出ローラ対40は、搬送ローラ対36よりも前方に位置する。排出ローラ対40は、記録媒体の下面に当接する排出ローラ40Aと記録媒体の上面に当接する拍車40Bとを有する。排出ローラ40Aは、サイドフレーム20に回転可能に支持されている。排出ローラ40Aは、回転することによって、拍車40Bとの間に記録媒体をニップしつつ前向き51に記録媒体を搬送する。
【0040】
ヘッド38は、搬送ローラ対36の前方であって、排出ローラ対40よりも後方に位置する。ヘッド38は、複数のノズル38Aを有する。複数のノズル38Aは、支持機構116に支持された記録媒体へ向かってインクを液滴として下方へ吐出する。これにより、記録媒体の上面に画像が記録される。ヘッド38には、筐体30の内部空間30Aに配置されたインクタンク(図示せず)がチューブ(図示せず)によってインクを供給可能に接続されている。インクとしては、例えば、水、顔料、熱可塑性樹脂微粒子を含む水性インクが用いられる。本実施形態におけるインクは、加熱によってシートSに定着させることができるものであれば、特に限定されることはない。
【0041】
支持機構116は、搬送ローラ対36よりも前方に位置する。支持機構116は、ヘッド38の下方に位置している。支持機構116は、ヘッド38と上下方向7に対向している。支持機構116は、搬送ベルト117と、搬送ベルト117を支持する支持部118と、を有する。搬送ベルト117は、回転することによって、記録媒体の下面を支持しつつ前向き51に記録媒体を搬送する。搬送ベルト117は、支持機構116の一部と搬送部71の一部とを構成している。
【0042】
支持台47は、搬送路43の下方に位置している。支持台47は、ヘッド38及び支持機構116よりも前方に位置する。支持台47の後部には、ヒータ39が位置している。支持台47の前部は、排出ローラ40Aと対向している。支持台47は、支持機構116の搬送ベルト117によって前向きに搬送されてきた記録媒体を支持する。
【0043】
カッターユニット26は、排出ローラ対40の前方に位置する。カッターユニット26は、シートSを切断するカッター28と、カッター28を保持するカッターホルダ27と、を有する。カッターユニット26は、シートSを左右方向9に沿って切断できれば、特に限定されない。例えば、カッターユニット26は、左右方向9に移動することによってシートSを切断してもよい。
【0044】
[テンショナ45]
図2および
図3に示されるように、テンショナ45は、左右方向9に延びる回動軸45Cと、回動軸45Cから延びるフラップ45Bと、を有する。回動軸45Cは、サイドフレーム20に回動可能に軸支されている。フラップ45Bは、上下方向7及び左右方向9に延びる平板を前方に湾曲させた形状を有する。フラップ45Bは、回動軸45Cの回動により、記録媒体を案内する案内位置と、案内位置よりも後方に位置する突出位置と、案内位置よりも前方に位置する引込位置と、の間を移動可能である。フラップ45Bは、開口115へ向かって付勢されている。テンショナ45は、ロール体37から引き出されたシートSに当接してテンションを付与する。
【0045】
図4および
図5に示されるように、テンショナ45は、記録媒体の左右方向9への移動を規制する第1サイドガイド48と、第2サイドガイド49と、を備えている。第1サイドガイド48は、左右方向9に面を向けている板体である。第1サイドガイド48は、搬送方向50に沿って拡がる第1ガイド面48Aを有している。第1サイドガイド48は、ピンチローラ36Aと開口115との間に位置している。
図2から
図5において、第1サイドガイド48は、搬送路43の右方側に位置している。第1ガイド面48Aは、例えば、左方を向く面である。
【0046】
第2サイドガイド49は、左右方向9に面を向けている板体である。第2サイドガイド49は、搬送方向50に沿って拡がる第2ガイド面49Aを有している。第2ガイド面49Aは、第1ガイド面48Aに対向配置されている。すなわち、第2ガイド面49Aは、右方を向く面である。第2サイドガイド49は、第1ローラと開口115との間に位置している。
【0047】
図4および
図5に示されるように、第1サイドガイド48および第2サイドガイド49は、左右方向に沿って互いに移動可能になっている。第1サイドガイド48および第2サイドガイド49は、例えば、互いに左右方向9に離れた状態(
図4参照)と、互いに接近した状態(
図5参照)との間で移動可能になっている。第1サイドガイド48および第2サイドガイド49は、例えば、互いに接近する方向または離間する方向に連動して移動可能になっている。第1サイドガイド48および第2サイドガイド49は、例えば、図示しないラックピニオン機構によって、相互に移動可能になっている。
【0048】
[押さえ部材10]
図2および
図3に示されるように、押さえ部材10は、前後方向8において、搬送ローラ対36と、開口115との間に配置されている。押さえ部材10は、支持台47の上方に配置されている。すなわち、押さえ部材10の下面は、上下方向7において、支持台47と対向している。押さえ部材10は、上下方向7において、支持台47の上面との間で搬送路43を区画している。押さえ部材10は、例えば、樹脂製である。押さえ部材10の後端部の下方には、テンショナ45が位置している。すなわち、押さえ部材10の後端部の下面は、上下方向7において、テンショナ45に対向する。押さえ部材10は、板体11(当接部の一例)と、箱体12と、を備える。なお、板体11は、箱体12とは、別の成型品として構成されている。
【0049】
[板体11]
図6,8,および9に示されるように、板体11は、左右方向9および前後方向8に延びる面を有する。すなわち、板体11は、上下方向7に面を向けて位置している。板体11の前方側の端部11Cは、前方および上方に向けて屈曲されている。すなわち、前方の端部11Cの下面(以下、前面11Dともいう)は、前方を向く。板体11の後端は、箱体12に接続されている。前面11Dの左右方向における寸法L5(
図8参照)は、ピンチローラ36Aの左右方向9における寸法と同じまたはより長い(L5=L6またはL5>L6)。
【0050】
前面11Dには、ピンチローラ36Aに当接するパッド11Aが取り付けられている。パッド11Aは、例えば、コルク入りのゴムやウレタン等のピンチローラ36Aに当接することにより弾性変形する弾性体である。パッド11Aは、左右方向9に延びる。パッド11Aは、例えば、断面が矩形の棒体である。パッド11Aは、上方および後方を向く後面11Gで板体11の前面11Dに接続される。
図6,9,10,11に示されるように、パッド11Aは、下方および前方を向く前面11Eでピンチローラ36Aに当接する。具体的には、パッド11Aは、下方および前方を向く前面11Eで、ピンチローラ36Aの上方および後方を向く位置に当接する。パッド11Aの前面11Eは、ピンチローラ36Aの図示しない回転軸に向けて圧接されている。板体11およびパッド11Aは、ピンチローラ36Aの紙粉を払拭する紙粉払拭機構の一部である。
【0051】
板体11の上面11Fには、左右方向9に面を向けた複数の凸部11Bが位置している。凸部11Bは、左右方向9に面を向ける板体である。凸部11Bは、上面11Fの前端から後端にかけて前後方向8に沿って延びる。複数の凸部11Bは、左右方向9に沿って、板体11の上面11Fから一定間隔ごとにそれぞれ突出している。複数の凸部11Bは、板体11の上下方向7の撓みを抑制する。
【0052】
[箱体12]
図6から
図9に示されるように、箱体12は、左右方向9に延びる概ね直方体形状である。箱体12は、収容部13と、突出部14と、を備える。
【0053】
[収容部13]
収容部13は、ピンチローラ36Aに付着する紙粉を収容する紙粉収容箱である。収容部13は、紙粉払拭機構の一部である。収容部13は、内部に空間を有する。収容部13は、左右方向9に延びている。収容部13の下部は、前後方向8に拡幅されている。
【0054】
図2に示されるように、収容部13は、ピンチローラ36Aと開口115との間に位置している。収容部13は、例えば、ピンチローラ36Aの軸位置と前後方向で並ぶ。
図4および
図5に示されるように、収容部13は、開口115から搬送方向50に沿って視たときに視認可能である。収容部13は、開口115から搬送方向50に沿って視たときにピンチローラ36Aの少なくとも一部を遮蔽する。
【0055】
収容部13の下面13Dは、左右方向および前後方向に拡がる矩形の平面である。収容部13の前面13Aは、前方から視た形状が矩形である。収容部13の前面13Aの下端は、下面13Dの前端に接続されている。収容部13の下面13Dは、ファンフォールド紙Fの浮き上がり抑制機構の一部である。収容部13の後面13Bは、後方から視た形状が矩形である。収容部13の後面13Bの下端は、下面13Dの後端に接続されている。
【0056】
収容部13の左面13Eは、左方を向く平面である。収容部13の左面13Eの下端は、下面13Dの左端に接続されている。収容部13の左面13Eの前端は、前面13Aの左端に接続されている。収容部13の左面13Eの後端は、後面13Bの左端に接続されている。収容部13の右面13Fは、右方を向く平面である。収容部13の右面13Fの下端は、下面13Dの右端に接続されている。収容部13の右面13Fの前端は、前面13Aの右端に接続されている。収容部13の右面13Fの後端は、後面13Bの右端に接続されている。収容部13の上面13Cは、左右方向および前後方向に拡がる矩形の平面である。収容部13の上面13Cの前端は、前面13Aの上端に接続されている。収容部13の上面13Cの後端は、後面13Bの上端に接続されている。収容部13の上面13Cの左端は、左面13Eの上端に接続されている。収容部13の上面13Cの右端は、右面13Fの上端に接続されている。
【0057】
収容部13の前面13Aにおける上部には、前面13Aを貫通する開口18が位置している。開口18は、左右方向9に延びる。開口18の下端には、板体11の後端が接続されている。すなわち、開口18は、接続される板体11の左右方向9に沿って延びている。開口18は、外部から収容部13の内部へのアクセスを可能にする。
【0058】
収容部13の左右方向9の長さL1は、板体11の長さL2よりも長い(L1>L2、
図8参照)。収容部13の上下方向7の長さL3は、板体11の上下方向7の長さL4(下面13Dと上面13Cとの間の長さ)よりも長い(L3>L4、
図6参照)。
【0059】
図6に示されるように、収容部13の前面13Aは、下部が前方および上方に向けて傾斜する。収容部13の前面13Aの下部には、前面13Aから突出する複数の凸部17が位置している。凸部17は、左右方向9に面を向ける板体である。凸部17は、左右方向9に沿って複数並べられる。凸部17は、例えば、4つ位置している。凸部17の下面17Aは、前方および上方に向けて傾斜されている。凸部17の下面17Aの後端は、収容部13の下面13Dの前端に接続されている。凸部17の下面17Aは、収容部13の下面13Dと面一である。凸部17の前端は、パッド11Aの後端よりも後方に位置している。これにより、凸部17とピンチローラ36Aとの接触が抑制される。凸部17は、ファンフォールド紙Fの浮き上がり抑制機構の一部である。
【0060】
収容部13の後面13Bの下部は、後方に向けて突出する。収容部13の後面13Bは、後方を向く第1面131と、上方を向く第2面132と、後方および下方を向く第3面133と、を備える。
【0061】
第1面131の上端は、上面の後端に接続される。第1面131の下端は、第2面132における上面の前端に接続される。第2面132の後端は、第3面133における前面の上端に接続される。
【0062】
第3面133の下端は、収容部13における下面の後端に接続される。第3面133は、第2面132の後端との接触位置の近く(上端部)で後方を向く。第3面133は、第1サイドガイド48および第2サイドガイド49よりも前方に位置する。
【0063】
図6,7,および9に示されるように、収容部13の上面13Cには、上面13Cから突出する複数の凸部19が位置している。複数の凸部19は、左右方向9に面を向ける板体である。凸部19は、収容部13の上面13Cにおいて左右方向9の両端部のそれぞれに位置している。収容部13には、上面13Cから凹む溝部21が位置している。溝部21は、前後方向8に沿って延びる。溝部21は、収容部13の後面13Bに接続されている。凸部19および溝部21は、第1上カバー31Aへの取付部材である。
【0064】
[突出部14]
突出部14は、矩形の板体である。突出部14は、収容部13の下面13Dにおける後端から後方に延伸されている。突出部14の下面14Cは、突出部14の下面13Dと面一である。
図7から
図9に示されるように、突出部14は、左右方向9において、収容部13の中央位置から後方に向けて突出する。突出部14における左右方向9の両端は、前後方向8に沿って延びる。突出部14の後方端は、左右方向9に沿って延び、左右方向9における両端の後端に接続される。突出部14の左右方向9の寸法L2(
図8参照)は、
図5のように互いに接近した状態の第1サイドガイド48および第2サイドガイド49間の寸法L5よりも小さい(L2<L5)。突出部14は、左右方向9において、第1サイドガイド48および第2サイドガイド49の間に位置する。突出部14は、ファンフォールド紙Fの浮き上がり抑制機構の一部である。
【0065】
突出部14の上面14Dには、左右方向9に面を向ける一対の板体14Aが位置している。板体14Aは、突出部14の左右方向9の両端に位置している。板体14Aの後端は、突出部14の後端よりも後方に膨出している。板体14Aの前端は、第2面132の後端に接続されている。板体14Aの後部の下面14Bは、上方且つ後方に向けて湾曲されている。具体的には、板体14Aの後部の下面14Bは、突出部14の左右方向9における後端から延びて、上方且つ後方に向けて湾曲されている。板体14Aの後部の下面14Bは、突出部14の下面14Cと面一になっている。板体14Aにおける後部の下面14Bは、湾曲により後方を向く。突出部14の前方端は、第2面132および第3面133に接続されている。
【0066】
[ファンフォールド紙Fの搬送動作]
次に、ファンフォールド紙Fの搬送動作について説明する。
ファンフォールド紙Fは、搬送方向50に連続するシートであって、搬送方向50において所定の間隔でミシン目が幅方向に形成されており、ミシン目に沿って綴れ織りされた状態で積層されている。
【0067】
ファンフォールド紙Fの搬送にあたり、
図11に示されるように、第1上カバー31Aが開放される。ファンフォールド紙Fの先端は、開口115から挿入される。ファンフォールド紙Fの先端部は、搬送ローラ36Bの上面に載置される。第1サイドガイド48および第2サイドガイド49は、ファンフォールド紙Fの幅に合わせて位置決めされる。具体的には、第1サイドガイド48の第1ガイド面48Aと、第2サイドガイド49の第2ガイド面49Aとの間の幅が、搬送対象のファンフォールド紙Fの幅に合わせて調整される(
図4および
図5参照)。
【0068】
図2に示されるように、第1上カバー31Aが閉じられることにより、ファンフォールド紙Fがピンチローラ36Aおよび搬送ローラ36Bにニップされる。ファンフォールド紙Fは、搬送ローラ36Bの駆動により、搬送方向50(前方)に向けて搬送される。ファンフォールド紙Fは、搬送により、ヘッド38の下方に移動する。ヘッド38の下方に搬送されたファンフォールド紙Fには、ノズル38Aからインクが吐出される。インクの吐出により、ファンフォールド紙Fには画像が記録される。
【0069】
インクの吐出を受けたファンフォールド紙Fは、ヒータ39の上方に搬送される。ファンフォールド紙Fに吐出されたインクは、ヒータ39からの加熱によりファンフォールド紙Fに定着する。ヒータ39を通過したファンフォールド紙Fは、排出ローラ対40にニップされて、排出口33から排出される。
【0070】
カッターユニット26は、排出口33から排出された記録済みのファンフォールド紙を切断する。カッターユニット26は、例えば、ファンフォールド紙Fの幅方向に延びるミシン目の近傍で記録済みのファンフォールド紙Fを切断する。切断位置より搬送方向50の上流に位置するファンフォールド紙Fは、一部がヘッド38の下方よりも排出口33に近い位置にある。そのため、このままの状態では、ヘッド38の下方よりも排出口33に近い位置にあるファンフォールド紙Fの一部に画像記録を行うことができない。これを解消するために、ファンフォールド紙Fを搬送方向50の逆方向に搬送する逆搬送が実施さされる。
【0071】
なお、ユーザは、排出口33から排出されたファンフォールド紙Fに対して、記録済みの部分をミシン目において切断してもよい。ユーザは、ファンフォールド紙Fの切断後、操作パネル44へ逆搬送の指示を入力してもよい。
【0072】
逆搬送の実施において、搬送装置100は、搬送ローラ36Bを逆回転する。搬送ローラ36Bが逆回転することにより、ファンフォールド紙Fは、搬送ローラ対36から開口115に向けて逆搬送される。ファンフォールド紙Fには、逆搬送の方向(後方)へのテンションがかかっていない。ファンフォールド紙Fは、搬送ローラ対36により開口115に向けて押し出すプッシュ搬送により搬送される。ファンフォールド紙Fは、支持台47またはテンショナ45等から摩擦などの搬送負荷を受ける。そのため、
図10に示されるように、搬送ローラ対36によって開口115に向けて押し出されたファンフォールド紙Fは、例えば、ミシン目(折り目)の位置Cで折り曲がろうとする。すなわち、ファンフォールド紙Fは、ミシン目の位置Cで支持台47から上方に向けて折り曲がろうとする。
【0073】
支持台47の上方には、押さえ部材10が位置している。ファンフォールド紙Fの浮き上がりが凸部17の下方で発生した場合、ファンフォールド紙Fは、凸部17の下面17Aに当接する(
図6参照)。ファンフォールド紙Fは、凸部17の下面17A、収容部13の下面13D、および突出部14の下面14Cを摺動しつつ開口115に案内される。
【0074】
ファンフォールド紙Fの浮き上がりが収容部13の下方で発生した場合、ファンフォールド紙Fは、収容部13の下面13Dに当接する。ファンフォールド紙Fは、収容部13の下面13Dおよび突出部14の下面14Cを摺動しつつ開口115に案内される。
【0075】
ファンフォールド紙Fの浮き上がりがテンショナ45の位置で発生した場合、ファンフォールド紙Fは、突出部14の下面14Cに当接する。ファンフォールド紙Fは、突出部14の下面14Cを摺動しつつ開口115に案内される。すなわち、ファンフォールド紙Fは、突出部14、第1ガイド面48A、第2ガイド面49A、およびテンショナ45の上端45Aで囲まれた空間を通り、開口115に案内される。以上により、ファンフォールド紙Fの逆搬送時に浮き上がりが発生したとしても、ファンフォールド紙Fを開口115に案内することができる。
【0076】
[紙粉除去動作]
板体11のパッド11Aは、ピンチローラ36Aの外周面を押圧している。
図2において、ピンチローラ36Aは、搬送ローラ36Bの回動により、時計回りに回動する。ピンチローラ36Aは、搬送ローラ36Bとの間にファンフォールド紙Fをニップしている。ピンチローラ36Aは、回動により、ニップしているファンフォールド紙Fを搬送方向50に搬送する。
【0077】
ピンチローラ36Aは、ニップによりファンフォールド紙Fの表面を押圧する。ピンチローラ36Aの外周面には、押圧によりファンフォールド紙Fの表面に存在する紙粉が付着する。紙粉は、ピンチローラ36Aの回動とともに回動する。具体的には、ファンフォールド紙Fから離れた紙粉は、ピンチローラ36Aの外周面に付着したまま時計回りに回動する。
【0078】
ピンチローラ36Aがさらに回動すると、紙粉は、パッド11Aに接触する。パッド11Aに接触した紙粉は、パッド11Aによってピンチローラ36Aの外周面から払拭される。払拭された紙粉は、板体11の上面11Fと開口18とを通り、収容部13の内部へ移動する。紙粉は、収容部13の内部に収容される。
【0079】
[実施形態の作用効果]
前述された実施形態では、搬送ローラ対36によりファンフォールド紙Fが搬送方向50と逆向きに搬送されるとき、押さえ部材10によりファンフォールド紙Fが支持台47から浮き上がることが抑制される。これにより、紙詰まりが抑制される。ピンチローラ36Aに付着する紙粉は、板体11によってピンチローラ36Aの外周面から除去される。除去された紙粉は、箱体12に収容される。押さえ部材10が紙粉収容箱としても機能するので、部品点数の増加が抑制される。
【0080】
開口115から搬送方向50に沿って視たときに、ピンチローラ36Aと箱体12とが重なるので、開口115を通じてピンチローラ36Aへアクセスし難くなる。
【0081】
第1上カバー31Aが移動されることにより、ピンチローラ36Aと搬送ローラ36Bとが離れる。押さえ部材10が第1上カバー31Aとともに移動するので、搬送路43にファンフォールド紙Fをセットし易い。
【0082】
第1サイドガイド48と第2サイドガイド49とが相互に接近する方向に移動されたとしても、突出部14に干渉しない。テンショナ45の位置においてもファンフォールド紙Fの浮き上がりを抑制できる。開口115に向けてファンフォールド紙Fを容易に案内できる。
【0083】
[変形例]
上記実施形態において、開口115から搬送方向50に沿って視たときに、箱体12とピンチローラ36Aとの少なくとも一部が重なるとしたが、これに限定されない。開口115(外部)からピンチローラ36Aへの物理的なアクセスが遮断可能であればよい。例えば、突出部14の下面14Cを前方側に傾斜させることでテンショナ45と突出部14との間の幅を狭めるようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態において、押さえ部材10が第1上カバー31Aに支持されているとしたが、これに限定されない。押さえ部材10は、第1上カバー31Aにおける左壁の内面に支持されていてもよい。
【0085】
上記実施形態において、支持台47に対向する箱体12の下面を平面としたが、これに限定されない。箱体12の下面は下方に突出して前後方向に湾曲する湾曲面であってもよい。
【0086】
上記実施形態において、第1サイドガイド48と第2サイドガイド49との間に押さえ部材10が位置するとしたが、これに制限されない。押さえ部材10は、第1サイドガイド48および第2サイドガイド49の上方に位置してもよい。
【0087】
上記実施形態において、ファンフォールド紙Fをシートの一例として説明したが、これに限定されない。逆搬送において、搬送ローラ対36から開口115に向けてプッシュ搬送されるシートであれば、いずれのシートであってもよい。例えば、筐体30の外部に位置して逆搬送時に巻取されないロール紙、カット紙のうち、搬送負荷を受けて湾曲しやすい程度の長さおよび柔軟性をもつカット紙等が考えられる。
【0088】
上記実施形態においては、板体11と箱体12とが別の成型品であるが、板体11と箱体12とは、一体の成型品であってもよい。また、板体11は、例えば、ピンチローラ36Aに装着されていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 押さえ部材
11 板体
12 箱体
13 収容部
14 突出部
18 開口
30 筐体
31A 第1上カバー
36 搬送ローラ対
36A ピンチローラ
36B 搬送ローラ
43 搬送路
45 テンショナ
47 支持台
48 第1サイドガイド
48A 第1ガイド面
49 第2サイドガイド
49A 第2ガイド面
50 搬送方向
100 搬送装置
115 開口