IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特開-計量キャップ 図1
  • 特開-計量キャップ 図2
  • 特開-計量キャップ 図3
  • 特開-計量キャップ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078994
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】計量キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B65D47/20 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191672
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】神村 千秋
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB07
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DC03
3E084EA04
3E084EC03
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084GB21
3E084LA22
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD02
3E084LE01
(57)【要約】
【課題】簡易な操作で所定量の粒状物を精度よく計量して取り出す。
【解決手段】通過孔は、容器本体内と取出筒内とを連通し、閉塞壁部は、通過孔の中心軸線回りに設けられた複数の分割壁により構成され、複数の分割壁は、弾性変形可能に形成された第1連結部を介して第1装着筒部に連結され、複数の分割壁の下面は、容器本体内から通過孔への粒状物の進入を規制し、複数の分割壁の上面には、上方に向けて延びる爪部が各別に設けられ、取出筒の下方移動に伴い、押下部が分割壁を押下したときに、分割壁が、第1連結部回りに下方に向けて弾性変位することにより、容器本体内から通過孔への粒状物の進入が許容され、かつ通過孔を通過した粒状物が爪部に保持され、取出筒のうち、上端開口縁より下方に位置する部分には、押し下げることによって取出筒を下方に向けて移動させることが可能な操作部が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物が収容された容器本体の口部に装着される中栓部材と、
前記中栓部材に対して上下動可能に設けられるとともに、前記中栓部材から上方に向けて突出し、粒状物が内側を通過可能な上下方向に延びる取出筒と、を備え、
前記中栓部材は、
前記口部に装着される第1装着筒部と、
前記第1装着筒部より径方向の内側に設けられ、前記口部の上端開口を閉塞し、かつ粒状物が通過可能な通過孔が形成された閉塞壁部と、を備え、
前記通過孔は、前記容器本体内と前記取出筒内とを連通し、
前記閉塞壁部は、前記通過孔の中心軸線回りに設けられた複数の分割壁により構成され、
複数の前記分割壁は、弾性変形可能に形成された第1連結部を介して前記第1装着筒部に連結され、
複数の前記分割壁の下面は、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入を規制し、
複数の前記分割壁の上面には、上方に向けて延びる爪部が各別に設けられ、
前記取出筒の下端開口縁は、前記取出筒の下方移動時に、複数の前記分割壁の上面のうち、前記爪部より径方向の外側に位置する部分を押下する押下部とされ、
前記取出筒の下方移動に伴い、前記押下部が前記分割壁を押下したときに、前記分割壁が、前記第1連結部回りに下方に向けて弾性変位することにより、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入が許容され、かつ前記通過孔を通過した粒状物が前記爪部に保持され、
前記取出筒のうち、上端開口縁より下方に位置する部分には、押し下げることによって前記取出筒を下方に向けて移動させることが可能な操作部が設けられている、計量キャップ。
【請求項2】
前記取出筒の下部の内周面には、下方に向けて開口した凹部が形成され、
前記凹部に、前記爪部が収容されている、請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記第1装着筒部、若しくは前記口部に、第2装着筒部が装着され、
前記第2装着筒部、および前記取出筒は、弾性変形可能に形成された第2連結部を介して互いに連結されている、請求項1または2に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記分割壁は、表裏面が上下方向を向き、かつ前記爪部が設けられた主板部と、前記主板部における径方向の外端部から上方に向けて延び、かつ上端部に前記第1連結部が連結された側板部と、を備え、
前記主板部の上面には、上方に向けて突出し、前記押下部により押下される被押下部が形成され、
前記被押下部は、前記爪部および前記側板部を径方向に連結している、請求項1または2に記載の計量キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、容器本体内から所定量の粒状物を計量して取り出すことができる計量キャップが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-107240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の計量キャップでは、簡易な操作で所定量の粒状物を精度よく計量して取り出すことが困難であり、使用性に問題がある。
【0005】
本発明は、簡易な操作で所定量の粒状物を精度よく計量して取り出すことができる計量キャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る計量キャップは、粒状物が収容された容器本体の口部に装着される中栓部材と、前記中栓部材に対して上下動可能に設けられるとともに、前記中栓部材から上方に向けて突出し、粒状物が内側を通過可能な上下方向に延びる取出筒と、を備え、前記中栓部材は、前記口部に装着される第1装着筒部と、前記第1装着筒部より径方向の内側に設けられ、前記口部の上端開口を閉塞し、かつ粒状物が通過可能な通過孔が形成された閉塞壁部と、を備え、前記通過孔は、前記容器本体内と前記取出筒内とを連通し、前記閉塞壁部は、前記通過孔の中心軸線回りに設けられた複数の分割壁により構成され、複数の前記分割壁は、弾性変形可能に形成された第1連結部を介して前記第1装着筒部に連結され、複数の前記分割壁の下面は、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入を規制し、複数の前記分割壁の上面には、上方に向けて延びる爪部が各別に設けられ、前記取出筒の下端開口縁は、前記取出筒の下方移動時に、複数の前記分割壁の上面のうち、前記爪部より径方向の外側に位置する部分を押下する押下部とされ、前記取出筒の下方移動に伴い、前記押下部が前記分割壁を押下したときに、前記分割壁が、前記第1連結部回りに下方に向けて弾性変位することにより、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入が許容され、かつ前記通過孔を通過した粒状物が前記爪部に保持され、前記取出筒のうち、上端開口縁より下方に位置する部分には、押し下げることによって前記取出筒を下方に向けて移動させることが可能な操作部が設けられている。
【0007】
取出筒の下方移動に伴い、押下部が分割壁を押下したときに、分割壁が、第1連結部回りに下方に向けて弾性変位することにより、容器本体内から通過孔への粒状物の進入が許容され、かつ通過孔を通過した粒状物が爪部に保持される。したがって、容器本体を口部が下方を向く姿勢にした状態で、取出筒を、容器本体側である下方に移動させたときに、容器本体内の粒状物が通過孔に進入し、この粒状物が複数の爪部に挟まれて保持されることで、所定量の粒状物が計量される。その後、取出筒が、容器本体の反対側である上方に復元移動するのに伴い、分割壁が第1連結部回りに上方に向けて復元移動することで、爪部に保持された所定量の粒状物が解放され、かつ容器本体内の粒状物が通過孔に進入することが分割壁の下面により規制される。
以上より、容器本体を口部が下方を向く姿勢にした状態で、取出筒を、容器本体側である下方に移動させた後に、上方に復元移動させるだけの簡易な操作で所定量の粒状物を精度よく計量して取り出すことができる。
【0008】
取出筒のうち、上端開口縁より下方に位置する部分に、押し下げることによって取出筒を下方に向けて移動させることが可能な操作部が形成されているので、取出筒を下方移動させる際、操作部を操作することによって、粒状物が取り出される取出筒に触れる必要を無くすことが可能になり、使用者の手に粒状物や取出筒の上端部が接触することが抑制され、例えば衛生面の点で使用者の心理的負担を低減すること等ができる。
【0009】
前記取出筒の下部の内周面には、下方に向けて開口した凹部が形成され、前記凹部に、前記爪部が収容されてもよい。
【0010】
爪部が、取出筒の下部の内周面に形成された凹部に収容されているので、分割壁が、第1連結部回りに下方に向けて弾性変位したときに、複数の爪部の上端部同士が互いに干渉し合うのを抑制すること可能になり、爪部の上端部の径方向の内側に向けた変位量を確保することができる。
【0011】
前記第1装着筒部、若しくは前記口部に、第2装着筒部が装着され、前記第2装着筒部、および前記取出筒は、弾性変形可能に形成された第2連結部を介して互いに連結されてもよい。
【0012】
第2装着筒部、および取出筒が、弾性変形可能に形成された第2連結部を介して互いに連結されているので、操作部を操作して取出筒を下方移動させたときに、第2連結部が弾性変形しながら、第1連結部が弾性変形して分割壁が下方に向けて弾性変位することとなる。したがって、操作部の押下げ操作を解除したときに、第1連結部および第2連結部の双方が復元変形することとなり、分割壁および取出筒の双方を確実に上方に向けて復元変位させることができる。
【0013】
前記分割壁は、表裏面が上下方向を向き、かつ前記爪部が設けられた主板部と、前記主板部における径方向の外端部から上方に向けて延び、かつ上端部に前記第1連結部が連結された側板部と、を備え、前記主板部の上面には、上方に向けて突出し、前記押下部により押下される被押下部が形成され、前記被押下部は、前記爪部および前記側板部を径方向に連結してもよい。
【0014】
分割壁が、押下部により押下される被押下部を備え、被押下部が、爪部および側板部を径方向に連結しているので、取出筒の下方移動に伴い、押下部が分割壁を押下したときに、主板部がたわむのを抑えて、分割壁を第1連結部回りに下方に向けて効率よく弾性変位させやすくなり、操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、簡易な操作で所定量の粒状物を精度よく計量して取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る一実施形態として示した計量キャップの縦断面図である。
図2図1において、オーバーキャップを取り外して上下反転した状態で、取出筒を押し込んだ計量時を示す図である。
図3図2において、取出筒を復元移動した取出し時を示す図である。
図4図1の中栓部材の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、一実施形態に係る計量キャップを説明する。
計量キャップ1は、図1に示されるように、中栓部材11と取出筒12とを備えている。
中栓部材11は、第1装着筒部13と閉塞壁部14とを備えている。
【0018】
第1装着筒部13は、例えば錠剤等の粒状物Wが収容された容器本体15の口部16に装着される。第1装着筒部13および容器本体15は、上下方向に延びる共通軸と同軸に配設される。
以下、この共通軸を中心軸線Oといい、上下方向から見て、中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
第1装着筒部13の下部が、口部16内に嵌合されて固定されている。第1装着筒部13の上部は、口部16より上方に位置している。第1装着筒部13には、径方向の外側に向けて突出して、口部16の上端開口縁に載置されたフランジ部13aが形成されている。
【0019】
閉塞壁部14は、第1装着筒部13より径方向の内側に設けられ、口部16の上端開口を閉塞している。閉塞壁部14には、粒状物Wが通過可能な通過孔17が形成されている。通過孔17は、中心軸線Oと同軸に配設されている。
図4に示されるように、閉塞壁部14は、中心軸線O回りに設けられた複数の分割壁21により構成されている。複数の分割壁21の下面における通過孔17の開口周縁部は、容器本体15内から通過孔17への粒状物Wの進入を規制している。複数の分割壁21それぞれの中心軸線Oを中心とする中心角は、互いに同じになっている。
【0020】
複数の分割壁21は、弾性変形可能に形成された複数の第1連結部18を介して第1装着筒部13に各別に連結されている。第1連結部18の周方向の大きさは、分割壁21の周方向の大きさより小さくなっている。第1連結部18は、分割壁21における周方向の中央部に連結されている。第1連結部18は、第1装着筒部13の上端開口縁から上方に向けて延び、上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。第1連結部18は、径方向の外側に向けて突の曲面状に形成されている。
【0021】
複数の分割壁21の上面には、上方に向けて延びる爪部31が各別に設けられている。爪部31は、1つの分割壁21に1つ設けられている。爪部31は、分割壁21における径方向の内端部に設けられている。爪部31は、分割壁21における周方向の全長にわたって設けられている。爪部31は、中心軸線Oを中心とする円弧状に形成されている。
【0022】
分割壁21は、表裏面が上下方向を向き、かつ爪部31が設けられた主板部28と、主板部28における径方向の外端部から上方に向けて延び、かつ上端部に第1連結部18が連結された側板部29と、を備えている。
主板部28における径方向の内端縁が、通過孔17の内周面を構成している。主板部28における径方向の内端部に、爪部31が設けられている。爪部31は、主板部28における径方向の内端縁より径方向の外側に位置している。主板部28は、径方向の外側から内側に向かうに従い上方に向けて延びている。主板部28の上端部は、側板部29の上端部より下方に位置している。上下方向に沿う縦断面視において、主板部28は、下方に向けて突の曲線状を呈する。前記縦断面視において、主板部28の表裏面に沿う長さは、側板部29の上下方向の長さより短くなっている。
【0023】
取出筒12は、上下方向に延び、中栓部材11から上方に向けて突出している。取出筒12内は、通過孔17を通して容器本体15内と連通している。取出筒12内を容器本体15内の粒状物Wが通過し、取出筒12の上端開口から取り出される。取出筒12は、中栓部材11の第1装着筒部13に対して上下動可能に設けられている。取出筒12の下端開口縁は、取出筒12の下方移動時に、複数の分割壁21の上面のうち、爪部31より径方向の外側に位置する部分を押下する押下部12aとされている。
【0024】
取出筒12の下方移動に伴い、押下部12aが分割壁21を押下したときに、分割壁21が、第1連結部18回りに下方に向けて弾性変位することにより、図2に示されるように、容器本体15内から通過孔17への粒状物Wの進入が許容され、かつ通過孔17を通過した粒状物W(図示の例では1つ)が爪部31に保持される。
押下部12aが分割壁21を押下すると、爪部31の上端部が径方向の内側に変位し、爪部31の下端部、および分割壁21の主板部28における径方向の内端縁が径方向の外側に変位する。このうち、主板部28における径方向の内端縁が径方向の外側に変位することにより、通過孔17が拡張する。
【0025】
ここで、本実施形態では、分割壁21における主板部28の上面に、上方に向けて突出し、押下部12aにより押下される被押下部38が形成されている。被押下部38は、表裏面が周方向を向き、径方向に延びる板状に形成されている。被押下部38は、爪部31および側板部29を径方向に連結している。被押下部38は、爪部31の下端部に連結されている。被押下部38の上端縁は、押下部12aの下端縁に当接、若しくは近接している。
【0026】
取出筒12の下部は、爪部31のうち、下端部より上方に位置する部分を径方向の外側から囲い、取出筒12の上部は、爪部31より上方に位置している。取出筒12の下部の上下方向の大きさは、取出筒12の上部の下方向の大きさより小さくなっている。取出筒12の下部の肉厚は、取出筒12の上部の肉厚より厚くなっている。取出筒12の下部の内周面には、下方に向けて開口した凹部12bが形成されており、凹部12bに爪部31が収容されている。取出筒12の内周面の上部、および爪部31のうち径方向の内側を向く内面それぞれの径方向の位置は互いに同等になっている。凹部12bは、取出筒12の下部における上下方向の全長にわたって設けられている。
【0027】
第1装着筒部13、若しくは口部16には、第2装着筒部23が装着されており、第2装着筒部23、および取出筒12が、弾性変形可能に形成された第2連結部24を介して互いに連結されている。これにより、取出筒12は、上下方向に弾性変位可能に設けられている。なお、取出筒12は、第2装着筒部23とともに上下方向に剛体変位可能に設けられてもよい。
【0028】
第2装着筒部23は、第1装着筒部13の上部に外装された上部と、口部16の上端部に外嵌された下部と、第1装着筒部13のフランジ部13aを口部16の上端開口縁との間で上下方向に挟む段部と、を備えている。第2装着筒部23の上部の直径は、第2装着筒部23の下部の直径より小さくなっている。
第2連結部24は、第2装着筒部23の上端開口縁と、取出筒12の下部の外周面と、を連結している。第2連結部24は、上方に向けて突の曲面状に形成されている。第2連結部24は、第1連結部18を上方から覆っている。
【0029】
口部16に、有頂筒状のオーバーキャップ26が着脱可能に装着されている。オーバーキャップ26の頂壁に、下方に向けて突出した突起26aが形成されている。突起26aは、中心軸線Oと同軸に配設され、取出筒12および爪部31それぞれの内側に挿入されている。突起26aの下端部は、通過孔17よりわずかに上方に位置している。
これにより、計量した粒状物Wを取出筒12の上端開口から取り出した後に、容器本体15内の粒状物Wが意図せず通過孔17の内周面に嵌っていても、オーバーキャップ26を口部16に装着したときに、この粒状物Wを突起26aによって容器本体15内に突き落として回収することができる。
【0030】
そして、本実施形態では、取出筒12のうち、上端開口縁より下方に位置する部分に、押し下げることによって取出筒12を下方に向けて移動させることが可能な操作部32が設けられている。操作部32は、取出筒12の外周面から径方向の外側に向けて突出している。操作部32は、周方向の全長にわたって連続して延びている。操作部32は、取出筒12の下部に設けられている。操作部32は、取出筒12の下部における上端部に設けられている。操作部32は、取出筒12と一体に形成されている。操作部32は、第2連結部24より上方に位置している。操作部32の径方向の外端部、および第2装着筒部23の上部それぞれの径方向の位置は互いに同等になっている。
【0031】
次に、以上のように構成された計量キャップ1の作用について説明する。
【0032】
図2に示されるように、オーバーキャップ26を口部16から外し、容器本体15を口部16が下方を向く姿勢にした状態で、容器本体15を把持しながら、2本の指で操作部32の上面を押下することで、取出筒12を、容器本体15側である下方に移動させ、押下部12aにより分割壁21を押下したときに、分割壁21が、第1連結部18回りに下方に向けて弾性変位することで、爪部31の上端部が径方向の内側に変位し、かつ爪部31の下端部が径方向の外側に変位する。これにより、容器本体15内の粒状物Wが通過孔17に進入し、この粒状物Wが複数の爪部31に挟まれて保持されることで、所定量の粒状物Wが計量される。
【0033】
その後、図3に示されるように、取出筒12が、容器本体15の反対側である上方に復元移動するのに伴い、分割壁21が第1連結部18回りに上方に向けて復元移動することで、爪部31に保持された所定量の粒状物Wが解放され、かつ容器本体15内の粒状物Wが通過孔17に進入することが分割壁21の下面により規制される。これにより、計量された所定量の粒状物Wのみが、取出筒12の上端開口から取り出される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態による計量キャップ1によれば、取出筒12の下方移動に伴い、押下部12aが分割壁21を押下したときに、分割壁21が、第1連結部18回りに下方に向けて弾性変位することにより、容器本体15内から通過孔17への粒状物Wの進入が許容され、かつ通過孔17を通過した粒状物Wが爪部31に保持されて、所定量の粒状物Wが計量され、その後、取出筒12が、容器本体15の反対側である上方に復元移動するのに伴い、分割壁21が第1連結部18回りに上方に向けて復元移動することで、爪部31に保持された所定量の粒状物Wが解放され、かつ容器本体15内の粒状物Wが通過孔17に進入することが分割壁21の下面により規制される。
【0035】
以上より、容器本体15を口部16が下方を向く姿勢にした状態で、取出筒12を、容器本体15側である下方に移動させた後に、上方に復元移動させるだけの簡易な操作で所定量の粒状物Wを精度よく計量して取り出すことができる。
【0036】
取出筒12のうち、上端開口縁より下方に位置する部分に、押し下げることによって取出筒12を下方に向けて移動させることが可能な操作部32が形成されているので、取出筒12を下方移動させる際、操作部32を操作することによって、粒状物Wが取り出される取出筒12に触れる必要を無くすことが可能になり、使用者の手に粒状物Wや取出筒12の上端部が接触することが抑制され、例えば衛生面の点で使用者の心理的負担を低減すること等ができる。
【0037】
爪部31が、取出筒12の下部の内周面に形成された凹部12bに収容されているので、分割壁21が、第1連結部18回りに下方に向けて弾性変位したときに、複数の爪部31の上端部同士が互いに干渉し合うのを抑制すること可能になり、爪部31の上端部の径方向の内側に向けた変位量を確保することができる。
【0038】
第2装着筒部23、および取出筒12が、弾性変形可能に形成された第2連結部24を介して互いに連結されているので、操作部32を操作して取出筒12を下方移動させたときに、第2連結部24が弾性変形しながら、第1連結部18が弾性変形して分割壁21が下方に向けて弾性変位することとなる。したがって、操作部32の押下げ操作を解除したときに、第1連結部18および第2連結部24の双方が復元変形することとなり、分割壁21および取出筒12の双方を確実に上方に向けて復元変位させることができる。
【0039】
分割壁21が、押下部12aにより押下される被押下部38を備え、被押下部38が、爪部31および側板部29を径方向に連結しているので、取出筒12の下方移動に伴い、押下部12aが分割壁21を押下したときに、主板部28がたわむのを抑えて、分割壁21を、第1連結部18回りに下方に向けて効率よく弾性変位させやすくなり、操作性を向上させることができる。
【0040】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0041】
例えば、操作部32は、取出筒12の外周面に形成された凹部であってもよい。
操作部32は、周方向に間欠的に設けられてもよい。
操作部32は、取出筒12の上部に設けられてもよい。
操作部32は、取出筒12と別体であってもよい。
操作部32の径方向の外端部、および第2装着筒部23の上部それぞれの径方向の位置を互いに異ならせてもよい。
【0042】
複数の分割壁21に設ける爪部31の上下方向の各長さを適宜異ならせ、かつ取出筒12を中栓部材11に中心軸線O回りに回転可能に設けること等によって、取出筒12および中栓部材11の周方向の相対位置ごとで、計量して取り出す粒状物Wの量を変えることができる構成を採用してもよい。
【0043】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0044】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
粒状物が収容された容器本体の口部に装着される中栓部材と、
前記中栓部材に対して上下動可能に設けられるとともに、前記中栓部材から上方に向けて突出し、粒状物が内側を通過可能な上下方向に延びる取出筒と、を備え、
前記中栓部材は、
前記口部に装着される第1装着筒部と、
前記第1装着筒部より径方向の内側に設けられ、前記口部の上端開口を閉塞し、かつ粒状物が通過可能な通過孔が形成された閉塞壁部と、を備え、
前記通過孔は、前記容器本体内と前記取出筒内とを連通し、
前記閉塞壁部は、前記通過孔の中心軸線回りに設けられた複数の分割壁により構成され、
複数の前記分割壁は、弾性変形可能に形成された第1連結部を介して前記第1装着筒部に連結され、
複数の前記分割壁の下面は、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入を規制し、
複数の前記分割壁の上面には、上方に向けて延びる爪部が各別に設けられ、
前記取出筒の下端開口縁は、前記取出筒の下方移動時に、複数の前記分割壁の上面のうち、前記爪部より径方向の外側に位置する部分を押下する押下部とされ、
前記取出筒の下方移動に伴い、前記押下部が前記分割壁を押下したときに、前記分割壁が、前記第1連結部回りに下方に向けて弾性変位することにより、前記容器本体内から前記通過孔への粒状物の進入が許容され、かつ前記通過孔を通過した粒状物が前記爪部に保持され、
前記取出筒のうち、上端開口縁より下方に位置する部分には、押し下げることによって前記取出筒を下方に向けて移動させることが可能な操作部が設けられている、計量キャップ。
<2>
前記取出筒の下部の内周面には、下方に向けて開口した凹部が形成され、
前記凹部に、前記爪部が収容されている、前記<1>に記載の計量キャップ。
<3>
前記第1装着筒部、若しくは前記口部に、第2装着筒部が装着され、
前記第2装着筒部、および前記取出筒は、弾性変形可能に形成された第2連結部を介して互いに連結されている、前記<1>または<2>に記載の計量キャップ。
<4>
前記分割壁は、表裏面が上下方向を向き、かつ前記爪部が設けられた主板部と、前記主板部における径方向の外端部から上方に向けて延び、かつ上端部に前記第1連結部が連結された側板部と、を備え、
前記主板部の上面には、上方に向けて突出し、前記押下部により押下される被押下部が形成され、
前記被押下部は、前記爪部および前記側板部を径方向に連結している、前記<1>から<3>のいずれか1つ記載の計量キャップ。
【符号の説明】
【0045】
1 計量キャップ
11 中栓部材
12 取出筒
12a 押下部
12b 凹部
13 第1装着筒部
14 閉塞壁部
15 容器本体
16 口部
17 通過孔
18 第1連結部
21 分割壁
23 第2装着筒部
24 第2連結部
28 主板部
29 側板部
31 爪部
32 操作部
38 被押下部
O 中心軸線
W 粒状物
図1
図2
図3
図4