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特開2024-78997バーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078997
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】バーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法
(51)【国際特許分類】
   F23D 11/10 20060101AFI20240604BHJP
   F23D 11/38 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F23D11/10 B
F23D11/38 B
F23D11/38 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191675
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】須和 辰夫
(57)【要約】
【課題】バーナガンを抜去する際に、火炉内のガスが漏洩する事態を発生し難くすることを目的とする。
【解決手段】バーナ5は、燃料を噴射するバーナガン30と、火炉の内部空間と火炉の外部空間とを接続し、バーナガン30が挿入され、軸方向に延在する内筒と、内筒の内部へ圧縮空気を供給する圧縮空気供給部50と、を備える。圧縮空気供給部50は、内筒の内部へ圧縮空気を供給する開状態と圧縮空気を供給しない閉状態とを切替える圧縮空気バルブ52を有する。圧縮空気バルブ52は、開位置と閉位置とを移動するレバー53と、レバー53の移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロックピン54と、レバー53が閉位置の状態においてバーナガン30軸方向の移動を規制するとともにレバー53が開位置の状態においてバーナガン30の軸方向の移動を許容するバーナガンロックピン55と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガスが生成される火炉を規定する炉壁に設けられるバーナであって、
燃料を噴射するバーナガンと、
前記火炉の内部空間と前記火炉の外部空間とを接続し、前記バーナガンが挿入され、所定方向に延在する筒部と、
前記筒部の内部へガスを供給するガス供給部と、を備え、
前記ガス供給部は、前記筒部の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部を有し、
前記弁部は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバーと、前記レバーの移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部と、前記レバーが前記閉位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバーが前記開位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部と、を有するバーナ。
【請求項2】
前記バーナガンは、前記所定方向と交差する方向に突出する突出部を有し、
前記バーナガンロック部は、前記レバーが前記閉位置に位置している状態において前記所定方向の前記炉壁とは反対側から前記突出部と当接する当接部を有する請求項1に記載のバーナ。
【請求項3】
前記レバーロック部は、前記レバーが前記閉位置に位置している状態で前記レバーの移動を規制する請求項1に記載のバーナ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のバーナを備えるボイラ。
【請求項5】
燃焼ガスが生成される火炉を規定する炉壁に設けられるバーナにおけるバーナガンの抜去方法であって、
前記バーナは、
燃料を噴射するバーナガンと、
前記火炉の内部空間と前記火炉の外部空間とを接続し、前記バーナガンが挿入され、所定方向に延在する筒部と、
前記筒部の内部へガスを供給するガス供給部と、を備え、
前記ガス供給部は、前記筒部の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部を有し、
前記弁部は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバーと、前記レバーの移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部と、前記レバーが前記閉位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバーが前記開位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部と、を有し、
前記レバーロック部を規制状態から許容状態に切り替える切替工程と、
前記レバーを前記閉位置から前記開位置へ移動させるレバー移動工程と、
前記バーナガンを前記筒部から抜去する抜去工程と、を備えるバーナガンの抜去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼させることで蒸気を生成するボイラは、ボイラの火炉壁等に固定され、ボイラの外部から供給される燃料をボイラの火炉内に噴射するバーナを備えている。バーナは、燃料を噴射するバーナガンと、ボイラに固定されバーナガンが挿入される本体部と、を有している。バーナガンは、本体部に適切に挿入されることで、燃料を噴射する先端部が火炉内に位置する。
【0003】
このようなバーナは、メンテナンス等を行う際等に、バーナガンを本体部から抜去する場合がある。このため、バーナガンと本体部とを抜去可能な構成とするバーナが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭60-16831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バーナガンの先端部は火炉内に位置している。したがって、バーナガンが挿入される本体部に形成された貫通孔は、火炉の内部空間と火炉の外部空間とを連通している。よって、バーナガンを抜去する際に、貫通孔を介して炉内の高温のガスが漏洩する可能性がある。この事象は、火炉内の圧力が大気圧よりも低い負圧炉であっても、火炉内の一時的な圧力変動等によって発生する可能性がある。
ガスの漏洩を抑制するために、バーナガンを抜去する際に、貫通孔に漏洩を抑制するガス(例えば、圧縮空気等)を供給し、この漏洩抑制ガスによって、火炉の内部空間から外部空間へ向かって貫通孔を流通する高温のガスの流れを阻害することが考えられる。この場合には、漏洩抑制ガスの供給及び停止は、漏洩抑制ガスの供給系統に設けたバルブを手動で操作することによって制御することが考えられる。しかしながら、このような場合には、バーナガンを抜去する際に、バルブの開け忘れ等の理由から、漏洩抑制ガスが供給されずに、火炉内の高温ガスの漏洩してしまう可能性があった。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、バーナガンを抜去する際に、火炉内のガスが漏洩する事態を発生し難くすることができるバーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のバーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係るバーナは、燃焼ガスが生成される火炉を規定する炉壁に設けられるバーナであって、燃料を噴射するバーナガンと、前記火炉の内部空間と前記火炉の外部空間とを接続し、前記バーナガンが挿入され、所定方向に延在する筒部と、前記筒部の内部へガスを供給するガス供給部と、を備え、前記ガス供給部は、前記筒部の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部を有し、前記弁部は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバーと、前記レバーの移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部と、前記レバーが前記閉位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバーが前記開位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部と、を有する。
【0008】
本開示の一態様に係るバーナガンの抜去方法は、燃焼ガスが生成される火炉を規定する炉壁に設けられるバーナにおけるバーナガンの抜去方法であって、前記バーナは、燃料を噴射するバーナガンと、前記火炉の内部空間と前記火炉の外部空間とを接続し、前記バーナガンが挿入され、所定方向に延在する筒部と、前記筒部の内部へガスを供給するガス供給部と、を備え、前記ガス供給部は、前記筒部の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部を有し、前記弁部は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバーと、前記レバーの移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部と、前記レバーが前記閉位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバーが前記開位置の状態において前記バーナガンの前記筒部に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部と、を有し、前記レバーロック部を規制状態から許容状態に切り替える切替工程と、前記レバーを前記閉位置から前記開位置へ移動させるレバー移動工程と、前記バーナガンを前記筒部から抜去する抜去工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、バーナガンを抜去する際に、火炉内のガスが漏洩する事態を発生し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係るバーナを示す模式的な図である。
図2】本開示の実施形態に係るバーナの要部を示す上面図であって、圧縮空気バルブを全閉状態としている図である。
図3図2の側面図である。
図4図2の正面図である。
図5】本開示の実施形態に係るバーナの要部を示す上面図であって、圧縮空気バルブを中間開度状態としている図である。
図6図5の側面図である。
図7図5の正面図である。
図8】本開示の実施形態に係るバーナの要部を示す上面図であって、圧縮空気バルブを全開状態としている図である。
図9図8の側面図である。
図10図8の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係るバーナ及びボイラ並びにバーナの取付方法の一実施形態について、図1から図10を参照して説明する。なお、以下の説明では、図1において、燃料を噴射する側であるボイラ1の火炉2内側(図面下側)の端を「先端」、その反対側である火炉2の外部空間側(図面上側)の端を「基端」と称して説明する。
【0012】
図1に示すように、ボイラ1は、例えば鉛直上下方向に筒状に延びる火炉壁3を有し内部で火炎が形成される火炉2と、火炉壁3に設けられた複数のバーナ5と、を備えている。このようなボイラ1では、バーナ5から火炉2内に、軽油、重油等の液体燃料と酸化性ガス(燃焼用空気)が投入され、火炉2内で燃焼する。なお、バーナ5から投入される燃料は、液体燃料に限定されず、水素、アンモニア、天然ガスなどの気体燃料であってもよく、バイオマスや石炭などを微粉状とした固体燃料であってもよい。
【0013】
バーナ5は、図1及び図5に示すように、火炉壁3に固定される本体部10と、本体部10に取り付けられるホルダ20と、ホルダ20に装着されるバーナガン30と、ホルダ20を移動させる抜差装置40と、を備えている。
【0014】
本体部10は、中心軸線Cに沿って延在する円筒状の内筒(筒部)11と、中心軸線Cに沿って延在し内筒11を半径方向外側から覆う筒状の外筒12と、を有する。本体部10は、火炉壁3に固定されている。
なお、以下の説明において、中心軸線Cが延在する方向を「軸方向」とも称する。
【0015】
外筒12は、断面形状が矩形とされた筒状部材である。外筒12の先端部は、外周面が火炉壁3に固定されている。また、外筒12の基端部は、固定部材13を介して、火炉壁3を外側から覆う外側板4に固定されている。固定部材13は、外筒12の基端部の内周面に固定される筒状部分と、筒状部分の基端から径方向の内側に延びて外側板4に固定される環状部分とを有している。
外筒12の基端側に形成された開口は、固定部材13の環状部分及び閉鎖部材14によって閉鎖されている。閉鎖部材14は、環状部分の径方向内側端部に固定され、該内側端部からさらに径方向内側に延びる環状の部材である。
【0016】
内筒11の先端部は、火炉壁3から僅かに引っ込んだ位置に設けられている。内筒11の内部には、後述するバーナガン30が配置されている。内筒11の先端部の外周側には、火炎に向けて供給される燃焼用空気の拡散を塞ぐためのバーナノズル16が設けられる。内筒11は、火炉2の内部空間と火炉2の外部空間とを接続している。
内筒11の基端部には、半径方向の外側に延びる円環状のフランジ部15が設けられている。フランジ部15は、閉鎖部材14に固定されている。
本体部10は、フランジ部15よりも基端側に設けられる基部17を有している。基部17は、中心軸線C上に貫通孔が形成されている。貫通孔は、内筒11と連通している。この貫通孔には、後述するホルダ20の円筒部21等が挿通している。また、基部17には、中心軸線Cから半径方向外側にずれた位置に、抜差装置40のシリンダ部41が固定されている。
【0017】
ホルダ20は、本体部10に対して、中心軸線Cが延在する方向に沿って相対移動可能とされている。ホルダ20は、内筒11の内部に挿入されている円筒部21と、円筒部21よりも基端側に設けられバーナガン30が装着されるホルダ側装着部22と、を有している。
【0018】
ホルダ側装着部22は、内部に軸方向に延びる貫通孔が形成されており、貫通孔が円筒部21と連通している。貫通孔には、後述するバーナガン30が挿通している。ホルダ20には、バーナガン30を抜去した状態で貫通孔を閉鎖する蓋部25が備えられている。
【0019】
ホルダ20は、抜差装置40のピストンロッド42と連動して移動する連動部26を有している。連動部26は、ホルダ側装着部22に固定されている。ホルダ20は、抜差装置40によって軸方向に往復移動する。
また、ホルダ20のホルダ側装着部22には、後述するクランプ部材29が設けられている。また、ホルダ側装着部22には、軸方向と直交する方向に突出する突出部22aが設けられている。突出部22aは、後述するレバーロックピン54の当接部と当接している。
【0020】
ホルダ20の内部には、燃料供給装置(図示省略)から導かれた燃料が流通する燃料供給管23(図4参照)が設けられている。バーナガン30がホルダ20に適切に装着されることで、バーナガン30の燃料管31と、ホルダ20の燃料供給管23とが接続される。
【0021】
バーナガン30は、図5に示すように、内筒11及びホルダ側装着部22等を挿通する燃料管31と、燃料管31の基端部に設けられ、ホルダ20に装着されるバーナガン側装着部32と、を備えている。
【0022】
燃料管31は、中心軸線Cと平行な中心軸を持つ円筒状の部材である。燃料管31は、軸方向に沿って延在している。燃料管31は、内部に燃料が流通している。燃料管31の先端には火炉2内に燃料を噴射する噴射ノズル33が設けられている。噴射ノズル33は、後述する点火位置において、燃料を火炉2内に噴射可能な位置に配置される。
なお、本実施形態における噴射ノズル33は、燃料の供給圧力によって燃料の微粒化を行う圧力噴霧式とするが、蒸気や空気などの噴霧媒体によって微粒化を行う2流体噴霧式であってもよい。
【0023】
バーナガン側装着部32は、図1に示すように、ホルダ側装着部22の基端部に対して、基端側から当接している。バーナガン側装着部32は、クランプ部材29によってホルダ20に固定されている。
【0024】
バーナガン30は、クランプ部材29によってホルダ20に装着されている。図4に示すように、クランプ部材29は、例えば平面視略U字状をなし、先端部29aがホルダ20に連結されている。クランプ部材29は、バーナガン30のバーナガン側装着部32とホルダ20のホルダ側装着部22とを当接させた状態で、基端部29bを、バーナガン30のバーナガン側装着部32に係止させるとともに、基端部29bに設けられた締付ネジ29cを締め付ける。これにより、基端部29bに対してバーナガン30のバーナガン側装着部32をホルダ20へと押さえ付けることで、バーナガン30とホルダ20との相対移動を規制する。このように、クランプ部材29を用いることで、バーナガン30をホルダ20に簡易に装着することができる。
クランプ部材29の締付ネジ29cを緩めると、基端部29bがバーナガン30のバーナガン側装着部32から離間する。そして、先端部29aを中心としてクランプ部材29を回動させる。これにより、基端部29bのバーナガン30への係止を解除することができる。これにより、バーナガン30をホルダ20から簡易に取り外すことができる。
【0025】
バーナガン30は、図1及び図2に示すように、ホルダ20に装着された状態で、本体部10(詳細には、内筒11)に挿入されることでバーナガン30が点火位置に配置される。この挿入状態(点火位置)において、バーナガン30先端の噴射ノズル33から燃料が火炉2内に噴射され火炎が形成される。
【0026】
抜差装置40は、図1等に示すように、本体部10に対して固定されるシリンダ部41と、シリンダ部41に対して軸方向に相対移動するピストンロッド42と、を有している。ピストンロッド42は、ホルダ20に固定されている。
抜差装置40は、シリンダ部41に対してピストンロッド42を軸方向に移動させることで、ホルダ20に装着された状態のバーナガン30を、本体部10に対して挿入及び引き抜きを行う。バーナ5を使用しない(消火した)場合、バーナガン30は、引き抜かれた状態(消火位置)にある。バーナガン30のホルダ20への脱着(装着及び抜去)は、この消火位置において行われる。
【0027】
次に、圧縮空気供給部(ガス供給部)50について、図2から図4を用いて説明する。なお、図3図2を矢印A方向から見た図であり、図4図2を矢印B方向から見た図である。
【0028】
図2に示すように、バーナ5は、内筒11の内部へ圧縮空気を供給する圧縮空気供給部50を備えている。なお、内筒11の内部へ供給するガスは圧縮空気に限定されず、窒素などの他の気体であってもよい。
圧縮空気供給部50は、圧縮空気供給管51と、圧縮空気供給管51に設けられる圧縮空気バルブ(弁部)52と、を有している。
【0029】
圧縮空気供給管51は、内部に圧縮空気供給装置(図示省略)から供給される圧縮空気が流通している。圧縮空気供給管51の下流端は、内筒11に接続されている。圧縮空気供給管51は、内部を流通する圧縮空気を内筒11の内部に導いている。
圧縮空気供給管51は、下流端が内筒11に接続され軸方向と直交する方向に延びる下流端部51aと、下流端部51aの上流端から軸方向に曲折して延びる直線部51bと、を有している。直線部51bの上流端は、圧縮空気供給装置に接続されている。直線部51bは、燃料管31やホルダ側装着部22と略平行に延在している。直線部51bの途中位置には、レバー53が固定される固定部51cが設けられている。
【0030】
圧縮空気バルブ52は、内筒11の内部へ圧縮空気を供給する開状態と、圧縮空気を供給しない閉状態とを切替えることができる。圧縮空気バルブ52は、圧縮空気供給管51の直線部51bに設けられている。
【0031】
圧縮空気バルブ52は、直線部51bに設けられるレバー53と、レバー53に設けられるレバーロックピン(レバーロック部)54と、レバー53に設けられるバーナガンロックピン(バーナガンロック部)55と、を有している。
【0032】
レバー53は、圧縮空気バルブ52を全開状態とする開位置と全閉状態とする閉位置との間を移動可能とされている。レバー53は、板状の部材であって、上面に上方に延びる円柱状の取っ手57が設けられている。作業者は、取っ手57を把持した状態でレバー53を移動させる。
レバー53は、基端部が固定部51cに固定されている。レバー53は、固定部51cに固定される固定点を中心として、回転可能に固定されている。
【0033】
レバー53は、閉位置において、図2に示すように、軸方向と直交する方向に延びている。レバー53は、閉位置において、先端部が直線部51bから突出している。また、レバー53の先端部には、取っ手57が設けられている。
レバー53は、開位置において、図8に示すように、軸方向に沿って延びている。
【0034】
レバーロックピン54は、板状の部材であって、レバー53に形成された貫通孔に挿通している。レバーロックピン54は、板面が軸方向に沿うように配置されている。また、レバーロックピン54は、レバー53が閉位置に位置している状態において、固定部51cに形成された嵌合穴に嵌合する。レバーロックピン54は、先端部が嵌合穴に嵌合している状態において、上下方向以外の方向への移動が嵌合穴によって規制される。また、レバーロックピン54は、嵌合穴に嵌合している状態において、上端部がレバー53の上面から上方に突出している。
レバーロックピン54は、レバー53を貫通するとともに固定部51cの嵌合穴に嵌合することで、レバー53と固定部51cとの相対移動を規制している。このようにして、レバーロックピン54は、先端部が嵌合穴に嵌合している状態において、レバー53の移動を規制している。
なお、レバーロックピン54がレバー53の移動を規制する方法は、上記説明の方法に限定されない。例えば、レバーロックピン54と固定部51cの側面の一部とを接触状態(点接触や線接触)とすることで、レバー53を閉位置から移動できないように規制してもよい。
【0035】
レバーロックピン54は、レバー53が閉位置以外の位置に位置している状態では、レバー53に形成された貫通穴及び固定部51cに形成された嵌合穴の両方と嵌合することはできない。すなわち、レバーロックピン54は、レバー53が閉位置以外の位置に位置している状態では、レバー53と固定部51cとの相対移動を規制することはできない。
【0036】
一方で、レバーロックピン54は、先端部が嵌合穴に嵌合している状態から、上方に引くことで嵌合穴から先端部を引き抜き、嵌合を解除することができる。レバーロックピン54は、先端部が嵌合穴に嵌合していない状態において、レバー53の移動を規制しない。したがって、レバー53を閉位置から開位置へ移動させることができる。
このように、レバーロックピン54は、レバー53の移動を規制する状態と許容する状態とを切替えることができる。
【0037】
レバーロックピン54は、上端部にコードの一端が接続されている。コードの他端は、レバー53に接続されている。このようにコードによってレバーロックピン54とレバー53とを接続することで、レバーロックピン54を紛失し難くすることができる。
【0038】
バーナガンロックピン55は、板状の部材であって、レバー53に形成された貫通孔を挿通している。バーナガンロックピン55は、板面が軸方向と直交するように配置されている。バーナガンロックピン55の火炉壁3側の面は、ホルダ側装着部22の突出部22aと当接している。すなわち、バーナガンロックピン55は、火炉壁3とは反対側から突出部22aと当接している。バーナガンロックピン55は、レバー53が閉位置に位置している状態において、軸方向から見た際に、突出部22aと重複するように配置されている。
また、バーナガンロックピン55は、上端部がレバー53の上面から上方に突出している。また、下端部がレバー53の下面から下方に突出している。
バーナガンロックピン55は、バーナガン30の内筒11に対する相対移動を規制する状態と許容する状態とを切替える。
【0039】
このように、バーナガンロックピン55は、レバー53が閉位置に位置している状態(図2の状態)において、突出部22aと当接することでバーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を規制する。すなわち、バーナガン30をホルダ20から抜去する方向に移動させようとすると、突出部22aとバーナガンロックピン55とが干渉する。これにより、バーナガン30の移動を規制することができる。
また、バーナガンロックピン55は、レバー53が開位置に位置している状態(図8の状態)において、バーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を許容する。レバー53が開位置に位置している状態では、バーナガンロックピン55と突出部22aとは当接していない。したがって、バーナガン30をホルダ20から抜去する方向に移動させたとしても、突出部22aとバーナガンロックピン55とが干渉しない。これにより、バーナガン30の移動を許容することができる。
【0040】
次に、バーナガン30の抜去方法について、図2から図10を用いて説明する。なお、図6図5を矢印A方向から見た図であり、図7図5を矢印B方向から見た図である。また、図9図8を矢印A方向から見た図であり、図10図8を矢印B方向から見た図である。
【0041】
バーナガン30のメンテナンス時には、本体部10からバーナガン30を抜去する。また、固体燃料を主燃料とするボイラ1においては、燃料油を燃料とするバーナ5は、起動時のみに用いられ、ボイラ1の起動後(図示しない固体燃料を燃焼するバーナが点火した後)等に不要となる場合がある。この場合には、ボイラ1の起動後に、抜差装置40によりバーナガン30を消火位置に引き抜き、ホルダ20からバーナガン30を抜去する。
【0042】
バーナ5が点火している状態では、ホルダ20に装着されたバーナガン30が、適切に本体部10に挿入されているとともに、圧縮空気バルブ52が全閉状態とされている。すなわち、圧縮空気供給部50から内筒11の内部へ圧縮空気が供給されていない状態とされている。この状態では、レバーロックピン54が、ロック状態とされている。すなわち、レバーロックピン54が、圧縮空気供給部50の固定部51cの嵌合穴に嵌合しており、レバー53の移動を規制している。したがって、レバー53を閉位置から移動させることができない。
また、この状態では、バーナガンロックピン55は、レバー53に挿通され、ホルダ側装着部22の突出部22aと当接している。したがって、レバー53が閉位置に固定されることで、バーナガンロックピン55はバーナガン30の軸方向の移動を規制する。すなわち、レバー53の移動が規制されることで、バーナガンロックピン55の移動も規制される状態となっているので、バーナガン30を軸方向に移動させようとしても、突出部22aとバーナガンロックピン55とが干渉し、移動させることができない。すなわち、バーナガン30をホルダ20から抜去することができない。
【0043】
バーナ5の消火後、抜差装置40によりバーナガン30は消火位置に引き抜かれる。この状態において、バーナガン30をホルダ20から抜去する際には、図5から図7に示すように、まず、レバーロックピン54を上方に引き抜く。これにより、レバーロックピン54がレバー53の移動を規制する規制状態からレバー53の移動を許容する許容状態に切り替える(切替工程)。次に、作業員がレバー53に設けられた取っ手57を把持して、レバー53を開位置方向へ回転させる(レバー移動工程)。これにより、圧縮空気バルブ52が全閉状態から開かれる。これにより、圧縮空気供給部50から内筒11の内部へ圧縮空気が供給される状態となる。また、レバー53を開位置方向へ回転させることで、バーナガンロックピン55も移動し、突出部22aと当接しない状態となる。すなわち、レバー53の移動に伴って、バーナガンロックピン55がロック状態(バーナガン30をホルダ20から抜去できない状態)から解除状態(バーナガン30をホルダ20から抜去できる状態)となる。
【0044】
レバー53を開位置まで移動させる前に、図8から図10に示すように、バーナガンロックピン55を上方に引き抜く。これにより、レバー53の下面から突出する部材がなくなるので、レバー53を開位置まで移動させることができる。すなわち、バーナガンロックピン55が取り付けられた状態では、バーナガンロックピン55の下端部と圧縮空気供給管51とが干渉するため、レバー53を開位置まで移動させることができない。
レバー53を開位置まで移動させると、圧縮空気バルブ52が全開状態となる。すなわち、圧縮空気供給部50から内筒11の内部へ圧縮空気が好適に供給されている状態となる。この状態で、バーナガン30をホルダ20から抜去する(抜去工程)。このとき、火炉2の内部空間と外部空間は、内筒11を介して連通しているが、内筒11の内部に供給された圧縮空気のエゼクタ効果によって、外部空間の空気が内筒11に引き込まれることで燃焼ガスの流れが阻害されるので、燃焼ガスの漏洩を抑制することができる。
【0045】
バーナガン30を本体部10から抜去した後に、ホルダ20の蓋部25でホルダ側装着部22に形成された貫通穴(内筒11と連通する穴)を閉鎖する。これにより、内筒11からの燃焼ガスの漏洩が阻止される。蓋部25を閉めた後に、レバー53を開位置から閉位置へ移動させ、圧縮空気バルブ52を閉鎖し、圧縮空気の供給を停止する。
【0046】
このようにして、バーナガン30をホルダ20から抜去する。
【0047】
なお、レバー53が閉位置に位置している状態において、バーナガンロックピン55を引き抜いた場合であっても、バーナガン30をホルダ20から抜去できる状態となる。この場合には、圧縮空気が内筒11の内部に供給されていない状態でバーナガン30を抜去してしまう可能性があるので、好適でない。本実施形態では、レバー53が閉位置に位置している状態において、バーナガンロックピン55と取っ手57とが抜去方向に並んで配置されている。これにより、レバー53が閉位置に位置している状態では、バーナガンロックピン55の手前に取っ手57が位置することとなるので、取っ手57が邪魔になりバーナガンロックピン55を引き抜き難い。したがって、レバー53が閉位置に位置している状態で、バーナガンロックピン55を引き抜き難くすることができる。
【0048】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、レバー53が閉位置の状態においてバーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を規制するとともにレバー53が開位置の状態においてバーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を許容するバーナガンロックピン55を有している。バーナガンロックピン55は、内筒11の内部に圧縮空気を供給する状態(すなわち、開状態)において、バーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を許容しているので、内筒11からバーナガン30を抜去することができる。これにより、内筒11からバーナガン30を抜去する際に、圧縮空気供給部50より内筒11の内部に圧縮空気が供給される。内筒11の内部に供給された圧縮空気によって、火炉2の内部空間から外部空間へ向かって内筒11の内部を流通する燃焼ガスの流れが阻害される。したがって、バーナガン30を抜去する際に、内筒11を介して火炉2内の燃料ガスが漏洩する事態を発生し難くすることができる。よって、安全性を向上させることができる。
また、バーナガンロックピン55は、内筒11に圧縮空気を内筒11の内部に圧縮空気を供給しない状態(すなわち、閉状態)において、バーナガン30の内筒11に対する軸方向の相対移動を規制しているので、内筒11からバーナガン30を抜去することができない。バーナガン30を内筒11から抜去しようとしても、バーナガンロックピン55によって規制される。これにより、内筒11の内部に圧縮空気を供給しない状態で、バーナガン30を内筒11から抜去し難くすることができる。したがって、バーナガン30を抜去する際の燃焼ガスの漏洩をより抑制することができる。よって、より安全性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、レバー53が閉位置に位置している状態において軸方向の火炉壁3とは反対側から突出部22aと当接する先端部をバーナガンロックピン55が有している。これにより、レバー53が閉位置に位置している状態において、突出部22aの軸方向の移動(詳細には、軸方向のうち、火炉壁3から離れる方向への移動)がバーナガンロックピン55によって規制される。したがって、好適に、内筒11に圧縮空気を内筒11の内部に圧縮空気を供給しない状態(すなわち、閉状態)において、内筒11からバーナガン30を抜去することができなくすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、レバーロックピン54が、レバー53が閉位置に位置している状態でレバー53の移動を規制する。これにより、レバーロックピン54を操作して、レバー53の移動を許容する状態にしなければ、レバー53を開位置へ移動させることができない。したがって、レバーロックピン54を操作しなければ、内筒11の内部への圧縮空気の供給及びバーナガン30の抜去が行えないので、バーナガン30を抜去する際の燃焼ガスの漏洩をより抑制することができる。よって、より安全性を向上させることができる。
【0051】
また、突出部22aにレバーロックピン54の先端部が当接しているので、仮にレバー53を移動させる前に(すなわち、レバー53が閉位置に位置しており、圧縮空気が内筒11に供給されていない状態で)バーナガン30を抜去しようと場合であっても、突出部22aがピンを押圧することでレバー53が開位置の方向へ移動し、圧縮空気バルブ52が開かれる。したがって、このような場合であっても、バーナガン30を抜去する際に、圧縮空気を内筒11に供給することができるので、バーナガン30を抜去する際の燃焼ガスの漏洩をより抑制することができる。よって、より安全性を向上させることができる。
【0052】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、レバーロックピン54及びバーナガンロックピン55が板状である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。レバーロックピン54及びバーナガンロックピン55は、他の形状であってもよく、例えば、円柱状であってもよい。
【0053】
以上説明した実施形態に記載のバーナ及びボイラ並びにバーナガンの抜去方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係るバーナは、燃焼ガスが生成される火炉(2)を規定する炉壁(3)に設けられるバーナ(5)であって、燃料を噴射するバーナガン(30)と、前記火炉(2)の内部空間と前記火炉(2)の外部空間とを接続し、前記バーナガン(30)が挿入され、所定方向に延在する筒部(11)と、前記筒部(11)の内部へガスを供給するガス供給部(50)と、を備え、前記ガス供給部(50)は、前記筒部(11)の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部(52)を有し、前記弁部(52)は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバー(53)と、前記レバー(53)の移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部(54)と、前記レバー(53)が前記閉位置の状態において前記バーナガン(30)の前記筒部(11)に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバー(53)が前記開位置の状態において前記バーナガン(30)の前記筒部(11)に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部(55)と、を有する。
【0054】
上記構成では、レバーが閉位置の状態においてバーナガンの筒部に対する所定方向の相対移動を規制するとともにレバーが開位置の状態においてバーナガンの筒部に対する所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部を有している。バーナガンロック部は、筒部の内部にガスを供給する状態(すなわち、開状態)において、バーナガンの筒部に対する所定方向の相対移動を許容しているので、筒部からバーナガンを抜去することができる。これにより、筒部からバーナガンを抜去する際に、ガス供給部より筒部の内部にガスが供給される。筒部の内部に供給されたガスによって、火炉の内部空間から外部空間へ向かって筒部の内部を流通する燃焼ガスの流れが阻害される。したがって、バーナガンを抜去する際に、筒部を介して火炉内の燃料ガスが漏洩する事態を発生し難くすることができる。よって、安全性を向上させることができる。
また、バーナガンロック部は、筒部にガスを筒部の内部にガスを供給しない状態(すなわち、閉状態)において、バーナガンの筒部に対する所定方向の相対移動を規制しているので、筒部からバーナガンを抜去することができない。バーナガンを筒部から抜去しようとしても、バーナガンロック部によって規制される。これにより、筒部の内部にガスを供給しない状態で、バーナガンを筒部から抜去し難くすることができる。したがって、バーナガンを抜去する際の燃焼ガスの漏洩をより抑制することができる。よって、より安全性を向上させることができる。
ガス供給部が供給するガスの一例として、例えば、圧縮空気が挙げられる。
【0055】
また、本開示の第2態様に係るバーナは、上記第1態様において、前記バーナガン(30)は、前記所定方向と交差する方向に突出する突出部(22a)を有し、前記バーナガンロック部(55)は、前記レバー(53)が前記閉位置に位置している状態において前記所定方向の前記炉壁(3)とは反対側から前記突出部(22a)と当接する当接部を有する。
【0056】
上記構成では、レバーが閉位置に位置している状態において所定方向の炉壁とは反対側から突出部と当接する当接部をバーナガンロック部が有している。これにより、レバーが閉位置に位置している状態において、突出部の所定方向の移動(詳細には、所定方向のうち、炉壁から離れる方向への移動)が当接部によって規制される。したがって、好適に、筒部にガスを筒部の内部にガスを供給しない状態(すなわち、閉状態)において、筒部からバーナガンを抜去することができなくすることができる。
【0057】
また、本開示の第3態様に係るバーナは、上記第1態様又は第2態様において、前記レバーロック部(54)は、前記レバー(53)が前記閉位置に位置している状態で前記レバー(53)の移動を規制する。
【0058】
上記構成では、レバーロック部が、レバーが閉位置に位置している状態でレバーの移動を規制する。これにより、レバーロック部を操作して、レバーの移動を許容する状態にしなければ、レバーを開位置へ移動させることができない。したがって、レバーロック部を操作しなければ、内筒の内部へのガスの供給及びバーナガンの抜去が行えないので、バーナガンを抜去する際の燃焼ガスの漏洩をより抑制することができる。よって、より安全性を向上させることができる。
【0059】
本開示の第1態様に係るボイラは、上記第1態様から第3態様のいずれかに記載のバーナを備える。
【0060】
また、本開示の第1態様に係るバーナガンの抜去方法は、燃焼ガスが生成される火炉(2)を規定する炉壁(3)に設けられるバーナ(5)におけるバーナガン(30)の抜去方法であって、前記バーナ(5)は、燃料を噴射するバーナガン(30)と、前記火炉(2)の内部空間と前記火炉(2)の外部空間とを接続し、前記バーナガン(30)が挿入され、所定方向に延在する筒部(11)と、前記筒部(11)の内部へガスを供給するガス供給部(50)と、を備え、前記ガス供給部(50)は、前記筒部(11)の内部へガスを供給する開状態と、ガスを供給しない閉状態とを切替える弁部(52)を有し、前記弁部(52)は、前記開状態とする開位置と前記閉状態とする閉位置とを移動するレバー(53)と、前記レバー(53)の移動を規制する状態と許容する状態とを切替えるレバーロック部(54)と、前記レバー(53)が前記閉位置の状態において前記バーナガン(30)の前記筒部(11)に対する前記所定方向の相対移動を規制するとともに前記レバー(53)が前記開位置の状態において前記バーナガン(30)の前記筒部(11)に対する前記所定方向の相対移動を許容するバーナガンロック部(55)と、を有し、前記レバーロック部(54)を規制状態から許容状態に切り替える切替工程と、前記レバー(53)を前記閉位置から前記開位置へ移動させるレバー移動工程と、前記バーナガン(30)を前記筒部(11)から抜去する抜去工程と、を備える。
【符号の説明】
【0061】
1 :ボイラ
2 :火炉
3 :火炉壁
4 :外側板
5 :バーナ
10 :本体部
11 :内筒
12 :外筒
13 :固定部材
14 :閉鎖部材
15 :フランジ部
16 :バーナノズル
17 :基部
20 :ホルダ
21 :円筒部
22 :ホルダ側装着部
22a :突出部
23 :燃料供給管
25 :蓋部
26 :連動部
29 :クランプ部材
29a :先端部
29b :基端部
29c :締付ネジ
30 :バーナガン
31 :燃料管
32 :バーナガン側装着部
33 :噴射ノズル
40 :抜差装置
41 :シリンダ部
42 :ピストンロッド
50 :圧縮空気供給部
51 :圧縮空気供給管
51a :下流端部
51b :直線部
51c :固定部
52 :圧縮空気バルブ
53 :レバー
54 :レバーロックピン
55 :バーナガンロックピン
57 :取っ手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10