(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079002
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】操舵装置、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/027 20060101AFI20240604BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20240604BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240604BHJP
【FI】
B60R16/027 T
G06F3/04817
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191680
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 治彦
(72)【発明者】
【氏名】長倉 寿典
【テーマコード(参考)】
3D344
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA30
3D344AC28
3D344AD01
3D344AD05
3D344AD13
5E555AA29
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC04
5E555BE10
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB34
5E555CB74
5E555CC01
5E555DA02
5E555DB11
5E555DC07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザによる指示を受け付けるためのGUIを表示する表示装置を備えた操舵装置の利便性を高める。
【解決手段】操舵装置10は、移動体に搭載される。操舵部材11は、移動体の進行方向を変更する。表示装置12は、操舵部材11に設置されている。制御装置13は、移動体の状態に応じて発生する第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、表示装置12に表示させる。第一GUIの表示中に移動体の状態に応じて第二の問合せが発生した場合、制御装置13は、前記第一GUIが第一応答を受け付けた後に、第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを表示装置12に表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される操舵装置であって、
前記移動体の進行方向を変更する操舵部材と、
前記操舵部材に設置されている表示装置と、
前記移動体の状態に応じて発生する第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生した場合、前記制御装置は、前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる、
操舵装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第二の問合せについて簡略性が相違する複数の態様でGUIを表示装置に表示可能であり、
前記制御装置は、前記簡略性がより高いGUIを前記第二GUIとして前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の操舵装置。
【請求項3】
前記表示装置は、前記第一応答および前記第二応答を受け付けるインタフェースを兼ねる、
請求項1または2に記載の操舵装置。
【請求項4】
移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体の状態に応じて第一の問合せが発生したこと示す第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記第一信号に応じて、前記第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生したことを示す第二信号を前記インタフェースが受け付けた場合、前記プロセッサは、前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる、
制御装置。
【請求項5】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記制御装置が搭載された移動体の状態に応じて第一の問合せが発生したこと示す第一信号を受け付け、
前記第一信号に応じて、前記第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている表示装置に表示させ、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生したことを示す第二信号を受け付けた場合、前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に搭載される操舵装置に関連する。本開示は、当該移動体に搭載される制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体の一例である車両に搭載される操舵装置を開示している。当該操舵装置においては、車両の進行方向を変更する操舵部材に表示装置が設置されている。当該表示装置は、ユーザによる指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/179361号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザによる指示を受け付けるためのGUIを表示する表示装置を備えた操舵装置の利便性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される一態様例は、移動体に搭載される操舵装置であって、
前記移動体の進行方向を変更する操舵部材と、
前記操舵部材に設置されている表示装置と、
前記移動体の状態に応じて発生する第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生した場合、前記制御装置は、前記前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる。
【0006】
本開示により提供される一態様例は、移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体の状態に応じて第一の問合せが発生したこと示す第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記第一信号に応じて、前記第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生したことを示す第二信号を前記インタフェースが受け付けた場合、前記プロセッサは、前記前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる。
【0007】
本開示により提供される一態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記制御装置が搭載された移動体の状態に応じて第一の問合せが発生したこと示す第一信号を受け付け、
前記第一信号に応じて、前記第一の問合せに対する第一応答を受け付ける第一GUIを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている表示装置に表示させ、
前記第一GUIの表示中に前記移動体の状態に応じて第二の問合せが発生したことを示す第二信号を受け付けた場合、前記第一GUIが前記第一応答を受け付けた後に、前記第二の問合せに対する第二応答を受け付ける第二GUIを前記表示装置に表示させる。
【0008】
上記の各態様に係る構成によれば、ユーザに対して競合する複数の問合せが発生した場合において、先行して発生した問合せに対する応答がなされるまでは後続して発生した問合せに係るGUIをユーザに提示させないようにできる。これにより、操舵部材上に設置されることにより情報を提示可能なスペースが限られた表示装置を用いつつも、ユーザの混乱を抑制し、問合せに対する着実な応答の取得を容易にできる。したがって、ユーザによる指示を受け付けるためのGUIを表示する表示装置を備えた操舵装置の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る操舵装置が搭載される車両を例示している。
【
図3】
図2の制御装置により実行される処理の流れを例示している。
【
図4】
図1の表示装置に表示されるGUIの一例を示している。
【
図5】
図1に表示装置に表示されるGUIの別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係る操舵装置10が搭載される車両20の車室を例示している。操舵装置10は、車両20の進行方向を変更するための操舵部材11を備えている。車両20は、移動体の一例である。
【0012】
操舵装置10は、表示装置12を備えている。表示装置12は、操舵部材11に設置されている。本実施形態例においては、表示装置12は、様々な画像を表示しうる汎用の表示装置である。
【0013】
図2に例示されるように、表示装置12は、ユーザインタフェース121を備えている。本実施形態例において、表示装置12は、静電型あるいは感圧型のタッチパネルディスプレイとして構成されている。この場合、ユーザインタフェース121は、表示装置12に表示されるGUIとして実現される。ユーザは、GUIに手指を接近または接触させることにより、指示を入力できる。したがって、表示装置12は、操舵部材11を把持したユーザの手指による指示入力を許容する位置に配置される。
【0014】
表示装置12は、ユーザインタフェース121に入力された指示に対応する応答信号RSを出力するように構成されている。応答信号RSは、表示装置12の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0015】
操舵装置10は、制御装置13を備えている。制御装置13は、入力インタフェース131を備えている。入力インタフェース131は、応答信号RSを受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。応答信号RSがアナログ信号である場合、入力インタフェース131は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0016】
入力インタフェース131は、車両20に搭載された少なくとも一つの車両制御装置21からステータス信号STも受け付け可能に構成されている。車両制御装置21は、車両20の走行状態、車両20の走行環境、車両20の車室内環境、車両20と外部機器との通信などを制御する装置である。ステータス信号STは、車両制御装置21によって把握されている被制御対象の状態に対応する情報を含んでいる。なお、ステータス信号STは、特定の情報を検出するために車両20に搭載されたセンサから車両制御装置21を経由することなく入力されてもよい。この場合、ステータス信号STは、当該センサにより検出された特定の情報を含む。
【0017】
ステータス信号STは、車両制御装置21やセンサの仕様に応じて、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。ステータス信号STがアナログ信号である場合、入力インタフェース131は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0018】
制御装置13は、プロセッサ132を備えている。プロセッサ132は、ステータス信号STに基づいて問合せを生成するように構成されている。問合せは、特定の事項に対してユーザの意思決定を要求する質問や提案を含んでいる。問合せの例としては、運転支援機能の有効化または無効化の要否確認、運転支援機能に基づく車線変更の要否確認、電話着信に対する通話の要否確認、空調条件変更の提案、再生される映像音響コンテンツの提案などが挙げられる。
【0019】
制御装置13は、出力インタフェース133を備えている。プロセッサ132は、生成された問合せをユーザに提示するための問合せ信号IQを、出力インタフェース133から出力するように構成されている。問合せのユーザへの提示は、不図示のスピーカを通じて出力される音声と、表示装置12に表示されるGUIとの組合せによりなされうる。当該GUIは、少なくとも当該問合せに対する応答を入力を受け付けるための画像を含む。
【0020】
例えば、運転支援機能の有効化の要否を確認する問合せがなされる場合、問合せ信号IQは、「アシスト機能を有効にしますか?」という音声をスピーカに出力させるためのデータと、変更の要否を応答として受け付けるためのGUI(ユーザインタフェース121)を表示装置12に表示させるためのデータとを含む。
【0021】
問合せ信号IQは、スピーカおよび表示装置12の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。出力インタフェース133は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。問合せ信号IQがアナログ信号である場合、出力インタフェース133は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0022】
車両20が置かれている状況あるいは車両20の状態によっては、あるステータス信号STに基づいて生成された第一の問合せに対する応答が完了する前に、別のステータス信号STに基づいて第二の問合せが発生する場合がありうる。プロセッサ132は、第一の問合せに対する応答(第一応答)を受け付けるためのGUI(第一GUI)の表示中に第二の問合せが発生した場合、第一GUIが第一応答を受け付けた後に、第二の問合せに対する応答(第二応答)を受け付けるためのGUI(第二GUI)を表示装置12に表示させるように構成されている。
【0023】
図3を参照しつつ、上記のように構成されたプロセッサ132により実行される処理の流れについて具体的に説明する。
【0024】
プロセッサ132は、入力インタフェース131により受け付けられたステータス信号STに基づいて、乗員に対する第一の問合せが発生したかを判断する(STEP1)。第一の問合せが発生したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP1においてNO)。
【0025】
第一の問合せとして、運転支援機能が有効とされている車両20において車線変更の要否を確認する必要が生じた場合を例に挙げる。第一の問合せが発生したと判断されると(STEP1においてYES)、プロセッサ132は、第一の問合せの対する応答を受け付けるための第一GUIを表示装置12に表示させる問合せ信号IQを、出力インタフェース133から出力する(STEP2)。
【0026】
この問合せ信号IQは、「車線を変更しますか?」という音声をスピーカに出力させるためのデータと、変更の要否を応答として受け付けるための第一GUIを表示装置12に表示させるためのデータとを含む。
【0027】
図4は、このとき表示装置12に表示される第一GUI(ユーザインタフェース121)を例示している。第一GUIは、肯定的な応答を受け付けるためのボタン画像B1と、否定的な応答を受け付けるためのボタン画像B2とを含んでいる。
【0028】
ユーザは、手指をボタン画像B1とボタン画像B2のいずれかに接触または接近させることにより、第一の問合せに対して応答する。表示装置12は、当該応答に応じた応答信号RSを出力する。
【0029】
続いて、
図3に例示されるように、プロセッサ132は、入力インタフェース131により受け付けられたステータス信号STに基づいて、乗員に対する第二の問合せが発生したかを判断する(STEP3)。第二の問合せが発生したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP3においてNO)。
【0030】
第二の問合せとして、電話の着信に対する通話の要否を確認する必要が生じた場合を例に挙げる。第二の問合せが発生したと判断されると(STEP3においてYES)、プロセッサ132は、第一の問合せに対する応答が受け付けられているかを判断する(STEP4)。
【0031】
プロセッサ132による当該判断は、第一GUIを表示装置12に表示させる問合せ信号IQが出力インタフェース133から出力された後に、当該第一GUIに対してなされた応答に対応する応答信号RSを入力インタフェース131が受け付けたかに基づいてなされる。
【0032】
第一の問合せに対する応答が受け付けられたと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP4においてNO)。
【0033】
第一の問合せに対する応答が受け付けられたと判断されると(STEP4においてYES)、プロセッサ132は、第二の問合せの対する応答を受け付けるための第二GUIを表示装置12に表示させる問合せ信号IQを、出力インタフェース133から出力する(STEP5)。
【0034】
この問合せ信号IQは、「着信です。電話を受けますか?」という音声をスピーカに出力させるためのデータと、通話の要否を応答として受け付けるための第二GUIを表示装置12に表示させるためのデータとを含む。
【0035】
図5は、このとき表示装置12に表示される第二GUI(ユーザインタフェース121)を例示している。第二GUIは、通話許可の意志を示す応答を受け付けるためのボタン画像B3、通話拒否の意志を示す応答を受け付けるためのボタン画像B4、および通話音量を調節するためのスライダ画像B5を含んでいる。
【0036】
ユーザは、手指をボタン画像B3とボタン画像B4のいずれかに接触または接近させることにより、第二の問合せに対して応答する。表示装置12は、当該応答に応じた応答信号RSを出力する。ユーザは、必要に応じてスライダ画像B5を手指で変位させることにより、通話音量を調節できる。
【0037】
なお、本実施形態例においては、問合せの対象とされる各種の事項の間に優先順位は設定されていない。例えば、前述した電話の着信に対する通話の要否に係る問合せが車線変更の要否に係る問合せに先行して発生した場合、問合せの内容に依らず、通話の要否に係る問合せに対する応答を受け付けるためのGUIが、第一GUIとして表示装置12に表示される。
【0038】
このような構成によれば、ユーザに対して競合する複数の問合せが発生した場合において、先行して発生した問合せに対する応答がなされるまでは後続して発生した問合せに係るGUIをユーザに提示させないようにできる。これにより、操舵部材11上に設置されることにより情報を提示可能なスペースが限られた表示装置12を用いつつも、ユーザの混乱を抑制し、問合せに対する着実な応答の取得を容易にできる。したがって、ユーザによる指示を受け付けるためのGUIを表示する表示装置12を備えた操舵装置10の利便性を高めることができる。
【0039】
制御装置13のプロセッサ132は、特定の問合せに対して簡略性が相違する複数の態様でGUIを表示装置12に表示させることが可能に構成されうる。例えば、電話の着信に対する通話の要否を確認する問合せの場合、プロセッサ132は、
図4に例示されるGUIと
図5に例示されるGUIのいずれかを表示装置12に表示させうる。
【0040】
図5に例示されるGUIにおいては、通話の要否についての選択肢に係るGUI要素だけでなく、通話音量の調節を行なうためのGUI要素が含まれている。他方、
図4に例示されるGUIにおいては、通話の要否についての選択肢に係るGUI要素のみが含まれている。すなわち、
図4に例示されるGUIは、
図5に例示されるGUIよりも高い簡略性を有している。
【0041】
先行して発生した第一の問合せに対する応答待ちを理由に後続して発生した第二の問合せに係る第二GUIが表示の待機を強いられる場合、プロセッサ132は、簡略性がより高いGUIを選択して第二GUIとして表示装置12に表示させる。すなわち、前述した車線変更の要否に係る問合せに後続して通話の要否に係る問合せが発生した場合、プロセッサは、簡略性がより高い
図4に例示されるGUIを表示装置12に表示させる。
【0042】
ある問合せに係るGUIが第二GUIとして表示される状況は、競合する複数の問合せが存在し、ユーザによる意思決定に許容される時間的余裕が比較的少ないことを意味する。このような状況において簡略性のより高いGUIが提示されることによって、ユーザの迅速な意思決定を促すことができる。
【0043】
簡略性が相違する複数のGUIの他の例としては、より多くの選択肢が提示されている提案を示すためのGUIと当該選択肢の一つを選択することの可否を問うGUIの組合せが挙げられる。要否や可否のみが問われるような簡略性がより高いGUIの他の例としては、二つから四つの方向を選択可能な複数の矢印画像を含むGUIが挙げられる。
【0044】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置13のプロセッサ132は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0045】
あるいは、プロセッサ132は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、制御装置13が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0046】
プロセッサ132は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0047】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。
【0048】
上記の実施形態例においては、操舵部材11を把持したユーザの右手指が届く位置に表示装置12が配置されている。表示装置12に表示されるGUIには複数の選択肢に対応する画像が含まれている。他方、
図1に例示されるように、操舵部材11を把持したユーザの左手指が届く位置にも表示装置12が配置されうる。
【0049】
この場合、右側の表示装置12に表示されるGUIに上記複数の選択肢の一つを含ませ、左側の表示装置12に表示されるGUIに上記複数の選択肢の別の一つを含ませうる。例えば、
図4に例示されるGUIに含まれるボタン画像B1が左側の表示装置12に表示され、ボタン画像B2が右側の表示装置12に表示されるように構成されうる。このような構成によれば、表示面積が比較的小さい操舵部材11上の表示装置12に表示されたGUIに対して意図しない指示入力がなされてしまう事態の発生を抑制できる。
【0050】
上記の実施形態例においては、表示装置12がユーザの指示を受け付けるユーザインタフェースを兼ねている。しかしながら、ユーザインタフェース121は、操舵装置10に設けられた機械式スイッチを含んでもよい。これらに加えてあるいは代えて、問合せに対する応答は、音声入力やジェスチャ入力によりなされてもよい。この場合、ユーザインタフェース121は、音声入力やジェスチャ入力を受け付け可能な周知の構成を備える。
【0051】
操舵装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。
【符号の説明】
【0052】
10:操舵装置、11:操舵部材、12:表示装置、121:ユーザインタフェース、13:制御装置、131:入力インタフェース、132:プロセッサ、20:車両