特開 2024-79003 操舵装置、制御装置、およびコンピュータプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024079003

(43)【公開日】2024-06-11

(54)【発明の名称】操舵装置、制御装置、およびコンピュータプログラム

(51)【国際特許分類】

   G06F 3/04817 20220101AFI20240604BHJP

   B60R 16/02 20060101ALI20240604BHJP

   B60K 35/00 20240101ALI20240604BHJP

【ＦＩ】

G06F3/04817

B60R16/02 640K

B60K35/00 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022191681

(22)【出願日】2022-11-30

(71)【出願人】

【識別番号】000003551

【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所

(74)【代理人】

【識別番号】110001416

【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所

(72)【発明者】

【氏名】橋本 治彦

(72)【発明者】

【氏名】長倉 寿典

(72)【発明者】

【氏名】名和田 毅

【テーマコード（参考）】

3D344

5E555

【Ｆターム（参考）】

3D344AA26

3D344AA30

3D344AC28

3D344AD01

3D344AD05

3D344AD13

5E555AA29

5E555BA23

5E555BB23

5E555BC04

5E555BE10

5E555CA12

5E555CB16

5E555CB37

5E555CC03

5E555DA02

5E555DB03

5E555DC05

5E555FA00

(57)【要約】

【課題】移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御可能な操舵装置の利便性を高める。
【解決手段】操舵装置１０は、移動体に搭載される。操舵部材１１は、移動体の進行方向を変更する。第一表示装置１２は、操舵部材１１に設置されている。制御装置１３は、移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを、第一表示装置１２に表示させる。制御装置１３は、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、ユーザの要求に応答して第一表示装置１２に表示させる。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

移動体に搭載される操舵装置であって、
前記移動体の進行方向を変更する操舵部材と、
前記操舵部材に設置されている第一表示装置と、
前記移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを前記第一表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、ユーザの要求に応答して前記第一表示装置に表示させる、
操舵装置。

【請求項2】

前記指示は、前記アプリケーションの動作に基づいて前記移動体に搭載された第二表示装置に表示される画像に対する入力である、
請求項１に記載の操舵装置。

【請求項3】

前記制御装置は、複数のＧＵＩから前記指示を前記第二態様で受け付け可能な少なくとも一つを選択して前記第二ＧＵＩとして前記第一表示装置に表示させる、
請求項１に記載の操舵装置。

【請求項4】

前記第一表示装置は、前記指示を受け付けるインタフェースを兼ねる、
請求項１に記載の操舵装置。

【請求項5】

移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている第一表示装置に表示させるプロセッサと、
ユーザの要求に対応する信号を受け付けるインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、前記信号に応答して前記第一表示装置に表示させる、
制御装置。

【請求項6】

制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記制御装置が搭載された移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを、当該移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている第一表示装置に表示させ、
ユーザの要求に対応する信号を受け付け、
前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、前記信号に応答して前記第一表示装置に表示させる、
コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、移動体に搭載される操舵装置に関連する。本開示は、当該移動体に搭載される制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１は、移動体の一例である車両に搭載される操舵装置を開示している。当該操舵装置においては、車両の進行方向を変更する操舵部材に表示装置が設置されている。当該車両の乗員は、当該表示装置に表示されるＧＵＩ（Graphical User Interface）に指示を入力することによって、当該車両において実行されるアプリケーションの動作を制御する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】国際公開第２０２０／１７９３６１号明細書

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御可能な操舵装置の利便性を高めることが求められている。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本開示により提供される一態様例は、移動体に搭載される操舵装置であって、
前記移動体の進行方向を変更する操舵部材と、
前記操舵部材に設置されている第一表示装置と、
前記移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを前記第一表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、ユーザの要求に応答して前記第一表示装置に表示させる。

【0006】

本開示により提供される一態様例は、移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを、前記移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている第一表示装置に表示させるプロセッサと、
ユーザの要求に対応する信号を受け付けるインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、前記信号に応答して前記第一表示装置に表示させる。

【0007】

本開示により提供される一態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記制御装置が搭載された移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを、当該移動体の進行方向を変更する操舵部材に設置されている第一表示装置に表示させ、
ユーザの要求に対応する信号を受け付け、
前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、前記信号に応答して前記第一表示装置に表示させる。

【0008】

移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するために制御装置によって第一表示装置に当初表示される第一ＧＵＩが、必ずしもユーザにとって最適なＧＵＩであるとは限らない。上記の各態様例に係る構成によれば、特定のアプリケーションについて適正の高いＧＵＩが初めに提供されつつも、ユーザ自身が使いやすいと考えるＧＵＩを選択する自由度が残されている。したがって、移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御可能な操舵装置の利便性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】一実施形態に係る操舵装置が搭載される車両を例示している。

【図2】図１の操舵装置の機能構成を例示している。

【図3】図１の第一表示装置に表示されるＧＵＩと第二表示装置に表示される画面との関係を例示している。

【図4】図２の制御装置により実行される処理の流れを例示している。

【発明を実施するための形態】

【0010】

添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。

【0011】

図１は、一実施形態に係る操舵装置１０が搭載される車両２０の車室を例示している。操舵装置１０は、車両２０の進行方向を変更するための操舵部材１１を備えている。車両２０は、移動体の一例である。

【0012】

操舵装置１０は、第一表示装置１２を備えている。第一表示装置１２は、操舵部材１１に設置されている。本実施形態例においては、第一表示装置１２は、様々な画像を表示しうる汎用の表示装置である。

【0013】

図２に例示されるように、第一表示装置１２は、ユーザインタフェース１２１を備えている。本実施形態例において、第一表示装置１２は、静電型あるいは感圧型のタッチパネルディスプレイとして構成されている。この場合、ユーザインタフェース１２１は、第一表示装置１２に表示されるＧＵＩとして実現される。ユーザは、ＧＵＩに手指を接近または接触させることにより、指示を入力できる。したがって、第一表示装置１２は、操舵部材１１を把持したユーザの手指による指示入力を許容する位置に配置される。

【0014】

第一表示装置１２は、ユーザインタフェース１２１に入力された指示に対応する応答信号ＲＳを出力するように構成されている。応答信号ＲＳは、第一表示装置１２の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。

【0015】

操舵装置１０は、制御装置１３を備えている。制御装置１３は、入力インタフェース１３１を備えている。入力インタフェース１３１は、応答信号ＲＳを受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。応答信号ＲＳがアナログ信号である場合、入力インタフェース１３１は、Ａ／Ｄコンバータを含む適宜の変換回路を備える。

【0016】

本実施形態例に係る車両２０には、車両制御装置２１と第二表示装置２２が搭載されている。図１に例示されるように、第二表示装置２２は、操舵装置１０の右方に配置されている。しかしながら、第二表示装置２２は、車両２０の前部中央に位置するセンタクラスタに設置されてもよい。第二表示装置２２は、車両２０において実行される様々なアプリケーションに対応する画面を表示可能な汎用の表示装置である。車両制御装置２１は、車両２０に搭載されている様々な機器のうち、少なくとも第二表示装置２２の動作を制御する装置である。

【0017】

図２に例示されるように、制御装置１３の入力インタフェース１３１は、車両制御装置２１からステータス信号ＳＴも受け付け可能に構成されている。ステータス信号ＳＴは、第二表示装置２２に表示されている画面（実行されているアプリケーション）を特定する情報を含んでいる。ステータス信号ＳＴは、車両制御装置２１の仕様に応じて、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。ステータス信号ＳＴがアナログ信号である場合、入力インタフェース１３１は、Ａ／Ｄコンバータを含む適宜の変換回路を備える。

【0018】

制御装置１３は、プロセッサ１３２とストレージ１３４を備えている。プロセッサ１３２は、ステータス信号ＳＴに基づいて、第一表示装置１２に表示される画面を決定するように構成されている。ストレージ１３４は、第二表示装置２２に表示されるアプリケーションの画面と当該アプリケーションの動作を制御するのに最適なＧＵＩとの関係を示す情報を格納している。ストレージ１３４は、半導体メモリやハードディスク装置などにより実現されうる。プロセッサ１３２は、ステータス信号ＳＴに含まれる第二表示装置２２に表示される画面に係る情報とストレージ１３４に格納された情報とを参照し、最適なＧＵＩが含まれるように第一表示装置１２に表示される画面を決定する。

【0019】

図３は、ストレージ１３４に格納されている上記の関係を例示している。

【0020】

複数のアイコン画像が配列された画面３１が第二表示装置２２に表示されるアプリケーションには、十字キー画像と決定キー画像を含むＧＵＩ４１が割り当てられている。ユーザは、十字キー画像に含まれる矢印画像に手指を接触または接近させることによって所望のアイコン画像を選択し、決定キー画像に手指を接触または接近させることによって当該選択を確定させる。

【0021】

地図画像を含む画面３２が第二表示装置２２に表示されるアプリケーションには、エリア選択指示を入力可能なＧＵＩ４２が割り当てられている。ＧＵＩ４２内の位置と画面３２内の位置は対応している。ユーザは、ＧＵＩ４２内の特定の位置に手指を接触または接近させることにより、地図上の対応する位置を指定できる。加えて、ユーザは、ＧＵＩ４２内の特定の領域を囲むようになぞり操作をすることにより、地図上の対応する領域を指定できる。

【0022】

リスト表示を伴う画面３３が第二表示装置２２に表示されるアプリケーションには、サムホイール画像を含むＧＵＩ４３が割り当てられている。ユーザは、サムホイール画像を上方または下方へフリック操作することにより、画面３３内のリストを上方または下方へスクロールさせつつ、特定の項目を選択できる。ユーザは、サムホイール画像をタップ操作することにより、当該選択を確定できる。

【0023】

図３に例示された三つのＧＵＩは、互いに相違する態様でユーザの指示を受け付けるように構成されている。

【0024】

図２に例示されるように、制御装置１３は、出力インタフェース１３３を備えている。プロセッサ１３２は、決定された画面を第一表示装置１２に表示させる第一表示制御信号ＤＣ１を、出力インタフェース１３３から出力するように構成されている。

【0025】

第一表示制御信号ＤＣ１は、第一表示装置１２の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。出力インタフェース１３３は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。第一表示制御信号ＤＣ１がアナログ信号である場合、出力インタフェース１３３は、Ｄ／Ａコンバータを含む適宜の変換回路を備える。

【0026】

第一表示装置１２に表示されたＧＵＩ（ユーザインタフェース１２１）に対して前述のような指示が入力されると、第一表示装置１２は、当該指示に対応する応答信号ＲＳを出力する。応答信号ＲＳは、制御装置１３の入力インタフェース１３１により受け付けられる。

【0027】

ＧＵＩへの指示に対応する応答信号ＲＳが受け付けられると、プロセッサ１３２は、当該指示を第二表示装置２２に表示された画面に反映させる第二表示制御信号ＤＣ２を、出力インタフェース１３３から車両制御装置２１へ出力する。車両制御装置２１は、第二表示制御信号ＤＣ２に基づいて、第二表示装置２２の動作を制御する。

【0028】

ストレージ１３４に格納された情報に基づいてプロセッサ１３２により初めに選択され、第一表示装置１２への表示に供されるＧＵＩを、説明の便宜のために「第一ＧＵＩ」と称する。本実施形態例に係る操舵装置１０は、第一表示装置１２に表示されるＧＵＩを第一ＧＵＩから別のＧＵＩへ変更するユーザの要求を受け付け可能とされている。変更後のＧＵＩを「第二ＧＵＩ」と称する。

【0029】

一例として、第一ＧＵＩから第二ＧＵＩへの変更要求は、第一表示装置１２（ユーザインタフェース１２１）のタッチパネル機能を利用して行なわれうる。例えば図３に例示されるＧＵＩ４１が第一表示装置１２に表示されている状態において、第一表示装置１２の画面を左方または右方へフリック操作することにより、ＧＵＩ４２またはＧＵＩ４３が表示されている状態に切り替えることができる。

【0030】

別例として、第一ＧＵＩから第二ＧＵＩへの変更要求は、操舵部材１１に設けられた特定の機械式スイッチの操作、音声入力、ジェスチャ入力などによりなされてもよい。この場合、ユーザインタフェース１２１は、機械式スイッチの操作、音声入力、ジェスチャ入力などを受け付け可能な周知の構成を備える。

【0031】

第一ＧＵＩから第二ＧＵＩへの変更要求がなされると、当該変更要求に対応する応答信号ＲＳがユーザインタフェース１２１から出力され、制御装置１３の入力インタフェース１３１により受け付けられる。

【0032】

変更要求に対応する応答信号ＲＳが受け付けられると、プロセッサ１３２は、第二ＧＵＩに対応する情報をストレージ１３４から読み出し、第二ＧＵＩを第一表示装置１２に表示させる第一表示制御信号ＤＣ１を、出力インタフェース１３３から出力する。第一表示装置１２は、第一表示制御信号ＤＣ１に基づいて、第二ＧＵＩを表示する。

【0033】

図４を参照しつつ、上記のように構成された制御装置１３により実行される処理の流れについて具体的に説明する。

【0034】

まず、プロセッサ１３２は、入力インタフェース１３１により受け付けられたステータス信号ＳＴに基づいて、第二表示装置２２に表示されている画面（実行されているアプリケーション）を特定し、ストレージ１３４に格納された情報に基づいて、当該アプリケーションに割り当てられたＧＵＩを、第一ＧＵＩとして選択する（ＳＴＥＰ１）。

【0035】

例えば、図３に例示される画面３１が第二表示装置２２に表示されるアプリケーションが実行されている場合、ＧＵＩ４１が第一ＧＵＩとして選択される。

【0036】

続いて、プロセッサ１３２は、選択された第一ＧＵＩを第一表示装置１２に表示させる第一表示制御信号ＤＣ１を、出力インタフェース１３３から出力する（ＳＴＥＰ２）。本例の場合、ＧＵＩ４１が第一表示装置１２に表示される。

【0037】

続いて、プロセッサ１３２は、ユーザからＧＵＩの変更要求を受け付けたかを判断する（ＳＴＥＰ３）。具体的には、変更要求に対応する応答信号ＲＳが入力インタフェース１３１により受け付けられたかが判断される。変更要求が受け付けられたと判断されるまで当該処理が繰り返され（ＳＴＥＰ３においてＮＯ）、第一ＧＵＩが第一表示装置１２に表示され続ける。

【0038】

変更要求が受け付けられたと判断されると（ＳＴＥＰ３においてＹＥＳ）、プロセッサ１３２は、当該指示に対応するＧＵＩに係る情報をストレージ１３４から読み出し、当該ＧＵＩを第二ＧＵＩとして選択する（ＳＴＥＰ４）。

【0039】

上記のように第一表示装置１２にＧＵＩ４１が表示されている状態で、例えば第一表示装置１２の画面に対して左方へのフリック操作がなされると、当該操作に対応する応答信号ＲＳが入力インタフェース１３１により受け付けられる。ストレージ１３４に格納されている情報においては、ＧＵＩ４２が当該操作に対応付けられている。よって、プロセッサ１３２は、ＧＵＩ４２を第二ＧＵＩとして選択する。

【0040】

続いて、プロセッサ１３２は、選択された第二ＧＵＩを第一表示装置１２に表示させる第一表示制御信号ＤＣ１を、出力インタフェース１３３から出力する（ＳＴＥＰ５）。本例の場合、ＧＵＩ４２が第一表示装置１２に表示される。

【0041】

その後、処理はＳＴＥＰ３に戻り、再びユーザからＧＵＩの変更要求を受け付けたかが判断される。変更要求が受け付けられたと判断されるまで当該処理が繰り返され（ＳＴＥＰ３においてＮＯ）、第二ＧＵＩが第一表示装置１２に表示され続ける。

【0042】

上記のように第一表示装置１２にＧＵＩ４２が表示されている状態で、例えば第一表示装置１２の画面に対して左方へのフリック操作がなされると、当該操作に対応する応答信号ＲＳが入力インタフェース１３１により受け付けられる。ストレージ１３４に格納されている情報においては、ＧＵＩ４３が当該操作に対応付けられている。よって、プロセッサ１３２は、ＧＵＩ４３を第二ＧＵＩとして選択する。

【0043】

続いて、プロセッサ１３２は、選択された第二ＧＵＩを第一表示装置１２に表示させる第一表示制御信号ＤＣ１を、出力インタフェース１３３から出力する（ＳＴＥＰ５）。本例の場合、ＧＵＩ４３が第一表示装置１２に表示される。

【0044】

車両２０において実行されるアプリケーションの動作を制御するために制御装置１３によって第一表示装置１２に当初表示される第一ＧＵＩが、必ずしもユーザにとって最適なＧＵＩであるとは限らない。例えば、図３に例示される画面３２が第二表示装置２２に表示されるアプリケーションの動作を制御するＧＵＩとして、あるユーザにとってはＧＵＩ４２ではなくＧＵＩ４１やＧＵＩ４３の方がより好まれる場合がある。本実施形態例に係る構成によれば、特定のアプリケーションについて適正の高いＧＵＩが初めに提供されつつも、ユーザ自身が使いやすいと考えるＧＵＩを選択する自由度が残されている。したがって、車両２０において実行されるアプリケーションの動作を制御可能な操舵装置１０の利便性を高めることができる。

【0045】

他方、第二表示装置２２に表示される画面と第一表示装置１２に表示されるＧＵＩとの相性が良くない組合せも存在する。例えば、図３に例示されるリスト表示を伴う画面３３に対してＧＵＩ４２を通じて入力されるエリア選択指示は有効とは言えない。したがって、プロセッサ１３２は、図４のＳＴＥＰ４において行なわれる第二ＧＵＩの選択に際し、指示を受け付けできないＧＵＩを予め除外するように構成されうる。これにより、車両２０において実行されているアプリケーションの動作を制御する指示を受け付け可能なＧＵＩのみが第一表示装置１２における表示に供されうる。

【0046】

このような構成によれば、無用なＧＵＩが第二ＧＵＩの選択肢として第一表示装置１２に表示されないようにできるので、操舵装置１０におけるユーザによるＧＵＩ選択の効率性を高めることができる。

【0047】

これまで説明した各種の機能を有する制御装置１３のプロセッサ１３２は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ＡＳＩＣ、ＦＰＧＡなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。

【0048】

あるいは、プロセッサ１３２は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、ＣＰＵ、ＭＰＵ、ＧＰＵが例示されうる。汎用メモリとしては、ＲＯＭやＲＡＭが例示されうる。この場合、ＲＯＭには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。ストレージ１３４が汎用メモリとして使用されてもよい。汎用マイクロプロセッサは、ＲＯＭ上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してＲＡＭ上に展開し、ＲＡＭと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、制御装置１３が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。

【0049】

プロセッサ１３２は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。

【0050】

これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。

【0051】

上記の実施形態例においては、第二表示装置２２への画面表示を伴うアプリケーションの動作を制御するためのＧＵＩが第一表示装置１２に表示されている。しかしながら、第一表示装置１２に表示されるＧＵＩにより動作が制御されるアプリケーションは、必ずしも第二表示装置２２への画面表示を伴うものでなくてもよい。そのような場合においても、実行されているアプリケーションの特定はステータス信号ＳＴによりなされ、アプリケーションと適切なＧＵＩとの組合せに係る情報はストレージ１３４に格納される。

【0052】

なお、アプリケーションと適切なＧＵＩとの組合せに係る情報は、ストレージ１３４に予め記憶されてもよいし、制御装置１３が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされてもよい。

【0053】

上記の実施形態例においては、第一表示装置１２がユーザの指示を受け付けるユーザインタフェースを兼ねている。しかしながら、ユーザインタフェース１２１は、操舵装置１０に設けられた機械式スイッチを含んでもよい。これらに加えてあるいは代えて、第一表示装置１２に表示されたＧＵＩに対する指示は、音声入力やジェスチャ入力によりなされてもよい。この場合、ユーザインタフェース１２１は、音声入力やジェスチャ入力を受け付け可能な周知の構成を備える。

【0054】

操舵装置１０は、車両２０以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。

【0055】

以下に列挙される構成もまた、本開示の一部を構成する。

項目１：
移動体に搭載される操舵装置であって、
前記移動体の進行方向を変更する操舵部材と、
前記操舵部材に設置されている第一表示装置と、
前記移動体において実行されるアプリケーションの動作を制御するための指示を第一態様で受け付ける第一ＧＵＩを前記第一表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記指示を前記第一態様と異なる第二態様で受け付ける第二ＧＵＩを、ユーザの要求に応答して前記第一表示装置に表示させる、
操舵装置。

項目２：
前記指示は、前記アプリケーションの動作に基づいて前記移動体に搭載された第二表示装置に表示される画像に対する入力である、
項目１に記載の操舵装置。

項目３：
前記制御装置は、複数のＧＵＩから前記指示を前記第二態様で受け付け可能な少なくとも一つを選択して前記第二ＧＵＩとして前記第一表示装置に表示させる、
項目１または２に記載の操舵装置。

項目４：
前記第一表示装置は、前記指示を受け付けるインタフェースを兼ねる、
項目１から３のいずれか一項に記載の操舵装置。

【符号の説明】

【0056】

１０：操舵装置、１１：操舵部材、１２：第一表示装置、１２１：ユーザインタフェース、１３：制御装置、１３１：入力インタフェース、１３２：プロセッサ、２０：車両、２２：第二表示装置、４１～４３：ＧＵＩ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】