(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007901
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60K 17/22 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B60K17/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109293
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 公博
【テーマコード(参考)】
3D042
【Fターム(参考)】
3D042AA01
3D042AB01
3D042AB17
3D042DA04
3D042DB01
(57)【要約】
【課題】車両の走破性を向上させる。
【解決手段】車両は、駆動源と駆動輪との間で動力を伝達し、車両前後方向に延在するシャフト部を有するプロペラシャフトを備え、前記シャフト部の外周部には、前記シャフト部の中心軸まわりの螺旋状に形成されたスクリュー部が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と駆動輪との間で動力を伝達し、車両前後方向に延在するシャフト部を有するプロペラシャフトを備え、
前記シャフト部の外周部には、前記シャフト部の中心軸まわりの螺旋状に形成されたスクリュー部が設けられている、
車両。
【請求項2】
前記スクリュー部は、前記駆動輪により前記車両を前進させる際の前記プロペラシャフトの回転方向に旋回しながら車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されている、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記プロペラシャフトは、露出している、
請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記プロペラシャフトは、カバー部によって覆われている、
請求項1または2に記載の車両。
【請求項5】
前記車両の埋没時に、前記カバー部が開くことによって、前記プロペラシャフトが露出する、
請求項4に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走破性を向上させるための各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、凍結路等の低μ路の走行時に、車両の駆動トルクを低下させ、駆動輪のスリップを抑制することによって走破性を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両では、走破性を向上させるためのさらなる提案が望まれている。具体的には、水、泥、砂、雪等の流動体に車両が埋没した場合に、駆動輪により前進することが困難となる場合がある。ゆえに、このような車両の埋没時においても走破性を確保することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、車両の走破性を向上させることが可能な車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の形態に係る車両は、
駆動源と駆動輪との間で動力を伝達し、車両前後方向に延在するシャフト部を有するプロペラシャフトを備え、
前記シャフト部の外周部には、前記シャフト部の中心軸まわりの螺旋状に形成されたスクリュー部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の走破性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車両の外観を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達系を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る車両の埋没時の動作を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の変形例に係る車両の動力伝達系を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の変形例に係る車両の埋没時の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料、数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
<車両の構成>
図1および
図2を参照して、本発明の実施形態に係る車両1の構成について説明する。
【0011】
図1および
図2では、図面中の左側を車両前側とし、図面中の右側を車両後側として車両前後方向(つまり、車両を基準とする前後方向)が示されており、図面中の上側を車両上側とし、図面中の下側を車両下側として車両上下方向(つまり、車両を基準とする上下方向)が示されている。後述する
図3~
図5においても、各方向が同様に示されている。なお、以下では、車両前側、車両後側、車両上側および車両下側を、それぞれ単に前側、後側、上側および下側とも呼ぶ。
【0012】
図1は、車両1の外観を示す模式図である。
図1に示されるように、車両1は、車体11と、前輪12と、後輪13とを備える。車両1の駆動形式は、四輪駆動である。つまり、前輪12および後輪13の両方が駆動輪である。ただし、車両1の駆動形式は、四輪駆動に限定されない。例えば、車両1の駆動形式は、後輪駆動であってもよい。その場合、後輪13のみが駆動輪となる。
【0013】
図2は、車両1の動力伝達系を示す模式図である。
図2に示されるように、車両1は、エンジン14と、変速機15と、プロペラシャフト16と、リヤディファレンシャル装置17と、軸受18とを備える。エンジン14は、車両1は駆動源の一例に相当する。車両1の駆動源は、エンジン14に限定されず、例えば、エンジン14に変えて駆動用モータが駆動源として用いられてもよく、エンジン14に加えて駆動用モータが駆動源として用いられてもよい。
【0014】
エンジン14は、ガソリン等を燃料として動力を生成する。エンジン14は、駆動輪を駆動するための動力を出力する。エンジン14の出力軸は、変速機15と接続されている。エンジン14から出力された動力は、変速機15に伝達される。
【0015】
変速機15は、回転数を変えて動力を伝達する。変速機15の出力軸は、プロペラシャフト16と接続されている。エンジン14から変速機15に伝達された動力は、変速機15によって変速されて、プロペラシャフト16に伝達される。
【0016】
プロペラシャフト16は、主に、エンジン14と後輪13との間で動力を伝達するために設けられている。プロペラシャフト16は、車体11の下方において、車両前後方向に延在する。プロペラシャフト16の前端部が、変速機15の出力軸と接続されている。プロペラシャフト16の後端部が、リヤディファレンシャル装置17と接続されている。変速機15からプロペラシャフト16に伝達された動力は、プロペラシャフト16を介してリヤディファレンシャル装置17に伝達される。なお、プロペラシャフト16の詳細については、後述する。
【0017】
リヤディファレンシャル装置17は、左右一対の後輪13の各々とドライブシャフトを介して接続されている。プロペラシャフト16からリヤディファレンシャル装置17に伝達された動力は、リヤディファレンシャル装置17によって左右一対の後輪13に分配される。なお、前輪12には、変速機15の出力軸から出力された動力が、プロペラシャフト16を介さずに伝達されるようになっている。具体的には、変速機15の出力軸から出力された動力は、不図示のフロントディファレンシャル装置によって左右一対の前輪12に分配される。
【0018】
本実施形態に係る車両1では、走破性を向上させるための工夫がプロペラシャフト16に施されている。
図2に示されるように、プロペラシャフト16は、シャフト部16aと、スクリュー部16bとを有する。シャフト部16aは、動力を伝達する機能を有する。スクリュー部16bは、車両1の埋没時に走破性を確保する機能を有する。車両1の埋没時は、車両1が水、泥、砂、雪等の流動体に埋没した時を意味する。
【0019】
シャフト部16aは、エンジン14と後輪13との間で動力を伝達し、車両前後方向に延在する。シャフト部16aの前端部が、変速機15の出力軸と接続されている。シャフト部16aの後端部が、リヤディファレンシャル装置17と接続されている。それにより、シャフト部16aを介して変速機15からリヤディファレンシャル装置17に動力が伝達される。
【0020】
シャフト部16aは、例えば、円形の断面形状を有する棒状に形成されている。シャフト部16aは、中実であってもよく、中空であってもよい。
図2の例では、シャフト部16aの中心軸は車両前後方向と一致しており、シャフト部16aは車両前後方向に直線状に延在している。つまり、
図2の例では、シャフト部16aの中心軸は、車両前後方向と平行である。ただし、シャフト部16aの中心軸は、車両前後方向と厳密に一致していなくてもよい。例えば、シャフト部16aの中心軸は、車両前後方向に対してある程度傾いていてもよい。また、例えば、シャフト部16aの中心軸は、基本的には車両前後方向に延在するものの、屈曲していてもよい。
【0021】
スクリュー部16bは、シャフト部16aの外周部に設けられ、シャフト部16aの中心軸まわりの螺旋状に形成されている。螺旋状は、中心軸まわりに旋回しながら、当該中心軸に沿った方向に移動する形状を意味する。プロペラシャフト16は、シャフト部16aの中心軸まわりに回転する。ゆえに、スクリュー部16bは、プロペラシャフト16の回転方向に旋回しながら車両前後方向に沿った方向に向かう螺旋状に形成されている。
図2の例では、スクリュー部16bは、車両後側から見て反時計回りに旋回しながら、車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されている。
【0022】
スクリュー部16bは、シャフト部16aの前端から後端までに亘る領域のうちの大部分に設けられている。ただし、シャフト部16aの一部には、スクリュー部16bが設けられていない領域が存在する。
図2の例では、シャフト部16aのうち車両前後方向の中央側において、スクリュー部16bが設けられていない領域が存在する。シャフト部16aのうちスクリュー部16bが設けられていない部分は、軸受18によって軸支される。
図2の例では、2つの軸受18が示されている。ただし、軸受18の数および配置は、
図2の例に限定されない。軸受18は、車体11に取り付けられている。ゆえに、プロペラシャフト16は、軸受18を介して車体11に支持されている。なお、軸受18が車両1から省略されてもよい。
【0023】
上述したように、スクリュー部16bによって、車両1の埋没時における走破性が確保される。車両1の埋没時における車両1の動作については、
図3を参照して後述する。
【0024】
<車両の動作>
図3を参照して、本発明の実施形態に係る車両1の動作について説明する。
【0025】
図3は、車両1の埋没時の動作を説明するための図である。車両1は、水、泥、砂、雪等の流動体に埋没する場合がある。車両1の埋没時は、具体的には、駆動輪を含む車両1の下部が水、泥、砂、雪等の流動体に埋没している時を意味する。車両1の埋没時には、エンジン14から駆動輪に動力が伝達されても駆動輪が空転してしまい、駆動輪により車両1を前進させることが困難となる場合がある。
【0026】
車両1が水、泥、砂、雪等の流動体に埋没していない非埋没時において、プロペラシャフト16は、露出している。つまり、車両1が水、泥、砂、雪等の流動体に埋没しているか否かによらず、プロペラシャフト16は、露出している。具体的には、プロペラシャフト16は、他の部材により覆われずに露出した状態で、車体11の底部よりも車両下側に配置されている。ゆえに、車両1の埋没時に、プロペラシャフト16は、水、泥、砂、雪等の流動体に埋没した状態になる。なお、プロペラシャフト16は、上述したように、軸受18を介して車体11に支持されている。それにより、車両1の埋没時に、プロペラシャフト16が水、泥、砂、雪等の流動体と衝突した際の衝撃によって変形することが抑制される。
【0027】
車両1では、上述したように、プロペラシャフト16のシャフト部16aの外周部には、スクリュー部16bが設けられている。ゆえに、車両1の埋没時に、エンジン14を駆動してプロペラシャフト16を回転させることによって、スクリュー部16bにより水、泥、砂、雪等の流動体を押し出し、車両1の推進力を得ることができる。それにより、駆動輪により車両1を前進させることが困難な車両1の埋没時において、車両1を前進させることができ、走破性を確保できる。
【0028】
具体的には、スクリュー部16bは、駆動輪により車両1を前進させる際のプロペラシャフト16の回転方向に旋回しながら車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されている。駆動輪により車両1を前進させる際のプロペラシャフト16の回転方向は、例えば、車両1のシフトポジションがDレンジ等の前進レンジになっている場合のプロペラシャフト16の回転方向である。
図3の例では、矢印A1により示されるように、車両1のシフトポジションがDレンジになっている場合、プロペラシャフト16は、車両後側から見て反時計回りに回転する。そして、スクリュー部16bは、このようなプロペラシャフト16の回転方向に旋回しながら車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されている。なお、車両1のシフトポジションがDレンジになっている場合のプロペラシャフト16の回転方向は、
図3の例と逆方向であってもよい。
【0029】
図3の例では、車両1を前進させるようにエンジン14を駆動した場合、矢印A2により示されるように、スクリュー部16bは、水、泥、砂、雪等の流動体を車両後側に押し出す。それにより、スクリュー部16bが水、泥、砂、雪等の流動体を押し出す力の反力として、車両前側を向く方向の推進力が車両1に作用する。よって、車両1を前進させることができる。つまり、車両1の非埋没時に車両1を前進させる操作と同様の操作によって、車両1の埋没時においても車両1を前進させることができる。
【0030】
なお、車両1を後退させるようにエンジン14を駆動した場合、プロペラシャフト16は、矢印A1の向きとは逆の向きに回転する。ゆえに、スクリュー部16bは、水、泥、砂、雪等の流動体を、矢印A2の向きとは逆の向きである車両前側に押し出す。それにより、車両1には、車両後側を向く方向の推進力が作業する。ゆえに、車両1の非埋没時に車両1を後退させる操作と同様の操作によって、車両1の埋没時においても車両1を後退させることができる。
【0031】
<車両の効果>
本発明の実施形態に係る車両1の効果について説明する。
【0032】
本実施形態に係る車両1は、駆動源(上記の例では、エンジン14)と駆動輪(上記の例では、後輪13)との間で動力を伝達し、車両前後方向に延在するシャフト部16aを有するプロペラシャフト16を備え、シャフト部16aの外周部には、シャフト部16aの中心軸まわりの螺旋状に形成されたスクリュー部16bが設けられている。それにより、車両1の埋没時に、エンジン14を駆動してプロペラシャフト16を回転させることによって、スクリュー部16bにより水、泥、砂、雪等の流動体を押し出し、車両1の推進力を得ることができる。ゆえに、駆動輪により車両1を前進させることが困難な車両1の埋没時において、車両1を前進させることができ、走破性を確保できる。よって、車両1の走破性を向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態に係る車両1では、上記で説明した例のように、スクリュー部16bは、駆動輪により車両1を前進させる際のプロペラシャフト16の回転方向に旋回しながら車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されていることが好ましい。それにより、車両1の非埋没時に車両1を前進させる操作と同様の操作によって、車両1の埋没時においても車両1を前進させることができる。また、車両1の非埋没時に車両1を後退させる操作と同様の操作によって、車両1の埋没時においても車両1を後退させることができる。ゆえに、車両1の埋没時に、直感的な操作によって車両1を前進または後退させることができる。
【0034】
ただし、スクリュー部16bは、駆動輪により車両1を前進させる際のプロペラシャフト16の回転方向と逆方向に旋回しながら車両後側から車両前側に向かう螺旋状に形成されていてもよい。その場合には、車両1の非埋没時に車両1を後退させる操作と同様の操作によって、車両1を前進させることができる。
【0035】
また、本実施形態に係る車両1では、上記で説明した例のように、プロペラシャフト16は、露出していることが好ましい。それにより、車両1の埋没時に、プロペラシャフト16を、水、泥、砂、雪等の流動体に埋没した状態にすることが適切に実現される。ゆえに、車両1の埋没時に、スクリュー部16bにより水、泥、砂、雪等の流動体を押し出し、車両1の推進力を得ることが適切に実現される。
【0036】
ただし、
図4および
図5を参照して後述するように、車両1の非埋没時において、プロペラシャフト16は、露出していなくてもよい。
【0037】
<変形例>
図4および
図5を参照して、本発明の変形例に係る車両2について説明する。
【0038】
図4は、車両2の動力伝達系を示す模式図である。変形例に係る車両2では、上述した車両1と比較して、プロペラシャフト16がカバー部19によって覆われている点が異なる。ゆえに、車両2では、車両1の非埋没時において、プロペラシャフト16は露出していない。
【0039】
図4に示されるように、カバー部19は、車体11の底部よりも車両下側に配置され、プロペラシャフト16および軸受18を車両下側から覆う。カバー部19は、例えば、薄板形状の材料によって形成される。カバー部19は、車両前後方向において、プロペラシャフト16の前端よりも前側からプロペラシャフト16の後端よりも後側までに亘って延在する。例えば、カバー部19の前端は、変速機15またはその近傍の部材と接続されており、カバー部19の後端は、リヤディファレンシャル装置17またはその近傍の部材と接続されている。カバー部19は、車両左右方向において、例えば、車体11の左端またはその近傍から車体11の右端またはその近傍までに亘って延在する。
【0040】
以上説明したように、車両2では、プロペラシャフト16は、カバー部19によって覆われている。ゆえに、車両1の非埋没時において、プロペラシャフト16は露出していない。それにより、車両1が駆動輪により走行している通常走行中に、車両下側においてスクリュー部16bにより空気の乱流が生じること等に起因する走行抵抗の増加が抑制される。ゆえに、燃費または電費の悪化が抑制される。さらに、通常走行中に、スクリュー部16bが地面または地面上の対象物(例えば、動物等)と接触することが抑制される。ゆえに、スクリュー部16b、地面、または、地面上の対象物等の損傷が抑制される。
【0041】
図5は、車両2の埋没時の動作を説明するための図である。上述したように、車両2の埋没時には、駆動輪を含む車両2の下部が水、泥、砂、雪等の流動体に埋没する。また、変形例では、上述したように、プロペラシャフト16は、カバー部19によって覆われている。ここで、変形例では、車両2の埋没時に、カバー部19が開くことによって、プロペラシャフト16が露出する。カバー部19が開くことは、カバー部19が変形または移動すること等によって、プロペラシャフト16が露出した状態になることを意味する。
【0042】
例えば、
図5の例では、車両2の埋没時に、カバー部19の中央側が水、泥、砂、雪等の流動体と衝突した際の衝撃によって破断する。それにより、プロペラシャフト16は、露出し、水、泥、砂、雪等の流動体に埋没した状態になる。ゆえに、上述した車両1と同様に、エンジン14を駆動してプロペラシャフト16を回転させることによって、スクリュー部16bにより水、泥、砂、雪等の流動体を押し出し、車両2の推進力を得ることができる。上記のように、車両2の埋没時に、カバー部19が開くことによって、プロペラシャフト16が露出することにより、プロペラシャフト16を水、泥、砂、雪等の流動体に埋没させることが適切に実現されるので、車両2の走破性を向上させることが適切に実現される。
【0043】
上記では、車両2の埋没時に、カバー部19の一部が破断することによってカバー部19が開く例を説明した。ただし、カバー部19が開く仕組みは、この例に限定されない。例えば、車両2の埋没時に、カバー部19の一部が水、泥、砂、雪等の流動体と衝突した際の衝撃によって他の部分に対して相対的に移動(例えば、スライドまたは回動)することによってカバー部19が開いてもよい。また、例えば、車両2の埋没時に、カバー部19の一部がドライバーの操作に応じて他の部分に対して相対的に移動することによってカバー部19が開いてもよい。
【0044】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
2 車両
11 車体
12 前輪
13 後輪
14 エンジン
15 変速機
16 プロペラシャフト
16a シャフト部
16b スクリュー部
17 リヤディファレンシャル装置
18 軸受
19 カバー部