(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079030
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】三方弁及び酸素濃縮装置
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240604BHJP
A61M 16/10 20060101ALI20240604BHJP
F16K 11/048 20060101ALI20240604BHJP
F16K 7/17 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F16K27/00 D
A61M16/10 B
F16K11/048 Z
F16K7/17 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191721
(22)【出願日】2022-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 猛
【テーマコード(参考)】
3H051
3H067
【Fターム(参考)】
3H051AA08
3H051BB02
3H051BB10
3H051CC01
3H051FF11
3H051FF15
3H067AA03
3H067CC32
3H067EC22
3H067GG03
3H067GG25
(57)【要約】
【課題】従来に比べて小型軽量の三方弁及び酸素濃縮装置を提供する。
【解決手段】三方弁10は、給気ポート71と、給気通路75と、排気ポート72と、排気通路76と、給排気ポート73,74と、給排気通路77,78と、弁室51,弁室52と、を含む流路が形成されるマニホールド50と、弁室51,52に収容され、給気ポート71と給排気通路77,78とが連通する第1位置P1、又は排気ポート72と給排気通路77,78とが連通する第2位置P2に変位可能な弁体23,弁体24と、弁体23,24の位置を第1位置P1又は第2位置P2に切り替えるパイロット機構30と、を備え、マニホールド50が、複数の板状のマニホールド部材60を板厚方向に積層して構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポートと、前記第1ポートに繋がる第1通路と、第2ポートと、前記第2ポートに繋がる第2通路と、第3ポートと、前記第3ポートに繋がる第3通路と、前記第1通路、前記第2通路及び前記第3通路に連通する弁室と、を含む流路が形成されるマニホールドと、
前記弁室に収容され、前記第1ポート及び前記第3ポートが連通する第1位置、又は前記第2ポート及び前記第3ポートが連通する第2位置に変位可能な弁体と、
前記弁体の位置を前記第1位置又は前記第2位置に切り替える切替機構と、を備え、
前記マニホールドが、
複数の板状のマニホールド部材を板厚方向に積層して構成される、三方弁。
【請求項2】
前記マニホールドに形成される前記流路が、第1の前記弁室である第1弁室と、第2の前記弁室である第2弁室と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第1通路に接続される第1連通路と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第2通路に接続される第2連通路と、前記第1弁室側の前記第3ポートである第1弁室側第3ポートと、前記第1弁室側の前記第3通路である第1弁室側第3通路と、前記第2弁室側の前記第3ポートである第2弁室側第3ポートと、前記第2弁室側の前記第3通路である第2弁室側第3通路と、を含み、
前記弁体が、第1の前記弁体である第1弁体と、第2の前記弁体である第2弁体と、を含み、
前記第1弁室に前記第1弁体が収容されると共に、前記第2弁室に前記第2弁体が収容される、請求項1に記載の三方弁。
【請求項3】
前記第1連通路及び/又は前記第2連通路は、隣接する前記マニホールド部材同士の境界面の凹みにより形成される、請求項2に記載の三方弁。
【請求項4】
前記マニホールドに形成される前記流路が、前記第1弁室と連通する第1パイロット通路と、前記第2弁室と連通する第2パイロット通路と、前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第1通路とを連通する第3パイロット通路と、をさらに含み、
前記第1弁体が、前記第1パイロット通路を介して前記第1弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムをさらに有し、
前記第2弁体が、前記第2パイロット通路を介して前記第2弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第3ダイヤフラム及び第4ダイヤフラムをさらに有し、
前記切替機構が、パイロット弁により構成され、前記パイロット弁によって、前記第3パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラムと、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムとの変形によって、前記第1弁体又は前記第2弁体の何れか一方を前記第1位置に位置させると共に、前記第1弁体及び前記第2弁体のうちの他方を前記第2位置に位置させる、請求項2又は請求項3に記載の三方弁。
【請求項5】
前記マニホールドに形成される前記流路が、
前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第2通路とを連通する第4パイロット通路をさらに含み、
前記パイロット弁が、前記第4パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラム、又は、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムを変形させる、請求項4に記載の三方弁。
【請求項6】
前記第1弁体が、第1連結ロッド、前記第1連結ロッドの一端部に連結された前記第1ダイヤフラム、前記第1連結ロッドの他端部に連結された前記第2ダイヤフラム、前記第1ダイヤフラムに設けられた第1弁部、前記第2ダイヤフラムに設けられた第2弁部、を備え、
前記第2弁体が、第2連結ロッド、前記第2連結ロッドの一端部に連結された前記第3ダイヤフラム、前記第2連結ロッドの他端部に連結された前記第4ダイヤフラム、前記第3ダイヤフラムに設けられた第3弁部、前記第4ダイヤフラムに設けられた第4弁部、を備え、
前記第1弁室が、前記第1ダイヤフラムを収容する第1室、前記第2ダイヤフラムを収容する第2室、前記第1室及び前記第2室を連通し前記第1連結ロッドを収容する第1連通孔、前記第1連通孔の前記第1室側の端部に形成され前記第1弁部と対向する第1弁座、前記第1連通孔の前記第2室側の端部に形成され前記第2弁部と対向する第2弁座、を有し、
前記第2弁室が、前記第3ダイヤフラムを収容する第3室、前記第4ダイヤフラムを収容する第4室、前記第3室及び前記第4室を連通し前記第2連結ロッドを収容する第2連通孔、前記第2連通孔の前記第3室側の端部に形成され前記第3弁部と対向する第3弁座、前記第2連通孔の前記第4室側の端部に形成され前記第4弁部と対向する第4弁座、を有し、
前記第1連通路が、前記第2室及び前記第4室を連通し、
前記第2連通路が、前記第1室及び前記第3室を連通し、
前記第3パイロット通路が、前記第1連通路を介して前記第1通路と連通し、
前記第4パイロット通路が、前記第2連通路を介して前記第2通路と連通する、請求項4に記載の三方弁。
【請求項7】
前記マニホールドは、
前記第1連通孔及び前記第2連通孔の軸線方向が、前記複数のマニホールド部材の積層方向に対して平行であり、
前記第1室、前記第2室、前記第3室、前記第4室、前記第1連通孔、及び前記第2連通孔が、
2以上の前記マニホールド部材にわたって形成される、請求項6に記載の三方弁。
【請求項8】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成すると共に、生成した高濃度酸素を供給する酸素濃縮装置であって、
空気に含まれる窒素又は酸素の吸着及び吸着した窒素又は酸素の脱離が可能な吸着材と、
前記吸着材を収容する第1吸着筒及び第2吸着筒と、
高濃度酸素の原料となる空気を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒に供給する給気管と、
生成された高濃度酸素を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒から排気する排気管と、
前記第1吸着筒又は前記第2吸着筒を交互に選択し、選択した一方を前記給気管に接続すると同時に、他方を前記排気管に接続する切替弁と、を備え、
前記切替弁が、請求項4に記載の前記三方弁で構成される、酸素濃縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、三方弁及びこれを備えた酸素濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成してユーザに供給する酸素濃縮装置が知られている。酸素濃縮装置は、例えば肺に疾患を有し当該肺の機能が低下している患者(ユーザ)が酸素療法を行う場合に使用する。
【0003】
従来の酸素濃縮装置では、2本の吸着筒の加圧・排気サイクルを制御する制御弁として、三方弁が用いられている。酸素濃縮装置に用いられる三方弁としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された三方弁は、内部パイロット式の三方弁である。内部パイロット式三方弁は、連結ロッド及びダイヤフラムを含む弁体、弁体を収容する空間及び空気の流路が内部に形成されたマニホールド、パイロット圧の印加先を切り替えるパイロット弁等を備えており、パイロット圧によって弁体を移動させて、2本の吸着筒に連通する流路を加圧側及び排気側に切り替えるように構成される。なお、特許文献1に開示された三方弁は、2つの三方弁を連結し一体とした構造を有する二連三方弁である(以下、内部パイロット式二連三方弁とも称する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、酸素濃縮装置等の各種装置は、更なる小型軽量化を望まれる場合が多い。しかしながら、前記三方弁を有する装置においては、三方弁の大きさ及び重量が、当該装置の更なる小型軽量化を阻害する要因となる場合があった。
【0006】
本開示は、従来に比べて小型軽量の三方弁及び酸素濃縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の三方弁は、第1ポートと、前記第1ポートに繋がる第1通路と、第2ポートと、前記第2ポートに繋がる第2通路と、第3ポートと、前記第3ポートに繋がる第3通路と、前記第1通路、前記第2通路及び前記第3通路に連通する弁室と、を含む流路が形成されるマニホールドと、前記弁室に収容され、前記第1ポート及び前記第3ポートが連通する第1位置、又は前記第2ポート及び前記第3ポートが連通する第2位置に変位可能な弁体と、前記弁体の位置を前記第1位置又は前記第2位置に切り替える切替機構と、を備え、前記マニホールドが、複数の板状のマニホールド部材を板厚方向に積層して構成される。
【0008】
本開示の三方弁によれば、積層構造を有するマニホールドを採用することによって、マニホールド内の各流路を構成する通路の断面形状を円形以外にすることが可能となり、マニホールド内の空間効率(マニホールドの体積に対するマニホールド内に確保すべき空間の比率)を高めることができる。これにより、三方弁の小型軽量化を図ることができる。
【0009】
(2)本開示の前記(1)の三方弁は、前記マニホールドに形成される前記流路が、第1の前記弁室である第1弁室と、第2の前記弁室である第2弁室と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第1通路に接続される第1連通路と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第2通路に接続される第2連通路と、前記第1弁室側の前記第3ポートである第1弁室側第3ポートと、前記第1弁室側の前記第3通路である第1弁室側第3通路と、前記第2弁室側の前記第3ポートである第2弁室側第3ポートと、前記第2弁室側の前記第3通路である第2弁室側第3通路と、を含み、前記弁体が、第1の前記弁体である第1弁体と、第2の前記弁体である第2弁体と、を含み、前記第1弁室に前記第1弁体が収容されると共に、前記第2弁室に前記第2弁体が収容されると好ましい。
【0010】
この場合、三方弁が二連三方弁である場合に小型軽量化を図ることができる。
【0011】
(3)本開示の前記(2)の三方弁において、前記第1連通路及び/又は前記第2連通路は、隣接する前記マニホールド部材同士の境界面の凹みにより形成されると好ましい。
【0012】
この場合、マニホールドを積層構造とすることによって、第1連通路及び第2連通路をマニホールド部材の境界部分に形成することができる。これにより、マニホールド内の空間効率を高めて、マニホールドを小型化することができる。
【0013】
(4)本開示の前記(2)又は(3)の三方弁において、前記マニホールドに形成される前記流路が、前記第1弁室と連通する第1パイロット通路と、前記第2弁室と連通する第2パイロット通路と、前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第1通路とを連通する第3パイロット通路と、をさらに含み、前記第1弁体が、前記第1パイロット通路を介して前記第1弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムをさらに有し、前記第2弁体が、前記第2パイロット通路を介して前記第2弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第3ダイヤフラム及び第4ダイヤフラムをさらに有し、前記切替機構が、パイロット弁により構成され、前記パイロット弁によって、前記第3パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラムと、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムとの変形によって、前記第1弁体又は前記第2弁体の何れか一方を前記第1位置に位置させると共に、前記第1弁体及び前記第2弁体のうちの他方を前記第2位置に位置させると好ましい。
【0014】
この場合、三方弁がパイロット圧で作動するパイロット式三方弁である場合に、小型軽量化を図ることができる。
【0015】
(5)本開示の前記(4)の三方弁において、前記マニホールドに形成される前記流路が、前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第2通路とを連通する第4パイロット通路をさらに含み、前記パイロット弁が、前記第4パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラム、又は、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムを変形させると好ましい。
【0016】
この場合、第2ポートから吸引排気を行う場合に、第1弁体及び第2弁体の動作の確実性を高めることができる。
【0017】
(6)本開示の前記(4)の三方弁において、前記第1弁体が、第1連結ロッド、前記第1連結ロッドの一端部に連結された前記第1ダイヤフラム、前記第1連結ロッドの他端部に連結された前記第2ダイヤフラム、前記第1ダイヤフラムに設けられた第1弁部、前記第2ダイヤフラムに設けられた第2弁部、を備え、前記第2弁体が、第2連結ロッド、前記第2連結ロッドの一端部に連結された前記第3ダイヤフラム、前記第2連結ロッドの他端部に連結された前記第4ダイヤフラム、前記第3ダイヤフラムに設けられた第3弁部、前記第4ダイヤフラムに設けられた第4弁部、を備え、前記第1弁室が、前記第1ダイヤフラムを収容する第1室、前記第2ダイヤフラムを収容する第2室、前記第1室及び前記第2室を連通し前記第1連結ロッドを収容する第1連通孔、前記第1連通孔の前記第1室側の端部に形成され前記第1弁部と対向する第1弁座、前記第1連通孔の前記第2室側の端部に形成され前記第2弁部と対向する第2弁座、を有し、前記第2弁室が、前記第3ダイヤフラムを収容する第3室、前記第4ダイヤフラムを収容する第4室、前記第3室及び前記第4室を連通し前記第2連結ロッドを収容する第2連通孔、前記第2連通孔の前記第3室側の端部に形成され前記第3弁部と対向する第3弁座、前記第2連通孔の前記第4室側の端部に形成され前記第4弁部と対向する第4弁座、を有し、前記第1連通路が、前記第2室及び前記第4室を連通し、前記第2連通路が、前記第1室及び前記第3室を連通し、前記第3パイロット通路が、前記第1連通路を介して前記第1通路と連通し、前記第4パイロット通路が、前記第2連通路を介して前記第2通路と連通すると好ましい。
【0018】
この場合、三方弁が内部パイロット式二連三方弁である場合に、小型軽量化を図ることができる。
【0019】
(7)本開示の前記(6)の三方弁において、前記マニホールドは、前記第1連通孔及び前記第2連通孔の軸線方向が、前記複数のマニホールド部材の積層方向に対して平行であり、前記第1室、前記第2室、前記第3室、前記第4室、前記第1連通孔、及び前記第2連通孔が、2以上の前記マニホールド部材にわたって形成されると好ましい。
【0020】
この場合、積層構造を有するマニホールドを用いて、内部パイロット式二連三方弁を構成することができる。これにより、内部パイロット式二連三方弁を小型軽量化することができる。
【0021】
(8)本開示の酸素濃縮装置は、空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成すると共に、生成した高濃度酸素を供給する酸素濃縮装置であって、空気に含まれる窒素又は酸素の吸着及び吸着した窒素又は酸素の脱離が可能な吸着材と、前記吸着材を収容する第1吸着筒及び第2吸着筒と、高濃度酸素の原料となる空気を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒に供給する給気管と、生成された高濃度酸素を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒から排気する排気管と、前記第1吸着筒又は前記第2吸着筒を交互に選択し、選択した一方を前記給気管に接続すると同時に、他方を前記排気管に接続する切替弁と、を備え、前記切替弁が、前記(4)に記載の三方弁で構成される。
【0022】
この場合、酸素濃縮装置の小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の三方弁(第1実施形態)を示す断面模式図である。
【
図2】本開示の三方弁(第1実施形態)を示す斜視模式図である。
【
図3A】第1三方弁における第1マニホールド部材を示す上面図である。
【
図3B】第1三方弁における第1マニホールド部材を示す下面図である。
【
図3C】第1三方弁における第1マニホールド部材を示す後面図である。
【
図4A】第1三方弁における第2マニホールド部材を示す上面図である。
【
図4B】第1三方弁における第2マニホールド部材を示す下面図である。
【
図5A】第1三方弁における第3マニホールド部材を示す上面図である。
【
図5B】第1三方弁における第3マニホールド部材を示す下面図である。
【
図6A】第1三方弁における第4マニホールド部材を示す上面図である。
【
図6B】第1三方弁における第4マニホールド部材を示す下面図である。
【
図7A】本開示の三方弁の動作(第1モード)の説明図である。
【
図7B】本開示の三方弁の動作(第2モード)の説明図である。
【
図8】本開示の三方弁(第2実施形態)を示す断面模式図である。
【
図9】本開示の三方弁(第2実施形態)を示す斜視模式図である。
【
図10A】第2三方弁における第1マニホールド部材を示す上面図である。
【
図10B】第2三方弁における第1マニホールド部材を示す下面図である。
【
図10C】第2三方弁における第1マニホールド部材を示す後面図である。
【
図11A】第2三方弁における第2マニホールド部材を示す上面図である。
【
図11B】第2三方弁における第2マニホールド部材を示す下面図である。
【
図12A】第2三方弁における第3マニホールド部材を示す上面図である。
【
図12B】第2三方弁における第3マニホールド部材を示す下面図である。
【
図13A】第2三方弁における第4マニホールド部材を示す上面図である。
【
図13B】第2三方弁における第4マニホールド部材を示す下面図である。
【
図14A】第2三方弁における第5マニホールド部材を示す上面図である。
【
図14B】第2三方弁における第5マニホールド部材を示す下面図である。
【
図15】本開示の一実施形態に係る酸素濃縮装置の説明図である。
【
図16】酸素濃縮装置の酸素濃縮プロセスを説明するためのブロック図である。
【
図17】吸着筒の1サイクルの圧力変化と酸素濃縮装置の制御弁の切替状態との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の酸素供給装置を詳細に説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0025】
[本開示の三方弁(第1実施形態)の全体構成]
図1は、本開示の三方弁(第1実施形態)を示す断面模式図である。
図2は、本開示の三方弁を示す斜視模式図である。
図1及び
図2には、本開示の三方弁の一例である三方弁10を示している。
図1に示す三方弁10は、本開示の第1実施形態に係る三方弁10であり、以下の説明では、第1三方弁10Aとも称する。なお、以下の説明において単に「三方弁10」と称する場合は、第1実施形態に係る第1三方弁10Aと、第2実施形態に係る三方弁10(後で説明する第2三方弁10B)とにおいて、共通する構成を説明している。
【0026】
図1及び
図2に示す三方弁10は、内部パイロット式の二連三方弁である。本実施形態では、内部パイロット式の二連三方弁である三方弁10を例示して、本開示の三方弁について説明する。なお、本実施形態では、内部パイロット式二連三方弁である三方弁10を例示して説明をするが、本開示の三方弁は、単独(二連でない)の三方弁であってもよく、パイロット圧で作動する三方弁でなくてもよい。
【0027】
図1及び
図2に示すように、三方弁10は、制御弁20、パイロット機構30、及びマニホールド50、を備える。本実施形態の三方弁10において、制御弁20は、第1制御弁21及び第2制御弁22を含んでいる。本実施形態の三方弁10において、パイロット機構30は、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32を含んでいる。マニホールド50は、第1制御弁21を収容する第1弁室51、及び第2制御弁22を収容する第2弁室52を備える。このように、
図1及び
図2に示す三方弁10は、一対の第1制御弁21及び第2制御弁22、及び一対の第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32を備えるパイロット式の二連三方弁である。本実施形態では、パイロット式二連三方弁である三方弁10を例示して、本開示の三方弁を説明する。なお、以下の説明では、三方弁10に対して、以下の通りに、X方向、Y方向、及びZ方向を規定する。本説明におけるX方向は、第1制御弁21及び第2制御弁22の並び方向及びそれに平行な方向を含む方向である。本説明におけるZ方向は、第1制御弁21及び第2制御弁22が有する各弁体(後で説明する第1弁体23及び第2弁体24)の変位方向及びそれに平行な方向を含む方向である。Y方向は、X方向及びZ方向に垂直な方向である。以下の説明では、各図においてX方向の矢印が指す方向を右方、その反対方向を左方とも称し、Y方向の矢印が指す方向を前方、その反対方向を後方とも称し、Z方向の矢印が指す方向を上方、その反対方向を下方とも称する。
【0028】
(制御弁について)
図1及び
図2に示すように、三方弁10は、左右方向(X方向)に並ぶ第1制御弁21及び第2制御弁22を備える。
【0029】
第1制御弁21は、第1弁体23を備える。第1弁体23は、第1連結ロッド23aと、第1連結ロッド23aの一端部に固定された第1ダイヤフラム23bと、第1連結ロッド23aの他端部に固定された第2ダイヤフラム23cと、第1連結ロッド23aの第1ダイヤフラム23b側に設けられた第1弁部23dと、第1連結ロッド23aの第2ダイヤフラム23c側に設けられた第2弁部23eと、を備える。第1弁体23は、第1連結ロッド23aの軸方向をZ方向に向けた姿勢で、マニホールド50の第1弁室51に収容される。第1ダイヤフラム23bは、第1室A1を区画し、第1ダイヤフラム23bを挟んだ一側(本実施形態では上側)にパイロット室A1aを形成する。第1ダイヤフラム23bは、パイロット室A1aに供給されるパイロット用流体の圧力に応じて、第1室A1内で変形される。第1連結ロッド23aは、第1ダイヤフラム23bの変形に伴って、Z方向に変位される。第2ダイヤフラム23cは、第1連結ロッド23aの変位に伴って、第2室A2内で変形される。
【0030】
第2制御弁22は、第2弁体24を備える。第2弁体24は、第2連結ロッド24aと、第2連結ロッド24aの一端部に固定された第3ダイヤフラム24bと、第2連結ロッド24aの他端部に固定された第4ダイヤフラム24cと、第2連結ロッド24aの第3ダイヤフラム24b側に設けられた第3弁部24dと、第2連結ロッド24aの第4ダイヤフラム24c側に設けられた第4弁部24eと、を備える。第2弁体24は、第2連結ロッド24aの軸方向をZ方向に向けた姿勢で、マニホールド50の第2弁室52に収容される。第3ダイヤフラム24bは、第3室A3を区画し、第3ダイヤフラム24bを挟んだ一側(本実施形態では上側)にパイロット室A3aを形成する。第3ダイヤフラム24bは、パイロット室A3aに供給されるパイロット用流体の圧力に応じて、第3室A3内で変形される。第2連結ロッド24aは、第3ダイヤフラム24bの変形に伴って、Z方向に変位される。第4ダイヤフラム24cは、第2連結ロッド24aの変位に伴って、第4室A4内で変形される。
【0031】
(パイロット弁について)
第1パイロット弁31は、第1弁体23の変位(位置の切替え)を制御する電磁弁である。第2パイロット弁32は、第2弁体24の変位(位置の切替え)を制御する電磁弁である。本実施形態の第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32は、いずれも3ポート弁である。なお、
図1において(後で説明する
図8においても同様)、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32の近傍に付した「1」、「2」又は「3」という数字は当該弁のポートの番号を示している。
【0032】
(マニホールドについて)
図1及び
図2に示すように、マニホールド50において、第1弁体23を収容する第1弁室51は、第1ダイヤフラム23bを収容する第1室A1と、第2ダイヤフラム23cを収容する第2室A2と、第1室A1及び第2室A2を連通し第1連結ロッド23aを収容する空間である第1連通孔B1とを含んでいる。マニホールド50は、第1弁室51において、第1連通孔B1の第1室A1側の端部に形成される第1弁座53と、第1連通孔B1の第2室A2側の端部に形成される第2弁座54とを備える。第1連通孔B1は、その軸方向がZ方向に対して平行となるように形成される。第1弁室51において、第1弁体23は、Z方向に変位可能に構成される。
【0033】
第1弁座53は、第1室A1に収容された第1ダイヤフラム23bの第1弁部23dと対向する。第1制御弁21は、第1弁部23d及び第1弁座53が離間している場合に、第1室A1(第1ダイヤフラム23bを挟んだ他側(下方)の部分)と第1連通孔B1との間の流体の流通が可能となり、第1弁部23d及び第1弁座53が密接している場合に、第1室A1と第1連通孔B1との間の流体の流通が不能となる。第2弁座54は、第2室A2に収容された第2ダイヤフラム23cの第2弁部23eと対向する。第1制御弁21は、第2弁部23e及び第2弁座54が離間している場合に、第2室A2と第1連通孔B1との間の流体の流通が可能となり、第2弁部23e及び第2弁座54が密接している場合に、第2室A2と第1連通孔B1との間の流体の流通が不能となる。
【0034】
第1制御弁21の位置のうち、第1弁部23d及び第1弁座53が密接し、かつ、第2弁部23e及び第2弁座54が離間する位置を、第1位置P1と称し、第1弁部23d及び第1弁座53が離間し、かつ、第2弁部23e及び第2弁座54が密接する位置を、第2位置P2と称する。
【0035】
マニホールド50において、第2弁体24を収容する第2弁室52は、第3ダイヤフラム24bを収容する第3室A3と、第4ダイヤフラム24cを収容する第4室A4と、第3室A3及び第4室A4を連通し第2連結ロッド24aを収容する空間である第2連通孔B2とを含んでいる。マニホールド50は、第2弁室52において、第2連通孔B2の第3室A3側の端部に形成される第3弁座55と、第2連通孔B2の第4室A4側の端部に形成される第4弁座56とを備える。第2連通孔B2は、その軸方向がZ方向に対して平行となるように形成される。第2弁室52において、第2弁体24は、Z方向に変位可能に構成される。
【0036】
第3弁座55は、第3室A3に収容された第3ダイヤフラム24bの第3弁部24dと対向する。第2制御弁22は、第3弁部24d及び第3弁座55が離間している場合に、第3室A3(第3ダイヤフラム24bを挟んだ他側(下方)の部分)と第2連通孔B2との間の流体の流通が可能となり、第3弁部24d及び第3弁座55が密接している場合に、第3室A3と第2連通孔B2との間の流体の流通が不能となる。第4弁座56は、第4室A4に収容された第4ダイヤフラム24cの第4弁部24eと対向する。第2制御弁22は、第4弁部24e及び第4弁座56が離間している場合に、第4室A4と第2連通孔B2との間の流体の流通が可能となり、第4弁部24e及び第4弁座56が密接している場合に、第4室A4と第2連通孔B2との間の流体の流通が不能となる。
【0037】
第2制御弁22の位置のうち、第3弁部24d及び第3弁座55が密接し、かつ、第4弁部24e及び第4弁座56が離間する位置を、第1位置P1と称し、第3弁部24d及び第3弁座55が離間し、かつ、第4弁部24e及び第4弁座56が密接する位置を、第2位置P2と称する。換言すると、第1制御弁21及び第2制御弁22では、第1弁体23及び第2弁体24が最も上側に変位した場合の位置を第2位置P2と称し、第1弁体23及び第2弁体24が最も下側に変位した場合の位置を第1位置P1と称する。
【0038】
マニホールド50は、その内部において、第1室A1及び第3室A3を連通する第2連通路C2、及び第2室A2及び第4室A4を連通する第1連通路C1が、形成される。
【0039】
マニホールド50は、その外表面において、給気ポート71、排気ポート72、第1給排気ポート73、及び第2給排気ポート74、を備える。本開示の三方弁10は、第1制御弁21の第1弁体23、及び第2制御弁22の第2弁体24の位置を切り替えることによって、第1給排気ポート73及び第2給排気ポート74のうちの何れか一方と、給気ポート71とを連通させると同時に、第1給排気ポート73及び第2給排気ポート74のうちの他方と、排気ポート72とを連通させる。なお、本実施形態の三方弁10は、第1制御弁21及び第2制御弁22において、給気ポート71及び排気ポート72を共用しているが、第1制御弁21が専用の給気ポート及び排気ポートを有し、かつ、第2制御弁22が専用の給気ポート及び排気ポートを有する構成であってもよい。
【0040】
マニホールド50は、その内部において、給気ポート71と第1連通路C1とを連通する給気通路75と、排気ポート72と第2連通路C2とを連通する排気通路76と、第1給排気ポート73と第1弁室51とを連通する第1給排気通路77と、第2給排気ポート74と第2弁室52とを連通する第2給排気通路78と、を備える。
【0041】
マニホールド50は、その外表面において、第1パイロット弁31が接続される第1パイロットポート81、第2パイロットポート82、及び第3パイロットポート83と、第2パイロット弁32が接続される第4パイロットポート84、第5パイロットポート85、及び第6パイロットポート86を備える。マニホールド50は、第1パイロットポート81と第1弁室51とを連通する第1パイロット通路91と、第4パイロットポート84と第2弁室52とを連通する第2パイロット通路92と、第2パイロットポート82及び第5パイロットポート85と第1連通路C1とを連通する第3パイロット通路93と、第3パイロットポート83及び第6パイロットポート86と第2連通路C2とを連通する第4パイロット通路94と、を備える。
【0042】
図1に示すように、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32は、3ポート弁である。第1パイロット弁31は、1つ目のポート「1」に第1パイロット通路91が接続され、2つ目のポート「2」に第3パイロット通路93が接続され、3つ目のポート「3」に第4パイロット通路94が接続されるように、マニホールド50の後面に付設される。第2パイロット弁32は、1つ目のポート「1」に第2パイロット通路92が接続され、2つ目のポート「2」に第3パイロット通路93が接続され、3つ目のポート「3」に第4パイロット通路94が接続されるように、マニホールド50の後面に付設される。
【0043】
[第1実施形態に係る三方弁のマニホールドについて]
図3Aは、第1三方弁における第1マニホールド部材を示す上面図である。
図3Bは、第1三方弁における第1マニホールド部材を示す下面図である。
図3Cは、第1三方弁における第1マニホールド部材を示す後面図である。
図4Aは、第1三方弁における第2マニホールド部材を示す上面図である。
図4Bは、第1三方弁における第2マニホールド部材を示す下面図である。
図5Aは、第1三方弁における第3マニホールド部材を示す上面図である。
図5Bは、第1三方弁における第3マニホールド部材を示す下面図である。
図6Aは、第1三方弁における第4マニホールド部材を示す上面図である。
図6Bは、第1三方弁における第4マニホールド部材を示す下面図である。
図1及び
図2に示すように、第1三方弁10Aを構成するマニホールド50は、4枚の板状のマニホールド部材60により構成されている。なお、以下の説明では、第1三方弁10Aにおけるマニホールド50を、第1マニホールド50Aとも称する。
【0044】
第1マニホールド50Aは、第1のマニホールド部材60(以下、第1マニホールド部材61Aと称する)、第2のマニホールド部材60(以下、第2マニホールド部材62Aと称する)、第3のマニホールド部材60(以下、第3マニホールド部材63Aと称する)、及び第4のマニホールド部材60(以下、第4マニホールド部材64Aと称する)により構成される。
【0045】
第1マニホールド50Aは、第1弁室51に収容される第1連結ロッド23a、及び第2弁室52に収容される第2連結ロッド24aの軸方向(Z方向)について、上側から順に、第1マニホールド部材61A、第2マニホールド部材62A、第3マニホールド部材63A、及び第4マニホールド部材64A、を板厚方向に積層して構成される。
【0046】
図1及び
図3A,Bに示すように、第1マニホールド部材61Aは、第1室A1の一部と、第3室A3の一部と、第1パイロットポート81、第2パイロットポート82、第3パイロットポート83、第4パイロットポート84、第5パイロットポート85、第6パイロットポート86、第1パイロット通路91、第2パイロット通路92、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0047】
図1及び
図4A,Bに示すように、第2マニホールド部材62Aは、第1室A1の一部、第3室A3の一部、第1連通孔B1の一部、第2連通孔B2の一部、第1連通路C1の一部、第2連通路C2の一部、第1弁座53、第3弁座55、第1給排気通路77の一部、第2給排気通路78の一部、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0048】
第1マニホールド50Aにおいて、第1室A1及び第3室A3は、2枚のマニホールド部材60にわたって形成されており、第1マニホールド部材61A及び第2マニホールド部材62Aによって構成される。
【0049】
図1及び
図5A,Bに示すように、第3マニホールド部材63Aは、第2室A2の一部、第4室A4の一部、第1連通孔B1の一部、第2連通孔B2の一部、第1連通路C1の一部、第2連通路C2の一部、第2弁座54、第4弁座56、給気通路75の一部、排気通路76の一部、第1給排気通路77の一部、第2給排気通路78の一部、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0050】
第1マニホールド50Aにおいて、第1連通路C1及び第2連通路C2は、第2マニホールド部材62A及び第3マニホールド部材63Aの境界面に形成された凹みによって構成される。具体的には、第2マニホールド部材62Aの下面(境界面)に形成された平面と、第3マニホールド部材63Aの上面(境界面)に形成された凹みとで囲まれた空間によって、第1連通路C1及び第2連通路C2が構成される。なお、第1連通路C1及び第2連通路C2は、第2マニホールド部材62Aの下面(境界面)に形成された凹みと、第3マニホールド部材63Aの上面(境界面)に形成された平面とで囲まれた空間によって構成されてもよく、あるいは、第2マニホールド部材62Aの下面(境界面)に形成された凹みと、第3マニホールド部材63Aの上面(境界面)に形成された凹みとで囲まれた空間によって構成されてもよい。なお、ここでいう隣接するマニホールド部材60同士の「境界面」には、マニホールド部材60同士が接触する合わせ面と、前記合わせ面を前記凹みが存在する部分(空間)に延長した仮想の面とが含まれる。
【0051】
換言すると、第1マニホールド50Aにおいて、第1連通路C1及び第2連通路C2は、隣接するマニホールド部材60(第2マニホールド部材62A及び第3マニホールド部材63A)同士の境界面を含む範囲に形成される。なお、本実施形態では、第1連通路C1及び第2連通路C2の両方が、隣接するマニホールド部材60同士の境界面を含む範囲に形成される場合を例示しているが、本開示の第1マニホールド50Aは、第1連通路C1及び第2連通路C2のうちの何れか一方が、マニホールド部材60の内部に穿設される構成であってもよい。
【0052】
例えば、従来のようにマニホールドが一つの金属塊(ブロック)で構成される場合、第1連通路C1及び第2連通路C2のような通路は、ドリル等を用いてブロックに穿設される。このドリル等で形成される通路は、断面形状が全て円形となるため、通路以外の余白部分が大きくならざるを得ず、その結果ブロックが大型化し、重量も大きくなる。一方、本開示のマニホールド50のように、板状のマニホールド部材60を板厚方向に積層して構成した場合、第1連通路C1及び第2連通路C2のような通路を、隣接するマニホールド部材60同士の境界面を含む範囲に設けた凹みで形成することができる。本開示のマニホールド50では、マニホールド部材60の積層方向に対して直交する方向に延びる通路を、前後方向及び左右方向へ拡張することが可能であり、このような通路の断面形状の自由度が従来に比べて高い。このような構成のマニホールド50では、通路以外の余白部分を抑制することができ、その結果、マニホールドの小型軽量化が可能となる。
【0053】
図1及び
図6A,Bに示すように、第4マニホールド部材64Aは、第2室A2の一部、第4室A4の一部、給気ポート71、給気通路75の一部、排気ポート72、排気通路76の一部、第1給排気ポート73、第1給排気通路77の一部、第2給排気ポート74、及び第2給排気通路78の一部が形成される。
【0054】
第1マニホールド50Aにおいて、第2室A2及び第4室A4は、2枚のマニホールド部材60にわたって形成されており、第3マニホールド部材63A及び第4マニホールド部材64Aによって構成される。
【0055】
第1マニホールド50Aにおいて、第1連通孔B1及び第2連通孔B2は、それらの軸方向が各マニホールド部材60の積層方向に対して平行となるように形成されている。第1マニホールド50Aにおいて、第1連通孔B1及び第2連通孔B2は、2枚のマニホールド部材60(第2マニホールド部材62A及び第3マニホールド部材63A)にわたって形成されている。
【0056】
[三方弁の動作について]
図7は、本開示の三方弁の動作の説明図である。
図7に示すように、本開示の三方弁10は、給気ポート71に圧縮空気が供給されると共に、排気ポート72からガスを吸引排気する形態で使用される。このような構成の三方弁10は、一対の吸着筒を備えており、一方の吸着筒に圧縮空気が供給されている間に、他方の吸着筒を吸引することで減圧するVPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮装置への使用に適している。なお、本実施形態で示す三方弁10は、排気ポート72から吸引排気を行う場合を例示しているが、本開示の三方弁10は、排気ポート72を吸引せずに大気開放することで、当該排気ポート72からの排気を行う構成であってもよい。この場合の三方弁10は、一対の吸着筒を備えており、一方の吸着筒に圧縮空気が供給されている間に、他方の吸着筒が大気開放されることで減圧されるPSA(Pressure Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮装置への使用に適している。
【0057】
三方弁10は、第1モードにおいて、第1パイロット弁31の「1」ポート及び「2」ポートを連通させるように切り替え、かつ、第2パイロット弁32の「1」ポート及び「3」ポートを連通させるように切り替える。
【0058】
このとき、第1制御弁21は、パイロット室A1aが、第1パイロット通路91、第1パイロット弁31、及び第3パイロット通路93、及び第1連通路C1を介して、給気通路75と連通する。これにより、パイロット室A1aに圧縮空気が供給される(正のパイロット圧が印可される)。
【0059】
第1制御弁21は、パイロット室A1aに圧縮空気が供給された場合、第1ダイヤフラム23bにパイロット圧が印可され、これにより、第1連結ロッド23aが第1室A1から第2室A2に向かう側へ変位する。このとき、第1弁部23dが第1弁座53に押圧されて、第1連通孔B1から第1室A1(第1ダイヤフラム23bより下方の部分)への空気の流れが封止される。本説明では、このときの第1弁体23の位置を第1位置P1と称する。
【0060】
さらに、第1制御弁21は、このとき、第2弁部23eが第2弁座54から離間され、これにより、第1連通孔B1及び第2室A2を介して、第1連通路C1と第1給排気通路77とが連通される。これにより、第1制御弁21を介して、給気通路75から第1給排気通路77に空気が供給される。
【0061】
このとき、第2制御弁22は、パイロット室A3aが、第2パイロット通路92、第2パイロット弁32、第4パイロット通路94、及び第2連通路C2を介して、排気通路76と連通する。これにより、パイロット室A3aから吸引排気される(負のパイロット圧が印可される)。
【0062】
第2制御弁22は、パイロット室A3aから吸引排気された場合、第3ダイヤフラム24bに負のパイロット圧が印可され、これにより、第2連結ロッド24aが第4室A4から第3室A3に向かう側へ変位する。このとき、第4弁部24eが第4弁座56に押圧されて、第4室A4から第2連通孔B2への空気の流れが封止される。
【0063】
さらに、第2制御弁22は、このとき、第3弁部24dが第3弁座55から離間され、これにより、第2連通孔B2及び第3室A3(第3ダイヤフラム24bより下方の部分)を介して、第2連通路C2と第2給排気通路78とが連通される。これにより、第2制御弁22を介して、排気通路76から第2給排気通路78にガスが排気される。本説明では、このときの第2弁体24の位置を第2位置P2と称する。
【0064】
さらに、第2制御弁22は、パイロット室A3aが、第2パイロット通路92、第2パイロット弁32、及び第4パイロット通路94、及び第2連通路C2を介して、排気通路76と連通する。第2制御弁22は、パイロット室A3aから吸引排気されることで、第2弁体24(第3ダイヤフラム24b)に負のパイロット圧が印可される。
【0065】
第2制御弁22は、パイロット室A3aから吸引排気された場合、第3ダイヤフラム24bに負のパイロット圧が印可され、これにより、第2弁体24(第2連結ロッド24a)が、第1位置P1から第2位置P2へ確実に変位される。このため、第2制御弁22は、動作の確実性を確保することができる。
【0066】
このように、本開示の三方弁10は、第1モードにおいて、給気ポート71から第1給排気ポート73へ向かう給気の流れを許容して、第1給排気ポート73からガスを排出すると共に、第2給排気ポート74から排気ポート72へ向かう排気の流れを許容して、第2給排気ポート74からガスを吸引するように、流体の流れを切り替える。
【0067】
本開示の三方弁10は、第2モードにおいて、第1パイロット弁31の「1」ポート及び「3」ポートを連通させるように切り替え、かつ、第2パイロット弁32の「1」ポート及び「2」ポートを連通させるように切り替える。
【0068】
このとき、第1制御弁21は、パイロット室A1aが、第1パイロット通路91、第1パイロット弁31、第4パイロット通路94、及び第2連通路C2を介して、排気通路76と連通する。これにより、パイロット室A1aから吸引排気される(負のパイロット圧が印可される)。
【0069】
第1制御弁21は、第1室A1のパイロット室A1aから吸引排気された場合、第1ダイヤフラム23bに負のパイロット圧が印可され、これにより、第1連結ロッド23aがZ方向の第2室A2から第1室A1に向かう側へ変位する。このとき、第2弁部23eが第2弁座54に押圧されて、第2室A2から第1連通孔B1への空気の流れが封止される。
【0070】
さらに、第1制御弁21は、このとき、第1弁部23dが第1弁座53から離間され、これにより、第1連通孔B1及び第1室A1(第1ダイヤフラム23bより下方の部分)を介して、第2連通路C2と第1給排気通路77とが連通される。これにより、第1制御弁21を介して、排気通路76から第1給排気通路77にガスが排気される。本説明では、このときの第1弁体23の位置を第2位置P2と称する。
【0071】
さらに、第1制御弁21は、パイロット室A1aが、第1パイロット通路91、第1パイロット弁31、及び第4パイロット通路94、及び第2連通路C2を介して、排気通路76と連通する。第1制御弁21は、パイロット室A1aから吸引排気されることで、第1弁体23(第1ダイヤフラム23b)に負のパイロット圧が印可される。
【0072】
第1制御弁21は、パイロット室A1aから吸引排気された場合、第1ダイヤフラム23bに負のパイロット圧が印可され、これにより、第1弁体23(第1連結ロッド23a)が、第1位置P1から第2位置P2へ確実に変位される。このため、第1制御弁21は、動作の確実性を確保することができる。
【0073】
このとき、第2制御弁22は、パイロット室A3aが、第2パイロット通路92、第2パイロット弁32、及び第3パイロット通路93、及び第1連通路C1を介して、給気通路75と連通する。これにより、パイロット室A3aに圧縮空気が供給される(正のパイロット圧が印可される)。
【0074】
第2制御弁22は、パイロット室A3aに圧縮空気が供給された場合、第3ダイヤフラム24bに正のパイロット圧が印可され、これにより、第2連結ロッド24aがZ方向について第3室A3から第4室A4に向かう側へ変位する。このとき、第3弁部24dが第3弁座55に押圧されて、第3室A3(第3ダイヤフラム24bより下方の部分)から第2連通孔B2への空気の流れが封止される。本説明では、このときの第2弁体24の位置を第1位置P1と称する。
【0075】
さらに、第2制御弁22は、このとき、第4弁部24eが第4弁座56から離間され、これにより、第2連通孔B2及び第4室A4を介して、第1連通路C1と第2給排気通路78とが連通される。これにより、第2制御弁22を介して、給気通路75から第2給排気通路78に空気が供給される。
【0076】
このように、本開示の三方弁10は、第2モードにおいて、給気ポート71から第2給排気ポート74へ向かう給気の流れを許容して、第2給排気ポート74からガスを排出すると共に、第1給排気ポート73から排気ポート72へ向かう排気の流れを許容して、第1給排気ポート73からガスを吸引するように、流体の流れを切り替える。
【0077】
本開示の三方弁10は、第1モード及び第2モードを交互に切り替えることで、第1給排気ポート73を、給気用ポート及び排気用ポートとして交互に切り替えて利用するとともに、第2給排気ポート74を、給気用ポート及び排気用ポートのうちの第1給排気ポートとは異なる側のポートとして交互に切り替えて利用することができる。
【0078】
[第2実施形態に係る三方弁について]
図8は、本開示の三方弁(第2実施形態)を示す断面模式図である。
図9は、本開示の三方弁(第2実施形態)を示す斜視模式図である。
図8及び
図9には、本開示の第2実施形態に係る三方弁10である第2三方弁10Bを示している。
図8及び
図9に示すように、第2三方弁10Bでは、マニホールド50が、5枚の板状のマニホールド部材60により構成されており、この点で、先述した第1三方弁10Aと相違している。なお、以下の説明では、第2三方弁10Bにおけるマニホールド50を、第2マニホールド50Bとも称する。
【0079】
[第2実施形態に係る三方弁のマニホールドについて]
図10Aは、第2三方弁における第1マニホールド部材を示す上面図である。
図10Bは、第2三方弁における第1マニホールド部材を示す下面図である。
図10Cは、第2三方弁における第1マニホールド部材を示す後面図である。
図11Aは、第2三方弁における第2マニホールド部材を示す上面図である。
図11Bは、第2三方弁における第2マニホールド部材を示す下面図である。
図12Aは、第2三方弁における第3マニホールド部材を示す上面図である。
図12Bは、第2三方弁における第3マニホールド部材を示す下面図である。
図13Aは、第2三方弁における第4マニホールド部材を示す上面図である。
図13Bは、第2三方弁における第4マニホールド部材を示す下面図である。
図14Aは、第2三方弁における第5マニホールド部材を示す上面図である。
図14Bは、第2三方弁における第5マニホールド部材を示す下面図である。
図8及び
図9に示すように、第2マニホールド50Bは、第1のマニホールド部材60(以下、第1マニホールド部材61Bと称する)、第2のマニホールド部材60(以下、第2マニホールド部材62Bと称する)、第3のマニホールド部材60(以下、第3マニホールド部材63Bと称する)、第4のマニホールド部材60(以下、第4マニホールド部材64Bと称する)、及び第5のマニホールド部材60(以下、第5マニホールド部材65と称する)と、により構成される。
【0080】
第2マニホールド50Bは、第1弁室51に収容される第1連結ロッド23a、及び第2弁室52に収容される第2連結ロッド24aの軸方向(Z方向)について、上側から順に、第1マニホールド部材61B、第2マニホールド部材62B、第3マニホールド部材63B、第4マニホールド部材64B、及び第5マニホールド部材65を板厚方向に積層して構成される。
【0081】
図8及び
図10A,Bに示すように、第1マニホールド部材61Bは、第1室A1の一部と、第3室A3の一部と、第1パイロットポート81、第2パイロットポート82、第3パイロットポート83、第4パイロットポート84、第5パイロットポート85、第6パイロットポート86、第1パイロット通路91、第2パイロット通路92、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0082】
図8及び
図11A,Bに示すように、第2マニホールド部材62Bは、第1室A1の一部、第3室A3の一部、第1連通孔B1の一部、第2連通孔B2の一部、第2連通路C2の一部、第1弁座53、第3弁座55、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0083】
第2マニホールド50Bにおいて、第1室A1及び第3室A3は、2枚のマニホールド部材60にわたって形成されており、第1マニホールド部材61B及び第2マニホールド部材62Bによって構成される。
【0084】
図8及び
図12A,Bに示すように、第3マニホールド部材63Bは、第1連通孔B1の一部、第2連通孔B2の一部、第1連通路C1の一部、第2連通路C2の一部、排気通路76の一部、第1給排気通路77の一部、第2給排気通路78の一部、第3パイロット通路93の一部、及び第4パイロット通路94の一部が形成される。
【0085】
第2マニホールド50Bにおいて、第2連通路C2は、第2マニホールド部材62B及び第3マニホールド部材63Bの境界面を含む範囲に形成された凹みによって構成される。具体的には、第2マニホールド部材62Bの下面(平面)と、第3マニホールド部材63Bの上面に形成された凹みとで囲まれた空間によって、第2連通路C2が構成される。なお、第2連通路C2は、第2マニホールド部材62Bの下面に形成された凹みと、第3マニホールド部材63Bの上面(平面)とで囲まれた空間によって構成されてもよく、あるいは、第2マニホールド部材62Bの下面に形成された凹みと、第3マニホールド部材63Bの上面に形成された凹みとで囲まれた空間によって構成されてもよい。
【0086】
換言すると、第2マニホールド50Bにおいて、第2連通路C2は、隣接するマニホールド部材60(第2マニホールド部材62B及び第3マニホールド部材63B)同士の境界面を含む範囲に形成される。
【0087】
図8及び
図13A,Bに示すように、第4マニホールド部材64Bは、前記第4マニホールド部材は、第2室A2の一部、第4室A4の一部、第1連通孔B1の一部、第2連通孔B2の一部、第1連通路C1の一部、第2弁座54、第4弁座56、給気通路75の一部、排気通路76の一部、第1給排気通路77の一部、及び第2給排気通路78の一部が形成される。
【0088】
第2マニホールド50Bにおいて、第1連通路C1は、第3マニホールド部材63B及び第4マニホールド部材64Bの境界面を含む範囲に形成された凹みによって構成される。具体的には、第3マニホールド部材63Bの下面(平面)と、第4マニホールド部材64Bの上面に形成された凹みとで囲まれた空間によって、第1連通路C1が構成される。なお、第1連通路C1は、第3マニホールド部材63Bの下面に形成された凹みと、第4マニホールド部材64Bの上面(平面)とで囲まれた空間によって構成されてもよく、あるいは、第3マニホールド部材63Bの下面に形成された凹みと、第4マニホールド部材64Bの上面に形成された凹みとで囲まれた空間によって構成されてもよい。
【0089】
換言すると、第2マニホールド50Bにおいて、第1連通路C1は、隣接するマニホールド部材60(第3マニホールド部材63B及び第4マニホールド部材64B)同士の境界面を含む範囲に形成される。なお、本実施形態では、第1連通路C1及び第2連通路C2の両方が、隣接するマニホールド部材60同士の境界面を含む範囲に形成される場合を例示しているが、本開示の第2マニホールド50Bは、第1連通路C1及び第2連通路C2のうちの何れか一方が、マニホールド部材60の内部に穿設される構成であってもよい。
【0090】
図8及び
図14A,Bに示すように、第5マニホールド部材65は、第2室A2の一部、第4室A4の一部、給気ポート71、給気通路75の一部、排気ポート72、排気通路76の一部、第1給排気ポート73、第1給排気通路77の一部、第2給排気ポート74、及び第2給排気通路78の一部が形成される。
【0091】
第2マニホールド50Bにおいて、第2室A2及び第4室A4は、2枚のマニホールド部材60にわたって形成されており、第4マニホールド部材64B及び第5マニホールド部材65によって構成される。
【0092】
第2マニホールド50Bにおいて、第1連通孔B1及び第2連通孔B2は、それらの軸方向が各マニホールド部材60の積層方向に対して平行となるように形成されている。第2マニホールド50Bにおいて、第1連通孔B1及び第2連通孔B2は、3枚のマニホールド部材60(第2マニホールド部材62B、第3マニホールド部材63B、及び第4マニホールド部材64B)にわたって形成されている。
【0093】
例えば、4層構造を有する第1マニホールド50Aのように、1つの第3マニホールド部材63Aに、積層方向に直交する方向へ延びる通路を2系統(第1連通路C1及び第2連通路C2)設けた場合、各通路の前後方向への拡張が制約されて、その結果、各通路の断面積の確保が困難になることが懸念される。一方、5層構造を有する第2マニホールド50Bのように、第3マニホールド部材63B及び第4マニホールド部材64Bに、それぞれ積層方向に直交する方向へ延びる通路を1系統ずつ設けた場合、各通路の前後方向への拡張の制約が緩和され、その結果、各通路(第1連通路C1及び第2連通路C2)の断面積の確保が容易になる。
【0094】
[本開示の酸素濃縮装置について]
図15は、本開示の一実施形態に係る酸素濃縮装置の説明図である。
図16は、酸素濃縮装置の酸素濃縮プロセスを説明するためのブロック図である。なお、
図16では、分かり易くするために、
図15に示される構成ないし要素の一部の表現を簡略化するか、又は、図示を省略している。本開示の酸素濃縮装置は、空気中の酸素濃度よりも高い酸素濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成して、ユーザに供給する装置である。酸素濃縮装置は、例えば、ユーザである呼吸器疾患患者等に対して高濃度酸素を提供する在宅酸素療法において用いられる。
【0095】
[酸素濃縮装置Mの構成]
図15及び
図16に示すように、酸素濃縮装置Mは、第1吸着筒101及び第2吸着筒102と、第1吸着筒101及び第2吸着筒102に加圧空気を供給する圧縮機103と、高濃度酸素を貯留する酸素タンク105と、を備えている。本実施形態における圧縮機103は、空気等のガスの加圧及び吸引を行うことができる加圧・真空併用型の圧縮機である。圧縮機103は、第1吸着筒101及び第2吸着筒102に加圧空気を供給し吸着した窒素リッチガスを減圧により脱着・排気する。なお、本実施形態では、加圧・真空併用型の圧縮機103を用いているが、本開示の酸素濃縮装置は、加圧空気を供給する圧縮機とは別に、吸気部である真空ポンプを装置内に別途有する構成であってもよい。
【0096】
圧縮機103の作動や、後述する種々の電磁弁等の作動は、装置内に配設された制御部140により行われる。制御部140は、酸素濃縮装置Mを作動させるためのプログラムが記憶されている記憶部140a、及び電磁弁等の作動信号などを発信する演算部140bを備えている。制御部140には、電源に接続していない状態で電力の供給源となるバッテリー141と、酸素濃縮装置Mの作動状態等を表示する表示部142が接続されている。
【0097】
ケーシング109内には、圧縮機103、及び排気マフラー114を収容する圧縮機ボックス110、圧縮機103を冷却するための冷却ファン112、給気フィルタ116、給気消音ボックス113を収容するファンボックス130が設けられる。圧縮機ボックス110、給気消音ボックス113、及びファンボックス130は、酸素濃縮装置Mにおける消音機構を構成する。換言すると、圧縮機ボックス110、給気消音ボックス113、及びファンボックス130は、ケーシング109内に配設された各機器より発生する騒音を低減させることができる。
【0098】
ケーシング109内には、圧縮機103から第1吸着筒101及び第2吸着筒102への加圧空気の流れ、及び、第1吸着筒101及び第2吸着筒102から圧縮機103への排気ガスの流れを切り替える切替弁111がさらに設けられる。本実施形態における切替弁111は、3ポート弁である第1制御弁111Aと、同じく3ポート弁である第2制御弁111Bとで構成されている。
【0099】
本開示の酸素濃縮装置Mは、切替弁111として、先述した三方弁10を採用する。第1制御弁111Aは、先述した第1制御弁21に対応し、第2制御弁111Bは、先述した第2制御弁22に対応する。なお、
図16において、弁を示す標記の近傍に付した「1」、「2」又は「3」という数字は当該弁のポートの番号を示している。3ポート弁には、「1」から「3」までの数字が付されており、2ポート弁には、「1」及び「2」の数字が付されている。
図15の切替弁111に示すポート「A」は、給気ポート71に対応し、ポート「B」は、排気ポート72に対応し、ポート「C」は、第1給排気ポート73に対応し、ポート「D」は、第2給排気ポート74に対応する。
【0100】
ケーシング109に設けた給気口180には、装置内に導入される外部の空気中に含まれる塵埃等を捕集するための防塵フィルタ115が設けられている。防塵フィルタ115を通過してケーシング109内に導入された外部からの空気は、ファンボックス130の開口部131を通って給気フィルタ116に吸い込まれ、給気消音ボックス113を通過して圧縮機103に吸引される。給気消音ボックス113は、給気フィルタ116から圧縮機103に至る空気の流路に配設されており、圧縮機103の給気・圧縮に起因する騒音を低減させる。
【0101】
圧縮機103により圧縮されて加圧された空気(加圧空気)は、第1制御弁111A及び第2制御弁111Bを経由して第1吸着筒101及び第2吸着筒102に供給される。また、第1吸着筒101及び第2吸着筒102からの排気ガスは、第1制御弁111A及び第2制御弁111Bを経由して圧縮機103により減圧・吸引され、排気マフラー114から圧縮機ボックス110の開口部117を経由して排気口170から外部に排出される。運転により発生する圧縮機103の熱は、冷却ファン112によって、ケーシング109の給気口180及びファンボックス130の開口部131を経由して当該ファンボックス130内に吸引され、且つ、冷却ファン112によって圧縮機103に吹き付けられる空気により冷却される。
【0102】
第1吸着筒101及び第2吸着筒102の内部には、圧縮機103から供給される加圧空気中の窒素を選択的ないし優先的に吸着する吸着剤が収容されている。吸着剤としては、例えばゼオライト等を用いることができる。第1吸着筒101及び第2吸着筒102を用いた酸素濃縮のプロセスの詳細については後述する。
【0103】
第1吸着筒101及び第2吸着筒102の下流側の流路(高濃度酸素の出口側の流路。
図15では第1吸着筒101及び第2吸着筒102の下部から第1酸素出口150に至る流路)には、高濃度酸素等の流体の流量又は流れを制御するための種々の弁、すなわちパージ弁118、逆止弁119、120、同調弁122が設けられている。同調弁122には、ユーザの呼吸を検知するための微圧センサ128が付設されている。同調弁122は、微圧センサ128の検知結果に応じて、「開」状態又は「閉」状態に切り替えられる。酸素タンク105は、同調弁122の上流側であり、且つ、逆止弁119、120の下流側に設けられている。また、逆止弁119、120と酸素タンク105との間のガス流路には、圧力異常等を検出するための圧力センサ123が設けられている。
【0104】
本実施形態に係る酸素濃縮装置Mは、一方の吸着筒に圧縮機103で圧縮された空気が供給されている間に、他方の吸着筒を当該圧縮機103によって吸引することで減圧するVPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮装置である。しかし、本開示の酸素濃縮装置はこれに限定されず、一方の吸着筒に圧縮機で圧縮された空気が供給されている間に、他方の吸着筒が大気開放されることで減圧されるPSA(Pressure Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮装置とすることもできる。
【0105】
第1制御弁111A及び第2制御弁111Bは、いずれも3ポート弁であり、圧縮機103から吐出された加圧空気を第1吸着筒101(第2吸着筒102)に供給する加圧状態と、吸引することで当該第1吸着筒101(第2吸着筒102)内の排気ガスを外部に排出する減圧状態とを切り替える。一方の吸着筒が加圧状態にあるときは、他方の吸着筒は減圧状態にある。
【0106】
逆止弁119は第1吸着筒101の下流側のガス流路に配設され、逆止弁120は第2吸着筒102の下流側のガス流路に配設されている。両逆止弁119、120は、第1吸着筒101及び第2吸着筒102から排出される高濃度酸素が下流側に向かってだけ流れるように構成されている。パージ弁118は、第1吸着筒101と逆止弁119との間のガス流路と、第2吸着筒102と逆止弁120との間のガス流路とを接続するガス流路に配設されている。
【0107】
逆止弁119からの高濃度酸素と、逆止弁120からの高濃度酸素とが交互に酸素タンク105に供給され、当該酸素タンク105に貯留される。酸素タンク105の下流側には、高濃度酸素から異物を除去するためのバクテリアフィルタ125、酸素タンク105からの高濃度酸素の流量を調製する同調弁122が配設されている。同調弁122で流量調整された高濃度酸素は酸素濃度異常を検出するための酸素センサ124及びを経由して、ケーシング109の酸素出口150に送られる。酸素濃縮装置Mにおいて、高濃度酸素は、酸素出口150にカニューラ継手126を設けると共に、カニューラ継手126に接続されたチューブTA及びカニューラCa(
図16参照)を介して患者に供給される。
【0108】
[酸素濃縮プロセス]
図17は、吸着筒の1サイクルの圧力変化と酸素濃縮装置の制御弁の切替状態との関係を説明する図である。ここで、酸素濃縮装置Mにおける高濃度酸素の生成プロセスを説明する。
【0109】
図17において、上側の図は酸素濃縮プロセスに関係する第1制御弁111A、第2制御弁111B、及びパージ弁118(
図16参照)の各ステップにおける開閉状態を示しており、下側の図は第1吸着筒101及び第2吸着筒102内(
図16参照)の圧力変化を示している。下側の図において、太い実線は第1吸着筒101の内部の圧力変化を示しており、細い実線は第2吸着筒102の内部の圧力変化を示している。
図17に示される例では、第1吸着筒101及び第2吸着筒102の順に吸着筒内の加圧工程が行われる。また、
図17において、「T」で示される期間で第1吸着筒101の1サイクルの処理が行われる。この1サイクルの処理には、上側の図に示される「T1」から「T6」までの6つのステップが含まれる。
【0110】
図16において、第1制御弁111A、第2制御弁111B、及びパージ弁118を示す各ブロックに付された数字は、前述したように各弁におけるポートの番号を示している。第1制御弁111A及び第2制御弁111Bは3ポート弁であるので、1から3までの3つの数字が付されており、パージ弁118は2ポート弁であるので、1から2までの2つの数字が付されている。
図17の上側の図において、例えば第1制御弁111Aの「1→2」が「開」であるとは、第1制御弁111Aにおいて「1」で示されるポートから「2」で示されるポートまでが連通状態にあることを示している。このとき、当該第1制御弁111Aにおいて「2」で示されるポートから「3」で示されるポートまでは非連通の状態である。
【0111】
図17の下側の図において、横軸は時間経過を示しており、同図において、左側から右側に時間が経過している。ステップT1では、パージ弁118が「開」の状態であり、第2吸着筒102から第1吸着筒101に当該第2吸着筒102内の高濃度酸素ガスが供給される。このステップT1では、第1制御弁111A及び第2制御弁111Bのポート「2」からポート「3」はいずれも「閉」の状態であるので、第1吸着筒101及び第2吸着筒102内が吸引されることはない。第1吸着筒101及び第2吸着筒102の各吸引は、弁の開閉を制御することでタイミングが互いにずれるように行われる。
【0112】
つづくステップT2では、第1制御弁111Aのポート「1」からポート「2」、及び第2制御弁111Bのポート「2」からポート「3」が「開」の状態であり、圧縮機103による第1吸着筒101の加圧及び第2吸着筒102の減圧が行われる。このステップT2では、ステップT1で「開」の状態であったパージ弁118は「閉」の状態である。加圧空気が供給されて加圧状態になった第1吸着筒101内では、加圧空気に含まれる窒素が当該第1吸着筒101内に収容されている吸着剤に吸着される。これにより、第1吸着筒101内のガスは、酸素濃度が通常の空気中の酸素濃度よりも高い高濃度酸素となる。
【0113】
つづくステップT3では、パージ弁118が「開」の状態であり、第1吸着筒101内の高濃度酸素がパージ弁118を経由して第2吸着筒102内に供給される。
【0114】
つづくステップT4では、第1制御弁111Aのポート「2」からポート「3」、及び第2制御弁111Bのポート「2」からポート「3」が「閉」の状態である。このステップT4では、ステップT3での第1吸着筒101から第2吸着筒102への高濃度酸素の供給が継続される。
【0115】
つづくステップT5では、第1制御弁111Aのポート「2」からポート「3」、及び第2制御弁111Bのポート「1」からポート「2」が「開」の状態であり、圧縮機103による第2吸着筒102の加圧及び第1吸着筒101の減圧が行われる。このステップT4では、ステップT3で「開」の状態であったパージ弁118は「閉」の状態である。加圧空気が供給されて加圧状態になった第2吸着筒102内では、加圧空気に含まれる窒素が当該第2吸着筒102内に収容されている吸着剤に吸着される。これにより、第2吸着筒102内のガスは、酸素濃度が通常の空気中の酸素濃度よりも高い高濃度酸素となる。
【0116】
つづくステップT6では、パージ弁118が「開」の状態であり、第2吸着筒102内の高濃度酸素がパージ弁118を経由して第1吸着筒101内に供給される。以後、前述したステップT1~T6が繰り返される。酸素濃縮装置Mは、第1吸着筒101及び第2吸着筒102においてかかるステップT1~T6が繰り返されることで高濃度酸素を生成し、生成した高濃度酸素を酸素タンク105に貯留する。
【0117】
[実施形態の作用効果]
(1)上記実施形態の三方弁10は、給気ポート71と、給気ポート71に繋がる給気通路75と、排気ポート72と、排気ポート72に繋がる排気通路76と、給排気ポート73,74と、給排気ポート73,74に繋がる給排気通路77,78と、給気通路75、排気通路76及び給排気通路77,78に連通する弁室51,52と、を含む流路が形成されるマニホールド50と、弁室51,52に収容され、給気ポート71と給排気通路77,78とが連通する第1位置、又は排気ポート72と給排気通路77,78とが連通する第2位置に変位可能な弁体23,24と、弁体23,24の位置を第1位置又は第2位置に切り替えるパイロット機構30と、を備える。三方弁10において、マニホールド50は、複数の板状のマニホールド部材60を板厚方向に積層して構成される。
【0118】
この三方弁10によれば、積層構造を有するマニホールド50を採用することによって、マニホールド50内の各流路を構成する通路の断面形状を円形以外にすることが可能となり、マニホールド50内の空間効率(マニホールド50の体積に対するマニホールド50内に確保すべき空間の比率)を高めることができる。これにより、三方弁10の小型軽量化を図ることができる。
【0119】
(2)上記実施形態の三方弁10は、マニホールド50に形成される前記流路が、第1弁室51と、第2弁室52と、第1弁室51と第2弁室52とを連通し給気通路75に接続される第1連通路C1と、第1弁室51と第2弁室52とを連通し排気通路76に接続される第2連通路C2と、第1弁室51側の第1給排気ポート73と、第1弁室51側の第1給排気通路77と、第2弁室52側の第2給排気ポート74と、第2弁室52側の第2給排気通路78と、を含む。三方弁10は、弁体が、第1弁体23と、第2弁体24と、を含み、第1弁室51に第1弁体23が収容されると共に、第2弁室52に第2弁体24が収容される。
【0120】
この三方弁10は、二連三方弁である場合において、小型軽量化を図ることができる。
【0121】
(3)上記実施形態の三方弁10において、第1連通路C1及び第2連通路C2は、隣接するマニホールド部材60同士の境界面の凹みにより形成される。
【0122】
マニホールド50を積層構造とした三方弁10では、第1連通路C1及び第2連通路C2をマニホールド部材60の境界部分に形成することができる。これにより、マニホールド50内の空間効率を高めて、マニホールド50を小型化することができる。
【0123】
(4)上記実施形態の三方弁10において、マニホールド50に形成される流路は、給気通路75又は排気通路76と第1弁室51とを連通する第1パイロット通路91と、給気通路75又は排気通路76と第2弁室52とを連通する第2パイロット通路92と、をさらに含んでいる。第1弁体23は、第1パイロット通路91を介して第1弁室51に供給される流体の圧力によって変形可能な第1ダイヤフラム23b及び第2ダイヤフラム23cを有する。第2弁体24は、第2パイロット通路92を介して第2弁室52に供給される流体の圧力によって変形可能な第3ダイヤフラム24b及び第4ダイヤフラム24cを有する。パイロット機構30は、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32により構成される。パイロット機構30は、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32によって、流体の供給先を第1パイロット通路91又は第2パイロット通路92の何れか一方に切り替えて、第1ダイヤフラム23b及び第2ダイヤフラム23c、又は、第3ダイヤフラム24b及び第4ダイヤフラム24cの変形によって、第1弁体23又は第2弁体24の何れか一方を第1位置P1に位置させると共に、第1弁体23及び第2弁体24のうちの他方を第2位置P2に位置させる。
【0124】
この三方弁10は、パイロット圧で作動するパイロット式三方弁である場合において、小型軽量化を図ることができる。
【0125】
(5)上記実施形態の三方弁10は、マニホールド50に形成される流路が、第1パイロット通路91又は第2パイロット通路92と排気通路76とを連通する第4パイロット通路94をさらに含んでいる。三方弁10において、第1パイロット弁31及び第2パイロット弁32は、第4パイロット通路94の連通先を第1パイロット通路91又は第2パイロット通路92の何れか一方に切り替えて、第1ダイヤフラム23b又は第3ダイヤフラム24bを変形させる。
【0126】
この三方弁10によれば、排気ポート72から吸引排気を行う場合に、第1弁体23及び第2弁体24の変位動作の確実性を高めることができる。
【0127】
(6)上記実施形態の三方弁10において、第1弁体23は、第1連結ロッド23a、第1連結ロッド23aの一端部に連結された第1ダイヤフラム23b、第1連結ロッド23aの他端部に連結された第2ダイヤフラム23c、第1連結ロッド23aの第1ダイヤフラム23b側に設けられた第1弁部23d、第1連結ロッド23aの第2ダイヤフラム23c側に設けられた第2弁部23e、を備える。第2弁体24は、第2連結ロッド24a、第2連結ロッド24aの一端部に連結された第3ダイヤフラム24b、第2連結ロッド24aの他端部に連結された第4ダイヤフラム24c、第2連結ロッド24aの第3ダイヤフラム24b側に設けられた第3弁部24d、第2連結ロッド24aの第4ダイヤフラム24c側に設けられた第4弁部24e、を備える。第1弁室51は、第1ダイヤフラム23bを収容する第1室A1、第2ダイヤフラム23cを収容する第2室A2、第1室A1及び第2室A2を連通し第1連結ロッド23aを収容する第1連通孔B1、第1連通孔B1の第1室A1側の端部に形成され第1弁部23dと対向する第1弁座53、第1連通孔B1の第2室A2側の端部に形成され第2弁部23eと対向する第2弁座54、を有する。第2弁室52は、第3ダイヤフラム24bを収容する第3室A3、第4ダイヤフラム24cを収容する第4室A4、第3室A3及び第4室A4を連通し第2連結ロッド24aを収容する第2連通孔B2、第2連通孔B2の第3室A3側の端部に形成され第3弁部24dと対向する第3弁座55、第2連通孔B2の第4室A4側の端部に形成され第4弁部24eと対向する第4弁座56、を有する。第1連通路C1が、第2室A2及び第4室A4を連通し、第2連通路C2が、第1室A1及び第3室A3を連通し、第3パイロット通路93が、第1連絡路C1を介して給気通路75と連通し、第4パイロット通路94が、第2連絡路C2を介して排気通路76と連通する。
【0128】
この三方弁10は、内部パイロット式の二連三方弁である場合に、小型軽量化を図ることができる。
【0129】
(7)上記実施形態の三方弁10において、マニホールド50は、第1連通孔B1及び第2連通孔B2の軸線方向が、複数のマニホールド部材60の積層方向(Z方向)に対して平行である。マニホールド50は、第1室A1、第2室A2、第3室A3、第4室A4、第1連通孔B1、及び第2連通孔B2が、2以上のマニホールド部材60にわたって形成されている。
【0130】
この三方弁10によれば、積層構造を有するマニホールド50を用いて、内部パイロット式二連三方弁を構成することができる。これにより、内部パイロット式二連三方弁を小型軽量化することができる。
【0131】
(8)上記実施形態の酸素濃縮装置Mは、空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成すると共に、生成した高濃度酸素を供給する。酸素濃縮装置Mは、空気に含まれる窒素又は酸素の吸着及び吸着した窒素又は酸素の脱離が可能な吸着材と、吸着材を収容する第1吸着筒101及び第2吸着筒102と、高濃度酸素の原料となる空気を第1吸着筒101及び第2吸着筒102に供給する給気管106と、生成された高濃度酸素を第1吸着筒101及び第2吸着筒102から排気する排気管107と、第1吸着筒101又は第2吸着筒102を交互に選択し、選択した一方を給気管106に接続すると同時に、他方を排気管107に接続する切替弁111と、を備え、切替弁111が、三方弁10で構成される。
【0132】
この酸素濃縮装置Mは、切替弁111に三方弁10を採用しているため、小型軽量化を図ることができる。なお、酸素濃縮装置Mには、屋外での使用に適した携帯型と、屋内での使用に適した定置型とがある。酸素濃縮装置Mでは、携帯型及び定置型に関わらず、切替弁111として三方弁10を採用すると好ましいが、携帯型である場合において、切替弁111として三方弁10を採用すると特に好ましい。
【0133】
なお、本開示の酸素濃縮装置は、吸着材としてゼオライト等の窒素吸着材を使用しているが、本開示は、吸着材として酸素吸着材を使用した酸素濃縮装置に対して適用しても良い。
【符号の説明】
【0134】
M :酸素濃縮装置
10 :三方弁
23 :第1弁体(弁体)
23b:第1ダイヤフラム(第1ダイヤフラム)
23c:第2ダイヤフラム(第1ダイヤフラム)
24 :第2弁体(弁体)
24b:第3ダイヤフラム(第2ダイヤフラム)
24c:第4ダイヤフラム(第2ダイヤフラム)
30 :パイロット機構(切替機構)
50 :マニホールド
51 :第1弁室(弁室)
52 :第2弁室(弁室)
60 :マニホールド部材
71 :給気ポート(第1ポート)
72 :排気ポート(第2ポート)
73 :第1給排気ポート(第3ポート)
74 :第2給排気ポート(第3ポート)
75 :給気通路(第1通路)
76 :排気通路(第2通路)
77 :第1給排気通路(第3通路)
78 :第2給排気通路(第3通路)
91 :第1パイロット通路
92 :第2パイロット通路
93 :第3パイロット通路
94 :第4パイロット通路
95 :第5パイロット通路
96 :第6パイロット通路
C1 :第1連通路
C2 :第2連通路
P1 :第1位置
P2 :第2位置
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポートと、前記第1ポートに繋がる第1通路と、第2ポートと、前記第2ポートに繋がる第2通路と、第3ポートと、前記第3ポートに繋がる第3通路と、前記第1通路、前記第2通路及び前記第3通路に連通する弁室と、を含む流路が形成されるマニホールドと、
前記弁室に収容され、前記第1ポート及び前記第3ポートが連通する第1位置、又は前記第2ポート及び前記第3ポートが連通する第2位置に変位可能な弁体と、
前記弁体の位置を前記第1位置又は前記第2位置に切り替える切替機構と、を備え、
前記マニホールドが、
複数の板状のマニホールド部材を板厚方向に積層して構成される、三方弁。
【請求項2】
前記マニホールドに形成される前記流路が、第1の前記弁室である第1弁室と、第2の前記弁室である第2弁室と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第1通路に接続される第1連通路と、前記第1弁室と前記第2弁室とを連通し前記第2通路に接続される第2連通路と、前記第1弁室側の前記第3ポートである第1弁室側第3ポートと、前記第1弁室側の前記第3通路である第1弁室側第3通路と、前記第2弁室側の前記第3ポートである第2弁室側第3ポートと、前記第2弁室側の前記第3通路である第2弁室側第3通路と、を含み、
前記弁体が、第1の前記弁体である第1弁体と、第2の前記弁体である第2弁体と、を含み、
前記第1弁室に前記第1弁体が収容されると共に、前記第2弁室に前記第2弁体が収容される、請求項1に記載の三方弁。
【請求項3】
前記第1連通路及び/又は前記第2連通路は、隣接する前記マニホールド部材同士の境界面の凹みにより形成される、請求項2に記載の三方弁。
【請求項4】
前記マニホールドに形成される前記流路が、前記第1弁室と連通する第1パイロット通路と、前記第2弁室と連通する第2パイロット通路と、前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第1通路とを連通する第3パイロット通路と、をさらに含み、
前記第1弁体が、前記第1パイロット通路を介して前記第1弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムをさらに有し、
前記第2弁体が、前記第2パイロット通路を介して前記第2弁室に供給される流体の圧力によって変形可能な第3ダイヤフラム及び第4ダイヤフラムをさらに有し、
前記切替機構が、パイロット弁により構成され、前記パイロット弁によって、前記第3パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラムと、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムとの変形によって、前記第1弁体又は前記第2弁体の何れか一方を前記第1位置に位置させると共に、前記第1弁体及び前記第2弁体のうちの他方を前記第2位置に位置させる、請求項2又は請求項3に記載の三方弁。
【請求項5】
前記マニホールドに形成される前記流路が、
前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路と前記第2通路とを連通する第4パイロット通路をさらに含み、
前記パイロット弁が、前記第4パイロット通路の連通先を前記第1パイロット通路又は前記第2パイロット通路の何れか一方に切り替えて、前記第1ダイヤフラム及び前記第2ダイヤフラム、又は、前記第3ダイヤフラム及び前記第4ダイヤフラムを変形させる、請求項4に記載の三方弁。
【請求項6】
前記第1弁体が、第1連結ロッド、前記第1連結ロッドの一端部に連結された前記第1ダイヤフラム、前記第1連結ロッドの他端部に連結された前記第2ダイヤフラム、前記第1ダイヤフラムに設けられた第1弁部、前記第2ダイヤフラムに設けられた第2弁部、を備え、
前記第2弁体が、第2連結ロッド、前記第2連結ロッドの一端部に連結された前記第3ダイヤフラム、前記第2連結ロッドの他端部に連結された前記第4ダイヤフラム、前記第3ダイヤフラムに設けられた第3弁部、前記第4ダイヤフラムに設けられた第4弁部、を備え、
前記第1弁室が、前記第1ダイヤフラムを収容する第1室、前記第2ダイヤフラムを収容する第2室、前記第1室及び前記第2室を連通し前記第1連結ロッドを収容する第1連通孔、前記第1連通孔の前記第1室側の端部に形成され前記第1弁部と対向する第1弁座、前記第1連通孔の前記第2室側の端部に形成され前記第2弁部と対向する第2弁座、を有し、
前記第2弁室が、前記第3ダイヤフラムを収容する第3室、前記第4ダイヤフラムを収容する第4室、前記第3室及び前記第4室を連通し前記第2連結ロッドを収容する第2連通孔、前記第2連通孔の前記第3室側の端部に形成され前記第3弁部と対向する第3弁座、前記第2連通孔の前記第4室側の端部に形成され前記第4弁部と対向する第4弁座、を有し、
前記第1連通路が、前記第2室及び前記第4室を連通し、
前記第2連通路が、前記第1室及び前記第3室を連通し、
前記第3パイロット通路が、前記第1連通路を介して前記第1通路と連通し、
前記第4パイロット通路が、前記第2連通路を介して前記第2通路と連通する、請求項5に記載の三方弁。
【請求項7】
前記マニホールドは、
前記第1連通孔及び前記第2連通孔の軸線方向が、前記複数のマニホールド部材の積層方向に対して平行であり、
前記第1室、前記第2室、前記第3室、前記第4室、前記第1連通孔、及び前記第2連通孔が、
2以上の前記マニホールド部材にわたって形成される、請求項6に記載の三方弁。
【請求項8】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を含む高濃度酸素を生成すると共に、生成した高濃度酸素を供給する酸素濃縮装置であって、
空気に含まれる窒素又は酸素の吸着及び吸着した窒素又は酸素の脱離が可能な吸着材と、
前記吸着材を収容する第1吸着筒及び第2吸着筒と、
高濃度酸素の原料となる空気を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒に供給する給気管と、
生成された高濃度酸素を前記第1吸着筒及び前記第2吸着筒から排気する排気管と、
前記第1吸着筒又は前記第2吸着筒を交互に選択し、選択した一方を前記給気管に接続すると同時に、他方を前記排気管に接続する切替弁と、を備え、
前記切替弁が、請求項4に記載の前記三方弁で構成される、酸素濃縮装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
M :酸素濃縮装置
10 :三方弁
23 :第1弁体(弁体)
23b:第1ダイヤフラム(第1ダイヤフラム)
23c:第2ダイヤフラム(第1ダイヤフラム)
24 :第2弁体(弁体)
24b:第3ダイヤフラム(第2ダイヤフラム)
24c:第4ダイヤフラム(第2ダイヤフラム)
30 :パイロット機構(切替機構)
50 :マニホールド
51 :第1弁室(弁室)
52 :第2弁室(弁室)
60 :マニホールド部材
71 :給気ポート(第1ポート)
72 :排気ポート(第2ポート)
73 :第1給排気ポート(第3ポート)
74 :第2給排気ポート(第3ポート)
75 :給気通路(第1通路)
76 :排気通路(第2通路)
77 :第1給排気通路(第3通路)
78 :第2給排気通路(第3通路)
91 :第1パイロット通路
92 :第2パイロット通路
93 :第3パイロット通路
94 :第4パイロット通路
C1 :第1連通路
C2 :第2連通路
P1 :第1位置
P2 :第2位置