(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079038
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240604BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240604BHJP
【FI】
G06T7/00 250
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191734
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥村 文洋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 邦博
(72)【発明者】
【氏名】清水 司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 亮暢
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光樹
【テーマコード(参考)】
5E555
5L096
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA30
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA21
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5E555BB21
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5E555EA19
5E555EA22
5E555FA00
5L096AA02
5L096CA24
5L096DA01
5L096FA06
5L096FA41
5L096FA69
5L096GA40
5L096JA03
5L096JA11
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮像結果に基づき解析すべき事象についてのより適切な解析を行うために、特徴量の分布に含まれる非本質的要因を排除し、本質的な要因に関する解析ができる方法を提供する。
【解決手段】方法は、対象の撮像結果である少なくとも1つの対象画像が分割された複数のパッチ画像を取得し、パッチ画像同士の類似度を比較するための特徴量空間を規定する少なくとも1つの特徴量を抽出する処理を行う。第1の視覚情報と、第2の視覚情報とを一覧性を有する態様で表示させる処理を行う。第1の視覚情報は、特徴量空間におけるパッチ画像の分布を視認可能に構成される。第2の視覚情報は、特定パッチ画像に含まれる対象に関する対象情報を視認可能に構成される。第1の視覚情報と第2の視覚情報とは、第1の視覚情報に表示される分布中での特定パッチ画像と、第2の視覚情報に表示される対象情報に関する特定パッチ画像との対応関係が把握可能に構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な少なくとも1つのプロセッサを備え、
画像取得ステップでは、対象の撮像結果である少なくとも1つの対象画像が分割された複数のパッチ画像を取得する処理を行い、
特徴量抽出ステップでは、取得された前記パッチ画像に基づき、前記パッチ画像同士の類似度を比較するための特徴量空間を規定する少なくとも1つの特徴量を抽出する処理を行い、
表示処理ステップでは、第1の視覚情報と、第2の視覚情報とを一覧性を有する態様で表示させる処理を行い、ここで、
前記第1の視覚情報は、前記特徴量空間における前記パッチ画像の分布を視認可能に構成され、
前記第2の視覚情報は、前記パッチ画像のうちの少なくとも1つの特定パッチ画像に含まれる前記対象に関する対象情報を視認可能に構成され、前記対象情報は、前記特徴量に依存せずに特定可能であり、
前記第1の視覚情報と前記第2の視覚情報とは、前記第1の視覚情報に表示される前記分布中での前記特定パッチ画像と、前記第2の視覚情報に表示される前記対象情報に関する前記特定パッチ画像との対応関係が把握可能に構成される、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
指定受付ステップでは、前記第1の視覚情報に含まれる前記分布中の少なくとも1つの前記パッチ画像の指定を受け付ける処理を行い、
前記表示処理ステップでは、指定された前記パッチ画像を前記特定パッチ画像として、前記第1の視覚情報と前記第2の視覚情報とを表示する処理を行う、もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示処理ステップでは、指定された前記パッチ画像が複数存在する場合、指定された複数の前記パッチ画像のそれぞれを前記特定パッチ画像とする複数の前記第2の視覚情報を表示する処理を行う、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示処理ステップでは、複数の前記第2の視覚情報を互いに一覧性を有する態様で表示する処理を行う、もの。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の視覚情報は、第1の表示領域と、第2の表示領域と、を含み、
前記第1の表示領域には、前記特定パッチ画像を分割する前の前記対象画像が、当該対象画像内における前記特定パッチ画像の位置を視認可能な態様で表示され、
前記第2の表示領域には、前記対象情報が前記パッチ画像に対して重畳的に表示される、もの。
【請求項6】
請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の表示領域は、複数の前記対象画像のそれぞれに対応する複数の対象画像表示領域を含み、
ここで、前記対象画像表示領域のそれぞれには、前記対象画像表示領域に対応する前記対象画像を含む前記特定パッチ画像の位置が視認可能な態様で表示される、もの。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示処理ステップでは、さらに第3の視覚情報を、少なくとも前記第2の視覚情報と一覧性を有する態様で表示する処理を行い、
ここで、前記第3の視覚情報は、前記第2の視覚情報に表示される前記特定パッチ画像に関する統計量を視認可能に構成される、もの。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
指定受付ステップでは、ユーザからの前記特徴量の抽出方法の指定を受け付ける処理を行い、
前記表示処理ステップでは、指定された前記抽出方法に対応する前記特徴量空間における前記パッチ画像の分布を含む前記第1の視覚情報を、前記第2の視覚情報と一覧性を有する態様で表示する処理を行う、もの。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記対象画像は、撮像部によって撮像された物質の外観の撮像結果を示し、
前記対象情報は、観測部によって観測された前記物質の物性の分布に関する情報を含み、
前記対象情報に含まれる前記物性の分布の空間分解能は、前記対象画像の空間分解能より低い、もの。
【請求項10】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを含む、方法。
【請求項11】
情報処理プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、分類した画像の類似度をよりわかり易く表示することが可能な画像分類システムが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の画像分類システムは、指定された条件に基づいて画像を分類するための複数の画像データを抽出する画像群抽出部と、抽出された複数の画像データの特徴量に基づき、複数の画像データを複数のクラスタに分類するクラスタリング部と、画像データの特徴量に基づいて複数の画像データのそれぞれに対応するサムネイルの3次元空間上の座標を決定する座標決定部と、座標決定部で決定された座標に基づき、サムネイルを表示装置に表示させる表示部と、を有する。表示部は、3次元空間において上記表示面に直交する方向における距離に応じたサイズでサムネイルを表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような特徴量の分布は、必ずしも撮像結果に基づき解析すべき事象に関する本質的な要因を反映しているとは限らず、非本質的な相関を示すことがある。そのため、当該事象についてのより適切な解析を行うためには、特徴量の分布に含まれ得る非本質的要因を排除し、本質的な要因に関する解析が促されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムでは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な少なくとも1つのプロセッサを備える。画像取得ステップでは、対象の撮像結果である少なくとも1つの対象画像が分割された複数のパッチ画像を取得する処理を行う。特徴量抽出ステップでは、取得されたパッチ画像に基づき、パッチ画像同士の類似度を比較するための特徴量空間を規定する少なくとも1つの特徴量を抽出する処理を行う。表示処理ステップでは、第1の視覚情報と、第2の視覚情報とを一覧性を有する態様で表示させる処理を行う。第1の視覚情報は、特徴量空間におけるパッチ画像の分布を視認可能に構成される。第2の視覚情報は、パッチ画像のうちの少なくとも1つの特定パッチ画像に含まれる対象に関する対象情報を視認可能に構成され、対象情報は、特徴量に依存せずに特定可能である。第1の視覚情報と第2の視覚情報とは、第1の視覚情報に表示される分布中での特定パッチ画像と、第2の視覚情報に表示される対象情報に関する特定パッチ画像との対応関係が把握可能に構成される。
【0007】
このような構成によれば、対象に関するより本質的な要因の解析を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】プロセッサ23が備える機能部の一例を示す図である。
【
図5】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図9】特徴量の抽出方法を受付可能に構成される第2の画像IM2の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2と、ユーザ端末3と、データベースDB1と、少なくとも1つの測定装置HW1と、を備える。情報処理装置2と、ユーザ端末3と、データベースDB1と、測定装置HW1とは、電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は、情報処理装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<データベースDB1>
データベースDB1は、種々の情報を記憶する。データベースDB1は、例えば、MNIST、Fashion-MNIST、ImageNetなどのオープンデータを含むものであっても、一部ユーザに限定的に提供されるものであってもよい。データベースDB1は、後述する対象情報IF1の少なくとも一部を記憶していてもよい。
【0016】
<測定装置HW1>
測定装置HW1は、対象に対する種々の測定を実行可能に構成されている。測定装置HW1は、例えば、撮像部HW11と、観測部HW12と、を備える。本実施形態の測定装置HW1は、走査型電子顕微鏡(SEM)を含む。
【0017】
<撮像部HW11>
撮像部HW11は、物質の外観を少なくとも測定可能に構成されている。撮像部HW11は、任意のイメージングデバイスによって実装可能である。撮像部HW11は、例えばCMOSカメラ、CCDカメラなどの光学カメラであっても、対象による散乱電子を観測可能な電子顕微鏡であっても、超音波イメージングシステムであっても、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、ピエゾ応答力顕微鏡(PFM)、磁気力顕微鏡(MFM)などの種々の走査型顕微鏡であってもよい。また、光学カメラによる撮像は、可視光に限らず、赤外光、紫外光、X線、γ線、高輝度放射線など、任意の波長の光によって実行可能である。本実施形態の撮像部HW11は、物質からの反射電子を観測可能な検出器によって構成されている。撮像部HW11は、対象を撮像することにより、物質の外観の撮像結果を出力する。測定装置HW1は、当該撮像結果に基づき、当該撮像結果を含む対象画像IMP1を生成する。
【0018】
観測部HW12は、少なくとも物質の物性の分布を観測可能に構成されている。観測部HW12は、当該観測結果として、物質の物性の分布に関する情報を生成する。当該情報は、後述される対象情報IF1に含まれる。観測部HW12は、例えば、物質を構成する元素の組成比、ドメイン分布、粒度など、種々の物性の分布を観測可能に構成されている。特に、観測部HW12によって観測される物質の物性の分布は、撮像部HW11によって撮像された物質の外観と対応づけ可能に構成されている。本実施形態の観測部HW12は、対象から放射されるX線を検出可能に構成され、エネルギー分散型X線分光法を用いて元素分布解析を実行可能に構成されている。
【0019】
なお、撮像部HW11と観測部HW12とは1つの測定装置HW1として実装されても、複数の異なる測定装置HW1として実装されてもよい。また、撮像部HW11と観測部HW12とは、共通の測定手法によって得られる測定結果に対して異なる情報処理を行うことによって得られてもよい。
【0020】
本実施形態では、対象画像IMP1の空間分解能が対象情報IF1に含まれる物性の分布の空間分解能は、対象画像IMP1の空間分解能より低い。言い換えれば、観測部HW12の空間分解能は、撮像部HW11の空間分解能より低い。これにより、当該物性の分布を観測するために要する時間を短縮しつつ、客観的な対象画像IMP1の解析を行いやすくなる。なお、これらの空間分解能は任意である。
【0021】
<情報処理装置2>
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、プロセッサ23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0022】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21およびネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0023】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、プロセッサ23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、プロセッサ23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0024】
プロセッサ23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。プロセッサ23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。プロセッサ23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例であるプロセッサ23によって具体的に実現されることで、プロセッサ23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、プロセッサ23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数のプロセッサ23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
<ユーザ端末3>
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、プロセッサ33と、表示部34と、HMIデバイス35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32およびプロセッサ33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0026】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0027】
HMIデバイス35は、ヒューマン・マシン・インターフェースデバイスである。HMIデバイス35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、HMIデバイス35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード、音声認識装置、ジェスチャ検出装置、視線検出装置、生体信号検出装置、撮像装置などを採用してもよい。すなわち、HMIデバイス35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。HMIデバイス35は、応答として、通信バス30を介し操作入力に対応する信号をプロセッサ33に転送する。プロセッサ33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。HMIデバイス35は、ユーザからの入力を受付可能に構成されている入力部を含むともいえる。
【0028】
2.情報処理装置2の機能構成
図4は、プロセッサ23が備える機能部の一例を示す図である。
図4に示すように、プロセッサ23は、取得部231と、特徴量抽出部232と、指定受付部233と、表示処理部234とを備える。本節では、これらの機能部の概要を説明する。各機能部の詳細は、後述の情報処理と合わせて説明される。
【0029】
取得部231は、ユーザ端末3または他のデバイスからの情報を取得可能に構成される。取得部231は、例えば、ユーザ端末3、データベースDB1等の情報源から対象画像IMP1及び対象情報IF1等を取得する。また、取得部231は、記憶部22の少なくとも一部であるストレージ領域に記憶されている種々の情報を読み出し、読み出された情報を記憶部22の少なくとも一部である作業領域に書き込むことで、種々の情報を取得可能に構成されている。ストレージ領域とは、例えば、記憶部22のうち、SSD等のストレージデバイスとして実施される領域である。作業領域とは、例えば、RAM等のメモリとして実施される領域である。なお、取得部231による取得は、プロセッサ23に含まれる各機能部の出力結果を取得することを含む。
【0030】
特徴量抽出部232は、取得部231による取得結果に基づき、種々の情報の特徴量を抽出可能に構成されている。特徴量抽出部232は、取得部231によって取得された情報に基づき特徴量を直接的に抽出してもよい。また、特徴量抽出部232は、取得部231によって取得された情報を所定の学習器に入力し、当該学習器から出力される特徴量を取得することで、特徴量を間接的に抽出してもよい。特徴量は、取得された情報の間の類似度を比較可能に構成されている。なお、特徴量の抽出方法、言い換えれば、特徴量の決定方法は、任意である。
【0031】
指定受付部233は、ユーザからの種々の指定を受付可能に構成される。当該指定は、例えば、ユーザ端末3を通じて入力されるものでも、情報処理装置2に対して直接入力されるものでもよい。
【0032】
表示処理部234は、種々の情報を表示可能に構成される。当該情報は、ユーザ端末3の表示部34または他のデバイスを介して、ユーザに提示可能である。かかる場合、例えば、表示処理部234は、画面、静止画又は動画を含む画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末3の表示部34に表示させるように制御する。表示処理部234は、視覚情報をユーザ端末3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。なお、表示処理部234は、ユーザ端末3または他のデバイスユーザを介さずに、出力された情報をユーザに対して提示してもよい。
【0033】
3.情報処理について
本節では、前述した情報処理システム1において実行される情報処理について説明する。
【0034】
3.1.情報処理の流れについて
図5は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。なお、当該情報処理は、図示されない任意の例外処理を含みうる。例外処理は、当該情報処理の中断や、各処理の省略を含む。当該情報処理にて行われる選択または入力は、ユーザによる操作に基づくものでも、ユーザの操作に依らず自動で行われるものでもよい。
【0035】
[アクティビティA1]
アクティビティA1にて、プロセッサ33は、少なくとも1つの対象画像IMP1の入力を受け付け、当該入力結果をプロセッサ23に送信する。対象画像IMP1は、対象の撮像結果である。本実施形態では、対象画像IMP1は、物質の外観の撮像結果を示す。物質は、無機材料であっても有機材料であってもよい。また、物質は、多結晶体であっても単結晶体であってもよい。本実施形態の対象画像IMP1は、電子顕微鏡を用いて対象が撮像されたSEM画像である。なお、これに限られず、対象画像IMP1は、任意の観測手段、例えば音波、可視光、X線、放射光、中性子線などによる対象物の外観の撮像結果であってもよい。本実施形態の対象画像IMP1は平面画像、すなわち2次元画像であるが、3次元立体画像であっても、4次元以上のマルチチャンネル画像であってもよい。
【0036】
[アクティビティA2]
次に、処理がアクティビティA2に進み、プロセッサ23は、アクティビティA1にて送信された対象画像IMP1と、対象情報IF1とを取得する。プロセッサ23は、例えば、ユーザ端末3又はデータベースDB1から、対象情報IF1を取得する。対象情報IF1は、対象に関する任意の情報を含み得る。対象情報IF1は、対象の性質を示す情報を含む。本実施形態の対象情報IF1は、対象の外観との相関が比較的小さい、又は無相関となり得る任意の情報を含み得る。具体的には、対象情報IF1は、特徴量に依存せずに特定可能である。本実施形態の対象情報IF1は、物質の物性に関する情報を含む。詳細には、対象情報IF1は、撮像部によって観測された物質の物性の分布に関する情報を含む。以下、説明の便宜上、物質の物性に関する情報を、物性情報という。物性情報は、例えば、ヤング率、歪、応力、弾性定数、熱膨張率、抵抗値、誘電率、分極、ピエゾ定数、磁化、帯磁率、透磁率、反射率、透過率、対象の組成比、ドメイン分布など、任意の情報を含み得る。本実施形態の物性情報は、例えば、対象画像IMP1内での位置情報(例えばピクセル座標)と対応付け可能に構成されている。言い換えれば、物性情報は、対象画像IMP1に含まれる物性の分布に関する情報である。なお、対象画像IMP1が物性情報等の情報を含むマルチチャンネル画像である場合、取得部231は、取得された対象画像IMP1から対象情報IF1を取得してもよい。すなわち、対象情報IF1の取得経路は任意である。
【0037】
[アクティビティA3]
次に、処理がアクティビティA3に進み、プロセッサ23は、アクティビティA2にて取得された対象画像IMP1を、複数のパッチ画像IMP2に分割する。これにより、取得部231は、少なくとも1つの対象画像IMP1が分割された複数のパッチ画像IMP2を取得する処理を行う。なお、対象画像IMP1をパッチ画像IMP2に分割する処理は、プロセッサ23によって行われても、プロセッサ23以外の任意のデバイスによって行われてもよい。本実施形態では、プロセッサ23は、パッチ画像のそれぞれがほぼ同じ画素数の矩形画像となるように対象画像IMP1を分割する。なお、プロセッサ23による対象画像IMP1の分割方法は任意である。
【0038】
取得部231は、分割された複数のパッチ画像IMP2のそれぞれの画像に関する情報を取得してもよい。画像に関する情報は、後述される特徴量とは異なる因果関係に基づきパッチ画像IMP2から抽出可能な情報である。画像に関する情報は、例えば、1つのパッチ画像IMP2の画素に関する情報(例えばRGB、コントラストなど)、エッジ抽出により得られる情報(例えばパッチ画像IMP2に含まれる対象の輪郭など)、1つのパッチ画像IMP2の所定のテクスチャ解析の結果(例えば、パッチ画像IMP2の空間パターン、質感など)などを含み得る。このようなパッチ画像IMP2のそれぞれの画像に関する情報は、対象情報IF1に含まれ得る。対象情報IF1は、単独のパッチ画像IMP2から抽出可能な情報ともいえる。また、対象情報IF1は、パッチ画像IMP2内での分布を示す情報ともいえる。
【0039】
[アクティビティA4]
次に、処理がアクティビティA4に進み、特徴量抽出部232は、取得されたパッチ画像IMP2に基づき、パッチ画像IMP2同士の類似度を比較するための特徴量空間を規定する少なくとも1つの特徴量を抽出する処理を行う。例えば、特徴量抽出部232は、予め学習された学習モデルMに、取得されたパッチ画像IMP2を入力する。学習モデルMは、画像を入力とし、複数の画像の類似度を比較可能な特徴量を出力する。なお、特徴量は、特徴量空間を規定する特徴量ベクトルを含む。学習モデルMは、例えば、1つのパッチ画像IMP2に対して、1つの特徴量を出力する。これにより、特徴量空間におけるパッチ画像IMP2の位置が定められる。
【0040】
本実施形態の学習モデルMは、分類器として機能する。学習モデルMは、入力に対して予め設定された分類を付与する教師あり学習モデルであっても、特徴量の分布に基づき分類を行う教師なし学習モデルであってもよい。
【0041】
学習モデルMの学習の具体的アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習など任意である。教師あり学習の場合、学習モデルMの学習アルゴリズムとして、線形回帰、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、ブースティング、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークなどが採用可能である。特に入力が画像(例えば、対象画像IMP1、パッチ画像IMP2など)を含む場合、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いることが好ましい。入力が時系列データを含む場合、リカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いることが好ましい。一方、教師なし学習の場合、学習モデルMの学習アルゴリズムとしては、k-means法や主成分分析などが採用可能である。当該学習は、プロセッサ23自身によって行われても、プロセッサ23以外のデバイスによって行われてもよい。
【0042】
本実施形態では、特徴量抽出部232は、抽出された特徴量に基づき、パッチ画像IMP2同士の類似度を計算する。類似度は、例えば、マンハッタン距離、ユークリッド距離、コサイン類似度などの任意の距離に基づき計算可能である。また、類似度の具体的態様は任意であり、距離自体を類似度としても、当該距離に対して任意の計算処理を施したものであってもよい。なお、特徴量抽出部232は、パッチ画像IMP2同士の特徴量空間における類似度以外にも、パッチ画像IMP2の特徴量に基づき、パッチ画像IMP2が属するクラス間の類似度を抽出してもよい。このようなクラス間の類似度は、例えば混同行列を用いて計算可能である。
【0043】
特徴量は、学習モデルMによる特徴量の抽出方法によって異なることがある。そのため、特徴量抽出部232は、1つのパッチ画像IMP2から、複数の特徴量の抽出方法ごとの特徴量を抽出する処理を行ってもよい。学習モデルMは、情報処理装置2(例えば、特徴量抽出部232)に含まれていても、情報処理システム1に含まれているか否かに関わらず情報処理装置2とは異なるデバイスに含まれていてもよい。
【0044】
複数の対象画像IMP1が取得された場合、特徴量抽出部232は、複数の対象画像IMP1ごとに、当該対象画像IMP1から分割されたパッチ画像IMP2のそれぞれの特徴量を抽出してもよい。特徴量抽出部232は、パッチ画像IMP2がどの対象画像IMP1から分割された画像なのかを示す情報を抽出してもよい。
【0045】
[アクティビティA5]
次に、処理がアクティビティA5に進み、プロセッサ23は、アクティビティA3にて取得されたパッチ画像IMP2のそれぞれと、アクティビティA2にて取得された対象情報IF1とに基づき、パッチ画像IMP2内での対象情報IF1の分布を特定する。当該分布は、パッチ画像IMP2内の位置座標(すなわちピクセル座標)に対応する対象情報IF1を示す。例えば、対象情報IF1が物性情報を含む場合、プロセッサ23は、パッチ画像IMP2内での物性値の分布を特定する。物性値の分布は、例えば、抵抗値の分布、磁化の分布、ドメインの分布、熱膨張率の分布などを含む。本実施形態では、プロセッサ23は、パッチ画像IMP2内での対象の組成比の分布を特定する。当該組成比は、例えば電子顕微鏡による対象の撮像の際にエネルギー分散スペクトロスコピー(EDS)を用いて特定することが可能である。
【0046】
[アクティビティA6]
次に、処理がアクティビティA6に進み、表示処理部234は、第1の表示処理を実行する。これにより、第1の画像IM1を表示するための情報が、プロセッサ33に送信される。第1の画像IM1は、少なくとも第1の視覚情報4を含む。第1の視覚情報4は、特徴量空間におけるパッチ画像IMP2の分布を視認可能に構成される。これにより、ユーザは、第1の視覚情報4から、特徴量空間におけるパッチ画像IMP2のそれぞれの位置関係を視認可能することができる。第1の視覚情報4の具体的態様は、散布図、折れ線図、ヒストグラムなど任意である。
【0047】
[アクティビティA7]
次に、処理がアクティビティA7に進み、プロセッサ33は、プロセッサ33から送信される情報に基づき、第1の表示処理の結果を表示部34に表示させる。これにより、第1の画像IM1が表示部34に表示される。第1の画像IM1の表示内容の詳細は後述される。
【0048】
[アクティビティA8]
次に、処理がアクティビティA8に進み、プロセッサ33は、ユーザからの入力操作に基づき、第1の視覚情報4に含まれる分布中の少なくとも1つのパッチ画像IMP2の指定を送信する。当該入力操作は、マウスによる第1の視覚情報4に表示される特徴量空間内のパッチ画像IMP2を指定する操作、キーボード入力によるパッチ画像IMP2を指定する操作など、HMIデバイス35に対する任意の操作によって実現可能である。当該指定は、1つのパッチ画像IMP2の指定に限られず、複数のパッチ画像IMP2の指定を含み得る。当該指定は、ユーザによって行われるものに限られず、プロセッサ23、プロセッサ33等によって自動的に生成されるものであってもよい。
【0049】
[アクティビティA9]
次に、処理がアクティビティA9に進み、指定受付部233は、第1の視覚情報4に含まれる分布中の少なくとも1つのパッチ画像IMP2の指定を受け付ける処理を行う。具体的には、指定受付部233は、アクティビティA9にてプロセッサ33から送信される指定を受け付ける。
【0050】
[アクティビティA10]
次に、処理がアクティビティA10に進み、プロセッサ23は、プロセッサ33から送信される指定に基づき、指定されたパッチ画像IMP2を特定パッチ画像IMP3として、特定する。指定されたパッチ画像IMP2が複数存在する場合、指定されたパッチ画像IMP2のそれぞれを特定パッチ画像IMP3として特定する。
【0051】
[アクティビティA11]
次に、処理がアクティビティA11に進み、表示処理部234は、第2の表示処理を実行する。これにより、表示処理部234は、第1の視覚情報4と、第2の視覚情報5とを一覧性を有する態様で表示させる処理を行う。第2の視覚情報5は、パッチ画像IMP2のうちの少なくとも1つの特定パッチ画像IMP3に含まれる対象に関する対象情報IF1を視認可能に構成される。本実施形態では、表示処理部234は、指定されたパッチ画像IMP2を特定パッチ画像IMP3として、第1の視覚情報4と第2の視覚情報5とを表示する処理を行う。本実施形態の表示処理部234は、さらに第3の視覚情報6を、少なくとも第2の視覚情報5と一覧性を有する態様で表示する処理を行う。なお、表示処理部234は、指定されたパッチ画像IMP2が複数存在する場合、指定された複数のパッチ画像IMP2のそれぞれを特定パッチ画像IMP3とする複数の第2の視覚情報5を表示する処理を行ってもよい。表示処理部234は、複数の第2の視覚情報5を互いに一覧性を有する態様で表示する処理を行う。
【0052】
[アクティビティA12]
次に、処理がアクティビティA12に進み、プロセッサ23は、第2の表示処理の結果を、表示部34に表示させる。これにより、第2の画像IM2が表示部34に表示される。
【0053】
その後、本情報処理を継続する操作が行われた場合、処理がアクティビティA8に戻り、指定受付部233は、再度、ユーザによるパッチ画像IMP2の指定を受け付け、当該指定をプロセッサ23に送信する。一方、本情報処理を終了する操作が行われた場合、情報処理システム1は、本情報処理を終了する。
【0054】
3.2.情報処理の詳細について
本節では、上記情報処理の詳細について説明する。本実施形態の対象画像IMP1は、電極材料の電子顕微鏡像(SEM画像)であり、電極材料の結晶ドメインの像を含む。
【0055】
3.2.1.第1の画像IM1の一例
まず、第1の表示処理の結果として表示部34に表示される、第1の画像IM1の一例について説明する。
図6は、第1の画像IM1の一例である。第1の画像IM1は、第1の視覚情報4を含む。
【0056】
<第1の視覚情報4>
第1の視覚情報4は、特徴量空間におけるパッチ画像IMP2の分布を視認可能に構成される。本実施形態では、第1の視覚情報4は、パッチ画像IMP2のそれぞれの特徴量に対応する点の散布図として第1の画像IM1に表示されている。第1の視覚情報4に含まれる特徴量の表示態様は、例えば、特徴量に関する種々の情報に応じて異なっていてもよい。例えば、特徴量に関する種々の情報とは、例えば、特徴量空間における特徴量の位置、特徴量が属するクラスなどである。また、複数の対象画像IMP1が取得された場合、第1の視覚情報4に含まれる特徴量の表示態様は、パッチ画像IMP2が分割された対象画像IMP1ごとに異なっていてもよい。これにより、複数の対象画像IMP1に対する解析をしやすくなる。
【0057】
ユーザは、HMIデバイス35等を用いて、第1の画像IM1内に表示されるマウスカーソルMC1を操作することができる。第1の視覚情報4に含まれるパッチ画像IMP2の特徴量は、マウスカーソルMC1によって指定されるように構成される。例えば、マウスカーソルMC1を特定のパッチ画像IMP2に合わせてクリック操作、ホバー操作、ドラッグ操作を行うことにより、パッチ画像IMP2の指定が行われる。また、HMIデバイス35がタッチパネルを含む場合、第1の視覚情報4に対するタップ操作等により、パッチ画像IMP2の指定が行われてもよい。当該指定は、ユーザによって指定された特徴量空間内の座標に対応する1つの特徴量の指定に限られない。当該指定は、例えば、ユーザによって指定された特徴量空間内の座標から所定の範囲内に位置する複数の特徴量の指定を含んでもよい。これにより、類似度が高い複数のパッチ画像IMP2の解析が容易となるため、特徴量空間の解釈性を高めることができる。
【0058】
<第1の指定領域41>
このような操作によって指定されたパッチ画像IMP2は、第1の指定領域41によって協調される。
第1の指定領域41は、第1の視覚情報4に含まれるパッチ画像IMP2のうち、指定されたパッチ画像IMP2を視認可能とするための目印である。例えば、第1の指定領域41は、指定されたパッチ画像IMP2を囲う閉領域であり、例えば円形に構成される。なお、第1の指定領域41は、閉領域ではなく、指定されたパッチ画像IMP2の表示色を変更することによって構成されてもよい。
【0059】
上記第1の画像IM1を介したパッチ画像IMP2の指定が行われた後、当該指定に基づき、アクティビティA9~アクティビティA12の処理が行われ、第2の画像IM2が表示部34に表示される。
【0060】
3.2.2.第2の画像IM2の一例
次に、第2の表示処理の結果として表示部34に表示される、第2の画像IM2の一例について説明する。
図7は、第2の画像IM2の一例である。第2の画像IM2は、例えば、取得された対象画像IMP1が1つの場合の第2の表示処理の結果に対応する。
【0061】
第2の画像IM2は、第1の視覚情報4と、第2の視覚情報5と、を含む。第1の視覚情報4の具体的態様は、第1の画像IM1に含まれる第1の視覚情報4と同様である。
【0062】
<第2の視覚情報5>
第2の視覚情報5は、特定パッチ画像IMP3に関する情報が表示される。第1の視覚情報4と第2の視覚情報5とは、第1の視覚情報4に表示される分布中での特定パッチ画像IMP3と、第2の視覚情報5に表示される対象情報IF1に関する特定パッチ画像IMP3との対応関係が把握可能に構成される。第2の視覚情報5は、特定パッチ画像IMP3ごとに表示される。そのため、複数の特定パッチ画像IMP3が存在する場合、第2の視覚情報5は、複数の特定パッチ画像IMP3のそれぞれに対応する複数の第2の視覚情報5を含む。本実施形態では、2つの特定パッチ画像IMP3が存在するため、第2の画像IM2は、2つの第2の視覚情報5を含む。複数の第2の視覚情報5は、互いに隣接して配置されている。複数の第2の視覚情報5は、互いに一覧性を有する態様で表示される。これにより、複数の特定パッチ画像IMP3に関する解析を並行して行うことができるため、作業効率を向上することができる。第2の視覚情報5のそれぞれは、少なくとも1つの第1の表示領域51と、少なくとも1つの第2の表示領域52と、を含む。詳細には、第2の視覚情報5は、1つの第1の表示領域51と、複数の第2の表示領域52を含む。
【0063】
<第1の表示領域51>
第1の表示領域51には、特定パッチ画像IMP3を分割する前の対象画像IMP1が、当該対象画像IMP1内における特定パッチ画像IMP3の位置を視認可能な態様で表示される。なお、第1の表示領域51には、特定パッチ画像IMP3を含む対象画像IMP1の全てが視認可能な態様で表示されても、特定パッチ画像IMP3を含むように、対象画像IMP1の一部が表示されてもよい。なお、対象画像IMP1の一部とは、対象画像IMP1のうち、特定パッチ画像IMP3のみの領域ではなく、特定パッチ画像IMP3を含む少なくとも2つ以上のパッチ画像IMP2を含む領域を意味する。本実施形態では、対象画像IMP1内における特定パッチ画像IMP3の位置は、第2の指定領域511によって視認可能となっている。第2の指定領域511は、特定パッチ画像IMP3の位置を示す目印であり、例えば矩形の閉領域である。これに限られず、第2の指定領域511は、特定パッチ画像IMP3の位置を示す矢印などによって構成されてもよい。
【0064】
<第2の表示領域52>
少なくとも1つの第2の表示領域52には、対象情報IF1がパッチ画像IMP2(詳細には特定パッチ画像IMP3)に対して重畳的に表示される。第2の表示領域52は、第1の表示領域51と一覧性を有する態様で表示される。第2の表示領域52は、特定パッチ画像表示領域52aと、対象情報表示領域52bと、を含む。
【0065】
<特定パッチ画像表示領域52a>
特定パッチ画像表示領域52aは、1つの特定パッチ画像IMP3が表示される領域である。例えば、特定パッチ画像表示領域52aは、同一の第2の視覚情報5内の第2の指定領域511に対応する特定パッチ画像IMP3が表示される。言い換えれば、特定パッチ画像表示領域52aは、対象情報IF1と対応付けられていない状態の特定パッチ画像IMP3が表示される。
【0066】
<対象情報表示領域52b>
対象情報表示領域52bは、特定パッチ画像表示領域52aに表示される特定パッチ画像IMP3に対して、対象情報IF1に含まれる種々の情報の分布が表示される領域である。具体的には、対象情報表示領域52bは、対象情報IF1が、特定パッチ画像表示領域52aに表示される特定パッチ画像IMP3に対して重畳的に表示される。例えば、対象情報表示領域52bは、特定パッチ画像表示領域52aに表示される特定パッチ画像IMP3に対して、対象情報IF1の分布に応じてヒートマップ、輪郭の強調表示、2値画像、複数の色彩テクスチャなどが重畳的に表示される。これにより、特定パッチ画像IMP3内の解析を円滑に行うことができる。例えば、対象情報表示領域52bは、EDSに基づく対象の組成比(元素比率)、学習モデルMが中止した特徴部位、テクスチャ解析による空間パターン、対象の粒子数、粒子径分布、パワースペクトルなどの分布が重畳的に表示される。
【0067】
複数の特定パッチ画像IMP3が取得されている場合、対象情報表示領域52bには、当該複数の特定パッチ画像IMP3の集合に関する対象情報IF1の分布が表示されてもよい。第2の表示領域52には、例えば、複数の特定パッチ画像IMP3のそれぞれの対象情報IF1の平均、分散、標準偏差などの統計処理が行われた値が表示される。対象が劣化する材料等である場合、第2の表示領域52には、劣化度予測によって得られる種々の指標が表示されてもよい。このような指標は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN)によって構成される学習モデルMに対象画像IMP1を入力することにより得られる。これにより、特徴量空間の解釈性を高めることができる。なお、この場合、複数の特定パッチ画像IMP3の特徴量が、同一又は隣接するクラスに属することが好ましい。そのため、第1の視覚情報4におけるパッチ画像IMP2の指定は、第1の視覚情報4に対する任意の指定位置から所定の範囲内のパッチ画像IMP2が指定されるように構成されることが好ましい。これにより、類似度の高いパッチ画像IMP2が特定パッチ画像IMP3として特定されるため、第2の視覚情報5、詳細には対象情報表示領域52b、に表示される対象情報IF1の分布に関する情報の解釈性を効率的に高めることができる。
【0068】
<第3の視覚情報6>
第2の画像IM2は、さらに第3の視覚情報6を含んでもよい。第3の視覚情報6は、第2の視覚情報5に表示される特定パッチ画像IMP3に関する統計量を視認可能に構成される。第3の視覚情報6は、例えば、1つの第2の視覚情報5と一覧性を有する態様で表示される。例えば、第3の視覚情報6は、1つの第2の視覚情報5と1対1で対応するように表示される。これにより、特定パッチ画像IMP3ごとの統計的な解析を容易にすることができる。統計量は、例えば、画素のRGB値の分布、組成分布、空間パターン分布などである。本実施形態では、第3の視覚情報6は、ヒストグラムを用いて構成されているが、これに限られず、例えば円グラフ、レーダーチャートなど任意の態様で視認可能に構成され得る。また、指定受付部233は、第3の視覚情報6に表示される統計量の指定を受付可能に構成されていてもよい。表示処理部234は、当該指定に基づき第3の視覚情報6に表示される統計量を変更可能に構成されていてもよい。これにより、より円滑な解析を行うことが可能である。本実施形態では、第3の視覚情報6は、複数(具体的には2つ)の統計量を視認可能に構成されている。
【0069】
また、第3の視覚情報6は、単一の特定パッチ画像IMP3に関する統計量を視認可能に構成されているものに限られず、複数の第2の画像IM2(例えば、指定された複数の特定パッチ画像IMP3)に関する統計量を視認可能に構成されていてもよい。当該統計量は、例えば、複数の第3の視覚情報6の統計量の平均、分散、標準偏差などを含み得る。
【0070】
3.2.3.第2の画像IM2の別例
本節では、上記第2の画像IM2の別例として、複数の対象画像IMP1が取得された場合における第2の画像IM2の例について説明する。
図8は、第2の画像IM2の別例を示す図である。
【0071】
図8に示すように、本実施形態の第1の表示領域51は、複数の対象画像IMP1のそれぞれに対応する複数の対象画像表示領域51a~51dを含む。対象画像表示領域51a~51dのそれぞれには、対象画像表示領域51a~51dに対応する対象画像IMP1を含む特定パッチ画像IMP3の位置が視認可能な態様で表示される。本実施形態では、取得部231は、4つの対象画像IMP1を取得している。その結果、第1の表示領域51には、4つの対象画像表示領域51a~51dが表示される。第2の表示領域52には、4つの対象画像表示領域51a~51dに含まれる特定パッチ画像IMP3のうちの1つに関する情報が表示されている。なお、これに限られず、第2の表示領域52は、4つの対象画像表示領域51a~51dのそれぞれに含まれる特定パッチ画像IMP3を、1つずつ表示するように構成されていてもよい。これにより、複数の対象画像IMP1のそれぞれを俯瞰して解析することが容易となる。
【0072】
4.その他
上記情報処理の各態様はあくまで一例であり、これに限られない。
【0073】
上記情報処理において、さらに、指定受付部233は、ユーザからの特徴量の抽出方法の指定を受け付ける処理を行ってもよい。この場合、表示処理部234は、第1の表示処理又は第2の表示処理の結果として表示される、第1の視覚情報4の表示内容を変更してもよい。具体的には、表示処理部234は、当該指定に基づき、指定された抽出方法に対応する特徴量空間におけるパッチ画像IMP2の分布を含む第1の視覚情報4を、後述される第2の視覚情報5と一覧性を有する態様で表示する処理を行ってもよい。指定された抽出方法に対応する特徴量空間とは、例えば、指定された抽出方法を用いて抽出される特徴量によって規定される特徴量空間を含む。
【0074】
情報処理システム1は、測定装置HW1を含むものに限られない。したがって、上記対象画像IMP1及び対象情報IF1は、情報処理システム1に含まれる測定装置HW1から得られるものに限られない。情報処理装置2は、例えば、情報処理システム1の外部で予め得られている対象画像IMP1及び対象情報IF1を用いて、上記情報処理を実行してもよい。
【0075】
図9は、特徴量の抽出方法を受付可能に構成される第2の画像IM2の変形例を示す図である。
図9に示すように、第1の視覚情報4は、さらに特徴量指定領域42を含んでもよい。ユーザは、特徴量指定領域42を操作することにより、第1の視覚情報4に表示させる特徴量空間を指定することができる。これにより、適切な特徴量に基づく対象画像IMP1及びパッチ画像IMP2の本質的要因の解析が促進される。なお、特徴量指定領域42は、第1の画像IM1の第1の視覚情報4に含まれていてもよい。
【0076】
上記実施形態のそれぞれでは、第2の視覚情報5は、第1の表示領域51と第2の表示領域52との両方を含むものに限られない。例えば、第2の視覚情報5は、第1の表示領域51、及び第2の表示領域52のうちの少なくとも1つを含むものであってもよい。
【0077】
上記実施形態のそれぞれでは、表示処理部234は、複数の表示部34を協調制御することにより、第1の視覚情報4、第2の視覚情報5、及び第3の視覚情報6を一覧性を有する態様で表示する処理を行ってもよい。また、表示処理部234は、表示部34に表示される単一のウィンドウではなく、複数のウィンドウを用いて、第1の視覚情報4、第2の視覚情報5、及び第3の視覚情報6を一覧性を有する態様で表示する処理を行ってもよい。すなわち、一覧性を有する態様は、表示部34の数、表示部34内に表示されるウィンドウ等のアプリケーションの数に限定されない。
【0078】
上記実施形態のそれぞれでは、情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0079】
上記実施形態のそれぞれでは、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0080】
上記実施形態のそれぞれは、情報処理システム1に限定されず、情報処理方法であっても、情報処理プログラムであってもよい。情報処理方法は、情報処理システム1の各ステップを含む。情報処理プログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させる。
【0081】
上記情報処理システム1等は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0082】
(1)情報処理システムであって、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な少なくとも1つのプロセッサを備え、画像取得ステップでは、対象の撮像結果である少なくとも1つの対象画像が分割された複数のパッチ画像を取得する処理を行い、特徴量抽出ステップでは、取得された前記パッチ画像に基づき、前記パッチ画像同士の類似度を比較するための特徴量空間を規定する少なくとも1つの特徴量を抽出する処理を行い、表示処理ステップでは、第1の視覚情報と、第2の視覚情報とを一覧性を有する態様で表示させる処理を行い、ここで、前記第1の視覚情報は、前記特徴量空間における前記パッチ画像の分布を視認可能に構成され、前記第2の視覚情報は、前記パッチ画像のうちの少なくとも1つの特定パッチ画像に含まれる前記対象に関する対象情報を視認可能に構成され、前記対象情報は、前記特徴量に依存せずに特定可能であり、前記第1の視覚情報と前記第2の視覚情報とは、前記第1の視覚情報に表示される前記分布中での前記特定パッチ画像と、前記第2の視覚情報に表示される前記対象情報に関する前記特定パッチ画像との対応関係が把握可能に構成される、もの。
【0083】
このような構成によれば、対象の撮像結果である対象画像を複数のパッチ画像として解析する際に、当該パッチ画像が、第1の視覚情報では複数のパッチ画像の特徴量分布という他のパッチ画像との相対的な関係として表現され、第2の視覚情報では対象情報という特徴量に依存せずに特定可能な情報として表現される。そして、第1の視覚情報と第2の視覚情報との一覧性と、第1の視覚情報の特定パッチ画像と、第2の視覚情報の特定パッチ画像との対応関係と、に基づき、ユーザが特徴量のみに依存しない、対象に関する多面的な解析を俯瞰的に行いやすくなる。したがって、対象に関するより本質的な要因の解析を促すことができる。
【0084】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、指定受付ステップでは、前記第1の視覚情報に含まれる前記分布中の少なくとも1つの前記パッチ画像の指定を受け付ける処理を行い、前記表示処理ステップでは、指定された前記パッチ画像を前記特定パッチ画像として、前記第1の視覚情報と前記第2の視覚情報とを表示する処理を行う、もの。
【0085】
このような構成によれば、分布に対する指定を通じて所望のパッチ画像に関する俯瞰的な解析をすることができるため、ユーザ体験に即した解析を促すことができる。
【0086】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記表示処理ステップでは、指定された前記パッチ画像が複数存在する場合、指定された複数の前記パッチ画像のそれぞれを前記特定パッチ画像とする複数の前記第2の視覚情報を表示する処理を行う、もの。
【0087】
このような構成によれば、複数のパッチ画像の解析を並行して行うことができる。
【0088】
(4)上記(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記表示処理ステップでは、複数の前記第2の視覚情報を互いに一覧性を有する態様で表示する処理を行う、もの。
【0089】
このような構成によれば、複数のパッチ画像を俯瞰しつつ対象の解析を行いやすくなる。
【0090】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第2の視覚情報は、第1の表示領域と、第2の表示領域と、を含み、前記第1の表示領域には、前記特定パッチ画像を分割する前の前記対象画像が、当該対象画像内における前記特定パッチ画像の位置を視認可能な態様で表示され、前記第2の表示領域には、前記対象情報が前記パッチ画像に対して重畳的に表示される、もの。
【0091】
このような構成によれば、パッチ画像のみから抽出される局所的な情報と、もとの対象画像との関係性という俯瞰的な情報と、を用いて、特徴量についての多面的な解析を行いやすくなる。
【0092】
(6)上記(5)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第1の表示領域は、複数の前記対象画像のそれぞれに対応する複数の対象画像表示領域を含み、ここで、前記対象画像表示領域のそれぞれには、前記対象画像表示領域に対応する前記対象画像を含む前記特定パッチ画像の位置が視認可能な態様で表示される、もの。
【0093】
このような構成によれば、解析対象となる対象画像が複数存在する場合に、複数の対象画像を一覧しつつ、特定パッチ画像の解析を行うことができる。したがって、対象画像の数が増加した場合の解析の負担を軽減することができる。
【0094】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記表示処理ステップでは、さらに第3の視覚情報を、少なくとも前記第2の視覚情報と一覧性を有する態様で表示する処理を行い、ここで、前記第3の視覚情報は、前記第2の視覚情報に表示される前記特定パッチ画像に関する統計量を視認可能に構成される、もの。
【0095】
このような構成によれば、パッチ画像の特徴量と統計量とを一覧することができるため、ユーザに対して対象に関するより本質的な要因の解析を促すことができる。
【0096】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、指定受付ステップでは、ユーザからの前記特徴量の抽出方法の指定を受け付ける処理を行い、前記表示処理ステップでは、指定された前記抽出方法に対応する前記特徴量空間における前記パッチ画像の分布を含む前記第1の視覚情報を、前記第2の視覚情報と一覧性を有する態様で表示する処理を行う、もの。
【0097】
このような構成によれば、特徴量の抽出方法が異なる場合に、どの特徴量が解析に適切かを判断しやすくなる。
【0098】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記対象画像は、撮像部によって撮像された物質の外観の撮像結果を示し、前記対象情報は、観測部によって観測された前記物質の物性の分布に関する情報を含み、前記対象情報に含まれる前記物性の分布の空間分解能は、前記対象画像の空間分解能より低い、もの。
【0099】
このような構成によれば、材料の外観に関する特徴量の情報と、材料の物性に関する情報とを俯瞰することで、材料の特性を解析する際により本質的な要因に着目しやすくなる。
【0100】
(10)情報処理方法であって、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを含む、方法。
【0101】
(11)情報処理プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0102】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :プロセッサ
231 :取得部
232 :特徴量抽出部
233 :指定受付部
234 :表示処理部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :プロセッサ
34 :表示部
35 :HMIデバイス
4 :第1の視覚情報
41 :第1の指定領域
42 :特徴量指定領域
5 :第2の視覚情報
51 :第1の表示領域
51a :対象画像表示領域
51b :対象画像表示領域
51c :対象画像表示領域
51d :対象画像表示領域
511 :第2の指定領域
52 :第2の表示領域
52a :特定パッチ画像表示領域
52b :対象情報表示領域
6 :第3の視覚情報
DB1 :データベース
HW1 :測定装置
HW11 :撮像部
HW12 :観測部
MC1 :マウスカーソル