(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079040
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】逆気流脱塵方式の集塵装置、振動型脱塵方式の集塵装置または電気集塵装置を改造してなる衝撃気流脱塵方式の集塵装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/04 20060101AFI20240604BHJP
B03C 3/47 20060101ALI20240604BHJP
B03C 3/80 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B01D46/04 103
B03C3/47
B03C3/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191736
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】522467482
【氏名又は名称】シーケイ ワールド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ クァンソプ
【テーマコード(参考)】
4D054
4D058
【Fターム(参考)】
4D054AA02
4D054BA01
4D054BC02
4D054DA07
4D058JA04
4D058MA15
4D058MA17
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA21
4D058RA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既存の集塵装置を改造した装置であり、集塵効率が高くなるとともに集塵容量が増え、フィルターバッグの寿命が延び、差圧が減り、微小粒子状物質が低減される、衝撃気流脱塵方式の集塵装置を提供する。
【解決手段】ハウジング10の内部に配置されるフィルターバッグ300と、落下する塵埃を寄せ集めるホッパー14と、フィルターバッグに捕集された粉塵を脱塵する逆気流送風器とを備える逆気流脱塵方式の集塵装置と、集塵室内の放電極と集塵板との間に高圧の直流電源にて電界を形成し、かつコロナ放電を生じさせて集塵する電気集塵装置と、のうちのいずれか一つの集塵装置に於いて、フィルターバッグまたは集塵板に捕集された粉塵を脱塵するためにフィルターバッグまたは集塵板の上部に設けられ、フィルターバッグまたは集塵板に圧縮空気を高速にて多量供給する圧縮空気噴射装置50を備えることを特徴とする衝撃気流脱塵方式の集塵装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングの内部に配置されるフィルターバッグと、前記フィルターバッグの外面に付着する塵埃や異物が塊状になって落下したり脱塵されたりするときに、落下する塵埃を寄せ集めるホッパーと、含塵ガス中の粉塵を前記フィルターバッグの外部面に付着させて集塵するために含塵ガスを前記ハウジングの内部に流れ込ませる集塵送風器と、含塵ガスの流込み方向とは反対の方向に空気を流れ込ませて前記フィルターバッグに捕集された粉塵を脱塵する逆気流送風器とを備える逆気流脱塵方式の集塵装置、ろ過気流を遮断し、ろ布を周期的に振動させて脱塵する振動型脱塵方式の集塵装置、集塵室内の放電極と集塵板との間に高圧の直流電源にて電界を形成し、かつコロナ放電を生じさせて集塵する電気集塵装置と、のうちのいずれか一つを改造してなるものであって、
前記フィルターバッグまたは集塵板に捕集された粉塵を脱塵するために前記フィルターバッグまたは集塵板の上部に設けられるものであって、前記フィルターバッグまたは集塵板に圧縮空気を高速にて多量供給する圧縮空気噴射装置を備えることを特徴とする衝撃気流脱塵方式の集塵装置。
【請求項2】
前記圧縮空気噴射装置は、
前記圧縮空気の供給手段に一方の端が連結され、2本の導管に分かれた分岐管と、前記分岐管の上面に穿孔されて圧縮空気が噴出される噴出口と、からなる圧縮空気管と、
前記2本の分岐管に形成された噴出口にそれぞれ対応する位置に形成され、前記噴出口に結合されて前記2本の分岐管の上部に一緒に固定される圧縮空気投入口と、前記圧縮空気投入口に投入された空気を増幅させて排出する圧縮空気排出口と、からなる空気増幅器と、
を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の衝撃気流脱塵方式の集塵装置。
【請求項3】
前記空気増幅器は、前記圧縮空気排出口が前記空気増幅器の内周面に沿って円形状に側面に形成された第1のガイドと第2のガイドとの間の空間から構成され、前記第2のガイドから分岐管の下まで延設されて前記圧縮空気排出口から排出される圧縮空気の流れに沿って周りの空気を吸引してフィルターバッグに届かせる誘導管からなることを特徴とする請求項2に記載の衝撃気流脱塵方式の集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆気流脱塵方式の集塵装置、振動型脱塵方式の集塵装置または電気集塵装置を改造してなる衝撃気流脱塵方式の集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セメント、繊維、化学などの製造工場や金属などを加工する工場などの産業現場においては、製造または加工に際して排出される排ガスや微小粒子状物質及び産業廃棄物などによる環境汚染を防ぐために、排ガス中に含有されている粉塵をろ過布を用いて捕集するろ過集塵装置や、電気のイオン化により他極性の粉塵を捕集する電気集塵装置などが広く用いられている。
【0003】
中でも、ろ過集塵装置は、フィルターバッグに捕集された粉塵を脱塵する方法に応じて、振動脱塵(shake cleaning)方式、逆気流脱塵(reverse air cleaning)方式などに分けられる。
【0004】
逆気流脱塵方式のろ過集塵装置(逆気流方式の集塵装置)は、一般に、ハウジングと、ハウジングの内部に配置されるフィルターバッグとフィルターバッグを支持するケージとを有するフィルターバッグ組立体と、フィルターバッグ組立体の上端部を固定するための上固定部材と、下端部を固定するための下固定部材と、フィルターバッグの外面に付着する塵埃や異物が塊状になって落下したり脱塵されたりするときに、落下する塵埃を寄せ集めるホッパーと、含塵ガス(粉塵入り空気)をハウジングの内部に流れ込ませる集塵送風器(吸込みファン)と、含塵ガスの流込み方向とは反対の方向に空気を流れ込ませてフィルターバッグに捕集された粉塵を脱塵する逆気流送風器(逆洗ファン)などを備えてなる。含塵ガスは、集塵装置のハウジングの下部の一方の側に備えられた入口ダクトを介してハウジング内に流れ込み、粉塵は、フィルターバッグの表面に付着しかつ捕集され、フィルターバッグによりろ過された空気は、ハウジングの上端に備えられた出口ダクトを介して大気中に排出される。
【0005】
継続的な稼働により集塵装置の圧力損失が所定の数値に達したり、使用者が定めた所定の周期になったりすると、集塵装置への操作が行われる。脱塵に際しては、含塵ガスの流込みを中断した後、逆気流送風器を用いて含塵ガスの流込み方向とは反対の方向に大気中の空気を吸い込んでろ過布の表面に付着した粉塵を脱塵することになる。
【0006】
しかしながら、上記のような従来の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置は、フィルターバッグの脱塵がしっかりと行われず、フィルターバッグに多大な差圧がかかり、さらに、集塵効率が低く、設計容量の通りに正常に稼働されないだけではなく、多量の微小粒子状物質が生じてしまうという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国公開実用新案第20-2000-0012740号公報(2000年07月15日付け公開)
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2001-0018238号公報(2001年03月05日付け公開)
【特許文献3】大韓民国公開特許第10-2001-0060712号公報(2001年07月07日付け公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の如き従来の不都合を解消するためのものであって、既存の集塵装置のハウジングなどをそのまま活用することができてコストを節減することができ、有効な脱塵を行うことで集塵効率を高められるとともに集塵容量を増やせるように既存の逆気流脱塵方式の集塵装置、振動型脱塵方式の集塵装置または電気集塵装置を改造した衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングの内部に配置されるフィルターバッグと、前記フィルターバッグの外面に付着する塵埃や異物が塊状になって落下したり脱塵されたりするときに、落下する塵埃を寄せ集めるホッパーと、含塵ガス中の粉塵を前記フィルターバッグの外部面に付着させて集塵するために含塵ガスを前記ハウジングの内部に流れ込ませる集塵送風器と、含塵ガスの流込み方向とは反対の方向に空気を流れ込ませて前記フィルターバッグに捕集された粉塵を脱塵する逆気流送風器とを備える逆気流脱塵方式の集塵装置、ろ過気流を遮断し、ろ布を周期的に振動させて脱塵する振動型脱塵方式の集塵装置、集塵室内の放電極と集塵板との間に高圧の直流電源にて電界を形成し、かつコロナ放電を生じさせて集塵する電気集塵装置と、のうちのいずれか一つを改造してなるものであって、前記フィルターバッグまたは集塵板に捕集された粉塵を脱塵するために前記フィルターバッグまたは集塵板の上部に設けられるものであって、前記フィルターバッグまたは集塵板に圧縮空気を高速にて多量供給する圧縮空気噴射装置を備えることを特徴とする衝撃気流脱塵方式の集塵装置を提供する。
【0010】
このとき、前記圧縮空気噴射装置は、前記圧縮空気の供給手段に一方の端が連結され、2本の導管に分かれた分岐管と、前記分岐管の上面に穿孔されて圧縮空気が噴出される噴出口と、からなる圧縮空気管と、前記2本の分岐管に形成された噴出口にそれぞれ対応する位置に形成され、前記噴出口に結合されて前記2本の分岐管の上部に一緒に固定される圧縮空気投入口と、前記圧縮空気投入口に投入された空気を増幅させて排出する圧縮空気排出口と、からなる空気増幅器と、を備えていてもよい。
【0011】
また、前記空気増幅器は、前記圧縮空気排出口が前記空気増幅器の内周面に沿って円形状に側面に形成された第1のガイドと第2のガイドとの間の空間から構成され、前記第2のガイドから分岐管の下まで延設されて前記圧縮空気排出口から排出される圧縮空気の流れに沿って周りの空気を吸引してフィルターバッグに届かせる誘導管からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置は、既存の逆気流脱塵方式の集塵装置、振動型脱塵方式の集塵装置または電気集塵装置を改造してなるものであって、既存の集塵装置のハウジングなどをそのまま活用することができて工事コストを節減することができる。また、有効な脱塵が行われることから、集塵効率が高くなるとともに集塵容量が増え、フィルターバッグの寿命が延び、差圧が減り、微小粒子状物質は低減されるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の通常の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置を用いた集塵(A)と脱塵(B)の方式を概略的に示す図。
【
図2】本発明に係る衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置を示す概略図。
【
図3】本発明の一実施形態に係る圧縮空気噴射装置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳しく説明する。本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、ここで説明する実施の形態に何ら限定されるものではない。なお、本発明を明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の図面符号を付している。
【0015】
図1に概略的に示すように、通常の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置1は、ハウジング10と、前記ハウジング10の内部に配置されるフィルターバッグ300と、前記フィルターバッグ300を支持するケージを有するフィルターバッグ組立体(図示せず)と、前記フィルターバッグ300またはフィルターバッグ組立体の上端部及び下端部をそれぞれ固定するための上固定部材12及び下固定部材13と、前記フィルターバッグ300の外面に付着する塵埃や異物が塊状になって落下したり脱塵されたりするときに、落下する塵埃を寄せ集めるホッパー14と、含塵ガスを入口ダクト11を介して前記ハウジング10の内部に流れ込ませる集塵送風器(吸込みファン)(図示せず)と、出口ダクト15を介して含塵ガスの流込み方向とは反対の方向に空気を流れ込ませて前記フィルターバッグ300に捕集された粉塵を脱塵する逆気流送風器(逆洗ファン)20と、を備えてなる。
【0016】
本発明は、上記の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置1を改造(リモデリング)してなる衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置400に関するものであって、
図2は、本発明の一実施形態に係る衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置400を概略的に示している。
【0017】
図2に示すように、本発明に係る衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置400は、前記フィルターバッグ300に捕集された粉塵を脱塵するために、フィルターバッグ300またはフィルターバッグ組立体の上部に圧縮空気噴射装置50が設けられる。前記圧縮空気噴射装置100を設けるために、通常の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置1に配備されたハンガー、穴あきボードなどの構成要素は改造過程において取り外されてもよい。逆気流送風器(逆洗ファン)20は、改造に際してそのまま放っておいてもよく、取り外してもよい。
【0018】
前記圧縮空気噴射装置50としては、通常のブローチューブパルスタイプのものが設けられてもよく、大韓民国特許第10-0803721号公報(空気増幅器を用いた圧縮空気噴射装置)に開示された装置が設けられてもよい。例えば、フィルターバッグの長さが3m未満である場合に通常のブローチューブパルスタイプに改造してもよく、フィルターバッグの長さが3mを超える相対的に長めのタイプである場合には大韓民国特許第10-0803721号公報に開示されている圧縮空気噴射装置が設けられることが好ましい。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態に係る圧縮空気噴射装置50を示す概略図であり、
図4及び
図5は、それぞれ
図3に示す圧縮空気噴射装置の平面及び断面の概略図である。
【0020】
圧縮空気噴射装置50は、前記圧縮空気の供給手段に一方の端が連結され、2本の導管に分かれた分岐管110と、前記分岐管110の上面に穿孔されて圧縮空気が噴出される噴出口120と、からなる圧縮空気管100、及び前記2本の分岐管110に形成された噴出口120にそれぞれ対応する位置に形成され、前記噴出口120に結合されて前記2本の分岐管110の上部に一緒に固定される圧縮空気投入口210と、前記圧縮空気投入口210に投入された空気を増幅させて排出する圧縮空気排出口220と、からなる空気増幅器200を備えていてもよい。
【0021】
具体的に、前記圧縮空気管100は、前記フィルターバッグ300の上側に一定の距離だけ離れて設けられ、圧縮空気供給手段(図示せず)に連結されて圧縮された空気を供給されて届かせる管路をなすことになる。なお、前記圧縮空気供給手段もまた、圧縮空気を蓄える空気ヘッダー(図示せず)と、このヘッダーに結合された連結管に接続されたボールバルブ(図示せず)と、前記ボールバルブの下側に設けられて前記圧縮空気管100に供給される圧縮空気をパルシングするパルス弁250と、を備えてなる。
【0022】
このとき、前記圧縮空気管100は、前記圧縮空気供給手段への連結部から2つに分岐されて2本の管路に分かれた分岐管110をなして構成され、前記分岐管110の上面には、上に穿孔されて圧縮空気が噴出される噴出口120が形成されるが、前記分岐管110の下部は密閉される。
【0023】
前記噴出口120は、分岐管110に跨って多数形成され、各噴出口120は、圧縮空気管100の中心線において垂直な方向に前記分岐管110にそれぞれ形成されることが好ましい。
【0024】
前記空気増幅器200は、前記分岐管110の上面に形成された噴出口120に上部から結合される圧縮空気投入口210と、前記圧縮空気投入口を介して流れ込んだ空気を一定の倍率だけ増幅させて側面に排出する圧縮空気排出口220と、が形成されてなる。
【0025】
このとき、前記空気増幅器200は、2本の分岐管110に跨って結合されて、周りの空気がフィルターバッグ300に吸引される通路が前記2本の分岐管110の間の空間からなることになる。
【0026】
前記圧縮空気投入口210は、前記圧縮空気管100の中心線において垂直な方向に2本の分岐管110にそれぞれ形成された噴出口120に結合されるように前記空気増幅器200の底面に2つが形成される。
【0027】
前記圧縮空気排出口220は、圧縮空気管100の内部中心線を向くように前記2本の分岐管110からの空気の投入方向と略90°の角度をなして形成される。これにより、投入された空気が流れる通路をなす第1のガイド221と第2のガイド222が前記空気増幅器200の内周面に沿って円形状に側面に形成される。
【0028】
前記第2のガイド222から分岐管110の下に至るまで延設されて管をなす誘導管230が配備される。これにより、前記第1のガイド221と第2のガイド222を介して排出される圧縮空気の流れに沿って前記空気増幅器200の上部空間を満たす空気が周辺装備の妨げなしにフィルターバッグ300の向きに一緒に吸引される。すなわち、前記分岐管110から圧縮空気投入口210を介して投入される空気の方向とは反対の方向に多量の空気を高速にて噴射してフィルターバッグ300に捕集された粉塵を脱離させることになる。
【0029】
前記空気増幅器200は、2本の分岐管110に跨っており、中央部分は周りの空気を吸引するために上部が開いているドーナツ状に形成され、下部には、前記第2のガイド222から分岐管110の下までに至る誘導管230が管状に形成される。
【0030】
前記噴出口120は、穿孔された形状を呈し、前記圧縮空気投入口210が円形状の管状部に下部面が下に向かって一定の長さだけ延びて前記噴出口120の内部に嵌め込まれた後、溶接やボルト結合により結合・固定されることができる。なお、これとは逆に、前記噴出口120が分岐管110の上面に一定の長さだけ突設され、その噴出口120が単に穿孔された前記圧縮空気投入口210の内部に嵌め込まれた後、溶接やボルト結合により固定・結合されてもよい。
【0031】
本発明の一実施形態に係る圧縮空気噴射装置50の作動方式について
図5に基づいて説明すれば、下記の通りである。
【0032】
集塵装置400における集塵作用により空気が浄化されてバッグフィルター300に汚染物が付着した後、間欠的にまたは一定時間連続して圧縮空気供給手段から2本に分岐された分岐管110を介して圧縮空気が供給される。このような圧縮空気は、上部に開かれた噴出口120を介して供給され、このようにして供給される圧縮空気は、空気増幅器の圧縮空気投入口210を介して空気増幅器200に流れ込む。
【0033】
前記空気増幅器200は、投入された圧縮空気を増幅させて前記分岐管110の中心線を向く内側方向に側面に形成された圧縮空気排出口220を介して排出される。このとき、前記空気増幅器200の第1のガイド221と第2のガイド222を介してその排出方向が導かれ、空気増幅器200から排出される方向は、
図3の点線(丸囲み数字2が示す点線)のように、前記圧縮空気投入口210を介して投入されていた方向である点線(丸囲み数字1が示す点線)とは異なる平面上において略90°の角度をなして排出される。
【0034】
排出される圧縮空気は、前記第2のガイド222と誘導管230に沿って点線(丸囲み数字3が示す点線)の方向に流れることになり、それとともに、前記空気増幅器200の上部においていかなる制裁も受けない自由状態にあった周りの空気が点線(丸囲み数字4が示す点線)の方向に一緒に流れていくことになる。
【0035】
すなわち、前記空気増幅器200において増幅された圧縮空気がその上部にあった空気を一緒に吸引しながら誘導管230に沿ってバッグフィルター300の向きに供給され、前記圧縮空気供給手段から供給されていた場合に比べて約20~40倍に至る大量の空気がバッグフィルター300に供給されて脱塵作用の効率を増加させる。このとき、前記周りの空気が吸引される空気増幅器の上部には他の設備がないため、周辺設備による障害を極力抑える結果、空気増幅器における増幅効率がまともに発現されることになる。
【0036】
前述したように、本発明に係る衝撃気流脱塵方式のろ過集塵装置400は、既存の逆気流脱塵方式のろ過集塵装置1を改造してなるものであって、既存の集塵装置のハウジングなどをそのまま活用することができて工事コストを節減することができる。また、従来の逆気流脱塵方式よりも有効な脱塵が行われることから、集塵効率が高くなるとともに集塵容量が増え、フィルターバッグの寿命が延び、差圧が減り、微小粒子状物質を低減することができるなど優れた効果を発揮する。
【0037】
以上、たとえいくつかの実施形態が図示されかつ説明されたが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する技術者であれば、本発明の原則や精神から逸脱しないつつも、本実施形態を変形することができるということは理解できる筈である。よって、本発明の範囲は、記載されている実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく種々に修正及び変形することができ、このような修正例または変形例は、いうまでもなく、本発明の範囲に属するものであると言える。
【符号の説明】
【0038】
10:ハウジング
11:入口ダクト
12:上固定部材
13:下固定部材
14:ホッパー
15:出口ダクト
20:逆気流送風器
50:圧縮空気噴射装置
100:圧縮空気管
110:分岐管
120:噴出口
200:空気増幅器
210:圧縮空気投入口
220:圧縮空気排出口
221:第1のガイド
222:第2のガイド
230:誘導管
250:パルス弁
300:フィルターバッグ
400:集塵装置