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▶ ダイキョーニシカワ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079065
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】グリルシャッタ
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20240604BHJP
   B60R 19/52 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60K11/04 J
B60R19/52 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191778
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎田 智志
(72)【発明者】
【氏名】本郷 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】井口 大輔
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC01
3D038AC11
3D038AC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シンプルな構成で部品の組み付け性に優れるとともに耐久性に優れたグリルシャッタを提供する。
【解決手段】車両の前部に配置され、該車両の内部に空気を導入する通気路を開閉するためのグリルシャッタであって、上記通気路を形成する開口部と、該開口部の外周部に設けられた軸受溝と、を有するフレーム本体110と、少なくとも一端側が上記軸受溝に嵌め込まれた回動軸を有し、該回動軸周りの回動操作により上記開口部を開閉可能に構成されたフラップと、上記軸受溝に上記回動軸が嵌め込まれた状態で該軸受溝の開放端を塞ぐことにより、上記フラップを上記フレーム本体に軸支するサイドブラケットと、を備え、上記サイドブラケットは、該サイドブラケットの上記フレーム本体から離れる方向への移動を規制するスライド嵌合部164と、該スライド嵌合部の上記フレーム本体に沿う方向への移動を規制する爪嵌合部163Aと、を有する。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部に配置され、該車両の内部に空気を導入する通気路(P)を開閉するためのグリルシャッタ(100)であって、
上記通気路(P)を形成する開口部(116)と、該開口部(116)の外周部(117)に設けられた軸受溝(176)と、を有するフレーム本体(110)と、
少なくとも一端側が上記軸受溝(176)に嵌め込まれた回動軸(131A)を有し、該回動軸(131A)周りの回動操作により上記開口部(116)を開閉可能に構成されたフラップ(131)と、
上記軸受溝(176)に上記回動軸(131A)が嵌め込まれた状態で該軸受溝(176)の開放端(176A)を塞ぐことにより、上記フラップ(131)を上記フレーム本体(110)に軸支するサイドブラケット(161)と、を備え、
上記サイドブラケット(161)は、該サイドブラケット(161)の上記フレーム本体(110)から離れる方向への移動を規制するスライド嵌合部(164)と、該スライド嵌合部(164)の上記フレーム本体(110)に沿う方向への移動を規制する爪嵌合部(163A)と、を有する、グリルシャッタ。
【請求項2】
上記フレーム本体(110)は、上記開口部(116)の外周部(117)に設けられたホールド片(175)及び係合孔(174)を有しており、
上記サイドブラケット(161)は、該サイドブラケット(161)を上記開口部(116)の外周部(117)に沿ってスライドさせることで、上記スライド嵌合部(164)が上記ホールド片(175)に嵌合されるとともに上記爪嵌合部(163A)が上記係合孔(174)に係合することにより、上記フレーム本体(110)に固定される、請求項1に記載のグリルシャッタ。
【請求項3】
上記回動軸(131A)が互いに平行となるように配置された複数のフラップ(131)を備えており、
上記サイドブラケット(161)の上記スライド嵌合部(164)は、互いに隣り合う上記フラップ(131)の回動軸(131A)間に対応する位置に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のグリルシャッタ。
【請求項4】
上記サイドブラケット(161)は、互いに隣り合う上記フラップ(131)の回動軸(131A)間に対応する位置に設けられた脆弱部(168A)を有している、請求項3に記載のグリルシャッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルシャッタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両の内部に空気を導入する通気路を開閉するためのグリルシャッタを車両の前部に設けることが行われている。
【0003】
そのようなグリルシャッタにおいて、フレーム本体にフィンを組み付ける構成の一例として、例えば、フレーム本体に凹部を設け、該凹部にフィンの軸部が挿入された状態で別体のフレームカバーをフレーム本体に取付けることで、フィンを縦フレームに可動に支持する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1では、フレームカバーは、例えば、フレームカバーに設けられるクリップ部を、フレーム本体に設けられるクリップ受け部に挿入させてクリップ受け部の周縁部に係合させることで、フレーム本体に取付けられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7068141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、凹部の開放端を塞ぐように車両前側から車両後側に向かって一方向にフレームカバーを組み付けるだけである。当該構成では、特にグリルシャッタを閉じた状態において、フィンに風圧や水圧等の外圧が作用した場合に、フレームカバーが外れてフィンが凹部から脱落し、グリルシャッタの損傷等に繋がるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、シンプルな構成で部品の組み付け性に優れるとともに耐久性に優れたグリルシャッタをもたらすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では、フラップをフレーム本体に軸支するサイドブラケットについて、フレーム本体へ固定するための構造を工夫した。
【0009】
具体的には、第1の発明は、グリルシャッタを対象とする。第1の発明のグリルシャッタは、車両の前部に配置され、該車両の内部に空気を導入する通気路を開閉するためのグリルシャッタであって、上記通気路を形成する開口部と、該開口部の外周部に設けられた軸受溝と、を有するフレーム本体と、少なくとも一端側が上記軸受溝に嵌め込まれた回動軸を有し、該回動軸周りの回動操作により上記開口部を開閉可能に構成されたフラップと、上記軸受溝に上記回動軸が嵌め込まれた状態で該軸受溝の開放端を塞ぐことにより、上記フラップを上記フレーム本体に軸支するサイドブラケットと、を備える。上記サイドブラケットは、該サイドブラケットの上記フレーム本体から離れる方向への移動を規制するスライド嵌合部と、該スライド嵌合部の上記フレーム本体に沿う方向への移動を規制する爪嵌合部と、を有する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のグリルシャッタにおいて、上記フレーム本体は、上記開口部の外周部に設けられたホールド片及び係合孔を有している。上記サイドブラケットは、該サイドブラケットを上記開口部の外周部に沿ってスライドさせることで、上記スライド嵌合部が上記ホールド片に嵌合されるとともに上記爪嵌合部が上記係合孔に係合することにより、上記フレーム本体に固定される。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のグリルシャッタにおいて、上記回動軸が互いに平行となるように配置された複数のフラップを備えている。上記サイドブラケットの上記スライド嵌合部は、互いに隣り合う上記フラップの回動軸間に対応する位置に設けられている。
【0012】
第4の発明は、第3の発明のグリルシャッタにおいて、上記サイドブラケットは、互いに隣り合う上記フラップの回動軸間に対応する位置に設けられた脆弱部を有している。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明では、軸受溝に回動軸が嵌め込まれた状態でサイドブラケットを組み付けるだけでフラップをフレーム本体に軸支することができるから、フラップの組み付けが容易である。また、サイドブラケットは、スライド嵌合部及び爪嵌合部の2種類の構成により、フレーム本体から離れる方向及びフレーム本体に沿う方向の2方向への移動が規制されるから、フラップに風圧や水圧等の外力が作用した時であっても、サイドブラケットがフレーム本体から外れ難い。
【0014】
第2の発明では、サイドブラケットをフレーム本体に対し一方向にスライドさせるだけで組み付けることができるので、サイドブラケットのフレーム本体への組み付けが容易である。また、爪嵌合部は外力が作用しないフレーム本体に沿う方向の移動を制限するものでスライド操作だけで爪嵌合部が係合孔に係合するから、爪嵌合部の挿入力を上げる必要が無く、組み付けに必要な力を低減できる。
【0015】
第3の発明では、フラップに外圧が作用すると、サイドブラケットの軸受溝を塞ぐ部分やスライド嵌合部等に負荷が集中する可能性がある。スライド嵌合部を、互いに隣り合うフラップの回動軸間に対応する位置に設けることにより、サイドブラケット全体に亘って負荷を分散させることができる。そうして、サイドブラケットの外れを効果的に抑制し、各フラップの脱落とガタつきを一様に抑制できる。
【0016】
第4の発明では、互いに隣り合うフラップの回動軸間に対応する位置に脆弱部を設けることにより、サイドブラケットが特にスライド嵌合部においてフレーム本体に沿い易くなり、サイドブラケットの組み付け性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】全開状態のグリルシャッタの正面斜視図。
図2】全開状態のグリルシャッタの背面図。
図3】全閉状態のグリルシャッタの背面図。
図4】フラップ及び駆動フラップを組付ける前の下段右側シャッタ部の背面斜視図。
図5図4のU-U線における断面図において、フレーム本体のみを示す図。
図6図4のセンターフレーム部を右側から見た斜視図。
図7】アクチュエータの斜視図。
図8】下段右側シャッタ部用のフラップの(a)正面図及び(b)該正面図をK方向から見た拡大図。
図9】下段右側シャッタ部用の駆動フラップ及びフラップの背面斜視図。
図10図9の駆動フラップの左端部の拡大斜視図。
図11】下段右側サイドブラケットの斜視図。
図12図11の下段右側サイドブラケットをA方向から見た図。
図13図4の下段右側シャッタ部に各フラップ及び駆動フラップを組付けた状態を示す図。
図14図13のL-L線における断面図。
図15図14において、フラップが全閉状態の回動姿勢に変化したときの図。
図16】下段右側サイドブラケットを準備位置にセットした状態の下段右側シャッタ部の背面図。
図17図16のB部拡大図。
図18図17のC-C線における断面図。
図19図17のD-D線における断面図。
図20図16の下段右側サイドブラケットを組付位置にスライドさせた状態の図。
図21図20のE部拡大図。
図22図21のF-F線における断面図。
図23図21のG-G線における断面図。
図24図21のH-H線における断面図。
図25図21のJ-J線における断面図。
図26図25のM-M線における断面図。
図27】下段右側サイドブラケットの変形例を示す図22相当図。
図28図27のN-N線における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は、本発明の理解を容易にするために寸法、比または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
【0019】
《実施形態》
図1図3に示す、本実施形態のグリルシャッタ100は、不図示の自動車(車両)の前部に配置されている。グリルシャッタ100は、自動車の内部に空気を導入する通気路Pを開閉するための装置である。
【0020】
〈方向〉
なお、本明細書において、前後方向、左右方向及び上下方向は、自動車を基準とする。左右方向を車幅方向ということがある。また、部材の前側を、正面側又は表側、部材の後側を、背面側又は裏側ということがある。
【0021】
また、後述するフラップ131及び駆動フラップ133の前後方向、左右方向及び上下方向は、上述のごとく自動車を基準とするとともに、両者が全閉状態の回動姿勢にあるときを基準にいうものとする。
【0022】
さらに、フラップ131及び駆動フラップ133の軸方向、径方向及び周方向は、それぞれフラップ131の回動軸131A及び駆動フラップ133の駆動軸133Aを基準とする。
【0023】
〈グリルシャッタの概要〉
図1に示すように、グリルシャッタ100は、複数(本例では6つ)のシャッタ部を備える。具体的には、6つのシャッタ部は、それぞれ下段右側シャッタ部121、下段左側シャッタ部122、中段右側シャッタ部124、中段左側シャッタ部125、上段右側シャッタ部127、上段左側シャッタ部128である。
【0024】
また、グリルシャッタ100は、構成部品として、図1図3に示すように、フレーム本体110と、アクチュエータ151と、リンク部材141と、フラップ131及び駆動フラップ133と、サイドブラケット161と、を備えている。
【0025】
各シャッタ部は、フレーム本体110に設けられた開口部116を備える。そして、各シャッタ部の開口部116にはフラップ131が複数配置されている。なお、下段右側シャッタ部121及び下段左側シャッタ部122の各々の開口部116には、フラップ131に加え、駆動フラップ133も配置されている。
【0026】
詳細は後述するが、駆動フラップ133は、アクチュエータ151により駆動され、駆動軸133A周りの回動操作により開口部116を開閉可能に構成されている。また、フラップ131は、回動軸131A周りの回動操作により開口部116を開閉可能に構成されている。駆動フラップ133とフラップ131とは、リンク部材141で連結されており、駆動フラップ133の開閉動作に連動して、フラップ131が開閉することにより、各シャッタ部が開閉される。そうして、通気路Pが開閉される。
【0027】
下段右側シャッタ部121と下段左側シャッタ部122、中段右側シャッタ部124と中段左側シャッタ部125、及び、上段右側シャッタ部127と上段左側シャッタ部128とは、それぞれセンターフレーム部112に関して左右対称になるように構成されている。
【0028】
また、上段、中段及び下段の各シャッタ部は、大きさ、フラップ131の本数、駆動フラップ133の有無等に違いはあるものの、概ね同じ構成であるため、以下各部品の説明では、下段右側シャッタ部121を例に挙げて説明する。
【0029】
-グリルシャッタの開閉動作-
図2及び図3を参照してグリルシャッタ100の開閉動作について説明する。
【0030】
まず、グリルシャッタ100の閉動作について説明する。図2に示す全開状態のグリルシャッタ100において、アクチュエータ151により駆動フラップ133が駆動軸133A周りに90度回転する。そうすると、図3中白抜き矢印で示すように、駆動フラップ133に連結されたリンク部材141が、下方に揺動する。そうして、リンク部材141に連結された各フラップ131も90度回転し、グリルシャッタ100が全閉状態となる。
【0031】
グリルシャッタ100の開動作は、閉動作と逆の動作であり、図3に示す全閉状態のグリルシャッタ100において、アクチュエータ151により駆動フラップ133が-90度回転し、駆動フラップ133に連結されたリンク部材141が、上方に揺動する。そうして、リンク部材141に連結された各フラップ131も-90度回転し、グリルシャッタ100が全開状態となる。
【0032】
本実施形態では、不図示の制御装置によりアクチュエータ151を制御することで、駆動フラップ133の駆動軸133A周りの回転角、延いては各フラップ131の回動軸周りの回転角を任意の角度に調整できる。そうして、全閉状態と全開状態との間の任意の中間姿勢で駆動フラップ133及び各フラップ131を固定できる。任意の中間姿勢で駆動フラップ133及び各フラップ131を固定することにより、ラジエータへのエア導入量を細かく設定できる。
【0033】
なお、グリルシャッタ100は、例えば全閉状態及び全開状態の2種の回動姿勢や、3種以上の段階的な所定の回動姿勢でのみ固定される構成としてもよい。
【0034】
〈フレーム本体〉
フレーム本体110は、グリルシャッタ100の枠体を構成しており、複数(本例では6つ)の開口部116を備える板材により構成される。
【0035】
各開口部116は、フレーム本体110を前後方向に貫通するように設けられている。6つの開口部116は、上述の各シャッタ部に対応している。すなわち、各シャッタ部が開状態のときに、6つの開口部116は、通気路Pを形成する。
【0036】
各開口部116の形状は、特に限定されるものではないが、例えば矩形状、多角形状等である。開口部116の大きさ(フラップ131及び駆動フラップ133が配置されていない状態の開口部116の開口面積)は、特に限定されるものではないが、自動車の部品レイアウトとの兼ね合いで許容できる最大限の大きさとすることが好ましい。これにより、通気路Pの流路面積を最大限確保できる。
【0037】
フレーム本体110は、センターフレーム部112と、サイドフレーム部114と、を備える。
【0038】
センターフレーム部112は、フレーム本体110の左右方向中央において上下方向に延びるように設けられている。当該センターフレーム部112の背面側には、アクチュエータ151と、リンク部材141と、が設けられている。
【0039】
なお、フレーム本体110の背面側には、概ね全面に亘って複数のフレーム本体リブ118が設けられている。図2等の図面では、理解を容易にするため、一部のみ図示し、全てのフレーム本体リブ118の図示は省略している。
【0040】
図4は、フラップ131及び駆動フラップ133を組付ける前の下段右側シャッタ部121の背面斜視図である。図4に示すように、開口部116の外周部117の一部は、サイドフレーム部114により構成されている。サイドフレーム部114の開口部116に隣接する位置には、前後方向に所定の幅を有し且つ上下方向に延びるサイド壁部117Aが設けられている。
【0041】
サイド壁部117Aには、複数の軸受溝176が設けられている。軸受溝176は、サイド壁部117Aの後端に開放端176Aを有し且つサイド壁部117Aを前後方向に切欠いてなる溝である。
【0042】
軸受溝176は、フラップ131の回動軸131A及び駆動フラップ133の駆動軸133Aの右端(他端)を受けるための溝である。軸受溝176は、各シャッタ部に配置されるフラップ131(及び存在する場合に駆動フラップ133)の本数と同数だけ設けられている。すなわち、図4の下段右側シャッタ部121では、4つ設けられている。各シャッタ部における各軸受溝176は、上下方向に略等間隔に設けられている。
【0043】
軸受溝176の形状は、フラップ131の回動軸131A及び駆動フラップ133の駆動軸133Aの右端を受けることができれば、特に限定されるものではなく、例えば前後方向に延びる長円形状等とすることができる。開放端176Aの上下方向の幅は、軸受溝176が長円形状の場合は、軸受溝176の前端部の半円形状の直径と同程度とすることができる。
【0044】
サイドフレーム部114の裏面におけるサイド壁部117Aとフレーム本体110の外壁部111との間には、サイドブラケット取付部171が設けられている。サイドブラケット取付部171には、フック挿入孔173と、係合孔174と、3対のホールド片175と、が設けられている。
【0045】
フック挿入孔173及び係合孔174は、サイドフレーム部114を前後方向に貫通する孔として形成されている。
【0046】
フック挿入孔173は、下段右側サイドブラケット161Aの後述するフック163をサイドフレーム部114の裏側から表側に挿通させるための孔である。フック挿入孔173の形状は、フック163を挿通可能であれば特に限定されないが、例えば矩形状等とすることができる。
【0047】
係合孔174は、フック163の下端側(先端側)に設けられた後述する爪嵌合部163Aがサイドフレーム部114の表側から裏側に向かって係合するための孔である。係合孔174の形状は、爪嵌合部163Aを挿通可能であれば特に限定されないが、例えば矩形状等とすることができる。
【0048】
フック挿入孔173及び係合孔174は、隔壁部173Aを介して上下方向に僅かに離間した状態で互いに隣り合って配置されている。フック挿入孔173及び係合孔174の左右方向の幅は略同一であり、フック163の左右方向の幅よりも大きく、サイドフレーム部114の左右方向の幅の例えば2/3よりも小さく設定されている。フック挿入孔173の上下方向の高さは、係合孔174の上下方向の高さよりも大きい。フック挿入孔173の上下方向の高さは、フック163の上下方向の高さよりも大きく設定されている。係合孔174の上下方向の高さは、爪嵌合部163Aの上下方向の高さよりも大きく設定されている。
【0049】
サイドブラケット取付部171には、3つの貫通孔175Aが上下方向に略等間隔でもうけられている。ホールド片175は、これら貫通孔175Aの左右両側に設けられた、サイドブラケット取付部171から後方に向かって延びる一対の凸状部からなる。図19等に示すように、ホールド片175の後端には、屈曲部175Bが設けられている。一対の凸状部の各屈曲部175Bは、その先端が互いに離間した状態で対向するように構成されている。
【0050】
ホールド片175は、後述するスライド嵌合部164が嵌合されるように構成されている。すなわち、ホールド片175の表面部175Cにスライド嵌合部164が嵌合するように、ホールド片175の大きさはスライド嵌合部164の大きさに対応して設定されている。スライド嵌合部164がホールド片175に嵌合された状態で、屈曲部175Bは、下段右側サイドブラケット161Aのフレーム本体110から離れる方向、すなわち後方への移動を規制する規制部としての役割を有する。
【0051】
ホールド片175は、上下方向において、互いに隣り合う軸受溝176の間、好ましくは互いに隣り合う軸受溝176の上下方向略中央に対応する位置に設けられている。
【0052】
開口部116の外周部117の一部は、センターフレーム部112により構成されている。センターフレーム部112の開口部116に隣接する位置には、前後方向に所定の幅を有し且つ上下方向に延びるセンター壁部117Bが設けられている。
【0053】
センター壁部117Bには、複数の軸受孔182が設けられている。軸受孔182は、センター壁部117Bを左右方向に貫通する孔として設けられている。軸受孔182は、フラップ131の回動軸131Aの左端(一端)を受けるための孔である。軸受孔182は、各シャッタ部に配置されるフラップ131の本数と同数だけ設けられている。すなわち、図4の下段右側シャッタ部121では、3つ設けられている。
【0054】
センター壁部117Bには、上側から2番目の軸受孔182と、最も下側に設けられた軸受孔182との間に、駆動軸挿入部183が設けられている。駆動軸挿入部183は、センター壁部117Bの後端に開放端を有する溝である。駆動フラップ133の駆動軸133Aは、この駆動軸挿入部183を介して、センターフレーム部112の裏面側に配置されたアクチュエータ151の駆動軸挿入孔153に挿入される。3つの軸受孔182及び駆動軸挿入孔153は、上下方向に略等間隔に設けられている。
【0055】
軸受孔182には、該軸受孔182の縁の一部を径方向外側、具体的には前方向に切欠いてなる切欠き182Aが設けられている(図5参照)。切欠き182Aは、後述するフラップ131の突起131Bを挿通させるための溝である。切欠き182Aの上下方向の高さは、軸受孔182の直径よりも小さい。
【0056】
切欠き182Aは、センター壁部117Bに設けられた3つの軸受孔182の各々に設けられている(図6参照)。これらの切欠き182Aは、いずれも前方向に延びるように、すなわち互いに同一の向きに設けられている。
【0057】
図5に示すように、センター壁部117Bの後端部には、各軸受孔182に対応して、該軸受孔182の後方上側及び後方下側に、前側に向かって凹状の全開状態リンク規制凹部185A及び全閉状態リンク規制凹部185Bが設けられている。フラップ131が全開状態の回動姿勢のときに、フラップ131の後述するリンク軸131Cが全開状態リンク規制凹部185Aに当接し、フラップ131の全開状態の回動姿勢が安定化される。また、フラップ131が全閉状態の回動姿勢のときに、フラップ131の後述するリンク軸131Cが全閉状態リンク規制凹部185Bに当接し、フラップ131の全閉状態の回動姿勢が安定化される。
【0058】
フレーム本体110は、射出成形法、プレス成形法等の通常の手法により形成される。フレーム本体110を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の樹脂材料にガラス繊維(GF)等の強化繊維が配合された強化繊維樹脂等が挙げられる。当該材料の具体例としては、PP-GF40PP-GF30、PP-GF35、PA6-GF30及びPA6-GF35等が挙げられる。
【0059】
〈アクチュエータ〉
アクチュエータ151は、駆動フラップ133の駆動軸133Aを回転させる役割を有する。アクチュエータ151は、センターフレーム部112における下段のシャッタ部に対応する位置に取り付けられる。
【0060】
図7に示すように、アクチュエータ151は、電源カプラー接続部155と、駆動軸133Aが挿入される駆動軸挿入孔153と、を備える。アクチュエータ151は、不図示の制御装置に接続されており、制御装置からの指示に基づいて、駆動軸133Aにおける該駆動軸133A周りの回転角を調整する。アクチュエータ151の構成は特に限定されるものではなく、市販のアクチュエータ151を適宜採用できる。
【0061】
〈リンク部材〉
リンク部材141は、リンク軸受孔142を介して、全てのシャッタ部に配置されるフラップ131及び駆動フラップ133を連結するための部材である。リンク部材141の動作により、これら全てのフラップ131及び駆動フラップ133は、互いに同じ回動姿勢をとるように構成されている。
【0062】
図2及び図3に示すように、リンク部材141は、センターフレーム部112の背面側に配置された上下方向に延びる板材である。リンク部材141の上端部は、上段のシャッタ部に配置されるフラップ131に対応して左右方向に分岐しており、リンク部材141は全体としてY字状の形状を有している。
【0063】
リンク部材141は、リンク部材本体141Aと、リンク部材右壁部141Bと、リンク部材左壁部(図示省略)と、を備える。
【0064】
リンク部材本体141Aは、フレーム本体110の上端部から下端部に亘って上下方向に延び且つ左右方向に平行なY字状の板状部である。
【0065】
リンク部材本体141Aの右端部には、該右端部の上端部から下端部に亘り前方に向かってリンク部材右壁部141Bが延設されている。該リンク部材右壁部141Bには、右側のシャッタ部に配置されるフラップ131及び駆動フラップ133の数と同数のリンク部材フランジ部141C及び該リンク部材フランジ部141Cに形成されたリンク軸受孔142が設けられている。リンク部材フランジ部141C及びリンク軸受孔142の形成位置は、フラップ131及び駆動フラップ133の設置位置に対応して、上下方向に互いに略等間隔になるように設定されている。
【0066】
なお、リンク部材本体141Aの左端部には、リンク部材右壁部141Bと左右対称に構成されたリンク部材左壁部が設けられている。リンク部材左壁部の構成は、リンク部材右壁部141Bと左右対称に構成されていることを除いて、概ねリンク部材右壁部141Bと同一であるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0067】
リンク部材141は、射出成形法、プレス成形法等の通常の手法により形成される。リンク部材141を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の樹脂材料にガラス繊維(GF)等の強化繊維が配合された強化繊維樹脂等が挙げられる。当該材料の具体例としては、PP-GF30、PP-GF40、PP-GF35、PA6-GF30、PA6-GF35、PA66―GF30 PA66-GF35等が挙げられる。
【0068】
〈フラップ及び駆動フラップ〉
フラップ131は、各シャッタ部に設けられ、回動軸131A周りに回転することにより、開口部116の開度を調整する役割を有する。
【0069】
駆動フラップ133は、6つのシャッタ部のうち下段右側シャッタ部121及び下段左側シャッタ部122に設けられ、駆動軸133A周りに回転することにより、フラップ131とともに開口部116の開度を調整する役割を有する。
【0070】
図8は、下段右側シャッタ部121用のフラップ131の(a)正面図及び(b)該正面図をK方向、すなわち左側から見た拡大図である。また、図9は、駆動フラップ133及びフラップ131の背面斜視図である。図10は、図9の駆動フラップの左端部の拡大斜視図である。
【0071】
これらの図に示すように、フラップ131及び駆動フラップ133は、左右方向に延びる長尺板状の部材である。
【0072】
フラップ131は、回動軸131Aと、リンク軸131Cと、フラップ本体131Dと、を備える。
【0073】
回動軸131Aは、フラップ131の回転軸の役割を有する。回動軸131Aの左右両端部(端部)は、フラップ本体131Dの左右両側において、それぞれ左側及び右側に突出する突起として構成されている。
【0074】
回動軸131Aの左右両端部における先端側の外周面には、径方向外側、すなわち上側に向かって突出する突起131Bが設けられている。突起131Bは、フラップ131をフレーム本体110に組み付けたときに、フラップ131の軸方向の抜けを抑制する役割を有する。突起131Bの径方向の高さ及び周方向の長さは、切欠き182Aのそれぞれ径方向の高さ及び周方向の長さよりも小さい。突起131Bの形状及び軸方向の長さは、フラップ131のフレーム本体110への取付け時に突起131Bが切欠き182Aを通過可能であり、且つ、全開状態の回動姿勢以外の回動姿勢において、フラップ131の軸方向の抜けを抑制できれば、特に限定されるものではない。
【0075】
リンク軸131Cは、フラップ本体131Dの左端部に設けられ、右端部には設けられていない。リンク軸131Cは、フラップ本体131Dの左側において、それぞれ左側に突出する突起として構成されている。リンク軸131Cは、リンク部材141のリンク軸受孔142に挿入される。
【0076】
フラップ本体131Dは、実質的に開口部116の開口面積を調整する部分である。各シャッタ部が全閉状態のときには、フラップ本体131Dに風圧、水圧などの外圧が直接作用する。フラップ本体131Dの裏面には、フラップ本体131Dの強度を高めるために、例えば格子状のフラップ補強リブ131Gが全面に亘って設けられている。なお、図面では理解を容易にするためフラップ補強リブ131Gの一部のみ図示し、その他は図示を省略している。フラップ補強リブ131Gの形状等は、フラップ本体131Dに要請される強度、製造コスト等に応じて適宜構成される。
【0077】
フラップ本体131Dの下端部の正面側及び上端部の背面側には、それぞれ下端滑り止め部131E及び上端滑り止め部131Fが設けられている。これらは、例えば各部位に左右方向に延び且つ上下方向に等間隔に設けられた複数の溝等により構成される。各シャッタ部が全閉状態では、上下方向において隣り合うフラップ131同士の端部が重なり合う。そのとき、上側のフラップ131の下端部の正面側と、下側のフラップ131の上端部の背面側とが、互いに当接する。そうして、上側のフラップ131の下端滑り止め部131Eと、下側のフラップ131の上端滑り止め部131Fとが互いに係合し、フラップ131の全閉状態の回動姿勢を安定化できる。
【0078】
駆動フラップ133は、駆動軸133Aと、駆動フラップリンク軸133Cと、駆動フラップ本体133Dと、を備える。
【0079】
駆動フラップ133は、回動軸131Aに代えて、駆動軸133Aを備える。
【0080】
駆動軸133Aの左端部は、アクチュエータ151の駆動力が伝達される部分であるため、駆動軸挿入孔153の内周面の形状に合わせて歯車形状に構成されている。なお、駆動軸133Aの左端部には、回動軸131Aに設けられていた突起131Bに対応する突起は設けられていない。
【0081】
駆動軸133Aの右端部の構成は、回動軸131Aの右端部の構成と同一であり、先端側の外周面に径方向外側、すなわち上側に向かって突出する突起133Bが設けられている。突起133Bは、突起131Bと同一の構成である。
【0082】
駆動フラップリンク軸133Cの構成は、リンク軸131Cの構成と同一である。
【0083】
また、駆動フラップ本体133Dの構成は、フラップ本体131Dの構成と同一である。なお、駆動フラップ本体133Dには、フラップ補強リブ131Gと同一の構成の駆動フラップ補強リブ133Gが設けられている。また、図示はしないが、駆動フラップ本体133Dにも、下端滑り止め部131E及び上端滑り止め部131Fと同一の構成が設けられており、駆動フラップ133の上下のフラップ131の下端滑り止め部131E及び上端滑り止め部131Fと係合するように構成されている。
【0084】
フラップ131及び駆動フラップ133は、射出成形法、プレス成形法等の通常の手法により形成される。フラップ131及び駆動フラップ133を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の樹脂材料にガラス繊維(GF)等の強化繊維が配合された強化繊維樹脂等が挙げられる。当該材料の具体例としては、PP-GF30、PP-GF35、PP-GF40、PP-GF45、PA6-GF20、PA6-GF30、PA6-GF35、PA6―GF40、PA66-GF30、PA66-GF35等が挙げられる。
【0085】
〈サイドブラケット〉
サイドブラケット161は、フラップ131及び駆動フラップ133の右端側がフレーム本体110から脱落しないように、フラップ131及び駆動フラップ133の右端側を覆うカバー部材である。
【0086】
図11は、下段右側サイドブラケット161Aの斜視図である。また、図12は、図11の下段右側サイドブラケット161AをA方向、すなわち左側から見た図である。
【0087】
下段右側サイドブラケット161Aは、上下方向に延びる部材である。
【0088】
下段右側サイドブラケット161Aは、軸受溝閉鎖フランジ162と、フック163と、爪嵌合部163Aと、スライド嵌合部164と、ホールド片挿通開口165と、橋梁部166と、サイドブラケット補強リブ167と、軽減口168と、脆弱部168Aと、軸逃がし凹部169と、を備える。
【0089】
軸受溝閉鎖フランジ162は、上下左右方向に平行な板状部であり、フレーム本体110のサイド壁部117Aの後端に形成された開放端176Aを塞ぐ役割を有する。軸受溝閉鎖フランジ162は、開放端176Aの数に合わせて上下方向に4つ設けられている。
【0090】
軸受溝閉鎖フランジ162の右端部には、サイドブラケット縦壁部162Aが前方向に向かって延設されている。サイドブラケット縦壁部162Aの左側面は、回動軸131Aの右端が接触しないように形成された軸逃がし凹部169となっている。
【0091】
サイドブラケット縦壁部162Aの前端部には、上下左右方向に平行なサイドブラケット前壁部162Bが延設されている。
【0092】
サイドブラケット縦壁部162A及びサイドブラケット前壁部162Bは、4つの軸受溝閉鎖フランジ162に対応して4つ設けられている。
【0093】
軸受溝閉鎖フランジ162、サイドブラケット縦壁部162A及びサイドブラケット前壁部162Bは、軸受溝176に対応して設けられている。従って、例えば全閉状態に回動姿勢にあるフラップ131及び駆動フラップ133に外圧が作用した場合にも、軸受溝176に嵌め込まれた回動軸131Aの右端部及び駆動軸133Aの右端部が該軸受溝176から外れないようにする必要がある。このため、軸受溝閉鎖フランジ162から、サイドブラケット縦壁部162A及びサイドブラケット前壁部162Bにかけて、サイドブラケット補強リブ167が、が設けられている。そうして、軸受溝閉鎖フランジ162、サイドブラケット縦壁部162A及びサイドブラケット前壁部162Bの強度を高めている。
【0094】
最上部に位置するサイドブラケット前壁部162Bには、サイドブラケット開口162Cが設けられている。そして、当該サイドブラケット前壁部162Bは、サイドブラケット開口162Cの上側外周部から前方向に延出するフック163が設けられている。フック163は、サイドブラケット前壁部162Bに接続されて前方向に延びるフック基端部163Bと、該フック基端部163Bの前端に接続されて下側に向かって延びるフック先端部163Cと、を有する。フック先端部163Cの前端部における背面側には、後ろ方向に凸状の突起として形成された爪嵌合部163Aが設けられている。
【0095】
隣り合う軸受溝閉鎖フランジ162及びサイドブラケット縦壁部162Aの間には、軽減口168が設けられている。言い換えると、軽減口168は、互いに隣り合う軸受溝176の間に対応する位置(互いに隣り合うフラップ131及び駆動フラップ133の回動軸131A及び駆動軸133A間に対応する位置)に、軸受溝閉鎖フランジ162を構成する板状部と、サイドブラケット縦壁部162Aを構成する板状部と、に跨がって形成された貫通孔である。
【0096】
サイドブラケット前壁部162Bを構成する板状部における、軽減口168に対応する位置(互いに隣り合うフラップ131及び駆動フラップ133の回動軸131A及び駆動軸133A間に対応する位置)には、スライド嵌合部164と、ホールド片挿通開口165と、橋梁部166と、が設けられている。
【0097】
ホールド片挿通開口165は、サイドブラケット前壁部162Bを構成する板状部を前後方向に貫通する貫通孔である。ホールド片挿通開口165は、上下方向に延びる柱状の橋梁部166を挟んで左右一対の貫通孔として形成されている。ホールド片挿通開口165は、フレーム本体110のサイドブラケット取付部171に設けられたホールド片175を前側から後側に向かって挿通させるための孔である。
【0098】
なお、軽減口168、ホールド片挿通開口165及びこれらの外周部は、脆弱部168Aを構成している。軽減口168及びホールド片挿通開口165を形成して脆弱部168Aを設けることにより、下段右側サイドブラケット161Aの柔軟性を高め、下段右側サイドブラケット161Aのフレーム本体110への組み付け性を高めることができる。
【0099】
スライド嵌合部164は、橋梁部166の上端に接続され、前後左右方向に平行な断面及び前後上下方向に平行な断面の形状が後側に向かって突出するコ字状に構成された突出部として構成されている(図22図23等参照)。スライド嵌合部164の背面部164Aは、ホールド片175の表面部175Cに当接可能に構成されている。
【0100】
なお、サイドブラケット161は、図2等に示すように、各シャッタ部において、そのシャッタ部に整合するサイドブラケット161を用いる。具体的には例えば、中段右側シャッタ部124には中段右側サイドブラケット161B、上段右側シャッタ部127には上段右側サイドブラケット161Cを採用する。サイドブラケット161は、各シャッタ部に応じて、上下方向の長さ、スライド嵌合部164の数等が調整されるが、基本的な構成は変わらない。
【0101】
サイドブラケット161は、射出成形法、プレス成形法等の通常の手法により形成される。サイドブラケット161を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の樹脂材料にガラス繊維(GF)等の強化繊維が配合された強化繊維樹脂等が挙げられる。当該材料の具体例としては、PP-GF40、PP-GF30、PA6-GF30、PA6-GF35、PA6-GF40、PA66-GF30、PA66-GF35等が挙げられる。
【0102】
〈フラップ及び駆動フラップのフレーム本体への組み付け方法〉
図4に示すように、フレーム本体110のセンターフレーム部112に、アクチュエータ151、次いでリンク部材141を設置した状態で、フラップ131及び駆動フラップ133の組み付けが可能となる。このとき、リンク部材141は、リンク部材フランジ部141Cが全開状態リンク規制凹部185A又はその近傍に配置されるようにしておく。
【0103】
フラップ131及び駆動フラップ133は、全開状態の回動姿勢において、フレーム本体110に組み付け可能に構成されている。
【0104】
図13は、図4の下段右側シャッタ部121に、フラップ131及び駆動フラップ133を組み付けた状態を示している。図14は、図13のL-L線における断面図である。図15は、図14において、フラップ131が全閉状態の回動姿勢に変化したときの図である。
【0105】
これらの図を参照して、フラップ131の組み付け方法を説明する。
【0106】
まず、フラップ131の回動軸131Aの左端部及びリンク軸131Cを、それぞれセンター壁部117Bの軸受孔182及びリンク部材141のリンク軸受孔142に、右側から左側に向かって、挿通させる。このとき、図14に示すように、突起131Bの形成位置は、軸受孔182の切欠き182Aの形成位置に対応するから、突起131Bも切欠き182Aを通ってセンター壁部117Bの左側に移動する。
【0107】
そして、図13に示すように、フラップ131の回動軸131Aの右端部を、開放端176Aを通じて軸受溝176に嵌め込む。なお、回動軸131Aの右端部に設けられた突起131Bは、組み付け後は、サイド壁部117Aよりも右側に配置されるように構成されている。
【0108】
駆動フラップ133も、フラップ131と同様の方法で組み付けることができる。すなわち、駆動フラップ133の駆動軸133Aの左端部及び駆動フラップリンク軸133Cを、それぞれアクチュエータ151の駆動軸挿入孔153及びリンク部材141のリンク軸受孔142に、右側から左側に向かって、挿通させる。駆動フラップ133の駆動軸133Aの右端部は、フラップ131の回動軸131Aの右端部と同様である。
【0109】
サイド壁部117Aを含むサイドブラケット取付部171には、さらに、軸受溝176に回動軸131A及び駆動軸133Aが嵌め込まれた状態で、軸受溝176の開放端176Aを塞ぐように、下段右側サイドブラケット161Aを取り付ける。そうして、フラップ131及び駆動フラップ133の組み付けが完了する。なお、下段右側サイドブラケット161Aの取付方法の詳細については後述する。
【0110】
本実施形態では、上述のごとく、フラップ131が全開状態の回動姿勢にあるときに、突起131Bの形成位置は、軸受孔182の切欠き182Aの形成位置に対応している(図14参照)。すなわち、突起131Bは、フラップ131が全開状態の回動姿勢(全閉状態以外の所定の回動姿勢)にあるときに、切欠き182Aを挿通可能に構成されている。
【0111】
詳細には、図14に示すように、回動軸131Aの軸心をOとすると、フラップ131は、軸心O周りに回転角θ(0°≦θ≦90°)回動可能に構成されている。全開状態の回動姿勢とは、θが0°の場合であり、図14に示す、フラップ本体131Dが前後左右方向に略並行となる姿勢である。
【0112】
図14の姿勢から、回動軸131Aが軸心O周りに90°回転すると、図15に示すように、フラップ本体131Dは上下左右方向に略平行な姿勢となり、フラップ131は、全閉状態の回動姿勢となる。
【0113】
図14及び図15から判るように、θが0°以外、すなわち全開状態の回動姿勢(図14)以外の姿勢、すなわち少なくとも全閉状態の回動姿勢(θ=90°)にあるとき、好ましくは全閉状態の回動姿勢及び任意の中間姿勢(0°<θ<90°)にあるときには、突起131Bは、軸方向視、切欠き182Aから外れて位置する。これにより、フラップ本体131Dに外圧が作用した場合であっても、突起131Bが軸受孔182における切欠き182A以外の縁に当接して、回動軸131Aの軸受孔182からの軸方向の抜けが規制される。
【0114】
なお、突起131Bが切欠き182Aを挿通可能なフラップ131の回動姿勢は、全開状態の回動姿勢以外の回動姿勢(0°<θ≦90°)としてもよい。言い換えると、切欠き182Aの周方向の位置を0°<θ≦90°に設定してもよい。しかしながら、フラップ本体131Dに作用する外圧は、全開状態の回動姿勢(θ=0°)で最小、全閉状態の回動姿勢(θ=90°)で最大となることから、突起131Bが切欠き182Aを挿通可能なフラップ131の回動姿勢は、全開状態の回動姿勢(θ=0°)とすることが好ましい。これにより、回動軸131Aの軸受孔182からの軸方向の抜けを効果的に抑制できる。
【0115】
センター壁部117Bに設けられた軸受孔182と、サイド壁部117Aに設けられた軸受溝176とは、いずれも上下方向に略等間隔に、且つ、左右方向において互いに対応する位置に設けられている。従って、図1図13等に示すように、各シャッタ部において、組み付け後のフラップ131及び駆動フラップ133は、回動軸131A及び駆動軸133Aが互いに平行且つ上下方向に略等間隔となるように配置される。
【0116】
各フラップ131の突起131B及び該突起131Bに対応する切欠き182Aは、互いに同一の向きに設けられていることが好ましい。本例では、複数の軸受孔182に設けられた切欠き182Aは全て軸受孔182を前側に切欠いてなる。また、突起131Bは、全開状態の回動姿勢(θ=0°)のときに、回動軸131Aから前方に突出するように設けられている。このように、複数のフラップ131において、突起131B及び切欠き182Aが同一の向き(本例では前方向)に設けられていることにより、複数のフラップ131を同じ回動姿勢で組み付けることができるので、フラップ131の組み付けが容易になる。
【0117】
回動軸131Aの右端部の突起131B及び駆動軸133Aの右端部の突起133Bは、フラップ131及び駆動フラップ133が全開状態の回動姿勢では、前側に向かって突出した状態となっている(図25参照、なお、突起133Bについては不図示)。また、図示はしないが、突起131B及び突起133Bは、フラップ131及び駆動フラップ133が全閉状態の回動姿勢では、上側に向かって突出した状態となる。従って、フラップ本体131Dに外圧が作用した場合であっても突起131B及び突起133Bがサイド壁部117Aに当接して、回動軸131Aの右端部及び駆動軸133Aの右端部の軸受溝176からの軸方向の抜けが規制される(図26参照)。
【0118】
〈サイドブラケットのフレーム本体への取付方法〉
図16は、下段右側サイドブラケット161Aを準備位置にセットした状態の下段右側シャッタ部の背面図である。図17は、図16のB部拡大図である。図18は、図17のC-C線における断面図、図19は、図17のD-D線における断面図である。
【0119】
図16に示すように、下段右側サイドブラケット161Aをサイドブラケット取付部171の準備位置に後側から前側に向かってセットする。このとき、軸受溝閉鎖フランジ162は、図17に示すように、軸受溝176に回動軸131Aの右端部及び駆動軸133Aの右端部が嵌め込まれた状態で該軸受溝176の開放端176Aを塞ぐ。
【0120】
また、図18に示すように、下段右側サイドブラケット161Aのフック163は、サイドブラケット取付部171のフック挿入孔173に後側から前側に向かって挿通される。
【0121】
さらに、図19に示すように、サイドブラケット取付部171のホールド片175は、下段右側サイドブラケット161Aのホールド片挿通開口165に前側から後側に向かって挿通される。そうして、橋梁部166が、左右一対のホールド片175の間に配置される。
【0122】
下段右側サイドブラケット161Aを準備位置にセットした状態で、図18中白抜き矢印で示すように、サイドブラケット取付部171に対して、下段右側サイドブラケット161Aを下側、すなわちサイド壁部117Aに沿ってスライドさせて、組付位置にセットする。
【0123】
図20は、図16の下段右側サイドブラケットを組付位置にスライドさせた状態の図である。図21は、図20のE部拡大図、図22図25は、図21のそれぞれF-F線、G-G線、H-H線、J-J線及びM-M線における断面図である。図26は、図25のM-M線における断面図である。
【0124】
下段右側サイドブラケット161Aが組付位置にセットされた状態では、図21に示すように、軸受溝閉鎖フランジ162は、軸受溝176の開放端176Aを塞いだままである。
【0125】
また、図22に示すように、下段右側サイドブラケット161Aのフック163は、フック挿入孔173に挿通されたまま、下側に移動する。そうして、爪嵌合部163Aが、係合孔174に前側から後側に向かって係合し、爪嵌合部163Aの上側面が隔壁部173Aに当接する。これにより、爪嵌合部163Aと隔壁部173Aとは、下段右側サイドブラケット161Aの上側方向(フレーム本体110に沿う方向、スライド方向)への移動を規制する規制部として機能する。
【0126】
さらに、図21及び図23に示すように、左右一対のホールド片175の間にスライド嵌合部164が嵌合する。そうして、スライド嵌合部164の背面部164Aは、ホールド片175の表面部175Cに当接する。これにより、スライド嵌合部164と、ホールド片175の屈曲部175Bとが、下段右側サイドブラケット161Aの後側(フレーム本体110から離れる方向)への移動を規制する規制部として機能する。
【0127】
このようにして、下段右側サイドブラケット161Aは、スライド嵌合部164がホールド片175に嵌合されるとともに爪嵌合部163Aが係合孔174に係合することにより、フレーム本体110に固定される。
【0128】
そして、図25図26に示すように、下段右側サイドブラケット161Aは、軸受溝176に回動軸131Aの右端部及び駆動軸133Aの右端部が嵌め込まれた状態で該軸受溝176の開放端176Aを塞ぎ、フラップ131及び駆動フラップ133をフレーム本体110に軸支する。
【0129】
なお、脆弱部168Aの存在により下段右側サイドブラケット161Aの柔軟性が向上しているから、下段右側サイドブラケット161Aを下側にスライドさせるときにサイドブラケット取付部171に沿い易くなり、下段右側サイドブラケット161Aの組み付け性が向上する。
【0130】
〈実施形態の特徴〉
この実施形態のグリルシャッタ100は、フラップ131及び駆動フラップ133をフレーム本体110に軸支するサイドブラケット161について、フレーム本体110へ固定するための構造に特徴がある。
【0131】
この実施形態のグリルシャッタ100は、自動車の前部に配置され、該自動車の内部に空気を導入する通気路Pを開閉するためのグリルシャッタ100であって、上記通気路Pを形成する開口部116と、該開口部116の外周部117に設けられた軸受溝176と、を有するフレーム本体110と、少なくとも一端側が上記軸受溝176に嵌め込まれた回動軸131Aを有し、該回動軸131A周りの回動操作により上記開口部116を開閉可能に構成されたフラップ131と、上記軸受溝176に上記回動軸131Aが嵌め込まれた状態で該軸受溝176の開放端を塞ぐことにより、上記フラップ131を上記フレーム本体110に軸支するサイドブラケット161と、を備える。上記サイドブラケット161は、該サイドブラケット161の上記フレーム本体110から離れる方向への移動を規制するスライド嵌合部164と、該スライド嵌合部164の上記フレーム本体110に沿う方向への移動を規制する爪嵌合部163Aと、を有する。
【0132】
本構成では、軸受溝176に回動軸131Aが嵌め込まれた状態でサイドブラケット161を組み付けるだけでフラップ131をフレーム本体110に軸支することができるから、フラップ131の組み付けが容易である。また、サイドブラケット161は、スライド嵌合部164及び爪嵌合部163Aの2種類の構成により、フレーム本体110から離れる方向及びフレーム本体110に沿う方向の2方向への移動が規制されるから、フラップ131に風圧や水圧等の外力が作用した時であっても、サイドブラケット161がフレーム本体110から外れ難い。
【0133】
この実施形態のグリルシャッタ100は、上記フレーム本体110は、上記開口部116の外周部117に設けられたホールド片175及び係合孔174を有している。上記サイドブラケット161は、該サイドブラケット161を上記開口部116の外周部117に沿ってスライドさせることで、上記スライド嵌合部164が上記ホールド片175に嵌合されるとともに上記爪嵌合部163Aが上記係合孔174に係合することにより、上記フレーム本体110に固定される。
【0134】
本構成では、サイドブラケット161をフレーム本体110に対し一方向にスライドさせるだけで組み付けることができるので、サイドブラケット161のフレーム本体110への組み付けが容易である。また、爪嵌合部163Aは外力が作用しないフレーム本体110に沿う方向の移動を制限するものでスライド操作だけで爪嵌合部163Aが係合孔174に係合するから、爪嵌合部163Aの挿入力を上げる必要が無く、組み付けに必要な力を低減できる。
【0135】
この実施形態のグリルシャッタ100は、上記回動軸131Aが互いに平行となるように配置された複数のフラップ131を備えている。上記サイドブラケット161の上記スライド嵌合部164は、互いに隣り合う上記フラップ131の回動軸131A間に対応する位置に設けられている。
【0136】
本構成では、フラップ131に外圧が作用すると、サイドブラケット161の軸受溝176を塞ぐ部分やスライド嵌合部164等に負荷が集中する可能性がある。スライド嵌合部164を、互いに隣り合うフラップ131の回動軸131A間に対応する位置に設けることにより、サイドブラケット161全体に亘って負荷を分散させることができる。そうして、サイドブラケット161の外れを効果的に抑制し、各フラップ131の脱落とガタつきを一様に抑制できる。
【0137】
この実施形態のグリルシャッタ100は、上記サイドブラケット161は、互いに隣り合う上記フラップ131の回動軸131A間に対応する位置に設けられた脆弱部168Aを有している。
【0138】
本構成では、互いに隣り合うフラップ131の回動軸131A間に対応する位置に脆弱部168Aを設けることにより、サイドブラケット161が特にスライド嵌合部164においてフレーム本体110に沿い易くなり、サイドブラケット161の組み付け性がさらに向上する。
【0139】
〈実施形態の他の特徴〉
この実施形態のグリルシャッタ100は、好ましくは、フラップ131の端部に突起131Bを設けて軸受孔182からのフラップ131の抜けを抑制するようにしたことに、さらに特徴がある。
【0140】
この実施形態のグリルシャッタ100は、自動車の前部に配置され、該自動車の内部に空気を導入する通気路Pを開閉するためのグリルシャッタ100であって、上記通気路Pを形成する開口部116と、該開口部116の外周部117に設けられた軸受孔182と、上記軸受孔182の縁の一部を径方向外側に切欠いてなる切欠き182Aと、を有するフレーム本体110と、上記軸受孔182に挿通された回動軸131Aと、該回動軸131Aの端部に設けられた該回動軸131Aの径方向外側に突出する突起131Bと、を有し、該回動軸131A周りの回動操作により上記開口部116の開閉を行うフラップ131と、を備える。上記突起131Bは、上記フラップ131が全閉状態以外の所定の回動姿勢にあるときに、上記切欠き182Aを挿通可能に構成されている。上記突起131Bは、上記フラップ131が少なくとも全閉状態の回動姿勢にあるときに、上記切欠き182Aから外れて位置することにより上記軸受孔182における上記切欠き182A以外の縁に当接して上記回動軸131Aの上記軸受孔182からの軸方向の抜けを規制する。
【0141】
回動軸131Aの端部を支持する構成を強度的に有利な差し込み型の軸受孔182に設定した場合には、フラップ131の組み付け性が問題となる。本構成では、フラップ131の回動軸131Aの端部に軸方向の抜けを抑制する突起131Bが設けられている場合であっても、軸受孔182の縁に突起131Bを挿通可能な切欠き182Aが設けられているから、フラップ131の組み付けが容易である。また、グリルシャッタ100が全閉状態のときにはフラップ131に風圧や水圧等の外力が最も大きく作用する。本構成では、フラップ131が少なくとも全閉状態の回動姿勢にあるときには、突起131Bによりフラップ131の軸方向の抜けが抑制されるから、フラップ131の変形や脱落が抑制される。
【0142】
この実施形態のグリルシャッタ100では、上記所定の回動姿勢は、上記フラップ131が全開状態の回動姿勢である。
【0143】
グリルシャッタ100が全開状態であるときには、フラップ131に作用する外圧が最も小さく、外圧に対するフラップ131の強度が最も高くなる。本構成では、フラップ131が全開状態の回動姿勢にあるときに、切欠き182Aと突起131Bの位置が一致するので、外圧が作用してもフラップ131が外れ難い。また、フラップ131が全開状態の回動姿勢にあると、フラップ131を保持し易いから、フラップ131のフレーム本体110への組み付け性がさらに向上する。
【0144】
この実施形態のグリルシャッタ100は、上記回動軸131Aが互いに平行となるように配置された複数のフラップ131を備えており、上記複数のフラップ131が互いに同じ回動姿勢をとるように該複数のフラップ131を連結するリンク部材141を備えている。上記各フラップ131の上記突起131B及び該突起131Bに対応する上記切欠き182Aは、互いに同一の向きに設けられている。
【0145】
本構成では、複数のフラップ131をフレーム本体110とリンク部材141との両者に組み付ける必要がある。本構成によれば、各フラップ131の突起131B及び該突起131Bに対応する切欠き182Aは、互いに同一の向きに設けられているから、リンク部材141を所定の位置に配置した状態で、複数のフラップ131を同じ回動姿勢で組み付けることができるので、フラップ131の組み付けがさらに容易になる。
【0146】
この実施形態のグリルシャッタ100は、上記軸受孔182は、上記回動軸131Aの一端側に位置する上記開口部116の外周部117に設けられている。上記フレーム本体110は、上記回動軸131Aの他端側に位置する上記開口部116の外周部117に設けられた軸受溝176を有している。上記フラップ131は、上記回動軸131Aの一端側が上記軸受孔182に挿通されるとともに、該回動軸131Aの他端側が上記軸受溝176に嵌め込まれた状態で該軸受溝176の開放端を塞ぐカバー部材で覆われることにより、上記フレーム本体110に軸支されている。
【0147】
本構成では、回動軸131Aの他端側は軸受溝176で受けるだけでよいから、フラップ131の組み付け性がさらに向上する。また、両側を差し込み型の軸受孔182とすると、フラップ131の回動軸131Aの両端を長く設定する必要があるところ、他端側を軸受溝176とすることで、フラップ131の回動軸131Aを長くする必要がないから、フレーム本体110とフラップ131とのクリアランスを狭く設定できる。
【0148】
《その他の実施形態》
図27及び図28に示すように、橋梁部166及びスライド嵌合部164の背面側に、両者に跨がって橋梁部補強リブ166Aを設けてもよい。これにより、スライド嵌合部164の強度が向上する。
【0149】
以上のように、本発明の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。上記実施形態が例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに、さらに色々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲に属することは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上説明したように、本発明は、グリルシャッタについて有用である。
【符号の説明】
【0151】
100 グリルシャッタ
110 フレーム本体
111 外壁部
112 センターフレーム部
114 サイドフレーム部
116 開口部
117 外周部
117A サイド壁部
117B センター壁部
118 フレーム本体リブ
121 下段右側シャッタ部
122 下段左側シャッタ部
124 中段右側シャッタ部
125 中段左側シャッタ部
127 上段右側シャッタ部
128 上段左側シャッタ部
131 フラップ
131A 回動軸
131B 突起
131C リンク軸
131D フラップ本体
131E 下端滑り止め部
131F 上端滑り止め部
131G フラップ補強リブ
133 駆動フラップ
133A 駆動軸
133C 駆動フラップリンク軸
133D 駆動フラップ本体
141 リンク部材
141A リンク部材本体
141B リンク部材右壁部
141C リンク部材フランジ部
142 リンク軸受孔
151 アクチュエータ
153 駆動軸挿入孔
155 電源カプラー接続部
161 サイドブラケット(カバー部材)
161A 下段右側サイドブラケット
161B 中段右側サイドブラケット
161C 上段右側サイドブラケット
162 軸受溝閉鎖フランジ
162A サイドブラケット縦壁部
162B サイドブラケット前壁部
163 フック
163A 爪嵌合部
163B フック基端部
163C フック先端部
164 スライド嵌合部
164A 背面部
165 ホールド片挿通開口
166 橋梁部
166A 橋梁部補強リブ
167 サイドブラケット補強リブ
168 軽減口
168A 脆弱部
169 軸逃がし凹部
171 サイドブラケット取付部
173 フック挿入孔
173A 隔壁部
174 係合孔
175 ホールド片
175A 貫通孔
175B 屈曲部
175C 表面部
176 軸受溝
176A 開放端
182 軸受孔
182A 切欠き
183 駆動軸挿入部
185A 全開状態リンク規制凹部
185B 全閉状態リンク規制凹部
図1
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