(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079083
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】固定金具、飛散防止部材、及び車両
(51)【国際特許分類】
B60P 7/04 20060101AFI20240604BHJP
B60P 1/04 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60P7/04 A
B60P1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191802
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】522467633
【氏名又は名称】有限会社栄福
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伊▲藤▼ 光日出
(57)【要約】
【課題】所望の位置で荷台の積載物の飛散を防止できる固定金具、飛散防止部材、及び車両を提供する。
【解決手段】固定金具50は、固定板51と第一側板52Fと第二側板52Rと第一スリット522Fと第二スリット522Rと規制部材55とを備える。固定板51は、落下防止部材の所定の位置に裏面が固定される。第一側板52Fは、固定板51の表面から立設される。第二側板52Rは、固定板51の表面から立設される。第一軸53は、第一側板52Fと第二側板52Rとに支持されて第一側板52Fと第二側板52Rとの間に延びる。第一側板52Fは、第一軸53に対して固定板51とは反対側に設けられた第一スリット522Fを備える。第二側板52Rは、第一軸53に対して固定板51とは反対側に設けられた第二スリット522Rを備える。規制部材55は、第一スリット522Fと第二スリット522Rとに挿通固定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に積載された積載物が前記荷台の側壁から落下するのを防止する落下防止部材に、前記荷台に積載された前記積載物の飛散を防止する飛散防止部材を前記車両の前後方向に延設される第一軸周りに回動可能に固定する固定金具であって、
前記固定金具は、
前記落下防止部材の所定の位置に裏面が固定される固定板と、
前記固定板の表面から立設された第一側板と、
前記第一側板に対して、前記第一軸の延設方向に所定間隔を空けて、前記固定板の前記表面から立設された第二側板とを備え、
前記第一軸は、前記第一側板と前記第二側板とに支持されて前記第一側板と前記第二側板との間に延び、
前記第一側板は、前記第一軸に対して前記固定板とは反対側に設けられた第一スリットを備え、
前記第二側板は、前記第一軸に対して前記固定板とは反対側に設けられた第二スリットを備え、
前記固定金具は、更に、前記第一スリットと前記第二スリットとに挿通固定され、前記飛散防止部材の回動を規制する規制部材を備えた
ことを特徴とする固定金具。
【請求項2】
前記第一スリットと前記第二スリットには、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向の幅が異なる複数の前記規制部材の何れかが挿通固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の固定金具。
【請求項3】
前記第一スリットと前記第二スリットには、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向に並んで複数の前記規制部材が挿通固定可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の固定金具。
【請求項4】
前記規制部材は、前記第一軸の延設方向において、一方側から他方側に向かうにつれて、前記他方側における前記固定板に直交する第一方向の厚みが、前記第一スリット及び前記第二スリットの前記第一方向の開口幅よりも厚くなる
ことを特徴とする請求項1に記載の固定金具。
【請求項5】
前記第一スリット及び前記第二スリットは、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向に延びる矩形状であり、
前記規制部材は、板状である
ことを特徴とする請求項1に記載の固定金具。
【請求項6】
前記飛散防止部材は、
前記第一軸が内部に挿通され、前記第一軸を中心として回動可能な中空部材と、
前記中空部材に接続される接続部材と
を備え、
前記規制部材は、前記接続部材と共に前記中空部材が前記第一軸を中心に回動した場合、前記接続部材に当接可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の固定金具。
【請求項7】
請求項1~6の何れかの固定金具を備えたことを特徴とする飛散防止部材。
【請求項8】
請求項7の飛散防止部材と、車両の荷台に積載された積載物が前記荷台の側壁から落下するのを防止する落下防止部材を駆動するモータとを備えたことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定金具、飛散防止部材、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の飛散防止装置は、ダンプトラックの荷台部の両端部にフレーム部材を各々備える。両フレーム部材には、一対のブラケットが固定される。当該ブラケットは基板を備え、当該基板は、横方向に延び所定の板厚を有する。当該基板の表面の略中央位置に、一対の板状の受片が所定の距離を隔てて平行に立設している。一対の受片は、支持部材を揺動自在に支持している。両支持部材の間には飛散を防止する為のネットが張られている。両フレーム部材が荷台部の内側の所定位置まで回動された場合、両支持部材及びネットは、フレーム部材の位置より荷台部の内側の位置まで移動する。この場合、両支持部材がブラケットの当接部材に当接することで、両支持部材は、荷台部へ向けた回動を規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記飛散防止装置は、荷台部に積載された積載物に対して両支持部材及びネットの位置を調節する機構を備えていない。このため、飛散防止装置は、荷台に積載された積載物の総量に応じた所望の位置に、飛散を防止する為のネットを配置できない問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、所望の位置で荷台の積載物の飛散を防止できる固定金具、飛散防止部材、及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る固定金具は、車両の荷台に積載された積載物が前記荷台の側壁から落下するのを防止する落下防止部材に、前記荷台に積載された前記積載物の飛散を防止する飛散防止部材を前記車両の前後方向に延設される第一軸周りに回動可能に固定する固定金具であって、前記固定金具は、前記落下防止部材の所定の位置に裏面が固定される固定板と、前記固定板の表面から立設された第一側板と、前記第一側板に対して、前記第一軸の延設方向に所定間隔を空けて、前記固定板の前記表面から立設された第二側板とを備え、前記第一軸は、前記第一側板と前記第二側板とに支持されて前記第一側板と前記第二側板との間に延び、前記第一側板は、前記第一軸に対して前記固定板とは反対側に設けられた第一スリットを備え、前記第二側板は、前記第一軸に対して前記固定板とは反対側に設けられた第二スリットを備え、前記固定金具は、更に、前記第一スリットと前記第二スリットとに挿通固定され、前記飛散防止部材の回動を規制する規制部材を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成とすることにより、上記固定金具では、落下防止部材が左右方向に互いに対向して停止する位置まで回動方向に回動したとき、規制部材は、荷台の積載物に向けて第一軸を中心に回動する飛散防止部材に対して、下方から当接して回動を規制する。例えば、寸法が異なる規制部材を挿通することで、規制部材で飛散防止部材の回動を防止する位置が調整される。故に、作業者は、所望の位置で荷台の積載物の飛散を防止できる。
【0008】
また、固定金具では、前記第一スリットと前記第二スリットには、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向の幅が異なる複数の前記規制部材の何れかが挿通固定されてもよい。固定金具は、第二方向の長さが異なる規制部材を第一スリットと第二スリットとに挿通固定することで、飛散防止部材の回動を規制する位置を調整できる。
【0009】
また、固定金具では、前記第一スリットと前記第二スリットには、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向に並んで複数の前記規制部材が挿通固定可能であってもよい。固定金具は、第一スリットと第二スリットに複数の規制部材を挿通固定することで、飛散防止部材の回動を規制する位置を調整できる。
【0010】
また、固定金具では、前記規制部材は、前記第一軸の延設方向において、一方側から他方側に向かうにつれて、前記他方側における前記固定板に直交する第一方向の厚みが、前記第一スリット及び前記第二スリットの前記第一方向の開口幅よりも厚くなってもよい。規制部材は、例えば第一スリット及び第二スリットに前後方向の他方側から挿通される。この場合、前後方向の他方側に配置されたスリットが規制部材の他方側に当接する。これにより、規制部材の前後方向の一方側への移動が防止される。故に、固定金具は規制部材が前後方向の一方側に抜けることを防止できる。
【0011】
また、固定金具では、前記第一スリット及び前記第二スリットは、前記固定板に直交する第一方向及び前記第一軸の延設方向に夫々直交する第二方向に延びる矩形状であり、前記規制部材は、板状であってもよい。ユーザは、板状である規制部材を把持しやすく、第一スリットと第二スリットに挿通しやすい。故に、規制部材は、取り扱いが容易である。
【0012】
また、前記飛散防止部材は、前記第一軸が内部に挿通され、前記第一軸を中心として回動可能な中空部材と、前記中空部材に接続される接続部材とを備え、前記規制部材は、前記接続部材と共に前記中空部材が前記第一軸を中心に回動した場合、前記接続部材に当接可能であってもよい。固定金具は、規制部材に飛散防止部材の中空部材に接続された接続部材が当接することで、飛散防止部材の回動を規制する。
【0013】
本発明の第二態様に係る飛散防止部材は、第一態様の固定金具を備えたことを特徴とする。上記飛散防止部材は、第一態様に記載の固定金具と同様の効果を得る。
【0014】
本発明の第三態様に係る車両は、第二態様の飛散防止部材と、車両の荷台に積載された積載物が前記荷台の側壁から落下するのを防止する落下防止部材を駆動するモータとを備えたことを特徴とする。上記車両は、第一態様に記載の固定金具と同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】飛散防止部材200と駆動部20が落下防止部材100に接続された状態を示す図である。
【
図4】落下防止部材100が下方に垂下した垂下位置P11での固定金具50の側面図である。
【
図6】飛散防止部材200が第一位置P1から第二位置P2に配置された状態のダンプトラック1の背面図である。
【
図8】飛散防止部材200が第一位置P1から第三位置P3に配置された状態のダンプトラック1の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図3を参照して、本発明の車両の一例であるダンプトラック1について、図面を参照して説明する。ダンプトラック1の上側、下側、左側、右側、前側、及び後側は、夫々、
図1の上側、下側、奥側、手前側、右側、及び左側に夫々対応する。
【0017】
図1に示すように、ダンプトラック1は、運転部2、荷台3、複数の車輪6、落下防止部材100、及び飛散防止部材200等を備える。運転部2には、運転席、及びハンドル等が設けられる。荷台3は、運転部2の背部側に設けられる。複数の車輪6は、運転部2、及び荷台3の底部側に配設される。
【0018】
荷台3は前後方向に長い長方形の箱状である。荷台3は、前後方向へ長い矩形状の底板を備える。底板の左右の両端縁には、一対の側壁41、41が立設されている。側壁41、41は、所定高さでダンプトラック1の前後方向に延びる矩形の壁である。底板の運転部2側の縁には、前壁42が立設されている。底板の後側の縁には、可動後壁43が立設されている。前壁42及び可動後壁43は、ダンプトラック1の左右方向に延びる矩形の壁である。
【0019】
荷台3では、図示しない昇降機により荷台3の運転部2側が上下動可能である。荷台3の運転部2側の上昇に伴い、荷台3は、後方に向けて傾斜する。可動後壁43は、その上縁近傍に設けられた回転軸431周りに揺動する。この場合、可動後壁43と底板と側壁41、41の後端との間に開口が形成される。この状態で、荷台3に積載された土砂等の積載物が、可動後壁43と底板と側壁41、41とで形成された開口から外部へ排出される。
【0020】
図1及び
図2に示すように、一対の落下防止部材100、100は、ダンプトラック1の荷台3の一対の側壁41、41に夫々設けられ、荷台3に積載された積載物が荷台3から落下するのを防止する。
図1及び
図2は、落下防止部材100が起動されておらず、落下防止部材100が、側壁41、41の外側に垂れ下がった状態を示している。落下防止部材100、100は、左右対称の構造となる。以下の説明では、ダンプトラック1の右側の落下防止部材100のみを説明し、左側の落下防止部材100の説明を省略する。
【0021】
図1に示すように、落下防止部材100は、フレーム部材110、支持部材115、115、及びシート120等を備える。フレーム部材110は、荷台3の側壁41の外面上縁の固定部117、118に取り付けられている。固定部117は、側壁41の前上端に設けられる。固定部118は、側壁41の後上端に設けられる。
【0022】
フレーム部材110は、棒材111、112、及び支持部材115を四辺とした枠体を構成する。棒材112及び棒材111の前後方向における両端部は、支持部材115、115で夫々連結されている。また、フレーム部材110は、他の連結部材等により前後に長い梯子状となる。
【0023】
フレーム部材110の右面には、前後方向に長い矩形のシート120が着脱可能に取り付けられている。シート120は、一例として紐119等でフレーム部材110に縛り付けられる。
【0024】
図3に示すように、駆動部20は、側壁41の前側に設けられる。駆動部20は、モータ23、及びギアボックス22等で構成される。モータ23の図示しない駆動軸は、ギアボックス22に接続される。ギアボックス22は、モータ23の駆動軸と直交する方向(前後方向)に延びる駆動軸21に接続され、駆動軸21に駆動力を伝達する。また、ギアボックス22はモータ23の駆動軸の回転を減速してトルクを増大させる。モータ23は、ギアボックス22を駆動することで、駆動軸21を回動する。
【0025】
駆動軸21の後端部は、固定部117に固定される。ここで、固定部117には、支持部材115の基端部が固定される。これにより、前側の支持部材115は、駆動軸21を中心として回動可能となる。一方、固定部118には、後側の支持部材115の基端部が回動可能に固定される。固定部118は、駆動軸21の軸線上に配置される。故に、後側の支持部材115は、駆動軸21を中心に回動可能に支持される。
【0026】
モータ23の正逆駆動により、駆動軸21が正逆回転する。この場合、前側の支持部材115が駆動軸21と共に回動する。これに連動して、後側の支持部材115も回動する。故に、フレーム部材110は、駆動軸21を中心として正逆回動する。
【0027】
図6に示すように、飛散防止部材200、200は、落下防止部材100が起動され且つ荷台3に対向して配置された状態で、荷台3に積載された積載物の飛散を防止する。飛散防止部材200、200は、後述の固定金具50を介して落下防止部材100、100に夫々連結される。飛散防止部材200は、左右対称の構造である。以下の説明では、右側の飛散防止部材200のみを説明し、左側の飛散防止部材200の説明は省略する。
【0028】
図1に示すように、飛散防止部材200は、二つの支持部材211、211、二つの中空部材213、213、及びシート220等を備える。二つの支持部材211、211は、棒状の部材である。二つの支持部材211、211の基端部は、夫々、中空部材213、213に固定される。中空部材213、213は、前後方向に延びる筒状であり、内部が中空である。中空部材213と支持部材211とは、両者でT字の形状を構成する。前側の中空部材213は、前側の支持部材115に固定された固定金具50に回動可能に取り付けられる。後側の中空部材213は、後側の支持部材115に固定された固定金具50に回動可能に取り付けられる。詳細は後述する。
【0029】
シート220は、二つの支持部材211の間に着脱可能に被覆される。シート220の前端は、前側の支持部材211にゴム紐215で縛り付けられる。シート220の後端は、後側の支持部材211にゴム紐215で縛り付けられる。シート220は、二つの支持部材211と共に回動可能である。
【0030】
次に、
図1、
図4、
図5を参照して、固定金具50について説明する。
図1に示す二つの固定金具50、50は、落下防止部材100に、飛散防止部材200を回動可能に連結する。二つの固定金具50、50は、落下防止部材100の支持部材115、115に夫々固定される。以下の説明では、
図4、
図5を参照して、一つの固定金具50についてのみ詳細に説明を行う。ここで、固定金具50の向きは、落下防止部材100の回動に伴い変更する。このため、
図4、
図5に示す上下、前後、左右を用いて固定金具50について説明する。
【0031】
固定金具50は、固定板51、第一側板52F、第二側板52R、第一軸53、及び規制部材55等を備える。固定板51は、矩形状の金属製の板部材である。固定板51は、落下防止部材100の所定の高さの位置に固定される。より詳細には、固定板51は、支持部材115の中央部に固定される。また、固定板51は、支持部材115の右側に配置される。つまり、固定板51は、落下防止部材100が荷台3に向けて、駆動軸21を中心に回動する側(以下、「回動方向側」ともいう。)に固定される。
【0032】
固定板51の上端部には二つの挿通孔510U、510Uが設けられる。また、固定板51の下端部には二つの挿通孔510D、510Dが設けられる。これらの挿通孔510U、510Dは、固定板51を左右方向に貫通する。挿通孔510U、510Uが固定板51の上端部で前後に並ぶ。挿通孔510D、510Dが固定板51の下端部で前後に並ぶ。以下、固定板51に直交する方向(
図5では左右方向)を「第一方向」ともいう。
【0033】
U字ボルト511U、511Dにより固定板51が落下防止部材100の支持部材115に固定される。固定板51が支持部材115に当接した状態で、U字ボルト511Uは、支持部材115の左方から固定板51の挿通孔510U、510Uに挿通される。この状態で、U字ボルト511Uに対して、ワッシャ513、513を介してナット512、512が締め付けられる。同様に、U字ボルト511Dは、固定板51が支持部材115に当接した状態で、支持部材115の左方から固定板51の挿通孔510D、510Dに挿通される。この状態で、U字ボルト511Dに対して、ワッシャ513、513を介してナット512、512が締め付けられる。これにより、固定板51は、支持部材115に固定される。
【0034】
第一側板52Fと第二側板52Rとは、固定板51の回動方向側に配置される。固定板51の回動方向側の面を「表面」ともいい、固定板51の回動方向側とは反対側の面を「裏面」ともいう。第一側板52Fと第二側板52Rは、固定板51の表面から立設される。第一側板52Fと第二側板52Rは、矩形状である。第一側板52Fと第二側板52Rは、同じ部材である。第一側板52Fは、固定板51の前後方向のうち前側の端部に配置される。第二側板52Rは、固定板51の前後方向のうち後側の端部に配置される。つまり、第二側板52Rは、第一側板52Fに対して、前後方向(以下、後述する「第一軸53の延設方向」ともいう)に所定間隔を空けて、固定板51の表面から立設される。
【0035】
第一側板52Fの左端部には、軸受孔521Fが設けられる。軸受孔521Fは、第一側板52Fを前後方向に貫通する。第一側板52Fの右端部には、第一スリット522Fが設けられる。第一スリット522Fは、上下方向に延びる矩形状である。第一スリット522Fは、第一側板52Fを前後方向に貫通する。第一スリット522Fは、第一側板52Fのうち軸受孔521Fに対して固定板51とは反対側に設けられる。以下、第一スリット522Fが延びる方向(
図5では上下方向)を「第二方向」ともいう。第二方向は、第一方向及び第一軸53の延設方向に夫々直交する方向である。
【0036】
第二側板52Rの左端部には、軸受孔521Rが設けられる。軸受孔521Rは、第二側板52Rを前後方向に貫通する。第二側板52Rの右端部には、第二スリット522Rが設けられる。第二スリット522Rは、第二方向に延びる矩形状である。第二スリット522Rは、第二側板52Rを前後方向に貫通する。第二スリット522Rは、第二側板52Rのうち軸受孔521Rに対して固定板51とは反対側に設けられる。
【0037】
第一軸53は前後方向に延びる円筒状の軸部材である。つまり、第一軸53の延設方向は前後方向である。第一軸53の前後方向の両端部が軸受孔521F、521Rに配置される。つまり、第一軸53は、第一側板52Fと第二側板53Fとに支持されて第一側板52Fと第二側板52Rとの間に延びる。第一軸53の後端部には、頭部534が設けられる。頭部534は、軸受孔521F、521Rの内径より大きい外径を有する。頭部534は、後側の第二側板52Rの軸受孔521Rに溶接して固定される。このため、頭部534は、第一軸53の前方への移動が規制される。
【0038】
第一軸53の前端部には、ワッシャ531Fが挿通される。ワッシャ531Fは、第一側板52Fに前方から当接する。第一軸53の前端には、貫通穴533が設けられる。貫通穴533は、ワッシャ531Fの前側に配置される。貫通穴533には、抜止めピン532が挿通される。抜止めピン532は、第一側板52Fと第二側板52Rから第一軸53が後方に抜出することを防止する。
【0039】
ここで、第一軸53には中空部材213が挿通される。故に中空部材213は、第一軸53を中心として回動可能である。この場合、中空部材213の後端は、ワッシャ531Rの前面が当接する。また、中空部材213の前端は、第一側板52Fに対して所定の距離だけ僅かに離間する。なお、中空部材213の前端と第一側板52Fとの間はグリスなどで摩擦が低減されてもよい。支持部材211と共に中空部材213が第一軸53を中心に回動可能である。故に、飛散防止部材200は、第一軸53を中心として回動する。
【0040】
規制部材55は、第一軸53の延設方向に延びる矩形状の板状である。規制部材55は、第一スリット522Fと第二スリット522Rとに挿通固定される。規制部材55の第二方向の幅は、第一スリット522Fと第二スリット522Rの第二方向の開口幅の約1/3程度である。これにより、第一スリット522Fと第二スリット522Rには、第二方向に並んで複数の規制部材55が挿通固定可能となる。
【0041】
また、規制部材55の第一方向における厚みは、第一スリット522F及び第二スリット522Rの開口幅と略同じ又は僅かに厚い。従って、規制部材55は、第一スリット522Fと第二スリット522Rに挿通された場合に位置固定される。
【0042】
規制部材55は、飛散防止部材200の中空部材213が第一軸53を中心に回動した場合、支持部材211に当接する。規制部材55が第一軸53を中心に回動する支持部材211に当接することで、固定金具50は、飛散防止部材200の回動を規制する。
【0043】
次に、
図1、
図2、
図6~
図9を参照して、落下防止部材100、100及び飛散防止部材200、200の動作について説明する。
図6、
図7の説明では、固定金具50の第一スリット522F、第二スリット522Rに、一つの規制部材55が挿通固定されている場合を想定する。
図8、
図9の説明では、固定金具50の第一スリット522F、第二スリット522Rに、二つの規制部材55が挿通固定されている場合を想定する。なお、
図1又は
図6、
図8の破線で示す落下防止部材100、100の位置を、垂下位置P11ともいう。また、
図1又は
図6、
図8の破線で示す飛散防止部材200、200の位置を、第一位置P1ともいう。
【0044】
図6、
図7を参照して、一つの規制部材55を使用した場合を説明する。
図1、
図2に示す状態で、例えば作業者は、荷台3へ土砂等の積載物を積載する。荷台3への積載物の積載が完了すると、作業者は、落下防止部材100、100の駆動部20、20を正駆動させる(
図6の矢印A2参照)。この場合、落下防止部材100、100は、
図1及び
図2に示す状態から
図6に示す状態に駆動軸21、21周りに回動する。この場合、飛散防止部材200、200は、落下防止部材100、100と共に、第一位置P1、P1から荷台3へ向けて回動する。
図6に示す状態では、落下防止部材100、100は、上向へ起立した後、やや荷台3側へ傾斜した停止位置P12、P12まで回動して停止する。
【0045】
ここで、前側と後側の固定金具50、50に連結された支持部材211、211は、夫々、自重により第一軸53、53を中心として荷台3へ向けて回動を開始する。この場合、
図7に示すように、支持部材211、211の基端部は、固定金具50、50の規制部材55、55に上方から当接する。従って、飛散防止部材200、200の支持部材211、211は、固定金具50、50の規制部材55、55により回動を規制された第二位置P2に配置される。故に、飛散防止部材200、200は、荷台3に積載された積載物に対して所定の位置で飛散防止できる。
【0046】
積載物の搬送及び処理等が完了した後、作業者は、駆動部20、20を逆駆動させて(
図6の矢印A1参照)、落下防止部材100、100を駆動軸21、21周りに逆駆動させる。その後、落下防止部材100、100は、
図1、
図2に示す下方に垂下した垂下位置P11まで回動される。この場合、飛散防止部材200、200は、第一位置P1、P1まで回動される。
【0047】
図8、
図9を参照して、二つの規制部材55を使用した場合を説明する。以下の説明では、
図6、
図7の動作と同様の動作については説明を省略又は簡略化する。第一スリット522Fと第二スリット522Rには、第二方向に並んで二つの規制部材55が挿通固定される。
【0048】
荷台3への積載物の積載が完了すると、作業者は、落下防止部材100、100の駆動部20、20を正駆動させる(
図7の矢印A2参照)。この場合、落下防止部材100、100は、垂下位置P11、P11から回動して停止位置P12、P12で停止する。
【0049】
支持部材211、211は、自重により第一軸53、53を中心として荷台3へ向けて回動を開始する。この場合、支持部材211、211の基端部は、二つの規制部材55、55のうち上側の規制部材55に上方から当接する。この場合、飛散防止部材200、200の支持部材211、211は、規制部材55、55により回動を規制された第三位置P3に配置される。これにより、飛散防止部材200、200は、荷台3に積載された積載物に対して所定の位置で飛散防止できる。
【0050】
このように、一つの固定金具50に対して、二つの規制部材55を使用した場合には、一つの規制部材55を使用した場合に比べて、荷台3に対する角度をより大きく保つことができる。作業者は、荷台3の積載量に応じて規制部材55の数を調整することで、荷台3の積載物に対して所望の位置にシート220を配置することが可能となる。
【0051】
積載物の処理等が完了した後には、作業者は、駆動部20、20を逆駆動させる(
図8の矢印A1参照)。この場合、フレーム部材110、110は、駆動軸21、21周りに逆駆動させる。これにより、落下防止部材100、100は、垂下位置P11、P11まで回動する。飛散防止部材200、200は、第一位置P1、P1まで回動する。
【0052】
なお、図示しないが、第一スリット522F及び第二スリット522Rに、規制部材55を挿通固定せずに固定金具50を使用した場合、飛散防止部材200は、荷台3に積載された積載物に当接するまで回動する。この場合、飛散防止部材200と積載物との隙間がほぼなくなるので、より飛散防止の効果が高まる。一方、規制部材55を一又は複数挿通固定した場合、飛散防止部材200が荷台3の積載物に接触する場合としない場合がある。飛散防止部材200が積載物に当接する場合、規制部材55を挿通せずに使用した場合と同様に飛散防止の効果が高まる。一方、飛散防止部材200が積載物に当接せず、積載物に対して所定の距離を有している場合、飛散防止部材200に積載物が付着しにくい。このため、飛散防止部材200を第一位置P1に移動させた場合に、飛散防止部材200に付着した積載物が落下して作業場が汚れることがない。作業者は、積載物の種類に応じて当接させる又は当接しない状態を使い分けるとよい。
【0053】
以上、説明したように、固定金具50は、落下防止部材100に、飛散防止部材200をダンプトラック1の前後方向に延設される第一軸53周りに回動可能に固定する。落下防止部材100は、ダンプトラック1の荷台3に積載された積載物が荷台3の側壁41から落下するのを防止する。飛散防止部材200は、荷台3に積載された積載物の飛散を防止する。固定金具50は、固定板51と第一側板52Fと第二側板52Rと第一スリット522Fと第二スリット522Rと規制部材55とを備える。固定板51は、落下防止部材100の所定の位置に裏面が固定される。第一側板52Fは、固定板51の表面から立設される。第二側板52Rは、第一側板52Fに対して、第一軸53の延設方向に所定間隔を空けて、固定板51の表面から立設される。第一軸53は、第一側板52Fと第二側板53Fとに支持されて第一側板52Fと第二側板52Rとの間に延びる。第一側板52Fは、第一軸53に対して固定板51とは反対側に設けられた第一スリット522Fを備える。第二側板52Rは、第一軸53に対して固定板51とは反対側に設けられた第二スリット522Rを備える。規制部材55は、第一スリット522Fと第二スリット522Rとに挿通固定され、飛散防止部材200の回動を規制する。
【0054】
上記固定金具50では、落下防止部材100が左右方向に互いに対向して停止する停止位置P12まで回動方向に駆動軸21を中心に回動したとき、規制部材55は、荷台3の積載物に向けて第一軸53を中心に回動する飛散防止部材200に対して、下方から当接して回動を規制する。例えば、寸法が異なる規制部材55を挿通することで、規制部材55で飛散防止部材200の回動を防止する位置が調整される。故に、作業者は、所望の位置で荷台3の積載物の飛散を防止できる。また、固定金具50は、前後方向の幅を短くできるので、小型化が容易である。故に、固定金具50は、従来品に比して軽量化できる。このため、飛散防止部材200を駆動するモータ23の負荷が低減される。また、固定金具50は小型化できるので、固定金具50は、従来品に比して、コストダウンも可能である。
【0055】
第一スリット522Fと第二スリット522Rには、固定板51に直交する第一方向及び第一軸53の延設方向に夫々直交する第二方向に並んで複数の規制部材55が挿通固定可能である。固定金具50は、第一スリット522Fと第二スリット522Rに複数の規制部材55を挿通固定することで、飛散防止部材200の回動を規制する位置を調整できる。
【0056】
第一スリット522F及び第二スリット522Rは、固定板51に直交する第一方向及び第一軸53の延設方向に夫々直交する第二方向に延びる矩形状である。規制部材55は、板状である。ユーザは、板状である規制部材55を把持しやすく、第一スリット522F、第二スリット522Rに挿通しやすい。故に、規制部材55は取り扱いが容易である。
【0057】
飛散防止部材200は、中空部材213と支持部材211とを備える。中空部材213には、第一軸53が挿通される。中空部材213は、第一軸53を中心として回動可能である。支持部材211は、中空部材213に接続される。規制部材55は、支持部材211と共に中空部材213が第一軸53を中心に回動した場合、支持部材211に当接可能である。固定金具50は、規制部材55に中空部材213に接続された支持部材211が当接することで、飛散防止部材200の回動を規制する。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。上記実施形態及び下記変形例に開示された技術は、矛盾しない範囲で組み合わせてよい。例えば、ダンプトラック1は、単なるトラック、又は荷台付きの車等の車両でもよい。
【0059】
上記実施形態では、落下防止部材100は、シート120により荷台3の積載物の落下を防止したがこれに限らない。例えば、シート120の代わりに、ネット等が使用されてもよいし、板部材が使用されてもよい。
【0060】
上記実施形態では、フレーム部材110は、棒材111、112、支持部材115、115で構成されたがこれに限らない。フレーム部材110の構成は適宜変更してよい。シート120を設置可能であればよい。
【0061】
上記実施形態では、落下防止部材100は、二つの支持部材115を備えたがこれに限らない。支持部材115は、三以上設けられてもよい。これに応じて、三つ以上の固定金具50が固定されてもよい。
【0062】
上記実施形態では、飛散防止部材200は、シート220により荷台3の積載物の飛散を防止したがこれに限らない。例えば、シート220の代わりに、ネット等が使用されてもよいし、板部材が使用されてもよい。
【0063】
上記実施形態では、飛散防止部材200は、二つの支持部材211、211により構成されたがこれに限らない。支持部材211は、三つ以上設けられてもよい。
【0064】
上記実施形態では、固定金具50は、支持部材115の中央部に取り付けられたがこれに限らない。例えば、支持部材115に対する固定金具50の固定位置は適宜変更してもよい。例えば、支持部材115の中央部ではなく、基端部側に取り付けてもよいし、基端部とは反対側の端部に取り付けてもよい。また、固定金具50は、支持部材115以外の落下防止部材100の所定の位置に固定されてもよい。落下防止部材100に対する飛散防止部材200の角度が適宜変更されればよい。
【0065】
上記実施形態では、固定金具50には、支持部材211が接続された中空部材213が取り付けられたがこれに限らない。例えば、固定金具50は、中空部材213と支持部材211が一体であってもよい。この場合、飛散防止部材200は、例えば筒状の棒部材がシート220を支持し、筒状の棒部材を固定金具50側の支持部材211に挿通して固定されてもよい。
【0066】
上記実施形態では、固定板51は、矩形状であったがこれに限らない。固定板51は、円形等の他の形状であってもよい。固定金具50の他の部材が配置可能であればよい。
【0067】
上記実施形態では、固定板51は、U字ボルト511U、511D等で支持部材115に締結されたがこれに限らない。例えば、固定板51は、支持部材115にねじ止めしてもよい。
【0068】
上記実施形態では、第一側板52Fと第二側板52Rの形状は同じであったがこれに限らない。第一側板52Fと第二側板52Rの形状は互いに異なってもよい。第一側板52Fと第二側板52Rの形状は適宜変更してよい。
【0069】
上記実施形態では、第一側板52Fが固定板51の前方に配置され、第二側板52Rが固定板51の後方に配置されたがこれに限らない。第一側板52Fが後方に配置され、第二側板52Rが前方に配置されてもよい。
【0070】
上記実施形態では、第一軸53が軸受孔521Rに溶接して固定されたがこれに限らない。例えば、第一軸52は回動可能に取り付け可能であってもよい。第一側板52Fと第二側板52Rには第一軸53を回動可能に支持する軸受けが設けられてもよい。この場合、中空部材213は不要となり、支持部材211の基端部が第一軸53に直接固定されてもよい。
【0071】
第一軸53の後側は頭部534により移動を規制され、第一軸53の前側は抜止めピン532により移動を規制されたがこれに限らない。例えば、第一軸53の前側にも頭部534が取り付け可能であってもよい。また、第一軸53には、頭部534、抜止めピン532は設けられず、単なる棒状又は筒状であってもよい。
【0072】
上記実施形態では、第一軸53の頭部534が軸受孔521Rに対して溶接して固定されたがこれに限らない。例えば、第一軸53の前端部も軸受孔521Fに溶接して固定されていてもよい。第一軸53の前端部のみが軸受孔521Fに溶接して固定されてもよい。
【0073】
上記実施形態では、第一スリット522Fと第二スリット522Rとが第二方向に延びる矩形状であったがこれに限らない。例えば第一側板52Fと第二側板52Rには、第二方向に並んで複数の矩形状のスリットが形成されてもよい。この場合、作業者は、飛散防止部材200の回動を規制したい位置に応じたスリットを選択して、規制部材55を挿通固定してもよい。
【0074】
また、第一スリット522Fと第二スリット522Rの形状は適宜変更してよい。例えば、規制部材55が円筒状である場合、その形状に応じた形状とすればよい。更に、円状の規制部材55を複数挿通可能とする為に、円筒状のスリットが第二方向に並んで複数設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態では、3つの規制部材55が第一スリット522Fと第二スリット522Rとに挿通可能であったがこれに限らない。例えば、三つ以上の規制部材55が挿通されてもよい。例えば、規制部材55の第二方向の長さをより短くしてもよい。この場合、より詳細に飛散防止部材200の角度を調整できる。
【0076】
上記実施形態では、規制部材55の後端部551の第一方向における厚みは、スリットの第一方向の開口幅と略同じ又は僅かに厚かったがこれに限らない。例えば、
図10に示す固定金具50Aが使用されてもよい。固定金具50Aの規制部材55Aでは、第一軸53の延設方向において、前側から後側に向かうにつれて、後側における第一方向の厚みが、第一スリット522F及び第二スリット522Rの第一方向の開口幅よりも厚くなってもよい。規制部材55Aは、例えば第一スリット522F及び第二スリット522Rに前後方向の後側から挿通される。この場合、前後方向の後側に配置された第二スリット522Rが規制部材55Aの後端部551Aに当接する。これにより、規制部材55Aの前後方向の前側への移動が防止される。故に、固定金具50Aは規制部材55Aが前後方向の前側に抜けることを防止できる。
【0077】
また、固定金具50の規制部材55の代わりに、
図11に示す固定金具50Bの規制部材55Bが使用されてもよい。規制部材55Bは、矩形状の後端部551Bを備える。規制部材55Bの後端部551Bは、第一方向の厚みL3が第一スリット522F及び第二スリット522Rの開口幅L1よりも厚い。この場合でも、固定金具50Bは、規制部材55Bが前側に抜けることを防止できる。
【0078】
上記実施形態では、少なくとも一つの規制部材55が第一スリット522Fと第二スリット522Rに挿通固定されたがこれに限らない。例えば、第二方向の幅が異なる複数の規制部材55の何れかが挿通固定されてもよい。固定金具50は、第二方向の長さが異なる規制部材55を第一スリット522Fと第二スリット522Rとに挿通固定することで、飛散防止部材200の回動を規制する位置を調整できる。
【0079】
上記実施形態では、飛散防止部材200を第二位置P2に配置するために規制部材55が一つ使用されたがこれに限らない。例えば、第一スリット552Fと第二スリット522Rには、第二方向の長さが半分の規制部材55が二つ挿通固定されてもよい。この場合でも、飛散防止部材200は、第二位置P2に配置される。つまり。規制部材55の第二方向の長さ及び規制部材55の使用される数は、適宜変更されてよい。
【0080】
上記実施形態では、飛散防止部材200を第三位置P3に配置するために規制部材55が二つ使用されたがこれに限らない。例えば、第一スリット552Fと第二スリット522Rには、第二方向の長さが約倍の規制部材55が一つ挿通固定されてもよい。この場合でも、飛散防止部材200は、第三位置P3に配置される。規制部材55の第二方向の長さ及び規制部材55の使用される数は、適宜変更されてよい。
【0081】
上記実施形態では、規制部材55は、板状であったがこれに限らない。例えば、規制部材55は、円筒状の部材であってもよい。これに併せて、第一スリット522Fと第二スリット522Rの形状が決定されればよい。
【0082】
上記実施形態では、固定金具50は、少なくとも第一軸53と規制部材55とを備えたがこれに限らない。例えば、固定金具50は、第一軸53と規制部材55を備えていなくてもよい。固定金具50の製造販売時には、第一軸53と規制部材55の少なくとも何れか一つがない状態で製造販売されてもよい。つまり、製造販売時には、固定金具50の備える部材は適宜省略された状態で製造販売してよい。
【0083】
上記実施形態では、中空部材213の後端は、ワッシャ531Rに回動可能に当接したがこれに限らない。例えば、中空部材213の前端にもワッシャが当接してもよい。
【0084】
ダンプトラック1は本発明の「車両」の一例である。前後方向の前側は本発明の「一方側」の一例である。前後方向の後側は本発明の「他方側」の一例である。支持部材211は本発明の「接続部材」の一例である。
【符号の説明】
【0085】
1 ダンプトラック
3 荷台
23 モータ
41 側壁
50 固定金具
51 固定板
52F 第一側板
52R 第二側板
53 第一軸
522F 第一スリット
522R 第二スリット
55 規制部材
100 落下防止部材
200 飛散防止部材
213 中空部材
211 支持部材
L1 開口幅