(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079092
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B41J2/175 131
B41J2/175 111
B41J2/175 121
B41J2/175 175
B41J2/175 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191814
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】川北 彬広
(72)【発明者】
【氏名】吉本 久晃
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA26
2C056EB20
2C056EB21
2C056EB34
2C056EB38
2C056EB54
2C056EC15
2C056EC17
2C056EC36
2C056EC40
2C056EC46
2C056KB15
2C056KB37
(57)【要約】
【課題】循環後のタンクの液体残量を循環前のタンクの液体残量に近付けることに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供する。
【解決手段】液体供給システムは、プリンタタンクとサーバタンクとを接続する管と、供給動作と戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備える。制御部は、供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる循環処理を行う(S16)。増加タンクは、サーバタンクおよびプリンタタンクのうち循環処理の前から後で液体の残量が増えるタンクである。減少タンクは、サーバタンクおよびプリンタタンクのうち循環処理の前から後で液体の残量が減るタンクである。制御部は、循環変化量の2倍の量未満の補正量の液体を増加タンクから減少タンクに送る補正処理を行う(S17)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化する量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理と
を行うことを特徴とする液体供給システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記補正処理において、前記循環変化量以下の前記補正量の前記液体を前記増加タンクから前記減少タンクに送る
ことを特徴とする請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記補正処理において、あらかじめ決められた前記補正量の前記液体を、前記増加タンクから前記減少タンクに送る
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記循環処理において、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を検知するセンサからの信号に基づいて、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させ、
前記液体供給システムは、
前記センサが設けられる前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体を撹拌する撹拌部を備え、
前記制御部は、
前記撹拌部の動作を制御する処理であって、前記循環処理が行われる場合、前記撹拌部による撹拌速度を低下させ、または前記撹拌部の動作を停止させる撹拌制御処理を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記循環処理が行われた場合、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を検知するセンサからの信号に基づいて、前記循環変化量を算出する算出処理を行い、
前記制御部は、
前記補正処理において、前記算出処理によって算出された前記循環変化量に基づく前記補正量の前記液体を、前記増加タンクから前記減少タンクに送る
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記算出処理において、前記循環処理の後、所定時間が経過した場合に、前記センサからの前記信号に基づいて、前記循環変化量を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の液体供給システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記循環処理の前に、前記センサからの前記信号に基づいて、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を循環前残量として記憶する記憶処理を行い、
前記制御部は、
前記循環処理において、前記センサからの前記信号に基づいて、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が、前記記憶処理によって記憶された前記循環前残量に基づく対象残量になるまで、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとの間で前記管を介して前記液体が流れる単位時間当たりの量が第一量となる前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させ、
前記補正処理において、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとの間で前記管を介して前記液体が流れる単位時間当たりの量が前記第一量よりも少ない第二量となる前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる
ことを特徴とする請求項5に記載の液体供給システム。
【請求項8】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御方法は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理と
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御プログラムは、前記コンピュータに、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理と
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理と
を行うことを特徴とする液体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタに液体を供給する液体供給システムが知られている。特許文献1に記載の液体供給システムはメインタンクとプリンタとを備える。メインタンクには液体の一種としてインクが収容される。プリンタはサブタンクを備える。サブタンクはメインタンクチューブを介してメインタンクに接続される。液体供給システムはメインタンクからサブタンクにメインタンクチューブを介してインクを供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記液体供給システムでは、インクの温度分布、濃度分布等の状態が不均一となる可能性を抑制するため、メインタンクとサブタンクとの間でメインタンクチューブを介してインクを循環させることが考えられる。この場合、循環後のメインタンクの実際のインク残量が、循環前のメインタンクのインク残量から変化し、循環後のサブタンクの実際のインク残量が、循環前のサブタンクのインク残量から変化する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、循環後のタンクの実際の液体残量を循環前のタンクの液体残量に近付けることに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る液体供給システムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化する量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理とを行うことを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、補正量が循環変化量の2倍の量未満なので、循環処理と補正処理と含む処理の前のサーバタンクまたはプリンタタンクの液体の残量から、循環処理と補正処理とを含む処理の後のサーバタンクまたはプリンタタンクの液体の残量の変化量は、循環変化量未満となる。よって、制御部は、循環後のタンクの実際の液体残量を循環前のタンクの液体残量に近づけることに貢献する。
【0008】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記補正処理において、前記循環変化量以下の前記補正量の前記液体を前記増加タンクから前記減少タンクに送ってもよい。
【0009】
この場合、制御部は、補正量が循環変化量よりも大きい場合に比べて、補正処理にかかる時間を短くすることに貢献する。
【0010】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記補正処理において、あらかじめ決められた前記補正量の前記液体を、前記増加タンクから前記減少タンクに送ってもよい。
【0011】
この場合、補正処理では、補正処理のたびに補正量を算出することなく、一定量の液体が増加タンクから減少タンクに送られる。よって、制御部は、簡易な制御で、循環後のタンクの実際の液体残量を循環前のタンクの液体残量に近づけることに貢献する。
【0012】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記循環処理において、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を検知するセンサからの信号に基づいて、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させ、前記液体供給システムは、前記センサが設けられる前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体を撹拌する撹拌部を備え、前記制御部は、前記撹拌部の動作を制御する処理であって、前記循環処理が行われる場合、前記撹拌部による撹拌速度を低下させ、または前記撹拌部の動作を停止させる撹拌制御処理を行ってもよい。
【0013】
この場合、撹拌部による撹拌速度の低下または撹拌動作の停止によって、サーバタンクまたはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなる。これにより、センサによって検知された液体の残量と、サーバタンクまたはプリンタタンクの実際の液体の残量との間の誤差が小さくなる。よって、制御部は、循環処理において、センサからの信号に基づいて送液機構を正確に制御することに貢献する。
【0014】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記循環処理が行われた場合、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクに設けられ、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を検知するセンサからの信号に基づいて、前記循環変化量を算出する算出処理を行い、前記制御部は、前記補正処理において、前記算出処理によって算出された前記循環変化量に基づく前記補正量の前記液体を、前記増加タンクから前記減少タンクに送ってもよい。
【0015】
この場合、第一の循環処理の循環変化量と第二の循環処理の循環変化量が異なる量だとしても、それぞれの循環変化量に応じた補正量が、増加タンクから減少タンクに送られる。よって、制御部は、循環変化量が変わったとしても、循環後のタンクの実際の液体残量を循環前のタンクの液体残量に近づけることに貢献する。
【0016】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記算出処理において、前記循環処理の後、所定時間が経過した場合に、前記センサからの前記信号に基づいて、前記循環変化量を算出してもよい。
【0017】
この場合、循環処理の後、所定時間が経過すると、循環処理によるサーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなる。サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなると、サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが大きい場合に比べて、センサの検知精度が高くなりやすい。よって、制御部は、循環変化量を正確に算出することに貢献する。
【0018】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記循環処理の前に、前記センサからの前記信号に基づいて、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量を循環前残量として記憶する記憶処理を行い、前記制御部は、前記循環処理において、前記センサからの前記信号に基づいて、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が、前記記憶処理によって記憶された前記循環前残量に基づく対象残量になるまで、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとの間で前記管を介して前記液体が流れる単位時間当たりの量が第一量となる前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させ、前記補正処理において、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとの間で前記管を介して前記液体が流れる単位時間当たりの量が前記第一量よりも少ない第二量となる前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させてもよい。
【0019】
サーバタンクとプリンタタンクとの間で管を介して液体が流れる単位時間当たりの量が小さいほど、サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなる。このため、サーバタンクとプリンタタンクとの間で管を介して液体が流れる単位時間当たりの量が第一量となる場合よりも、サーバタンクとプリンタタンクとの間で管を介して液体が流れる単位時間当たりの量が第二量となる場合の方が、サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなる。サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが小さくなると、サーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の揺れが大きい場合に比べて、センサの検知精度が高くなりやすい。よって、制御部は、補正処理において、増加タンクから減少タンクに実際に送られる液体の量を、補正量に近づけることに貢献する。
【0020】
本発明の第二態様に係る制御方法は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御方法は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理とを備えたことを特徴とする。
【0021】
第二態様は第一態様と同様の効果を奏する。
【0022】
本発明の第三態様に係る制御プログラムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御プログラムは、前記コンピュータに、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理とを実行させることを特徴とする。
【0023】
第三態様は第一態様と同様の効果を奏する。
【0024】
本発明の第四態様に係る液体供給装置は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる処理であって、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が前記循環処理の前から後で変化した量である循環変化量の2倍の量未満の補正量の前記液体を、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が増える増加タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記循環処理の前から後で前記液体の残量が減る減少タンクに送る補正処理とを行うことを特徴とする。
【0025】
第四態様は第一態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】液体供給システム100の流路構成図である。
【
図2】プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】液体供給装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】循環処理および補正処理におけるサーバ残量の変化を示す図である。
【
図9】時間に対するサーバ残量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<液体供給システム100の概略構成>
【0028】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給システム100を説明する。
図1に示すように、液体供給システム100は複数のプリンタ1と、液体供給装置2とを含む。液体供給システム100は、液体供給装置2から複数のプリンタ1のそれぞれに、液体として例えばインクを供給する。
【0029】
複数のプリンタ1の個数は特定の個数に限定されないが、例えば一つの液体供給装置2に対してプリンタ1A、1B、1C、1Dの四つが接続される。プリンタ1は例えばインクジェットプリンタであり、印刷媒体(図示略)にインクを吐出し、印刷を行う。印刷媒体は布、紙等であり、例えばTシャツである。
【0030】
インクは例えば白(W)、黒(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、またはマゼンタ(M)である。以下では、5色のインクのうち白色のインクを「白インク」といい、黒、シアン、イエロー、およびマゼンタの4色のインクを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「カラーインク」という。
【0031】
白インクは画像の白色を表す部分として、またはカラーインクの下地として印刷に用いられる。カラーインクは、印刷媒体上に直接、または白インクによる下地の上に吐出され、カラー画像の印刷に用いられる。
【0032】
<プリンタ1の機械的構成>
【0033】
プリンタ1は
図2に示すプラテン15、キャリッジ13、およびヘッド14を備える。プラテン15は、副走査方向に移動可能に設けられる。プラテン15上には印刷媒体が載置される。キャリッジ13は、主走査方向に移動可能に設けられる。主走査方向は副走査方向と直交する。
【0034】
ヘッド14はキャリッジ13に装着され、キャリッジ13とともに主走査方向に移動する。ヘッド14は、ノズルを含み、ノズルからプラテン15上の印刷媒体に白インクを吐出する。プリンタ1は、ヘッド14の他に、一または複数のヘッド(以下、「他のヘッド」という。)を備える。本実施形態では、他のヘッドの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のヘッドは、白インクに代えてカラーインクを、ノズルからプラテン15上の印刷媒体に吐出する点がヘッド14と異なる。
【0035】
プリンタ1はプリンタタンク17Wを備える。プリンタタンク17Wは、液体供給装置2から白インクの供給を受け、供給された白インクを収容する。プリンタタンク17Wは、管(図示略)を介して
図2に示すヘッド14に接続する。
【0036】
プリンタ1は、プリンタタンク17Wの他に、複数のプリンタタンク(以下、「他のプリンタタンク」という。)を備える。本実施形態では、他のプリンタタンクの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のプリンタタンクは、液体供給装置2から、白インクに代えてカラーインクの供給を受ける点がプリンタタンク17Wと異なる。他のプリンタタンクは、管(図示略)を介して他のヘッドに接続する。
【0037】
図2に示す供給機構184の駆動によってプリンタタンク17Wから
図2に示すヘッド14に管(図示略)を介して白インクが供給される。同様に、他のプリンタタンクから他のヘッドにカラーインクが供給される。
図2に示す主走査モータ181の駆動によってキャリッジ13が主走査方向に移動する。
図2に示す副走査モータ182の駆動によってプラテン15が副走査方向に移動する。これにより、ヘッド14がプラテン15上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動する。
【0038】
ヘッド14がプラテン15上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動しながら、
図2に示すヘッドドライバ183の駆動によってヘッド14がノズルからプラテン15上の印刷媒体に白インクを吐出する。同様に、他のヘッドがノズルからプラテン15上の印刷媒体にカラーインクを吐出する。以上により、プリンタ1は印刷媒体への印刷を行う印刷処理を行う。
【0039】
<液体供給装置2の機械的構成>
【0040】
液体供給装置2はサーバタンク6Wと管8と撹拌機構96とを備える。サーバタンク6Wは複数のプリンタ1外に位置し、白インクを収容する。サーバタンク6Wが白インクを収容可能な容量は一つのプリンタタンク17Wが白インクを収容可能な容量よりも多く、プリンタ1A、1B、1C、1Dのそれぞれのプリンタタンク17Wが収容可能な容量の合計よりも多い。管8はサーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の白インクの流路を構成する。
【0041】
撹拌機構96は例えばプロペラスターラであり、
図3に示す撹拌モータ963の駆動によって、サーバタンク6W内の白インクを撹拌する撹拌動作を行う。本実施形態では、白インクは顔料粒子等の固形成分として、カラーインクに含まれる成分よりも沈降性の高い成分を含む。沈降性の高い成分は例えば酸化チタンである。酸化チタンは比較的比重の高い無機顔料の一種である。白インクは比較的沈降性の高い成分を含むので、白インク内の顔料粒子等の固形成分は沈降しやすい。以下では、白インク内の固形成分が沈降することを、「白インクが沈降する」ともいう。撹拌機構96は撹拌動作を行うことで、サーバタンク6W内において白インクが沈降することを抑制する。
【0042】
なお、液体供給装置2は、サーバタンク6Wの他に、複数のサーバタンク(以下、「他のサーバタンク」という。)を備え、管8の他に、複数の管(以下、「他の管」という。)を備える。本実施形態では、他のサーバタンクおよび他の管の図示を省略し、その説明を簡略化する。
【0043】
他のサーバタンクは、白インクに代えてカラーインクを収容する点がサーバタンク6Wと異なる。他の管は、他のサーバタンクと複数のプリンタ1のそれぞれの他のプリンタタンクとの間のカラーインクの流路を構成する。他の管は、後述の管84、85、86を備えていない点が管8と異なる。なお、本実施形態では、他のサーバタンクには撹拌機構96が設けられていない。
【0044】
<白インクの流路構成>
【0045】
白インクの流路は第一白流路W1と第二白流路W2を含む。なお、
図1は、第一白流路W1を実線で示し、第二白流路W2を破線で示す。第一白流路W1はサーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとを互いに接続する。第二白流路W2はサーバタンク6Wとプリンタ1C、1Dのそれぞれのプリンタタンク17Wとを互いに接続する。
【0046】
第一白流路W1と第二白流路W2では、液体供給装置2からの接続先がプリンタ1A、1Bとプリンタ1C、1Dのいずれであるかが異なる。したがって、以下では、第一白流路W1を説明し、第二白流路W2については第一白流路W1と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0047】
第一白流路W1は、管8として管81、82、83、84、85、86によって構成される。管81はサーバタンク6Wに接続する。管81はサーバタンク6Wから点P1まで延びる。管81は点P1において管82と管83に接続する。
【0048】
管82は点P1から点P2を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって延び、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wに接続する。管83は点P1から点P3を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって延び、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wに接続する。
【0049】
管84は点P2において管82に接続する。管84は点P2から点P4まで延び、点P4において管86に接続する。管85は点P3において管83に接続する。管85は点P3から点P4まで延び、点P4において管86に接続する。管86は点P4からサーバタンク6Wに向かって延び、サーバタンク6Wに接続する。
【0050】
以下では、サーバタンク6Wから管81、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wまでの流路と、サーバタンク6Wから管81、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wまでの流路を、それぞれ、「供給流路」という。供給流路においてサーバタンク6W側を「供給流路上流」といい、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側を「供給流路下流」という。例えば、供給流路の中間地点において、サーバタンク6W側が供給流路上流であり、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側が供給流路下流である。
【0051】
プリンタ1Aのプリンタタンク17Wから管84、管86を介してサーバタンク6Wまでの流路と、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wから管85、管86を介してサーバタンク6Wまでの流路を、それぞれ、「循環流路」という。循環流路においてプリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側を「循環流路上流」といい、サーバタンク6W側を「供給流路下流」という。例えば、循環流路の中間地点において、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側が循環流路上流であり、サーバタンク6W側が循環流路下流である。
【0052】
管82には供給ポンプ20と供給バルブ22とフィルタ24が設けられる。管83には供給ポンプ21と供給バルブ23とフィルタ25が設けられる。供給ポンプ20は点P2よりも供給流路上流に位置する。供給ポンプ21は点P3よりも供給流路上流に位置する。
【0053】
供給ポンプ20、21は、それぞれ、
図3に示すポンプモータ201、211の駆動によって、サーバタンク6Wから管81を介して白インクを吸引する。供給ポンプ20は、
図3に示すポンプモータ201の駆動によって、吸引した白インクを、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって送る。供給ポンプ21は、
図3に示すポンプモータ211の駆動によって、吸引した白インクを、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって送る。
【0054】
以下では、バルブが閉じた状態を「閉状態」といい、バルブが開いた状態を「開状態」という。バルブは、閉状態において、流路を遮断状態にする。バルブは、開状態において、流路を連通状態にする。
【0055】
供給バルブ22は供給ポンプ20よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ23は供給ポンプ21よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ22、23は、それぞれ、
図3に示すソレノイド221、231の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。供給バルブ22は、閉状態において管82を遮断状態にし、開状態において管82を連通状態にする。供給バルブ23は、閉状態において管83を遮断状態にし、開状態において管83を連通状態にする。
【0056】
フィルタ24は供給バルブ22よりも供給流路上流に位置する。フィルタ25は供給バルブ23よりも供給流路上流に位置する。フィルタ24、25は、それぞれ、例えば不織布、織布、樹脂フィルム、または多孔質金属片で構成され、白インクをろ過する。
【0057】
管84には循環ポンプ26と循環バルブ28が設けられる。管85には循環ポンプ27と循環バルブ29が設けられる。循環ポンプ26は、
図3に示すポンプモータ261の駆動によって、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wから、管82のうち点P2よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ27は、
図3に示すポンプモータ271の駆動によって、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wから、管83のうち点P3よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ26、27は、それぞれ、
図3に示すポンプモータ261、271の駆動によって、吸引した白インクを、管86を介してサーバタンク6Wに向かって送る。
【0058】
循環バルブ28は循環ポンプ26よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ29は循環ポンプ27よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ28、29は、それぞれ、
図3に示すソレノイド281、291の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。循環バルブ28は、閉状態において管84を遮断状態にし、開状態において管84を連通状態にする。循環バルブ29は、閉状態において管85を遮断状態にし、開状態において管85を連通状態にする。
【0059】
上記構成において、液体供給システム100は、供給バルブ22および供給バルブ23の一方または両方を開状態にした状態で、供給ポンプ20および供給ポンプ21のうち、開状態にしたバルブに対応する供給ポンプを駆動することで、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタタンク17Wに白インクを供給する。
【0060】
以下では、液体供給システム100がサーバタンク6Wから管8を介してプリンタタンク17Wに向けて白インクを供給する動作を「供給動作」という。本実施形態の供給動作では、液体供給システム100は、サーバタンク6Wから管8を介して複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wに白インクを、並行してまたは複数のプリンタ1の1台ずつ供給できる。つまり、複数のサーバタンク6Wは、それぞれ、複数のプリンタ1のそれぞれへの供給流路において、複数のプリンタ1のそれぞれよりも上流に位置する。
【0061】
供給動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路W1において、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wに向かう白インクの流れを説明する。サーバタンク6Wからプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク6W内から管81、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって流れる(矢印A1参照)。サーバタンク6Wからプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク6W内から管81、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって流れる(矢印A2参照)。
【0062】
液体供給システム100は、循環バルブ28および循環バルブ29の一方または両方を開状態にした状態で、循環ポンプ26および循環ポンプ27のうち、開状態にしたバルブに対応する循環ポンプを駆動することで、プリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクを戻す。
【0063】
以下では、液体供給システム100がプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクを戻す動作を「戻し動作」という。本実施形態の戻し動作では、液体供給システム100は、複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに向けて白インクを、並行してまたは複数のプリンタ1の1台ずつ戻すことができる。
【0064】
戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路W1において、プリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに向かう白インクの流れを説明する。プリンタ1Aのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ1Aのプリンタタンク17W内から管82、点P2、管84、管86を介してサーバタンク6Wに向かって流れる(矢印B1参照)。プリンタ1Bのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ1Bのプリンタタンク17W内から管83、点P3、管85、管86を介してサーバタンク6Wに向かって流れる(矢印B2参照)。
【0065】
管82のうち点P2よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク6Wからプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合と、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。管83のうち点P3よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク6Wからプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合と、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。
【0066】
液体供給システム100は、供給動作と戻し動作の一方の実行後に他方を実行することで、サーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させることができる。液体供給システム100は、供給動作と戻し動作とを交互に繰り返すことで、サーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させてもよい。
【0067】
以下では、液体供給システム100がサーバタンク6Wとプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させる動作を「循環動作」という。液体供給システム100は、例えば第一白流路W1において、循環動作を行う。これにより、液体供給システム100は、サーバタンク6W内と第一白流路W1とプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17W内において白インクが沈降することを抑制する。
【0068】
<プリンタ1の電気的構成>
図2に示すように、プリンタ1は制御装置40を備える。制御装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、および通信部45を備える。CPU41はプリンタ1の制御を司り、プロセッサとして機能する。CPU41は例えば印刷処理を制御する。CPU41はROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、および通信部45と電気的に接続する。
【0069】
ROM42は、CPU41がプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU41が必要な情報等を記憶する。RAM43は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ44は、不揮発性であり、後述のプリンタセンサ185の校正データ等を記憶する。通信部45は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。CPU41は通信部45によって例えば液体供給装置2と通信する。
【0070】
CPU41には主走査モータ181、副走査モータ182、ヘッドドライバ183、供給機構184、プリンタセンサ185、および操作部186が電気的に接続される。主走査モータ181、副走査モータ182、ヘッドドライバ183、および供給機構184はCPU41による制御によって駆動する。
【0071】
プリンタセンサ185は
図1に示すプリンタタンク17Wに設けられる。プリンタセンサ185は、例えば圧力センサである。プリンタセンサ185は、プリンタタンク17W内の圧力を検知することで、プリンタ残量を検知する。プリンタ残量は、プリンタタンク17W内の白インクの残量である。プリンタセンサ185は検知したプリンタ残量を示す信号をCPU41に出力する。
【0072】
操作部186はタッチパネルディスプレイ等であり、各種情報を表示し、且つユーザによる操作に応じた情報をCPU41に出力する。ユーザは操作部186を操作することで、プリンタ1による印刷を開始するための印刷指示等をプリンタ1に入力できる。
【0073】
<液体供給装置2の電気的構成>
図3に示すように、液体供給装置2は制御装置50を備える。制御装置50は、CPU51、ROM52、RAM53、フラッシュメモリ54、および通信部55を備える。CPU51は液体供給装置2の制御を司り、プロセッサとして機能する。CPU51はROM52、RAM53、フラッシュメモリ54、および通信部55と電気的に接続する。
【0074】
ROM52は、CPU51が液体供給装置2の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU51が必要な情報等を記憶する。RAM53は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ54は、不揮発性であり、サーバセンサ71の校正データ等を記憶する。通信部55は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。CPU51は通信部55を介して例えばプリンタ1A、1B、1C、1Dのそれぞれと通信する。
【0075】
CPU51には撹拌モータ963、ポンプモータ201、211、261、271、ソレノイド221、231、281、291、サーバセンサ71、ディスプレイ56、および操作部57が電気的に接続される。
【0076】
撹拌モータ963、ポンプモータ201、211、261、271、ソレノイド221、231、281、291、およびディスプレイ56はCPU51による制御によって駆動する。サーバセンサ71は、例えば重量センサであり、サーバ残量を重量によって検知する。サーバ残量はサーバタンク6W内の白インクの残量である。サーバセンサ71は検知したサーバ残量を示す信号をCPU51に出力する。
【0077】
<残量誤差>
【0078】
循環動作後の実際のサーバ残量が循環動作前のサーバ残量から変化すると、液体供給システム100は、例えば、サーバタンク6Wの交換時期またはサーバタンク6Wへの白インクの補給時期を、サーバ残量に基づいて管理することが困難になる。循環動作後の実際のプリンタ残量が循環動作前のプリンタ残量から変化すると、液体供給システム100は、例えば、供給動作の実行時期を、プリンタ残量に基づいて管理することが困難になる。
【0079】
さらに、循環動作後の実際のサーバ残量が循環動作前のサーバ残量から変化し、循環動作後の実際のプリンタ残量が循環動作前のプリンタ残量から変化すると、循環動作によってサーバタンク6Wまたはプリンタタンク17Wから白インクが溢れる可能性がある。したがって、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量と同じになり、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量と同じになるように、循環動作が制御されることが好ましい。
【0080】
本実施形態では、循環動作によってサーバタンク6W内の白インクの液面、またはその重量に揺れが生じたり、循環動作終了後に微量の白インクがサーバタンク6Wおよび管8の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、サーバセンサ71が検知するサーバ残量と、実際のサーバ残量との間に誤差が生じる可能性がある。以下、白インクの液面、またはその重量の揺れのことを、単に「白インクの揺れ」という。
【0081】
同様に、循環動作によってプリンタタンク17W内の白インクに揺れが生じたり、循環動作後に微量の白インクがプリンタタンク17Wおよび管8の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、プリンタセンサ185が検知するプリンタ残量と、実際のプリンタ残量との間に誤差が生じる可能性がある。
【0082】
上記誤差が生じた場合には、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から変化し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から変化する可能性がある。本実施形態では、液体供給システム100は、以下説明するメイン処理を実行することで、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から変化し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から変化する可能性を抑制することに貢献する。
【0083】
<メイン処理>
【0084】
例えば液体供給装置2に電源が投入された場合、CPU51は、ROM52から制御プログラムを読み出して動作することで、
図4に示すメイン処理を実行する。メイン処理では、CPU51は、供給動作および戻し動作に関する制御を行う。メイン処理では、第二白流路W2について第一白流路W1と同様に供給動作および戻し動作に関する制御が行われる。本実施形態では、メイン処理について、第一白流路W1に関する制御を説明し、第二白流路W2に関する制御の説明を省略する。以下では、メイン処理の開始時、
図1に示す供給バルブ22、23、循環バルブ28、29のすべてが閉状態であるとして説明する。
【0085】
図4に示すように、メイン処理が開始されると、CPU51は
図3に示す撹拌モータ963を制御し、
図1に示す撹拌機構96による撹拌動作を開始する(S10)。CPU51は、タイマカウンタによる計時を開始する(S11)。タイマカウンタはRAM43に記憶され、後述の循環インターバルおよび供給時間を計時するため使用される。
【0086】
CPU51はプリンタ1Aまたはプリンタ1Bから、後述の供給処理(S13)を行うための供給要求を取得したか否かを判断する(S12)。例えば、プリンタ1Aが印刷処理を行うと、プリンタ1Aのプリンタタンク17W内の白インクが消費され、プリンタ1Aのプリンタ残量が減少する。例えばプリンタ1Aにおいて、プリンタ残量が所定の供給開始残量以下になった場合、CPU41は、供給要求を液体供給装置2に送信する。供給開始残量は、例えばフラッシュメモリ44にあらかじめ記憶される。
【0087】
プリンタ1A、1Bのいずれからも、供給要求を取得していない場合(S12:NO)、CPU51は処理をS14の処理に移行する。プリンタ1Aまたはプリンタ1Bから、供給要求を取得した場合(S12:YES)、CPU51は供給処理を行う(S13)。供給処理では、CPU51は、供給要求を取得したプリンタ1について、供給動作を制御する。例えばプリンタ1Aから供給要求を取得した場合、CPU51は、供給動作において、
図3に示すソレノイド221を制御し、供給バルブ22を開状態にする。この状態で、CPU51は
図3に示すポンプモータ201を制御し、供給ポンプ20の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク6W内から管8を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに供給される。
【0088】
例えば、供給動作によってプリンタ残量が所定の供給停止残量に達した場合、CPU41は、供給停止要求を液体供給装置2に送信する。供給停止残量は例えばフラッシュメモリ44にあらかじめ記憶される。供給停止残量は例えば供給開始残量よりも多い。例えばプリンタ1Aから供給停止要求を取得した場合、CPU51は、
図3に示すポンプモータ201の駆動を停止し、供給ポンプ20の駆動を停止する。CPU51は、
図3に示すソレノイド221を制御し、供給バルブ22を閉状態にする。これにより、CPU51は、供給動作を停止し、供給処理を終了する。CPU51は、処理をS14の処理に移行する。
【0089】
CPU51はRAM43のタイマカウンタを参照し、循環インターバルが経過したか否かを判断する(S14)。本実施形態では、後述の循環処理(S16)が周期的に行われる。第一循環処理と第二循環処理を定義する。第一循環処理は、周期的に行われる循環処理のうちの一つである。第二循環処理は、周期的に行われる循環処理のうち第一循環処理の次の循環処理である。循環インターバルは、第一循環処理と第二循環処理との間の時間であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0090】
循環インターバルが経過していない場合(S14:NO)、CPU51は処理をS12の処理に戻す。循環インターバルが経過した場合(S14:YES)、CPU51は
図3に示す撹拌モータ963の駆動を停止し、撹拌機構96による撹拌動作を停止する(S15)。これにより、サーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなる。
【0091】
CPU51は循環処理を行う(S16)。循環処理では、CPU51は循環動作を制御する。循環処理の詳細については後述する(
図5参照)。CPU51は補正処理を行う(S17)。補正処理は、循環インターバルが経過した場合に、循環処理に引き続いて行われる。補正処理では、CPU51は供給動作または戻し動作(本実施形態では戻し動作)を制御する。補正処理の詳細については後述する(
図6参照)。CPU51は
図3に示す撹拌モータ963を制御し、撹拌機構96による撹拌動作を再開する(S18)。CPU51は処理をS12の処理に戻す。
【0092】
<循環処理>
【0093】
以下では、
図7を参照し、プリンタ1Aについて循環インターバルが経過した場合を適宜例に挙げて説明する。プリンタ1Aについて循環インターバルが経過した場合、循環処理において、CPU51はプリンタ1Aについて循環動作を制御する。
【0094】
図5に示すように、循環処理が開始されると、CPU51は
図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S22)。
図4に示すS15の処理でサーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなっているので、撹拌動作の実行中にサーバセンサ71からサーバ残量を取得する場合に比べ、取得したサーバ残量と実際のサーバ量との間の誤差が小さくなる。CPU51はS22の処理で取得したサーバ残量を循環前残量としてRAM53に記憶する(S23)。循環前残量は、循環動作の開始時におけるサーバ残量であり、本実施形態では、後述のS24の処理での供給動作の開始時におけるサーバ残量である。
図7に示すように、後述のS24の処理の前の時点では、サーバタンク6Wは状態S1である。状態S1では、残量V1が循環前残量を示す。
【0095】
図5に示すように、CPU51は供給動作を開始する(S24)。S24の処理では、CPU51は、
図3に示すソレノイド221を制御し、
図1に示す供給バルブ22を開状態にする。この状態で、CPU51は
図3に示すポンプモータ201を制御し、
図1に示す供給ポンプ20の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク6W内から管8を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに供給される。
【0096】
CPU51はRAM53のタイマカウンタを参照し、供給時間が経過したか否かを判断する(S25)。供給時間は、供給動作の開始から終了までの時間であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0097】
供給時間が経過していない場合(S25:NO)、CPU51は、供給時間が経過するまでS25の処理を繰り返す。供給時間が経過した場合(S25:YES)、CPU51は供給動作を停止する(S26)。S26の処理では、CPU51は
図3に示すポンプモータ201の駆動を停止し、
図1に示す供給ポンプ20の駆動を停止する。CPU51は、
図3に示すソレノイド221を制御し、
図1に示す供給バルブ22を閉状態にする。これにより、サーバタンク6W内から管8を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに白インクが供給されることが停止される。
【0098】
図7に示すように、S24およびS26の処理によって、サーバタンク6Wは、状態S1から状態S2に変位する。この場合、サーバ残量が残量V1から供給時間の長さに応じた量V2分減少する。これにより、状態S2では、サーバ残量が残量V3となる。
【0099】
図5に示すように、CPU51は戻し動作を開始する(S31)。S31の処理では、CPU51は、
図3に示すソレノイド281を制御し、
図1に示す循環バルブ28を開状態にする。この状態で、CPU51は
図3に示すポンプモータ261を制御し、
図1に示す循環ポンプ26の駆動を開始する。これにより、白インクがプリンタ1Aのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6W内に戻される。
【0100】
CPU51は
図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S32)。CPU51は、S32の処理で取得されたサーバ残量がS23の処理で記憶された循環前残量に達したか否かを判断する(S33)。
【0101】
サーバ残量が循環前残量よりも少ない場合(S33:NO)、CPU51は処理をS32の処理に戻す。サーバ残量が循環前残量に達した場合(S33:YES)、CPU51は戻し動作を停止する(S34)。S34の処理では、CPU51は、
図3に示すポンプモータ261の駆動を停止し、
図1に示す循環ポンプ26の駆動を停止する。CPU51は
図3に示すソレノイド281を制御し、
図1に示す循環バルブ28を閉状態にする。これにより、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6W内に白インクが戻されることが停止される。CPU51は処理を
図4に示すメイン処理に戻す。
【0102】
図7に示すように、S31およびS34の処理によって、サーバタンク6Wは、状態S2から状態S3に変位する。この場合、サーバ残量が残量V3から量V4分増加する。これにより、状態S3では、サーバ残量が残量V6となる。S33にて、CPU51は、S32の処理で取得されたサーバ残量が、S23の処理で記憶された循環前残量に達したと判断しているが、上述したように、実際のサーバ残量は循環前残量と異なる場合がある。例えば、S32において、戻ってくる白インクを検知するサーバセンサ71が、サーバ残量が循環前残量であると検知した時点では、サーバタンク6W内の白インクに揺れが発生しているので、実際のサーバ残量は、循環前残量よりも少ない場合がある。状態S3では、残量V1と残量V6との差として、量V7が循環変化量を示す。
【0103】
循環変化量は、サーバ残量が
図5に示す循環処理の前から後で変化する量の絶対値である。本実施形態では、循環変化量(すなわち、量V7)は、実験、試し運転等によってあらかじめ分かっていることを前提とし、例えば
図7に示すように、実際のサーバ残量が
図5に示す循環処理の前から後で循環変化量だけ減少することを前提とする。つまり、
図5に示す循環処理において、S31の処理による戻し動作によってプリンタ1Aのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに戻される白インクの実際の量V4が、S24の処理による供給動作によってサーバタンク6Wからプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに供給される白インクの実際の量V2よりも循環変化量V7だけ少ないことを前提とする。
【0104】
<補正処理>
【0105】
図6に示すように、補正処理が開始されると、CPU51は、
図5に示すS23の処理で記憶された循環前残量と、補正量とに基づいて、目標残量を算出する(S42)。本実施形態では、目標残量は、循環前残量と補正量との和である。補正量は、循環変化量の2倍の量未満の量であり、例えば循環変化量以下の量である。本実施形態では、補正量は、あらかじめ決められた値であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0106】
CPU51は、戻し動作を開始する(S43)。S43の処理は、
図5に示すS31の処理と同じなので説明を省略する。CPU51は
図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S44)。CPU51は、S44の処理で取得されたサーバ残量がS42の処理で算出された目標残量に達したか否かを判断する(S45)。サーバ残量が目標残量よりも少ない場合(S45:NO)、CPU51は処理をS44の処理に戻す。サーバ残量が目標残量に達した場合(S45:YES)、CPU51は戻し動作を停止する(S46)。S46の処理は、
図5に示すS34の処理と同じなので説明を省略する。CPU51は処理を
図4に示すメイン処理に戻す。
【0107】
図7に示すように、S43およびS45の処理によって、サーバタンク6Wは、状態S3から状態S4に変位する。この場合、サーバ残量が残量V6から補正量に応じた量V8分増加する。これにより、状態S4では、サーバ残量が残量V9(目標残量)となる。
【0108】
<実施形態の効果>
【0109】
上記実施形態では、液体供給システム100は、プリンタ1が備えるプリンタタンク17Wに白インクを供給する。管8は、プリンタタンク17Wと、白インクを収容するサーバタンク6Wとを接続する。供給ポンプ20、21、供給バルブ22、23、循環ポンプ26、27、および循環バルブ28、29(以下、「送液機構」という。)は、管に設けられ、サーバタンク6Wからプリンタタンク17Wに管8を介して白インクを供給する供給動作と、プリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して白インクを戻す戻し動作とを行う。CPU51は、循環処理(S16)において、供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる。CPU51は、補正処理(S17)において、戻し動作または循環動作(上記実施形態では、戻し動作)かを送液機構に実行させる。CPU51は、補正処理(S17)において、サーバ残量が循環処理の前から後で変化する循環変化量の2倍の量未満の補正量の白インクを、循環処理の前から後で白インクの残量が増えるプリンタタンク17Wから、循環処理の前から後で白インクの残量が減るサーバタンク6Wに送る。
【0110】
これによれば、補正量が循環変化量の2倍の量未満なので、循環処理と補正処理と含む処理の前のサーバ残量から、循環処理と補正処理とを含む処理の後のサーバ残量の変化量は、循環変化量未満となる。詳細には、
図7に示すように、補正量が循環変化量の2倍の量未満なので、残量V1と残量V9との差は、残量V1と残量V6との差である量V7(すなわち、循環変化量)未満となる。例えば量V8が循環変化量と同じ量であれば、状態S4では、残量V9が残量V1と同じになる。よって、CPU51は、循環動作後の実際のサーバ残量を循環動作前のサーバ残量に近づけることに貢献する。
【0111】
補正量が多いほど、補正処理において、白インクをプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに送るために時間がかかる。上記実施形態では、CPU51は、補正処理において、循環変化量以下の補正量の白インクをプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに送る。これによれば、CPU51は、補正量が循環変化量よりも大きい場合に比べて、補正処理にかかる時間を短くすることに貢献する。
【0112】
CPU51は、補正処理において、あらかじめ決められた補正量の白インクを、プリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに送る。これによれば、補正処理では、補正処理のたびに補正量を算出することなく、一定量の白インクがプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに送られる。よって、CPU51は、簡易な制御で、循環動作後の実際のサーバ残量を循環動作前のサーバ残量に近づけることに貢献する。
【0113】
CPU51は、循環処理において、サーバタンク6Wに設けられ、サーバ残量を検知するサーバセンサ71からの信号に基づいて、供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる。撹拌機構96は、サーバセンサ71が設けられるサーバタンク6Wに設けられ、サーバタンク6W内の白インクを撹拌する。CPU51は、S10、S15、およびS18の処理において、撹拌機構96の動作を制御する。CPU51は、循環処理が行われる場合(S14:YES)、撹拌機構96の撹拌動作を停止させる(S15)。これによれば、撹拌機構96による撹拌動作の停止によって、サーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなる。これにより、サーバセンサ71によって検知されたサーバ残量と、実際のサーバ残量との間の誤差が小さくなる。よって、CPU51は、循環処理において、サーバセンサ71からの信号に基づいて送液機構を正確に制御することに貢献する。
【0114】
<対応関係>
【0115】
上記実施形態において、プリンタ1が本発明の「プリンタ」に相当する。プリンタタンク17Wが本発明の「プリンタタンク」に相当する。白インクが本発明の「液体」に相当する。液体供給システム100が本発明の「液体供給システム」に相当する。サーバタンク6Wが本発明の「サーバタンク」に相当する。管8が本発明の「管」に相当する。供給ポンプ20、21、供給バルブ22、23、循環ポンプ26、27、および循環バルブ28、29が本発明の「送液機構」に相当する。CPU51が本発明の「制御部」および「コンピュータ」に相当する。
【0116】
図4に示すS16の処理が本発明の「循環処理」に相当する。プリンタタンク17Wが本発明の「増加タンク」に相当する。サーバタンク6Wが本発明の「減少タンク」に相当する。
図4に示すS17の処理が本発明の「補正処理」に相当する。サーバセンサ71が本発明の「センサ」に相当する。撹拌機構96が本発明の「撹拌部」に相当する。
図4に示すS15の処理が本発明の「撹拌制御処理」に相当する。液体供給装置2が本発明の「液体供給装置」に相当する。
図5に示すS23の処理が本発明の「記憶処理」に相当する。
【0117】
<変形例>
本発明は上記実施形態から変更されてもよい。以下説明する変形例は、矛盾が生じない範囲において、互いに適宜組み合わせてもよい。CPU51は
図6に示す補正処理に代えて
図8に示す補正処理を行ってもよい。
【0118】
図8に示すように、補正処理が開始されると、CPU51はRAM53のタイマカウンタを参照し、あらかじめ決められた待機時間が経過したか否かを判断する(S51)。待機時間は、
図4に示す循環処理(S16)の後、後述のS52でサーバ残量を取得するまでの時間であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。「循環処理の後」は、
図5に示すS34の処理で戻し動作が停止された後である。
【0119】
待機時間が経過していない場合(S51:NO)、CPU51は待機時間が経過するまでS51の処理を繰り返す。待機時間が経過した場合(S51:YES)、
図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S52)。時間経過に伴って、サーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなる。このため、待機時間の経過後にサーバセンサ71からサーバ残量が取得される場合、循環処理後すぐにサーバセンサ71からサーバ残量が取得される場合に比べ、取得されたサーバ残量と実際のサーバ量との間の誤差が小さくなる。なお、CPU51はS51の処理を省略してもよい。つまり、CPU51は循環処理後すぐにサーバセンサ71からサーバ残量を取得してもよい。
【0120】
CPU51はS52の処理で取得したサーバ残量を循環後残量としてRAM53に記憶する(S53)。循環後残量は、
図4に示す循環処理(S16)の後、且つ補正処理の前のサーバ残量である。CPU51は、
図5に示すS23の処理で記憶された循環前残量と、S53の処理で記憶された循環後残量とに基づいて、循環変化量を算出する(S54)。循環変化量は、循環後残量から循環前残量を引いた値である。
図8に示す補正処理では、循環変化量の絶対値が補正量となる。なお、CPU51は、S54の処理で算出された循環変化量に基づいて補正量を算出してもよい。例えば、CPU51は、循環変化量の所定割合の絶対値を補正量としてもよい。
【0121】
CPU51は、S54の処理で算出された循環変化量に基づいて、
図4に示す循環処理(S16)の前から後でサーバ残量が減少したか否かを判断する(S55)。循環変化量が負の値の場合、CPU51はサーバ残量が減少したと判断する(S55:YES)。この場合、CPU51は、S53の処理で記憶された循環後残量と、S54の処理で算出された循環変化量(補正量)とに基づいて、目標残量を算出する(S61)。S61の目標残量は、循環後残量と補正量との和である。CPU51は、戻し動作を開始する(S62)。S62の処理は、
図5に示すS31の処理と同じなので説明を省略する。CPU51は処理をS65の処理に移行する。
【0122】
循環変化量が正の値の場合、CPU51はサーバ残量が増加したと判断する(S55:NO)。この場合、CPU51は、S53の処理で記憶された循環後残量と、S54の処理で算出された循環変化量(補正量)とに基づいて、目標残量を算出する(S63)。S63の目標残量は、循環後残量と補正量との差である。CPU51は、供給動作を開始する(S64)。S64の処理は、
図5に示すS24の処理と同じなので説明を省略する。CPU51は処理をS65の処理に移行する。
【0123】
CPU51は、S65の処理およびS66の処理を行う。S65の処理およびS66の処理は、それぞれ、
図6に示すS44の処理およびS45の処理と同じなので、説明を省略する。サーバ残量が目標残量に達した場合(S66:YES)、CPU51は、S62の処理で開始された戻し動作、またはS64の処理で開始された供給動作を停止する(S67)。CPU51は、処理を
図4に示すメイン処理に戻す。図示しないが、S55の処理において、循環変化量が「0」の場合、CPU51は処理を
図4に示すメイン処理に戻してもよい。
【0124】
図8に示す補正処理による作用効果の一例を説明する。以下では、サーバタンク6Wおよびプリンタタンク17Wのうち循環処理の前から後で白インクの残量が増えるタンクを「増加タンク」という。サーバタンク6Wおよびプリンタタンク17Wのうち循環処理の前から後で白インクの残量が減るタンクを「減少タンク」という。
【0125】
CPU51は、循環処理が行われた場合、S54の処理において、サーバタンク6Wに設けられ、サーバ残量を検知するサーバセンサ71からの信号に基づいて、循環変化量を算出する。CPU51は、補正処理において、算出された循環変化量に基づく補正量の白インクを、増加タンクから減少タンクに送る。これによれば、第一循環処理の循環変化量と、第二循環処理の循環変化量が異なる量だとしても、それぞれの循環変化量に応じた補正量が、増加タンクから減少タンクに送られる。よって、CPU51は、循環変化量が変わったとしても、循環動作後のタンクの白インクの実際の残量を循環動作前のタンクの白インクの残量に近づけることに貢献する。
【0126】
CPU51は、S54の処理において、循環処理の後、待機時間が経過した場合に(S51:YES)、サーバセンサ71からの信号に基づいて、循環変化量を算出する。これによれば、循環処理の後、所定時間が経過すると、循環処理によるサーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなる。サーバタンク6W内の白インクの揺れが小さくなると、サーバタンク6W内の白インクの揺れが大きい場合に比べて、サーバセンサ71の検知精度が高くなりやすい。よって、CPU51は、循環変化量を正確に算出することに貢献する。なお、
図8に示す補正処理において、S54の処理が本発明の「算出処理」に相当する。待機時間が本発明の「所定時間」に相当する。
【0127】
他の変形例を説明する。CPU51は、撹拌動作を再開するタイミングを変更してもよい。例えば、CPU51は循環処理(S16)の後、且つ補正処理(S17)の前に撹拌動作を再開してもよい。CPU51は、撹拌動作を停止するタイミングを変更してもよい。例えば、CPU51は、循環処理において、供給動作(S26)を停止した後、戻し動作(S31)を開始する前に撹拌動作を停止してもよい。
【0128】
S15の処理において、CPU51は撹拌動作を停止しなくてもよい。例えば、CPU51は撹拌モータ963の回転数を低下させてもよい。すなわち、CPU51は撹拌機構96による撹拌速度を低下させてもよい。撹拌機構96は、プロペラスターラに限定されず、マグネチックスターラ、超音波スターラ等でもよい。
【0129】
循環インターバルが経過した場合(S14:YES)、CPU51は、
図5に示す補正処理を
図4に示す循環処理(S16)の前に行ってもよい。この場合、S42の処理では、サーバセンサ71からサーバ残量を取得し、取得したサーバ残量と補正量とに基づいて、目標残量を算出すればよい。この場合、目標残量は、補正処理の前のサーバ残量と補正量との和となる。
【0130】
循環処理において、CPU51は、供給動作(S24およびS26)と戻し動作(S31およびS34)の実行順序を変更してもよい。例えば、CPU51は、戻し動作を行った後、供給動作を行ってもよい。CPU51は、供給動作と戻し動作を並行して行ってもよい。CPU51は、供給動作と戻し動作を交互に繰り返してもよい。
【0131】
上記実施形態では、供給時間が経過した場合(S25:YES)、CPU51は供給動作を停止する(S26)。これに対し、CPU51は、S24の処理で供給動作が開始されてからの供給ポンプ20、21の積算回転数、S24の処理で供給動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、供給動作を停止してもよい。
【0132】
上記実施形態では、サーバ残量が循環前残量に達した場合(S33:YES)、CPU51は戻し動作を停止する(S34)。これに対し、CPU51は、S31の処理で戻し動作が開始されてからの循環ポンプ26、27の積算回転数、S31の処理で戻し動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、戻し動作を停止してもよい。
【0133】
上記実施形態では、サーバ残量が目標残量に達した場合(S45:YES)、CPU51は戻し動作を停止する(S46)。これに対し、CPU51は、S43の処理で戻し動作が開始されてからの循環ポンプ26、27の積算回転数、S43の処理で戻し動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、戻し動作を停止してもよい。
【0134】
S13、S33、S45等の処理において、CPU51は、サーバ残量に基づいて、それぞれの判断内容を判断する。これに対し、S13、S33、S45等の処理において、CPU51は、プリンタ残量に基づいて、それぞれの判断内容を判断してもよい。この場合、CPU51は、各プリンタ1のプリンタセンサ185からプリンタ残量を取得するとよい。プリンタ残量に基づいてそれぞれの判断内容が判断される場合、S15の処理において、CPU51は撹拌機構96による撹拌動作を停止させなくてもよい。
【0135】
プリンタタンク17Wには、プリンタタンク17W内の白インクを撹拌するための撹拌機構が設けられてもよい。この場合において、プリンタ残量に基づいてそれぞれの判断内容が判断される場合、CPU51はS15の処理において、プリンタタンク17Wに設けられた撹拌機構による撹拌速度を低下させ、またはプリンタタンク17Wに設けられた撹拌機構による撹拌動作を停止させてもよい。
【0136】
上記実施形態では、実際のサーバ残量が循環処理(S16)の前から後で循環変化量だけ減少する。これに対し、実際のサーバ残量が循環処理(S16)の前から後で循環変化量だけ増加してもよい。この場合、CPU51は、S42の処理において、循環前残量と補正量との差を目標残量とし、S43の処理において、供給動作を開始するとよい。
【0137】
以下では、サーバタンク6Wとプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクが流れる単位時間あたりの量を「単位流量」という。補正処理における戻し動作の単位流量は、循環処理における供給動作と戻し動作との単位流量よりも小さくてもよい。例えば、CPU51は、S24~S26の処理およびS31~S34におけるポンプモータ201、211、261、271の回転数(rpm)が第一回転数になるように各ポンプモータ201、211、261、271を制御する。この場合、CPU51は、S33の処理において、サーバ残量が循環前残量に基づく対象残量に達したか否かを判断してもよい。対象残量は、循環前残量と同じでもよいし、循環前残量よりも所定量だけ多くてもよいし、所定量だけ少なくてもよい。なお、上記実施形態でも同様に、CPU51は、S33の処理において、サーバ残量が循環前残量に基づく対象残量に達したか否かを判断してもよい。
【0138】
CPU51は、S43~S46の処理におけるポンプモータ261、271の回転数(rpm)が、第一回転数よりも小さい第二回転数になるように、各ポンプモータ261、271を制御する。なお、補正処理において、供給動作が行われる場合、CPU51はS43~S46の処理におけるポンプモータ201、211の回転数(rpm)が、第一回転数よりも小さい第二回転数になるように、各ポンプモータ201、211を制御するとよい。
【0139】
図9を参照し、補正処理における戻し動作の単位流量が、循環処理における供給動作と戻し動作との単位流量よりも小さい場合の主な作用効果を説明する。
図9では、実線のグラフG11、G21がサーバセンサ71の信号が示すサーバ残量を示し、破線のグラフG12、G22が実際のサーバ残量を示す。
【0140】
例えば循環処理の処理時間を短くするため、循環処理において、ポンプモータ201、211、261、271の回転数を大きくすることで、単位流量を比較的大きくする場合がある。この場合、循環処理後にサーバタンク6Wおよび管8の一方から他方に流れる白インクの量が多くなり、循環処理後にプリンタタンク17Wおよび管8の一方から他方に流れる白インクの量が多くなる。さらに、サーバタンク6W内の白インクの揺れが比較的大きくなる。
【0141】
循環処理における戻し動作が終了する時点(S34)までは、単位流量が比較的大きいので、実際のサーバ残量とサーバセンサ71の信号が示すサーバ残量との間の誤差C1が比較的大きくなる。一方、補正処理における戻し動作が開始する時点(S43)から補正処理における戻し動作が終了する時点(S46)までは、単位流量が比較的小さいので、実際のサーバ残量とサーバセンサ71の信号が示すサーバ残量との間の誤差C2が誤差C1よりも小さくなる。このように、CPU51は、循環処理の処理時間を短くしつつ、補正処理においてサーバセンサ71の検知精度を向上することに貢献する。サーバセンサ71の検知精度が向上するので、CPU51は、補正処理において、プリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに実際に送られる白インクの量を、補正量に近づけることに貢献する。
【0142】
上記実施形態において、フラッシュメモリ54には、補正量として複数の値が記憶されていてもよい。この場合、例えば、ユーザは、複数の補正量のいずれかを設定してもよい。CPU51は、設定された補正量に基づいて補正処理を行うとよい。白インクの流路構成が変更された場合等、循環変化量が変わる場合がある。この場合でも、CPU51は変更後の循環変化量に応じた補正量に基づいて補正処理を行う。よって、CPU51は、循環変化量が変わったとしても、循環動作後の実際のサーバ残量を循環動作前のサーバ残量に近づけることに貢献する。
【0143】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は供給ポンプ20、21の一方または両方を省略してもよい。例えば供給ポンプ20、21の両方が省略される場合、CPU51は供給バルブ22、23の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、CPU51は、サーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の水頭差を利用して、サーバタンク6Wからプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wへの白インクの供給を制御してもよい。
【0144】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は循環ポンプ26、27の一方または両方を省略してもよい。例えば循環ポンプ26、27の両方が省略される場合、CPU51は循環バルブ28、29の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、CPU51は、サーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の水頭差を利用して、プリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wへの白インクの戻しを制御してもよい。
【0145】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は供給バルブ22、23の一方または両方を省略してもよい。第一白流路W1において、液体供給装置2は循環バルブ28、29の一方または両方を省略してもよい。第一白流路W1において、液体供給装置2はフィルタ24、25の一方または両方を省略してもよい。
【0146】
液体供給装置2は例えば管82において、供給ポンプ20、供給バルブ22、およびフィルタ24の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置2は例えば管83において、供給ポンプ21、供給バルブ23、およびフィルタ25の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。
【0147】
液体供給装置2は例えば管84において、循環ポンプ26と循環バルブ28の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置2は例えば管85において、循環ポンプ27と循環バルブ29の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。
【0148】
一つの液体供給装置2に対して一つのプリンタ1が管8によって接続されてもよい。液体供給装置2は複数のサーバタンクのうち例えばサーバタンク6Wのみを備え、他のサーバタンクを省略してもよい。この場合、プリンタ1は複数のプリンタタンクのうち例えばプリンタタンク17Wのみを備え、他のプリンタタンクを省略してもよい。プリンタ1は他のヘッドを省略してもよい。
【0149】
液体供給システム100は、液体供給装置2から複数のプリンタ1のそれぞれに、液体として例えば前処理剤、後処理剤、または水を供給してもよい。例えば水はプリンタ1内の雰囲気を加湿するために使用されてもよい。この場合、複数のプリンタ1は、それぞれ、加湿器を備えてもよい。加湿器はプリンタ1内に設けられ、プリンタ1内の雰囲気を加湿する。管8は水を収容するサーバタンクと加湿器のタンクとを互いに接続するとよい。メイン処理は、第一白流路W1および第二白流路W2に代えて、または加えて水の流路に適用されてもよい。同様に、メイン処理は、例えばカラーインク、前処理剤、または後処理剤の流路に適用されてもよい。
【0150】
プリンタ1の構成は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、プリンタ1はインクジェットプリンタとは異なるタイプでもよく、レーザプリンタ、テーププリンタ等でもよい。複数のヘッド14はインクジェットヘッドに限らず、サーマルヘッド等でもよい。ヘッド14および他のヘッドはラインヘッドであってもよい。例えばプリンタ1は液体のインクを使用しなくても、加湿器を備えるとよい。この場合、液体供給システム100は液体供給装置2から管8を介してプリンタ1の加湿器に水を供給する。
【0151】
サーバセンサ71は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、サーバセンサ71はサーバタンク6W内の液面の高さを検知することで、サーバ残量を検知してもよい。サーバセンサ71は圧力センサであってもよい。この場合、サーバセンサ71はサーバタンク6W内の圧力を検知することで、サーバ残量を検知してもよい。
【0152】
プリンタセンサ185は重量センサであってもよい。この場合、プリンタセンサ185はプリンタ残量の重量を検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。プリンタセンサ185は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、プリンタセンサ185はプリンタタンク17W内の液面の高さを検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。
【0153】
管8の本数、枝分かれ態様等の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、サーバタンク6Wと、1つのプリンタ1のプリンタタンク17Wとが複数本(例えば2本)の枝分かれしない管8によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ異なる管8を白インクが流れる。例えば管84は、点P2において管82に接続することなく、プリンタ1Aのサーバタンク6Wに直接接続してもよい。管85は、点P4において管84に接続することなく、サーバタンク6Wに直接接続してもよい。サーバタンク6Wと、1つのプリンタ1のプリンタタンク17Wとが1本の枝分かれしない管8によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ同じ1本の管8を白インクが流れる。
【0154】
上記実施形態において、液体供給システム100は、供給処理の実行条件および循環処理の実行条件をそれぞれ変更してもよい。例えば、ユーザが操作部186または操作部57を操作し、供給処理または循環処理を実行するための指示をプリンタ1または液体供給装置2に入力した場合に、CPU51は供給処理または循環処理を実行してもよい。あらかじめ決められた時刻になった場合に、CPU51は循環処理を行ってもよい。
【0155】
上記実施形態において、液体供給システム100は、サーバセンサ71およびプリンタセンサ185を省略してもよい。この場合、CPU51は、例えば初期状態のサーバ残量およびプリンタ残量を記憶してもよい。さらに、CPU51は記憶したサーバ残量またはプリンタ残量を基準として、ポンプモータ201、211、261、271を時間制御することで、現在のサーバ残量またはプリンタ残量を判断してもよい。
【0156】
CPU41がメイン処理を実行してもよい。この場合、液体供給システム100はCPU51を省略してもよい。CPU51がメイン処理の一部を実行し、CPU41がメイン処理の他の一部を実行してもよい。外部機器のCPUがメイン処理を実行してもよい。外部機器はプリンタ1および液体供給装置2以外の機器であり、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン等である。
【0157】
CPU41、51の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。ROM42、52、フラッシュメモリ44、54等の非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。制御プログラムは、例えば、図示外のネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、ROM42、52またはフラッシュメモリ44、54に記憶されてもよい。この場合、制御プログラムは、サーバに備えられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【符号の説明】
【0158】
1、1A、1B、1C、1D プリンタ
2 液体供給装置
6W サーバタンク
17W プリンタタンク
8、81、82、83、84、85、86 管
20、21 供給ポンプ
22、23 供給バルブ
26、27 循環ポンプ
28、29 循環バルブ
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 フラッシュメモリ
71 サーバセンサ
100 液体供給システム