(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079115
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】クリーニングユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240604BHJP
G03G 21/12 20060101ALI20240604BHJP
G03G 21/10 20060101ALI20240604BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20240604BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G03G21/16 190
G03G21/12
G03G21/10
G03G15/16 101
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191851
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春田 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
【テーマコード(参考)】
2H134
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GA10
2H134GB02
2H134HB12
2H134JA02
2H134JB02
2H134KF01
2H171FA17
2H171GA12
2H171HA02
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA33
2H171JA31
2H171KA09
2H171KA17
2H171KA22
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB02
2H171QB16
2H171QB17
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC23
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA10
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA33
2H200GA44
2H200GA47
2H200GB15
2H200HA12
2H200JA02
2H200JB06
2H200JB10
2H200JB42
2H200LB15
2H200LB17
2H200LB40
(57)【要約】
【課題】クリーニングローラが軸線方向に移動した場合でも、クリーニングローラを支持するベアリングのフレームによる適正な支持を保持することができるクリーニングユニットを提供する。
【解決手段】クリーニングユニット7は、軸線Xに沿って延びるベルトクリーニングローラ71と、ベルトクリーニングローラ71を支持し、軸線X方向の一端側に位置する第1側壁70Aを備えるフレーム70と、ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aを、第1側壁70Aにおいて支持するベアリング80であって、第1側壁70Aよりも軸線X方向の一側に位置する第1リブ802と、第1側壁70Aよりも軸線X方向の他側に位置する第3リブ803とを有するベアリング80と、ベアリング80を軸線X方向の一側から覆うカバー90とを備え、カバー90は、軸線X方向に投影すると第1リブ802と重なる位置に位置し第1リブ802と当接可能な第2リブ902を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃対象物に付着した現像剤を除去し、軸線に沿って延びるとともに、軸線方向における一端部と他端部とを備えるクリーニングローラと、
前記クリーニングローラを支持し、前記軸線方向における一端側に位置する一側壁を備えるフレームと、
前記クリーニングローラの前記一端部を、前記一側壁において回転可能に支持するベアリングであって、前記フレームの前記一側壁よりも前記軸線方向における一側に位置する第1リブと、前記フレームの前記一側壁よりも前記軸線方向における他側に位置し、前記一側壁に係止可能な第3リブと、を有するベアリングと、
前記ベアリングを前記軸線方向の一側から覆うカバーと、を備え、
前記カバーは、前記軸線方向に投影すると前記第1リブと重なる位置に位置し、前記第1リブと当接可能な第2リブを備えるクリーニングユニット。
【請求項2】
前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、前記フレームの前記一側壁と前記第3リブとは第2間隔を有して位置しており、
前記第1間隔は前記第2間隔よりも大きい請求項1に記載のクリーニングユニット。
【請求項3】
前記第1間隔は、0.1mm以上かつ1.0mm以下である請求項2に記載のクリーニングユニット。
【請求項4】
前記第1間隔は、0.4mm以上かつ0.6mm以下である請求項3に記載のクリーニングユニット。
【請求項5】
前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、
前記ベアリングは、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記フレームの前記一側壁から前記軸線方向における他側に突出する突出部を有し、
前記第1間隔は、前記突出部の前記軸線方向における長さ以下である請求項1に記載のクリーニングユニット。
【請求項6】
前記ベアリングは、前記軸線方向に延びる円筒形状に形成され、前記軸線方向における一端部に前記第1リブが位置し、前記軸線方向における他端部に前記第3リブが位置する円筒リブを備え、
前記突出部は、前記円筒リブの一部である請求項5に記載のクリーニングユニット。
【請求項7】
前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、前記フレームの前記一側壁と前記第3リブとは第2間隔を有して位置しており、
前記第2間隔は前記第1間隔よりも大きい請求項1に記載のクリーニングユニット。
【請求項8】
前記ベアリングよりも前記軸線方向の一側において前記クリーニングローラに装着される導電ベアリングを備え、
前記第2リブは、前記導電ベアリングの外周を囲むように配置された円弧形状を有する請求項1~請求項7の何れか一項に記載のクリーニングユニット。
【請求項9】
前記フレームの前記一側壁に支持され、前記クリーニングユニットと電気的に接続される電極を備え、
前記カバーは、前記電極を前記軸線方向の一側から押さえる押さえリブを有し、
前記押さえリブと前記第2リブとは、連続して形成されている請求項1~請求項7の何れか一項に記載のクリーニングユニット。
【請求項10】
前記カバーは、前記軸線方向において前記導電ベアリングと対向する位置に、前記軸線方向の一側に凹む逃がし溝を備える請求項8に記載のクリーニングユニット。
【請求項11】
前記クリーニングローラは、前記軸線方向に沿って延びるシャフトを有し、
前記カバーは、前記軸線方向において前記シャフトと対向する位置に、前記軸線方向に貫通する逃がし孔を備える請求項10に記載のクリーニングユニット。
【請求項12】
前記逃がし溝の径は、前記導電ベアリングの径よりも大きく、
前記逃がし孔の径は、前記シャフトの前記軸線方向における一端部の径よりも大きく、かつ前記導電ベアリングの径よりも小さい請求項11に記載のクリーニングユニット。
【請求項13】
前記カバーは、前記クリーニングユニットを梱包するための梱包材と接触する接触面を備える請求項1~請求項7の何れか一項に記載のクリーニングユニット。
【請求項14】
前記接触面は、前記カバーにおける前記第2リブを前記軸線方向に投影した位置にある請求項13に記載のクリーニングユニット。
【請求項15】
前記導電ベアリングは、前記軸線方向における一側面に形成され、径方向に延びる複数のリブを有する請求項8に記載のクリーニングユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムが担持するトナー像をシートに転写することにより画像を形成する電子写真式の画像形成装置においては、例えば特許文献1に開示されるように、感光ドラムに残留した現像剤を、感光ドラムに接触するベルトを介して回収するクリーニングユニットが備えられている。
【0003】
クリーニングユニットは、感光ドラムと接触するベルトに付着した現像剤を除去するクリーニングローラと、クリーニングローラを支持するフレームと、クリーニングローラのシャフトとフレームとの間に介装されるベアリングと、ベアリングを覆うカバーとを備えている。ベアリングは、シャフトの軸線方向においてフレームと接触することによりベアリングの軸線方向への移動を規制する抜け止めを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のクリーニングユニットにおいては、例えば梱包された状態で落下した際にクリーニングローラが軸線方向に移動すると、移動したクリーニングローラによってベアリングに軸線方向の荷重が過大にかかり、ベアリングの抜け止めが破損する等して、フレームによるベアリングの適正な支持が損なわれるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明においては、清掃対象物に付着した現像剤を除去するクリーニングローラが軸線方向に移動した場合でも、クリーニングローラを支持するベアリングのフレームによる適正な支持を保持することができるクリーニングユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するクリーニングユニットは、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、クリーニングユニットは、清掃対象物に付着した現像剤を除去し、軸線に沿って延びるとともに、軸線方向における一端部と他端部とを備えるクリーニングローラと、前記クリーニングローラを支持し、前記軸線方向における一端側に位置する一側壁を備えるフレームと、前記クリーニングローラの前記一端部を、前記一側壁において回転可能に支持するベアリングであって、前記フレームの前記一側壁よりも前記軸線方向における一側に位置する第1リブと、前記フレームの前記一側壁よりも前記軸線方向における他側に位置し、前記一側壁に係止可能な第3リブと、を有するベアリングと、前記ベアリングを前記軸線方向の一側から覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記軸線方向に投影すると前記第1リブと重なる位置に位置し、前記第1リブと当接可能な第2リブを備える。
【0009】
これにより、梱包した状態のクリーニングユニットが落下する等して、クリーニングローラが軸線方向に移動した際には、第1リブと第2リブとが当接することで、ベアリングにかかった軸線方向の荷重をカバーにより支持することができる。従って、ベアリングの第3リブに過度な荷重が作用して破損することを抑制し、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0010】
また、前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、前記フレームの前記一側壁と前記第3リブとは第2間隔を有して位置しており、前記第1間隔は前記第2間隔よりも大きい。
【0011】
これにより、クリーニングユニットに、クリーニングローラが軸線方向の一側へ移動する方向の荷重がかかった場合には、第3リブに作用する軸線方向の荷重を減少して、第3リブが破損することを抑制し、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0012】
また、前記第1間隔は、0.1mm以上かつ1.0mm以下である。
【0013】
これにより、軸線方向の荷重がベアリングにかかった際に、ベアリングが軸線方向の一側へ大きく移動して第3リブが破損することを抑制し、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0014】
また、前記第1間隔は、0.4mm以上かつ0.6mm以下である。
【0015】
これにより、軸線方向の荷重がベアリングにかかった際に、ベアリングが軸線方向の一側へ大きく移動して第3リブが破損することをより抑制し、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0016】
また、前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、前記ベアリングは、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記フレームの前記一側壁から前記軸線方向における他側に突出する突出部を有し、前記第1間隔は、前記突出部の前記軸線方向における長さ以下である。
【0017】
これにより、軸線方向の荷重がベアリングにかかって、ベアリングが軸線方向の一側へ移動した際に、一側壁に当接した第3リブが万が一破損した場合でも、ベアリングが一側壁から抜け出ることを抑制できる。これにより、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0018】
また、前記ベアリングは、前記軸線方向に延びる円筒形状に形成され、前記軸線方向における一端部に前記第1リブが位置し、前記軸線方向における他端部に前記第3リブが位置する円筒リブを備え、前記突出部は、前記円筒リブの一部である。
【0019】
これにより、ベアリングが軸線方向へ移動した場合でも、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0020】
また、前記軸線方向において、前記フレームの前記一側壁と前記第1リブとが接触している状態で、前記第1リブと前記第2リブとは第1間隔を有して位置し、前記フレームの前記一側壁と前記第3リブとは第2間隔を有して位置しており、前記第2間隔は前記第1間隔よりも大きい。
【0021】
これにより、第3リブがフレームの一側壁と係止する前にカバーの第2リブがベアリングの第1リブと当接することで、ベアリングにかかった軸線方向の荷重をカバーにより支持することができる。従って、軸線方向の荷重が第3リブに作用して破損することを抑制し、フレームの一側壁によるベアリングの適正な支持を保持することができる。
【0022】
また、前記ベアリングよりも前記軸線方向の一側において前記クリーニングローラに装着される導電ベアリングを備え、前記第2リブは、前記導電ベアリングの外周を囲むように配置された円弧形状を有する。
【0023】
これにより、第2リブは、導電ベアリングの外周における全周ではなく一部において配置されることになるため、導電ベアリングの外周に部品を配置する際の自由度を高くすることができる。
【0024】
また、前記フレームの前記一側壁に支持され、前記クリーニングユニットと電気的に接続される電極を備え、前記カバーは、前記電極を前記軸線方向の一側から押さえる押さえリブを有し、前記押さえリブと前記第2リブとは、連続して形成されている。
【0025】
これにより、押さえリブおよび第2リブの強度を向上することができる。
【0026】
また、前記カバーは、前記軸線方向において前記導電ベアリングと対向する位置に、前記軸線方向の一側に凹む逃がし溝を備える。
【0027】
これにより、クリーニングローラに装着された導電ベアリングが、クリーニングローラとともに軸線方向の一側へ移動した場合に、導電ベアリングを逃がし溝に収容することができ、導電ベアリングとカバーとが干渉することを抑制できる。
【0028】
また、前記クリーニングローラは、前記軸線方向に沿って延びるシャフトを有し、前記カバーは、前記軸線方向において前記シャフトと対向する位置に、前記軸線方向に貫通する逃がし孔を備える。
【0029】
これにより、シャフトが軸線方向の一側へ移動した場合に、シャフトは逃がし孔を通じてカバーの軸線方向における一側へ突出することができ、シャフトとカバーとが干渉することを抑制できる。
【0030】
また、前記逃がし溝の径は、前記導電ベアリングの径よりも大きく、前記逃がし孔の径は、前記シャフトの前記軸線方向における一端部の径よりも大きく、かつ前記導電ベアリングの径よりも小さい。
【0031】
これにより、逃がし溝に収容された導電ベアリングが逃がし孔を通過してカバーの軸線方向における一側へ飛び出ることを抑制できる。
【0032】
また、前記カバーは、前記クリーニングユニットを梱包するための梱包材と接触する接触面を備える。
【0033】
これにより、カバーに荷重がかかった際に、カバーにかかった荷重を、接触面を介して梱包材により支持することができる。
【0034】
また、前記接触面は、前記カバーにおける前記第2リブを前記軸線方向に投影した位置にある。
【0035】
これにより、クリーニングローラからの荷重を、梱包材により効果的に支持することができる。
【0036】
また、前記導電ベアリングは、前記軸線方向における一側面に形成され、径方向に延びる複数のリブを有する。
【0037】
これにより、導電ベアリングをクリーニングローラに装着した際に、導電ベアリングが適正な装着方向に装着されていることを容易に認識することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、クリーニングローラが軸線方向に移動した場合でも、クリーニングローラを支持するベアリングのフレームによる適正な支持を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図3】クリーニングユニットを示す側面断面図である。
【
図4】クリーニングユニットの右端部を示す側面図である。
【
図5】クリーニングユニットの右端部を示す平面断面図である。
【
図9】フレームの第1側壁によるベルトクリーニングローラのシャフトの支持部近傍を示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0041】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係るクリーニングユニットを備えた画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0042】
以下の説明では、
図1における右側を画像形成装置1の前側、
図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、
図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、
図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、
図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0043】
画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0044】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。装置本体2の上面には開口部2Aが開口しており、装置本体2は開口部2Aを開閉可能なトップカバー23を有している。
【0045】
トップカバー23は、後端部の回動軸23aを中心として回動可能に構成されており、回動軸23aを中心として回動することにより、開口部2Aを閉鎖する閉位置と、開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。装置本体2のトップカバー23には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ23bが形成されている。
【0046】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0047】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ23bへ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0048】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0049】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0050】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54と、ドラムクリーニングローラ55とを備えている。
【0051】
感光ドラム51は、左右方向を軸線方向とする略円筒形状に形成されており、プロセスカートリッジ50に回転可能に支持されている。現像ローラ52は、左右方向に延出しており、プロセスカートリッジ50に回転可能に支持されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。トナーは、現像剤の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給する。
【0052】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー23に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。
【0053】
露光ヘッド59はトップカバー23から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー23が閉じた状態において感光ドラム51の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにより構成されている。
【0054】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、感光ドラム51と接触している。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。画像形成部5においては、転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等によりベルト装置40が構成されている。
【0055】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0056】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0057】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面に担持されたトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0058】
このとき、感光ドラム51の表面には、シートSに転写されなかったトナーが残存する場合がある。感光ドラム51の表面に残存する廃トナーは、感光ドラム51の回転に伴ってドラムクリーニングローラ55と対向する。ドラムクリーニングローラ55と対向した廃トナーは、ドラムクリーニングバイアスによってドラムクリーニングローラ55の表面に電気的に保持される。
【0059】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0060】
トナー像が転写されたシートSは定着装置60に搬送される。定着装置60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着装置60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0061】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着装置60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ23bに排出される。
【0062】
装置本体2内における転写ベルト41の下方、かつ給紙トレイ10の上方には、転写ベルト41に付着したトナーを回収して収容するクリーニングユニット7が設けられている。クリーニングユニット7は、装置本体2に着脱可能に装着されている。
【0063】
クリーニングユニット7は、フレーム70と、ベルトクリーニングローラ71と、回収ローラ72と、掻き取りブレード73とを有している。ベルトクリーニングローラ71および回収ローラ72は、それぞれフレーム70に回転可能に支持されている。
【0064】
ベルトクリーニングローラ71は、転写ベルト41の下方において、転写ベルト41内に配置されたバックアップローラ45と対向する位置に配置されている。バックアップローラ45は、転写ベルト41内において、転写ベルト41に上方から接触するように配置されている。
【0065】
回収ローラ72は、ベルトクリーニングローラ71に後方から接触している。掻き取りブレード73はフレーム70に支持されており、回収ローラ72の後下側に配置されている。掻き取りブレード73の前端部は、回収ローラ72の表面に接触している。フレーム70の内部には、回収した廃トナーを収容する収容室74が形成されている。
【0066】
[廃トナーのクリーニング動作]
画像形成装置1においては、画像形成部5による画像形成が終了すると、ドラムクリーニングローラ55に保持されている廃トナーをクリーニングユニット7により回収して、収容室74に収容するクリーニング動作が行われる。
【0067】
クリーニング動作においては、まず、ドラムクリーニングローラ55に保持されている廃トナーが、感光ドラム51の表面に吐き出されるとともに、感光ドラム51が回転される。感光ドラム51の表面に吐き出された廃トナーは、感光ドラム51の回転に伴って、転写ベルト41に対向する。
【0068】
転写ベルト41に対向した感光ドラム51表面の廃トナーは、転写ローラ44の転写バイアスによって転写ベルト41の表面に転写される。その後、転写ベルト41の表面に転写された廃トナーは、転写ベルト41の周回に伴ってベルトクリーニングローラ71に対向する位置まで搬送される。
【0069】
ベルトクリーニングローラ71に対向した廃トナーは、ベルトクリーニングローラ71に印加されたベルトクリーニングバイアスによって、ベルトクリーニングローラ71の表面に静電気的に保持される。つまり、ベルトクリーニングローラ71は、転写ベルト41に付着したトナーを除去する。
【0070】
ベルトクリーニングローラ71は、清掃対象物に付着した現像剤を除去するクリーニングローラの一例である。ローラ部材により構成されるベルトクリーニングローラ71は、転写ベルト41に付着したトナーを容易に連続的に除去することが可能となっている。転写ベルト41は、清掃対象物の一例である。クリーニングローラにより現像剤が除去される清掃対象物は、転写ベルト41に限るものではなく、感光ドラム51等をクリーニングローラによる清掃対象物とすることも可能である。
【0071】
ベルトクリーニングローラ71に保持されたトナーは、回収ローラ72に静電気的に転移される。回収ローラ72に転移された廃トナーは、掻き取りブレード73により掻き取られて落下し、収容室74内に収容される。
【0072】
[クリーニングユニット]
図2、
図3に示すように、クリーニングユニット7のベルトクリーニングローラ71は、軸線Xに沿って延びている。ベルトクリーニングローラ71は、軸線Xを中心として回転するローラ部材である。ベルトクリーニングローラ71は、クリーニングローラの一例である。ベルトクリーニングローラ71は、軸線X方向における一端部71Aと、他端部71Bとを備えている。軸線Xは、左右方向に沿って延びる軸線である。
【0073】
フレーム70は、軸線Xにおける一端側となる右端側に、左右方向に面する第1側壁70Aを有しており、軸線Xにおける他端側となる左端側に、左右方向に面する第2側壁70Bを有している。第1側壁70Aは、フレームの軸線方向における一端側に位置する一側壁の一例である。ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aはフレーム70の第1側壁70Aに支持されており、ベルトクリーニングローラ71の他端部71Bはフレーム70の第2側壁70Bに支持されている。
【0074】
ベルトクリーニングローラ71は、軸線X方向に沿って延びる金属製のシャフト711と、導電性樹脂部材によって円筒状に形成され、シャフト711を被覆するローラ本体712とを備えており、ローラ本体712が転写ベルト41に接触することによって転写ベルト41に付着したトナーが除去される。
【0075】
回収ローラ72は、左右方向に沿って延びる略円柱状の金属部材にて形成されており、ベルトクリーニングローラ71のローラ本体712に圧接している。回収ローラ72は、軸線X方向における一端部72Aと、他端部72Bとを備えている。
【0076】
掻き取りブレード73は、左右方向を長手方向とする平板状部材にて形成されており、回収ローラ72に圧接している。掻き取りブレード73は、回収ローラ72に付着したトナーを掻き落として回収する。クリーニングユニット7においては、ベルトクリーニングローラ71、回収ローラ72、および掻き取りブレード73によって転写ベルト41に付着したトナーが除去されて、収容室74に収容される。
【0077】
収容室74の上方は、フレーム70の上面70Dにより閉じられている。クリーニングユニット7は、収容室74内に位置する搬送部材75を備えている。搬送部材75は、収容室74内に収容されるトナーを後方へ搬送する部材である。
【0078】
[ベルトクリーニングローラおよび回収ローラのフレームによる支持構造]
図4、
図5に示すように、ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aにおいて、シャフト711は、軸受部711aと、導電支持部711bと、係合部711cとを有している。シャフト711の軸受部711aは、フレーム70の第1側壁70Aに支持されている。シャフト711の導電支持部711bは、軸受部711aよりも右方に位置しており、フレーム70の第1側壁70Aよりも右方に突出している。
【0079】
クリーニングユニット7は、ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aに位置する軸受部711aを、フレーム70の第1側壁70Aにおいて回転可能に支持するベアリング80を備えている。フレーム70の第1側壁70Aは支持孔701を有しており、ベアリング80は支持孔701に左右方向へ移動可能に嵌装されている。
【0080】
図5、
図6に示すように、ベアリング80は、円筒リブ801と、第1リブ802と、第3リブ803とを有している。
【0081】
円筒リブ801は左右方向に延びる円筒形状に形成されており、第1側壁70Aの支持孔701に嵌装されている。円筒リブ801は、シャフト711の軸受部711aを回転可能に支持している。つまり、シャフト711は、ベアリング80を介してフレーム70の第1側壁70Aに支持されている。
【0082】
第1リブ802は、円筒リブ801の右端部に位置している。第1リブ802は、円筒リブ801の右端部から外径側へ延びる板状部材にて形成されている。第1リブ802は、第1側壁70Aよりも右側に位置している。右側は、軸線方向における一側の一例である。第1リブ802は、支持孔701の周縁部よりも外径側に延びており、第1側壁70Aに右方から係合可能である。第1リブ802が第1側壁70Aに係合することで、ベアリング80が支持孔701から左方へ抜け出ることを抑制可能である。
【0083】
第3リブ803は、円筒リブ801の左端部に位置している。第3リブ803は、円筒リブ801の左端部から外径側へ延びる突起である。第3リブ803は、第1側壁70Aよりも左側に位置している。左側は、軸線方向における他側の一例である。第3リブ803は、支持孔701の周縁部よりも外径側に延びており、第1側壁70Aに左方から係合可能である。第3リブ803が第1側壁70Aに係合することで、ベアリング80が支持孔701から右方へ抜け出ることを抑制可能である。
【0084】
ベアリング80の円筒リブ801は、第1リブ802と第1側壁70Aとが接触している状態で、第1側壁70Aから左方へ突出する突出部801aを有している。突出部801aは、円筒リブ801の一部である。第3リブ803は、円筒リブ801の突出部801aに固定されている。
【0085】
クリーニングユニット7は、ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aに装着される導電ベアリング81を備えている。導電ベアリング81は、ベルトクリーニングローラ71の一端部71Aに位置するシャフト711の導電支持部711bに装着されている。導電支持部711bは軸受部711aよりも右方に位置しており、導電ベアリング81は、軸受部711aに嵌装されるベアリング80よりも右側においてベルトクリーニングローラ71に装着されている。
【0086】
図5、
図7に示すように、導電ベアリング81は、導電性樹脂等の導電性部材にて形成されており、左右方向に沿って延びる円筒形状に形成されている。導電ベアリング81は、右側面に径方向に延びる複数のリブ811を有している。リブ811は、導電ベアリング81を右方から見たときに視認可能である。
【0087】
従って、導電ベアリング81をシャフト711の導電支持部711bに装着した際に、リブ811を右方から視認できることをもって、導電ベアリング81が適正な装着方向に装着されていることを容易に認識することができる。
【0088】
導電ベアリング81は、内周面における左端部から径方向内側へ突出する突出部812を有している。突出部812は、シャフト711の係合部711cに係合可能である。
図7(c)に示すように、導電ベアリング81をシャフト711の導電支持部711bに嵌装した際に、突出部812と係合部711cとが係合する。これにより、導電支持部711bに嵌装された導電ベアリング81がシャフト711から抜け出ることを抑制可能となっている。
【0089】
図4、
図5に示すように、回収ローラ72の軸線X方向における一端部72Aは、フレーム70の第1側壁70Aに支持されており、回収ローラ72の軸線X方向における他端部72Bは、フレーム70の第2側壁70Bに支持されている。回収ローラ72は、一端部72Aに位置する軸受部72aと、導電支持部72bと、係合部72cとを有している。
【0090】
回収ローラ72の軸受部72aは、第1側壁70Aに支持されている。回収ローラ72の導電支持部72bは、フレーム70の第1側壁70Aよりも右方に突出している。
【0091】
クリーニングユニット7は、回収ローラ72の一端部72Aに位置する軸受部72aを、フレーム70の第1側壁70Aにおいて回転可能に支持するベアリング82を備えている。フレーム70の第1側壁70Aは支持孔702を有しており、ベアリング82は支持孔702に左右方向へ移動可能に嵌装されている。
【0092】
ベアリング82は、ベアリング80と同様に形成されており、円筒リブ821と、第1リブ822と、第3リブ823とを有している。
【0093】
円筒リブ821は左右方向に延びる円筒形状に形成されており、第1側壁70Aの支持孔701に嵌装されている。円筒リブ821は、回収ローラ72の軸受部72aを回転可能に支持している。つまり、回収ローラ72は、ベアリング82を介してフレーム70の第1側壁70Aに支持されている。
【0094】
第1リブ822は、円筒リブ821の右端部に位置しており、円筒リブ821の右端部から外径側へ延びている。第1リブ822は、第1側壁70Aよりも右側に位置している。第1リブ822は、第1側壁70Aに右方から係合可能である。第1リブ822が第1側壁70Aに係合することで、ベアリング82が支持孔702から左方へ抜け出ることを抑制可能である。
【0095】
第3リブ823は、円筒リブ821の左端部に位置しており、円筒リブ821の左端部から外径側へ延びている。第3リブ823は、第1側壁70Aよりも左側に位置している。第3リブ823は、第1側壁70Aに左方から係合可能である。第3リブ823が第1側壁70Aに係合することで、ベアリング82が支持孔702から右方へ抜け出ることを抑制可能である。
【0096】
ベアリング82の円筒リブ821は、第1リブ822と第1側壁70Aとが接触している状態で、第1側壁70Aから左方へ突出する突出部821aを有している。突出部821aは、円筒リブ821の一部である。第3リブ823は、円筒リブ821の突出部821aに固定されている。
【0097】
クリーニングユニット7は、回収ローラ72の一端部72Aに装着される導電ベアリング83を備えている。導電ベアリング83は、回収ローラ72の一端部72Aに位置する導電支持部72bに装着されている。導電支持部72bは軸受部72aよりも右方に位置しており、導電ベアリング83は、軸受部72aに嵌装されるベアリング82よりも右側において回収ローラ72に装着されている。
【0098】
導電ベアリング83は導電ベアリング81と同様に構成されており、右側面に径方向に延びる複数のリブ831を有している。リブ831は、導電ベアリング83を右方から見たときに認識可能である。
【0099】
導電ベアリング83は、内周面における左端部から径方向内側へ突出する突出部832を備えている。突出部832は、回収ローラ72の係合部72cに係合可能である。導電ベアリング83を回収ローラ72の導電支持部72bに嵌装した際に、突出部832と係合部72cとが係合する。これにより、導電支持部72bに嵌装された導電ベアリング83が回収ローラ72から抜け出ることを抑制可能となっている。
【0100】
[電極]
図4に示すように、クリーニングユニット7は、フレーム70における第1側壁70Aに支持される電極85を備えている。電極85は、第1電極851、第2電極852、および第3電極853を有している。
【0101】
第1電極851は、屈曲された金属板からなり、本体部851aと、外部接点部851bとを有している。本体部851aは、第1側壁70Aの右側面に支持されている。外部接点部851bは、第1側壁70Aの右側面において本体部851aの下方に連続して形成されている。第1電極851は、クリーニングユニット7に貯留される廃トナーが満杯であることを検知する検知部と電気的に接続されている。第1電極851は、フレームの一側壁に支持され、クリーニングユニットと電気的に接続される電極の一例である。
【0102】
第2電極852は、屈曲された金属板からなり、本体部852aと、外部接点部852bと、接触部852cとを有している。本体部852aは、第1側壁70Aの右側面に支持されている。外部接点部852bは、第1側壁70Aの右側面において本体部852aの下方に連続して形成されている。本体部852aは第1電極851における本体部851aの後方に位置し、外部接点部852bは、第1電極851における外部接点部851bの後方に位置している。
【0103】
接触部852cは、本体部852aから前斜め上方へ延びており、導電ベアリング81の外周面に接触している。導電ベアリング81は導電性部材にて形成されているため、接触部852cが導電ベアリング81に接触することで、第2電極852とベルトクリーニングローラ71のシャフト711とが電気的に接続される。
【0104】
第3電極853は、屈曲された金属板からなり、本体部853aと、外部接点部853bと、接触部853cとを有している。本体部853aは、第1側壁70Aの右側面に支持されている。外部接点部853bは、第1側壁70Aの右側面において本体部853aの下方に連続して形成されている。本体部853aは第2電極852における本体部852aの後方に位置し、外部接点部853bは、第2電極852における外部接点部852bの後方に位置している。
【0105】
接触部853cは、本体部853aから前斜め上方へ延びており、導電ベアリング83の外周面に接触している。導電ベアリング83は導電性部材にて形成されているため、接触部853cが導電ベアリング83に接触することで、第3電極853と回収ローラ72とが電気的に接続される。
【0106】
第1電極851は、クリーニングユニット7が装置本体2に装着された際に接地されるように構成されている。また、クリーニングユニット7が装置本体2に装着された際には、第2電極852にはベルトクリーニングバイアスが印加され、第3電極853には電源電圧が印加されるように構成されている。
【0107】
[カバー]
図4、
図5に示すように、クリーニングユニット7は、フレーム70の第1側壁70Aを右側から覆うカバー90を備えている。カバー90は第1側壁70Aの右側面に装着されており、ベアリング80、導電ベアリング81、ベアリング82、導電ベアリング83、第1電極851の本体部851a、第2電極852の本体部852aおよび接触部852c、ならびに第3電極853の本体部853aおよび接触部853c等がカバー90により右側から覆われている。
【0108】
図4、
図5、
図8に示すように、カバー90は、カバー板901と、第2リブ902と、第4リブ903と、第1押さえリブ904と、第2押さえリブ906と、第3押さえリブ906とを有している。
【0109】
カバー板901は左右方向に面する板状部材であり、ベアリング80、導電ベアリング81、ベアリング82、導電ベアリング83、第1電極851の本体部851a、第2電極852の本体部852aおよび接触部852c、ならびに第3電極853の本体部853aおよび接触部853c等を右側から覆っている。
【0110】
第2リブ902は、カバー板901から左方へ突出しており、円弧形状に形成されている。第2リブ902は、導電ベアリング81の外周を囲むように配置されており、軸線X方向に投影するとベアリング80の第1リブ802と重なる位置に位置していて、第1リブ802と当接可能に構成されている。
【0111】
第2リブ902は、導電ベアリング81の外周における、第2電極852の接触部852cが導電ベアリング81に接触する箇所を避けて配置されているため、第2電極852と干渉することがない。また、円弧形状に形成される第2リブ902は、導電ベアリング81の外周における全周ではなく一部において配置されているため、導電ベアリング81の外周に部品を配置する際の自由度を高くすることが可能となっている。
【0112】
第2リブ902は、軸線X方向において、ベアリング80の第1リブ802と隙間を有して位置している。
図9に示すように、軸線X方向において、フレーム70の第1側壁70Aとベアリング80の第1リブ802とが接触している状態で、第1リブ802と第2リブ902とは、第1間隔G1を有して位置している。
【0113】
また、軸線X方向において、フレーム70の第1側壁70Aとベアリング80の第1リブ802とが接触している状態で、ベアリング80の第3リブ803とフレーム70の第1側壁70Aとは、第2間隔G2を有して位置している。第1間隔G1は、第2間隔G2よりも大きく設定されている。
【0114】
ここで、ベアリング80は、第1側壁70Aにおける支持孔701に左右方向へ移動可能に嵌装されており、ベルトクリーニングローラ71が左右方向に移動した際に、ベルトクリーニングローラ71の移動に伴ってベアリング80も左右方向へ移動することがある。
【0115】
例えば、ベアリング80が、第1側壁70Aと第1リブ802とが接触している状態から右方へ移動すると、ベアリング80の第3リブ803が第1側壁70Aに当接する。第3リブ803が第1側壁70Aに当接した後に、ベアリング80に右方への荷重が作用すると、ベアリング80は第3リブ803が弾性変形しながら、さらに右方へ移動する。
【0116】
第3リブ803が第1側壁70Aに当接した後に、さらにベアリング80が右方へ移動すると、第1リブ802が第2リブ902に当接して、ベアリング80の右方への移動が規制される。つまり、第1リブ802と第2リブ902とが当接することで、ベアリング80にかかった右方への荷重をカバー90により支持することが可能となっている。
【0117】
従って、梱包した状態のクリーニングユニット7が落下する等して、ベルトクリーニングローラ71が軸線X方向に移動した際には、第1リブ802と第2リブ902とが当接することで、ベアリング80にかかった軸線X方向の荷重をカバー90により支持することができる。これにより、ベアリング80の第3リブ803に過度な荷重が作用して破損することを抑制し、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能となる。
【0118】
特に、第1間隔G1は第2間隔G2よりも大きく設定されているため、クリーニングユニット7の通常の使用時には第1リブ802と第2リブ902とが接触することはなく、ベルトクリーニングローラ71の円滑な回転が阻害されることがない。一方、クリーニングユニット7に、ベルトクリーニングローラ71が右方へ移動する方向の荷重がかかった場合には、第3リブ803に作用する軸線X方向の荷重を減少して、第3リブ803が破損することを抑制し、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能である。
【0119】
本実施形態においては、第1間隔G1は、0.1mm以上、かつ1.0mm以下に設定している。第1間隔G1をこのように設定することで、軸線X方向の荷重がベアリング80にかかった際に、ベアリング80が右方へ大きく移動して第3リブ803が破損することを抑制し、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能となる。
【0120】
また、第1間隔G1は、0.4mm以上、かつ0.6mm以下に設定することが好ましい。第1間隔G1をこのように設定することで、軸線X方向の荷重がベアリング80にかかった際に、ベアリング80が右方へ大きく移動して第3リブ803が破損することをより抑制し、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能となる。
【0121】
図9に示すように、ベアリング80の円筒リブ801における突出部801aは、第1リブ802と第1側壁70Aとが接触している状態において、第1側壁70Aから長さLだけ左方に突出している。第1リブ802と第2リブ902との第1間隔G1は、突出部801aの長さL以下に設定されている。
【0122】
このように、第1間隔G1を突出部801aの長さL以下とすることで、軸線X方向の荷重がベアリング80にかかって、ベアリング80が右方へ移動した際に、第1側壁70Aに当接した第3リブ803が万が一破損した場合でも、ベアリング80の円筒リブ801が第1側壁70Aの支持孔701から抜け出ることを抑制できる。これにより、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能である。
【0123】
また、突出部801aは円筒リブ801の位置部であるため、ベアリング80が軸線X方向へ移動した場合でも、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することが可能である。
【0124】
第4リブ903は、カバー板901から左方へ突出しており、円弧形状に形成されている。第4リブ903は、導電ベアリング83の外周を囲むように配置されており、軸線X方向に投影するとベアリング82の第1リブ822と重なる位置に位置していて、第1リブ822と当接可能に構成されている。
【0125】
第4リブ903は、導電ベアリング83の外周における、第3電極853の接触部853cが導電ベアリング83に接触する箇所を避けて配置されているため、第3電極853と干渉することがない。また、円弧形状に形成される第4リブ903は、導電ベアリング83の外周における全周ではなく一部において配置されているため、導電ベアリング83の外周に部品を配置する際の自由度を高くすることが可能である。
【0126】
第4リブ903は、フレーム70の第1側壁70Aとベアリング82の第1リブ822とが接触している状態で、軸線X方向において第1リブ822と隙間を有して位置している。また、軸線X方向において、第1側壁70Aと第1リブ802とが接触している状態で、ベアリング82の第3リブ823と第1側壁70Aとは間隔を有して位置している。第4リブ903と第1リブ822との隙間は、第3リブ823と第1側壁70Aとの隙間よりも大きく設定されている。
【0127】
従って、梱包した状態のクリーニングユニット7が落下する等して、回収ローラ72が軸線X方向に移動した際には、第1リブ822と第4リブ903とが当接することで、ベアリング82にかかった軸線X方向の荷重をカバー90により支持することができる。これにより、ベアリング82の第3リブ823に過度な荷重が作用して破損することを抑制して、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング82の適正な支持を保持することが可能である。
【0128】
本実施形態においては、第4リブ903と第1リブ822との隙間は、0.1mm以上、かつ1.0mm以下に設定している。また、第4リブ903と第1リブ822との隙間は、0.4mm以上、かつ0.6mm以下に設定することが好ましい。さらに、第4リブ903と第1リブ822との隙間は、ベアリング82の円筒リブ821における突出部821aの軸線X方向における長さ以下に設定されている。
【0129】
また、クリーニングユニット7においては、第1間隔G1および第2間隔G2は、第2間隔G2が第1間隔G1よりも大きくなるように設定することができる。
【0130】
この場合は、回収ローラ72が右方へ移動した際に、第3リブ823がフレーム70の第1側壁70Aと係止する前にカバー90の第2リブ902がベアリング80の第1リブ822と当接することで、ベアリング80にかかった軸線X方向の荷重をカバー90により支持することができる。これにより、軸線X方向の荷重が第3リブ823に作用して破損することを抑制し、フレーム70の第1側壁70Aによるベアリング80の適正な支持を保持することができる。
【0131】
図4、
図8に示すように、第1押さえリブ904は、カバー板901から左方へ突出している。第1押さえリブ904は、軸線X方向に投影すると、第1電極851の本体部851aと重なる位置に位置しており、第1電極851の本体部851aに当接して、第1電極851を右側から押さえている。第1押さえリブ904が第1電極851を押さえることで、第1側壁70Aに支持されている第1電極851が、第1側壁70Aから脱落することを抑制可能である。
【0132】
第1押さえリブ904は第2リブ902の下方に位置しており、第2リブ902の下端部と連結されている。つまり、第1押さえリブ904は、第2リブ902と連続して形成されている。第1押さえリブ904と第2リブ902とが連続して形成されることで、第1押さえリブ904および第2リブ902の強度を向上することが可能である。第1押さえリブ904は、第2リブと連続して形成される押さえリブの一例である。
【0133】
第2押さえリブ905は、カバー板901から左方へ突出している。第2押さえリブ905は、軸線X方向に投影すると、第2電極852の本体部852aと重なる位置に位置しており、第2電極852の本体部852aに当接して、第2電極852を右側から押さえている。第2押さえリブ905が第2電極852を押さえることで、第1側壁70Aに支持されている第2電極852が、第1側壁70Aから脱落することを抑制可能である。
【0134】
第2押さえリブ905は第4リブ903の下方に位置しており、第4リブ903の下端部と連結されている。つまり、第2押さえリブ905は、第4リブ903と連続して形成されている。第2押さえリブ905と第4リブ903とが連続して形成されることで、第2押さえリブ905および第4リブ903の強度を向上することが可能である。
【0135】
第3押さえリブ906は、カバー板901から左方へ突出している。第3押さえリブ906は、軸線X方向に投影すると、第3電極853の本体部853aと重なる位置に位置しており、第3電極853の本体部853aに当接して、第3電極853を右側から押さえている。第3押さえリブ906が第3電極853を押さえることで、第1側壁70Aに支持されている第3電極853が、第1側壁70Aから脱落することを抑制可能である。
【0136】
図5、
図8、
図9に示すように、カバー90のカバー板901は、軸線X方向において導電ベアリング81と対向する位置に、右側に凹む円形状の逃がし溝911を備えている。また、カバー90のカバー板901は、軸線X方向においてベルトクリーニングローラ71のシャフト711と対向する位置に、軸線X方向に貫通する円形状の逃がし孔912を備えている。逃がし孔912は逃がし溝911の底部に位置しており、逃がし孔912と逃がし溝911とは同心に配置されている。
【0137】
逃がし溝911の径D1は、導電ベアリング81の径D3よりも大きく形成されており、逃がし孔912の径D2は、シャフト711の右端部に位置する導電支持部711bの径D4よりも大きく、かつ導電ベアリング81の径D3よりも小さく形成されている。
【0138】
このように、カバー90の導電ベアリング81と対向する位置には逃がし溝911が形成されているため、シャフト711の導電支持部711bに装着された導電ベアリング81がシャフト711とともに右方向へ移動した場合に、導電ベアリング81を逃がし溝911に収容することができ、導電ベアリング81とカバー90とが干渉することを抑制可能である。
【0139】
また、カバー90のシャフト711と対向する位置には逃がし孔912が形成されているため、シャフト711が右方向へ移動した場合に、シャフト711の導電支持部711bは逃がし孔912を通じてカバー90の右側へ突出することができ、シャフト711とカバー90とが干渉することを抑制可能である。
【0140】
この場合、逃がし孔912の径D2は、導電ベアリング81の径D3よりも小さいため、逃がし溝911に収容された導電ベアリング81が逃がし孔912を通過してカバー90の右側へ飛び出ることを抑制可能である。
【0141】
図5、
図8に示すように、カバー90のカバー板901は、軸線X方向において導電ベアリング83と対向する位置に、右側に凹む円形状の逃がし溝921を備えている。また、カバー90のカバー板901は、回収ローラ72と対向する位置に、軸線X方向に貫通する円形状の逃がし孔922を備えている。逃がし孔922は逃がし溝921の底部に位置しており、逃がし孔922と逃がし溝921とは同心に配置されている。
【0142】
逃がし溝921の径は、導電ベアリング83の径よりも大きく形成されており、逃がし孔922の径は、回収ローラ72における導電支持部72bの径よりも大きく、かつ導電ベアリング83の径よりも小さく形成されている。
【0143】
これにより、導電ベアリング83が回収ローラ72とともに右方向へ移動した場合に、導電ベアリング83を逃がし溝921に収容することができ、導電ベアリング83とカバー90とが干渉することを抑制可能である。また、回収ローラ72が右方向へ移動した場合に、回収ローラ72の導電支持部72bは逃がし孔922を通じてカバー90の右側へ突出することができ、回収ローラ72とカバー90とが干渉することを抑制可能である。さらに、逃がし溝921に収容された導電ベアリング83が逃がし孔922を通過してカバー90の右側へ飛び出ることを抑制可能である。
【0144】
図2、
図5、
図9に示すように、カバー90のカバー板901は、右側に面する接触面901aを有している。接触面901aは、クリーニングユニット7を梱包した際に、梱包材PMと接触する面であり、カバー90の第2リブ902および第4リブ903を軸線X方向に投影した位置に位置している。
【0145】
このように、カバー90がクリーニングユニット7を梱包するための梱包材PMと接触する接触面901aを有することで、カバー90に荷重がかかった際に、カバー90にかかった荷重を、接触面901aを介して梱包材FMにより支持することができる。
【0146】
特に、接触面901aは、第2リブ902を軸線X方向に投影した位置に位置しているため、ベルトクリーニングローラ71が軸線X方向へ移動した際に、ベルトクリーニングローラ71からの荷重を、ベアリング80、カバー90の第2リブ902、およびカバー90の接触面901aを介して、梱包材PMにより効果的に支持することができる。
【0147】
この場合、回転するベルトクリーニングローラ71は、カバー90に直接接触することがないため、ベルトクリーニングローラ71の回転が阻害されることはない。また、第2リブ902は、導電ベアリング81の外周を囲むように配置されているため、ベアリング80の中心に近い位置に接触することができ、ベルトクリーニングローラ71からの荷重を効果的に支持することが可能となっている。
【0148】
また、接触面901aは、第4リブ903を軸線X方向に投影した位置に位置しているため、回収ローラ72が軸線X方向へ移動した際に、回収ローラ72からの荷重を、ベアリング82、カバー90の第4リブ903、およびカバー90の接触面901aを介して、梱包材PMにより効果的に支持することができる。
【0149】
この場合、回転する回収ローラ72は、カバー90に直接接触することがないため、回収ローラ72の回転が阻害されることはない。また、第4リブ903は、導電ベアリング83の外周を囲むように配置されているため、ベアリング82の中心に近い位置に接触することができ、回収ローラ72からの荷重を効果的に支持することが可能となっている。
【符号の説明】
【0150】
1 画像形成装置
7 クリーニングユニット
41 転写ベルト
70 フレーム
70A 第1側壁
71 ベルトクリーニングローラ
71A 一端部
71B 他端部
80 ベアリング
81 導電ベアリング
85 電極
90 カバー
711 シャフト
711a 軸受部
711b 導電支持部
801 円筒リブ
801a 突出部
802 第1リブ
803 第3リブ
811 リブ
851 第1電極
901 カバー板
901a 接触面
902 第2リブ
904 第1押さえリブ
911 逃がし溝
912 逃がし孔
D1 (逃がし溝の)径
D2 (逃がし孔の)径
D3 (導電ベアリングの)径
D4 (シャフトにおける導電支持部の)径
G1 第1間隔
G2 第2間隔
L (突出部の)長さ
PM 梱包材
X 軸線