特開 2024-79120 液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024079120

(43)【公開日】2024-06-11

(54)【発明の名称】液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置

(51)【国際特許分類】

   B41J 2/18 20060101AFI20240604BHJP

   B41J 2/175 20060101ALI20240604BHJP

   B41J 2/01 20060101ALI20240604BHJP

【ＦＩ】

B41J2/18

B41J2/175 121

B41J2/01 401

B41J2/175 501

B41J2/175 503

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022191856

(22)【出願日】2022-11-30

(71)【出願人】

【識別番号】000005267

【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100104178

【弁理士】

【氏名又は名称】山本 尚

(74)【代理人】

【識別番号】100213687

【弁理士】

【氏名又は名称】平松 大輝

(72)【発明者】

【氏名】川北 彬広

(72)【発明者】

【氏名】吉本 久晃

【テーマコード（参考）】

2C056

【Ｆターム（参考）】

2C056EA16

2C056EB17

2C056EB38

2C056EB48

2C056EC15

2C056EC17

2C056KB16

2C056KB37

(57)【要約】

【課題】一定期間において、タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供する。
【解決手段】液体供給システムの制御部は、単位増加量に関する循環設定に基づいて供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる（Ｓ３２）。単位増加量は、第一循環処理の終了時から第二循環処理の終了時までの時間当たりに、第二循環処理によってサーバタンクまたはプリンタタンクの液体の残量が増加する量である。制御部は、循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間におけるサーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の消費に関する情報に基づいて（Ｓ１２：ＹＥＳ）、循環設定を第一設定から第二設定に変更する（Ｓ１３）。第二設定における単位増加量は、第一設定における単位増加量よりも少ない。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、
前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理と
を行うことを特徴とする液体供給システム。

【請求項2】

前記送液機構は、ポンプを含み、前記ポンプの駆動によって前記供給動作または前記戻し動作を行い、
前記循環設定は、前記第一循環処理と前記第二循環処理との間のインターバルと、前記循環処理における前記ポンプの回転数と、前記循環処理における前記ポンプの駆動時間とを含み、
前記第二設定における、前記インターバルの逆数と前記回転数と前記駆動時間との積は、前記第一設定における、前記インターバルの逆数と前記回転数と前記駆動時間との積よりも小さい
ことを特徴とする請求項１に記載の液体供給システム。

【請求項3】

前記制御部は、
前記供給動作を前記送液機構に実行させる供給処理を行い、
前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された状態で前記供給処理を行う場合、前記供給処理の前に前記循環処理を行う
ことを特徴とする請求項１または２に記載の液体供給システム。

【請求項4】

前記管は、
前記サーバタンクと前記プリンタタンクとを接続する第一管と、
前記サーバタンクと前記プリンタタンクとを接続する第二管と、
前記第一管と前記第二管とを接続する第三管と
を含み、
前記送液機構は、
前記第一管、前記第二管、および前記第三管を介して、前記サーバタンクから前記プリンタタンクを介することなく前記液体を循環させ、または前記第一管、前記第二管、および前記第三管を介して、前記プリンタタンクから前記サーバタンクを介することなく前記液体を循環させる単独循環動作をさらに行い、
前記制御部は、
前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された場合、前記単独循環動作を前記送液機構に実行させる単独循環処理を行う
ことを特徴とする請求項１または２に記載の液体供給システム。

【請求項5】

前記プリンタは、第一プリンタと第二プリンタとを含み、
前記管は、
前記サーバタンクと、前記第一プリンタが備える前記プリンタタンクである第一プリンタタンクとを接続する第一管と、
前記サーバタンクと、前記第一プリンタタンクとを接続する第二管と、
前記第一管と、前記第二プリンタが備える前記プリンタタンクである第二プリンタタンクとを接続する第三管と、
前記第二管と、前記第二プリンタタンクとを接続する第四管と
を含み、
前記送液機構は、
前記サーバタンクから前記第一プリンタタンクに前記第一管を介して前記液体を供給する前記供給動作と、
前記第一プリンタタンクから前記サーバタンクに前記第二管を介して前記液体を戻す前記戻し動作と、
前記サーバタンクから前記第二プリンタタンクに前記第一管と前記第三管とを介して前記液体を供給する特定供給動作と、
前記第二プリンタタンクから前記サーバタンクに前記第二管と前記第四管とを介して前記液体を戻す特定戻し動作と
を行い、
前記特定タンクは、前記第一プリンタタンクであり、
前記制御部は、
前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された場合、前記特定供給動作と前記特定戻し動作とを前記送液機構に実行させる特定循環処理を行う
ことを特徴とする請求項１または２に記載の液体供給システム。

【請求項6】

前記制御部は、
前記設定処理において、前記情報に基づいて前記循環設定を前記第一設定から前記第二設定に変更する場合、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量に基づいて、前記循環処理における前記供給動作によって前記サーバタンクから前記管を介して前記プリンタタンクに供給される前記液体の量である循環供給量と、前記循環処理における前記戻し動作によって前記プリンタタンクから前記管を介して前記サーバタンクに戻される前記液体の量である循環戻し量とを、前記特定タンクの前記単位増加量がマイナス値になるように算出し、前記循環設定を前記第一設定から、算出された前記循環供給量および前記循環戻し量に基づく前記第二設定に変更する
ことを特徴とする請求項１または２に記載の液体供給システム。

【請求項7】

前記制御部は、
前記設定処理において、前記第二設定に基づいて前記循環処理を行うたびに、前記循環供給量と前記循環戻し量とを算出する
ことを特徴とする請求項６に記載の液体供給システム。

【請求項8】

プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御方法は、
前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、
前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理と
を備えたことを特徴とする制御方法。

【請求項9】

プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御プログラムは、前記コンピュータに、
前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、
前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理と
を実行させることを特徴とする制御プログラム。

【請求項10】

プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、
前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理と
を行うことを特徴とする液体供給装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置に関する。

【背景技術】

【0002】

プリンタに液体を供給する液体供給システムが知られている。特許文献１に記載の液体供給システムはメインタンクとプリンタとを備える。メインタンクには液体の一種としてインクが収容される。プリンタはサブタンクを備える。サブタンクはメインタンクチューブを介してメインタンクに接続される。液体供給システムはメインタンクからサブタンクにメインタンクチューブを介してインクを供給する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００４－３１４３９２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記液体供給システムでは、インクの温度分布、濃度分布等の状態を均一にするため、メインタンクとサブタンクとの間でメインタンクチューブを介してインクを循環させることが考えられる。この場合、循環後のメインタンクのインク量が、循環前のメインタンクのインク量から変化し、循環後のサブタンクのインク量が、循環前のサブタンクのインク量から変化する可能性がある。このため、循環が繰り返し行われることで、メインタンクのインク量が増え続けると、メインタンクからインクが溢れる可能性がある。循環が繰り返し行われることで、サブタンクのインク量が増え続けると、サブタンクからインクが溢れる可能性がある。

【0005】

本発明の目的は、一定期間において、タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の第一態様に係る液体供給システムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理とを行うことを特徴とする。

【0007】

第一態様によれば、循環設定が第一設定から第二設定に変更される前では、第一設定に基づいて循環処理が行われる。所定期間におけるサーバタンク内またはプリンタタンク内の液体の消費に関する情報に基づいて循環設定が第一設定から第二設定に変更されると、第二設定に基づいて循環処理が行われる。この場合、単位増加量が第一設定よりも小さくなる。よって、制御部は、循環設定が第一設定のままの場合に比べて、一定期間において、特定タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する。

【0008】

前記液体供給システムにおいて、前記送液機構は、ポンプを含み、前記ポンプの駆動によって前記供給動作または前記戻し動作を行い、前記循環設定は、前記第一循環処理と前記第二循環処理との間のインターバルと、前記循環処理における前記ポンプの回転数と、前記循環処理における前記ポンプの駆動時間とを含み、前記第二設定における、前記インターバルの逆数と前記回転数と前記駆動時間との積は、前記第一設定における、前記インターバルの逆数と前記回転数と前記駆動時間との積よりも小さくてもよい。

【0009】

この場合、液体供給システムは、第二設定の単位増加量を第一設定の単位増加量よりも確実に小さくすることに貢献する。

【0010】

前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記供給動作を前記送液機構に実行させる供給処理を行い、前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された状態で前記供給処理を行う場合、前記供給処理の前に前記循環処理を行ってもよい。

【0011】

循環設定に第二設定が設定された状態では、循環設定に第一設定が設定された状態よりも単位増加量が小さいので、サーバタンク、管、またはプリンタタンク内の液体の状態が、循環設定に第一設定が設定された状態よりも不均一になっている可能性がある。制御部は、循環設定に第二設定が設定された状態で供給処理を行う場合には、供給処理の前に循環処理を行うことで、供給処理を行う前に、サーバタンク、管、またはプリンタタンク内の液体の状態を均一化する。よって、制御部は、一定期間において、特定タンクから液体が溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の液体がサーバタンクから管を介してプリンタタンクに供給されること抑制することに貢献する。

【0012】

前記液体供給システムにおいて、前記管は、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとを接続する第一管と、前記サーバタンクと前記プリンタタンクとを接続する第二管と、前記第一管と前記第二管とを接続する第三管とを含み、前記送液機構は、前記第一管、前記第二管、および前記第三管を介して、前記サーバタンクから前記プリンタタンクを介することなく前記液体を循環させ、または前記第一管、前記第二管、および前記第三管を介して、前記プリンタタンクから前記サーバタンクを介することなく前記液体を循環させる単独循環動作をさらに行い、前記制御部は、前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された場合、前記単独循環動作を前記送液機構に実行させる単独循環処理を行ってもよい。

【0013】

この場合、単独循環処理によってサーバタンクから第一管の一部と第二管の一部と第三管を介して液体が循環し、または単独循環処理によってプリンタタンクから第一管の一部と第二管の一部と第三管を介して液体が循環する。これにより、第二設定に基づく循環処理によって液体の状態が不均一になっている可能性があったとしても、単独循環処理によって液体の状態が均一化される。よって、制御部は、一定期間において、特定タンクから液体が溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の液体がサーバタンクから管を介してプリンタタンクに供給されることを抑制することに貢献する。

【0014】

前記液体供給システムにおいて、前記プリンタは、第一プリンタと第二プリンタとを含み、前記管は、前記サーバタンクと、前記第一プリンタが備える前記プリンタタンクである第一プリンタタンクとを接続する第一管と、前記サーバタンクと、前記第一プリンタタンクとを接続する第二管と、前記第一管と、前記第二プリンタが備える前記プリンタタンクである第二プリンタタンクとを接続する第三管と、前記第二管と、前記第二プリンタタンクとを接続する第四管とを含み、前記送液機構は、前記サーバタンクから前記第一プリンタタンクに前記第一管を介して前記液体を供給する前記供給動作と、前記第一プリンタタンクから前記サーバタンクに前記第二管を介して前記液体を戻す前記戻し動作と、前記サーバタンクから前記第二プリンタタンクに前記第一管と前記第三管とを介して前記液体を供給する特定供給動作と、前記第二プリンタタンクから前記サーバタンクに前記第二管と前記第四管とを介して前記液体を戻す特定戻し動作とを行い、前記特定タンクは、前記第一プリンタタンクであり、前記制御部は、前記設定処理によって前記循環設定が前記第一設定から前記第二設定に変更された場合、前記特定供給動作と前記特定戻し動作とを前記送液機構に実行させる特定循環処理を行ってもよい。

【0015】

この場合、特定循環処理によってサーバタンクと第二プリンタタンクとの間で、第一プリンタタンクを介さず液体が循環する。これにより、第二設定に基づく循環処理によって液体の状態が不均一になっている可能性があったとしても、特定循環処理によって液体の状態が均一化される。よって、制御部は、一定期間において、第一プリンタタンクから液体が溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の液体がサーバタンクから管を介して第一プリンタタンクに供給されることを抑制することに貢献する。

【0016】

前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記設定処理において、前記情報に基づいて前記循環設定を前記第一設定から前記第二設定に変更する場合、前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量に基づいて、前記循環処理における前記供給動作によって前記サーバタンクから前記管を介して前記プリンタタンクに供給される前記液体の量である循環供給量と、前記循環処理における前記戻し動作によって前記プリンタタンクから前記管を介して前記サーバタンクに戻される前記液体の量である循環戻し量とを、前記特定タンクの前記単位増加量がマイナス値になるように算出し、前記循環設定を前記第一設定から、算出された前記循環供給量および前記循環戻し量に基づく前記第二設定に変更してもよい。

【0017】

この場合、第一設定に基づいて循環処理が行われて特定タンクの液体の残量が増加しても、第二設定に基づいて循環処理が行われると、特定タンクの液体の残量が減少する。よって、制御部は、一定期間において、特定タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する。

【0018】

前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記設定処理において、前記第二設定に基づいて前記循環処理を行うたびに、前記循環供給量と前記循環戻し量とを算出してもよい。

【0019】

この場合、制御部は、一定期間において、特定タンクから液体が溢れることを抑制しつつ、第二設定に基づく循環処理において、特定タンクの液体の残量を減少させすぎることを抑制することに貢献する。

【0020】

本発明の第二態様に係る制御方法は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御方法は、前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理とを備えたことを特徴とする。

【0021】

第二態様は第一態様と同様の利点に貢献する。

【0022】

本発明の第三態様に係る制御プログラムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御プログラムは、前記コンピュータに、前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理とを実行させることを特徴とする。

【0023】

第三態様は第一態様と同様の利点に貢献する。

【0024】

本発明の第四態様に係る液体供給装置は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて前記送液機構に実行させる循環処理であって、前記単位増加量は、第一循環処理の終了時から前記第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、前記第二循環処理によって前記サーバタンクまたは前記プリンタタンクの前記液体の残量が増加する量である循環処理と、前記循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間における前記サーバタンク内または前記プリンタタンク内の前記液体の消費に関する情報に基づいて、前記循環設定を前記第一設定から第二設定に変更する設定処理であって、特定タンクは、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一設定に基づいて前記循環処理が行われた場合に前記液体の残量が増加するタンクであり、前記第二設定における前記特定タンクの前記単位増加量は、前記第一設定における前記特定タンクの前記単位増加量よりも少ない設定処理とを行うことを特徴とする。

【0025】

第四態様は第一態様と同様の利点に貢献する。

【図面の簡単な説明】

【0026】

【図1】液体供給システム１００の流路構成図である。

【図2】プリンタ１の電気的構成を示すブロック図である。

【図3】液体供給装置２の電気的構成を示すブロック図である。

【図4】メイン処理のフローチャートである。

【図5】循環処理のフローチャートである。

【図6】第一白流路Ｗ１１の流路構成図である。

【図7】第一白流路Ｗ２１の流路構成図である。

【発明を実施するための形態】

【0027】

＜液体供給システム１００の概略構成＞

【0028】

図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給システム１００を説明する。図１に示すように、液体供給システム１００は複数のプリンタ１と、液体供給装置２とを含む。液体供給システム１００は、液体供給装置２から複数のプリンタ１のそれぞれに、液体として例えばインクを供給する。

【0029】

複数のプリンタ１の個数は特定の個数に限定されないが、例えば一つの液体供給装置２に対してプリンタ１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄの四つが接続される。プリンタ１は例えばインクジェットプリンタであり、印刷媒体（図示略）にインクを吐出し、印刷を行う。印刷媒体は布、紙等であり、例えばＴシャツである。

【0030】

インクは例えば白（Ｗ）、黒（Ｋ）、イエロー（Ｙ）、シアン（Ｃ）、またはマゼンタ（Ｍ）である。以下では、５色のインクのうち白色のインクを「白インク」といい、黒、シアン、イエロー、およびマゼンタの４色のインクを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「カラーインク」という。

【0031】

白インクは画像の白色を表す部分として、またはカラーインクの下地として印刷に用いられる。カラーインクは、印刷媒体上に直接、または白インクによる下地の上に吐出され、カラー画像の印刷に用いられる。

【0032】

＜プリンタ１の機械的構成＞

【0033】

プリンタ１は図２に示すプラテン１５、キャリッジ１３、およびヘッド１４を備える。プラテン１５は、副走査方向に移動可能に設けられる。プラテン１５上には印刷媒体が載置される。キャリッジ１３は、主走査方向に移動可能に設けられる。主走査方向は副走査方向と直交する。

【0034】

ヘッド１４はキャリッジ１３に装着され、キャリッジ１３とともに主走査方向に移動する。ヘッド１４は、ノズルを含み、ノズルからプラテン１５上の印刷媒体に白インクを吐出する。プリンタ１は、ヘッド１４の他に、一または複数のヘッド（以下、「他のヘッド」という。）を備える。本実施形態では、他のヘッドの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のヘッドは、白インクに代えてカラーインクを、ノズルからプラテン１５上の印刷媒体に吐出する点がヘッド１４と異なる。

【0035】

プリンタ１はプリンタタンク１７Ｗを備える。プリンタタンク１７Ｗは、液体供給装置２から白インクの供給を受け、供給された白インクを収容する。プリンタタンク１７Ｗは、管（図示略）を介して図２に示すヘッド１４に接続する。

【0036】

プリンタ１は、プリンタタンク１７Ｗの他に、複数のプリンタタンク（以下、「他のプリンタタンク」という。）を備える。本実施形態では、他のプリンタタンクの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のプリンタタンクは、液体供給装置２から、白インクに代えてカラーインクの供給を受ける点がプリンタタンク１７Ｗと異なる。他のプリンタタンクは、管（図示略）を介して他のヘッドに接続する。

【0037】

図２に示す供給機構１８４の駆動によってプリンタタンク１７Ｗから図２に示すヘッド１４に管（図示略）を介して白インクが供給される。同様に、他のプリンタタンクから他のヘッドにカラーインクが供給される。図２に示す主走査モータ１８１の駆動によってキャリッジ１３が主走査方向に移動する。図２に示す副走査モータ１８２の駆動によってプラテン１５が副走査方向に移動する。これにより、ヘッド１４がプラテン１５上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動する。

【0038】

ヘッド１４がプラテン１５上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動しながら、図２に示すヘッドドライバ１８３の駆動によってヘッド１４がノズルからプラテン１５上の印刷媒体に白インクを吐出する。同様に、他のヘッドがノズルからプラテン１５上の印刷媒体にカラーインクを吐出する。以上により、プリンタ１は印刷媒体への印刷を行う印刷処理を行う。

【0039】

＜液体供給装置２の機械的構成＞

【0040】

液体供給装置２はサーバタンク６Ｗと管８と撹拌機構９６とを備える。サーバタンク６Ｗは複数のプリンタ１外に位置し、白インクを収容する。サーバタンク６Ｗが白インクを収容可能な容量は一つのプリンタタンク１７Ｗが白インクを収容可能な容量よりも多く、プリンタ１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗが収容可能な容量の合計よりも多い。管８はサーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間の白インクの流路を構成する。

【0041】

撹拌機構９６は例えばプロペラスターラであり、図３に示す撹拌モータ９６３の駆動によって、サーバタンク６Ｗ内の白インクを撹拌する撹拌動作を行う。本実施形態では、白インクは顔料粒子等の固形成分として、カラーインクに含まれる成分よりも沈降性の高い成分を含む。沈降性の高い成分は例えば酸化チタンである。酸化チタンは比較的比重の高い無機顔料の一種である。白インクは比較的沈降性の高い成分を含むので、白インク内の顔料粒子等の固形成分は沈降しやすい。以下では、白インク内の固形成分が沈降することを、「白インクが沈降する」ともいう。撹拌機構９６は撹拌動作を行うことで、サーバタンク６Ｗ内において白インクが沈降することを抑制する。

【0042】

液体供給装置２は、サーバタンク６Ｗの他に、複数のサーバタンク（以下、「他のサーバタンク」という。）を備え、管８の他に、複数の管（以下、「他の管」という。）を備える。本実施形態では、他のサーバタンクおよび他の管の図示を省略し、その説明を簡略化する。

【0043】

他のサーバタンクは、白インクに代えてカラーインクを収容する点がサーバタンク６Ｗと異なる。他の管は、他のサーバタンクと複数のプリンタ１のそれぞれの他のプリンタタンクとの間のカラーインクの流路を構成する。他の管は、後述の管８４、８５、８６を備えていない点が管８と異なる。なお、本実施形態では、他のサーバタンクには撹拌機構９６が設けられていない。

【0044】

＜白インクの流路構成＞

【0045】

白インクの流路は第一白流路Ｗ１と第二白流路Ｗ２を含む。なお、図１は、第一白流路Ｗ１を実線で示し、第二白流路Ｗ２を破線で示す。第一白流路Ｗ１はサーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとを互いに接続する。第二白流路Ｗ２はサーバタンク６Ｗとプリンタ１Ｃ、１Ｄのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとを互いに接続する。

【0046】

第一白流路Ｗ１と第二白流路Ｗ２では、液体供給装置２からの接続先がプリンタ１Ａ、１Ｂとプリンタ１Ｃ、１Ｄのいずれであるかが異なる。したがって、以下では、第一白流路Ｗ１を説明し、第二白流路Ｗ２については第一白流路Ｗ１と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。

【0047】

第一白流路Ｗ１は、管８として管８１、８２、８３、８４、８５、８６によって構成される。管８１はサーバタンク６Ｗに接続する。管８１はサーバタンク６Ｗから点Ｐ１まで延びる。管８１は点Ｐ１において管８２と管８３に接続する。

【0048】

管８２は点Ｐ１から点Ｐ２を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに接続する。管８３は点Ｐ１から点Ｐ３を介してプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに接続する。

【0049】

管８４は点Ｐ２において管８２に接続する。管８４は点Ｐ２から点Ｐ４まで延び、点Ｐ４において管８６に接続する。管８５は点Ｐ３において管８３に接続する。管８５は点Ｐ３から点Ｐ４まで延び、点Ｐ４において管８６に接続する。管８６は点Ｐ４からサーバタンク６Ｗに向かって延び、サーバタンク６Ｗに接続する。

【0050】

以下では、サーバタンク６Ｗから管８１、管８２を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗまでの流路と、サーバタンク６Ｗから管８１、管８３を介してプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗまでの流路を、それぞれ、「供給流路」という。供給流路においてサーバタンク６Ｗ側を「供給流路上流」といい、プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗ側を「供給流路下流」という。例えば、供給流路の中間地点において、サーバタンク６Ｗ側が供給流路上流であり、プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗ側が供給流路下流である。

【0051】

プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗから管８４、管８６を介してサーバタンク６Ｗまでの流路と、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗから管８５、管８６を介してサーバタンク６Ｗまでの流路を、それぞれ、「循環流路」という。循環流路においてプリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗ側を「循環流路上流」といい、サーバタンク６Ｗ側を「供給流路下流」という。例えば、循環流路の中間地点において、プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗ側が循環流路上流であり、サーバタンク６Ｗ側が循環流路下流である。

【0052】

管８２には供給ポンプ２０と供給バルブ２２とフィルタ２４が設けられる。管８３には供給ポンプ２１と供給バルブ２３とフィルタ２５が設けられる。供給ポンプ２０は点Ｐ２よりも供給流路上流に位置する。供給ポンプ２１は点Ｐ３よりも供給流路上流に位置する。

【0053】

供給ポンプ２０、２１は、それぞれ、図３に示すポンプモータ２０１、２１１の駆動によって、サーバタンク６Ｗから管８１を介して白インクを吸引する。供給ポンプ２０は、図３に示すポンプモータ２０１の駆動によって、吸引した白インクを、管８２を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって送る。供給ポンプ２１は、図３に示すポンプモータ２１１の駆動によって、吸引した白インクを、管８３を介してプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに向かって送る。

【0054】

以下では、バルブが閉じた状態を「閉状態」といい、バルブが開いた状態を「開状態」という。バルブは、閉状態において、流路を遮断状態にする。バルブは、開状態において、流路を連通状態にする。

【0055】

供給バルブ２２は供給ポンプ２０よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２３は供給ポンプ２１よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２２、２３は、それぞれ、図３に示すソレノイド２２１、２３１の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。供給バルブ２２は、閉状態において管８２を遮断状態にし、開状態において管８２を連通状態にする。供給バルブ２３は、閉状態において管８３を遮断状態にし、開状態において管８３を連通状態にする。

【0056】

フィルタ２４は供給バルブ２２よりも供給流路上流に位置する。フィルタ２５は供給バルブ２３よりも供給流路上流に位置する。フィルタ２４、２５は、それぞれ、例えば不織布、織布、樹脂フィルム、または多孔質金属片で構成され、白インクをろ過する。

【0057】

管８４には循環ポンプ２６と循環バルブ２８が設けられる。管８５には循環ポンプ２７と循環バルブ２９が設けられる。循環ポンプ２６は、図３に示すポンプモータ２６１の駆動によって、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗから、管８２のうち点Ｐ２よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ２７は、図３に示すポンプモータ２７１の駆動によって、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗから、管８３のうち点Ｐ３よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ２６、２７は、それぞれ、図３に示すポンプモータ２６１、２７１の駆動によって、吸引した白インクを、管８６を介してサーバタンク６Ｗに向かって送る。

【0058】

循環バルブ２８は循環ポンプ２６よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ２９は循環ポンプ２７よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ２８、２９は、それぞれ、図３に示すソレノイド２８１、２９１の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。循環バルブ２８は、閉状態において管８４を遮断状態にし、開状態において管８４を連通状態にする。循環バルブ２９は、閉状態において管８５を遮断状態にし、開状態において管８５を連通状態にする。

【0059】

上記構成において、液体供給システム１００は、供給バルブ２２および供給バルブ２３の一方または両方を開状態にした状態で、供給ポンプ２０および供給ポンプ２１のうち、開状態にしたバルブに対応する供給ポンプを駆動することで、サーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに白インクを供給する。

【0060】

以下では、液体供給システム１００がサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに向けて白インクを供給する動作を「供給動作」という。本実施形態の供給動作では、液体供給システム１００は、サーバタンク６Ｗから管８を介して複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗに白インクを、並行してまたは複数のプリンタ１の１台ずつ供給できる。つまり、複数のサーバタンク６Ｗは、それぞれ、複数のプリンタ１のそれぞれへの供給流路において、複数のプリンタ１のそれぞれよりも上流に位置する。

【0061】

供給動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路Ｗ１において、サーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗに向かう白インクの流れを説明する。サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク６Ｗ内から管８１、管８２を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって流れる（矢印Ａ１参照）。サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク６Ｗ内から管８１、管８３を介してプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに向かって流れる（矢印Ａ２参照）。

【0062】

液体供給システム１００は、循環バルブ２８および循環バルブ２９の一方または両方を開状態にした状態で、循環ポンプ２６および循環ポンプ２７のうち、開状態にしたバルブに対応する循環ポンプを駆動することで、プリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに白インクを戻す。

【0063】

以下では、液体供給システム１００がプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに白インクを戻す動作を「戻し動作」という。本実施形態の戻し動作では、液体供給システム１００は、複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに向けて白インクを、並行してまたは複数のプリンタ１の１台ずつ戻すことができる。

【0064】

戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路Ｗ１において、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに向かう白インクの流れを説明する。プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗ内から管８２、点Ｐ２、管８４、管８６を介してサーバタンク６Ｗに向かって流れる（矢印Ｂ１参照）。プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗ内から管８３、点Ｐ３、管８５、管８６を介してサーバタンク６Ｗに向かって流れる（矢印Ｂ２参照）。

【0065】

管８２のうち点Ｐ２よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合と、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。管８３のうち点Ｐ３よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合と、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。

【0066】

液体供給システム１００は、供給動作と戻し動作の一方の実行後に他方を実行することで、サーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間で管８を介して白インクを循環させることができる。液体供給システム１００は、供給動作と戻し動作とを交互に繰り返すことで、サーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間で管８を介して白インクを循環させてもよい。

【0067】

以下では、液体供給システム１００がサーバタンク６Ｗとプリンタタンク１７Ｗとの間で管８を介して白インクを循環させる動作を「循環動作」という。液体供給システム１００は、例えば第一白流路Ｗ１において、循環動作を行う。これにより、液体供給システム１００は、サーバタンク６Ｗ内と第一白流路Ｗ１とプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗ内において白インクが沈降することを抑制する。

【0068】

＜プリンタ１の電気的構成＞

【0069】

図２に示すように、プリンタ１は制御装置４０を備える。制御装置４０は、ＣＰＵ４１、ＲＯＭ４２、ＲＡＭ４３、フラッシュメモリ４４、および通信部４５を備える。ＣＰＵ４１はプリンタ１の制御を司り、プロセッサとして機能する。ＣＰＵ４１は例えば印刷処理を制御する。ＣＰＵ４１はＲＯＭ４２、ＲＡＭ４３、フラッシュメモリ４４、および通信部４５と電気的に接続する。

【0070】

ＲＯＭ４２は、ＣＰＵ４１がプリンタ１の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にＣＰＵ４１が必要な情報等を記憶する。ＲＡＭ４３は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ４４は、不揮発性であり、後述のプリンタセンサ１８５の校正データ等を記憶する。通信部４５は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。ＣＰＵ４１は通信部４５によって例えば液体供給装置２と通信する。

【0071】

ＣＰＵ４１には主走査モータ１８１、副走査モータ１８２、ヘッドドライバ１８３、供給機構１８４、プリンタセンサ１８５、および操作部１８６が電気的に接続される。主走査モータ１８１、副走査モータ１８２、ヘッドドライバ１８３、および供給機構１８４はＣＰＵ４１による制御によって駆動する。

【0072】

プリンタセンサ１８５は図１に示すプリンタタンク１７Ｗに設けられる。プリンタセンサ１８５は、例えば圧力センサである。プリンタセンサ１８５は、プリンタタンク１７Ｗ内の圧力を検知することで、プリンタ残量を検知する。プリンタ残量は、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの残量である。プリンタセンサ１８５は検知したプリンタ残量を示す信号をＣＰＵ４１に出力する。

【0073】

操作部１８６はタッチパネルディスプレイ等であり、各種情報を表示し、且つユーザによる操作に応じた情報をＣＰＵ４１に出力する。ユーザは操作部１８６を操作することで、プリンタ１による印刷を開始するための印刷指示等をプリンタ１に入力できる。

【0074】

＜液体供給装置２の電気的構成＞

【0075】

図３に示すように、液体供給装置２は制御装置５０を備える。制御装置５０は、ＣＰＵ５１、ＲＯＭ５２、ＲＡＭ５３、フラッシュメモリ５４、および通信部５５を備える。ＣＰＵ５１は液体供給装置２の制御を司り、プロセッサとして機能する。ＣＰＵ５１はＲＯＭ５２、ＲＡＭ５３、フラッシュメモリ５４、および通信部５５と電気的に接続する。

【0076】

ＲＯＭ５２は、ＣＰＵ５１が液体供給装置２の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にＣＰＵ５１が必要な情報等を記憶する。ＲＡＭ５３は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ５４は、不揮発性であり、サーバセンサ７１の校正データ等を記憶する。通信部５５は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。ＣＰＵ５１は通信部５５を介して例えばプリンタ１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄのそれぞれと通信する。

【0077】

ＣＰＵ５１には撹拌モータ９６３、ポンプモータ２０１、２１１、２６１、２７１、ソレノイド２２１、２３１、２８１、２９１、サーバセンサ７１、ディスプレイ５６、および操作部５７が電気的に接続される。

【0078】

撹拌モータ９６３、ポンプモータ２０１、２１１、２６１、２７１、ソレノイド２２１、２３１、２８１、２９１、およびディスプレイ５６はＣＰＵ５１による制御によって駆動する。サーバセンサ７１は、例えば重量センサであり、サーバ残量を重量によって検知する。サーバ残量はサーバタンク６Ｗ内の白インクの残量である。サーバセンサ７１は検知したサーバ残量を示す信号をＣＰＵ５１に出力する。

【0079】

＜残量誤差＞

【0080】

本実施形態では、循環動作によってサーバタンク６Ｗ内の白インクに揺れが生じたり、循環動作終了後に微量の白インクがサーバタンク６Ｗおよび管８の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、サーバセンサ７１が検知するサーバ残量と、実際のサーバ残量との間に誤差が生じる可能性がある。

【0081】

同様に、循環動作によってプリンタタンク１７Ｗ内の白インクに揺れが生じたり、循環動作後に微量の白インクがプリンタタンク１７Ｗおよび管８の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、プリンタセンサ１８５が検知するプリンタ残量と、実際のプリンタ残量との間に誤差が生じる可能性がある。

【0082】

上記誤差が生じた場合には、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から変化し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から変化する可能性がある。例えば本実施形態では、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から減少し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から増加する場合がある。この場合、循環動作が繰り返し行われることによってプリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れる可能性がある。本実施形態では、液体供給システム１００は、以下説明するメイン処理を実行することで、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。

【0083】

＜メイン処理＞

【0084】

例えば液体供給装置２に電源が投入された場合、ＣＰＵ５１は、ＲＯＭ５２から制御プログラムを読み出して動作することで、図４に示すメイン処理を実行する。メイン処理では、ＣＰＵ５１は、供給動作および戻し動作に関する制御を行う。メイン処理では、第二白流路Ｗ２について第一白流路Ｗ１と同様に供給動作および戻し動作に関する制御が行われる。本実施形態では、メイン処理について、第一白流路Ｗ１に関する制御を説明し、第二白流路Ｗ２に関する制御の説明を省略する。

【0085】

以下では、メイン処理の開始時、図１に示す供給バルブ２２、２３、循環バルブ２８、２９のすべてが閉状態であるとして説明する。さらに、メイン処理の開始時、後述の循環設定として第一設定が設定されているとして説明する。すなわち、メイン処理の開始時、ＲＡＭ５３には循環設定として第一設定が記憶される。ＲＡＭ５３には、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて循環設定が記憶される。

【0086】

図４に示すように、メイン処理が開始されると、ＣＰＵ５１は、タイマカウンタによる計時を開始する（Ｓ１１）。タイマカウンタはＲＡＭ５３に記憶され、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて、後述の変更時間、循環インターバル、および供給時間を計時するため使用される。

【0087】

ＣＰＵ５１はＲＡＭ５３のタイマカウンタを参照し、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて、後述の供給処理（Ｓ２４）からの経過時間が変更時間に達したか否かを判断する（Ｓ１２）。変更時間は、あらかじめ決められた長さの時間であり、例えばフラッシュメモリ５４にあらかじめ記憶される。変更時間は特定の長さに限定されないが、例えば１週間である。なお、メイン処理の開始後、供給処理がまだ行われていない状態では、ＣＰＵ５１は例えばメイン処理の開始からの経過時間が変更時間に達したか否かを判断する。

【0088】

例えば、プリンタ１で白インクを用いた印刷処理が行われた場合、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費される。この場合、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費量に基づいて、供給処理が行われる。したがって、供給処理が行われる場合には、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費されている可能性が高い。例えば、プリンタ１で白インクを用いた印刷処理が所定期間行われていない場合、または所定期間における白インクを用いた印刷処理の実行頻度が低い場合、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクは消費されず、または消費量が少なくなる。この場合、供給処理が行われない。したがって、供給処理が所定期間行われていない場合には、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費されている可能性が低い。

【0089】

以上のように、供給処理からの経過時間が変更時間に達することは、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費されてない、または消費量が少ないことを意味する。したがって、供給処理からの経過時間が変更時間に達したか否かの情報は、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報となる。

【0090】

プリンタ１Ａ、１Ｂのいずれについても、供給処理からの経過時間が変更時間に達していない場合（Ｓ１２：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は処理をＳ２１の処理に移行する。プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂについて、供給処理からの経過時間が変更時間に達した場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は、供給処理からの経過時間が変更時間に達したプリンタ１について、後述の循環設定を第一設定から第二設定に変更する（Ｓ１３）。すなわち、ＣＰＵ５１は、複数のプリンタ１のそれぞれについて、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報に基づいて、循環設定を第一設定から第二設定に変更する。Ｓ１３の処理では、供給処理からの経過時間が変更時間に達したプリンタ１について、循環設定として第二設定がＲＡＭ５３に記憶される。ＣＰＵ５１は処理をＳ２１の処理に移行する。

【0091】

本実施形態では、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて、後述の循環処理（Ｓ３２）が周期的に行われる。第一循環処理と第二循環処理を定義する。第一循環処理は、周期的に行われる循環処理のうちの一つである。第二循環処理は、周期的に行われる循環処理のうち第一循環処理の次の循環処理である。

【0092】

循環設定は、単位増加量に関する。単位増加量は、第一循環処理の終了時から第二循環処理の終了時までの時間当たりに、第二循環処理によってプリンタ残量が増加する量である。循環設定には、第一設定および第二設定のいずれかが設定される。本実施形態では、第一設定に基づいて循環処理が行われた場合、上述したように、サーバセンサ７１が検知するサーバ残量と、実際のサーバ残量との間に生じる誤差等に起因してプリンタ残量が増加する。第二設定におけるプリンタタンク１７Ｗの単位増加量は、第一設定におけるプリンタタンク１７Ｗの単位増加量よりも少ない。換言すれば、第二設定は、プリンタタンク１７Ｗの単位増加量が第一設定よりも少なくなる循環設定である。ＣＰＵ５１は設定された循環設定に基づいて循環動作を制御する。

【0093】

本実施形態では、循環設定は、循環インターバルとポンプ回転数とポンプ駆動時間とを含む。循環インターバルは、第一循環処理と第二循環処理との間の時間である。循環インターバルが長いほど循環処理の実行頻度が低くなるので、単位増加量は低くなりやすい。第一設定では、循環インターバルが第一インターバル時間となり、第二設定では、循環インターバルが第二インターバル時間となる。第一インターバル時間は、特定の長さに限定されないが、例えば４時間である。第二インターバル時間は、特定の長さに限定されないが、第一インターバル時間よりも長く、例えば１週間である。

【0094】

本実施形態では、第一インターバル時間の長さ（４時間）は、変更時間の長さ（１週間）よりも短いが、変更時間の長さよりも長くてもよいし、変更時間の長さと同じでもよい。第二インターバル時間の長さ（１週間）は、変更時間の長さ（１週間）と同じであるが、変更時間の長さよりも長くてもよいし、短くてもよい。

【0095】

ポンプ回転数は、循環処理における供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７のそれぞれの回転数（ｒｐｍ）である。ポンプ回転数が遅いほど循環処理における白インクの循環量が低くなるので、単位増加量は低くなりやすい。なお、循環量は、供給動作によってサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに供給される白インクの量と、戻し動作によってプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに戻される白インクの量との合計である。第一設定では、ポンプ回転数が第一回転数となり、第二設定では、ポンプ回転数が第二回転数となる。本実施形態では、第二回転数は、第一回転数と同じ回転数である。

【0096】

ポンプ駆動時間は、循環処理における供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７のそれぞれの駆動時間である。ポンプ駆動時間が短いほど循環処理における白インクの循環量が低くなるので、単位増加量は低くなりやすい。第一設定では、ポンプ駆動時間が第一駆動時間となり、第二設定では、ポンプ駆動時間が第二駆動時間となる。本実施形態では、第二駆動時間は、第一駆動時間と同じ長さである。

【0097】

本実施形態では、第二回転数が第一回転数と同じであり、第二駆動時間が第一駆動時間と同じである。第二インターバル時間が第一インターバル時間よりも長いので、第二インターバル時間の逆数と第二回転数と第二駆動時間の積は、第一インターバル時間の逆数と第一回転数と第一駆動時間との積よりも小さくなる。なお、値が積算される場合には、各パラメータ（インターバル時間、回転数、および駆動時間）の時間の単位は、例えば「分」に統一される。

【0098】

ＣＰＵ５１はプリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂから、後述の供給処理（Ｓ２４）を行うための供給要求を取得したか否かを判断する（Ｓ２１）。例えば、プリンタ１Ａが印刷処理を行うと、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費され、プリンタ１Ａのプリンタ残量が減少する。例えばプリンタ１Ａにおいて、プリンタ残量が所定の供給開始残量以下になった場合、ＣＰＵ４１は、供給要求を液体供給装置２に送信する。供給開始残量は、例えばフラッシュメモリ４４にあらかじめ記憶される。

【0099】

プリンタ１Ａ、１Ｂのいずれからも、供給要求を取得していない場合（Ｓ２１：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は処理をＳ３１の処理に移行する。プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂから、供給要求を取得した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は変更状態であるか否かを判断する（Ｓ２２）。変更状態は、供給処理からの経過時間が変更時間に達した状態である。すなわち、変更状態は、循環設定に第二設定が設定されている状態である。Ｓ２２の処理では、ＣＰＵ５１は例えばＲＡＭ５３のタイマカウンタを参照して変更状態であるか否かを判断してもよい。ＣＰＵ５１は例えばＲＡＭ５３の循環設定を参照して変更状態であるか否かを判断してもよい。

【0100】

変更状態でない場合（Ｓ２２：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は供給処理を行う（Ｓ２４）。変更状態の場合（Ｓ２２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は循環処理（Ｓ２３）を行った後、供給処理を行う（Ｓ２４）。循環処理（Ｓ２３）の詳細については後述する（図５参照）。

【0101】

供給処理（Ｓ２４）では、ＣＰＵ５１は、供給要求を取得したプリンタ１について、供給動作を制御する。例えばプリンタ１Ａから供給要求を取得した場合、ＣＰＵ５１は、供給動作において、図３に示すソレノイド２２１を制御し、図１に示す供給バルブ２２を開状態にする。この状態で、ＣＰＵ５１は図３に示すポンプモータ２０１を制御し、図１に示す供給ポンプ２０の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク６Ｗ内から管８を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに供給される。

【0102】

例えば、供給動作によってプリンタ残量が所定の供給停止残量に達した場合、ＣＰＵ４１は、供給停止要求を液体供給装置２に送信する。供給停止残量は例えばフラッシュメモリ４４にあらかじめ記憶される。供給停止残量は例えば供給開始残量よりも多い。例えばプリンタ１Ａから供給停止要求を取得した場合、ＣＰＵ５１は、図３に示すポンプモータ２０１の駆動を停止し、図１に示す供給ポンプ２０の駆動を停止する。ＣＰＵ５１は、図３に示すソレノイド２２１を制御し、図１に示す供給バルブ２２を閉状態にする。これにより、ＣＰＵ５１は、供給動作を停止し、供給処理を終了する。

【0103】

ＣＰＵ５１は、供給要求を取得したプリンタ１について、供給処理からの経過時間をリセットする（Ｓ２５）。これにより、供給処理が行われたプリンタ１について、最後に行われた供給処理を基準として、供給処理からの経過時間が新たに計時される。ＣＰＵ５１は循環設定に第一設定を設定する（Ｓ２６）。すなわち、循環設定として第一設定がＲＡＭ５３に記憶される。なお、変更状態でなければ、環境設定には既に第一設定が設定されているので、第一設定が維持される。

【0104】

ＣＰＵ５１はＲＡＭ５３のタイマカウンタを参照し、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて、循環処理からの経過時間が循環インターバルを経過したか否かを判断する（Ｓ３１）。例えばプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれの循環設定が第一設定の場合、Ｓ３１の処理では、ＣＰＵ５１はプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれについて、循環処理からの経過時間が第一インターバル時間を経過したか否かを判断する。例えばプリンタ１Ａの循環設定が第一設定であり、プリンタ１Ｂの循環設定が第二設定の場合、Ｓ３１の処理では、ＣＰＵ５１はプリンタ１Ａについて、循環処理からの経過時間が第一インターバル時間を経過したか否かを判断し、プリンタ１Ｂについて、循環処理からの経過時間が第二インターバル時間を経過したか否かを判断する。

【0105】

プリンタ１Ａ、１Ｂのいずれについても、循環処理からの経過時間が循環インターバルを経過していない場合（Ｓ３１：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は処理をＳ１２の処理に戻す。プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂについて、循環処理からの経過時間が循環インターバルを経過した場合（Ｓ３１：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は、循環インターバルが経過したプリンタ１について、設定されている循環設定に基づいて循環処理を行う（Ｓ３２）。循環処理では、ＣＰＵ５１は循環動作を制御する。循環処理の詳細については後述する（図５参照）。ＣＰＵ５１は循環処理からの経過時間をリセットする（Ｓ３３）。これにより、循環処理が行われたプリンタ１について、最後に行われた循環処理を基準として、循環処理からの経過時間が新たに計時される。ＣＰＵ５１は処理をＳ１２の処理に戻す。

【0106】

＜循環処理＞

【0107】

循環処理（Ｓ２３、Ｓ３２）は、ＣＰＵ５１がプリンタ１から供給要求を取得した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）、および循環処理からの経過時間が循環インターバルを経過した場合（Ｓ３１：ＹＥＳ）に行われる。ＣＰＵ５１がプリンタ１Ａから供給要求を取得した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）、およびプリンタ１Ａについて循環処理からの経過時間が循環インターバルを経過した場合を適宜例に挙げて説明する。なお、Ｓ３２の循環処理は、設定中の循環設定に基づいて行われる。Ｓ２３の循環処理は、設定中の循環設定に基づいて行われてもよいし、例えば常に第一設定に基づいて行われてもよい。Ｓ２３の循環処理は、例えば単位増加量が第一設定における単位増加量よりも多くなるように制御されてもよい。Ｓ２３の循環処理は、例えば単位増加量が第一設定における単位増加量よりも少なく、且つ第二設定における単位増加量よりも多くなるように制御されてもよいし、例えば単位増加量が第二設定における単位増加量よりも少なくなるように制御されてもよい。

【0108】

図５に示すように、循環処理が開始されると、ＣＰＵ５１は図３に示すサーバセンサ７１からサーバ残量を取得する（Ｓ４１）。ＣＰＵ５１はＳ４１の処理で取得したサーバ残量を循環前残量としてＲＡＭ５３に記憶する（Ｓ４２）。循環前残量は、後述のＳ４３の処理で供給動作が開始される前におけるサーバ残量である。

【0109】

ＣＰＵ５１は供給動作を開始する（Ｓ４３）。Ｓ４３の処理では、ＣＰＵ５１は、図３に示すソレノイド２２１を制御し、図１に示す供給バルブ２２を開状態にする。この状態で、ＣＰＵ５１は例えば設定中の循環設定に基づいて図３に示すポンプモータ２０１を制御し、図１に示す供給ポンプ２０の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク６Ｗ内から管８を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに供給される。

【0110】

ＣＰＵ５１はＲＡＭ５３のタイマカウンタを参照し、供給時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４４）。供給時間は、供給動作の開始から終了までの時間であり、例えばフラッシュメモリ５４にあらかじめ記憶される。フラッシュメモリ５４には第一駆動時間に応じた供給時間と第二駆動時間に応じた供給時間が記憶されていてもよい。この場合、ＣＰＵ５１は、設定中の循環設定に応じた供給時間が経過したか否かを判断する。

【0111】

供給時間が経過していない場合（Ｓ４４：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は、供給時間が経過するまでＳ４４の処理を繰り返す。供給時間が経過した場合（Ｓ４４：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は供給動作を停止する（Ｓ４５）。Ｓ４５の処理では、ＣＰＵ５１は図３に示すポンプモータ２０１の駆動を停止し、図１に示す供給ポンプ２０の駆動を停止する。ＣＰＵ５１は、図３に示すソレノイド２２１を制御し、図１に示す供給バルブ２２を閉状態にする。これにより、サーバタンク６Ｗ内から管８を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給されることが停止される。

【0112】

ＣＰＵ５１は戻し動作を開始する（Ｓ５１）。Ｓ５１の処理では、ＣＰＵ５１は、図３に示すソレノイド２８１を制御し、図１に示す循環バルブ２８を開状態にする。この状態で、ＣＰＵ５１は例えば設定中の循環設定に基づいて図３に示すポンプモータ２６１を制御し、図１に示す循環ポンプ２６の駆動を開始する。これにより、白インクがプリンタ１Aのプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗ内に戻される。

【0113】

ＣＰＵ５１は図３に示すサーバセンサ７１からサーバ残量を取得する（Ｓ５２）。ＣＰＵ５１は、Ｓ５２の処理で取得されたサーバ残量がＳ４２の処理で記憶された循環前残量に達したか否かを判断する（Ｓ５３）。

【0114】

サーバ残量が循環前残量よりも少ない場合（Ｓ５３：ＮＯ）、ＣＰＵ５１は処理をＳ５２の処理に戻す。サーバ残量が循環前残量に達した場合（Ｓ５３：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は戻し動作を停止する（Ｓ５４）。Ｓ５４の処理では、ＣＰＵ５１は、図３に示すポンプモータ２６１の駆動を停止し、図１に示す循環ポンプ２６の駆動を停止する。ＣＰＵ５１は図３に示すソレノイド２８１を制御し、図１に示す循環バルブ２８を閉状態にする。これにより、プリンタ１Aのプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗ内に白インクが戻されることが停止される。ＣＰＵ５１は処理を図４に示すメイン処理に戻す。

【0115】

＜実施形態の効果＞

【0116】

上記実施形態では、液体供給システム１００は、プリンタ１が備えるプリンタタンク１７Ｗに白インクを供給する。管８は、プリンタタンク１７Ｗと、白インクを収容するサーバタンク６Ｗとを接続する。供給ポンプ２０、２１、供給バルブ２２、２３、循環ポンプ２６、２７、および循環バルブ２８、２９（以下、「送液機構」という。）は、管８に設けられ、サーバタンク６Ｗからプリンタタンク１７Ｗに管８を介して白インクを供給する供給動作と、プリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに管８を介して白インクを戻す戻し動作とを行う。ＣＰＵ５１は、循環処理（Ｓ３２）において、供給動作と戻し動作とを、単位増加量に関する循環設定に基づいて送液機構に実行させる。単位増加量は、第一循環処理の終了時から第一循環処理の次の第二循環処理の終了時までの時間当たりに、第二循環処理によってプリンタ残量が増加する量である。ＣＰＵ５１は、設定処理（Ｓ１３およびＳ２６）において、循環設定を第一設定に設定し、且つ所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報（供給処理からの経過時間）に基づいて、第一設定から第二設定に変更する。プリンタタンク１７Ｗは、サーバタンク６Ｗおよびプリンタタンク１７Ｗのうち第一設定に基づいて循環処理が行われた場合に白インクの残量が増加するタンクである。第二設定におけるプリンタタンク１７Ｗの単位増加量は、第一設定におけるプリンタタンク１７Ｗの単位増加量よりも少ない。

【0117】

例えば、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが頻繁に消費される場合、供給処理が頻繁に行われるので、供給処理からの経過時間が変更時間に達しにくい。つまり、供給処理からの経過時間が変更時間に達するまでは、仮にプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが不均一な状態（例えば沈降状態）になると、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の不均一な状態の白インクが使用される可能性が高い。この場合、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの不均一な状態を解消することが好ましい。本実施形態では、供給処理からの経過時間が変更時間に達するまでは、第一設定に基づいて循環処理が行われる。第一設定では、単位増加量が比較的多いので、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの不均一な状態が解消されやすい。これにより、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費されている可能性が高い場合には、第一設定に基づく循環処理が行われることで、プリンタタンク１７Ｗ内の不均一な状態の白インクがプリンタ１によって消費されることが抑制される。なお、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが消費される場合には、プリンタ残量が減少する。このため、単位増加量が比較的多い第一設定に基づく循環処理が行われて、プリンタ残量が増加したとしても、白インクの消費によってプリンタ残量が減少している分、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れにくい。

【0118】

一方、例えば、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが長時間消費されていない、またはプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費量が少ない場合、供給処理が長時間行われないので、供給処理からの経過時間が変更時間に達する場合がある。本実施形態では、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報（供給処理からの経過時間）に基づいて循環設定が第一設定から第二設定に変更されると、第二設定に基づいて循環処理が行われる。この場合、単位増加量が第一設定よりも小さくなるので、ＣＰＵ５１は、循環設定が第一設定のままの場合に比べて、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。

【0119】

なお、第二設定では、単位増加量が第一設定よりも小さくなるので、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの不均一な状態を解消する頻度および度合いが低くなる。供給処理からの経過時間が変更時間に達する場合、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが長時間消費されていない、またはプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費量が少ない可能性がある。このため、仮にプリンタタンク１７Ｗ内の白インクが不均一な状態となっても、プリンタ１においてプリンタタンク１７Ｗ内の不均一な状態の白インクが使用される可能性が低い。よって、供給処理からの経過時間が変更時間に達した場合、プリンタタンク１７Ｗ内の白インクの不均一な状態を解消する頻度および度合いが低くなることは許容される。

【0120】

送液機構は、供給ポンプ２０、２１および循環ポンプ２６、２７を含み、供給ポンプ２０、２１および循環ポンプ２６、２７の駆動によって供給動作または戻し動作を行う。循環設定は、第一循環処理と第二循環処理との間の循環インターバルと、循環処理におけるポンプ回転数と、循環処理におけるポンプ駆動時間とを含む。第二インターバル時間の逆数と第二回転数と第二駆動時間との積は、第一インターバル時間の逆数と第一回転数と第一駆動時間との積よりも小さい。

【0121】

これによれば、循環インターバルの逆数とポンプ回転数とポンプ駆動時間との積は、第一循環処理の終了時から第二循環処理の終了時までの時間当たりの供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７のそれぞれの積算回転数に対応する。このため、液体供給システム１００は、第二設定の単位増加量を第一設定の単位増加量よりも確実に小さくすることに貢献する。

【0122】

ＣＰＵ５１は、供給動作を送液機構に実行させる供給処理（Ｓ２４）を行う。ＣＰＵ５１は、設定処理によって循環設定が第一設定から第二設定に変更された状態で供給処理を行う場合、供給処理の前に循環処理を行う。

【0123】

循環設定に第二設定が設定された状態では、循環設定に第一設定が設定された状態よりも単位増加量が小さいので、サーバタンク６Ｗ、管８、またはプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの状態が、循環設定に第一設定が設定された状態よりも不均一になっている可能性がある。ＣＰＵ５１は、循環設定に第二設定が設定された状態で供給処理を行う場合には、供給処理の前に循環処理を行うことで、供給処理を行う前に、サーバタンク６Ｗ、管８、またはプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの状態を均一化する。よって、ＣＰＵ５１は、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の白インクがサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに供給されること抑制することに貢献する。

【0124】

＜対応関係＞

【0125】

上記実施形態において、プリンタ１が本発明の「プリンタ」に相当する。プリンタタンク１７Ｗが本発明の「プリンタタンク」に相当する。白インクが本発明の「液体」に相当する。液体供給システム１００が本発明の「液体供給システム」に相当する。サーバタンク６Ｗが本発明の「サーバタンク」に相当する。管８が本発明の「管」に相当する。供給ポンプ２０、２１、供給バルブ２２、２３、循環ポンプ２６、２７、および循環バルブ２８、２９が本発明の「送液機構」に相当する。ＣＰＵ５１が本発明の「制御部」および「コンピュータ」に相当する。図４に示すＳ３２の処理が本発明の「循環処理」に相当する。図４に示すＳ１３およびＳ２６の処理が本発明の「設定処理」に相当する。図４に示すＳ２４の処理が本発明の「供給処理」に相当する。

【0126】

＜変形例＞

【0127】

本発明は上記実施形態から変更されてもよい。以下説明する変形例は、矛盾が生じない範囲において、互いに適宜組み合わせてもよい。上記実施形態では、第一設定に基づいて循環処理が行われた場合、プリンタ残量が増加する。これに対し、第一設定に基づいて循環処理が行われた場合、サーバ残量が増加してもよい。この場合、単位増加量は、第一循環処理の終了時から第二循環処理の終了時までの時間当たりに、第二循環処理によってサーバ残量が増加する量である。この場合、ＣＰＵ５１は、第二設定に基づく循環処理によって、一定期間において、サーバタンク６Ｗから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。

【0128】

上記実施形態において、第二設定は、循環処理（Ｓ３２）を実行しない設定であってもよい。例えば第二インターバル時間は、非常に長い時間（例えば１年）であってもよい。この場合、循環設定に第二設定が設定された状態では、Ｓ３１の処理において、循環インターバルが実質的に経過しないので、ＣＰＵ５１は循環処理（Ｓ３２）を実質的に実行しない。

【0129】

第二インターバル時間の逆数と第二回転数と第二駆動時間の積が、第一インターバル時間の逆数と第一回転数と第一駆動時間との積よりも小さければ、第二インターバル時間が第一インターバル時間と同じでもよいし、第一インターバル時間よりも短くてもよいし、第二回転数が第一回転数よりも速くてもよいし、または第二駆動時間が第一駆動時間よりも長くてもよい。

【0130】

第二設定における単位増加量が第一設定における単位増加量よりも小さければ、第二インターバル時間の逆数と第二回転数と第二駆動時間の積は、第一インターバル時間と第一回転数と第一駆動時間との積と同じでもよいし、大きくてもよい。例えば、第二インターバル時間が非常に長い場合、第一回転数および第一駆動時間は、第二インターバル時間の逆数と第二回転数と第二駆動時間の積が、第一インターバル時間の逆数と第一回転数と第一駆動時間との積よりも大きくなるような値となってもよい。

【0131】

上記実施形態では、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報は、供給処理からの経過時間である。これに対し、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報は、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費量であってもよい。例えば、ＣＰＵ５１は、プリンタセンサ１８５からプリンタ残量を取得し、所定期間の間にプリンタ残量が減少しなかった場合、循環設定を第一設定から第二設定に変更してもよい。所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報は、所定期間におけるプリンタ１での印刷処理の実行の有無でもよいし、実行回数であってもよい。例えば、プリンタ１による印刷処理からの経過時間が変更時間に達した場合、ＣＰＵ５１は、循環設定を第一設定から第二設定に変更してもよい。

【0132】

上記実施形態では、ＣＰＵ５１は、所定期間におけるプリンタタンク１７Ｗ内の白インクの消費に関する情報に基づいて、循環設定を第一設定から第二設定に変更する。これに対し、ＣＰＵ５１は、所定期間におけるサーバタンク６Ｗ内の白インクの消費に関する情報に基づいて、循環設定を第一設定から第二設定に変更してもよい。例えば、供給処理が行われた後、サーバ残量が減少することなく変更時間が経過した場合、ＣＰＵ５１は、循環設定を第一設定から第二設定に変更してもよい。

【0133】

上記実施形態において、ＣＰＵ５１は、供給処理（Ｓ２４）の後にＳ２３の循環処理を行ってもよい。ＣＰＵ５１は、変更状態か否かにかかわらず、Ｓ２３の循環処理を行うことなく供給処理（Ｓ２４）を行ってもよい。ＣＰＵ５１は、Ｓ２３の循環処理の後に、Ｓ３３の処理と同様に、循環処理からの経過時間をリセットしてもよい。第一循環処理および第二循環処理は、それぞれ、周期的な循環処理と非周期的な循環処理の中から、一の循環処理およびその次の循環処理であってもよい。

【0134】

液体供給システム１００は図１に示す第一白流路Ｗ１を図６に示す第一白流路Ｗ１１または図７に示す第一白流路Ｗ２１に変更してもよい。なお、液体供給システム１００は第一白流路Ｗ１と同様に第二白流路Ｗ２を変更してもよい。

【0135】

図６に示すように、第一白流路Ｗ１１では、サーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗとを接続するための管８とサーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗとを接続するための管８とが互いに独立して設けられる。それぞれの管８の構成はサーバタンク６Ｗからの接続先のプリンタ１のみが異なる。したがって、互いに同一符号を付して、サーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗとを接続するための管８を説明する。

【0136】

管８は、管１７１、１７２を含む。管１７１はサーバタンク６Ｗに接続する。管１７１は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに接続する。管１７２はサーバタンク６Ｗに接続する。管１７２は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに接続する。

【0137】

管１７１、１７２は、管１７３によって互いに接続され、且つ管１７４によって互いに接続される。管１７３は点Ｐ１１において管１７１に接続する。管１７３は点Ｐ１１から延び、点Ｐ１２において管１７２に接続する。点Ｐ１１は、供給流路において管１７１の中心よりも上流に位置する。点Ｐ１２は、循環流路において管１７２の中心よりも下流に位置する。管１７４は点Ｐ１３において管１７１に接続する。管１７４は点Ｐ１３から延び、点Ｐ１４において管１７２に接続する。点Ｐ１３は、供給流路において管１７１の中心よりも下流に位置する。点Ｐ１４は、循環流路において管１７２の中心よりも上流に位置する。なお、管１７３と管１７４の一方は省略されてもよい。

【0138】

管１７１には供給ポンプ２０と供給バルブ１０１、１０２とが設けられる。供給ポンプ２０は、供給流路において点Ｐ１１と点Ｐ１３との間に位置する。供給バルブ１０１は点Ｐ１１よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ１０２は点Ｐ１３よりも供給流路下流に位置する。管１７２には循環ポンプ２６と循環バルブ１０３、１０４とが設けられる。循環ポンプ２６は、循環流路において点Ｐ１２と点Ｐ１４との間に位置する。循環バルブ１０３は点Ｐ１２よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ１０４は点Ｐ１４よりも循環流路上流に位置する。管１７３には接続バルブ１０５が設けられる。管１７４には接続バルブ１０６が設けられる。

【0139】

第一白流路Ｗ１１において、供給動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合、供給バルブ１０１、１０２が開状態になる。接続バルブ１０５、１０６が閉状態になる。循環バルブ１０３、１０４は開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で、供給ポンプ２０が駆動される。これにより、白インクはサーバタンク６Ｗから管１７１において点Ｐ１１、点Ｐ１３を介してプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗに供給される。

【0140】

第一白流路Ｗ１１において、戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合、循環バルブ１０３、１０４が開状態になる。接続バルブ１０５、１０６が閉状態になる。供給バルブ１０１、１０２は開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で、循環ポンプ２６が駆動される。これにより、白インクはプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗから管１７２において点Ｐ１４、点Ｐ１２を介してサーバタンク６Ｗに戻される。

【0141】

第一白流路Ｗ１１では、液体供給システム１００は、さらに、以下説明する第一単独循環動作および第二単独循環動作の両方を実行できる。なお、液体供給システム１００は、第一単独循環動作および第二単独循環動作の一方のみを実行できてもよい。

【0142】

第一単独循環動作を説明する。第一単独循環動作は、管１７１、１７２、１７４を介して、サーバタンク６Ｗからプリンタタンク１７Ｗを介することなく白インクを循環させる動作である。第一単独循環動作では、供給バルブ１０１、循環バルブ１０３、および接続バルブ１０６が開状態となる。供給バルブ１０２および循環バルブ１０４が閉状態となる。接続バルブ１０５は開状態および閉状態のいずれでもよいが、例えば閉状態となる。この状態で供給ポンプ２０および循環ポンプ２６の一方または両方が駆動される。これにより、白インクは、サーバタンク６Ｗから管１７１において点Ｐ１１を介して点Ｐ１３まで流れる。白インクは点Ｐ１３から管１７４を介して点Ｐ１４まで流れる。白インクは点Ｐ１４から管１７２において点１２を介してサーバタンク６Ｗまで流れる。この場合、供給バルブ１０２が閉状態なので、白インクは管１７１において点Ｐ１３よりも供給流路下流の部位を流れない。循環バルブ１０４が閉状態なので、白インクは管１７２において点Ｐ１４よりも循環流路上流の部位を流れない。このため、白インクはプリンタタンク１７Ｗには供給されない。

【0143】

第二単独循環動作を説明する。第二単独循環動作は、管１７１、１７２、１７３を介して、プリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗを介することなく白インクを循環させる動作である。第二単独循環動作では、供給バルブ１０２、循環バルブ１０４、および接続バルブ１０５が開状態となる。供給バルブ１０１および循環バルブ１０３が閉状態となる。接続バルブ１０６は開状態および閉状態のいずれでもよいが、例えば閉状態となる。この状態で供給ポンプ２０および循環ポンプ２６の一方または両方が駆動される。これにより、白インクは、プリンタタンク１７Ｗから管１７２において点Ｐ１４を介して点Ｐ１２まで流れる。白インクは点Ｐ１２から管１７３を介して点Ｐ１１まで流れる。白インクは点Ｐ１１から管１７１において点１３を介してプリンタタンク１７Ｗまで流れる。この場合、供給バルブ１０１が閉状態なので、白インクは管１７１において点Ｐ１１よりも供給流路上流の部位を流れない。循環バルブ１０３が閉状態なので、白インクは管１７２において点Ｐ１２よりも循環流路下流の部位を流れない。このため、白インクはサーバタンク６Ｗには戻されない。

【0144】

第一白流路Ｗ１１では、ＣＰＵ５１は、図４に示すメイン処理において、循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合（Ｓ１３）、単独循環処理を行う。この場合、ＣＰＵ５１は、単独循環処理を、例えば循環処理（Ｓ３２）の前または後に行ってもよいし、循環処理に代えて行ってもよい。単独循環処理では、ＣＰＵ５１は、供給ポンプ２０、循環ポンプ２６、供給バルブ１０１、１０２、循環バルブ１０３、１０４、接続バルブ１０５、１０６を制御し、第一単独循環動作および第二単独循環動作を行う。ＣＰＵ５１は第一単独循環動作、第二単独循環動作の順に行ってもよいし、第二単独循環動作、第一単独循環動作の順に行ってもよい。例えば、ＣＰＵ５１は、プリンタ１Ａについての第一単独循環動作とプリンタ１Ｂについての第二単独循環動作を並行して行ってもよい。

【0145】

ＣＰＵ５１は、メイン処理において、循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合（Ｓ１３）、循環処理とは別に単独循環処理を行ってもよい。例えば、ＣＰＵ５１は、循環設定に第二設定が設定された状態で循環処理後に第一インターバル時間が経過した場合、単独循環処理を行ってもよい。この場合、第二設定は、例えば、循環処理（Ｓ３２）を実行しない設定であってもよい。

【0146】

以上説明したように、第一白流路Ｗ１１では、管８は、サーバタンク６Ｗとプリンタタンク１７Ｗとを接続する管１７１と、サーバタンク６Ｗとプリンタタンク１７Ｗとを接続する管１７２と、管１７１と管１７２とを接続する管１７３、１７４とを含む。供給ポンプ２０、循環ポンプ２６、供給バルブ１０１、１０２、循環バルブ１０３、１０４、および接続バルブ１０５、１０６は、管１７１、管１７２、および管１７４を介して、サーバタンク６Ｗからプリンタタンク１７Ｗを介することなく白インクを循環させる第一単独循環動作を行う。供給ポンプ２０、循環ポンプ２６、供給バルブ１０１、１０２、循環バルブ１０３、１０４、および接続バルブ１０５、１０６は、管１７１、管１７２、および管１７３を介して、プリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗを介することなく白インクを循環させる第二単独循環動作を行う。ＣＰＵ５１は、循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合、第一単独循環動作および第二単独循環動作を供給ポンプ２０、循環ポンプ２６、供給バルブ１０１、１０２、循環バルブ１０３、１０４、および接続バルブ１０５、１０６に実行させる単独循環動作を行う。

【0147】

これによれば、単独循環処理によってサーバタンク６Ｗから管１７１の一部と管１７２の一部と管１７４を介して白インクが循環し、または単独循環処理によってプリンタタンク１７Ｗから管１７１の一部と管１７２の一部と管１７３を介して白インクが循環する。これにより、第二設定に基づく循環処理によって白インクの状態が不均一になっている可能性があったとしても、単独循環処理によって白インクの状態が均一化される。よって、ＣＰＵ５１は、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の白インクがサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに供給されることを抑制することに貢献する。なお、例えば供給処理からの経過時間が変更時間に達するまでは単独循環処理が行われない。このため、液体供給システム１００は、供給ポンプ２０、循環ポンプ２６、供給バルブ１０１、１０２、循環バルブ１０３、１０４、および接続バルブ１０５、１０６が単独循環処理によって消耗されることを抑制することに貢献する。

【0148】

図７に示すように、第一白流路Ｗ２１では、管８は、管２８０、２８２、２８３、２８４、２８５、２８６を含む。管２８０はサーバタンク６Ｗに接続する。管２８０は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに接続する。管２８２はサーバタンク６Ｗに接続する。管２８２は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに接続する。

【0149】

管２８３は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに接続する。管２８４はサーバタンク６Ｗに接続する。管２８４は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに向かって延び、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに接続する。

【0150】

管２８５は点Ｐ２１において管２８０に接続する。管２８５は点Ｐ２１から延び、点Ｐ２２において管２８３に接続する。点Ｐ２１は、供給流路において管２８０の中心よりも下流に位置する。点Ｐ２２は、供給流路において管２８３の中心よりも下流に位置する。管２８６は点Ｐ２３において管２８２に接続する。管２８６は点Ｐ２３から延び、点Ｐ２４において管２８４に接続する。点Ｐ２３は、循環流路において管２８２の中心よりも上流に位置する。点Ｐ２４は、循環流路において管２８４の中心よりも上流に位置する。

【0151】

管２８０には供給ポンプ２０と供給バルブ２１９、２２０とが設けられる。供給ポンプ２０は、点Ｐ２１よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２１９は供給ポンプ２０よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２２０は点Ｐ２１よりも供給流路下流に位置する。管２８２には循環ポンプ２６と循環バルブ２２２、２２３とが設けられる。循環ポンプ２６は、点Ｐ２３よりも循環流路上流に位置する。循環バルブ２２２は点Ｐ２３よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ２２３は循環ポンプ２６よりも循環流路上流に位置する。

【0152】

管２８３には供給ポンプ２１と供給バルブ２２４、２２５とが設けられる。供給ポンプ２１は、点Ｐ２２よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２２４は供給ポンプ２１よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ２２５は点Ｐ２２よりも供給流路下流に位置する。管２８４には循環ポンプ２７と循環バルブ２２６、２２７とが設けられる。循環ポンプ２７は、点Ｐ２４よりも循環流路上流に位置する。循環バルブ２２６は点Ｐ２４よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ２２７は循環ポンプ２７よりも循環流路上流に位置する。管２８５には接続バルブ２２８が設けられる。管２８６には接続バルブ２２９が設けられる。

【0153】

第一白流路Ｗ２１において、供給動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。サーバタンク６Ｗから例えばプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合、供給バルブ２１９、２２０が開状態になる。接続バルブ２２８が閉状態になる。供給バルブ２２４、２２５、循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、接続バルブ２２９は開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で、供給ポンプ２０が駆動される。これにより、白インクはサーバタンク６Ｗから管２８０において点Ｐ２１を介してプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗに供給される。

【0154】

第一白流路Ｗ２１において、戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。例えばプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合、循環バルブ２２２、２２３が開状態になる。接続バルブ２２９が閉状態になる。供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、循環バルブ２２６、２２７、接続バルブ２２８は開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で、循環ポンプ２６が駆動される。これにより、白インクはプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗから管２８２において点Ｐ２３を介してサーバタンク６Ｗに戻される。

【0155】

第一白流路Ｗ２１では、液体供給システム１００は、さらに、特定供給動作および特定戻し動作を実行できる。特定供給動作は、サーバタンク６Ｗからプリンタタンク１７Ｗに向けて管８のうち少なくとも管２８５を介して白インクを供給する動作である。特定戻し動作は、プリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに向けて管８のうち少なくとも管２８６を介して白インクを戻す動作である。

【0156】

第一白流路Ｗ２１において、特定供給動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。サーバタンク６Ｗから例えばプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに白インクが供給される場合、供給バルブ２１９、２２５、および接続バルブ２２８が開状態となる。供給バルブ２２０、２２４が閉状態となる。循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、および接続バルブ２２９は、開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で供給ポンプ２０が駆動される。これにより、白インクは、サーバタンク６Ｗから管２８０において点Ｐ２１まで流れる。白インクは点Ｐ２１から管２８５を介して点Ｐ２２まで流れる。白インクは点Ｐ２２から管２８３を介してプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗまで流れる。この場合、供給バルブ２２０が閉状態なので、白インクは管２８０において点Ｐ２１よりも供給流路下流の部位を流れない。このため、白インクはプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗには供給されない。

【0157】

第一白流路Ｗ２１において、特定戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例を説明する。例えばプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに白インクが戻される場合、循環バルブ２２２、２２７、および接続バルブ２２９が開状態となる。循環バルブ２２３、２２６が閉状態となる。供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、および接続バルブ２２８は、開状態および閉状態のいずれでもよい。この状態で循環ポンプ２７が駆動される。これにより、白インクは、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗから管２８４において点Ｐ２４まで流れる。白インクは点Ｐ２４から管２８６を介して点Ｐ２３まで流れる。白インクは点Ｐ２３から管２８２を介してサーバタンク６Ｗまで流れる。この場合、循環バルブ２２３が閉状態なので、白インクはプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに戻されない。

【0158】

液体供給システム１００は、特定供給動作と特定戻し動作の一方の実行後に他方を実行することで、サーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させることができる。液体供給システム１００は、特定供給動作と特定戻し動作とを交互に繰り返すことで、サーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させてもよい。液体供給システム１００は、特定供給動作と特定戻し動作の一方の実行中に他方を実行することで、サーバタンク６Ｗと複数のプリンタ１のそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させてもよい。以下では、液体供給システム１００がサーバタンク６Ｗとプリンタタンク１７Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させる動作を「特定循環動作」という。

【0159】

第一白流路Ｗ２１では、ＣＰＵ５１は、図４に示すメイン処理において、循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合（Ｓ１３）、特定循環処理を行う。特定循環処理では、ＣＰＵ５１は、供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７、供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、接続バルブ２２８、２２９を制御し、特定循環動作を行う。

【0160】

ＣＰＵ５１は、特定循環処理において、複数のプリンタ１の一つ（例えばプリンタ１Ａ）について循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合（Ｓ１３）、複数のプリンタ１の他の一つ（例えばプリンタ１Ｂ）のプリンタタンク１７Ｗとサーバタンク６Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させる特定循環動作を制御する。この場合、ＣＰＵ５１は複数のプリンタ１の他の一つ（例えばプリンタ１Ｂ）のプリンタ残量が複数のプリンタ１の一つ（例えばプリンタ１Ａ）のプリンタ残量よりも少ないか否かを判断してもよい。ＣＰＵ５１は、複数のプリンタ１の他の一つ（例えばプリンタ１Ｂ）のプリンタ残量が複数のプリンタ１の一つ（例えばプリンタ１Ａ）のプリンタ残量よりも少ない場合、ＣＰＵ５１は、特定循環処理において、複数のプリンタ１の他の一つ（例えばプリンタ１Ｂ）のプリンタタンク１７Ｗとサーバタンク６Ｗとの間で管２８５、２８６を介して白インクを循環させる特定循環動作を行ってもよい。ＣＰＵ５１は、特定循環処理を、例えば循環処理（Ｓ３２）の前または後に行ってもよいし、循環処理に代えて行ってもよい。この場合、第二設定は、例えば、循環処理（Ｓ３２）に加えて特定循環処理を行う設定であってもよい。第二設定は、例えば、循環処理（Ｓ３２）に代えて特定循環処理を行う設定であってもよい。

【0161】

ＣＰＵ５１は、メイン処理において、循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合（Ｓ１３）、循環処理とは別に特定循環処理を行ってもよい。例えば、ＣＰＵ５１は、循環設定に第二設定が設定された状態で循環処理後に第一インターバル時間が経過した場合、特定循環処理を行ってもよい。この場合、第二設定は、例えば、循環処理（Ｓ３２）を実行しない設定であってもよい。

【0162】

以上説明したように、第一白流路Ｗ２１では、プリンタ１は、プリンタ１Ａとプリンタ１Ｂとを含む。管８は、管２８０、２８２、２８３、２８４、２８５、２８６を含む。管２８０、２８２は、それぞれ、サーバタンク６Ｗと、プリンタ１Ａが備えるプリンタタンク１７Ｗとを接続する。管２８３、２８５は、管２８０と、プリンタ１Ｂが備えるプリンタタンク１７Ｗとを接続する。管２８４、２８６は、管２８０と、プリンタ１Ｂが備えるプリンタタンク１７Ｗとを接続する。供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７、供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、および接続バルブ２２８、２２９は、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに管２８０、２８３、２８５を介して白インクを供給する特定供給動作と、プリンタ１Ａまたはプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに管２８２、２８４、２８６を介して白インクを戻す特定戻し動作とを行う。ＣＰＵ５１は、例えばプリンタ１Ａについて循環設定が第一設定から第二設定に変更された場合、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗに管２８０、２８３、２８５を介して白インクを供給する特定供給動作と、プリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗに管２８２、２８４、２８６を介して白インクを戻す特定戻し動作とを、供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７、供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、および接続バルブ２２８、２２９に実行させる特定循環処理を行う。

【0163】

これによれば、特定循環処理によってサーバタンク６Ｗとプリンタ１Ｂのプリンタタンク１７Ｗとの間で、プリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗを介さず白インクが循環する。これにより、プリンタ１Ａについて第二設定に基づく循環処理によって白インクの状態が不均一になっている可能性があったとしても、特定循環処理によって白インクの状態が均一化される。よって、ＣＰＵ５１は、一定期間において、例えばプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制しつつ、不均一な状態の白インクがサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタ１Ａのプリンタタンク１７Ｗに供給されることを抑制することに貢献する。なお、例えば供給処理からの経過時間が変更時間に達するまでは特定循環処理が行われない。このため、液体供給システム１００は、供給ポンプ２０、２１、循環ポンプ２６、２７、供給バルブ２１９、２２０、２２４、２２５、循環バルブ２２２、２２３、２２６、２２７、および接続バルブ２２８、２２９が特定循環処理によって消耗されることを抑制することに貢献する。

【0164】

なお、液体供給システム１００は、管２８３のうち点Ｐ２２よりも供給流路上流の部位を省略してもよい。液体供給システム１００は、管２８４のうち点Ｐ２４よりも循環流路下流の部位を省略してもよい。

【0165】

以下では、循環処理における供給動作によってサーバタンク６Ｗから管８を介してプリンタタンク１７Ｗに供給される白インクの量を「循環供給量」という。循環処理における戻し動作によってプリンタタンク１７Ｗから管８を介してサーバタンク６Ｗに戻される白インクの量を「循環戻し量」という。ＣＰＵ５１は、設定処理（Ｓ１３）において、サーバ残量またはプリンタ残量に基づいて、循環供給量と循環戻し量とを、プリンタタンク１７Ｗの単位増加量がマイナス値になるように算出してもよい。さらに、ＣＰＵ５１は循環設定を第一設定から、算出された循環供給量および循環戻し量に基づく第二設定に変更してもよい。

【0166】

例えば、ＣＰＵ５１がプリンタ残量に基づいて、循環供給量と循環戻し量とを、プリンタタンク１７Ｗの単位増加量がマイナス値になるように算出する場合を説明する。この場合、ＣＰＵ５１は例えば供給処理からの経過時間が変更時間に達した場合に（Ｓ１２：ＹＥＳ）、プリンタセンサ１８５からプリンタ残量を取得する。ＣＰＵ５１は、取得したプリンタ残量とＳ４２の処理で記憶した循環前残量との差分に基づく値のマイナス値を単位増加量とする。「取得したプリンタ残量とＳ４２の処理で記憶した循環前残量との差分に基づく値」とは、例えばその差分と同じ大きさの値、その差分よりも所定量多いまたは少ない値等である。ＣＰＵ５１は、プリンタタンク１７Ｗの単位増加量がマイナス値となるように循環供給量と循環戻し量とを算出する。具体的には、ＣＰＵ５１は、第二設定に基づく循環供給量が第一設定に基づく循環供給量よりも少なくなるように、または第二設定に基づく循環戻し量が第一設定に基づく循環戻し量よりも多くなるように、循環供給量および循環戻し量を算出する。ＣＰＵ５１は、算出された循環供給量と循環戻し量になるように、ポンプ回転数とポンプ駆動時間とを第二設定として循環設定に設定する。

【0167】

これによれば、第一設定に基づいて循環処理が行われて例えばプリンタ残量が増加しても、第二設定に基づいて循環処理が行われると、プリンタ残量が減少する。よって、ＣＰＵ５１は、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。なお、例えば供給処理からの経過時間が変更時間に達するまでは循環供給量および循環戻し量が算出されない。このため、液体供給システム１００は、供給処理からの経過時間が変更時間に達するまで、樹幹供給量および循環戻し量の算出にかかる制御負荷を抑制することに貢献する。

【0168】

例えば循環処理によってサーバ残量が増加する場合には、ＣＰＵ５１はサーバ残量に基づいて、循環供給量と循環戻し量とを、サーバタンク６Ｗの単位増加量がマイナス値になるように算出してもよい。これによれば、第一設定に基づいて循環処理が行われてサーバ残量が増加しても、第二設定に基づいて循環処理が行われると、サーバ残量が減少する。よって、ＣＰＵ５１は、一定期間において、サーバタンク６Ｗから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。

【0169】

さらに、ＣＰＵ５１は、第二設定に基づいて循環処理を行うたびに、サーバ残量またはプリンタ残量に基づいて、循環供給量と循環戻し量とを算出してもよい。これによれば、ＣＰＵ５１は、一定期間において、プリンタタンク１７Ｗまたはサーバタンク６Ｗから白インクが溢れることを抑制しつつ、第二設定に基づく循環処理において、プリンタタンク１７Ｗまたはサーバタンク６Ｗの白インクの残量を減少させすぎることを抑制することに貢献する。なお、ＣＰＵ５１は、第二設定に基づいて循環処理を複数回行うたびに、サーバ残量またはプリンタ残量に基づいて、循環供給量と循環戻し量とを算出してもよい。

【0170】

循環処理において、ＣＰＵ５１は、供給動作（Ｓ４３およびＳ４５）と戻し動作（Ｓ５１およびＳ５４）の実行順序を変更してもよい。例えば、ＣＰＵ５１は、戻し動作を行った後、供給動作を行ってもよい。ＣＰＵ５１は、供給動作と戻し動作を並行して行ってもよい。ＣＰＵ５１は、供給動作と戻し動作を交互に繰り返してもよい。

【0171】

上記実施形態では、供給時間が経過した場合（Ｓ４４：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は供給動作を停止する（Ｓ４５）。これに対し、ＣＰＵ５１は、Ｓ４３の処理で供給動作が開始されてからの供給ポンプ２０、２１の積算回転数、Ｓ４３の処理で供給動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、供給動作を停止してもよい。

【0172】

上記実施形態では、サーバ残量が循環前残量に達した場合（Ｓ５３：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は戻し動作を停止する（Ｓ５４）。これに対し、ＣＰＵ５１は、Ｓ５１の処理で戻し動作が開始されてからの循環ポンプ２６、２７の積算回転数、Ｓ５１の処理で戻し動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、戻し動作を停止してもよい。ＣＰＵ５１は、供給動作および循環動作をプリンタ残量に基づいて制御してもよい。

【0173】

例えば第一白流路Ｗ１において、液体供給装置２は供給ポンプ２０、２１の一方または両方を省略してもよい。例えば供給ポンプ２０、２１の両方が省略される場合、ＣＰＵ５１は供給バルブ２２、２３の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、ＣＰＵ５１は、サーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間の水頭差を利用して、サーバタンク６Ｗからプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗへの白インクの供給を制御してもよい。

【0174】

例えば第一白流路Ｗ１において、液体供給装置２は循環ポンプ２６、２７の一方または両方を省略してもよい。例えば循環ポンプ２６、２７の両方が省略される場合、ＣＰＵ５１は循環バルブ２８、２９の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、ＣＰＵ５１は、サーバタンク６Ｗとプリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗとの間の水頭差を利用して、プリンタ１Ａ、１Ｂのそれぞれのプリンタタンク１７Ｗからサーバタンク６Ｗへの白インクの戻しを制御してもよい。

【0175】

例えば第一白流路Ｗ１において、液体供給装置２は供給バルブ２２、２３の一方または両方を省略してもよい。第一白流路Ｗ１において、液体供給装置２は循環バルブ２８、２９の一方または両方を省略してもよい。第一白流路Ｗ１において、液体供給装置２はフィルタ２４、２５の一方または両方を省略してもよい。

【0176】

液体供給装置２は例えば管８２において、供給ポンプ２０、供給バルブ２２、およびフィルタ２４の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置２は例えば管８３において、供給ポンプ２１、供給バルブ２３、およびフィルタ２５の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。

【0177】

液体供給装置２は例えば管８４において、循環ポンプ２６と循環バルブ２８の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置２は例えば管８５において、循環ポンプ２７と循環バルブ２９の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。

【0178】

一つの液体供給装置２に対して一つのプリンタ１が管８によって接続されてもよい。液体供給装置２は複数のサーバタンクのうち例えばサーバタンク６Ｗのみを備え、他のサーバタンクを省略してもよい。この場合、プリンタ１は複数のプリンタタンクのうち例えばプリンタタンク１７Ｗのみを備え、他のプリンタタンクを省略してもよい。プリンタ１は他のヘッドを省略してもよい。

【0179】

液体供給システム１００は、液体供給装置２から複数のプリンタ１のそれぞれに、液体として例えば前処理剤、後処理剤、または水を供給してもよい。例えば水はプリンタ１内の雰囲気を加湿するために使用されてもよい。この場合、複数のプリンタ１は、それぞれ、加湿器を備えてもよい。加湿器はプリンタ１内に設けられ、プリンタ１内の雰囲気を加湿する。管８は水を収容するサーバタンクと加湿器のタンクとを互いに接続するとよい。メイン処理は、第一白流路Ｗ１および第二白流路Ｗ２に代えて、または加えて水の流路に適用されてもよい。同様に、メイン処理は、例えばカラーインク、前処理剤、または後処理剤の流路に適用されてもよい。

【0180】

プリンタ１の構成は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、プリンタ１はインクジェットプリンタとは異なるタイプでもよく、レーザプリンタ、テーププリンタ等でもよい。複数のヘッド１４はインクジェットヘッドに限らず、サーマルヘッド等でもよい。ヘッド１４および他のヘッドはラインヘッドであってもよい。例えばプリンタ１は液体のインクを使用しなくても、加湿器を備えるとよい。この場合、液体供給システム１００は液体供給装置２から管８を介してプリンタ１の加湿器に水を供給する。

【0181】

サーバセンサ７１は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、サーバセンサ７１はサーバタンク６Ｗ内の液面の高さを検知することで、サーバ残量を検知してもよい。サーバセンサ７１は圧力センサであってもよい。この場合、サーバセンサ７１はサーバタンク６Ｗ内の圧力を検知することで、サーバ残量を検知してもよい。

【0182】

プリンタセンサ１８５は重量センサであってもよい。この場合、プリンタセンサ１８５はプリンタ残量の重量を検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。プリンタセンサ１８５は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、プリンタセンサ１８５はプリンタタンク１７Ｗ内の液面の高さを検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。

【0183】

管８の本数、枝分かれ態様等の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、サーバタンク６Ｗと、１つのプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗとが複数本（例えば２本）の枝分かれしない管８によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ異なる管８を白インクが流れる。例えば管８４は、点Ｐ２において管８２に接続することなく、プリンタ１Ａのサーバタンク６Ｗに直接接続してもよい。管８５は、点Ｐ４において管８４に接続することなく、サーバタンク６Ｗに直接接続してもよい。サーバタンク６Ｗと、１つのプリンタ１のプリンタタンク１７Ｗとが１本の枝分かれしない管８によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ同じ１本の管８を白インクが流れる。

【0184】

上記実施形態において、液体供給システム１００は、供給処理の実行条件および循環処理の実行条件をそれぞれ変更してもよい。例えば、ユーザが操作部１８６または操作部５７を操作し、供給処理または循環処理を実行するための指示をプリンタ１または液体供給装置２に入力した場合に、ＣＰＵ５１は供給処理または循環処理を実行してもよい。あらかじめ決められた時刻になった場合に、ＣＰＵ５１は循環処理を行ってもよい。

【0185】

上記実施形態において、液体供給システム１００は、サーバセンサ７１およびプリンタセンサ１８５を省略してもよい。この場合、ＣＰＵ５１は、例えば初期状態のサーバ残量およびプリンタ残量を記憶してもよい。さらに、ＣＰＵ５１は記憶したサーバ残量またはプリンタ残量を基準として、ポンプモータ２０１、２１１、２６１、２７１を時間制御することで、現在のサーバ残量またはプリンタ残量を判断してもよい。

【0186】

ＣＰＵ４１がメイン処理を実行してもよい。この場合、液体供給システム１００はＣＰＵ５１を省略してもよい。ＣＰＵ５１がメイン処理の一部を実行し、ＣＰＵ４１がメイン処理の他の一部を実行してもよい。外部機器のＣＰＵがメイン処理を実行してもよい。外部機器はプリンタ１および液体供給装置２以外の機器であり、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）、スマートフォン等である。

【0187】

ＣＰＵ４１、５１の代わりに、マイクロコンピュータ、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuits）、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。ＲＯＭ４２、５２、フラッシュメモリ４４、５４等の非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体（例えば、伝送される信号）を含まなくてもよい。制御プログラムは、例えば、図示外のネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて（すなわち、伝送信号として送信され）、ＲＯＭ４２、５２またはフラッシュメモリ４４、５４に記憶されてもよい。この場合、制御プログラムは、サーバに備えられたＨＤＤ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。

【符号の説明】

【0188】

１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ プリンタ
２ 液体供給装置
６Ｗ サーバタンク
１７Ｗ プリンタタンク
８、８１、８２、８３、８４、８５、８６ 管
２０、２１ 供給ポンプ
２２、２３ 供給バルブ
２６、２７ 循環ポンプ
２８、２９ 循環バルブ
５１ ＣＰＵ
５２ ＲＯＭ
５３ ＲＡＭ
５４ フラッシュメモリ
１００ 液体供給システム

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】