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特開2024-79123液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079123
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/18 20060101AFI20240604BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20240604BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B41J2/18
B41J2/175 113
B41J2/175 111
B41J2/175 503
B41J2/01 401
B41J2/175 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191862
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】川北 彬広
(72)【発明者】
【氏名】吉本 久晃
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB20
2C056EB21
2C056EB50
2C056EC19
2C056EC20
2C056EC21
2C056EC28
2C056KB16
2C056KB37
(57)【要約】
【課題】タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供する。
【解決手段】液体供給システムは、プリンタタンクとサーバタンクとを接続する管と、供給動作と戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備える。制御部は、供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる循環処理を行う(S60)。制御部は、サーバタンクおよびプリンタタンクのいずれかである第一タンクの液体の残量が第一規定残量以上になった場合、循環処理の前に、第一タンクから、サーバタンクおよびプリンタタンクのうち第一タンクとは異なる第二タンクに管を介して液体を送る供給動作または戻し動作を送液機構に実行させる第一送液処理を行う(S51~S54)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理を行い、
前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理を行う
ことを特徴とする液体供給システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記循環処理を行うための循環条件が成立した場合であって、前記循環条件が成立した場合の前記第一タンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上である場合、前記第一送液処理、前記循環処理の順に行う
ことを特徴とする請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項3】
前記第一規定残量は、最大増加量と前記第一タンクの容量との差よりも少なく、
前記最大増加量は、前記循環処理の開始時における前記第一タンクの前記液体の残量と、前記循環処理の開始から終了までにおける前記第一タンクの前記液体の最大の残量との差である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項4】
前記第一送液処理における前記供給動作または前記戻し動作によって前記第一タンクから前記第二タンクに前記管を介して送られる前記液体の量は、最大増加量よりも多く、
前記最大増加量は、前記循環処理の開始時における前記第一タンクの前記液体の残量と、前記循環処理の開始から終了までにおける前記第一タンクの前記液体の最大の残量との差である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第一タンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上であり、且つ前記第二タンクの前記液体の残量が第二規定残量以上の場合、前記第一送液処理および前記循環処理を実行することを禁止する禁止処理を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項6】
前記プリンタは、複数のプリンタを含み、
前記第一タンクは、前記プリンタタンクであり、
前記第二タンクは、前記サーバタンクであり、
前記制御部は、
前記複数のプリンタのうち対象プリンタが備える第一プリンタタンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上であり、且つ前記サーバタンクの前記液体の残量が第二規定残量以上の場合、前記第一送液処理の前に、前記サーバタンクの前記液体の残量が前記第二規定残量未満になるまで、前記サーバタンクから、前記複数のプリンタのうち前記対象プリンタとは異なる他のプリンタが備える第二プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する前記供給動作を前記送液機構に実行させる第二送液処理を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給システム。
【請求項7】
前記複数のプリンタは、3つ以上のプリンタであり、
前記他のプリンタは、2つ以上のプリンタであり、
前記制御部は、
前記第二送液処理において、前記サーバタンクから、前記他のプリンタがそれぞれ備える複数の第二プリンタタンクのうち前記液体の残量が最も少ない最小プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する前記供給動作を前記送液機構に実行させる
ことを特徴とする請求項6に記載の液体供給システム。
【請求項8】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御方法は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理と
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、
前記液体供給システムは、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と
を備え、
前記制御プログラムは、前記コンピュータに、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、
前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理と
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、
前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、
前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理を行い、
前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理を行う
ことを特徴とする液体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタに液体を供給する液体供給システムが知られている。特許文献1に記載の液体供給システムはメインタンクとプリンタとを備える。メインタンクには液体の一種としてインクが収容される。プリンタはサブタンクを備える。サブタンクはメインタンクチューブを介してメインタンクに接続される。液体供給システムはメインタンクからサブタンクにメインタンクチューブを介してインクを供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-314392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記液体供給システムでは、インクの温度分布、濃度分布等の状態を均一にするため、メインタンクとサブタンクとの間でメインタンクチューブを介してインクを循環させることが考えられる。この場合、循環後のメインタンクのインク量が、循環前のメインタンクのインク量から変化し、循環後のサブタンクのインク量が、循環前のサブタンクのインク量から変化する可能性がある。このため、循環が繰り返し行われることで、メインタンクのインク量が増え続けると、メインタンクからインクが溢れる可能性がある。循環が繰り返し行われることで、サブタンクのインク量が増え続けると、サブタンクからインクが溢れる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する液体供給システム、制御方法、制御プログラム、および液体供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る液体供給システムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムであって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理を行い、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理を行う
ことを特徴とする液体供給システム。
【0007】
第一態様によれば、第一タンクの液体の残量が第一規定残量以上になると、循環処理の前に、第一送液処理によって液体が第一タンクから第二タンクに送られる。これにより、第一タンクの液体の残量が減少する。このため、その後に循環処理が行われても、第一タンクから液体が溢れることが抑制される。よって、制御部は、第一タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する。
【0008】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記循環処理を行うための循環条件が成立した場合であって、前記循環条件が成立した場合の前記第一タンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上である場合、前記第一送液処理、前記循環処理の順に行ってもよい。
【0009】
この場合、制御部は、循環条件が成立した場合に、第一送液処理と循環処理とを行う。よって、制御部は、第一送液処理を循環処理と関係なく別々に実行する場合に比べて、第一送液処理によるダウンタイムを短くすることに貢献する。
【0010】
前記液体供給システムにおいて、前記第一規定残量は、最大増加量と前記第一タンクの容量との差よりも少なく、前記最大増加量は、前記循環処理の開始時における前記第一タンクの前記液体の残量と、前記循環処理の開始から終了までにおける前記第一タンクの前記液体の最大の残量との差であってもよい。
【0011】
例えば第一タンクの液体の残量が第一規定残量よりもわずかに少ない状態では、送液処理が行われない。この場合でも、第一規定残量が、最大増加量と第一タンクの容量との差よりも少ないので、循環処理によって第一タンクの液体の残量が最大増加量増えたとしても、増えた液体の残量が第一タンクの容量に達することが抑制される。よって、液体供給システムは、第一タンクから液体が溢れることをさらに抑制することに貢献する。
【0012】
前記液体供給システムにおいて、前記第一送液処理における前記供給動作または前記戻し動作によって前記第一タンクから前記第二タンクに前記管を介して送られる前記液体の量は、最大増加量よりも多く、前記最大増加量は、前記循環処理の開始時における前記第一タンクの前記液体の残量と、前記循環処理の開始から終了までにおける前記第一タンクの前記液体の最大の残量との差であってもよい。
【0013】
この場合、第一送液処理の後に循環処理が行われても、循環処理によって第一タンクの液体の残量が第一規定残量以上になることが抑制される。よって、液体供給システムは、第一送液処理の実行頻度を少なくすることに貢献する。
【0014】
前記液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記第一タンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上であり、且つ前記第二タンクの前記液体の残量が第二規定残量以上の場合、前記第一送液処理および前記循環処理を実行することを禁止する禁止処理を行ってもよい。
【0015】
この場合、制御部は、第一タンクに加えて第二タンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する。
【0016】
前記液体供給システムにおいて、前記プリンタは、複数のプリンタを含み、前記第一タンクは、前記プリンタタンクであり、前記第二タンクは、前記サーバタンクであり、前記制御部は、前記複数のプリンタのうち対象プリンタが備える第一プリンタタンクの前記液体の残量が前記第一規定残量以上であり、且つ前記サーバタンクの前記液体の残量が第二規定残量以上の場合、前記第一送液処理の前に、前記サーバタンクの前記液体の残量が前記第二規定残量未満になるまで、前記サーバタンクから、前記複数のプリンタのうち前記対象プリンタとは異なる他のプリンタが備える第二プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する前記供給動作を前記送液機構に実行させる第二送液処理を行ってもよい。
【0017】
この場合、制御部は、プリンタタンクに加えてサーバタンクから液体が溢れることを抑制することに貢献する。
【0018】
前記液体供給システムにおいて、前記複数のプリンタは、3つ以上のプリンタであり、前記他のプリンタは、2つ以上のプリンタであり、前記制御部は、前記第二送液処理において、前記サーバタンクから、前記他のプリンタがそれぞれ備える複数の第二プリンタタンクのうち前記液体の残量が最も少ない最小プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する前記供給動作を前記送液機構に実行させてもよい。
【0019】
この場合、制御部は、最小プリンタタンクに液体を供給することで、最小プリンタタンクの液体の残量を増加させることに貢献する。
【0020】
本発明の第二態様に係る制御方法は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムによる制御方法であって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御方法は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理とを備えたことを特徴とする。
【0021】
第二態様は、第一態様と同様の利点に貢献する。
【0022】
本発明の第三態様に係る制御プログラムは、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給システムのコンピュータに以下の処理を実行させる制御プログラムであって、前記液体供給システムは、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構とを備え、前記制御プログラムは、前記コンピュータに、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理と、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理とを実行させることを特徴とする。
【0023】
第三態様は、第一態様と同様の利点に貢献する。
【0024】
本発明の第四態様に係る液体供給装置は、プリンタが備えるタンクであるプリンタタンクに液体を供給する液体供給装置であって、前記プリンタタンクと、前記液体を収容するサーバタンクとを接続する管と、前記管に設けられる機構であって、前記サーバタンクから前記プリンタタンクに前記管を介して前記液体を供給する供給動作と、前記プリンタタンクから前記サーバタンクに前記管を介して前記液体を戻す戻し動作とを行う送液機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記供給動作と前記戻し動作とを前記送液機構に実行させる循環処理を行い、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのいずれかである第一タンクの前記液体の残量が第一規定残量以上になった場合、前記循環処理の前に、前記第一タンクから、前記サーバタンクおよび前記プリンタタンクのうち前記第一タンクとは異なる第二タンクに前記管を介して前記液体を送る前記供給動作または前記戻し動作を前記送液機構に実行させる第一送液処理を行うことを特徴とする。
【0025】
第四態様は、第一態様と同様の利点に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】液体供給システム100の流路構成図である。
図2】プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】液体供給装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図4】メイン処理のフローチャートである。
図5】メイン処理のフローチャートである。
図6】循環処理のフローチャートである。
図7】サーバ残量の推移の一例を示す図である。
図8】対象プリンタのプリンタ残量の推移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<液体供給システム100の概略構成>
【0028】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給システム100を説明する。図1に示すように、液体供給システム100は複数のプリンタ1と、液体供給装置2とを含む。液体供給システム100は、液体供給装置2から複数のプリンタ1のそれぞれに、液体として例えばインクを供給する。
【0029】
複数のプリンタ1の個数は特定の個数に限定されないが、例えば一つの液体供給装置2に対してプリンタ1A、1B、1C、1Dの四つが接続される。プリンタ1は例えばインクジェットプリンタであり、印刷媒体(図示略)にインクを吐出し、印刷を行う。印刷媒体は布、紙等であり、例えばTシャツである。
【0030】
インクは例えば白(W)、黒(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、またはマゼンタ(M)である。以下では、5色のインクのうち白色のインクを「白インク」といい、黒、シアン、イエロー、およびマゼンタの4色のインクを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「カラーインク」という。
【0031】
白インクは画像の白色を表す部分として、またはカラーインクの下地として印刷に用いられる。カラーインクは、印刷媒体上に直接、または白インクによる下地の上に吐出され、カラー画像の印刷に用いられる。
【0032】
<プリンタ1の機械的構成>
【0033】
プリンタ1は図2に示すプラテン15、キャリッジ13、およびヘッド14を備える。プラテン15は、副走査方向に移動可能に設けられる。プラテン15上には印刷媒体が載置される。キャリッジ13は、主走査方向に移動可能に設けられる。主走査方向は副走査方向と直交する。
【0034】
ヘッド14はキャリッジ13に装着され、キャリッジ13とともに主走査方向に移動する。ヘッド14は、ノズルを含み、ノズルからプラテン15上の印刷媒体に白インクを吐出する。プリンタ1は、ヘッド14の他に、一または複数のヘッド(以下、「他のヘッド」という。)を備える。本実施形態では、他のヘッドの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のヘッドは、白インクに代えてカラーインクを、ノズルからプラテン15上の印刷媒体に吐出する点がヘッド14と異なる。
【0035】
プリンタ1はプリンタタンク17Wを備える。プリンタタンク17Wは、液体供給装置2から白インクの供給を受け、供給された白インクを収容する。プリンタタンク17Wは、管(図示略)を介して図2に示すヘッド14に接続する。
【0036】
プリンタ1は、プリンタタンク17Wの他に、複数のプリンタタンク(以下、「他のプリンタタンク」という。)を備える。本実施形態では、他のプリンタタンクの図示を省略し、その説明を簡略化する。他のプリンタタンクは、液体供給装置2から、白インクに代えてカラーインクの供給を受ける点がプリンタタンク17Wと異なる。他のプリンタタンクは、管(図示略)を介して他のヘッドに接続する。
【0037】
図2に示す供給機構184の駆動によってプリンタタンク17Wから図2に示すヘッド14に管(図示略)を介して白インクが供給される。同様に、他のプリンタタンクから他のヘッドにカラーインクが供給される。図2に示す主走査モータ181の駆動によってキャリッジ13が主走査方向に移動する。図2に示す副走査モータ182の駆動によってプラテン15が副走査方向に移動する。これにより、ヘッド14がプラテン15上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動する。
【0038】
ヘッド14がプラテン15上の印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動しながら、図2に示すヘッドドライバ183の駆動によってヘッド14がノズルからプラテン15上の印刷媒体に白インクを吐出する。同様に、他のヘッドがノズルからプラテン15上の印刷媒体にカラーインクを吐出する。以上により、プリンタ1は印刷媒体への印刷を行う印刷処理を行う。
【0039】
<液体供給装置2の機械的構成>
【0040】
液体供給装置2はサーバタンク6Wと管8と撹拌機構96とを備える。サーバタンク6Wは複数のプリンタ1外に位置し、白インクを収容する。サーバタンク6Wが白インクを収容可能な容量は一つのプリンタタンク17Wが白インクを収容可能な容量よりも多く、プリンタ1A、1B、1C、1Dのそれぞれのプリンタタンク17Wが収容可能な容量の合計よりも多い。管8はサーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の白インクの流路を構成する。
【0041】
撹拌機構96は例えばプロペラスターラであり、図3に示す撹拌モータ963の駆動によって、サーバタンク6W内の白インクを撹拌する撹拌動作を行う。本実施形態では、白インクは顔料粒子等の固形成分として、カラーインクに含まれる成分よりも沈降性の高い成分を含む。沈降性の高い成分は例えば酸化チタンである。酸化チタンは比較的比重の高い無機顔料の一種である。白インクは比較的沈降性の高い成分を含むので、白インク内の顔料粒子等の固形成分は沈降しやすい。以下では、白インク内の固形成分が沈降することを、「白インクが沈降する」ともいう。撹拌機構96は撹拌動作を行うことで、サーバタンク6W内において白インクが沈降することを抑制する。
【0042】
液体供給装置2は、サーバタンク6Wの他に、複数のサーバタンク(以下、「他のサーバタンク」という。)を備え、管8の他に、複数の管(以下、「他の管」という。)を備える。本実施形態では、他のサーバタンクおよび他の管の図示を省略し、その説明を簡略化する。
【0043】
他のサーバタンクは、白インクに代えてカラーインクを収容する点がサーバタンク6Wと異なる。他の管は、他のサーバタンクと複数のプリンタ1のそれぞれの他のプリンタタンクとの間のカラーインクの流路を構成する。他の管は、後述の管84、85、86を備えていない点が管8と異なる。なお、本実施形態では、他のサーバタンクには撹拌機構96が設けられていない。
【0044】
<白インクの流路構成>
【0045】
白インクの流路は第一白流路W1と第二白流路W2を含む。なお、図1は、第一白流路W1を実線で示し、第二白流路W2を破線で示す。第一白流路W1はサーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとを互いに接続する。第二白流路W2はサーバタンク6Wとプリンタ1C、1Dのそれぞれのプリンタタンク17Wとを互いに接続する。
【0046】
第一白流路W1と第二白流路W2では、液体供給装置2からの接続先がプリンタ1A、1Bとプリンタ1C、1Dのいずれであるかが異なる。したがって、以下では、第一白流路W1を説明し、第二白流路W2については第一白流路W1と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0047】
第一白流路W1は、管8として管81、82、83、84、85、86によって構成される。管81はサーバタンク6Wに接続する。管81はサーバタンク6Wから点P1まで延びる。管81は点P1において管82と管83に接続する。
【0048】
管82は点P1から点P2を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって延び、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wに接続する。管83は点P1から点P3を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって延び、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wに接続する。
【0049】
管84は点P2において管82に接続する。管84は点P2から点P4まで延び、点P4において管86に接続する。管85は点P3において管83に接続する。管85は点P3から点P4まで延び、点P4において管86に接続する。管86は点P4からサーバタンク6Wに向かって延び、サーバタンク6Wに接続する。
【0050】
以下では、サーバタンク6Wから管81、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wまでの流路と、サーバタンク6Wから管81、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wまでの流路を、それぞれ、「供給流路」という。供給流路においてサーバタンク6W側を「供給流路上流」といい、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側を「供給流路下流」という。例えば、供給流路の中間地点において、サーバタンク6W側が供給流路上流であり、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側が供給流路下流である。
【0051】
プリンタ1Aのプリンタタンク17Wから管84、管86を介してサーバタンク6Wまでの流路と、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wから管85、管86を介してサーバタンク6Wまでの流路を、それぞれ、「循環流路」という。循環流路においてプリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側を「循環流路上流」といい、サーバタンク6W側を「供給流路下流」という。例えば、循環流路の中間地点において、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bのプリンタタンク17W側が循環流路上流であり、サーバタンク6W側が循環流路下流である。
【0052】
管82には供給ポンプ20と供給バルブ22とフィルタ24が設けられる。管83には供給ポンプ21と供給バルブ23とフィルタ25が設けられる。供給ポンプ20は点P2よりも供給流路上流に位置する。供給ポンプ21は点P3よりも供給流路上流に位置する。
【0053】
供給ポンプ20、21は、それぞれ、図3に示すポンプモータ201、211の駆動によって、サーバタンク6Wから管81を介して白インクを吸引する。供給ポンプ20は、図3に示すポンプモータ201の駆動によって、吸引した白インクを、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって送る。供給ポンプ21は、図3に示すポンプモータ211の駆動によって、吸引した白インクを、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって送る。
【0054】
以下では、バルブが閉じた状態を「閉状態」といい、バルブが開いた状態を「開状態」という。バルブは、閉状態において、流路を遮断状態にする。バルブは、開状態において、流路を連通状態にする。
【0055】
供給バルブ22は供給ポンプ20よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ23は供給ポンプ21よりも供給流路上流に位置する。供給バルブ22、23は、それぞれ、図3に示すソレノイド221、231の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。供給バルブ22は、閉状態において管82を遮断状態にし、開状態において管82を連通状態にする。供給バルブ23は、閉状態において管83を遮断状態にし、開状態において管83を連通状態にする。
【0056】
フィルタ24は供給バルブ22よりも供給流路上流に位置する。フィルタ25は供給バルブ23よりも供給流路上流に位置する。フィルタ24、25は、それぞれ、例えば不織布、織布、樹脂フィルム、または多孔質金属片で構成され、白インクをろ過する。
【0057】
管84には循環ポンプ26と循環バルブ28が設けられる。管85には循環ポンプ27と循環バルブ29が設けられる。循環ポンプ26は、図3に示すポンプモータ261の駆動によって、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wから、管82のうち点P2よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ27は、図3に示すポンプモータ271の駆動によって、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wから、管83のうち点P3よりも供給流路下流の部位を介して白インクを吸引する。循環ポンプ26、27は、それぞれ、図3に示すポンプモータ261、271の駆動によって、吸引した白インクを、管86を介してサーバタンク6Wに向かって送る。
【0058】
循環バルブ28は循環ポンプ26よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ29は循環ポンプ27よりも循環流路下流に位置する。循環バルブ28、29は、それぞれ、図3に示すソレノイド281、291の駆動によって、閉状態と開状態に切り替わる。循環バルブ28は、閉状態において管84を遮断状態にし、開状態において管84を連通状態にする。循環バルブ29は、閉状態において管85を遮断状態にし、開状態において管85を連通状態にする。
【0059】
上記構成において、液体供給システム100は、供給バルブ22および供給バルブ23の一方または両方を開状態にした状態で、供給ポンプ20および供給ポンプ21のうち、開状態にしたバルブに対応する供給ポンプを駆動することで、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタタンク17Wに白インクを供給する。
【0060】
以下では、液体供給システム100がサーバタンク6Wから管8を介してプリンタタンク17Wに向けて白インクを供給する動作を「供給動作」という。本実施形態の供給動作では、液体供給システム100は、サーバタンク6Wから管8を介して複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wに白インクを、並行してまたは複数のプリンタ1の1台ずつ供給できる。つまり、複数のサーバタンク6Wは、それぞれ、複数のプリンタ1のそれぞれへの供給流路において、複数のプリンタ1のそれぞれよりも上流に位置する。
【0061】
供給動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路W1において、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wに向かう白インクの流れを説明する。サーバタンク6Wからプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク6W内から管81、管82を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに向かって流れる(矢印A1参照)。サーバタンク6Wからプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合、白インクはサーバタンク6W内から管81、管83を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに向かって流れる(矢印A2参照)。
【0062】
液体供給システム100は、循環バルブ28および循環バルブ29の一方または両方を開状態にした状態で、循環ポンプ26および循環ポンプ27のうち、開状態にしたバルブに対応する循環ポンプを駆動することで、プリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクを戻す。
【0063】
以下では、液体供給システム100がプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクを戻す動作を「戻し動作」という。本実施形態の戻し動作では、液体供給システム100は、複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに向けて白インクを、並行してまたは複数のプリンタ1の1台ずつ戻すことができる。
【0064】
戻し動作が行われた場合の白インクの流れの例として、第一白流路W1において、プリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに向かう白インクの流れを説明する。プリンタ1Aのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ1Aのプリンタタンク17W内から管82、点P2、管84、管86を介してサーバタンク6Wに向かって流れる(矢印B1参照)。プリンタ1Bのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合、白インクはプリンタ1Bのプリンタタンク17W内から管83、点P3、管85、管86を介してサーバタンク6Wに向かって流れる(矢印B2参照)。
【0065】
管82のうち点P2よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク6Wからプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合と、プリンタ1Aのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。管83のうち点P3よりも供給流路下流の部位は、サーバタンク6Wからプリンタ1Bのプリンタタンク17Wに白インクが供給される場合と、プリンタ1Bのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに白インクが戻される場合との両方の場合に、白インクが流れる。
【0066】
液体供給システム100は、供給動作と戻し動作の一方の実行後に他方を実行することで、サーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させることができる。液体供給システム100は、供給動作と戻し動作とを交互に繰り返すことで、サーバタンク6Wと複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させてもよい。
【0067】
以下では、液体供給システム100がサーバタンク6Wとプリンタタンク17Wとの間で管8を介して白インクを循環させる動作を「循環動作」という。液体供給システム100は、例えば第一白流路W1において、循環動作を行う。これにより、液体供給システム100は、サーバタンク6W内と第一白流路W1とプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17W内において白インクが沈降することを抑制する。
【0068】
<プリンタ1の電気的構成>
【0069】
図2に示すように、プリンタ1は制御装置40を備える。制御装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、および通信部45を備える。CPU41はプリンタ1の制御を司り、プロセッサとして機能する。CPU41は例えば印刷処理を制御する。CPU41はROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、および通信部45と電気的に接続する。
【0070】
ROM42は、CPU41がプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU41が必要な情報等を記憶する。RAM43は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ44は、不揮発性であり、後述のプリンタセンサ185の校正データ等を記憶する。通信部45は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。CPU41は通信部45によって例えば液体供給装置2と通信する。
【0071】
CPU41には主走査モータ181、副走査モータ182、ヘッドドライバ183、供給機構184、プリンタセンサ185、および操作部186が電気的に接続される。主走査モータ181、副走査モータ182、ヘッドドライバ183、および供給機構184はCPU41による制御によって駆動する。
【0072】
プリンタセンサ185は図1に示すプリンタタンク17Wに設けられる。プリンタセンサ185は、例えば圧力センサである。プリンタセンサ185は、プリンタタンク17W内の圧力を検知することで、プリンタ残量を検知する。プリンタ残量は、プリンタタンク17W内の白インクの残量である。プリンタセンサ185は検知したプリンタ残量を示す信号をCPU41に出力する。
【0073】
操作部186はタッチパネルディスプレイ等であり、各種情報を表示し、且つユーザによる操作に応じた情報をCPU41に出力する。ユーザは操作部186を操作することで、プリンタ1による印刷を開始するための印刷指示等をプリンタ1に入力できる。
【0074】
<液体供給装置2の電気的構成>
【0075】
図3に示すように、液体供給装置2は制御装置50を備える。制御装置50は、CPU51、ROM52、RAM53、フラッシュメモリ54、および通信部55を備える。CPU51は液体供給装置2の制御を司り、プロセッサとして機能する。CPU51はROM52、RAM53、フラッシュメモリ54、および通信部55と電気的に接続する。
【0076】
ROM52は、CPU51が液体供給装置2の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU51が必要な情報等を記憶する。RAM53は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。フラッシュメモリ54は、不揮発性であり、サーバセンサ71の校正データ等を記憶する。通信部55は外部機器と有線または無線で通信するためのコントローラである。CPU51は通信部55を介して例えばプリンタ1A、1B、1C、1Dのそれぞれと通信する。
【0077】
CPU51には撹拌モータ963、ポンプモータ201、211、261、271、ソレノイド221、231、281、291、サーバセンサ71、ディスプレイ56、および操作部57が電気的に接続される。
【0078】
撹拌モータ963、ポンプモータ201、211、261、271、ソレノイド221、231、281、291、およびディスプレイ56はCPU51による制御によって駆動する。サーバセンサ71は、例えば重量センサであり、サーバ残量を重量によって検知する。サーバ残量はサーバタンク6W内の白インクの残量である。サーバセンサ71は検知したサーバ残量を示す信号をCPU51に出力する。
【0079】
<残量誤差>
【0080】
本実施形態では、循環動作によってサーバタンク6W内の白インクに揺れが生じたり、循環動作終了後に微量の白インクがサーバタンク6Wおよび管8の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、サーバセンサ71が検知するサーバ残量と、実際のサーバ残量との間に誤差が生じる可能性がある。
【0081】
同様に、循環動作によってプリンタタンク17W内の白インクに揺れが生じたり、循環動作後に微量の白インクがプリンタタンク17Wおよび管8の一方から他方に流れたりする場合がある。この場合、プリンタセンサ185が検知するプリンタ残量と、実際のプリンタ残量との間に誤差が生じる可能性がある。
【0082】
上記誤差が生じた場合には、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から変化し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から変化する可能性がある。例えば本実施形態では、循環動作後の実際のサーバ残量が、循環動作前のサーバ残量から減少し、循環動作後の実際のプリンタ残量が、循環動作前のプリンタ残量から増加する場合がある。この場合、循環動作が繰り返し行われることによってプリンタタンク17Wから白インクが溢れる可能性がある。本実施形態では、液体供給システム100は、以下説明するメイン処理を実行することで、プリンタタンク17Wから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。
【0083】
<メイン処理>
【0084】
例えば液体供給装置2に電源が投入された場合、CPU51は、ROM52から制御プログラムを読み出して動作することで、図4に示すメイン処理を実行する。メイン処理では、CPU51は、供給動作および戻し動作に関する制御を行う。メイン処理では、第二白流路W2について第一白流路W1と同様に供給動作および戻し動作に関する制御が行われる。本実施形態では、メイン処理について、第一白流路W1に関する制御を説明し、第二白流路W2に関する制御の説明を省略する。以下では、メイン処理の開始時、図1に示す供給バルブ22、23、循環バルブ28、29のすべてが閉状態であるとして説明する。
【0085】
図4に示すように、メイン処理が開始されると、CPU51は、プリンタ1Aまたはプリンタ1Bから、後述の供給処理(S13)を行うための供給要求を取得したか否かを判断する(S12)。例えば、プリンタ1Aが白インクを用いた印刷処理を行うと、プリンタ1Aのプリンタタンク17W内の白インクが消費され、プリンタ1Aのプリンタ残量が減少する。例えばプリンタ1Aにおいて、プリンタ残量が所定の供給開始残量以下になった場合、CPU41は、供給要求を液体供給装置2に送信する。供給開始残量は、例えばフラッシュメモリ44にあらかじめ記憶される。
【0086】
プリンタ1A、1Bのいずれからも、供給要求を取得していない場合(S12:NO)、CPU51は処理をS14の処理に移行する。プリンタ1Aまたはプリンタ1Bから、供給要求を取得した場合(S12:YES)、CPU51は供給処理を行う(S13)。
【0087】
供給処理(S13)では、CPU51は、供給要求を取得したプリンタ1のプリンタタンク17Wについて、供給動作を制御する。例えばプリンタ1Aから供給要求を取得した場合、CPU51は、供給動作において、図3に示すソレノイド221を制御し、図1に示す供給バルブ22を開状態にする。この状態で、CPU51は図3に示すポンプモータ201を制御し、図1に示す供給ポンプ20の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1Aのプリンタタンク17Wに供給される。
【0088】
例えば、供給動作によってプリンタ残量が所定の供給停止残量に達した場合、CPU41は、供給停止要求を液体供給装置2に送信する。供給停止残量は例えばフラッシュメモリ44にあらかじめ記憶される。供給停止残量は例えば供給開始残量よりも多い。例えばプリンタ1Aから供給停止要求を取得した場合、CPU51は、図3に示すポンプモータ201の駆動を停止し、図1に示す供給ポンプ20の駆動を停止する。CPU51は、図3に示すソレノイド221を制御し、図1に示す供給バルブ22を閉状態にする。これにより、CPU51は、供給動作を停止し、供給処理を終了する。
【0089】
CPU51は、CPU51はRAM53のタイマカウンタを参照し、プリンタ1A、1Bのそれぞれについて、循環インターバルが経過したか否かを判断する(S14)。本実施形態では、プリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wについて、後述の循環処理(S60、図5参照)が周期的に行われる。第一循環処理と第二循環処理を定義する。第一循環処理は、周期的に行われる循環処理のうちの一つである。第二循環処理は、周期的に行われる循環処理のうち第一循環処理の次の循環処理である。循環インターバルは、第一循環処理と第二循環処理との間の時間であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。循環インターバルは、特定の長さに限定されないが、例えば4時間である。
【0090】
プリンタ1A、1Bのいずれについても、循環インターバルが経過していない場合(S14:NO)、CPU51は処理をS12の処理に戻す。以下では、循環インターバルが経過したプリンタ1を「対象プリンタ」という。プリンタ1Aまたはプリンタ1Bについて、循環インターバルが経過した場合(S14:YES)、CPU51は対象プリンタのプリンタセンサ185からプリンタ残量を取得する(S21)。
【0091】
S21の処理では、例えば、CPU51は、対象プリンタにプリンタ残量を要求するための残量要求を対象プリンタに送信する。対象プリンタにおいて、CPU41は、残量要求を取得すると、プリンタセンサ185からの信号が示すプリンタ残量を液体供給装置2に送信する。CPU51は、対象プリンタから送信されたプリンタ残量を取得する。
【0092】
CPU51は、S21の処理で取得された対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上であるか否かを判断する(S22)。プリンタ規定残量は、プリンタ最大増加量とプリンタタンク17Wの容量との差よりも少なく、本実施形態では、供給開始残量よりも多く、供給停止残量よりも多い。プリンタ最大増加量は、後述の循環処理の開始時のプリンタ残量と、循環処理の開始から終了までにおける最大のプリンタ残量との差である。プリンタタンク17Wの容量は、プリンタタンク17Wが通常使用された場合に、プリンタタンク17Wから白インクが溢れることなく、プリンタタンク17W内に収容される白インクの量の最大値である。プリンタタンク17Wの通常使用とは、プリンタタンク17Wが水平面上に載置されて使用されること、プリンタタンク17Wを装着するための装着部(図示略)にプリンタタンク17Wが装着されて使用されること等をいう。例えば、プリンタタンク17Wにインクを注入するための注入口が設けられる場合、プリンタタンク17Wの容量は、上下方向において注入口の下端の位置よりも下部のプリンタタンク17Wの体積で定められてもよい。プリンタ規定残量は、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0093】
例えば対象プリンタにおいて、循環処理が前回行われてからの白インクを用いた印刷処理の実行頻度が高い場合、プリンタ残量は循環処理が前回行われてから減少しているので、プリンタ残量はプリンタ規定残量未満になりやすい。プリンタ残量がプリンタ規定残量未満の場合(S22:NO)、CPU51は図5に示す循環処理を行う(S60)。循環処理の後、CPU51は処理をS12の処理に戻す。
【0094】
図6を参照し、循環処理(S60)の詳細を説明する。循環処理では、CPU51は対象プリンタのプリンタタンク17Wについて循環動作を制御する。循環処理が開始されると、CPU51は図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S61)。CPU51はS61の処理で取得されたサーバ残量を循環前残量としてRAM53に記憶する(S62)。循環前残量は、循環動作の開始時におけるサーバ残量であり、本実施形態では、後述のS63の処理での供給動作の開始時におけるサーバ残量である。
【0095】
CPU51は、対象プリンタのプリンタタンク17Wについて供給動作を開始する(S63)。例えば対象プリンタがプリンタ1Aの場合、S63の処理では、CPU51は、図3に示すソレノイド221を制御し、図1に示す供給バルブ22を開状態にする。この状態で、CPU51は図3に示すポンプモータ201を制御し、図1に示す供給ポンプ20の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wに供給される。
【0096】
CPU51はRAM53のタイマカウンタを参照し、供給時間が経過したか否かを判断する(S64)。供給時間は、供給動作の開始から終了までの時間であり、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0097】
供給時間が経過していない場合(64:NO)、CPU51は、供給時間が経過するまでS64の処理を繰り返す。供給時間が経過した場合(S64:YES)、CPU51は対象プリンタのプリンタタンク17Wについて供給動作を停止する(S65)。S65の処理では、CPU51は、例えば図3に示すポンプモータ201の駆動を停止し、図1に示す供給ポンプ20の駆動を停止する。CPU51は、図3に示すソレノイド221を制御し、図1に示す供給バルブ22を閉状態にする。これにより、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wに白インクが供給されることが停止される。
【0098】
CPU51は、対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作を開始する(S71)。例えば対象プリンタがプリンタ1Aの場合、S71の処理では、CPU51は、図3に示すソレノイド281を制御し、図1に示す循環バルブ28を開状態にする。この状態で、CPU51は図3に示すポンプモータ261を制御し、図1に示す循環ポンプ26の駆動を開始する。これにより、白インクがプリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに戻される。
【0099】
CPU51は図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S72)。CPU51は、S72の処理で取得されたサーバ残量がS62の処理で記憶された循環前残量に達したか否かを判断する(S73)。サーバ残量が循環前残量よりも少ない場合(S73:NO)、CPU51は処理をS72の処理に戻す。
【0100】
サーバ残量が循環前残量に達した場合(S73:YES)、CPU51は、対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作を停止する(S74)。S74の処理では、例えば、CPU51は、図3に示すポンプモータ261の駆動を停止し、図1に示す循環ポンプ26の駆動を停止する。CPU51は図3に示すソレノイド281を制御し、図1に示す循環バルブ28を閉状態にする。これにより、プリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクが戻されることが停止される。CPU51は処理を図5に示すメイン処理に戻す。
【0101】
図4に示すS22の処理において、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上の場合(S22:YES)、CPU51は図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S23)。CPU51はS23の処理で取得されたサーバ残量がサーバ規定残量以上であるか否かを判断する(S24)。サーバ規定残量は、サーバ最大増加量とサーバタンク6Wの容量との差よりも少ない。サーバ最大増加量は、循環処理開始時のサーバ残量(循環前残量)と、循環処理の開始から終了までにおける最大のサーバ残量との差である。循環処理の開始から終了までにおける最大のサーバ残量が、循環処理開始時のサーバ残量よりも多くならない場合、つまり、サーバ残量が、循環処理中に、循環処理開始時のサーバ残量から増加しない場合、サーバ最大増加量は「0」とする。詳しくは図7を参照して後述するが、本実施形態では、サーバ最大増加量は「0」である。このため、サーバ規定残量は、サーバタンク6Wの容量よりも少なければよい。サーバ規定残量は、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。サーバタンク6Wの容量は、サーバタンク6Wが通常使用された場合に、サーバタンク6Wから白インクが溢れることなく、サーバタンク6W内に収容される白インクの量の最大値である。サーバタンク6Wの通常使用とは、サーバタンク6Wが水平面上に載置されて使用されること、サーバタンク6Wを装着するための装着部(図示略)サーバタンク6Wが装着されて使用されること等をいう。例えば、サーバタンク6Wにインクを注入するための注入口が設けられる場合、サーバタンク6Wの容量は、上下方向において注入口の下端の位置よりも下部のサーバタンク6Wの体積で定められてもよい。
【0102】
サーバ残量がサーバ規定残量未満の場合(S24:NO)、CPU51は、処理を図5に示すS51の処理に移行する。サーバ残量がサーバ規定残量以上の場合(S24:YES)、CPU51は、他のプリンタ1のプリンタセンサ185からプリンタ残量を取得する(S31)。他のプリンタ1は、複数のプリンタ1のうち対象プリンタとは異なるプリンタ1であり、2つ以上のプリンタ1である。例えば対象プリンタがプリンタ1Aの場合、他のプリンタ1は、プリンタ1B、1C、1Dである。
【0103】
CPU51は、S31の処理で取得された各プリンタ残量に基づいて、他のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wのなかに、プリンタ残量がプリンタ規定残量未満となるプリンタタンク17Wがあるか否かを判断する(S32)。プリンタ残量がプリンタ規定残量未満となるプリンタタンク17Wがない場合(S32:NO)、液体供給システム100がエラーとなり、CPU51はエラー報知を行う(S33)。この場合、CPU51は、図5に示す循環処理(S60)および後述の第一送液処理(S51~S54)を行うことなく、処理をS12の処理に戻す。
【0104】
例えば複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上になった状態で、ユーザが、サーバ残量がサーバ規定残量以上になるようにサーバタンク6Wに白インクを補充すると、液体供給システム100はエラーとなる。エラー報知は、特定の態様に限定されないが、CPU51は、例えば図3に示すディスプレイ56にエラー表示を行い、警告灯(図示略)を点灯させる。例えば、複数のプリンタ1のいずれかにおいて白インクが使用されて印刷処理が行われると、プリンタ残量が低下する。複数のプリンタ1のいずれかのプリンタ残量がプリンタ規定残量未満になった場合に、エラーが解除されてもよい。対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量未満になった場合に、エラーが解除されてもよい。
【0105】
S32の処理において、プリンタ残量がプリンタ規定残量未満となるプリンタタンク17Wがある場合(S32:YES)、CPU51は、処理を図5に示すS40の処理に移行する。
【0106】
図5に示すように、CPU51は、S31の処理で取得された他のプリンタ1のプリンタ残量に基づいて、プリンタ残量がプリンタ規定残量未満となるプリンタタンク17Wのなかから最小プリンタタンクを特定する(S40)。最小プリンタタンクは、プリンタ残量がプリンタ規定残量未満となるプリンタタンク17Wのうちプリンタ残量が最も少ないプリンタタンク17Wである。
【0107】
CPU51は、S40の処理で特定された最小プリンタタンクについて、供給動作を開始する(S41)。例えば最小プリンタタンクがプリンタ1Bのプリンタタンク17Wの場合、S41の処理では、CPU51は、図3に示すソレノイド231を制御し、図1に示す供給バルブ23を開状態にする。この状態で、CPU51は図3に示すポンプモータ211を制御し、図1に示す供給ポンプ21の駆動を開始する。これにより、白インクがサーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17W(最小プリンタタンク)に供給される。この場合、対象プリンタ(例えばプリンタ1A)のプリンタタンク17Wには白インクは供給されない。
【0108】
CPU51は、図3に示すサーバセンサ71からサーバ残量を取得する(S42)。CPU51はS42の処理で取得されたサーバ残量がサーバ規定残量未満となったか否かを判断する(S43)。サーバ残量がサーバ規定残量以上の場合(S43:NO)、CPU51は処理をS42の処理に戻す。
【0109】
サーバ残量がサーバ規定残量未満になった場合(S43:YES)、CPU51は最小プリンタタンクについて、供給動作を停止する(S44)。S44の処理では、例えば、CPU51は図3に示すポンプモータ211の駆動を停止し、図1に示す供給ポンプ21の駆動を停止する。CPU51は、図3に示すソレノイド231を制御し、図1に示す供給バルブ23を閉状態にする。これにより、サーバタンク6Wから管8を介してプリンタ1Bのプリンタタンク17W(最小プリンタタンク)に白インクが供給されることが停止される。
【0110】
S44の処理の後、または図4に示すS24の処理において、サーバ残量がサーバ規定残量未満の場合(S24:NO)、CPU51は、図6に示すS71の処理と同様に、対象プリンタのプリンタタンク17Wについて、戻し動作を開始する(S51)。これにより、白インクがプリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに戻される。
【0111】
CPU51は、対象プリンタのプリンタセンサ185からプリンタ残量を取得する(S52)。CPU51は、S52の処理で取得されたプリンタ残量が戻し残量に達したか否かを判断する(S53)。戻し残量は、戻し動作の終了時のプリンタ残量であり、プリンタ規定残量とプリンタ最大増加量との差よりも少ない。戻し残量は、例えばフラッシュメモリ54にあらかじめ記憶される。
【0112】
プリンタ残量が戻し残量よりも多い場合(S53:NO)、CPU51は処理をS52の処理に戻す。プリンタ残量が戻し残量に達した場合(S53:YES)、CPU51は対象プリンタのプリンタタンク17Wについて、戻し動作を停止する(S54)。これにより、プリンタ1A(対象プリンタ)のプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクが戻されることが停止される。CPU51は循環処理を行い(S60)、処理を図4に示すS12の処理に戻す。
【0113】
以下では、S51からS54までの処理を「第一送液処理」といい、第一送液処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して送られる白インクの量を「戻し量」という。
【0114】
戻し量を説明する。戻し量は、第一送液処理の開始時の対象プリンタのプリンタ残量と、第一送液処理の終了時の対象プリンタのプリンタ残量(戻し残量)との差である。第一送液処理は、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上の場合に行われる。このため、第一送液処理の開始時の対象プリンタのプリンタ残量は、プリンタ規定残量以上である。さらに、第一送液処理は、対象プリンタのプリンタ残量が戻し残量に達した場合に停止される。このため、第一送液処理の終了時の対象プリンタのプリンタ残量は、戻し残量になる。このように、第一送液処理の終了時の対象プリンタのプリンタ残量が戻し残量で一定値であり、且つ第一送液処理の開始時の対象プリンタのプリンタ残量の最小値がプリンタ規定残量なので、戻し量の最小値は、プリンタ規定残量と戻し残量との差となる。戻し残量はプリンタ規定残量とプリンタ最大増加量との差よりも少ない。このため、戻し量は、プリンタ最大増加量よりも多くなる。この場合、第一送液処理の後に循環処理が行われて、戻し残量からプリンタ最大増加量分増加したとしても、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上になることが抑制される。よって、循環処理中に対象プリンタのプリンタタンク17Wから白インクが溢れることが抑制される。
【0115】
<白インクの残量の推移>
【0116】
図7および図8を参照し、サーバ残量および対象プリンタのプリンタ残量の推移の一例を説明する。以下では、循環インターバルの経過時に(S14:YES)、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上であり(S22:YES)、サーバ残量がサーバ規定残量以上であり(S24:YES)、且つプリンタ残量がプリンタ規定残量未満の他のプリンタ1のプリンタタンク17Wが存在する(S32:YES)と仮定する。
【0117】
図7に示すように、状態ST11は、循環インターバルの経過時のサーバタンク6Wを示す。したがって、残量V11は、循環インターバルの経過時のサーバ残量である。残量V10は、サーバ規定残量である。残量V11は、残量V10(サーバ規定残量)よりも多い。
【0118】
図8に示すように、状態ST21は、循環インターバルの経過時の対象プリンタのプリンタタンク17Wを示す。したがって、残量V21は、循環インターバルの経過時の対象プリンタのプリンタ残量である。残量V20は、プリンタ規定残量である。残量V21は、残量V20(プリンタ規定残量)よりも多い。
【0119】
図7に示すように、図5に示すS41からS44までの処理(以下、「第二送液処理」という。)によって最小プリンタタンクについて供給動作が行われると、サーバ残量は、状態ST11に示す残量V11から状態ST12に示す残量V13まで量V12分減少する。残量V13は、サーバ規定残量(残量V10)未満である。なお、第二送液処理で最小プリンタタンクについて供給動作が行われたとしても、対象プリンタのプリンタ残量は変化しないので、対象プリンタのプリンタタンク17Wは図8に示す状態ST21から変化しない。
【0120】
図5に示す第一送液処理(S51~S54)によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作が行われると、サーバ残量は、状態ST12に示す残量V13から状態ST13に示す残量V15まで量V14分増加する。量V14は、戻し量である。図7では、残量V15は残量V10(サーバ規定残量)よりも多い。これに対し、残量V15は、残量V13および量V14との関係によって残量V10以下となってもよい。
【0121】
図8に示すように、図5に示す第一送液処理(S51~S54)によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作が行われると、対象プリンタのプリンタ残量は、状態ST21に示す残量V21から状態ST22に示す残量V23まで量V22分減少する。量V22は、戻し量である。残量V23は、戻し残量である。
【0122】
図7に示すように、図6に示すS63からS65までの処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて供給動作が行われると、サーバ残量は、状態ST13に示す残量V15から状態ST14に示す残量V17まで量V16分減少する。本実施形態では、量V16は、供給時間に応じた白インクの量である。
【0123】
図8に示すように、図6に示すS63からS65までの処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて供給動作が行われると、対象プリンタのプリンタ残量は、状態ST22に示す残量V23から状態ST23に示す残量V25まで量V24分増加する。本実施形態では、循環処理の開始から終了までの間、プリンタ残量は循環処理の残量V25を超えない。したがって、量V24は、プリンタ最大増加量であり、本実施形態では、供給時間に応じた白インクの量である。
【0124】
図7に示すように、図6に示すS71からS74までの処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作が行われると、サーバ残量は、状態ST14に示す残量V17から状態ST15に示す残量V19まで量V18分増加する。本実施形態では、循環処理において、戻し動作よりも先に供給動作が行われる。さらに、上述したように、循環処理の終了時のサーバセンサ71による検知誤差等に起因して、供給動作によってサーバタンク6Wから対象プリンタのプリンタタンク17Wに管8を介して供給される白インクの実際の量V16が、戻し動作によって対象プリンタのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して戻される白インクの実際の量V18よりも少ない。よって、S73にてCPU51は、S72の処理で取得されたサーバ残量がS62の処理で記憶された循環前残量に達したか否かを判断するが、実際は、循環処理の開始から終了までの間、サーバ残量は循環処理の開始時の残量V15を超えない。したがって、サーバ最大増加量は「0」である。例えば、循環処理において、供給動作よりも先に戻し動作が行われる場合、サーバ最大増加量は、供給動作によってサーバタンク6Wから対象プリンタのプリンタタンク17Wに管8を介して供給される白インクの量となり、「0」よりも多くなる。
【0125】
図8に示すように、図6に示すS71からS74までの処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wについて戻し動作が行われると、対象プリンタのプリンタ残量は、状態ST23に示す残量V25から状態ST24に示す残量V28まで量V26分減少する。なお、サーバ残量が循環前残量になるとS74の処理によって戻し動作が停止される。しかしながら、上述したように、循環処理の終了時のサーバセンサ71による検知誤差等によって、状態ST24では、対象プリンタの実際のプリンタ残量は、残量V23よりも量V27だけ多い残量V28となる場合がある。
【0126】
なお、循環インターバルの経過時に、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上であり、且つサーバ残量がサーバ規定残量未満であれば、対象プリンタのプリンタ残量は、上記推移と同様に、図8に示す状態ST21から推移する。この場合、サーバ残量は、図7に示す状態ST12から推移する。循環インターバルの経過時に、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量未満であれば、対象プリンタのプリンタ残量は、図8に示す状態ST22から推移する。この場合、サーバ残量は、図7に示す状態ST13から推移する。
【0127】
<実施形態の効果>
【0128】
上記実施形態では、液体供給システム100は、プリンタ1が備えるプリンタタンク17Wに白インクを供給する。管8は、プリンタタンク17Wと、白インクを収容するサーバタンク6Wとを接続する。供給ポンプ20、21、供給バルブ22、23、循環ポンプ26、27、および循環バルブ28、29(以下、「送液機構」という。)は、管8に設けられ、サーバタンク6Wからプリンタタンク17Wに管8を介して白インクを供給する供給動作と、プリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して白インクを戻す戻し動作とを行う。CPU51は、循環処理(S60)において、供給動作と戻し動作とを送液機構に実行させる。CPU51は、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上になった場合、循環処理(S60)の前に、第一送液処理(S51~S54)において、プリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して白インクを送る戻し動作を送液機構に実行させる。
【0129】
これによれば、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上になると、循環処理の前に、第一送液処理によって白インクがプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに送られる。これにより、プリンタ残量が減少する。このため、その後に循環処理が行われても、プリンタタンク17Wから白インクが溢れることが抑制される。よって、CPU51は、プリンタタンク17Wから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。
【0130】
CPU51は、循環インターバルが経過した場合であって、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上である場合、対象プリンタについて、第一送液処理、循環処理の順に行う。よって、CPU51は、第一送液処理を循環処理と関係なく別々に実行する場合に比べて、第一送液処理によるダウンタイムを短くすることに貢献する。
【0131】
プリンタ規定残量は、プリンタ最大増加量とプリンタタンク17Wの容量との差よりも少ない。プリンタ最大増加量は、循環処理の開始時におけるプリンタ残量と、循環処理の開始から終了までにおけるプリンタタンク17Wの白インクの最大の残量との差である。例えばプリンタ残量がプリンタ規定残量よりもわずかに少ない状態では、第一送液処理が行われない。この場合でも、プリンタ規定残量が、プリンタ最大増加量とプリンタタンク17Wの容量との差よりも少ないので、循環処理によってプリンタ残量がプリンタ最大増加量増えたとしても、増えたプリンタ残量がプリンタタンク17Wの容量に達することが抑制される。よって、液体供給システム100は、プリンタタンク17Wから白インクが溢れることをさらに抑制することに貢献する。
【0132】
第一送液処理における戻し動作によってプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wに管8を介して送られる白インクの量(戻し量)は、プリンタ最大増加量よりも多い。これによれば、第一送液処理の後に循環処理が行われても、循環処理によってプリンタ残量がプリンタ規定残量以上になることが抑制される。よって、液体供給システム100は、第一送液処理の実行頻度を少なくすることに貢献する。
【0133】
CPU51は、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上であり、且つサーバ残量がサーバ規定残量以上の場合、第一送液処理および循環処理を実行することを禁止する。これによれば、第一送液処理によってサーバタンク6Wから白インクが溢れることが抑制される。よって、CPU51は、プリンタタンク17Wに加えてサーバタンク6Wから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。
【0134】
CPU51は、対象プリンタのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上であり、且つサーバ残量がサーバ規定残量以上の場合、第一送液処理の前に、第二送液処理において、サーバ残量がサーバ規定残量未満になるまで、サーバタンク6Wから、他のプリンタ1のプリンタタンク17Wに管8を介して白インクを供給する供給動作を送液機構に実行させる。これによれば、サーバ残量がサーバ規定残量未満になった状態で、第一送液処理によって対象プリンタのプリンタタンク17Wから管8を介してサーバタンク6Wに白インクが戻される。よって、CPU51は、プリンタタンク17Wに加えてサーバタンク6Wから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。
【0135】
CPU51は、第二送液処理において、サーバタンク6Wから、プリンタ残量が最も少ない最小プリンタタンクに管8を介して白インクを供給する供給動作を送液機構に実行させる。これによれば、CPU51は、最小プリンタタンクに白インクを供給することで、最小プリンタタンクのプリンタ残量を増加させることに貢献する。例えば、液体供給装置2の故障等によってサーバタンク6Wから複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタタンク17Wに白インクを供給不可能になったとしても、第二送液処理において最小プリンタタンクに白インクを供給しておくことで、最小プリンタタンクのプリンタ1が印刷可能な印刷媒体の量が多くなる。よって、CPU51は、液体供給装置2が故障した場合等のプリンタ1のダウンタイムを抑制することに貢献する。
【0136】
<対応関係>
【0137】
上記実施形態において、プリンタ1が本発明の「プリンタ」に相当する。プリンタタンク17Wが本発明の「プリンタタンク」に相当する。白インクが本発明の「液体」に相当する。液体供給システム100が本発明の「液体供給システム」に相当する。サーバタンク6Wが本発明の「サーバタンク」に相当する。管8が本発明の「管」に相当する。供給ポンプ20、21、供給バルブ22、23、循環ポンプ26、27、および循環バルブ28、29が本発明の「送液機構」に相当する。CPU51が本発明の「制御部」および「コンピュータ」に相当する。図5に示すS60の処理が本発明の「循環処理」に相当する。プリンタタンク17Wが本発明の「第一タンク」に相当する。プリンタ規定残量が本発明の「第一規定残量」に相当する。サーバタンク6Wが本発明の「第二タンク」に相当する。図5に示すS51~S54の処理が本発明の「第一送液処理」に相当する。
【0138】
サーバ規定残量が本発明の「第二規定残量」に相当する。図4に示すS33の処理が本発明の「禁止処理」に相当する。図5に示すS41~S44の処理が本発明の「第二送液処理」に相当する。液体供給装置2が本発明の「液体供給装置」に相当する。
【0139】
<変形例>
【0140】
本発明は上記実施形態から変更されてもよい。以下説明する変形例は、矛盾が生じない範囲において、互いに適宜組み合わせてもよい。上記実施形態では、循環インターバルが経過した場合に、CPU51は、S21の処理において、対象プリンタのプリンタ残量を取得する。これに対し、CPU51は、循環インターバルが経過したか否かに関わらず、複数のプリンタ1のそれぞれのプリンタ残量を取得してもよい。例えば、複数のプリンタ1のいずれかのプリンタ残量がプリンタ規定残量以上となった場合、CPU51は、循環インターバルの経過を待たずに、S23以降の処理を行ってもよい。この場合、複数のプリンタ1のすべてのプリンタ残量がプリンタ規定残量未満であれば、CPU51は、処理をS12の処理に戻すとよい。
【0141】
プリンタ規定残量は、プリンタタンク17Wの容量よりも少なければ、プリンタ最大増加量とプリンタタンク17Wの容量との差と同じでもよいし、プリンタ最大増加量とプリンタタンク17Wの容量との差よりも多くてもよい。戻し量は、プリンタ最大増加量と同じでもよいし、プリンタ最大増加量よりも多くてもよい。プリンタ規定残量は、供給開始残量と同じでもよいし、供給開始残量よりも少なくてもよい。プリンタ規定残量は、供給停止残量と同じでもよいし、供給停止残量よりも少なくてもよい。
【0142】
上記実施形態において、循環処理によってサーバ残量が増加する場合には、CPU51は、S22の処理において、サーバ残量がサーバ規定残量以上であるか否かを判断してもよい。この場合、サーバ残量がサーバ規定残量以上であれば(S22:YES)、CPU51は、第二送液処理を省略し、第一送液処理において、サーバタンク6Wから対象プリンタのプリンタタンク17Wに管8を介して白インクを送る供給動作を送液機構に実行させてもよい。この場合、CPU51は、第一送液処理の後、循環処理を行ってもよい。以下、CPU51が、第一送液処理において、サーバタンク6Wからプリンタタンク17Wに管8を介して白インクを送る供給動作を送液機構に実行させる変形例を「第一送液処理の変形例」という。第一送液処理の変形例では、循環処理の前にサーバ残量が減少するので、CPU51は、サーバタンク6Wから白インクが溢れることを抑制することに貢献する。
【0143】
第一送液処理の変形例では、第一送液処理によってサーバタンク6Wから対象プリンタのプリンタタンク17Wに管8を介して送られる白インクの量を「供給量」という。供給量は、サーバ最大増加量よりも多いのが好ましいが、サーバ最大増加量と同じでもよいし、サーバ最大増加量よりも少なくてもよい。
【0144】
サーバ規定残量は、サーバ最大増加量とサーバタンク6Wの容量との差よりも少ないのが好ましいが、サーバタンク6Wの容量よりも少なければ、サーバ最大増加量とサーバタンク6Wの容量との差と同じでもよいし、サーバ最大増加量とサーバタンク6Wの容量との差よりも多くてもよい。
【0145】
上記実施形態において、CPU51は、第二送液処理を省略してもよい。つまり、CPU51は、S24の処理において、サーバ残量がサーバ規定残量以上の場合、プリンタ残量がプリンタ規定残量以下のプリンタタンク17Wがあるか否かを判断することなく、エラー報知を行ってもよい。CPU51は、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上であり、且つサーバ残量がサーバ規定残量以上であっても、第一送液処理および循環処理の一方または両方を実行してもよい。S22の処理において、プリンタ残量がプリンタ規定残量以上の場合、CPU51は、S24およびS32の判断を行うことなく、処理を第一送液処理に移行してもよい。
【0146】
CPU51は、S40の処理において、最小プリンタタンクを特定しなくてもよい。例えば、CPU51は、あらかじめ決められたプリンタ1のプリンタタンク17Wを特定してもよい。CPU51は、空き容量が最も多いプリンタタンク17Wを特定してもよい。CPU51は、供給処理が行われる頻度が最も高いプリンタタンク17Wを特定してもよい。
【0147】
CPU51は、供給処理、第一送液処理、第二送液処理、循環処理等をサーバセンサ71からの信号に基づいて制御してもよいし、プリンタセンサ185からの信号に基づいて制御してもよい。例えば、循環処理では、CPU51は、S61の処理において、プリンタセンサ185からプリンタ残量を取得し、S62の処理において、プリンタ残量を循環前残量としてRAM53に記憶してもよい。この場合、CPU51は、S72の処理において、プリンタセンサ185からプリンタ残量を取得し、S73の処理において、プリンタ残量が循環前残量に達したか否かを判断してもよい。
【0148】
循環処理において、CPU51は、供給動作(S63およびS65)と戻し動作(S71およびS74)の実行順序を変更してもよい。例えば、CPU51は、戻し動作を行った後、供給動作を行ってもよい。CPU51は、供給動作と戻し動作を並行して行ってもよい。CPU51は、供給動作と戻し動作を交互に繰り返してもよい。
【0149】
上記実施形態では、供給時間が経過した場合(S64:YES)、CPU51は供給動作を停止する(S65)。これに対し、CPU51は、S63の処理で供給動作が開始されてからの供給ポンプ20、21の積算回転数、S43の処理で供給動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、供給動作を停止してもよい。
【0150】
上記実施形態では、サーバ残量が循環前残量に達した場合(S37:YES)、CPU51は戻し動作を停止する(S74)。これに対し、CPU51は、S71の処理で戻し動作が開始されてからの循環ポンプ26、27の積算回転数、S71の処理で戻し動作が開始されてからのサーバ残量の変化量等に基づいて、戻し動作を停止してもよい。CPU51は、供給動作および循環動作をプリンタ残量に基づいて制御してもよい。
【0151】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は供給ポンプ20、21の一方または両方を省略してもよい。例えば供給ポンプ20、21の両方が省略される場合、CPU51は供給バルブ22、23の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、CPU51は、サーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の水頭差を利用して、サーバタンク6Wからプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wへの白インクの供給を制御してもよい。
【0152】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は循環ポンプ26、27の一方または両方を省略してもよい。例えば循環ポンプ26、27の両方が省略される場合、CPU51は循環バルブ28、29の一方または両方を開状態と閉状態とに制御する。これにより、CPU51は、サーバタンク6Wとプリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wとの間の水頭差を利用して、プリンタ1A、1Bのそれぞれのプリンタタンク17Wからサーバタンク6Wへの白インクの戻しを制御してもよい。
【0153】
例えば第一白流路W1において、液体供給装置2は供給バルブ22、23の一方または両方を省略してもよい。第一白流路W1において、液体供給装置2は循環バルブ28、29の一方または両方を省略してもよい。第一白流路W1において、液体供給装置2はフィルタ24、25の一方または両方を省略してもよい。
【0154】
液体供給装置2は例えば管82において、供給ポンプ20、供給バルブ22、およびフィルタ24の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置2は例えば管83において、供給ポンプ21、供給バルブ23、およびフィルタ25の供給流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。
【0155】
液体供給装置2は例えば管84において、循環ポンプ26と循環バルブ28の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。同様に、液体供給装置2は例えば管85において、循環ポンプ27と循環バルブ29の循環流路上流または下流の位置関係を適宜変更してもよい。
【0156】
一つの液体供給装置2に対して一つのプリンタ1が管8によって接続されてもよいし、2つのプリンタ1が接続されてもよいし、3つまたは5つ以上のプリンタが接続されてもよい。液体供給装置2は複数のサーバタンクのうち例えばサーバタンク6Wのみを備え、他のサーバタンクを省略してもよい。この場合、プリンタ1は複数のプリンタタンクのうち例えばプリンタタンク17Wのみを備え、他のプリンタタンクを省略してもよい。プリンタ1は他のヘッドを省略してもよい。
【0157】
液体供給システム100は、液体供給装置2から複数のプリンタ1のそれぞれに、液体として例えば前処理剤、後処理剤、または水を供給してもよい。例えば水はプリンタ1内の雰囲気を加湿するために使用されてもよい。この場合、複数のプリンタ1は、それぞれ、加湿器を備えてもよい。加湿器はプリンタ1内に設けられ、プリンタ1内の雰囲気を加湿する。管8は水を収容するサーバタンクと加湿器のタンクとを互いに接続するとよい。メイン処理は、第一白流路W1および第二白流路W2に代えて、または加えて水の流路に適用されてもよい。同様に、メイン処理は、例えばカラーインク、前処理剤、または後処理剤の流路に適用されてもよい。
【0158】
プリンタ1の構成は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、プリンタ1はインクジェットプリンタとは異なるタイプでもよく、レーザプリンタ、テーププリンタ等でもよい。複数のヘッド14はインクジェットヘッドに限らず、サーマルヘッド等でもよい。ヘッド14および他のヘッドはラインヘッドであってもよい。例えばプリンタ1は液体のインクを使用しなくても、加湿器を備えるとよい。この場合、液体供給システム100は液体供給装置2から管8を介してプリンタ1の加湿器に水を供給する。
【0159】
サーバセンサ71は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、サーバセンサ71はサーバタンク6W内の液面の高さを検知することで、サーバ残量を検知してもよい。サーバセンサ71は圧力センサであってもよい。この場合、サーバセンサ71はサーバタンク6W内の圧力を検知することで、サーバ残量を検知してもよい。
【0160】
プリンタセンサ185は重量センサであってもよい。この場合、プリンタセンサ185はプリンタ残量の重量を検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。プリンタセンサ185は光学センサまたは電極式レベルセンサであってもよい。この場合、プリンタセンサ185はプリンタタンク17W内の液面の高さを検知することで、プリンタ残量を検知してもよい。
【0161】
管8の本数、枝分かれ態様等の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、サーバタンク6Wと、1つのプリンタ1のプリンタタンク17Wとが複数本(例えば2本)の枝分かれしない管8によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ異なる管8を白インクが流れる。例えば管84は、点P2において管82に接続することなく、プリンタ1Aのサーバタンク6Wに直接接続してもよい。管85は、点P4において管84に接続することなく、サーバタンク6Wに直接接続してもよい。サーバタンク6Wと、1つのプリンタ1のプリンタタンク17Wとが1本の枝分かれしない管8によって接続されてもよい。この場合、供給動作と戻り動作において、それぞれ同じ1本の管8を白インクが流れる。
【0162】
上記実施形態において、液体供給システム100は、供給処理の実行条件および循環処理の実行条件をそれぞれ変更してもよい。例えば、ユーザが操作部186または操作部57を操作し、供給処理または循環処理を実行するための指示をプリンタ1または液体供給装置2に入力した場合に、CPU51は供給処理または循環処理を実行してもよい。あらかじめ決められた時刻になった場合に、CPU51は循環処理を行ってもよい。
【0163】
上記実施形態において、液体供給システム100は、サーバセンサ71およびプリンタセンサ185を省略してもよい。この場合、CPU51は、例えば初期状態のサーバ残量およびプリンタ残量を記憶してもよい。さらに、CPU51は記憶したサーバ残量またはプリンタ残量を基準として、ポンプモータ201、211、261、271を時間制御することで、現在のサーバ残量またはプリンタ残量を判断してもよい。
【0164】
CPU41がメイン処理を実行してもよい。この場合、液体供給システム100はCPU51を省略してもよい。CPU51がメイン処理の一部を実行し、CPU41がメイン処理の他の一部を実行してもよい。外部機器のCPUがメイン処理を実行してもよい。外部機器はプリンタ1および液体供給装置2以外の機器であり、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン等である。
【0165】
CPU41、51の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。ROM42、52、フラッシュメモリ44、54等の非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。制御プログラムは、例えば、図示外のネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、ROM42、52またはフラッシュメモリ44、54に記憶されてもよい。この場合、制御プログラムは、サーバに備えられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【符号の説明】
【0166】
1、1A、1B、1C、1D プリンタ
2 液体供給装置
6W サーバタンク
17W プリンタタンク
8、81、82、83、84、85、86 管
20、21 供給ポンプ
22、23 供給バルブ
26、27 循環ポンプ
28、29 循環バルブ
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 フラッシュメモリ
100 液体供給システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8