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特開2024-79136人流予測装置および人流予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079136
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】人流予測装置および人流予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240604BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191885
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美彦
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】 人流に影響を与える要因が複数存在する場所であっても高精度な人流の予測を実現できる人流予測装置および人流予測プログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、人流予測装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。入力インターフェースは、予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する。プロセッサは、入力インターフェースにより取得する人物の位置情報から予測対象エリアの注目区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、予測対象エリアの注目区画における人流データを人物の属性で振り分け、注目区画における人物の属性ごとの人流を推定する属性別モデルを生成し、属性別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する入力インターフェースと、
前記入力インターフェースにより取得する人物の位置情報から前記予測対象エリアの注目区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、前記予測対象エリアの注目区画における人流データを人物の属性で振り分け、前記注目区画における前記人物の属性ごとの人流を推定する属性別モデルを生成し、前記属性別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成するプロセッサと、
を有する人流予測装置。
【請求項2】
前記人物の属性は、人物の年代である、
請求項1に記載の人流予測装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記属性別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として前記人流推定モデルを生成する、
請求項1又は2の何れか1項に記載の人流予測装置。
【請求項4】
複数の区画に分割される予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する入力インターフェースと、
前記入力インターフェースにより取得する人物の位置情報から前記予測対象エリアの各区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、前記予測対象エリアの各区画における人流データを複数のグループに分類し、グループごとに人流を推定するグループ別モデルを生成し、前記グループ別モデルを入力として注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成するプロセッサと、
を有する人流予測装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記予測対象エリアの各区画における人流データを人物の属性で振り分け、各区画における人物の属性ごとの人流データを複数のグループに分類する、
請求項4に記載の人流予測装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、各区画における人流データを分散値に基づいて複数のグループに分類する、
請求項4に記載の人流予測装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記グループ別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として前記人流推定モデルを生成する、
請求項4乃至6の何れか1項に記載の人流予測装置。
【請求項8】
注目区画を含む複数の区画に分割される予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する入力インターフェースと、
前記入力インターフェースにより取得する人物の位置情報から前記予測対象エリアの各区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、前記予測対象エリアの各区画の人流データに類似する別エリアの人流データを選出し、前記予測対象エリアにおける各区画の人流データと各区画の人流データに類似する前記別エリアの人流データとを学習データとして前記予測対象エリアにおける区画ごとの人流を推定する区画別モデルを生成し、前記区画別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する、プロセッサと、
を有する人流予測装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記予測対象エリアの各区画の人流データと別エリアの人流データとの類似度を算出し、前記予測対象エリアの各区画の人流データとの類似度が基準値以上となる人流データを類似する別エリアの人流データとして選出する、
請求項8に記載の人流予測装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記予測対象エリアの各区画の人流データに類似する前記別エリアの人流データに類似性に応じた重み付けを設定し、前記予測対象エリアにおける各区画の人流データと前記重み付けした前記別エリアの人流データとを前記区画別モデルを生成するための学習データとする、
請求項8に記載の人流予測装置。
【請求項11】
駅の候補を選出
前記予測対象エリアは、予測対象駅を中心とした所定領域であり、前記別エリアは、前記予測対象駅とは別の駅を中心とした所定領域を複数の区画に分割したエリアであり、
前記プロセッサは、前記予測対象駅と類似する別の駅を他駅として選出し、前記予測対象エリアの各区画の人流データに類似する人流データを前記他駅を中心とした所定領域における各区画の人流データから選出する、
請求項8に記載の人流予測装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記予測対象駅と乗降者数が類似する駅を他駅の候補として選出する、
請求項11に記載の人流予測装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記予測対象駅の構造と類似する構造の駅を他駅の候補として選出する、
請求項11に記載の人流予測装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記区画別モデルに重み付けしたデータを入力として前記人流推定モデルを生成する、
請求項8乃至13の何れか1項に記載の人流予測装置。
【請求項15】
コンピュータに、
予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得し、
前記人物の位置情報から前記予測対象エリアの注目区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、
前記予測対象エリアの注目区画における人流データを人物の属性で振り分け、
前記人物の属性ごとに振り分けた人流データを用いて前記注目区画における人流を前記人物の属性ごとに推定する属性別モデルを生成し、
前記属性別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する
処理を実行させる人流予測プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
複数の区画に分割される予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得し、
前記人物の位置情報から前記予測対象エリアの各区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、
前記予測対象エリアの各区画における人流データを複数のグループに分類し、
グループごとに人流を推定するグループ別モデルを生成し、
前記グループ別モデルを入力として注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する、
処理を実行させる人流予測プログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
注目区画を含む複数の区画に分割される予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得し、
前記人物の位置情報から前記予測対象エリアの各区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、
前記予測対象エリアの各区画の人流データに類似する別エリアの人流データを選出し、
前記予測対象エリアにおける各区画の人流データと各区画の人流データに類似する前記別エリアの人流データとを学習データとして前記予測対象エリアにおける区画ごとの人流を推定する区画別モデルを生成し、
前記区画別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する、
処理を実行させる人流予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人流予測装置および人流予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通サービスの諸課題を解決することを目的としたMaaS(Mobility as a Service)と呼ばれるサービスが検討されている。MaaSとは、地域住民や旅行者などの個人ごとの移動ニーズに対応して複数の交通機関などを含む移動サービスを最適に組み合わせた検索あるいは予約などを一括して行うサービスである。このため、MaaSでは、各交通機関や施設などの利用者数や利用者の移動を含む人流の予測を参照することにより人出などを加味した利便性の高いサービスを提供することが求められている。
【0003】
従来、主にスマートフォン(以下、スマホとも称する)や携帯電話機などの携帯端末の位置情報を利用して比較的狭いエリアにおける人流を推定する人流予測システムがある。しかしながら、従来の携帯端末の位置情報を用いた人流予測システムは、複数の鉄道路線が乗り入れる大型駅などの人流に影響を与える要因が複数存在する場所における人流予測の高精度化するのが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-21019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたもので、人流に影響を与える要因が複数存在する場所であっても高精度な人流の予測を実現できる人流予測装置および人流予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、人流予測装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。入力インターフェースは、予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する。プロセッサは、入力インターフェースにより取得する人物の位置情報から予測対象エリアの注目区画における時系列の人流を示す人流データを取得し、予測対象エリアの注目区画における人流データを人物の属性で振り分け、注目区画における人物の属性ごとの人流を推定する属性別モデルを生成し、属性別モデルを入力として前記注目区画の人流を推定する人流推定モデルを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムにおけるハードウエア構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアを複数のメッシュ(区画)に分割した例を示す図である。
図4図4(a)は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアの各メッシュにおける20代以下の人流データの例を示す図である。図4(b)は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアの各メッシュにおける30代の人流データの例を示す図である。図4(c)は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアの各メッシュにおける40代の人流データの例を示す図である。図4(d)は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアの各メッシュにおける50代の人流データの例を示す図である。図4(e)は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが人流を予測する予測対象エリアの各メッシュにおける60代以上の人流データの例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが第1の人流予測モデルを作成する場合の構成例を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムによる第1のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが第2の人流予測モデルを作成する場合の構成例を説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムによる第2のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが第3の人流予測モデルを作成する場合の構成例を説明するための図である。
図10図10は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムによる第3のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが類似メッシュを選定処理において参照する各駅の乗降者数の例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが類似メッシュを選定処理において参照する駅の構造例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが類似メッシュを選定処理において参照する駅の構造例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システムが類似メッシュを選定処理において参照する駅の構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システム11を含む情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
人流予測システム11は、特定箇所しての鉄道の駅を中心とした予測対象エリア(所定領域)における人流を予測するシステムである。人流予測システム(人流予測装置)11は、プロセッサ、メモリ、および、インターフェースなどを有する1又は複数のサーバ装置などの情報処理装置によって構成される。
【0009】
図1に示す構成例において、人流予測システム11は、通信事業者システム12および鉄道事業者システム13に通信接続する。通信事業者システム12および鉄道事業者システム13は、人流予測システム11に対して各駅を中心した所定領域における過去の人流を示す情報、あるいは、乗降者数や駅の構造などの各駅に関する情報などを提供する外部装置である。
【0010】
通信事業者システム12は、個人が所持するスマートフォンおよび携帯電話機などのデバイス(携帯端末)による通信(移動体通信)に関する情報を管理するシステムである。通信事業者システム12は、移動体通信を提供する事業者が個々の携帯端末の運用に関する情報を管理するためのシステムである。本実施形態において、通信事業者システム12は、携帯端末の位置を示す情報を収集し、携帯端末の位置を示す情報に携帯端末に関連する属性情報を付加した端末情報(携帯端末の位置情報)を統計情報として人流予測システム11に提供する。
【0011】
例えば、通信事業者システム12は、個々の携帯端末の位置情報などを時系列の統計情報として収集する。個々の携帯端末の位置情報は、携帯端末ごとに時系列でトレースすることにより個々の携帯端末を所持する人物の移動軌跡を示す情報となる。通信事業者システム12は、個々の携帯端末の位置情報に各携帯端末の所持者(利用者)である個人の属性を示す情報を含む属性情報を付与した情報を人流予測システム11に供給する。ここで、携帯端末の位置情報の属性情報に含まれる所持者(人物)の属性としては、複数のカテゴリに分類できる情報であれば良く、個人を特定する情報を含むものでなくても良い。例えば、携帯端末の位置情報に含まれる人物の属性としては、年齢(年代)や性別などの統計的に処理される情報で良い。
【0012】
本実施形態において、通信事業者システム12は、人物の属性として各個人の年代を示す情報を付与した携帯端末の位置情報を人物の位置情報として人流予測システム11へ供給するものとする。人流予測システム11は、通信事業者システム12に通信接続し、通信事業者システム12から属性情報が付与された各携帯端末の位置情報を過去の時系列における各個人の位置を示す情報(人物の位置情報)として取得する。
【0013】
鉄道事業者システム13は、鉄道の各駅に関する情報を管理するシステムである。鉄道事業者システム13は、鉄道の各駅の利用に関するデータ(鉄道利用データ)や鉄道の各駅に関する情報を管理する。
【0014】
例えば、鉄道事業者システム13は、鉄道の各駅における路線ごとの乗降者数を収集して管理する。本実施形態において、鉄道事業者システム13は、各駅における路線ごとの1日単位の乗降者数を示す情報を人流予測システム11へ提供する。人流予測システム11は、鉄道事業者システム13に通信接続し、鉄道事業者システム13から各駅における路線ごとの1日単位の乗降者数を示す情報を取得する。
【0015】
また、鉄道事業者システム13は、各駅に関する情報として駅の構造や乗り入れ路線などを示す情報を管理する。鉄道事業者システム13は、駅の構造や乗り入れ路線などを示す情報を人流予測システム11へ提供する。人流予測システム11は、鉄道事業者システム13に通信接続し、鉄道事業者システム13から取得する各駅に関する情報に含まれる各駅の人流に影響を与える要因(条件)を示す情報を取得する。
【0016】
また、人流予測システム11は、情報検索装置14に通信接続される。情報検索装置14は、携帯端末などの情報処理装置で構成される。情報検索装置14は、人流予測システム11による人流予測結果を取得する装置である。例えば、情報検索装置14は、人流予測システム11による人流予測結果として駅を中心とした各メッシュにおける混雑度の予想値などの情報を取得する。
【0017】
次に、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システム11のハードウエア構成について説明する。
図2は、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システム11におけるハードウエアの構成例を示すブロック図である。
ここで、図2に示す構成例は、人流予測システム11が1つのコンピュータ(情報処理装置)によって構成されることを想定した場合の構成例である。図2に示す構成例において、人流予測システム11は、プロセッサ21、ワークメモリ22、プログラムメモリ23、記憶部24、外部インターフェース(I/F)25、および、入出力インターフェース(I/F)26などを有する。また、プロセッサ21、ワークメモリ22およびプログラムメモリ23は、制御部20を構成する。
【0018】
プロセッサ21は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ21は、システムバスなどを介して人流予測システム11内の各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0019】
ワークメモリ22は、データを一時的に記憶するメモリである。ワークメモリ22は、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)などのメモリで構成される。
【0020】
プログラムメモリ23は、プログラムおよび制御データなどを記憶するメモリである。プログラムメモリ23は、例えば、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)などのメモリにより構成される。プログラムメモリ23は、後述する各処理をプロセッサ(コンピュータ)に実行させるためのプログラム(人流予測プログラム)を記憶する。
【0021】
制御部20は、プロセッサ21がワークメモリ22を使用しながらプログラムメモリ23又は記憶部24に記憶したプログラムを実行することにより後述する各種の処理を実行するように構成される。
【0022】
記憶部24は、各種のデータを記憶する。記憶部24は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。記憶部24は、制御部20がインターフェースを介してアクセス可能な外部装置としての記憶装置で実現しても良い。記憶部24は、制御データや後述する各種の基準値などを記憶する。また、記憶部24は、後述する各処理をプロセッサ(コンピュータ)に実行させるためのプログラム(人流予測プログラム)を記憶する記憶装置としても良い。
【0023】
外部インターフェース25は、通信事業者システム12および鉄道事業者システム13と通信するためのインターフェースである。外部インターフェース25は、通信事業者システム12および鉄道事業者システム13などの外部装置から人物の位置情報などの情報を取得する入力インターフェースとして機能する。外部インターフェース25は、ネットワークを介して通信事業者システム12および鉄道事業者システム13と通信するためのネットワークインターフェースであっても良い。
【0024】
入出力インターフェース26は、情報検索装置14と通信するためのインターフェースである。例えば、入出力インターフェース26は、インターネットを介してユーザ端末である情報検索装置14と通信する通信インターフェースである。
なお、外部インターフェース25および入出力インターフェース26は、1つの通信インターフェースで実現する構成としても良い。
【0025】
次に、実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システム11による人流予測について説明する。
実施形態に係る人流予測装置としての人流予測システム11は、駅および駅周辺(駅を中心した予測対象エリアを含むエリア)における過去の人流を示す情報として、当該エリアの過去の時系列における人物の位置を示す情報(人物の位置情報)を取得する。例えば、人流予測システム11は、過去の人流を示す情報として、通信事業者システム(例えば、移動体通信事業者)12が提供する時系列での携帯端末(スマホおよび携帯電話機)の位置を示す携帯端末の位置情報を取得する。
【0026】
また、人流予測システム11は、駅および駅付近(駅を中心した予測対象エリアを含むエリア)における無線通信サービスの利用履歴情報に含まれる携帯端末の位置を示す情報を過去の人流データとして取得するようにしても良い。また、人流予測システム11は、鉄道事業者システム13が提供する各駅での乗降者数などの鉄道利用者情報を取得する。
【0027】
本実施形態において、人流予測システム11が取得する過去の人の位置を示す情報(人物の位置情報)は、人物が所持する携帯端末の時系列の位置情報と属性情報(携帯端末の所持者の属性を示す情報を含む)とを含むものとする。つまり、携帯端末の位置情報は、スマホなどの携帯端末を所持する個人(所持者)の位置を示す情報とする。また、属性情報は、携帯端末の所持者に関する情報を含む。属性情報は、位置情報をカテゴリに分類するための情報を含む。例えば、属性情報は、携帯端末の所持者の年齢(年代)、性別、住所、身分などの人物の属性を示す情報が含まれる。
【0028】
人流予測システム11は、取得した人物の位置情報に基づいて駅および駅周辺における人流を予測するためのモデルを生成する。本実施形態において、人流予測システム11は、人流を予測する範囲とする駅(特定箇所)を中心した予測対象エリア(所定領域)を複数のメッシュ(区画)に分割し、メッシュ間における人物の移動又は滞留などを学習することにより注目するメッシュにおける混雑度などの人流を予測するためのモデルを構築する。
【0029】
図3は、特定箇所としての駅を中心とした人流の予測の対象とする予測対象エリアの例を示す図である。
実施形態に係る人流予測システム11は、ある駅の人流を予測する場合、当該駅および沿線の各駅を中心した予測対象エリアを所定範囲ごとに区分けする複数の区画(メッシュ)を設定する。図3に示す例では、駅の中心に近い区域のメッシュ(4x4=16メッシュ)と駅から少し離れた街区までを含めた区域のメッシュ(8x8=64メッシュ)とを設定する。これらのメッシュが人流の予測する単位となる区画である。
【0030】
人流予測システム11は、メッシュを設定した所定領域(駅を中心した予測対象エリア)における過去の時系列の人流データ(移動および滞留)を学習することにより特定のメッシュ(注目メッシュ)における人流を予測(推定)する人流推定モデルを生成する。例えば、人流予測システム11は、過去の時系列の人流データとして、予測対象エリアを含むエリアにおける携帯端末の位置情報を取得する。
【0031】
人流予測システム11は、携帯端末の位置情報が示す位置を携帯端末の所持者である人物の位置として時系列での人物の位置情報を取得する。人流予測システム11は、各メッシュで人物の位置情報を集計することにより各メッシュにおける時系列の人物の位置情報を取得する。さらに、人流予測システム11は、携帯端末の位置情報に付加される属性情報から携帯端末の所持者の年代(人物の属性)を特定することにより、各メッシュにおける年代別の人流データを取得する。
【0032】
図4(a)~(e)は、人流予測システム11による人流予測の対象とする駅を中心した所定領域の各メッシュにおける人流(混雑度)を人物の属性ごとに振り分けた人流データの例を示す図である。
図4(a)~(e)は、図3に示すように予測対象エリアに64(8×8)個のメッシュを設定し、各メッシュにおける人流データを年代別に振り分けた人流データの例を示す図である。
【0033】
図4(a)は、各メッシュ(64個のメッシュ)における20代以下の人物の移動および滞留を時系列で示す人流データ(20代以下の人流データ)の例を示す図である。図4(b)は、各メッシュにおける30代の人物の移動および滞留を時系列で示す人流データ(30代の人流データ)の例を示す図である。図4(c)は、各メッシュにおける40代の人物の移動および滞留を時系列で示す人流データ(40代の人流データ)の例を示す図である。図4(d)は、各メッシュにおける50代の人物の移動および滞留を時系列で示す人流データ(50代の人流データ)の例を示す図である。図4(e)は、各メッシュにおける60代以上の人物の移動および滞留を時系列で示す人流データ(60代以上の人流データ)の例を示す図である。
【0034】
図4(a)~(e)に示すように、人流データは、人物の属性の一例である年代ごとに傾向(特徴)が異なる。例えば、60代以上の人流データは、他の年代の人流データとは大きく異なる。また、20代以下の人流データについても、他の年代の人流データとは大きく異なる。このような年代別の人流データの相違は、各年代の人物の行動パターンが異なることに起因するものと考えられる。このため、人流予測システム11は、年代別に人流データを学習することにより高精度な人流予測を実現できるモデルを構築するものである。
【0035】
また、図4(a)~(e)に示す人流データは、メッシュごとに時系列の人流の増減幅が異なる。人流の増減幅は、例えば、駅中心などの人が集まる場所あるいは多くの人が移動する場所では大きくなり、人の移動が少ない場所では小さくなる。一般に、人流の増減幅の大きさは、メッシュ(場所)ごとに異なり、年代ごとにも異なる。このため、人流予測システム11は、各メッシュ間で人流の分散値に基づき、各メッシュを複数段階のグレード(複数のグループ)に分類することができる。
【0036】
例えば、図4(a)~(e)では、年代別の人流データを3つのグループ(g1、g2、g3)に分類した例を示す。グループg1は、分散が大きい人流データであり、人流の増減が大きい。グループg3は、分散が小さい人流データであり、人流の増減が小さい。また、グループg2は、分散の大きさがグループg1とグループg3との間となる人流データであり、人流の増減がグループg1よりも小さくグループg3よりも大きい。人流予測システム11は、グループごとの人流データを学習することにより高精度な人流予測を実現できるモデルを構築することができる。
【0037】
次に、本実施形態において、人流予測システム11が人流を予想するためのモデルとして、3種類の人流推定モデルを作成する例について説明する。
第1の人流推定モデルは、行動パターンが異なると考えられる人物の属性として年代別に人流を推定することにより人流の推定を高精度するモデルの例である。人流予測システム11は、第1の人流推定モデルとして、人流の予測対象とする駅の注目メッシュに対して年代別の推定モデル(年代別モデル)を生成し、年代別モデルの出力を入力として注目メッシュの人流(混雑度)を推定する推定モデルを構築する。
【0038】
第2の人流推定モデルは、時間帯や場所などの属性情報で人流を分類することにより、ノイズが少ない人流の推定を実現するモデルの構成例である。人流予測システム11は、第2の人流推定モデルとして、人流の予測対象とする駅の各メッシュを人流データの分散値によって複数のグループに分類してグループごとの推定モデル(グループ別モデル)を生成し、グループ別モデルを入力として注目メッシュの人流を推定する推定モデルを構築する。
【0039】
第3の人流推定モデルは、予測対象とする駅の各メッシュの人流データだけでなく、類似するメッシュの人流データを学習データに取り込むことにより、学習量を増やして人流の推定を高精度化するモデルの例である。この場合、人流予測システム11は、人流の予測対象とする駅の各メッシュの人流データに対して、人流の時系列の増減パターンが類似する人流データを沿線の他駅における各メッシュの人流データから選定する。
【0040】
人流予測システム11は、予測対象とする駅の各メッシュの人流データと、それらの人流データに人流の増減パターンが類似する他駅のメッシュ(類似メッシュとも称する)の人流データと、を学習データとして使用してメッシュごとの人流を推定するモデル(メッシュ別モデル)を生成する。人流予測システム11は、予測対象駅の各メッシュの人流データと類似メッシュの人流データとを用いて生成したメッシュ別モデルの出力するデータを入力として予測対象駅の注目メッシュの人流(混雑度)を推定するモデル(第3の人流推定モデル)を構築する。
【0041】
また、人流予測システム11は、別の駅の人流データを学習データとして加える場合に人流予測を行う駅のメッシュにおける時系列の増減パターンとの類似度の大きさに応じて重み付けするようにしても良い。
【0042】
まず、実施形態に係る人流予測システム11が生成する第1の人流推定モデルについて説明する。
図5は、年代別に人流を推定するモデルを用いて注目メッシュの人流を推定する第1の人流推定モデルを生成する場合の人流予測システム11の構成例を示す図である。
人流予測システム11は、通信事業者システム12などから予測対象とする駅を中心した所定領域の注目メッシュにおける過去の1日単位の人流データを取得する。過去の人流データは、人物の行動パターンなどによって振り分けるための個々の人物の属性を示す属性情報が付与される。
【0043】
本実施形態では、人流予測システム11が取得した人流データの属性情報に含まれる個々の人物の年代に基づいて注目メッシュにおける過去の1日単位の人流データを年代別に振り分ける例について説明する。図5に示す例では、人流予測システム11は、「20代以下」、「30代」、「40代」、「50代」、「60代以上」の各年代に人流データを振り分ける。これにより、人流予測システム11は、注目メッシュについて図4(a)~(e)に示すような年代別の人流データを生成する。
【0044】
人流予測システム11は、年代別の人流データを取得すると、各年代の人流データを学習データとして年代別に人流を推定するモデル(年代別モデル)を構築する。図5に示す例では、「20代以下」、「30代」、「40代」、「50代」、「60代以上」の人流データを得られるため、人流予測システム11は、20代以下の人流を推定する「20代以下モデル」、30代の人流を推定する「30代モデル」、40代の人流を推定する「40代モデル」、50代の人流を推定する「50代モデル」、60代以上の人流を推定する「60代以上モデル」をそれぞれ生成する。
【0045】
人流予測システム11は、年代別モデルを生成すると、年代別モデルに対する重みを決定する。年代別モデルに対する重みは、年代別モデルを1つの人流推定モデルに統合するために各年代別モデルに対して設定される。例えば、年代別モデルに対する重み(W1、W2、…、w5)は、各年代の構成比率に応じて設定される。また、年代別モデルに対する重みは、年代ごとの行動パターンなどに応じて設定しても良い。人流予測システム11は、年代別モデルに対する重みを決定すると、年代別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として注目メッシュにおける混雑度(人流)を推定する人流推定サブモデルを構築する。
【0046】
次に、実施形態に係る人流予測システム11が第1の人流推定モデルを生成する処理(第1のモデル生成処理)の流れについて説明する。
図6は、実施形態に係る人流予測システム11による第1のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
人流予測システム11の制御部20は、人流の予測対象とする駅(特定箇所)を中心した予測対象エリアを所定の範囲で区分けすることにより、人流予測対象とする駅の予測対象エリアを複数のメッシュ(区画)に分割する。制御部20は、第1の人流推定モデルを生成する場合、予測領域エリアにおける複数のメッシュから人流を予測(推定)する対象とする1つのメッシュ(注目メッシュ)を設定する。
【0047】
また、人流予測システム11の制御部20は、外部インターフェース25により通信事業者システム12などの外部装置から予測対象駅を中心した複数のメッシュに区分けされる予測対象エリアにおける過去の人物の位置を示す情報(人物の位置情報)を取得する(ST11)。制御部20は、外部装置から取得する携帯端末の位置情報を携帯端末の所持者である人物の位置情報として取り扱う。また、携帯端末の位置情報は、所持者の属性を示す情報を含む属性情報が付与されているものとする。ここでは、所持者(人物)の属性として、携帯端末の所持者(人物)の年代を示す情報が付与されるものとする。
【0048】
制御部20は、予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得すると、取得した人物の位置情報から予測対象エリア内の注目メッシュにおける混雑度(人流)を示す人流データを生成(取得)する(ST12)。例えば、制御部20は、予測対象エリアにおける人物の位置情報から注目メッシュ内にいる人物の位置情報を抽出し、注目メッシュおける時系列での人流を示す人流データを生成する。
【0049】
制御部20は、注目メッシュの人流データを取得すると、注目メッシュの人流データを人物の年代別によって振り分ける(ST13)。制御部20は、注目メッシュ内の人物の位置情報に付与されていた人物の属性としての人物の年代に基づいて年代別に振り分けた人流データを生成(取得)する。
【0050】
制御部20は、年代別の人流データを取得すると、各年代の人流データを学習データとして年代別の混雑度(人流)を推定するためのモデル(年代別モデル)を生成(構築)する(ST14)。
【0051】
制御部20は、年代別モデルを生成すると、年代別モデルに対する重みを設定する(ST15)。例えば、年代別モデルに対する重み(W1、W2、…、w5)は、予め記憶部24に記憶しておくようにしても良いし、外部装置から取得するデータに基づいて設定するようにしても良い。
【0052】
制御部20は、年代別モデルに対する重みを設定すると、年代別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として注目メッシュにおける人流(混雑度)を推定する人流推定サブモデルとしての第1の人流推定モデルを生成(構築)する(ST16)。
【0053】
上記のような第1の人流推定モデルによれば、行動パターンが異なることが想定される人物の属性である年代別に学習したモデルを用いて注目メッシュにおける人流を予測する第1の人流予測モデルを構築できる。この結果として、第1の人流予測モデルは、年代などの人物の属性に応じた行動パターンを確実に反映でき、人流予測の高精度化が実現できる。
【0054】
次に、実施形態に係る人流予測システム11が生成する第2の人流推定モデルについて説明する。
図7は、複数グループに分類した人流データによるグループ別モデルを用いて注目メッシュの人流を推定する第2の人流推定モデルを生成する場合の人流予測システム11の構成例を説明するための図である。
【0055】
人流予測システム11は、通信事業者システム12などから予測対象とする駅を中心した予測対象エリアについて、過去の時系列における人物の位置情報を取得する。人流予測システム11は、取得した予測対象エリアの人物の位置情報から当該予測対象エリアの各メッシュにおける人流データを取得する。さらに、人流予測システム11は、予測対象エリアの各メッシュにおける人流データを年代別に振り分ける。これにより、人流予測システム11は、図4(a)~(e)に示すような各メッシュにおける年代別の人流データを生成する。
【0056】
人流予測システム11は、各メッシュにおける人流データを取得すると、各メッシュの人流データを複数のグループに分類する。例えば、人流予測システム11は、各メッシュの人流データを人流の増減幅を示す分散値に基づいて複数のグレード(グループ)に分類する。図7に示す例において、人流予測システム11は、各メッシュの人流データを分散値に基づいて3段階のグレード(3つのグループ)に分類する。例えば、人流予測システム11は、図4(a)~(e)に示す人流データを、分散値が大きい順に、第1グループg1、第2グループg2、および、第3グループg3の何れかに分類する。
【0057】
人流予測システム11は、人流データを複数グループに分類すると、各グループの人流データを学習データとしてグループ別に人流を推定するモデル(グループ別モデル)を生成(構築)する。図7に示す例において、人流予測システム11は、増減幅が大きい第1グループg1の人流データによる第1グループモデル、増減幅が中程度の第2グループg2の人流データによる第2グループモデル、増減幅が小さい第3グループg3の人流データによる第3グループモデルをそれぞれ生成する。
【0058】
人流予測システム11は、グループ別モデルを生成すると、グループ別モデルの出力に重みづけしたデータを入力として注目メッシュの人流を推定する人流推定モデル(第2の人流推定モデル)を構築する。グループ別モデルに対する重み(W1、W2、w3)としては、例えば、各グループの構成比率に応じて設定しても良いし、各グループと注目メッシュとの相関関係などに応じて設定しても良い。
【0059】
次に、実施形態に係る人流予測システム11が第2の人流推定モデルを生成する処理(第2のモデル生成処理)の流れについて説明する。
図8は、実施形態に係る人流予測システム11による第2のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
人流予測システム11の制御部20は、駅を中心した予測対象エリアにおける複数のメッシュから人流を予測(推定)する対象とする注目メッシュを設定する。人流予測システム11の制御部20は、注目メッシュを設定すると、外部インターフェース25により通信事業者システム12などの外部装置から予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する(ST21)。外部装置から取得する人物の位置情報は、上述したように、携帯端末の所持者(人物)の位置を示し、所持者の属性(年代)を示す情報などを含む属性情報が付与されるものとする。
【0060】
制御部20は、予測対象エリアの人物の位置情報を取得すると、取得した人物の位置情報から予測対象エリア内の各メッシュについて混雑度(人流)を示す人流データを生成(取得)する(ST22)。さらに、制御部20は、各メッシュの人流データを人物の年代別に振り分けるようにしても良い。
【0061】
制御部20は、各メッシュの人流データを生成すると、各メッシュにおける人流データを複数のグループに分類する(ST23)。例えば、制御部20は、各メッシュにおける年代別の人流データについて人流の増減の大きさ(増減幅)を示す分散値を算出する。制御部20は、各メッシュにおける人流データを分散値に応じて複数のグループに分類する。例えば、制御部20は、予め設定する分散値に対する閾値に応じて人流データを複数のグループに分類する。人流データを人流の増減幅に応じて3つのグループに分類する場合、制御部20は、分散値が第1閾値以上の人流データを第1グループ。分散値が第1閾値よりも小さい第2閾値未満の人流データを第3グループ、分散値が第1閾値未満かつ第2閾値以上の人流データを第2グループに分類する。
【0062】
制御部20は、各メッシュの人流データをグループ別に分類すると、グループごとの人流データを学習データとしてグループ別の混雑度(人流)を推定するためのモデル(グループ別モデル)を生成(構築)する(ST24)。
【0063】
人流予測システム11の制御部20は、グループ別モデルを生成すると、グループ別モデルに対する重み付けを設定する(ST25)。グループ別モデルに対する重みは、予め記憶部24に記憶しておくようにしても良いし、外部装置から取得するデータに基づいて特定するようにしても良い。
【0064】
制御部20は、グループ別モデルに対する重みを設定すると、グループ別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として注目メッシュにおける人流(混雑度)を推定する人流推定モデルとしての第2の人流推定モデルを生成(構築)する(ST26)。
【0065】
上記のような第2の人流推定モデルによれば、各メッシュの人流データを人流の増減幅などで分類したグループごとに学習したグループ別モデルを用いて注目メッシュにおける人流を予測する人流予測モデル(第2の人流予測モデル)を構築することができる。すなわち、第2の人流予測モデルは、分散値として算出される人流の増減の大きさに応じて分類される人流データで生成されるグループ別モデルによって増減幅に応じた高精度な人流予測を実現でき、その結果として注目メッシュの人流予測を高精度化できる。
【0066】
次に、実施形態に係る人流予測システム11が生成する第3の人流推定モデルについて説明する。
図9は、他の予測領域におけるメッシュの人流データを用いて注目メッシュの人流を推定する第3の人流推定モデルを生成する構成例を説明するための図である。
人流予測システム11は、通信事業者システム12などから予測対象とする駅(予測対象駅)を中心した予測対象エリアについて、過去の時系列における人物の位置情報を取得する。人流予測システム11は、取得した予測対象エリアの人物の位置情報から当該予測対象エリアの各メッシュにおける人流データを取得する。さらに、人流予測システム11は、予測対象エリアの各メッシュにおける人流データを年代別に振り分けることにより各メッシュにおける年代別の人流データを生成する。
【0067】
また、人流予測システム11は、予測対象駅の各メッシュの人流データを生成すると、予測対象駅の各メッシュの人流データに類似する他駅の所定領域(予測対象エリア)のメッシュ(類似メッシュ)の人流データを選定する。人流予測システム11は、予測対象駅の各メッシュの人流データに対する類似メッシュの人流データを選定すると、対象駅のメッシュの人流データと類似メッシュの人流データとの類似度を算出し、類似度に応じて類似メッシュの人流データに重み付けを行う。
【0068】
人流予測システム11は、予測対象駅の各メッシュについて、各メッシュの人流データと重み付けした類似メッシュの人流データとを学習データとして予測対象駅の各メッシュの人流を予測するメッシュ別モデルを生成(構築)する。図9に示す例において、メッシュ数がn個であるとすると、人流予測システム11は、n個の各メッシュについてメッシュ別モデルを生成する。
【0069】
人流予測システム11は、メッシュ別モデルを生成すると、メッシュ別モデルの出力に重みづけしたデータを入力として注目メッシュの人流を推定する人流推定モデル(第3の人流推定モデル)を構築する。ここで、メッシュ別モデルに対する重み(W1、W2、…、wn)としては、例えば、類似するメッシュの数が多ければ多いほど高くなるように類似メッシュの数に応じて設定しても良い。
【0070】
次に、実施形態に係る人流予測システム11が第3の人流推定モデルを生成する処理(第3のモデル生成処理)の流れについて説明する。
図10は、実施形態に係る人流予測システム11による第3のモデル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
人流予測システム11の制御部20は、予測対象駅を中心した予測対象エリアにおける複数のメッシュから人流を予測(推定)する対象とする注目メッシュを設定する。人流予測システム11は、注目メッシュを設定すると、外部インターフェース25により通信事業者システム12などの外部装置から予測対象エリアにおける人物の位置情報を取得する(ST31)。
【0071】
制御部20は、予測対象エリアの人物の位置情報を取得すると、取得した人物の位置情報から予測対象エリア内の各メッシュにおける人流を示す人流データを生成(取得)する(ST32)。ここで、制御部20は、各メッシュの人流データを人物の年代別に振り分け、各メッシュの年代別の人流データを生成するようにしても良い。
【0072】
制御部20は、各メッシュの人流データを生成すると、各メッシュにおける人流データに類似する他駅のメッシュの人流データを選定する処理(類似メッシュの選定処理)を行う(ST33-37)。予測対象駅の人流を高精度に予測するには、大量の学習データが必要となる。大量の学習データは、予測対象駅の過去の人流データだけでは十分な量を確保できないことがある。このため、第3のモデル生成処理では、予測対象駅の各メッシュの人流データに加えて、時系列の増減パターンが類似する沿線の異なる駅(他駅)の類似メッシュの人流データを学習データに用いることでメッシュごとの学習に必要なデータ量を確保する。
【0073】
類似メッシュの選定処理として、制御部20は、予測対象駅の各メッシュに対する類似メッシュの選出対象とする他駅の候補を選出する(ST33)。例えば、制御部20は、予測対象駅の沿線にある主要駅(大型駅)から類似メッシュを選出する対象とする他駅の候補を選出する。
【0074】
類似メッシュを選定するための他駅の候補は、近隣にある各駅の乗降者数に基づいて選定しても良い。各駅における乗降者数については、鉄道会社が公開するデータを参照することができる。例えば、鉄道事業者システム13は、各駅の乗降者数を月または年単位でまとめて管理する。また、鉄道事業者システム13は、各駅に乗り入れている路線を示す情報も管理する。この場合、鉄道事業者システム13は、各駅における路線ごとの乗降者数を人流予測システム11に提供することができる。人流予測システム11は、鉄道事業者システム13などから取得する各駅における路線ごとの乗降者数に基づいて、各駅および駅周辺の利用者の規模を推定することができる。
【0075】
図11は、人流予測システム11が取得する各駅における路線ごとの乗降者数の例を示す図である。
各駅の人流データは、概ね、平日と休日では駅の乗降者の利用時間および人数の増減パターンが大きく変わっており、輸送力に応じて利用者のピーク人数および平均値が上下する。ただし、平日又は休日に限定すると、各駅の各メッシュにおける人流の増減パターンは大きな変化がないため、図11に示すような過去の乗降者数に基づいて特定の駅と類似する駅を選出できる。
【0076】
一般に、予測対象駅と接続され、かつ、乗降者数の規模が類似しているという条件に合致する駅の人流データは、予測対象駅の人流データと類似する傾向がある。従って、人流予測システム11は、図11に示すような各駅の乗降者数に基づいて予測対象駅と人流データが類似すると予想される他駅の候補を選出するようにしても良い。
【0077】
また、予測対象駅と人流データが類似する他駅の候補は、駅の構造あるいは複数路線の乗り入れ状況などの類似性に基づいて選定するようにしても良い。駅の構造あるいは複数路線の乗り入れ状況などの駅の特徴に関する情報は、複数の駅の各メッシュ間における人流データの類似性(時系列の増減パターンの類似性)に影響を及ぼす条件として挙げられる。
【0078】
図12図13および図14は、駅の構造例を示す図である。
図12に示す駅は、Z社のa1線とa2線とa3線とが乗り入れている。図12に示す駅において、Z社のa1線のホーム(Z-a11)とZ社のa2線のホーム(Z-a21)とZ社のa3線のホーム(Z-a31)とは、隣接し、かつ、ホーム向き(ホームに停車する列車の進行方向)が平行となるような位置関係で設けられている。従って、図12に示す駅は、a1線、a2線およびa3線間の乗り換えが容易な構造となっている。
【0079】
図13に示す駅は、Z社のa1線とa2線とa4線、Y社のb1線とb2線、X社のc1線、および、W社のd1線が乗り入れている。図13に示す駅において、Z社のa1線のホーム(Z-a12、a13)、Z社のa2線のホーム(Z-a22)、Z社のa4線のホーム(Z-a41)、Y社のb1線のホーム(Y-b11)およびY社のb2線のホーム(Y-b21)は、隣接し、かつ、ホームの向きが平行になるように設けられている。従って、図13に示す駅は、a1線、a2線、a4線、b1線およびb2線間の乗り換えが容易な構造となっている。
【0080】
また、図13に示す駅において、X社のc1線のホーム(Z-c11、c12、c13、c14)は、Z社の各線のホームと離れた位置に設けられる。従って、図13に示す駅は、c1線とZ社の各線との乗り換えに時間がかかる構造となっている。また、図13に示す駅において、W社のd1線のホーム(W-d11)は、X社のc1線のホームと近く、Z社の各線のホームとは離れた位置に設けられている。従って、図13に示す駅は、d1線とc1線との乗り換えが容易で、d1線とZ社の各線との乗り換えに時間がかかる構造となっている。さらに、図13に示す駅では、d1線のホームの向きがX社の各線およびZ社の各線のホームとは垂直になるような位置関係で設けられる。このため、図13に示す駅において、d1線とc1線又はZ社の各線との乗り換えを行う利用者のほとんどがd1駅の一方にある改札口を通行する構造となっている。
【0081】
図14に示す駅は、Z社のa3線とa4線、および、V社のe1線が乗り入れている。図14に示す駅において、Z社のa3線のホーム(Z-a32、Z-a33)とZ社のa4線のホーム(Z-a42)とは、離れた位置に設けられ、ホームの向きが直交する関係となる。従って、図14に示す駅では、a3線とa4線との乗り換えに時間がかかり、a3線とa4線との乗り換えを行う多くの利用者がa3線のホームとa4線のホームとを結ぶ1つの通路を通行する構造となっている。
【0082】
また、図14に示す駅において、Z社のa3線のホーム(Z-a32、Z-a33)とV社のe1線のホーム(V-e11、V-e12)とは、近い位置にあり、かつ、ホームの向きが互いに直交するような向きとなっている。従って、a3線とe1線との乗り換えが容易な構造となっている。さらに、図14に示す駅において、Z社のa4線のホーム(Z-a42)とV社のe1線のホーム(V-e11、V-e12)とは、遠い位置にあり、駅構内ではa4線のホームとV社のe1線のホームとの間にa3線のホームがある構造となっている。このため、図14に示す駅では、a4線とe1線との乗り換えに時間がかかり、a4線とc1線との乗り換えを行う利用者がa3線のホームを通過するか、又は、駅構外を通行することが予想される構造となっている。
【0083】
図12図13および図14に示すような駅の構造は、各駅における人流に大きな影響を与える要因となり、駅の構造が類似する駅同士では、駅および駅周辺の人流の増減パターンが類似することが多いと考えられる。従って、人流予測システム11は、図12乃至14に示すような各駅の構造を示す情報に基づいて予測対象駅と人流データが類似すると予想される他駅の候補を選出するようにしても良い。
【0084】
人流予測システム11の制御部20は、類似メッシュの選出対象とする他駅の候補を選出すると、選出した他駅を中心した予測対象エリア(所定領域)における人物の位置情報を取得する(ST34)。制御部20は、予測対象エリアの人物の位置情報を取得すると、取得した人物の位置情報から予測対象エリア内の各メッシュにおける人流データを生成(取得)する(ST35)。ここで、制御部20は、各メッシュの人流データを人物の年代別に振り分け、各メッシュの年代別の人流データを生成するようにしても良い。
【0085】
ただし、制御部20は、類似メッシュの選出対象とする他駅の候補を複数選出しても良い。類似メッシュの選出対象とする他駅の候補を複数選出した場合、制御部20は、それぞれの他駅について各メッシュの人流データを生成するものとする。
【0086】
制御部20は、他駅の各メッシュにおける人流データを生成すると、予測対象駅の各メッシュの人流データと他駅の各メッシュの人流データとの類似度を算出する(ST36)。制御部20は、予測対象駅の各メッシュの人流データと他駅の各メッシュの人流データとの類似度として、時系列の増減パターンの類似性を示す値を算出する。
【0087】
例えば、制御部20は、ユークリッド距離、あるいは、DTW(Dynamic Time Warping)に基づいて、予測対象駅の各メッシュの人流データと他駅の各メッシュの人流データとの間の類似度を算出する。ユークリッド距離、あるいは、DTW(Dynamic Time Warping)は、2つのパターンの類似性を示す値を算出される。制御部20は、予測対象駅の各メッシュの人流データと他駅の各メッシュの人流データとに対して1日単位などの所定の長さを設定した条件で、ユークリッド距離、あるいは、DTW(Dynamic Time Warping)を用いて両者の変動パターンの近さを類似度として算出する。
【0088】
制御部20は、予測対象駅の各メッシュの人流データと他駅の各メッシュの人流データとの類似度を算出すると、算出した類似度に基づいて予測対象駅の各メッシュに対する他駅の類似メッシュを選定する(ST37)。例えば、制御部20は、所定の閾値以上の類似度となる他駅の人流データを類似メッシュの人流データとして選定する。ここで、予測対象駅の各メッシュに対する類似メッシュの人流データは、複数選出しても良い。すなわち、人流予測システム11は、予測対象駅のあるメッシュに対して所定の類似度以上となる類似メッシュの人流データが多数あればあるほど、当該メッシュの人流を予測するモデルを作成するための学習データを多くすることができる。
【0089】
制御部20は、予測対象駅の各メッシュに対応する他駅の類似メッシュを選出すると、選出した他駅の類似メッシュの人流データに対する重み付けを設定する(ST38)。類似メッシュの人流データに対する重みは、予測対象駅のメッシュに対する類似度に応じて設定するようにして良い。例えば、類似度が低い類似メッシュの人流データには、重みを低く設定し、類似度が高い類似メッシュの人流データには重みを高く設定する。
【0090】
制御部20は、予測対象駅の各メッシュについて、各メッシュの人流データと類似度に応じて重み付けした類似メッシュの人流データとを学習データとしてメッシュ別の人流(混雑度)を推定するためのモデル(メッシュ別モデル)を生成(構築)する(ST39)。
【0091】
人流予測システム11の制御部20は、メッシュ別モデルを生成すると、メッシュ別モデルに対する重み付けを設定する(ST40)。メッシュ別モデルに対する重みは、予め記憶部24に記憶した基準値に応じて設定するようにしても良い。例えば、記憶部24には、各メッシュに対して選出した類似メッシュの数に応じた重みを記憶しておくようにしても良い。類似メッシュの数はモデルを作成するための学習データの量に対応するため、類似メッシュ数が多ければ多いほど、重みが高くなるような値を設定しても良い。
【0092】
制御部20は、メッシュ別モデルに対する重みを設定すると、メッシュ別モデルの出力に重み付けしたデータを入力として注目メッシュにおける人流を推定する人流推定モデルとしての第3の人流推定モデルを生成(構築)する(ST41)。
【0093】
次に、第3の人流予測モデルを作成する場合において予測対象駅の人流データに類似する他駅の人流データを活用する例について説明する。
予測対象駅の人流データに時系列の増減パターンが類似する沿線の主要駅(他駅)の人流データは、時間的な相関関係を考慮して活用するようにしても良い。例えば、駅の中央付近(改札口、列車に対する乗降場所)のメッシュにおける人流データは、当該駅における乗降者数などの数値データに近いことがわかっている。一方、これらの乗降者は、近隣の駅からの移動する人物である可能性が高い。従って、予測対象駅と近隣駅との人流データ間には、時間的な相関が強いと考えられる。
【0094】
予測対象駅の中央付近にあるメッシュの人流データと他駅の中央付近にあるメッシュの人流データとの類似度が所定の基準値よりも類似している場合、他駅の類似度が高い人流データは、予測対象駅の中央付近にあるメッシュの人流データを拡充するデータ(学習データ)として取り扱うことができる。また、予測対象駅の人流データに他駅の人流データを学習データとして加える場合、他駅から予測対象駅までの所要時間、および、他駅での乗降者数の規模などに応じて他駅の人流データに対して重み付けを設定する。
【0095】
また、他駅の類似度が高いメッシュの人流データは、予測対象駅までの移動時間に基づく時間遅れを設定することで、予測対象駅の中央付近にあるメッシュの人流データの補足データとして活用するようにしても良い。他駅の人流データを移動時間分が遅れた補足データとして活用する場合、他駅の人流データに対して他駅から予測対象駅までの移動時間を考慮した時定数によって補足データを生成しても良い。さらに、他駅の人流データを移動時間分が遅れた補足データを活用する場合、他駅の人流データに時間遅れを設定(補正)した人流データは、乗降者数の規模などに応じて重み付けして予測対象駅の人流を予測するモデルを作成するための学習データとして用いても良い。
【0096】
これらのように、予測対象駅と他駅との相関に応じて他駅の人流データを活用することにより予測対象駅の人流を予測するための人流予測モデルを高精度化することができ、予測対象駅における人流予測の精度を向上させることができる。
【0097】
上記のような第3のモデル生成処理によれば、人流予測システムは、各メッシュについて人流データの変動パターンが類似する類似メッシュを選定し、各メッシュの人流データに加えて類似メッシュの人流データを学習データとしてメッシュ別モデルを生成し、各メッシュ別モデルを用いて注目メッシュにおける人流を予測する人流予測モデル(第3の人流予測モデル)を構築することができる。
【0098】
すなわち、人流予測システムは、予測対象駅の人流データだけでなく類似するメッシュの人流データを学習データとすることより、学習量を増やして高精度な人流予測を実現できる第3の人流予測モデルを提供できる。この結果、実施形態に係る人流予測システムによれば、人流のボリュームに影響を与える要因が複数存在する複数の路線が乗り入れる大型駅などであっても、当該駅を中心した所定領域における人流の予測を高精度化できる。
【0099】
なお、上述した実施形態においては、第1の人流予測モデルを生成する第1のモデル生成処理と第2の人流予測モデルを生成する第2のモデル生成処理と第3の人流予測モデルを生成する第3のモデル生成処理とをそれぞれ説明したが、これら第1、第2および第3のモデル生成処理は、適宜組み合わせて実施しても良い。すなわち、人流予測システムは、第1、第2および第3の人流推定モデルを組み合わせた人流推定モデルを生成するようにしても良い。
【0100】
また、上記した各処理はいくつかのソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムを遠隔操作装置にインストールして実行することで、上記処理を容易に実現することができる。例えば、遠隔操作装置は、プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。また、遠隔操作装置は、上記プログラムを各種の情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
11…人流予測システム(人流予測装置)、12…通信事業者システム、13…鉄道事業者システム、14…情報検索装置、20…制御部、21…プロセッサ、22…ワークメモリ、23…プログラムメモリ、24…記憶部、25…外部インターフェース(入力インターフェース)、26…入出力インターフェース。
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