(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079143
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】コネクタ組立体および接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 12/63 20110101AFI20240604BHJP
【FI】
H01R12/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191896
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AB01
5E223AB45
5E223BA58
5E223BB12
5E223CD02
5E223DA05
5E223DB02
5E223EA02
(57)【要約】
【課題】シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を信頼性よく電気的に接続しながらも小型化を図ることができるコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】被覆電線31の導体部31Aは、シート状導電部材21の電線挿入孔を貫通してシート状導電部材の被保持部22Aと折り返し線に沿って被保持部の上に折り返された第2シート部23との間に配置され、被保持部の表面にフレキシブル導体21Bが露出し、被保持部および第2シート部が互いに重なって第1インシュレータ12の第1保持面12Bおよび第2インシュレータ13の第2保持面13Bの間に挟まれるように第1インシュレータおよび第2インシュレータが互いに固定されることによりフレキシブル導体が被覆電線の導体部に接触し且つ電気的に接続される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に露出するフレキシブル導体を有するシート状導電部材と、
導体部を有する電線と、
前記フレキシブル導体に前記導体部を接続するコネクタと
を備え、
前記コネクタは、第1保持面を有する第1インシュレータと、前記第1保持面に対向する第2保持面を有する第2インシュレータを含み、
前記シート状導電部材は、前記第1保持面に対向して配置された被保持部を有する第1シート部と、折り返し線を介して前記被保持部に連結され且つ前記折り返し線に沿って前記被保持部の上に折り返された状態で前記第2保持面に対向して配置されている第2シート部と、前記被保持部および前記第2シート部の少なくとも一方に形成され且つ前記シート状導電部材を貫通する少なくとも1つの電線挿入孔を有し、
少なくとも前記被保持部の表面に前記フレキシブル導体が露出し、
前記電線の前記導体部は、前記電線挿入孔を貫通し且つ前記被保持部と前記第2シート部との間に配置され、
前記被保持部および前記第2シート部が互いに重なって前記第1保持面および前記第2保持面の間に挟まれるように前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータが互いに固定されることにより前記フレキシブル導体が前記電線の前記導体部に接触し且つ電気的に接続されるコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1シート部は、前記被保持部から所定の方向に沿って前記コネクタの外部へ延びる延伸部を有し、
前記フレキシブル導体は、前記被保持部から前記延伸部に連続して配置されている請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記シート状導電部材は、それぞれ前記シート状導電部材を貫通する一対の電線挿入孔を有し、
前記一対の電線挿入孔の間に前記フレキシブル導体が配置され、
前記電線が前記一対の電線挿入孔を順次貫通し、前記一対の電線挿入孔の間に位置する前記電線の前記導体部が前記フレキシブル導体に電気的に接続されている請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記フレキシブル導体は、前記第2シート部から前記折り返し線を越えて前記被保持部および前記延伸部にまで連続して配置され且つ前記折り返し線に沿って二つ折りにされ、
前記一対の電線挿入孔の間に位置する前記電線の前記導体部が前記二つ折りにされた前記フレキシブル導体の間に配置されて前記フレキシブル導体に電気的に接続されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記一対の電線挿入孔は、前記折り返し線上に配置されている請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記一対の電線挿入孔は、前記被保持部内で且つ前記折り返し線に対して傾斜した位置に配置されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記一対の電線挿入孔に順次通された前記電線の先端部は、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に収容され、
前記一対の電線挿入孔に順次通された前記電線の基端部は、前記コネクタの外部へ延びる請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記電線は、前記導体部の外周が絶縁被覆部により覆われた構造を有し、
前記一対の電線挿入孔の間においては、前記電線から前記絶縁被覆部が除去されることにより前記導体部が露出し、
前記一対の電線挿入孔の間以外の位置においては、前記絶縁被覆部により前記電線の前記導体部の外周が覆われている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記シート状導電部材は、前記折り返し線上で且つ前記フレキシブル導体が露出している位置において前記シート状導電部材を貫通する1つの前記電線挿入孔を有し、
前記フレキシブル導体は、前記第2シート部から前記折り返し線を越えて前記被保持部および前記延伸部にまで連続して配置され且つ前記折り返し線に沿って二つ折りにされ、
前記電線が前記電線挿入孔を貫通し、
前記二つ折りにされた前記フレキシブル導体の間に配置された前記電線の前記導体部が前記フレキシブル導体に電気的に接続されている請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記シート状導電部材は、前記電線挿入孔の近傍に配置され且つ前記シート状導電部材を貫通する電線案内孔と、前記電線挿入孔および前記電線案内孔を互いに連通し且つ前記シート状導電部材を貫通する連通開口部を有し、
前記電線挿入孔は、前記電線の前記導体部の径に対応する径を有する丸孔からなり、
前記電線案内孔は、前記電線挿入孔の前記径とほぼ等しい幅を有する長孔からなり、
前記連通開口部は、前記電線の前記導体部の径よりも小さい寸法の開口幅を有する請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記第1保持面および前記第2保持面の少なくとも一方は、前記フレキシブル導体を前記電線の前記導体部に密着させるためのリブを有する請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記電線は、前記導体部の外周が絶縁被覆部により覆われた構造を有し、
前記二つ折りにされた前記フレキシブル導体の間においては、前記電線から前記絶縁被覆部が除去されることにより前記導体部が露出している請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記電線は、前記電線挿入孔から前記シート状導電部材の外部に突出し且つ前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に収容される先端部を有する請求項12に記載のコネクタ組立体。
【請求項14】
前記先端部においては、前記電線から前記絶縁被覆部が除去されることにより前記導体部が露出している請求項13に記載のコネクタ組立体。
【請求項15】
前記先端部においては、前記絶縁被覆部または絶縁テープにより前記電線の前記導体部の外周が覆われている請求項13に記載のコネクタ組立体。
【請求項16】
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータは、前記第1保持面および前記第2保持面の一方に形成されたボスが前記第1保持面および前記第2保持面の他方に形成された固定孔に挿入されることにより互いに固定される請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項17】
前記シート状導電部材は、前記折り返し線に沿った所定の方向に配列された複数の前記フレキシブル導体を有し、
前記複数の前記フレキシブル導体が、前記所定の方向に配列された複数の前記電線の前記導体部にそれぞれ電気的に接続される請求項1~16のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項18】
シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を接続する接続方法であって、
第1シート部と前記第1シート部の被保持部に折り返し線を介して連結された第2シート部を有する前記シート状導電部材における前記被保持部および前記第2シート部の少なくとも一方に形成され且つ前記シート状導電部材を貫通する少なくとも1つの電線挿入孔に前記電線の前記導体部を貫通させ、
前記第2シート部を前記折り返し線に沿って前記被保持部の上に折り返すことにより、前記被保持部と前記第2シート部との間に前記電線の前記導体部を配置し、
前記被保持部および前記第2シート部を第1インシュレータの第1保持面および第2インシュレータの第2保持面の間に挟んで前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータを互いに固定することにより、前記フレキシブル導体が前記電線の前記導体部に接触し且つ電気的に接続される接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタ組立体および接続方法に係り、特に、シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を電気的に接続するコネクタ組立体および接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、着用するだけで心拍数、体温等のユーザの生体情報を取得することができる、いわゆるスマート衣料が注目を浴びている。このスマート衣料は、計測箇所に配置され且つフレキシブル導体からなる電極を備え、電極に計測機器としてのウエアラブルデバイスを電気的に接続することで、生体情報をウエアラブルデバイスに伝送することが可能となる。
電極とウエアラブルデバイスとの接続は、例えばフレキシブル導体に接続されるコネクタを用いることにより行うことができる。
【0003】
ただし、ウエアラブルデバイスが計測箇所から離れている場合には、計測箇所に配置された電極からコネクタの取付位置まで電路を構成する必要があり、このような電路をフレキシブル導体により形成すると、電気抵抗が高くなり、また、費用が嵩んでしまう。
そこで、フレキシブル導体からなる電極とウエアラブルデバイスとの間を、電気抵抗が低く且つ安価な電線により接続するために、衣服に配置されたフレキシブル導体に電線を接続するような小型のコネクタの開発が望まれている。
【0004】
フレキシブル導体に電線を接続するためのコネクタとして、例えば、特許文献1に、
図35に示されるようなコネクタが開示されている。このコネクタは、基板1の端部に接続された第1コネクタ2と、電線3の先端に取り付けられた第2コネクタ4を有し、第1コネクタ2に第2コネクタ4を嵌合することにより、基板1のフレキシブル導体に電線3を接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基板1のフレキシブル導体に電線3を接続するために、基板1の端部と電線3の先端にそれぞれ別個に取り付けられた第1コネクタ2および第2コネクタ4を互いに嵌合させる必要があるため、装置が大型化すると共に、第1コネクタ2と第2コネクタ4との間において切り離し可能な接続箇所が存在することから、電気的接続の信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を信頼性よく電気的に接続しながらも小型化を図ることができるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
また、この発明は、シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を電気的に接続する接続方法を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るコネクタ組立体は、
表面に露出するフレキシブル導体を有するシート状導電部材と、
導体部を有する電線と、
フレキシブル導体に導体部を接続するコネクタと
を備え、
コネクタは、第1保持面を有する第1インシュレータと、第1保持面に対向する第2保持面を有する第2インシュレータを含み、
シート状導電部材は、第1保持面に対向して配置された被保持部を有する第1シート部と、折り返し線を介して被保持部に連結され且つ折り返し線に沿って被保持部の上に折り返された状態で第2保持面に対向して配置されている第2シート部と、被保持部および第2シート部の少なくとも一方に形成され且つシート状導電部材を貫通する少なくとも1つの電線挿入孔を有し、
少なくとも被保持部の表面にフレキシブル導体が露出し、
電線の導体部は、電線挿入孔を貫通し且つ被保持部と第2シート部との間に配置され、
被保持部および第2シート部が互いに重なって第1保持面および第2保持面の間に挟まれるように第1インシュレータおよび第2インシュレータが互いに固定されることによりフレキシブル導体が電線の導体部に接触し且つ電気的に接続されることを特徴とする。
【0009】
第1シート部は、被保持部から所定の方向に沿ってコネクタの外部へ延びる延伸部を有し、フレキシブル導体は、被保持部から延伸部に連続して配置されていることが好ましい。
シート状導電部材は、それぞれシート状導電部材を貫通する一対の電線挿入孔を有し、一対の電線挿入孔の間にフレキシブル導体が配置され、電線が一対の電線挿入孔を順次貫通し、一対の電線挿入孔の間に位置する電線の導体部がフレキシブル導体に電気的に接続されていることが好ましい。
【0010】
フレキシブル導体は、第2シート部から折り返し線を越えて被保持部および延伸部にまで連続して配置され且つ折り返し線に沿って二つ折りにされ、一対の電線挿入孔の間に位置する電線の導体部が二つ折りにされたフレキシブル導体の間に配置されてフレキシブル導体に電気的に接続されているように構成することができる。この場合、一対の電線挿入孔は、折り返し線上に配置されていてもよい。
また、一対の電線挿入孔は、折り返し線に対して傾斜した位置に配置されているように構成することもできる。
【0011】
一対の電線挿入孔に順次通された電線の先端部は、第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に収容され、一対の電線挿入孔に順次通された電線の基端部は、コネクタの外部へ延びることが好ましい。
電線は、導体部の外周が絶縁被覆部により覆われた構造を有し、一対の電線挿入孔の間においては、電線から絶縁被覆部が除去されることにより導体部が露出し、一対の電線挿入孔の間以外の位置においては、絶縁被覆部により電線の導体部の外周が覆われていることが好ましい。
【0012】
シート状導電部材は、折り返し線上で且つフレキシブル導体が露出している位置においてシート状導電部材を貫通する1つの電線挿入孔を有し、フレキシブル導体は、第2シート部から折り返し線を越えて被保持部および延伸部にまで連続して配置され且つ折り返し線に沿って二つ折りにされ、電線が電線挿入孔を貫通し、二つ折りにされたフレキシブル導体の間に配置された電線の導体部がフレキシブル導体に電気的に接続されているように構成することもできる。
この場合、シート状導電部材は、第1電線挿入孔の近傍に配置され且つシート状導電部材を貫通する電線案内孔と、電線挿入孔および電線案内孔を互いに連通し且つシート状導電部材を貫通する連通開口部を有し、電線挿入孔は、電線の導体部の径に対応する径を有する丸孔からなり、電線案内孔は、電線挿入孔の径とほぼ等しい幅を有する長孔からなり、連通開口部は、電線の導体部の径よりも小さい寸法の開口幅を有することが好ましい。
【0013】
第1保持面および第2保持面の少なくとも一方は、フレキシブル導体を電線の導体部に密着させるためのリブを有することが好ましい。
電線は、導体部の外周が絶縁被覆部により覆われた構造を有し、二つ折りにされたフレキシブル導体の間においては、電線から絶縁被覆部が除去されることにより導体部が露出していることが好ましい。
電線は、電線挿入孔からシート状導電部材の外部に突出し且つ第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に収容される先端部を有することができる。
先端部においては、電線から絶縁被覆部が除去されることにより導体部が露出していてもよく、あるいは、絶縁被覆部または絶縁テープにより電線の導体部の外周が覆われていてもよい。
【0014】
第1インシュレータおよび第2インシュレータは、第1保持面および第2保持面の一方に形成されたボスが第1保持面および第2保持面の他方に形成された固定孔に挿入されることにより互いに固定されることが好ましい。
シート状導電部材は、折り返し線に沿った所定の方向に配列された複数のフレキシブル導体を有し、複数のフレキシブル導体が、所定の方向に配列された複数の電線の導体部にそれぞれ電気的に接続されるように構成することができる。
【0015】
この発明に係る接続方法は、
シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を接続する接続方法であって、
第1シート部と第1シート部の被保持部に折り返し線を介して連結された第2シート部を有するシート状導電部材における被保持部および第2シート部の少なくとも一方に形成され且つシート状導電部材を貫通する少なくとも1つの電線挿入孔に電線の導体部を貫通させ、
第2シート部を折り返し線に沿って被保持部の上に折り返すことにより、被保持部と第2シート部との間に電線の導体部を配置し、
被保持部および第2シート部を第1インシュレータの第1保持面および第2インシュレータの第2保持面の間に挟んで第1インシュレータおよび第2インシュレータを互いに固定することにより、フレキシブル導体が電線の導体部に接触し且つ電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、シート状導電部材は、第1インシュレータの第1保持面に対向して配置された被保持部を有する第1シート部と、折り返し線を介して被保持部に連結され且つ折り返し線に沿って被保持部の上に折り返された状態で第2インシュレータの第2保持面に対向して配置されている第2シート部と、被保持部および第2シート部の少なくとも一方に形成され且つシート状導電部材を貫通する少なくとも1つの電線挿入孔を有し、少なくとも被保持部の表面にフレキシブル導体が露出し、電線の導体部は、電線挿入孔を貫通し且つ被保持部と第2シート部との間に配置され、被保持部および第2シート部が互いに重なって第1保持面および第2保持面の間に挟まれるように第1インシュレータおよび第2インシュレータが互いに固定されることによりフレキシブル導体が電線の導体部に接触し且つ電気的に接続されるので、シート状導電部材の表面に露出しているフレキシブル導体に電線の導体部を信頼性よく電気的に接続しながらも小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係るコネクタ組立体の組立図である。
【
図3】実施の形態1で用いられたシート状導電部材を示す平面図である。
【
図4】実施の形態1におけるシート状導電部材の電線挿入孔に電線を貫通させた状態を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1におけるシート状導電部材の一対の電線挿入孔に電線を順次貫通させた状態を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1におけるシート状導電部材の第2シート部を折り返した状態を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1におけるシート状導電部材が第1インシュレータおよび第2インシュレータにより挟まれた状態を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1のコネクタ組立体における電線の導体部とフレキシブル導体が接触する状態を示す部分平面断面図である。
【
図9】
図8のA-A線に沿って切断したコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図10】
図8のB-B線に沿って切断したコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図11】実施の形態2に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図12】実施の形態2に係るコネクタ組立体の組立図である。
【
図13】実施の形態2で用いられたシート状導電部材を示す平面図である。
【
図14】実施の形態2におけるシート状導電部材の電線挿入孔に電線を貫通させた状態を示す斜視図である。
【
図15】実施の形態2におけるシート状導電部材の一対の電線挿入孔に電線を順次貫通させた状態を示す斜視図である。
【
図16】実施の形態2におけるシート状導電部材の第2シート部を折り返した状態を示す斜視図である。
【
図17】実施の形態2におけるシート状導電部材が第1インシュレータおよび第2インシュレータにより挟まれた状態を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態2のコネクタ組立体における電線の導体部とフレキシブル導体が接触する状態を示す部分平面断面図である。
【
図19】
図18のC-C線に沿って切断したコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図20】
図18のD-D線に沿って切断したコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図21】実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図22】実施の形態3に係るコネクタ組立体の組立図である。
【
図23】実施の形態3で用いられたシート状導電部材を示す平面図である。
【
図25】実施の形態3におけるシート状導電部材の電線案内孔に電線を貫通させた状態を示す斜視図である。
【
図26】実施の形態3におけるシート状導電部材の電線挿入孔に電線をスライドさせた状態を示す斜視図である。
【
図27】実施の形態3におけるシート状導電部材の第2シート部を折り返した状態を示す斜視図である。
【
図28】実施の形態3におけるシート状導電部材が第1インシュレータおよび第2インシュレータにより挟まれた状態を示す斜視図である。
【
図29】実施の形態3のコネクタ組立体における電線の導体部とフレキシブル導体が接触する状態を示す部分平面断面図である。
【
図30】
図29のE-E線に沿って切断したコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図31】実施の形態4に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図32】実施の形態4に係るコネクタ組立体の組立図である。
【
図33】実施の形態4のコネクタ組立体の側面断面図である。
【
図34】実施の形態4の変形例に係るコネクタ組立体の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、コネクタ11を用いてシート状導電部材21に複数の被覆電線31の導体部31Aが接続されたものである。
コネクタ11は、絶縁性樹脂材料により形成された第1インシュレータ12および第2インシュレータ13を備えている。
【0019】
シート状導電部材21は、シート状の絶縁基材21Aの表面上に複数のフレキシブル導体21Bが形成されたものである。複数のフレキシブル導体21Bは、所定の配列方向に配列され、それぞれ、直線状の延びるパターンを形成しており、シート状導電部材21の表面に露出している。
【0020】
複数の被覆電線31は、シート状導電部材21の複数のフレキシブル導体21Bと同様に、所定の配列方向に配列され、それぞれ、シート状導電部材21の表面と平行に、配列方向に対して直交する方向に延びている。それぞれの被覆電線31は、導体部31Aの外周が絶縁被覆部31Bにより覆われた構造を有している。コネクタ11により、複数の被覆電線31の導体部31Aが、シート状導電部材21の表面に露出している複数のフレキシブル導体21Bに電気的に接続される。なお、被覆電線31の導体部31Aは、1本の導体により構成される、いわゆる単線、および、複数本の導体を撚り合わせて構成される、いわゆる撚り線のいずれであってもよい。
【0021】
ここで、便宜上、シート状導電部材21がXY面に沿って延び、複数のフレキシブル導体21Bおよび複数の被覆電線31の所定の配列方向をX方向、それぞれの被覆電線31がコネクタ11に向かって延びる方向を+Y方向、XY面に直交する方向をZ方向と呼ぶことにする。
【0022】
図2に、実施の形態1に係るコネクタ組立体の組立図を示す。第1インシュレータ12の+Z方向側にシート状導電部材21が配置され、シート状導電部材21の+Z方向側に第2インシュレータ13が配置されている。
また、シート状導電部材21の-Y方向側に複数の被覆電線31がZ方向に延びた姿勢で配置されている。
【0023】
第1インシュレータ12は、XY面に沿って延びる矩形の平板部12Aを有し、平板部12Aの+Y方向側部分には、-Z方向に窪み且つ+Z方向を向いた平面状の第1保持面12Bが形成されている。また、平板部12Aの-Y方向側部分には、第1保持面12Bから平板部12Aの-Y方向端部までY方向に延びる電線収容溝12Cと、電線収容溝12Cの+X方向側に隣接して配置され且つ第1保持面12BからY方向に延びて平板部12Aの-Y方向端部の手前で終端する電線収容溝12Dが形成されている。
【0024】
これらの電線収容溝12Cおよび12Dは、+Z方向に向かって開放されており、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される溝幅および溝深さを有している。互いに隣接する電線収容溝12Cおよび12Dは、対を形成しており、複数の被覆電線31に対応する複数対の電線収容溝12Cおよび12Dが平板部12Aに形成されている。
さらに、平板部12Aには、それぞれ+Z方向に突出する複数のボス12Eが形成されている。
【0025】
第2インシュレータ13は、XY面に沿って延びる矩形の平板部13Aを有し、第1インシュレータ12と同様に、平板部13Aの+Y方向側部分には、+Z方向に窪み且つ-Z方向を向いた図示しない平面状の第2保持面が形成されている。また、平板部13Aの-Y方向側部分で且つ-Z方向を向いた面には、第2保持面から平板部13Aの-Y方向端部までY方向に延びる電線収容溝13Cと、電線収容溝13Cの+X方向側に隣接して配置され且つ第2保持面からY方向に延びて平板部13Aの-Y方向端部の手前で終端する図示しない電線収容溝が形成されている。
【0026】
これらの電線収容溝13Cおよび図示しない電線収容溝は、第1インシュレータ12の電線収容溝12Cおよび12Dに対応しており、-Z方向に向かって開放され、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される溝幅および溝深さを有している。
さらに、平板部13Aには、それぞれ平板部13AをZ方向に貫通する複数の固定孔13Eが形成されている。複数の固定孔13Eは、第1インシュレータ12の複数のボス12Eに対応している。
【0027】
コネクタ組立体を組み立てる際の複数の被覆電線31は、それぞれ、先端部P1が+Z方向を向き且つ基端部P2が-Z方向を向くようにZ方向に延びた姿勢で配置される。また、それぞれの被覆電線31の先端部P1から所定の距離だけ-Z方向に隔てた位置に、絶縁被覆部31Bが除去されることにより導体部31Aが所定のZ方向長さにわたって露出する導体露出部P3が形成されている。
【0028】
図3に示されるように、シート状導電部材21は、第1シート部22と、第1シート部22の-Y方向側に配置された第2シート部23を有している。第1シート部22の-Y方向側部分に、被保持部22Aが配置され、被保持部22Aの+Y方向側に、+Y方向に向かって延びる延伸部22Bが配置されている。第2シート部23は、X方向に延びる折り返し線Lを介して第1シート部22の被保持部22Aに連結されている。第2シート部23と被保持部22Aと延伸部22Bは、Y方向に連続して一体に形成されている。
【0029】
シート状導電部材21の+Z方向側の表面上に露出している複数のフレキシブル導体21Bは、それぞれ、第2シート部23から折り返し線Lを越えて第1シート部22の被保持部22Aおよび延伸部22Bにまで連続して配置されている。それぞれのフレキシブル導体21Bは、折り返し線Lに重なる位置にほぼ矩形状の電線接続領域21Cを有しており、折り返し線L上における電線接続領域21CのX方向の両側にシート状導電部材21を貫通する一対の電線挿入孔21Dおよび21Eが形成されている。一対の電線挿入孔21Dおよび21Eは、それぞれ、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが貫通し得る大きさを有する長孔から形成されている。また、一対の電線挿入孔21Dおよび21Eは、電線接続領域21CのX方向の両側に接する位置にあり、一対の電線挿入孔21Dおよび21Eの間に、電線接続領域21Cを形成するフレキシブル導体21Bが配置されている。
【0030】
シート状導電部材21には、複数の被覆電線31に対応して、このような複数対の電線挿入孔21Dおよび21Eが形成されている。
さらに、シート状導電部材21の被保持部22Aおよび第2シート部23には、第1インシュレータ12の複数のボス12Eに対応する複数の貫通孔21Fが形成されている。被保持部22Aに形成されている貫通孔21Fと第2シート部23に形成されている貫通孔21Fは、互いに折り返し線Lに関して対称の位置に配置されている。
【0031】
コネクタ組立体を組み立てる際には、まず、
図4に示されるように、複数の被覆電線31が、それぞれ、シート状導電部材21の対応する一対の電線挿入孔21Dおよび21Eのうち一方の電線挿入孔21Dに通される。このとき、被覆電線31は、導体露出部P3から先端部P1までの部分がシート状導電部材21の+Z方向側に位置し、導体露出部P3よりも基端部P2側の部分がシート状導電部材21の-Z方向側に位置するように配置される。
【0032】
次に、導体露出部P3を折り曲げて、複数の被覆電線31の先端部P1が、それぞれ、対応する一対の電線挿入孔21Dおよび21Eのうち他方の電線挿入孔21Eに+Z方向から通される。このように、被覆電線31が一対の電線挿入孔21Dおよび21Eを順次貫通することにより、
図5に示されるように、複数の被覆電線31の先端部P1は、それぞれ、シート状導電部材21の-Z方向側に位置し、導体露出部P3に露出している導体部31Aが、シート状導電部材21の+Z方向側の表面上において一対の電線挿入孔21Dおよび21Eの間に位置することとなる。
【0033】
この状態で、複数の被覆電線31および複数のフレキシブル導体21Bの配列方向であるX方向に延びる折り返し線Lに沿ってシート状導電部材21の第2シート部23を折り返すことにより、
図6に示されるように、第2シート部23が第1シート部22の被保持部22Aの上に重なるように、第2シート部23を折り返し線Lの回りに180度回転させる。このとき、第2シート部23の折り返しに伴って、複数対の電線挿入孔21Dおよび21Eに通されている複数の被覆電線31を、折り返し線Lの回りに90度回転させ、それぞれの被覆電線31の先端部P1および基端部P2が、シート状導電部材21から-Y方向に向かって延びる状態とする。
【0034】
なお、被保持部22Aに形成されている貫通孔21Fと第2シート部23に形成されている貫通孔21Fは、互いに折り返し線Lに関して対称の位置に配置されているので、第2シート部23が折り返し線Lの回りに折り返されることで、第2シート部23に形成されている貫通孔21Fは、被保持部22Aに形成されている貫通孔21Fの上に重ね合わされる。
【0035】
そこで、第1インシュレータ12の複数のボス12Eを-Z方向からシート状導電部材21の貫通孔21Fに貫通させ、さらに、第2インシュレータ13の固定孔13Eに貫通させながら、
図7に示されるように、シート状導電部材21を第1インシュレータ12および第2インシュレータ13の間に挟み込む。これにより、シート状導電部材21の第1シート部22の被保持部22Aは、第1インシュレータ12の第1保持面12Bに対向し、被保持部22Aの上に重ねられた第2シート部23は、第2インシュレータ13の第2保持面に対向することとなる。
そして、第2インシュレータ13の+Z方向側に突出する複数のボス12Eの先端を熱変形させることにより、第1インシュレータ12と第2インシュレータ13が互いに固定されてコネクタ11が形成され、
図1に示されるコネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0036】
コネクタ組立体の内部を
図8に示す。一対の電線挿入孔21Dおよび21Eの間にフレキシブル導体21Bの電線接続領域21Cが形成されているため、第2シート部23の折り返しに伴って、電線接続領域21Cを形成するフレキシブル導体21Bは二つ折りにされ、一対の電線挿入孔21Dおよび21Eの間に位置している導体露出部P3に露出する導体部31Aが、
図9に示されるように、二つ折りにされたフレキシブル導体21Bの間に挟まれる。これにより、フレキシブル導体21Bは、被覆電線31の導体部31Aに所定の接触圧で接触し、導体部31Aに電気的に接続される。
同様にして、複数のフレキシブル導体21Bが、複数の被覆電線31の導体部31Aにそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0037】
なお、
図9に示されるように、シート状導電部材21の第1シート部22の被保持部22Aと第2シート部23は、互いに重ね合わされた状態で、第1インシュレータ12の第1保持面12Bと第2インシュレータ13の第2保持面13Bの間に挟まれている。
【0038】
また、
図8に示されるように、被覆電線31の先端部P1は、シート状導電部材21の電線挿入孔21Eから-Y方向に突出し、コネクタ11内において、第1インシュレータ12の電線収容溝12Dおよび第2インシュレータ13の図示しない電線収容溝に収容される。
一方、被覆電線31の基端部P2側の部分は、シート状導電部材21の電線挿入孔21Dから-Y方向に突出して、
図10に示されるように、第1インシュレータ12の電線収容溝12Cおよび第2インシュレータ13の電線収容溝13Cに収容され、さらに、コネクタ11から-Y方向に引き出される。
【0039】
実施の形態1によれば、二つ折りにされたフレキシブル導体21Bの間に導体部31Aを挟むことにより、シート状導電部材21の表面に露出しているフレキシブル導体21Bに被覆電線31の導体部31Aを信頼性よく電気的に接続しながらも小型、特に、薄型のコネクタ組立体を実現することが可能となる。
【0040】
実施の形態2
図11に、実施の形態2に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、コネクタ41を用いてシート状導電部材51に複数の被覆電線31の導体部31Aが接続されたものである。
コネクタ41は、絶縁性樹脂材料により形成された第1インシュレータ42および第2インシュレータ43を備えている。
【0041】
図12に、実施の形態2に係るコネクタ組立体の組立図を示す。
第1インシュレータ42は、実施の形態1で用いられた第1インシュレータ12と同様の構成を有している。すなわち、第1インシュレータ42は、XY面に沿って延びる矩形の平板部42Aを有し、平板部42Aの+Y方向側部分に+Z方向を向いた第1保持面12Bが形成されている。平板部42Aの-Y方向側部分には、第1インシュレータ12の電線収容溝12Cおよび12Dと同様であるが、第1保持面12Bにまで延びる複数の電線収容溝42Cおよび42Dが形成されている。電線収容溝42Cおよび42Dは、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される溝幅および溝深さを有している。
また、平板部42Aには、複数のボス12Eが形成されている。
【0042】
第2インシュレータ43は、実施の形態1で用いられた第2インシュレータ13と同様の構成を有している。すなわち、第2インシュレータ43は、XY面に沿って延びる矩形の平板部43Aを有し、平板部43Aの+Y方向側部分に-Z方向を向いた図示しない第2保持面が形成されている。また、平板部43Aの-Y方向側部分で且つ-Z方向を向いた面には、第1インシュレータ42の複数の電線収容溝42Cおよび42Dに対応する複数の電線収容溝43Cおよび図示しない電線収容溝が形成されている。電線収容溝43Cおよび図示しない電線収容溝は、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される溝幅および溝深さを有している。
また、平板部43Aには、複数の固定孔13Eが形成されている。
【0043】
シート状導電部材51は、実施の形態1におけるシート状導電部材21と同様に、シート状の絶縁基材21Aの表面上に複数のフレキシブル導体21Bが形成されたものである。
複数の被覆電線31は、それぞれ、実施の形態1で用いられた被覆電線31における導体露出部P3よりもZ方向に長い導体露出部P3を有する他は、実施の形態1で用いられた被覆電線31と同様の構成を有している。
【0044】
図13に示されるように、シート状導電部材51は、第1シート部52と、第1シート部52の-Y方向側に配置された第2シート部53を有し、第1シート部52の-Y方向側部分に、被保持部52Aが配置され、被保持部52Aの+Y方向側に、+Y方向に向かって延びる延伸部52Bが配置されている。第2シート部53は、X方向に延びる折り返し線Lを介して第1シート部52の被保持部52Aに連結されている。
【0045】
複数のフレキシブル導体21Bは、第1シート部52の+Z方向側の表面上にのみ形成されており、第2シート部53にはフレキシブル導体21Bが形成されていない。
それぞれのフレキシブル導体21Bは、Y方向に延びており、-Y方向端部には、被保持部52Aに配置されたほぼ矩形状の電線接続領域51Cを有している。折り返し線Lに近接する電線接続領域51CのX方向の両側にシート状導電部材51を貫通する一対の電線挿入孔51Dおよび51Eが形成されている。一対の電線挿入孔51Dおよび51Eは、折り返し線Lに対して傾斜した位置、すなわち、互いに異なるY方向位置に配置されており、それぞれ、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが貫通し得る大きさの丸孔から形成されている。
【0046】
一対の電線挿入孔51Dおよび51Eは、それぞれ、被覆電線31の絶縁被覆部31Bが貫通し得る大きさを有している。また、一対の電線挿入孔51Dおよび51Eは、電線接続領域51CのX方向の両側に接する位置にあり、一対の電線挿入孔51Dおよび51Eの間に、電線接続領域51Cを形成するフレキシブル導体21Bが配置されている。
シート状導電部材51には、複数の被覆電線31に対応して、このような複数対の電線挿入孔51Dおよび51Eが形成されている。
さらに、シート状導電部材51の被保持部52Aおよび第2シート部53には、複数の貫通孔21Fが形成されている。
【0047】
コネクタ組立体を組み立てる際には、まず、
図14に示されるように、複数の被覆電線31が、それぞれ、シート状導電部材51の対応する一対の電線挿入孔51Dおよび51Eのうち電線挿入孔51Dに通される。このとき、被覆電線31は、導体露出部P3から先端部P1までの部分がシート状導電部材51の+Z方向側に位置し、導体露出部P3よりも基端部P2側の部分がシート状導電部材51の-Z方向側に位置するように配置される。
【0048】
次に、導体露出部P3を折り曲げて、複数の被覆電線31の先端部P1が、それぞれ、対応する一対の電線挿入孔51Dおよび51Eのうち他方の電線挿入孔51Eに+Z方向から通される。このように、被覆電線31が一対の電線挿入孔51Dおよび51Eを順次貫通することにより、
図15に示されるように、複数の被覆電線31の先端部P1は、それぞれ、シート状導電部材51の-Z方向側に位置し、導体露出部P3に露出している導体部31Aが、シート状導電部材51の+Z方向側の表面上において一対の電線挿入孔51Dおよび51Eの間に位置することとなる。
【0049】
この状態で、X方向に延びる折り返し線Lに沿ってシート状導電部材51の第2シート部53を折り返すことにより、
図16に示されるように、第2シート部53が第1シート部52の被保持部52Aの上に重なるように、第2シート部53を折り返し線Lの回りに180度回転させる。このとき、第2シート部53の折り返しに伴って、複数対の電線挿入孔51Dおよび51Eに通されている複数の被覆電線31を、折り返し線Lの回りに90度回転させ、それぞれの被覆電線31の先端部P1および基端部P2が、シート状導電部材51から-Y方向に向かって延びる状態とする。
【0050】
その後、第1インシュレータ42の複数のボス12Eを-Z方向からシート状導電部材51の貫通孔21Fに貫通させ、さらに、第2インシュレータ43の固定孔13Eに貫通させながら、
図17に示されるように、シート状導電部材51を第1インシュレータ42および第2インシュレータ43の間に挟み込む。
そして、第2インシュレータ43の+Z方向側に突出する複数のボス12Eの先端を熱変形させることにより、第1インシュレータ42と第2インシュレータ43が互いに固定されてコネクタ41が形成され、
図11に示されるコネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0051】
コネクタ組立体の内部を
図18に示す。一対の電線挿入孔51Dおよび51Eの間にフレキシブル導体21Bの電線接続領域51Cが形成されているため、一対の電線挿入孔51Dおよび51Eの間に位置している導体露出部P3に露出する導体部31Aは、電線接続領域51Cの上に配置され、
図19に示されるように、第2シート部53の折り返しに伴って、第1シート部52の被保持部52Aと第2シート部53は、互いに重ね合わされた状態で、第1インシュレータ42の第1保持面42Bと第2インシュレータ43の第2保持面43Bの間に挟まれる。これにより、電線接続領域51Cを形成するフレキシブル導体21Bは、被覆電線31の導体部31Aに所定の接触圧で接触し、導体部31Aに電気的に接続される。
同様にして、複数のフレキシブル導体21Bが、複数の被覆電線31の導体部31Aにそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0052】
また、
図18に示されるように、被覆電線31の先端部P1は、シート状導電部材51の電線挿入孔51Eから-Y方向に突出し、コネクタ41内において、第1インシュレータ42の電線収容溝42Dおよび第2インシュレータ43の電線収容溝43Dに収容される。
一方、被覆電線31の基端部P2側の部分は、シート状導電部材51の電線挿入孔51Dから-Y方向に突出して、
図20に示されるように、第1インシュレータ42の電線収容溝42Cおよび第2インシュレータ43の電線収容溝43Cに収容され、さらに、コネクタ41から-Y方向に引き出される。
【0053】
実施の形態2においても、被覆電線31の導体露出部P3に露出する導体部31Aを対応するフレキシブル導体21Bの電線接続領域51Cに接触させることにより、シート状導電部材51の表面に露出しているフレキシブル導体21Bに被覆電線31の導体部31Aを信頼性よく電気的に接続しながらも小型、特に、薄型のコネクタ組立体を実現することが可能となる。
また、シート状導電部材51の一対の電線挿入孔51Dおよび51Eは、互いに異なるY方向位置に配置されているため、電線挿入孔51Dおよび51Eの間に位置する導体部31Aは、実施の形態1よりも長い距離にわたってフレキシブル導体21Bに接触することとなり、電気的接続の信頼性が向上する。
さらに、シート状導電部材51の複数対の電線挿入孔51Dおよび51Eは、それぞれ、電線挿入孔51Dと電線挿入孔51Eが折り返し線Lに対して傾斜した位置に配置されているので、互いに隣接する被覆電線31の導体部31AがY方向に間隔を隔てることとなり、導体部31Aの短絡を効果的に防止することができる。また、複数の被覆電線31のX方向の配列ピッチを狭めることも可能となる。
【0054】
実施の形態3
図21に、実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、コネクタ61を用いてシート状導電部材71に複数の被覆電線31の導体部31Aが接続されたものである。
コネクタ61は、絶縁性樹脂材料により形成された第1インシュレータ62および第2インシュレータ63を備えている。
【0055】
図22に、実施の形態3に係るコネクタ組立体の組立図を示す。
第1インシュレータ62は、実施の形態1で用いられた第1インシュレータ12と同様に、XY面に沿って延びる矩形の平板部62Aを有し、平板部62Aの+Y方向側部分に+Z方向を向いた第1保持面12Bが形成されている。平板部62Aの-Y方向側部分には、それぞれ第1保持面12BからY方向に延びて平板部62Aの-Y方向端部の手前で終端する複数の電線収容溝62Cが形成されている。電線収容溝62Cは、被覆電線31の導体部31Aが収容される溝幅および溝深さを有している。
また、平板部62Aには、複数のボス12Eが形成されている。
さらに、第1保持面12Bには、それぞれX方向に延び且つ+Z方向に突出する複数のリブ62Fが形成されている。
【0056】
第2インシュレータ63は、実施の形態1で用いられた第2インシュレータ13と同様に、XY面に沿って延びる矩形の平板部63Aを有し、平板部63Aの+Y方向側部分に-Z方向を向いた図示しない第2保持面が形成されている。また、平板部63Aの-Y方向側部分で且つ-Z方向を向いた面には、第1インシュレータ62の複数の電線収容溝62Cに対応する図示しない複数の電線収容溝が形成されている。これらの図示しない電線収容溝は、被覆電線31の導体部31Aが収容される溝幅および溝深さを有している。
また、平板部63Aには、複数の固定孔13Eが形成されている。
さらに、第2保持面には、X方向に延び且つ-Z方向に突出する図示しないリブが形成されている。
【0057】
シート状導電部材71は、実施の形態1におけるシート状導電部材21と同様に、シート状の絶縁基材21Aの表面上に複数のフレキシブル導体21Bが形成されたものである。
コネクタ組立体を組み立てる際の複数の被覆電線31は、それぞれ、先端部P1が-Z方向を向き且つ基端部P2が+Z方向を向くようにZ方向に延びた姿勢で配置される。また、それぞれの被覆電線31の先端部P1から+Z方向に向かって所定のZ方向長さにわたる導体露出部P3が形成されている。導体露出部P3においては、絶縁被覆部31Bが除去されることにより導体部31Aが露出している。
【0058】
図23に示されるように、シート状導電部材71は、第1シート部72と、第1シート部72の-Y方向側に配置された第2シート部73を有し、第1シート部72の-Y方向側部分に、被保持部72Aが配置され、被保持部72Aの+Y方向側に、+Y方向に向かって延びる延伸部72Bが配置されている。第2シート部73は、X方向に延びる折り返し線Lを介して第1シート部72の被保持部72Aに連結されている。
複数のフレキシブル導体21Bは、それぞれ、第2シート部73から折り返し線Lを越えて第1シート部72の被保持部72Aおよび延伸部72Bにまで連続して配置されている。
【0059】
それぞれのフレキシブル導体21Bは、折り返し線Lに重なる位置にほぼ矩形状の電線接続領域21Cを有しており、折り返し線L上に位置する電線接続領域21Cの中央部には、シート状導電部材71を貫通する1つの電線挿入孔71Dが形成されている。
また、電線接続領域21Cの+X方向側には、シート状導電部材71を貫通する1つの電線案内孔71Eが形成されている。電線案内孔71Eは、第2シート部73から折り返し線Lを越えて被保持部72AまでY方向に延びている。
さらに、電線挿入孔71Dおよび電線案内孔71Eの間には、折り返し線L上に沿って電線挿入孔71Dおよび電線案内孔71Eを互いにX方向に連通し且つシート状導電部材71を貫通するスリット状の連通開口部71Fが形成されている。
【0060】
図24に示されるように、電線挿入孔71Dは、被覆電線31の導体部31Aの径に対応する大きさ、具体的には、導体部31Aの径よりわずかに大きい径S1を有する丸孔から形成されている。電線案内孔71Eは、電線挿入孔71Dの径S1とほぼ等しい幅S2を有する長孔から形成されている。連通開口部71Fは、被覆電線31の導体部31Aの径よりも小さい寸法の開口幅S3を有している。
電線案内孔71Eに連通開口部71Fが接続されることにより、シート状導電部材71からなる一対の角部71Gに接するようにT字状の開口がシート状導電部材71に形成されている。
【0061】
コネクタ組立体を組み立てる際には、まず、
図25に示されるように、複数の被覆電線31の先端部P1に形成された導体露出部P3の導体部31Aが、それぞれ、+Z方向からシート状導電部材71の対応する電線案内孔71Eに通される。このとき、導体露出部P3の-Z方向側部分はシート状導電部材71の-Z方向側に位置し、導体露出部P3の+Z方向側部分はシート状導電部材71の+Z方向側に位置するように、導体部31Aが電線案内孔71Eに通される。
【0062】
次に、
図26に示されるように、シート状導電部材71に対し、複数の被覆電線31をそれぞれ対応する連通開口部71Fに沿って相対的に-X方向にスライドさせることにより、それぞれの被覆電線31の導体露出部P3に露出している導体部31Aが、対応する電線挿入孔71Dを貫通する状態となる。
このとき、連通開口部71Fは、導体部31Aの径よりも小さい寸法の開口幅S3を有しているが、連通開口部71Fの周辺のシート状導電部材71が弾性的に撓むことで、導体部31Aを電線挿入孔71Dまで相対的にスライドさせることができる。
【0063】
この状態で、X方向に延びる折り返し線Lに沿ってシート状導電部材71の第2シート部73を折り返すことにより、
図27に示されるように、第2シート部73が第1シート部72の被保持部72Aの上に重なるように、第2シート部73を折り返し線Lの回りに180度回転させる。
【0064】
第2シート部73の折り返しに伴って、複数の電線挿入孔71Dに導体部31Aが通されている複数の被覆電線31は、折り返し線Lの回りに90度回転し、それぞれの被覆電線31の先端部P1が、シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出し、基端部P2が、シート状導電部材71から+Y方向に向かって延びる状態となる。
【0065】
その後、第1インシュレータ62の複数のボス12Eを-Z方向からシート状導電部材71の貫通孔21Fに貫通させ、さらに、第2インシュレータ63の固定孔13Eに貫通させながら、
図28に示されるように、シート状導電部材71を第1インシュレータ62および第2インシュレータ63の間に挟み込む。
そして、第2インシュレータ63の+Z方向側に突出する複数のボス12Eの先端を熱変形させることにより、第1インシュレータ62と第2インシュレータ63が互いに固定されてコネクタ61が形成され、
図21に示されるコネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0066】
コネクタ組立体の内部を
図29に示す。フレキシブル導体21Bは、折り返し線Lに重なる位置にほぼ矩形状の電線接続領域21Cを有しているため、第2シート部23の折り返しに伴って、電線接続領域21Cを形成するフレキシブル導体21Bは二つ折りにされ、電線挿入孔71Dに通された被覆電線31の導体露出部P3に露出している導体部31Aが、
図30に示されるように、二つ折りにされたフレキシブル導体21Bの間に挟まれる。これにより、電線接続領域21Cを形成するフレキシブル導体21Bは、被覆電線31の導体部31Aに所定の接触圧で接触し、導体部31Aに電気的に接続される。
同様にして、複数のフレキシブル導体21Bが、複数の被覆電線31の導体部31Aにそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0067】
なお、シート状導電部材71の第1シート部72の被保持部72Aと第2シート部73は、互いに重ね合わされた状態で、第1インシュレータ62の第1保持面62Bと第2インシュレータ63の第2保持面63Bの間に挟まれ、電線接続領域21Cを形成するフレキシブル導体21Bは、第1保持面62Bに形成されている複数のリブ62Fと第2保持面63Bに形成されているリブ63Fにより、導体部31Aに密着されている。これにより、フレキシブル導体21Bと導体部31Aの電気的接続の信頼性が向上するように構成されている。
【0068】
また、シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出する被覆電線31の先端部P1に露出する導体部31Aは、コネクタ61内において、第1インシュレータ62の電線収容溝62Cおよび第2インシュレータ63の電線収容溝63Cに収容される。
一方、被覆電線31の基端部P2側の部分は、シート状導電部材71と共にコネクタ61から+Y方向に引き出される。このとき、
図30に示されるように、コネクタ61の+Y方向端部において、導体部31AがZ方向に屈曲することにより、被覆電線31の絶縁被覆部31Bがシート状導電部材71の延伸部72Bの+Z方向の表面上に位置する状態となる。すなわち、被覆電線31の絶縁被覆部31Bおよびシート状導電部材71の延伸部72Bは、Z方向において互いに干渉することなく、共に+Y方向に延びることができる。
【0069】
このように、実施の形態3においても、被覆電線31の導体露出部P3に露出する導体部31Aを対応するフレキシブル導体21Bの電線接続領域21Cに接触させることにより、シート状導電部材71の表面に露出しているフレキシブル導体21Bに被覆電線31の導体部31Aを信頼性よく電気的に接続しながらも小型、特に、薄型のコネクタ組立体を実現することが可能となる。
また、シート状導電部材71の電線挿入孔71Dに連通開口部71Fを介して長孔からなる電線案内孔71Eが形成されているので、被覆電線31の導体部31Aを、電線案内孔71Eに通した後に連通開口部71Fに沿ってスライドさせることで電線挿入孔71Dに貫通させることができ、コネクタ組立体の組み立て時における作業性が向上する。
【0070】
実施の形態4
図31に、実施の形態4に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、コネクタ81を用いてシート状導電部材71に複数の被覆電線31の導体部31Aが接続されたものである。
コネクタ81は、絶縁性樹脂材料により形成された第1インシュレータ82および第2インシュレータ83を備えている。
【0071】
図32に、実施の形態4に係るコネクタ組立体の組立図を示す。
第1インシュレータ82は、実施の形態3で用いられた第1インシュレータ62において、被覆電線31の導体部31Aが収容される複数の電線収容溝62Cの代わりに被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される複数の電線収容溝82Cが平板部62Aに形成されたものであり、その他の構成は、実施の形態3における第1インシュレータ62と同様である。
【0072】
第2インシュレータ83は、実施の形態3で用いられた第2インシュレータ63において、被覆電線31の導体部31Aが収容される複数の電線収容溝の代わりに被覆電線31の絶縁被覆部31Bが収容される複数の図示しない電線収容溝が平板部63Aに形成されたものであり、その他の構成は、実施の形態3における第2インシュレータ63と同様である。
シート状導電部材71は、実施の形態3で用いられたものと同一である。
【0073】
実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、コネクタ組立体を組み立てる際の複数の被覆電線31は、それぞれ、先端部P1が-Z方向を向き且つ基端部P2が+Z方向を向くようにZ方向に延びた姿勢で配置される。ただし、それぞれの被覆電線31の先端部P1には、絶縁被覆部31Bが除去されることなく残っており、先端部P1から所定の距離だけ+Z方向に隔てた位置に、絶縁被覆部31Bが除去されることにより導体部31Aが所定のZ方向長さにわたって露出する導体露出部P3が形成されている。
【0074】
コネクタ組立体を組み立てる際には、実施の形態3と同様に、まず、複数の被覆電線31の先端部P1が、それぞれ、+Z方向からシート状導電部材71の対応する電線案内孔71Eに通される。このとき、
図24に示されるように、シート状導電部材71の電線案内孔71Eに連通開口部71Fが接続されることによりT字状の開口が形成されているため、導体部31Aよりも大きい径を有する絶縁被覆部31Bが存在する被覆電線31の先端部P1を電線案内孔71Eに押し当てると、T字状の開口に接している一対の角部71Gが撓むことで、被覆電線31の先端部P1を電線案内孔71Eに貫通させて、導体露出部P3に露出している導体部31Aを電線案内孔71Eに位置させることができる。
【0075】
そこで、実施の形態3と同様に、導体露出部P3の導体部31Aを、電線案内孔71Eから連通開口部71Fに沿って電線挿入孔71Dまでスライドし、折り返し線Lに沿ってシート状導電部材71の第2シート部73を折り返す。これにより、複数の被覆電線31の先端部P1が、シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出した状態となる。
その後、第1インシュレータ82の複数のボス12Eを-Z方向からシート状導電部材71の貫通孔21Fに貫通させ、さらに、第2インシュレータ83の固定孔13Eに貫通させ、第1インシュレータ82と第2インシュレータ83を互いに固定してコネクタ81を形成することで、
図31に示されるコネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0076】
図33に示されるように、実施の形態3と同様に、被覆電線31の導体露出部P3に露出している導体部31Aが、二つ折りにされたフレキシブル導体21Bの間に挟まれる。そして、フレキシブル導体21Bは、第1インシュレータ82の第1保持面62Bに形成されている複数のリブ62Fと第2インシュレータ83の第2保持面63Bに形成されているリブ63Fにより導体部31Aに密着され、電気的に接続される。
同様にして、複数のフレキシブル導体21Bが、複数の被覆電線31の導体部31Aにそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0077】
シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出する被覆電線31の先端部P1は、コネクタ81内において、第1インシュレータ82の電線収容溝82Cおよび第2インシュレータ83の電線収容溝83Cに収容される。
【0078】
このように、実施の形態4においても、被覆電線31の導体露出部P3に露出する導体部31Aを対応するフレキシブル導体21Bの電線接続領域21Cに接触させることにより、シート状導電部材71の表面に露出しているフレキシブル導体21Bに被覆電線31の導体部31Aを信頼性よく電気的に接続しながらも小型、特に、薄型のコネクタ組立体を実現することが可能となる。
また、シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出する被覆電線31の先端部P1において、導体部31Aが絶縁被覆部31Bにより覆われているので、互いに隣接する被覆電線31における導体部31Aの短絡を防止することができる。さらに、導体部31Aが、複数本の導体を撚り合わせて構成される、いわゆる撚り線からなる場合であっても、被覆電線31の先端部P1を覆う絶縁被覆部31Bにより、撚り線の先端が広がることが防止されるため、広がった導体による短絡が防止されるだけでなく、被覆電線31の取り扱い性が向上することとなる。
【0079】
なお、シート状導電部材71から-Y方向に向かって突出する被覆電線31の先端部P1において、導体部31Aを絶縁被覆部31Bにより覆う代わりに、実施の形態3のように、絶縁被覆部31Bが除去されることで露出している導体部31Aを、先端部P1としてシート状導電部材71から-Y方向に向かって突出させ、
図34に示されるように、突出している導体部31Aの外周を絶縁テープ91により覆う構成としても、互いに隣接する被覆電線31における導体部31Aの短絡を防止することが可能となる。
【0080】
この場合、
図34に示されるように、絶縁テープ91により覆われた導体部31Aを収容することができる構造の第1インシュレータ92および第2インシュレータ93を用いる必要がある。
【0081】
なお、上記の実施の形態1~4では、シート状導電部材21、51、71の表面に露出する3つのフレキシブル導体21Bが、3本の被覆電線31の導体部31Aに電気的に接続されているが、これに限るものではなく、同様にして、1つ以上のフレキシブル導体21Bを1本以上の被覆電線31の導体部31Aに電気的に接続することができる。
【0082】
また、上記の実施の形態1~4では、シート状導電部材21、51、71のフレキシブル導体21Bに接続される電線として、被覆電線31が用いられているが、外周が絶縁被覆部31Bにより覆われていない導体部31Aのみの電線をシート状導電部材21、51、71のフレキシブル導体21Bに接続することもできる。
【符号の説明】
【0083】
1 基板、2 第1コネクタ、3 電線、4 第2コネクタ、11,41,61,81 コネクタ、12,42,62,82,92 第1インシュレータ、12A,13A、42A,43A,62A,63A 平板部、12B 第1保持面、12C,12D,13C,13D,42C,42D,43C,43D,62C,63C,82C,83C 電線収容溝、12E ボス、13、43,63,83,93 第2インシュレータ、13B 第2保持面、13E 固定孔、21,51,71 シート状導電部材、21A 絶縁基材、21B フレキシブル導体、21C,51C 電線接続領域、21D,21E,51D,51E,71D 電線挿入孔、21F 貫通孔、22,52,72 第1シート部、22A,52A,72A 被保持部、22B,52B,72B 延伸部、23,53,73 第2シート部、31 被覆電線、31A 導体部、31B 絶縁被覆部、62F,63F リブ、71E 電線案内孔、71F 連通開口部、71G 角部、91 絶縁テープ、P1 先端部、P2 基端部、P3 導体露出部、L 折り返し線、S1 径、S2 幅、S3 開口幅。