(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079156
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】防振装置
(51)【国際特許分類】
F16F 15/08 20060101AFI20240604BHJP
F16F 3/10 20060101ALI20240604BHJP
B60K 5/12 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F16F15/08 C
F16F15/08 W
F16F3/10 Z
B60K5/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191915
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 太希
【テーマコード(参考)】
3D235
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3D235BB23
3D235CC01
3D235EE09
3J048AA01
3J048AD11
3J048BA18
3J048DA01
3J048EA01
3J059AA04
3J059AB11
3J059BA65
3J059BB04
3J059BC06
3J059BD01
3J059BD05
3J059BD06
3J059CA14
3J059DA13
3J059GA09
(57)【要約】
【課題】防振性能に対するストッパ部材の影響を制御しつつ、車両等への装着前にも別体のストッパ部材を収容凹所に安定して保持可能とした、新規な構造の防振装置を提供する。
【解決手段】軸方向に開口する収容凹所34に別体のストッパ部材14が収容された防振装置10において、収容凹所34の開口部分には、内周へ突出する抜止部42が設けられている。外形が略四角形とされたストッパ部材14には四角部分から外周へ突出するリップ状部56が設けられており、リップ状部56が、抜止部42よりも奥方で収容凹所34内に位置して、抜止部42と軸方向の投影において重なり合っている。ストッパ部材14にはロッド挿通孔46が軸方向に貫通形成されており、ストッパ部材14の外周面における一対の対辺部分52,52が、リップ状部56,56の間におけるロッド挿通孔46の両外側まで広がる領域で、収容凹所34の内周面から内周へ離隔している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、
該第二の取付部材における筒状部の内周で軸方向に開口する収容凹所に対して別体のストッパ部材が収容された防振装置において、
前記収容凹所の開口部分には内周へ突出する抜止部が設けられており、
前記ストッパ部材の外形が略四角形とされて、該ストッパ部材には四角部分から外周へ向けて突出するリップ状部が設けられており、
該リップ状部が該収容凹所における該抜止部よりも奥方に位置していると共に、該リップ状部が該抜止部に対して軸方向の投影において重なり合っており、
該ストッパ部材には、前記第一の取付部材に固定されるロッド部材が挿通されるロッド挿通孔が軸方向に貫通して形成されており、
該ストッパ部材の外周面における軸直角方向の両側に位置する一対の対辺部分が、該リップ状部の間における該ロッド挿通孔の両外側まで広がる領域で、該収容凹所の内周面に対して内周へ離隔している防振装置。
【請求項2】
前記ストッパ部材の外周面における前記一対の対辺部分の周方向間に位置する他の一対の対辺部分が、前記収容凹所の内周面に対して当接している請求項1に記載の防振装置。
【請求項3】
前記ストッパ部材における前記一対の対辺部分の曲率の大きさが、前記収容凹所の内周面における該一対の対辺部分との対向部分の曲率の大きさよりも小さくされている請求項1又は2に記載の防振装置。
【請求項4】
前記ストッパ部材の前記一対の対辺部分が平面状とされており、
前記収容凹所の内周面における該一対の対辺部分との対向部分が内周へ向けて凹となる湾曲面で構成されている請求項3に記載の防振装置。
【請求項5】
前記ストッパ部材の前記一対の対辺部分には、該ストッパ部材の周方向で部分的な凹部が形成されていない請求項1又は2に記載の防振装置。
【請求項6】
前記リップ状部が軸方向に連続して延びている請求項1又は2に記載の防振装置。
【請求項7】
軸方向視における前記リップ状部の前記抜止部における前記収容凹所の壁部に対するオーバーラップ代が、該リップ状部の突出高さに対する70~100%の範囲内とされている請求項1又は2に記載の防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンマウントなどに用いられる防振装置に係り、特に、第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向での相対変位量を制限する別体のストッパ部材を備えた防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結する防振連結体乃至は防振支持体の一種として、防振装置が知られている。防振装置は、例えば、特許第5543047号公報(特許文献1)に示されているように、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材とを、本体ゴム弾性体によって相互に弾性連結した構造を有している。
【0003】
また、第二の取付部材の内周側には収容凹所が形成されて、収容凹所に別体のストッパ部材が配設されており、第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向での相対変位量がストッパ部材を介した当接によって制限されるようになっている。
【0004】
ところで、特許文献1に記載された防振装置では、車両等に装着される前の防振装置単体において、ストッパ部材が収容凹所から脱落することなく保持される必要がある。特許文献1では、収容凹所の開口部分に開口側へ向けて内周へ傾斜する抜止部としての弾性テーパ部が設けられており、外周へ突出するストッパ部材のストッパ突部が、弾性テーパ部よりも奥方に差し入れられた状態で、軸方向の投影において弾性テーパ部と重なり合っている。これにより、ストッパ突部と弾性テーパ部との係止によって、ストッパ部材の収容凹所からの脱落が防止されて、ストッパ部材が収容凹所内に保持される。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、例えば
図2,
図3に示されているように、ストッパ部材のストッパ突部が収容凹所の内周面に当接している場合があり、その場合には、ストッパ部材が車両前後方向となる軸直角方向(
図2,
図3中の左右方向)のばね特性に影響して、防振装置の車両前後方向のばねが硬くなってしまう。その結果、アイドリング振動に対する振動絶縁作用等の防振性能に悪影響を及ぼすことも考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決課題は、防振性能に対するストッパ部材の影響を制御しつつ、車両等への装着前にも別体のストッパ部材を収容凹所に安定して保持することが可能とされた、新規な構造の防振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0009】
第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、該第二の取付部材における筒状部の内周で軸方向に開口する収容凹所に対して別体のストッパ部材が収容された防振装置において、前記収容凹所の開口部分には内周へ突出する抜止部が設けられており、前記ストッパ部材の外形が略四角形とされて、該ストッパ部材には四角部分から外周へ向けて突出するリップ状部が設けられており、該リップ状部が該収容凹所における該抜止部よりも奥方に位置していると共に、該リップ状部が該抜止部に対して軸方向の投影において重なり合っており、該ストッパ部材には、前記第一の取付部材に固定されるロッド部材が挿通されるロッド挿通孔が軸方向に貫通して形成されており、該ストッパ部材の外周面における軸直角方向の両側に位置する一対の対辺部分が、該リップ状部の間における該ロッド挿通孔の両外側まで広がる領域で、該収容凹所の内周面に対して内周へ離隔しているものである。
【0010】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、収容凹所の開口部分の内周面に設けられた抜止部よりも奥方に位置するリップ状部が、抜止部に対して軸方向で引っ掛かることにより、リップ状部を備えるストッパ部材が収容凹所から容易に脱落しない。それゆえ、車両等に装着される前の単体状態の防振装置において、ストッパ部材が収容凹所内に保持されて、防振装置の輸送や管理が容易になる。
【0011】
ストッパ部材は、四角部分に突出形成されたリップ状部において、抜止部と軸方向の投影で重なり合っており、ストッパ部材の外周面は、リップ状部の周方向間で軸直角方向の両側に位置する一対の対辺部分が、収容凹所の内周面から離隔している。これにより、一対の対辺部分が位置する軸直角方向において、ストッパ部材が防振装置のばね特性に影響し難く、当該軸直角方向において低ばね特性を実現し易くなる。しかも、ストッパ部材の一対の対辺部分と収容凹所の内周面は、ロッド挿通孔の両外側まで広がる広い範囲に亘って相互に離隔していることから、一対の対辺部分と収容凹所の内周面との離隔による軸直角方向での低ばね化が有効に実現される。
【0012】
第二の態様は、第一の態様に記載された防振装置において、前記ストッパ部材の外周面における前記一対の対辺部分の周方向間に位置する他の一対の対辺部分が、前記収容凹所の内周面に対して当接しているものである。
【0013】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、相互に略直交する軸直角二方向において、ストッパ部材の外周面と収容凹所の内周面との離隔による低ばね特性と、ストッパ部材の外周面と収容凹所の内周面との当接による高ばね特性とが、それぞれ実現される。それゆえ、軸直角二方向のばね比を大きく設定することが可能であり、ばね特性のチューニング自由度を大きく得ることができる。
【0014】
第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された防振装置において、前記ストッパ部材における前記一対の対辺部分の曲率の大きさが、前記収容凹所の内周面における該一対の対辺部分との対向部分の曲率の大きさよりも小さくされているものである。
【0015】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、例えば、ストッパ部材の一対の対辺部分と収容凹所の内周面とが何れも内周側へ向けて凹又は凸となる湾曲面であったとしても、曲率の違いによって、それらストッパ部材の一対の対辺部分と収容凹所の内周面とを相互に離隔させることができる。
【0016】
第四の態様は、第三の態様に記載された防振装置において、前記ストッパ部材の前記一対の対辺部分が平面状とされており、前記収容凹所の内周面における該一対の対辺部分との対向部分が内周へ向けて凹となる湾曲面で構成されているものである。
【0017】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、ストッパ部材の一対の対辺部分と収容凹所の内周面との形状の違いによって、それら一対の対辺部分と収容凹所の内周面とを相互により確実に離隔させることができる。
【0018】
第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載された防振装置において、前記ストッパ部材の前記一対の対辺部分には、該ストッパ部材の周方向で部分的な凹所が形成されていないものである。
【0019】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、一対の対辺部分に部分的な凹所が形成されていないことによって、一対の対辺部分で構成されるストッパ面の有効面積が大きく確保されて、ストッパ荷重に対する優れた耐荷重性が実現される。また、一対の対辺部分において急激な断面形状の変化がないことによって、ストッパ荷重の作用時において応力集中に起因する亀裂の発生なども問題になり難い。
【0020】
第六の態様は、第一~第五の何れか1つの態様に記載された防振装置において、前記リップ状部が軸方向に連続して延びているものである。
【0021】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、リップ状部の突出方向でのばねを柔らかく設定しながら、軸方向の入力に対するリップ状部の変形剛性を大きく設定することができる。それゆえ、ストッパ部材を備える防振装置において、軸直角方向のばね特性を柔らかく設定しながら、軸方向の抜けを有効に防止することができる。
【0022】
第七の態様は、第一~第六の何れか1つの態様に記載された防振装置において、軸方向視における前記リップ状部の前記抜止部における前記収容凹所の壁部に対するオーバーラップ代が、該リップ状部の突出高さに対する70~100%の範囲内とされているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされた防振装置によれば、リップ状部を抜止部を乗り越えて奥側まで挿入し易くしながら、リップ状部の抜止部への当接によるストッパ部材の収容凹所からの抜出し防止効果を有効に得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、別体のストッパ部材を備えた防振装置において、防振性能に対するストッパ部材の影響を制御しつつ、車両等への装着前にも別体のストッパ部材を収容凹所に安定して保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す平面図
【
図5】
図1に示されたエンジンマウントを構成するマウント本体の斜視図
【
図6】
図5に示されたマウント本体を別の角度で示す斜視図
【
図7】
図5に示されたマウント本体の縦断面図であって、
図8のVII-VII断面に相当する図
【
図10】
図1に示されたエンジンマウントを構成するストッパゴムの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1~
図4には、本発明に従う構造とされた防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、防振装置本体としてのマウント本体12にストッパ部材14が取り付けられた構造とされている。また、マウント本体12は、
図5~
図8に示すように、第一の取付部材16と第二の取付部材18が本体ゴム弾性体20で連結された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とはマウント中心軸方向である
図3中の上下方向を、前後方向とは
図1中の上下方向を、左右方向とは
図1中の左右方向を、それぞれ言う。なお、上記したエンジンマウント10の各方向は、エンジンマウント10が装着される車両の各方向とは、必ずしも一致しない。
【0028】
第一の取付部材16は、軸方向視で角丸の略四角形状を呈しており、鉄やアルミニウム合金などの板材で形成された高剛性の部材であって、内周端部と外周端部がそれぞれ略軸直角方向に広がっていると共に、軸直角方向の中間部分が外周へ向けて上傾するテーパ形状とされている。また、第一の取付部材16の中央部分には、上下に貫通する円形のボルト挿通孔22が形成されている。第一の取付部材16は、例えば、
図3に示すように、パワーユニット側の部材であるロッド部材24が、ボルト挿通孔22に挿通されてボルト固定されることにより、パワーユニット側に取り付けられる。
【0029】
第二の取付部材18は、第一の取付部材16と同様に金属などで形成された高剛性の部材であって、角部を円弧状に丸められた略四角断面で軸方向に延びる筒状部26と、筒状部26の上端から軸直角方向で外方に向かって広がるフランジ部28とを、一体で備えている。なお、フランジ部28は左右両側部分において前後両側部分よりも外周へ大きく突出しており、大きく張り出した左右両側部分にそれぞれボルト孔30が貫通形成されている。第二の取付部材18は、車両ボデーの取付部32に対してフランジ部28が重ね合わされて、ボルト孔30,30を利用してボルト固定されることにより、車両ボデー側に取り付けられるようになっている。
【0030】
そして、第一の取付部材16が第二の取付部材18の上方に離隔して配置されて、それら第一の取付部材16と第二の取付部材18が本体ゴム弾性体20によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体20は、角部を丸められた略四角錐台形状とされており、小径側の端部が第一の取付部材16の下面に加硫接着されていると共に、大径側の端部が第二の取付部材18の筒状部26及びフランジ部28に加硫接着されている。本体ゴム弾性体20は、第一の取付部材16と第二の取付部材18を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0031】
本体ゴム弾性体20には、下方に開口する凹所が形成されており、第二の取付部材18の筒状部26を通じて下方に開口している。これにより、筒状部26の内周側には、軸方向視で略四角形状の収容凹所34が、軸方向下方に開口して形成されている。収容凹所34は、上底壁の外周部分が本体ゴム弾性体20単体によって構成されて変形可能とされていると共に、上底壁の内周部分と周壁には第一の取付部材16と第二の取付部材18の各一方が固着されており、それら上底壁の内周部分と周壁との変形が制限されている。
【0032】
本実施形態では、本体ゴム弾性体20が第一の取付部材16の中央部分には固着されておらず、第一の取付部材16のボルト挿通孔22とその周縁部分が本体ゴム弾性体20の中心孔を通じて収容凹所34に露出している。これにより、下方から収容凹所34に差し入れられたロッド部材24は、ねじ山が形成された先端部分が第一の取付部材16のボルト挿通孔22に挿通されると共に、ボルト挿通孔22への挿通部分よりも下方に設けられた段差が第一の取付部材16におけるボルト挿通孔22の周縁部に下方から突き当てられるようになっている。そして、先端部分にナット36が螺着されることによって、第一の取付部材16がロッド部材24の段差とナット36の間で挟まれて、第一の取付部材16とロッド部材24が軸方向で位置決めされた状態で相互に固定される。
【0033】
本体ゴム弾性体20の下部は、収容凹所34の形成によって、第二の取付部材18の筒状部26の内周面を覆う薄肉筒状の被覆ゴム層38とされている。被覆ゴム層38は、第二の取付部材18における筒状部26の内周面に被着形成されており、収容凹所34の周壁内面を構成している。本実施形態の本体ゴム弾性体20は、筒状部26の外周面及び下面も覆っており、当該筒状部26の外周面及び下面を覆う部分が被覆ゴム層38と一体的に連続している。
【0034】
本体ゴム弾性体20で構成された収容凹所34の周壁内面には、案内突条40が設けられている。案内突条40は、
図6~
図8に示すように、収容凹所34の開口端から軸方向に略一定の半円形断面で延びており、収容凹所34の周壁部において前後両側の内面において、それぞれ周方向(左右方向)で相互に離れた一対が形成されている。前側に位置する一対の案内突条40,40は、ストッパ部材14の後述する前側のガイド突部48の幅寸法に対応する距離だけ相互に離れて形成されている。同様に、後側に位置する一対の案内突条40,40は、ストッパ部材14の後述する後側のガイド突部48の幅寸法に対応する距離だけ相互に離れて形成されている。
【0035】
収容凹所34の開口部分には、
図6~
図8に示すように、周壁の四隅部分にそれぞれ抜止部42が設けられている。抜止部42は、収容凹所34の四隅部分において肉盛状に形成されて内周へ突出しており、内周面がテーパ面44によって構成されている。テーパ面44は、
図9にも示すように、開口側へ向けて内周へ傾斜しており、テーパ面44を内周に備える抜止部42は、径方向の厚さ寸法が収容凹所34の開口側である下方に向けて次第に大きくなっている。収容凹所34の四隅部分における内径寸法は、抜止部42の形成部分において、抜止部42を奥方へ外れた部分よりも小さくされている。また、収容凹所34の四隅部分における周壁の厚さ寸法は、抜止部42の形成部分において、抜止部42を奥方へ外れた部分よりも大きくされている。
【0036】
テーパ面44を備える抜止部42は、収容凹所34の上底側(奥方)の端縁(基端)が、第二の取付部材18の筒状部26の内周面上に位置していると共に、収容凹所34の開口側の端縁(先端)が筒状部26よりも軸方向外側(下側)まで延びている。これにより、抜止部42は、基端部分が筒状部26によって拘束されて外周側への弾性変形を制限されていると共に、先端部分が外周側への弾性変形を許容されている。
【0037】
マウント本体12には、別体のストッパ部材14が取り付けられている。ストッパ部材14は、
図10~
図14に示すように、全体がゴム弾性体で一体形成されており、逆向きの略有底四角筒形状とされている。ストッパ部材14は、上底壁部を上下に貫通するロッド挿通孔46が形成されており、ロッド部材24がロッド挿通孔46に挿通可能とされている。ストッパ部材14は、上方へ向けて突出する円筒状部47を有しており、ロッド挿通孔46が当該円筒状部47の内腔を含んで構成されている。なお、ストッパ部材は、ゴムやエラストマ等の弾性体で形成されていることが望ましいが、例えば、金属や硬質の合成樹脂で形成された補強材が弾性体の内部に埋設されていてもよいし、ストッパ部材の全体が硬質とされていても良い。
【0038】
ストッパ部材14には、一対のガイド突部48,48が設けられている。ガイド突部48は、ストッパ部材14の前後の両側に設けられており、周方向(左右方向)に所定の幅をもって軸方向に連続している。ガイド突部48の上端面は、前後外方に向けて下傾するテーパ形状とされている。ガイド突部48の前後外面は、前後方向に対して略直交して広がる平面状とされている。ガイド突部48,48は、ストッパ部材14の外周面における前後一対の対辺部分を構成している。
【0039】
ストッパ部材14の上部には、左右両側へ突出するストッパ突部50,50が形成されている。ストッパ突部50は、上面が突出先端へ向けて下傾する傾斜面とされていると共に、下面が突出先端へ向けて上傾する傾斜面とされており、突出先端へ向けて上下方向で幅狭となる先細形状とされている。ストッパ突部50の突出先端は、左右方向に対して略直交して広がる平面状の中間先端面52を有している。中間先端面52は、ストッパ部材14の上部の外周面において左右両側に位置する対辺部分を構成している。中間先端面52は、全体が略平面とされており、部分的な凹部や凸部が形成されていない。ストッパ突部50の基端部には、上面に開口して前後方向の全長に亘って連続して延びる凹溝54が形成されている。本実施形態の凹溝54は、略一定の半円形断面で直線的に延びている。
【0040】
ストッパ突部50の先端面の前後両端部分には、
図10,
図11,
図14等に示されているように、リップ状部56が突出形成されている。リップ状部56は、外周へ向けて突出しており、ストッパ突部50,50で構成されたストッパ部材14の上部の四角部分にそれぞれ一体形成されている。本実施形態のリップ状部56は、軸方向に連続して延びており、軸方向で直線的に延びている。リップ状部56は、突出先端へ向けて断面積が小さくなる先細形状であることが望ましく、本実施形態では軸直角方向の断面形状が略半円形断面とされることによって、突出先端側へ向けて周方向で幅狭となっている。本実施形態のリップ状部56は、左右方向の両外側へ向けて突出しており、前後方向外側の端面がストッパ突部50の前後方向外側の端面に対して前後外側には突出していない。リップ状部56の上面は、ストッパ突部50の上面と連続しており、左右外方へ向けて下傾する傾斜面とされている。ストッパ突部50の突出先端面である中間先端面52は、ストッパ突部50の前後両端部に突出するリップ状部56,56の前後方向間に設けられている。
【0041】
なお、本実施形態のストッパ部材14は、ガイド突部48とストッパ突部50を除いた本体部分が軸方向視で略長方形の外形を有しており、長手方向の対辺部分において一対のガイド突部48,48が設けられていると共に、短手方向の対辺部分において一対のストッパ突部50,50が設けられている。ストッパ突部50の突出寸法は、ガイド突部48の突出寸法よりも大きくされており、ストッパ部材14は、ストッパ突部50が設けられた左右方向においてガイド突部48が設けられた前後方向よりも厚肉とされている。
【0042】
また、ストッパ部材14の本体部分における各角部の下端部には、下方に向けて開口する切欠き58が形成されている。切欠き58が形成されることによって、薄肉とされたストッパ部材14の下部において、歪の低減や応力伝達の遮断などが図られている。本実施形態の切欠き58は、内面が滑らかな湾曲面とされており、ストッパ部材14の変形時に切欠き58の内面における応力の集中が緩和されるようになっている。
【0043】
このような構造とされたストッパ部材14は、マウント本体12の収容凹所34に対して下方から差し入れられて収容されている。ストッパ部材14は、ガイド突部48が収容凹所34の内周面に突出する案内突条40,40の間に差し入れられることで、収容凹所34に対する左右方向の位置が規定されると共に、案内突条40,40によって軸方向に案内されることから、収容凹所34に対する適切な挿入が容易とされている。
図2,
図4に示すように、ストッパ部材14のガイド突部48は、左右方向で隣り合う案内突条40,40の間において、収容凹所34の周壁内面に対して略隙間なく重ね合わされており、好適には収容凹所34の周壁内面に当接している。
【0044】
ストッパ部材14の四角に設けられた各リップ状部56は、収容凹所34の開口部分の四隅に設けられた各抜止部42を乗り越えて、抜止部42よりも収容凹所34の奥方に位置しており、ストッパ突部50,50が抜止部42よりも奥方で収容凹所34に収容されている。これにより、
図2,
図15に示すように、リップ状部56は、抜止部42に対して軸方向の投影において重なり合っている。リップ状部56は、抜止部42に対して、全体が軸方向で重なり合っていてもよいし、部分的に軸方向で重なり合っていてもよい。好適には、軸方向視におけるリップ状部56の抜止部42に対するオーバーラップ代h(
図15参照)は、リップ状部56の最大突出高さH(
図15参照)に対する70~100%の範囲内とされ、より好適には80~90%の範囲内とされている。なお、
図15では、ストッパ突部50とリップ状部56の境界が二点鎖線で仮想的に示されている。
図15に示すように、ストッパ突部50は、抜止部42に対して軸方向でオーバーラップすることなく内周側に離れており、リップ状部56だけが抜止部42に対して軸方向でオーバーラップしている。
【0045】
本実施形態のリップ状部56の上面は、ストッパ突部50の上面と連続する傾斜面で構成されていることから、ストッパ部材14を収容凹所34に差し入れる際に、リップ状部56がテーパ面44を備えた抜止部42を乗り越え易くなっている。
【0046】
収容凹所34における抜止部42よりも奥方に差し入れられたストッパ突部50は、前後両端に設けられたリップ状部56,56の間の中間先端面52が、収容凹所34の内周面に対して左右内方に離隔している。また、ストッパ突部50の前後両側面は、収容凹所34の内周面に対して前後内方に離隔している。リップ状部56の間に位置する中間先端面52は、ロッド挿通孔46の前後両外側まで広がる領域において、収容凹所34の内周面に対して左右内方に離隔している。要するに、
図2に示すように、中間先端面52が収容凹所34の内周面に対して左右内方に離隔する領域の前後幅寸法Wは、ロッド挿通孔46の前後方向の径寸法Rよりも大きくされている。
【0047】
なお、リップ状部56の突出先端は、抜止部42よりも奥方において収容凹所34の内周面に当接していてもよいし、離隔していてもよい。リップ状部56の突出先端が収容凹所34の内周面に当接していれば、マウント本体12に対するストッパ部材14の軸直角方向での位置をより安定して規定することができる。リップ状部56の突出先端が収容凹所34の内周面から離隔していれば、後述する左右方向のばねに対するストッパ部材14の影響がより低減されて、より柔らかいばね特性を実現し易くなる。本実施形態では、抜止部42よりも奥方において、リップ状部56が収容凹所34の内周面から内周側へ離隔しており、リップ状部56や前後側面を含むストッパ突部50の全体が収容凹所34の内周面から離隔している。
【0048】
マウント本体12と別体のストッパ部材14を組み合わせて構成されたエンジンマウント10は、車両に装着される前の単体状態において、ストッパ部材14がマウント本体12の収容凹所34から抜け出して脱落するのを防ぐ必要がある。ここにおいて、エンジンマウント10では、ストッパ部材14のリップ状部56が収容凹所34の開口部分に設けられた抜止部42に対して軸方向でオーバーラップしていることから、リップ状部56の抜止部42に対する軸方向での係止によって、ストッパ部材14の収容凹所34からの脱落が防止されている。従って、マウント本体12とストッパ部材14を一体的に取り扱うことができて、エンジンマウント10の保管や輸送等が容易になる。
【0049】
エンジンマウント10において、ストッパ部材14のマウント本体12からの脱落を防止する抜止め構造は、ストッパ部材14及び収容凹所34の四隅部分に設けられている。これにより、軸方向での係止による抜止め構造が全周に亘って設けられる場合に比して、ストッパ部材14の収容凹所34への挿入作業を過度に困難にすることなく、安定した抜止効果を得ることができる。
【0050】
軸方向視におけるリップ状部56の抜止部42に対するオーバーラップ代hが、リップ状部56の最大突出高さHに対する70~100%の範囲内とされていることにより、ストッパ部材14を収容凹所34に差し入れてマウント本体12に組み付ける際に、リップ状部56が抜止部42を乗り越え易く、且つ、リップ状部56と抜止部42との当接によるストッパ部材14の収容凹所34からの抜出しを有効に防止することができる。
【0051】
エンジンマウント10は、車両への装着状態において、左右方向(車両の前後方向)に大荷重が入力されると、ストッパ部材14のストッパ突部50がマウント本体12の収容凹所34の周壁に当接することで、第一の取付部材16と第二の取付部材18の左右方向での相対変位量を制限するストッパ作用が発揮される。これにより、第一の取付部材16と第二の取付部材18を連結する本体ゴム弾性体20の過度な変形が防止されて、本体ゴム弾性体20の耐久性の向上が図られる。なお、左右方向の大荷重は、例えば、車両の急加速及び急減速によってエンジンマウント10に入力され得る。
【0052】
ストッパ突部50は、左右外方へ突出したリップ状部56において収容凹所34の周壁に対して優先的に当接し、その後、リップ状部56の圧縮変形量が十分に大きくなることで、リップ状部56,56間においてストッパ突部50の中間先端面52が収容凹所34の周壁に当接する。このように、ストッパ突部50が収容凹所34の周壁に対してリップ状部56の形成部分とリップ状部56を外れた部分とで段階的に当接することにより、ストッパ突部50と収容凹所34の周壁との当接による衝撃が緩和されて、乗り心地等への影響が抑えられる。
【0053】
ストッパ突部50の前後側面は、収容凹所34の内周面から前後内方へ離隔しており、収容凹所34の内周面によって拘束されない自由表面とされている。それゆえ、ストッパ突部50の左右先端が収容凹所34の周壁に当接して、ストッパ突部50が左右方向で圧縮される際に、ストッパ突部50が前後側面における膨出変形を許容されることから、比較的に柔らかいばね特性が実現される。
【0054】
一方、車両に装着されたエンジンマウント10に対して、前後方向(車両の左右方向)の大荷重が入力されると、ストッパ部材14のガイド突部48がマウント本体12の収容凹所34の周壁に押し当てられて圧縮されることで、第一の取付部材16と第二の取付部材18の前後方向での相対変位量を制限するストッパ作用が発揮される。これにより、第一の取付部材16と第二の取付部材18を連結する本体ゴム弾性体20の過度な変形が防止されて、本体ゴム弾性体20の耐久性の向上が図られる。なお、本実施形態において、ガイド突部48は、収容凹所34の内周面に予め当接していることから、ガイド突部48の圧縮によるストッパ作用が速やかに発揮される。
【0055】
また、エンジンマウント10に対してアイドリング振動等の小振幅振動が左右方向に入力される場合には、低動ばね特性による防振効果(振動絶縁作用)が有効に発揮される。即ち、ストッパ部材14におけるストッパ突部50の中間先端面52は、前後両端に設けられたリップ状部56,56の前後間において、収容凹所34の周壁に対して左右方向で離隔している。それゆえ、小振幅振動の入力時には、エンジンマウント10の左右方向のばね特性に対するストッパ部材14の影響が低減されて、エンジンマウント10の左右方向の低動ばね特性が実現され易くなっている。
【0056】
本実施形態では、前後のリップ状部56,56の間に位置する中間先端面52が、ロッド挿通孔46の前後両外側まで広がる領域で収容凹所34の内周面から左右内方に離隔している。このように、ストッパ突部50と収容凹所34の内周面との離隔領域が周方向の広い範囲に亘って確保されていることから、左右方向の小振幅振動の入力に際して、ストッパ部材14がエンジンマウント10のばね特性に影響し難い。本実施形態では、リップ状部56や前後側面を含むストッパ突部50の全体が収容凹所34の内周面に対して内周へ離れていることから、小振幅振動の左右方向での入力に際して、ストッパ部材14のばねが影響し難く、柔らかいばね特性が実現される。
【0057】
ストッパ突部50の中間先端面52と収容凹所34の内周面との対向間の隙間は、ストッパ突部50の中間先端面52の曲率の大きさが、収容凹所34の内周面における中間先端面52との対向部分の曲率の大きさよりも小さくされていることによって設定されている。特に本実施形態では、中間先端面52が略平面状とされており、収容凹所34の内周面における中間先端面52との対向部分が内周へ向けて凹となる周方向の湾曲面で構成されている。これにより、それら中間先端面52と収容凹所34の内周面との形状の違いによって、中間先端面52を収容凹所34の内周面に対して容易に左右内方に離隔位置させることができる。
【0058】
本実施形態のエンジンマウント10は、ストッパ部材14のガイド突部48,48が収容凹所34の周壁内面に対して近接又は当接していることから、前後方向では小振幅振動の入力に際しても、ストッパ部材14がエンジンマウント10のばね特性に影響し易くなっている。それゆえ、ストッパ部材14のばねを利用してエンジンマウント10の前後方向で硬いばね特性を設定することも可能であり、それによって、例えば車両の操縦安定性の向上等を実現することもできる。特に本実施形態では、ガイド突部48の突出先端部分が左右の案内突条40,40の間に当接状態で差し入れられていることから、ガイド突部48の突出先端部分の変形が案内突条40,40によって拘束されて、比較的に硬いばね特性を得易くなっている。
【0059】
なお、
図3では、エンジンマウント10の車両への装着態様を理解し易くするために、単体状態のエンジンマウント10に対して、パワーユニット側であるロッド部材24と車両ボデー側である取付部32とを二点鎖線で仮想的に示したが、実際の車両装着状態では、パワーユニットの分担支持荷重が下向きに作用することから、第一の取付部材16及びストッパ部材14が第二の取付部材18に対して下方に相対変位する。従って、エンジンマウント10の車両への装着状態において、ストッパ部材14のストッパ突部50,50は、第二の取付部材18の筒状部26と左右方向で対向して配置されており、ストッパ突部50,50の当接によって左右方向のストッパ荷重が作用する部分が、収容凹所34の周壁における筒状部26による補強部分で構成される。それゆえ、ストッパ荷重の作用による収容凹所34の周壁の変形が低減されている。
【0060】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、抜止部42は、必ずしも四隅部分だけに形成されていなくてもよく、リップ状部56と対応する部分に形成されていればよい。具体的には、例えば、抜止部42は、全周に亘って連続して環状に設けられ得る。
【0061】
抜止部42は、前記実施形態のように、収容凹所34の周壁内面を構成する被覆ゴム層38が収容凹所34の開口側に向かって厚肉とされることで設けられる他、例えば、筒状部26の下部が下方へ向けて小径となるテーパ状とされることで設けることも可能である。抜止部42の内周面は、収容凹所34の開口側へ向けて内周へ傾斜するテーパ面44であることが望ましいが、例えば、軸方向に非傾斜で延びる面で構成されていてもよいし、収容凹所34の開口側へ向けて外周へ傾斜する逆テーパ面で構成されていてもよい。
【0062】
リップ状部56は、必ずしもストッパ部材14の上部だけに形成されていなくてもよく、例えばストッパ部材14の外周面の軸方向全長に亘って形成されていてもよい。この場合には、ストッパ部材14の軸方向の全体が収容凹所34に対して抜止部42よりも奥方まで差し入れられることで、リップ状部56が抜止部42よりも奥方に配置される。
【0063】
リップ状部56は、例えば、四角外形形状とされたストッパ部材14の対角方向に突出して形成されていてもよいし、ストッパ部材14の四角部分において前後方向に突出していてもよい。リップ状部56の断面形状は特に限定されない。リップ状部56は、必ずしも軸方向に延びる形状とされていなくてもよく、例えばスポット的な突起状であってもよい。
【0064】
リップ状部56,56の間に位置する中間先端面52は、平面に限定されるものではなく、例えば、外周へ向けて凹又は凸となる湾曲面等であってもよい。また、中間先端面52と対向する収容凹所34の内周面は、内周へ向けて凹となる湾曲面に限定されず、例えば平面や内周へ向けて凸となる湾曲面等であってもよい。中間先端面52とそれに対向する収容凹所34の内周面は、何れの場合にも、曲率の違い、形状の違い、前後径寸法の違い等によって、ロッド挿通孔46を前後外方に外れた領域まで相互に離隔して対向配置される。
【0065】
収容凹所34は、軸方向視で四角形状に限定されるものではなく、例えば円形や四角形以外の多角形であっても良い。
【0066】
本発明の適用範囲は、エンジンマウントに限定されるものではなく、サブフレームマウントやボデーマウント、デフマウントなどとして用いられる防振装置にも適用され得る。また、本発明は、自動車用の防振装置にのみ適用されるものではなく、例えば、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両などに用いられる防振装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 エンジンマウント(防振装置 第一の実施形態)
12 マウント本体
14 ストッパ部材
16 第一の取付部材
18 第二の取付部材
20 本体ゴム弾性体
22 ボルト挿通孔
24 ロッド部材
26 筒状部
28 フランジ部
30 ボルト孔
32 取付部
34 収容凹所
36 ナット
38 被覆ゴム層
40 案内突条
42 抜止部
44 テーパ面
46 ロッド挿通孔
47 円筒状部
48 ガイド突部
50 ストッパ突部
52 中間先端面
54 凹溝
56 リップ状部
58 切欠き