(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079177
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20240604BHJP
F21V 21/04 20060101ALI20240604BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20240604BHJP
F21V 17/08 20060101ALI20240604BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240604BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240604BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V21/04 310
F21V21/30 500
F21V21/30 600
F21V17/08
F21V17/00 100
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191956
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】上田 崚介
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011AA08
3K011DA05
3K011GA02
3K011HA06
3K011JA01
(57)【要約】
【課題】取付部材の脱落を抑制できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、灯具1と、取付部材3とを備える。灯具1は、光を出射する。取付部材3は、天井RFの表面F1と裏面F2とのうちの裏面F2側から天井RFに接触することによって、灯具1を天井RFに取り付ける。灯具1は、第1孔21と、第2孔22とを有する。第1孔21には、取付部材3が装着される。第1孔21は、取付部材3の第1方向D1に沿ったスライドを案内する。第2孔22は、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って延びている。第2孔22は、第1孔21と繋がっている。第2方向D2における第2孔22の長さは、第2方向D2における第1孔21の長さよりも長い。灯具1は、規制部23を更に有する。規制部23は、第2孔22からの取付部材3の離脱を規制する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する灯具と、
天井の表面と裏面とのうちの前記裏面側から前記天井に接触することによって、前記灯具を前記天井に取り付ける取付部材と
を備え、
前記灯具は、
前記取付部材が装着され、前記取付部材の第1方向に沿ったスライドを案内する第1孔と、
前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びており、前記第1孔と繋がっている第2孔と
を有し、
前記第2方向における前記第2孔の長さは、前記第2方向における前記第1孔の長さよりも長く、
前記灯具は、前記第2孔からの前記取付部材の離脱を規制する規制部を更に有する、照明器具。
【請求項2】
前記規制部は、前記第2孔に配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記取付部材は、弾性を有する、請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記規制部は、前記第2方向における前記第2孔の一端部側及び他端部側の双方ではなく、前記第2孔の前記一端部側から、前記灯具に固定される、請求項3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された埋込型照明器具は、器具本体と、取付金具とを備える。器具本体は、縦スリット及び金具挿通用開口を有する。取付金具は、金具挿通用開口に挿通可能な略U字形部を有する。また、取付金具は、器具本体の内面に当接する操作部を、略U字形部のU字折曲部と反対側端部に有する。更に、金具挿通用開口を挿通可能であってU字折曲部を天井裏面に係止した状態で器具本体の外面に係止可能な係止爪が、取付金具において略U字形部の側片に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された埋込型照明器具では、埋込型照明器具が天井に設置された後に、状況によっては、取付金具が金具挿通用開口から脱落する可能性を否定できない。例えば、埋込型照明器具が天井裏の断熱材に覆われる場合、放熱のために、断熱材下側の空間を確保したり、ヒートシンクのサイズを大きくしたりすることが必要になることがある。この場合、埋込型照明器具の重量及びサイズが大きくなる。その結果、天井などに強い振動が発生した場合は、振動が取付金具および埋込型照明器具に伝わり、取付金具が金具挿通用開口から脱落する可能性を否定できない。また、埋込型照明器具が断熱材の重量によって圧迫される場合に、取付金具が金具挿通用開口から脱落する可能性を否定できない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、取付部材の脱落を抑制できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、灯具と、取付部材とを備える。灯具は、光を出射する。取付部材は、天井の表面と裏面とのうちの前記裏面側から前記天井に接触することによって、前記灯具を前記天井に取り付ける。前記灯具は、第1孔と、第2孔とを有する。第1孔には、前記取付部材が装着される。第1孔は、前記取付部材の第1方向に沿ったスライドを案内する。第2孔は、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びている。第2孔は、前記第1孔と繋がっている。前記第2方向における前記第2孔の長さは、前記第2方向における前記第1孔の長さよりも長い。前記灯具は、規制部を更に有する。規制部は、前記第2孔からの前記取付部材の離脱を規制する。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記規制部は、前記第2孔に配置されることが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記取付部材は、弾性を有することが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記規制部は、前記第2方向における前記第2孔の一端部側及び他端部側の双方ではなく、前記第2孔の前記一端部側から、前記灯具に固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取付部材の脱落を抑制できる照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る照明器具の取付部材、規制部、第1孔、及び、第2孔を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る照明器具の灯具から、取付部材及び規制部を分離した状態を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る照明器具の取付部材と壁部材の第1孔及び第2孔との寸法関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解を容易にするために、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とを記載している。一例として、X軸及びY軸は水平方向に略平行であり、Z軸は鉛直方向に略平行である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る照明器具100を示す斜視図である。
図1に示す照明器具100は光を出射する。照明器具100は、例えば、ダウンライトである。ダウンライトは、例えば、断熱施工対応形ダウンライト(S形ダウンライト)又は一般形ダウンライト(M形ダウンライト)である。照明器具100は、灯具1と、複数の取付部材3とを備える。複数の取付部材3は、灯具1に装着される。
図1の例では、照明器具100は2つの取付部材3を備える。灯具1は光を出射する。灯具1は、第1枠体5と、第1反射部材7と、第2枠体9と、ヒートシンク11とを有する。
【0014】
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
図2に示すように、灯具1は、天井RFの孔HLに挿入された状態で、複数の取付部材3によって天井RFに取り付けられる。具体的には、複数の取付部材3は、天井RFの表面F1と裏面F2とのうちの裏面F2側から天井RFに接触することによって、灯具1を天井RFに取り付ける。
図2の例では、複数の取付部材3は天井RFの裏面F2に当接している。取付部材3の素材は、例えば、金属である。この場合、金属は、例えば、鋼、ステンレス、銅、又は、真鍮である。
【0015】
灯具1は、第2反射部材13と、カバー15と、円板部材17と、光源19とを更に有する。
【0016】
光源19は光を出射する。光源19は、単数又は複数の発光素子を含む。発光素子は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、又は、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0017】
例えば、光源19を構成する複数の発光素子は、COB(Chip on Board)タイプであってもよいし、SMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。COBタイプでは、基板の実装面上で複数のLEDが蛍光体で封止されている。SMDタイプでは、LEDと蛍光体とを1ユニット化してLEDチップが形成され、複数のLEDチップが基板の実装面に載置され、基板の導電パターンに電気的に接続されている。
【0018】
光源19は、円板部材17に固定される。円板部材17は、略円板形状を有する。円板部材17は、ヒートシンク11の下端に配置される。ヒートシンク11は、複数のフィンによって放熱し、光源19の温度上昇を抑制する。
【0019】
第2反射部材13は、光源19が出射した光を反射する。少なくとも第2反射部材13の内面は、光源19が出射した光を効率良く反射するために、白色塗装、銀色塗装、又は光沢のある金属メッキなどの反射加工が施されていることが好ましい。第2反射部材13の素材が白色又は銀色等の光反射率の高い色彩を有していてもよい。
【0020】
第2反射部材13の内面の内径は、第2反射部材13の上端部から下端部に向かって漸次大きくなる。第2反射部材13は、中空の略円錐台形状を有する。例えば、第2反射部材13の内面は、放物面、楕円面、又は非球面により形成される。光源19は、第2反射部材13の上端部側に配置される。
【0021】
カバー15は、光源19と対向し、第2反射部材13の下端部側に配置される。カバー15は、光源19を覆う。カバー15は、光を透過させる材料からなる。カバー15は、例えば、光を拡散させる。カバー15の色彩は、例えば、白色の半透明である。カバー15は、白色半透明の他、光拡散材料を含有した樹脂で成形したり、透明材料で成形した後に表面に光拡散処理を施したりしてもよい。カバー15が光源19を覆うことにより、光源19に埃等の異物が付着し難くなる。
【0022】
第2枠体9は、略円筒形状を有する。第2枠体9の上端には、円板部材17が配置される。第2枠体9の下端には、カバー15が配置される。第2枠体9は、円板部材17、光源19、第2反射部材13、及び、カバー15を囲む。
【0023】
第1反射部材7は、光源19が出射した光を反射する。具体的には、第1反射部材7は、カバー15を透過した光を反射し、光を下方に照射する。第1反射部材7の内面は、第2反射部材13の内面と同様の構成をとり得る。第1反射部材7は、第2反射部材13の下方に配置される。カバー15は、第2反射部材13と第1反射部材7との間に配置される。
【0024】
第1反射部材7の内面の内径は、第1反射部材7の上端部から下端部に向かって漸次大きくなる。第1反射部材7は、中空の略円錐台形状を有する。例えば、第1反射部材7の内面は、放物面、楕円面、又は非球面により形成される。
【0025】
第1枠体5は、灯具1の最下部に配置される。第1枠体5は、筒部5a(
図1)と、鍔部5bとを含む。筒部5aは略円筒形状を有する。鍔部5bは略円環形状を有する。鍔部5bは、筒部5aの下端から径方向RD外側に張り出している。本実施形態では、径方向RDは、第1枠体5の中心線AXに対する径方向を示す。筒部5aは、灯具1が天井RFに取り付けられた状態で、孔HLに配置される。鍔部5bは、灯具1が天井RFに取り付けられた状態で、天井RFの表面F1に当接する。第1枠体5は、第1反射部材7の下端部を囲む。
【0026】
次に、
図3及び
図4を参照して、取付部材3に関連する構成について説明する。
図3は、取付部材3、規制部23、第1孔21、及び、第2孔22を示す斜視図である。
図4は、灯具1から、取付部材3及び規制部23を分離した状態を示す斜視図である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、灯具1は、規制部23、第1孔21、及び、第2孔22を更に有する。
図3の例では、灯具1は、壁部材24を更に有する。壁部材24は、略板状である。壁部材24の素材は、例えば、金属である。この場合、金属は、例えば、鋼、ステンレス、銅、又は、真鍮である。壁部材24は、例えば、板金である。
図3の例では、第1孔21及び第2孔22は、壁部材24に形成される。つまり、壁部材24が第1孔21及び第2孔22を有する。
【0028】
壁部材24は、ビス等の固定部材35によって、灯具本体50に固定される。具体的には、壁部材24は、灯具本体50の周面に固定される。壁部材24は、第1枠体5の下端側から、ヒートシンク11の下端側まで延びる。壁部材24は第1方向D1に沿って延びる。第1方向D1は、天井RFの表面F1(
図2)に略垂直である。また、第1方向D1は、中心線AX(
図2)に対して略平行である。
【0029】
なお、灯具本体50は、第1枠体5と、第1反射部材7と、第2枠体9と、ヒートシンク11と、第2反射部材13と、カバー15と、円板部材17と、光源19とを有する。灯具本体50は光を出射する。
【0030】
第1孔21には、取付部材3が装着される。第1孔21は、取付部材3の第1方向D1に沿ったスライドを案内する。第1孔21は、第1方向D1に沿って延びる。第1孔21は、略長方形形状を有する。第1孔21は開口である。
【0031】
第2孔22は、第1孔21の上端において、第1孔21と繋がっている。第2孔22は、第2方向D2に沿って延びている。第2方向D2は、第1方向D1に交差する。
図3の例では、第2方向D2は、第1方向D1に対して略直交する。
【0032】
第1孔21と第2孔22とは、孔25を構成する。孔25は、略T字形状を有する。
【0033】
図3に示すように、規制部23は、第2孔22からの取付部材3の離脱を規制する。従って、本実施形態によれば、灯具1からの取付部材3の脱落を抑制できる。規制部23の素材は、例えば、金属又は合成樹脂である。この場合、金属は、例えば、ステンレス、鋼、銅、又は、真鍮である。
【0034】
例えば、照明器具100が天井RFの裏面F2側に配置された断熱材に覆われる場合、放熱のために、断熱材下側の空間を確保したり、ヒートシンク11のサイズを大きくしたりすることが必要になることがある。その結果、照明器具100の重量及びサイズが大きくなることがある。この場合、一般的な照明器具では、天井などに強い振動が発生すると、取付部材が第1孔に沿って移動して第2孔から脱落する可能性を否定できない。これに対して、本実施形態では、規制部23を設けることで、照明器具100の重量及びサイズが大きくなった場合において、天井RFなどに強い振動が発生して取付部材3が第1孔21に沿って移動した場合でも、取付部材3が第2孔22を通して脱落することを抑制できる。また、例えば、照明器具100が断熱材の重量によって圧迫され、取付部材3が第1孔21に沿って移動した場合でも、取付部材3が第2孔22を通して脱落することを抑制できる。
【0035】
特に、本実施形態では、規制部23は第2孔22に配置される。従って、取付部材3が第2孔22を通して脱落することを効果的に抑制できる。
【0036】
更に、本実施形態では、規制部23は、弾性を有する。従って、第2孔22を規制部23によって容易に塞ぐことができる。その結果、取付部材3が第2孔22を通して脱落することをより効果的に抑制できる。また、規制部23が弾性を有することで、照明器具100の組立の際、規制部23が取り付けられた壁部材24を灯具本体50に固定した後でも、規制部23を弾性変形させて取付部材3を壁部材24に装着できるので、組立手順の自由度が高い。
【0037】
更に、本実施形態では、規制部23は、第2方向D2における第2孔22の一端部側及び他端部側の双方ではなく、第2方向D2における第2孔22の一端部側において、灯具1に固定される。従って、照明器具100の部品点数及び組立工数を削減できる。
図3の例では、規制部23は、第2孔22の一端部側において、壁部材24に固定される。
【0038】
詳細には、規制部23は、固定部231と、規制本体部232とを有する。固定部231は、略平板状である。固定部231は、ビス及びカシメピン等の固定部材27によって、第2孔22の一端部側において壁部材24に固定される。
【0039】
規制本体部232は、固定部231から第2方向D2に沿って延びる。規制本体部232は、固定部231に対して第2孔22の側に折れ曲がっている。規制本体部232は、好ましくは、弾性を有する。この場合、規制本体部232は、例えば、板バネである。規制本体部232は、第2孔22に配置される。そして、規制本体部232は、第2孔22を塞ぐ。従って、取付部材3が第2孔22を通して脱落することをより効果的に抑制できる。
【0040】
例えば、規制部23において、固定部231が壁部材24の表側に固定され、規制本体部232の先端(固定部231側の反対側)が第2孔22に挿入され壁部材24の裏側に配置される。その結果、規制本体部232をビス等の固定部材で壁部材24に固定する作業を省略できる。
【0041】
次に、
図2~
図4を参照して、取付部材3の詳細を説明する。
図2及び
図3に示すように、取付部材3が灯具1に装着された状態では、取付部材3は、第1孔21から突き出ている。具体的には、取付部材3は、壁部材24に対して斜め下方に向かって、第1孔21から突き出ている。
【0042】
図4に示すように、取付部材3は、爪部31と、操作部32とを有する。爪部31の先端は、略鋭角に尖っている。なお、尖っていることは、鋭く尖っていることだけでなく、面取りされていることを含む概念である。爪部31の基端には、操作部32が接続される。
図2に示すように、操作部32は、軸33の周りに回動可能である。つまり、操作部32は、手動によって、二点鎖線で示す非ロック状態と、実線で示すロック状態との間で回動可能である。
【0043】
図4に示すように、照明器具100を組み立てる際は、取付部材3の操作部32が非ロック状態にされて、第2孔22に差し込まれる。そして、取付部材3が、第2孔22から第1孔21に移動される。更に、操作部32がロック状態にされると、規制部23が壁部材24に固定され、規制部23が第1孔21に装着される。
【0044】
また、取付部材3の爪部31は、爪部本体311と、一対の当接部312とを有する。爪部本体311の先端は、略鋭角に尖っている。一対の当接部312は、爪部本体311の上縁から、爪部本体311に対して外側に張り出している。爪部本体311の上縁は、爪部本体311の基端側から斜め下方に延びている。当接部312は、弾性を有する。例えば、当接部312は、板バネである。
【0045】
図2に示すように、灯具1が天井RFの孔HLに挿入された状態で、取付部材3の操作部32はロック状態(実線)にされる。従って、第1孔21において、取付部材3の第1方向D1の位置が固定される。そして、爪部本体311の先端が天井RFの裏面F2に当接している。この場合、灯具1の自重に起因して、爪部本体311の先端は裏面F2を押下する。加えて、爪部31の当接部312が、壁部材24の外面に当接している(
図1)。この場合、灯具1の自重に起因して、当接部312は、弾性によって壁部材24を押圧する。その結果、取付部材3によって灯具1を天井RFに取り付けることができる。
【0046】
なお、取付部材3の操作部32をロック状態(実線)から非ロック状態(二点鎖線)にすることで、第1孔21において取付部材3の第1方向D1へのスライドが可能になる。従って、例えば、灯具1を天井RFから取り外す場合、又は、灯具1の取付状態を調整する場合には、操作部32を非ロック状態にする。
【0047】
また、取付部材3が壁部材24(第1孔21)に装着された状態において、爪部31は、第1孔21から、壁部材24の径方向RD外側に突き出ている。一方、取付部材3が壁部材24(第1孔21)に装着された状態において、操作部32は、壁部材24の径方向RD内側に位置する。つまり、この場合、操作部32は、壁部材24と灯具本体50との間に位置する。また、この場合、操作部32は、壁部材24の内面に当接している。
【0048】
図5は、取付部材3と壁部材24の第1孔21及び第2孔22との寸法関係を示す図である。
図5では、第1孔21及び第2孔22を
図2の方向Dから見ている。また、規制部23が灯具1から分離された状態で、規制部23を方向Dから見ている。更に、規制部23において、爪部31と操作部32とが分離された状態が示されている。
【0049】
図5に示すように、第2方向D2における第2孔22の長さL21は、第2方向D2における第1孔21の長さL11よりも長い。第1方向D1における第2孔22の長さL22は、第1方向D1における第1孔21の長さL12よりも短い。
【0050】
第2方向D2における操作部32の長さL3は、第2方向D2における第1孔21の長さL11よりも長い。従って、取付部材3が壁部材24(第1孔21)に装着された状態において、取付部材3が第1孔21を通して離脱することを抑制できる。
【0051】
第2方向D2における操作部32の長さL3は、第2方向D2における第2孔22の長さL21と略等しい。なお、操作部32の長さL3は、長さL11より長い限りにおいて、第2孔22の長さL21より短くてもよい。また、操作部32を第2孔22に差し込んで取付部材3を第1孔21に装着できる限りにおいて、操作部32の長さL3は、第2孔22の長さL21より長くてもよい。
【0052】
第2方向D2における爪部本体311の長さL5は、第2方向D2における第1孔21の長さL11よりも小さいか、長さL11と略等しい。従って、取付部材3は、第1孔21を第1方向D1に沿ってスライド可能である。
【0053】
一対の当接部312の第2方向D2における長さL4は、第2方向D2における第1孔21の長さL11よりも大きい。従って、一対の当接部312は壁部材24の外面に当接可能である。なお、一対の当接部312の長さL4は、一方の当接部312の第2方向D2の端から、他方の当接部312の第2方向D2の端までの長さを示す。
【0054】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0055】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0056】
(1)
図3に示すように、規制部23と壁部材24とは、別部品であった。ただし、規制部23と壁部材24とは、単一の部材によって構成されていてもよい。つまり、規制部23と壁部材24とは、一体成形品であってもよい。
【0057】
(2)
図3に示すように、第1孔21及び第2孔22は、壁部材24に形成されていた。ただし、第1孔21及び第2孔22が、灯具1に形成される限りにおいて、第1孔21及び第2孔22を形成する部材は特に限定されない。例えば、第1孔21及び第2孔22を形成するための部材が、専用部材であってもよいし、別の機能を有する部材と共用されていてもよい。
【0058】
(3)
図3に示すように、規制部23は、第2孔22を塞いでいた。ただし、第2孔22からの取付部材3の離脱を規制できる限りにおいて、規制部23の位置は特に限定されない。例えば、規制部23は、第2孔22に対して径方向RD外側に離れていてもよい。例えば、規制部23は、第1孔21に対して径方向RDに対向して配置されてもよい。この場合でも、例えば、規制部23が弾性を有すると、規制部23を変形させることで、取付部材3を第2孔22から第1孔21に移動できる。また、規制部23は、壁部材24に固定されていたが、灯具1に固定される限りにおいて、規制部23が固定される部材は特に限定されない。
【0059】
(4)
図3において、規制部23を壁部材24にビス等で回動自在に取り付けてもよい。具体的には、規制部23で第2孔22を開放する位置と閉塞する位置との間で、規制部23を回動可能に構成してもよい。この場合、規制部23が第2孔22を開放した状態のときに、取付部材3を第2孔22に挿入できる。取付部材3を第2孔22に挿入した後は、規制部23で第2孔22を閉塞し、取付部材3の脱落を抑制する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、照明器具に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0061】
1 灯具
3 取付部材
21 第1孔
22 第2孔
23 規制部
100 照明器具