(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079193
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240604BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/09 H
G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191990
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 安昭
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】野口 真史
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181LL04
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と、判定部とを備える。取得部は、車両の乗員が所持する携帯端末に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。判定部は、取得部によって取得されたセンサ情報に基づいて、乗員による危険運転を判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員が所持する携帯端末に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記乗員による危険運転を判定する判定部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部によって判定された前記危険運転に応じた通知を行う通知部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、
前記車両の走行先にある信号機を制御する制御装置に対して前記通知を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、
前記車両の周囲の他の車両に対して前記通知を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記車両の運転者、前記運転者の家族、および前記車両の周囲の人のうちの1以上に対して前記通知を行う
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、
前記車両の事故による損失の補償を行う保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上に対して前記通知を行う
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記センサ情報を入力とし、危険運転度合いを示す危険運転スコアを出力とする学習モデルを用いて、前記危険運転を判定し、
前記通知部は、
前記判定部によって判定された前記危険運転スコアを含む情報を前記危険運転に応じた通知として通知する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記危険運転の種類に応じて異なる通知を行う
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
車両の乗員が所持する携帯端末に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記乗員による危険運転を判定する判定工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
車両の乗員が所持する携帯端末に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記乗員による危険運転を判定する判定手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暴走運転などといった危険運転による事故を抑制する技術が知られている。例えば、特許文献1には、アクセルペダルが有効最大値範囲まで踏み込まれた場合に、ペダルアームと接触する位置に配置されたスイッチと、かかるスイッチの出力に基づいて、駆動力制御装置とブレーキ制御装置を制御する暴走防止装置とを有する暴走防止システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、スイッチや暴走防止装置などの追加のパーツを車両に取り付ける必要があり、かかる技術の導入が容易でないといった課題がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、スイッチや暴走防止装置などの追加のパーツの車両への取り付けを利用者Uに強いることなく、暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、判定部とを備える。取得部は、車両の乗員が所持する携帯端末に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。判定部は、取得部によって取得されたセンサ情報に基づいて、乗員による危険運転を判定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、スイッチや暴走防止装置などの追加のパーツの車両への取り付けを利用者Uに強いることなく、暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る携帯端末の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る乗員情報記憶部に記憶される乗員情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る制御装置における制御対象の特定および制御の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、インターネットなどのネットワークを介して各種のサービスを提供する。例えば、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援する事故防止支援サービスを提供する。
【0012】
図1に示すように、情報処理装置1は、車両3の乗員Oが所持する携帯端末2に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する(ステップS1)。携帯端末2に搭載されているセンサは、例えば、測位センサ(位置センサ)、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサなどである。携帯端末2は、携帯端末2に搭載されている各センサで検出される情報をセンサ情報として情報処理装置1に送信する。
【0013】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS1によって取得されたセンサ情報に基づいて、乗員Oによる危険運転を判定する(ステップS2)。危険運転は、例えば、暴走運転、蛇行運転、逆走運転、急加速、急減速、急ハンドルなどである。暴走運転は、車道の制限速度を超過したスピードでの車両3の運転であり、蛇行運転は、車道において車両3を蛇行させる運転であり、逆走運転は、車道において指定された方向とは逆方向への車両3の運転である。
【0014】
ステップS2において、情報処理装置1は、例えば、携帯端末2から送信される位置情報から車両3が走行している車道や車線などを特定する。また、情報処理装置1は、例えば、携帯端末2から送信される位置情報または加速度情報などから車両3の速度や加速度などを特定する。
【0015】
そして、情報処理装置1は、特定した車道や車線で規定されている制限速度と特定した車両3の速度とを比較することによって、車両3の運転が暴走運転であるか否かを判定する。例えば、情報処理装置1は、車両3の速度が制限速度を超過している時間が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定する。
【0016】
また、情報処理装置1は、車両3が急加速である場合や急減速である場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定する。例えば、情報処理装置1は、携帯端末2から送信される加速度情報に基づいて、車両3の正の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3が急加速であると判定し、車両3の負の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3が急減速であると判定することができる。
【0017】
また、情報処理装置1は、例えば、携帯端末2から送信される加速度情報などから車両3の左右方向への加速度を特定し、特定した車両3の左右方向への加速度と特定した車両3の速度とに基づいて、車両3の運転が蛇行運転であるか否かを判定する。情報処理装置1は、例えば、特定した車両3の位置の変化から車両3の運転が蛇行運転であるか否かを判定することもできる。
【0018】
また、情報処理装置1は、例えば、携帯端末2から送信される加速度情報などから車両3の左方向または右方向への加速度を特定し、特定した車両3の左方向または右方向への加速度に基づいて、急ハンドルであるか否かを判定することもできる。情報処理装置1は、特定した車両3の左方向または右方向への動きがある場合の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、急ハンドルであると判定することができる。情報処理装置1は、急ハンドルであると判定した場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定することができる。
【0019】
また、情報処理装置1は、特定した車道や車線で規定されている方向と特定した車両3の速度とに基づいて、車両3の運転が逆走運転であるか否かを判定する。例えば、情報処理装置1は、特定した車道や車線で規定されている方向と逆方向に車両3が走行している場合に、車両3の運転が逆走運転であると判定する。
【0020】
また、情報処理装置1は、センサ情報を入力とし、危険運転度合いを示す危険運転スコアを出力とする学習モデルを用いて、危険運転を判定することもできる。学習モデルは、例えば、センサ情報と運転状態を示す情報とを含む学習データを用いた機械学習によって生成される。運転状態を示す情報は、暴走運転であるか否かを示す情報、蛇行運転であるか否かを示す情報、逆走運転であるか否かを示す情報などである。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2で乗員Oによる危険運転があると判定した場合、ステップS2で判定した危険運転に応じた通知を通知対象に対して行う(ステップS3)。通知対象は、例えば、交通関係装置などである。
【0022】
交通関係装置は、車両3の周囲にある交通に関する装置であり、例えば、信号機5および電子交通標識6などを制御する制御装置4や、車両3とは異なる他の車両などである。信号機5は、交通信号機であり、進行許可、停止指示などを示す信号を発する。進行許可を示す信号は、例えば、青信号であり、停止指示を示す信号は、黄色信号や赤信号である。なお、信号機5は、矢印を示す信号を発することもできる。矢印を示す信号は、矢印の方向への進行許可を示す信号である。信号機5は、制御装置4からの制御によって、発する信号を変更する。
【0023】
電子交通標識6は、例えば、交通標識を表示するためのLED(Light-Emitting Diode)表示器などの表示器を含み、制御装置4からの制御などによって表示する交通標識を変更する。電子交通標識6で表示される交通標識は、例えば、進入禁止、一方通行、右折禁止、Uターン禁止などであるが、かかる例に限定されない。
【0024】
情報処理装置1は、車両3の走行先にある信号機5を制御する制御装置4を通知対象として危険運転に応じた通知を行う。例えば、情報処理装置1は、危険運転の状態にある車両3を特定する情報(例えば、車種やナンバー)、危険運転の状態にある車両3の走行位置と走行方向とを示す情報、および危険運転の種類を示す情報などを含む危険運転情報を制御装置4に通知する。危険運転の種類は、例えば、暴走運転、蛇行運転、逆走運転、急加速、急減速、急ハンドルなどである。
【0025】
制御装置4は、情報処理装置1から通知された危険運転情報に基づいて、信号機5および電子交通標識6のうちの少なくとも一方を制御する。例えば、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が暴走運転または蛇行運転であり、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が進行許可を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に維持する。
【0026】
また、制御装置4は、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が停止指示を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に変更し、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3が走行する道路と交差する道路を走行する車両3の交差点への進入を規制したり許可したりする信号機5の信号を、停止指示を示す信号に変更する。
【0027】
また、制御装置4は、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3が走行先の車道または車線に通じる車道の入り口にある電子交通標識6の表示を進入禁止の表示に変更する。
【0028】
また、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が逆走運転である場合、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が進行許可を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に維持する。
【0029】
また、制御装置4は、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が停止指示を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に変更し、逆走運転の状態にある車両3が走行する道路と交差する道路を走行する車両3の交差点への進入を規制したり許可したりする信号機5の信号を、停止指示を示す信号に変更する。
【0030】
また、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が逆走運転であり、逆走運転の状態にある車両3が走行している車線が車道の複数車線のうちの1つである場合、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある電子交通標識6の表示で示される進行方向を逆方向に変更することができる。
【0031】
また、情報処理装置1は、ステップS2において危険運転の状態であると判定した車両3の周囲の他の車両を通知対象としてステップS2で判定した危険運転に応じた通知を行うこともできる。例えば、情報処理装置1は、通知対象となる他の車両に対して危険運転情報を送信することで、他の車両に危険運転に応じた通知を行う。
【0032】
通知対象となる他の車両に対して送信される危険運転情報は、例えば、危険運転の状態にある車両3を特定する情報、危険運転の種類を示す情報、および危険運転の状態を示す情報などを含む。危険運転の状態は、ステップS2において危険運転の状態であると判定した車両3の走行位置、走行方向、および走行速度などを含む。また、危険運転情報は、上述した危険運転スコアを含んでいてもよい。
【0033】
通知対象である他の車両の車載装置は、情報処理装置1から取得した危険運転情報を表示したり、かかる危険運転情報に基づく表示を行ったりする。例えば、通知対象である他の車両の車載装置は、危険運転情報に基づく表示として、ステップS2において危険運転の状態であると判定した車両3の走行位置を示す情報や危険運転の種類を示す情報などを地図上に表示することもできる。
【0034】
また、情報処理装置1は、ステップS2において危険運転の状態であると判定した車両3である危険運転状態車両の運転者、かかる運転者の家族、または危険運転状態車両の周囲に存在する歩行者を通知対象としてステップS2で判定した危険運転に応じた通知を行う。
【0035】
例えば、情報処理装置1は、危険運転状態車両の運転者の携帯端末2、かかる運転者の家族の携帯端末7、または危険運転状態車両の周囲に存在する歩行者の携帯端末7を通知対象端末として危険運転情報を送信することもできる。通知対象端末は、通知対象である他の車両の車載装置と同様に、情報処理装置1から取得した危険運転情報を表示したり、かかる危険運転情報に基づく表示を行ったりすることができる。運転者の家族の携帯端末7に送信される危険運転情報には、例えば、上述した情報に加えて、危険運転が行われている車両3の運転者の情報(例えば、氏名、年齢)などの情報が含まれる。
【0036】
また、情報処理装置1は、危険運転状態車両の事故による損失の補償を行う保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上を通知対象として通知することができる。例えば、情報処理装置1は、保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上を通知対象として危険運転情報を送信することができる。
【0037】
このように、情報処理装置1は、車両3の乗員Oが所持する携帯端末2に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得し、かかるセンサ情報に基づいて、乗員Oによる危険運転を判定し、判定した危険運転に応じた通知を行う。これにより、情報処理装置1は、スイッチや暴走防止装置などの追加のパーツの車両3への取り付けを利用者Uに強いることなく、暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援することができる。
【0038】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および携帯端末2などを含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0039】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が含まれる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0040】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の携帯端末2と、複数の車両3と、制御装置4と、複数の信号機5と、複数の電子交通標識6と、複数の携帯端末7とを含む。
【0041】
情報処理装置1は、事故防止支援サービスを提供する。また、情報処理装置1は、ウェブ検索サービス、スケジュール管理サービス、経路案内サービス、路線情報提供サービス、動画配信サービス、音楽配信サービス、地図情報提供サービス、電子商取引サービスなどの各種のオンラインサービスも提供することができる。
【0042】
複数の携帯端末2の各々は、互いに異なる乗員Oによって用いられる。複数の携帯端末7の各々は、例えば、互いに異なる利用者Uによって用いられる。携帯端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはウェアラブルデバイスなどである。複数の携帯端末7の各々は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型のPC、デスクトップ型のPC、ウェアラブルデバイスなどであり、互いに異なる利用者U(例えば、乗員Oの家族や歩行者)によって用いられる。
【0043】
情報処理装置1、携帯端末2、車両3、制御装置4、携帯端末7、保険会社装置50、警察署装置51、および消防署装置52の各々は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。保険会社装置50は、例えば、保険会社の端末装置であり、警察署装置51は、例えば、警察署の端末装置であり、消防署装置52は、例えば、消防署の端末装置である。
【0044】
なお、
図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1が複数含まれてもよい。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0045】
各携帯端末2,7や各車両3などは、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0046】
〔3.携帯端末2〕
図3は、実施形態に係る携帯端末2の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、実施形態に係る携帯端末2は、通信部10と、表示部11と、操作部12と、センサ群13と、記憶部14と、処理部15とを備える。
【0047】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置1との間で情報の送受信を行う。
【0048】
〔3.2.表示部11〕
表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
【0049】
〔3.3.操作部12〕
操作部12は、例えば、文字、数字、およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボード、マウス、および電源ボタンなどを含む。表示部11は、タッチパネル対応ディスプレイである場合、操作部12はタッチパネルを含む。
【0050】
〔3.4.センサ群13〕
センサ群13は、例えば、測位センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、およびイメージセンサなどを含む。測位センサは、携帯端末2の位置を検出する位置センサである。かかる測位センサは、複数の衛星から送信される複数の測位信号を受信し、受信した複数の測位信号に基づいて、携帯端末2の現在位置を検出し、検出した携帯端末2の位置を示す位置情報をセンサ情報として出力する。
【0051】
位置情報は、例えば、携帯端末2の緯度および経度を示す情報である。衛星は、GPS(Global Positioning System)受またはガリレオなどのGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星である。なお、測位センサは、受信した複数の測位信号を含む測位情報をセンサ情報として出力することもできる。
【0052】
加速度センサは、携帯端末2に加わる加速度を検出するセンサであり、検出した携帯端末2に加わる加速度を示す加速度情報をセンサ情報として出力する。ジャイロセンサは、携帯端末2の傾きおよび回転などの姿勢を検出するセンサであり、検出した携帯端末2の傾きおよび回転などの姿勢を示す姿勢情報をセンサ情報として出力する。イメージセンサは、携帯端末2の周囲を撮像するセンサであり、撮像した携帯端末2の周囲の画像を示す画像情報をセンサ情報として出力する。
【0053】
〔3.5.記憶部14〕
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0054】
記憶部14には、例えば、情報処理装置1から送信されネットワークNおよび通信部10を介して処理部15によって取得された情報およびセンサ群13によって検出された情報であるセンサ情報などが記憶される。
【0055】
〔3.6.処理部15〕
処理部15は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、携帯端末2内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0056】
処理部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部15は、情報取得部16と、表示処理部17と、情報出力部18とを備える。
【0057】
携帯端末2には、例えば、事故防止支援サービス用のアプリケーションプログラム(以下、事故防止支援アプリと記載する場合がある)がインストールされており、かかる事故防止支援アプリによって、処理部15は、情報取得部16、表示処理部17、および情報出力部18などとして機能する。
【0058】
〔3.6.1.情報取得部16〕
情報取得部16は、情報処理装置1から送信されネットワークNを介して通信部10で受信される種々の情報を取得する。情報処理装置1から携帯端末2に送信される情報は、例えば、上述した危険運転情報などである。また、情報取得部16は、センサ群13によって検出された情報であるセンサ情報をセンサ群13から繰り返し取得する。
【0059】
〔3.6.2.表示処理部17〕
表示処理部17は、情報取得部16によって取得された情報を表示部11に表示させる。例えば、表示処理部17は、情報取得部16によって取得された情報を表示部11に表示させる。例えば、表示処理部17は、情報取得部16によって取得された危険運転情報などを表示部11に表示させる。
【0060】
〔3.6.3.情報出力部18〕
情報出力部18は、例えば、利用者Uによる操作部12への操作に応じた情報である操作情報を情報処理装置1へ通信部10を介して送信する。また、情報出力部18は、情報取得部16によって繰り返し取得されたセンサ情報を情報処理装置1へ通信部10を介して繰り返し送信する。
【0061】
〔4.情報処理装置1の構成〕
図4は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置1は、通信部20と、記憶部21と、処理部22とを有する。
【0062】
〔4.1.通信部20〕
通信部20は、例えば、NICなどによって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部20は、携帯端末2、車両3、制御装置4、携帯端末7、保険会社装置50、警察署装置51、および消防署装置52の各々との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0063】
〔4.2.記憶部21〕
記憶部21は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部21は、乗員情報記憶部30と、利用者情報記憶部31とを有する。
【0064】
〔4.2.1.乗員情報記憶部30〕
乗員情報記憶部30は、乗員Oに関する各種の情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る乗員情報記憶部30に記憶される乗員情報テーブルの一例を示す図である。
【0065】
図5に示す例では、乗員情報記憶部30に記憶される乗員情報テーブルは、「乗員ID(Identifier)」、「属性情報」、「端末情報」、「センサ情報履歴」、および「設定情報」といった項目の情報を含む。
【0066】
「乗員ID」は、車両3の乗員Oを識別する識別子であり、乗員O毎に付される情報である。「属性情報」は、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oの属性を示す属性情報である。乗員Oの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0067】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった乗員Oの興味関心を有する対象である。
【0068】
「端末情報」は、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oの携帯端末2の情報であり、例えば、乗員Oの携帯端末2の種類を示す情報、乗員Oの携帯端末2の識別情報、事故防止アプリのアカウントなどを含む。「センサ情報履歴」は、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oの携帯端末2から情報処理装置1に送信されたセンサ情報の履歴であり、携帯端末2のセンサ群13に含まれる1以上のセンサによって検出された情報である。
【0069】
「保険会社情報」は、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oが加入している車両3に対する自動車保険を販売した保険会社の情報であり、例えば、危険運転情報の送信先アドレスの情報などを含む。
【0070】
「設定情報」は、危険運転情報の送信先として、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oによって設定された情報を含む。危険運転情報の送信先として、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oは、携帯端末2を操作することで、「乗員ID」に対応付けられた乗員Oの家族などを設定することができる。
【0071】
家族の設定は、例えば、家族に対する危険運転情報の送信先の情報などの設定である。送信先の情報は、例えば、家族が有する携帯端末7の電話番号、電子メールアドレス、または家族が有する携帯端末7にインストールされ、事故防止アプリに設定されたアカウントである。
【0072】
〔4.2.2.利用者情報記憶部31〕
利用者情報記憶部31は、利用者Uに関する各種の情報を記憶する。
図6は、実施形態に係る利用者情報記憶部31に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【0073】
図6に示す例では、利用者情報記憶部31に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID」、「属性情報」、「端末情報」、および「設定情報」といった項目の情報を含む。「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子であり、利用者U毎に付される情報である。
【0074】
「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性を示す属性情報であり、利用者Uの属性を示す属性情報と同様の情報である。「端末情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの携帯端末7の情報であり、例えば、利用者Uの携帯端末7の種類を示す情報、利用者Uの携帯端末7の識別情報などを含む。
【0075】
「設定情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uによって設定された情報であり、例えば、利用者Uが通知を希望する情報の種類を示す情報などが含まれる。
【0076】
〔4.3.処理部22〕
処理部22は、コントローラであり、例えば、CPU、MPUなどのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMなどを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部22は、例えば、ASIC、FPGA、GPGPUなどの集積回路によって一部または全部が実現されてもよい。
【0077】
図4に示すように、処理部22は、取得部40と、判定部41と、通知部42とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部22の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0078】
〔4.3.1.取得部40〕
取得部40は、外部の情報処理装置、携帯端末2,7、および車両3などから通信部20を介して種々の情報を取得し、取得した情報を記憶部21に記憶させる。
【0079】
取得部40は、例えば、外部の情報処理装置または携帯端末2などから通信部20を介して乗員Oの情報である乗員情報を取得し、取得した乗員情報を乗員情報記憶部30に記憶される乗員情報テーブルに追加する。乗員情報は、例えば、属性情報、端末情報、設定情報などである。
【0080】
また、取得部40は、車両3の乗員Oが所持する携帯端末2に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。取得部40は、取得したセンサ情報を乗員情報記憶部30に記憶される乗員情報テーブルに追加する。
【0081】
また、取得部40は、例えば、車道の周囲に設置されたセンサ(例えば、イメージセンサ)によって検出された情報をセンサ情報として取得したり、車両3の車載装置(例えば、ドライブレコーダ)に搭載されたセンサ(例えば、イメージセンサ)によって検出された情報をセンサ情報として取得したりすることもできる。
【0082】
例えば、取得部40は、外部の情報処理装置または携帯端末7などから通信部20を介して利用者Uの情報である利用者情報を取得し、取得した利用者情報を利用者情報記憶部31の利用者情報テーブルに追加する。利用者情報は、例えば、属性情報、端末情報、および設定情報である。
【0083】
また、取得部40は、記憶部21から各種の情報を取得する。例えば、取得部40は、乗員Oに関する各種の情報を乗員情報記憶部30などから取得する。取得部40によって取得される乗員Oに関する情報は、例えば、上述した属性情報、端末情報、センサ情報、および設定情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0084】
また、取得部40は、利用者Uに関する各種の情報を利用者情報記憶部31などから取得する。取得部40によって取得される利用者Uに関する各種の情報は、例えば、上述した属性情報、端末情報、および設定情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0085】
〔4.3.2.判定部41〕
判定部41は、取得部40によって取得されたセンサ情報に基づいて、乗員Oによる危険運転を判定する。危険運転は、例えば、暴走運転、蛇行運転、逆走運転、急加速、急減速、急ハンドルなどである。暴走運転は、車道の制限速度を超過したスピードでの車両3の運転であり、蛇行運転は、車道において車両3を蛇行させる運転であり、逆走運転は、車道において指定された方向とは逆方向への車両3の運転である。
【0086】
例えば、判定部41は、携帯端末2から送信される位置情報から車両3が走行している車道や車線などを特定する。また、判定部41は、例えば、携帯端末2から送信される位置情報または加速度情報などから車両3の速度や加速度などを特定する。
【0087】
そして、判定部41は、特定した車道や車線で規定されている制限速度と特定した車両3の速度とを比較することによって、車両3の運転が暴走運転であるか否かを判定する。例えば、判定部41は、車両3の速度が制限速度を超過している時間が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定する。
【0088】
また、判定部41は、車両3が急加速である場合や急減速である場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定することができる。例えば、判定部41は、携帯端末2から送信され取得部40によって取得される加速度情報に基づいて、車両3の正の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3が急加速であると判定し、車両3の負の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、車両3が急減速であると判定することができる。
【0089】
また、判定部41は、例えば、携帯端末2から送信される加速度情報などから車両3の左右方向への加速度を特定し、特定した車両3の左右方向への加速度と特定した車両3の速度とに基づいて、車両3の運転が蛇行運転であるか否かを判定する。判定部41は、例えば、特定した車両3の位置の変化から車両3の運転が蛇行運転であるか否かを判定することもできる。
【0090】
また、判定部41は、例えば、携帯端末2から送信される加速度情報などから車両3の左方向または右方向への加速度を特定し、特定した車両3の左方向または右方向への加速度に基づいて、急ハンドルであるか否かを判定することもできる。判定部41は、特定した車両3の左方向または右方向への動きがある場合の加速度が予め定められた時間以上継続する場合に、急ハンドルであると判定することができる。判定部41は、急ハンドルであると判定した場合に、車両3の運転が暴走運転であると判定することができる。
【0091】
また、判定部41は、特定した車道や車線で規定されている方向と特定した車両3の速度とに基づいて、車両3の運転が逆走運転であるか否かを判定する。例えば、判定部41は、特定した車道や車線で規定されている方向と逆方向に車両3が走行している場合に、車両3の運転が逆走運転であると判定する。
【0092】
また、判定部41は、センサ情報を入力とし、危険運転度合いを示す危険運転スコアを出力とする学習モデルを用いて、危険運転を判定することもできる。学習モデルは、例えば、センサ情報と運転状態を示す情報とを含む学習データを用いた機械学習によって生成される。運転状態を示す情報は、暴走運転であるか否かを示す情報、蛇行運転であるか否かを示す情報、逆走運転であるか否かを示す情報などである。
【0093】
危険運転スコアは、総合的なスコアであってもよく、危険運転の種類毎のスコアであってもよい。判定部41は、危険運転スコアが危険運転の種類毎のスコアである場合、学習モデルから出力されるスコアが閾値以上のスコアになる種類の危険運転があると判定することができる。
【0094】
例えば、危険運転の種類が、暴走運転、蛇行運転、逆走運転であるとする。この場合、判定部41は、暴走運転のスコアが閾値以上である場合、暴走運転であると判定し、蛇行運転のスコアが閾値以上である場合、蛇行運転であると判定し、逆走運転のスコアが閾値以上である場合、逆走運転であると判定する。
【0095】
また、判定部41は、センサ情報を入力とし、事故発生スコアを事故原因毎に出力する学習モデルを用いて、事故の発生の可能性を判定することもできる。学習モデルは、例えば、予め定められた期間に得られたセンサ情報と予め定められた期間における事故の発生の有無を示す情報とを事故原因の種類毎に含む学習用データを用いた機械学習によって生成される。
【0096】
事故原因の種類は、例えば、速度超過によるカーブ曲がり切れないことによる事故である第1事故、赤信号での交差点への進入による事故である第2事故、または逆走運転による対向車との衝突の事故である第3事故などである。この場合、判定部41は、第1事故、第2事故、および第3事故の各々の事故発生スコアを学習モデルから取得する。
【0097】
また、判定部41は、センサ情報を入力とし、事故発生スコアを事故の種類毎に出力する学習モデルを用いて、事故の発生の可能性を判定することもできる。学習モデルは、例えば、予め定められた期間に得られたセンサ情報と予め定められた期間における事故の発生の有無を示す情報とを事故の種類毎に含む学習用データを用いた機械学習によって生成される。
【0098】
事故の種類は、例えば、物損事故、人身事故などである。この場合、判定部41は、物損事故のスコアが閾値以上である場合、物損事故であると判定し、人身事故のスコアが閾値以上である場合、人身事故であると判定する。
【0099】
〔4.3.3.通知部42〕
通知部42は、判定部41によって判定された危険運転に応じた通知を行う。通知部42による通知対象は、例えば、交通関係装置などである。交通関係装置は、車両3の周囲にある交通に関する装置であり、例えば、信号機5および電子交通標識6などを制御する制御装置4や、車両3とは異なる他の他車両などである。
【0100】
通知部42は、車両3の走行先にある信号機5を制御する制御装置4を通知対象として危険運転に応じた通知を行う。例えば、通知部42は、危険運転の状態にある車両3を特定する情報(例えば、車種やナンバー)、危険運転の状態にある車両3の走行位置と走行方向とを示す情報、および危険運転の種類を示す情報などを含む危険運転情報を制御装置4に通知する。危険運転の種類は、例えば、暴走運転、蛇行運転、逆走運転、急加速、急減速、急ハンドルなどである。
【0101】
制御装置4は、通知部42から通知された危険運転情報に基づいて、信号機5および電子交通標識6のうちの少なくとも一方を制御する。例えば、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が暴走運転または蛇行運転であり、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が進行許可を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に維持する。
【0102】
また、制御装置4は、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が停止指示を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に変更し、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3が走行する道路と交差する道路を走行する車両3の交差点への進入を規制したり許可したりする信号機5の信号を、停止指示を示す信号に変更する。
【0103】
また、制御装置4は、暴走運転または蛇行運転の状態にある車両3が走行先の車道または車線に通じる車道の入り口にある電子交通標識6の表示を進入禁止の表示に変更する。
【0104】
また、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が逆走運転である場合、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が進行許可を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に維持する。
【0105】
また、制御装置4は、危険運転情報で示される危険運転の種類が逆走運転であり、逆走運転の状態にある車両3が走行している車線が車道の複数車線のうちの1つである場合、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある電子交通標識6の表示で示される進行方向を逆方向に変更することができる。
【0106】
また、制御装置4は、逆走運転の状態にある車両3の走行先にある信号機5である対象信号機の信号が停止指示を示す信号である場合、対象信号機の信号を、進行許可を示す信号に変更し、逆走運転の状態にある車両3が走行する道路と交差する道路を走行する車両3の交差点への進入を規制したり許可したりする信号機5の信号を、停止指示を示す信号に変更する。
【0107】
また、通知部42は、判定部41によって危険運転の状態であると判定された車両3の周囲の他の車両を通知対象として判定部41によって判定した危険運転に応じた通知を行うこともできる。例えば、通知部42は、通知対象となる他の車両に対して危険運転情報を送信することで、他の車両に危険運転に応じた通知を行う。
【0108】
通知対象となる他の車両に対して送信される危険運転情報は、例えば、危険運転の状態にある車両3を特定する情報、危険運転の種類を示す情報、および危険運転の状態を示す情報などを含む。危険運転の状態は、判定部41によって危険運転の状態であると判定された車両3の走行位置、走行方向、および走行速度などを含む。また、危険運転情報は、判定部41によって判定された危険運転スコアや事故発生スコアなどを含んでいてもよい。通知部42は、危険運転スコアや事故発生スコアなどを含む情報を危険運転に応じた通知として通知したりすることができる。
【0109】
通知対象である他の車両の車載装置は、通知部42から取得した危険運転情報を表示したり、かかる危険運転情報に基づく表示を行ったりする。例えば、通知対象である他の車両の車載装置は、危険運転情報に基づく表示として、判定部41によって危険運転の状態であると判定された車両3の走行位置を示す情報や危険運転の種類を示す情報などを地図上に表示することもできる。
【0110】
図7は、実施形態に係る制御装置4における制御対象の特定および制御の一例を示す図である。
図7に示すように、制御装置4は、判定部41によって暴走運転の状態であると判定された車両3(3A)の周囲にある交通に関する装置に対して危険運転に応じた通知を行う。
【0111】
図7に示す例では、車両3(3A)の周囲にある交通に関する装置は、制御装置4(4A)や車両3(B3),3(3C)などに危険運転に応じた通知を行う。制御装置4(4A)は、車両3(3A)の周囲にある信号機5(5A),5(5B),5(5C),5(5D)および電子交通標識6(6A),6(6B)を制御する装置である。
図7に示す例では、車両3(3A)の危険運転は、暴走運転である。
【0112】
制御装置4(4A)は、信号機5(5A)の信号が進行許可の信号である場合、信号機5(5A)の信号を進行許可の信号に維持し、信号機5(5A)の信号が停止指示の信号である場合、信号機5(5A)の信号を進行許可の信号に変更する。
【0113】
また、制御装置4(4A)は、信号機5(5B),5(5C),5(5D)の信号が停止指示の信号である場合、信号機5(5B),5(5C),5(5D)の信号を停止指示の信号に維持し、信号機5(5B),5(5C),5(5D)の信号が進行許可の信号である場合、信号機5(5A)の信号を停止指示の信号に変更する。
【0114】
また、制御装置4(4A)は、電子交通標識6(6A),6(6B)の表示を進入禁止の表示に制御する。なお、制御装置4(4A)は、信号機5(5B)の信号を信号機5(5A)と同じ状態にすることもできる。
【0115】
また、通知部42は、判定部41によって危険運転の状態であると判定された車両3である危険運転状態車両の運転者、かかる運転者の家族、または危険運転状態車両の周囲に存在する歩行者を通知対象として判定部41によって判定された危険運転に応じた通知を行う。
【0116】
例えば、通知部42は、危険運転状態車両の運転者の携帯端末2、かかる運転者の家族の携帯端末7、または危険運転状態車両の周囲に存在する歩行者の携帯端末7を通知対象端末として危険運転情報を送信することもできる。通知対象端末には、上述した事故防止支援アプリがインストールされており、通知対象である他の車両の車載装置と同様に、通知部42から取得した危険運転情報を表示したり、かかる危険運転情報に基づく表示を行ったりすることができる。
【0117】
運転者の家族の携帯端末7に送信される危険運転情報には、例えば、上述した情報に加えて、危険運転が行われている車両3の運転者の情報(例えば、氏名、年齢)などの情報が含まれる。運転者の家族の携帯端末7への危険運転情報は、運転者の家族の携帯端末7にインストールされた事故防止支援アプリ宛に送信されるが、例えば、電子メールによって送信されてもよい。
【0118】
また、運転者の携帯端末2の処理部15は、例えば、通知部42からの危険運転情報を受信した場合、警報音(アラート)を出力することもできる。これにより、判定部41によって異常運転であると判定された車両3の運転者に、危険運転であることを気づかせることもできる。
【0119】
また、通知部42は、危険運転状態車両の事故による損失の補償を行う保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上を通知対象として通知することができる。例えば、通知部42は、保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上を通知対象として危険運転情報を送信することができる。かかる危険運転情報には、例えば、危険運転状態車両を特定する情報などが含まれている。
【0120】
また、通知部42は、判定部41によって得られた事故の種別毎の事故発生スコアや事故原因毎の事故発生スコアを危険運転情報に含めることもできる。また、通知部42は、判定部41によって得られた危険運転の種類毎のスコアを危険運転情報に含めることもできる。
【0121】
また、通知部42は、危険運転の種類に応じて異なる通知を行うこともできる。通知部42は、上述したように、例えば、危険運転の種類を示す情報を危険運転情報に含めることで、危険運転の種類に応じて異なる通知を行う。
【0122】
また、通知部42は、例えば、危険運転の種類に応じて通知対象を変更することもできる。例えば、通知部42は、危険運転が蛇行運転である場合、危険運転状態車両の周囲に存在する車両に対して危険運転情報を通知し、危険運転状態車両の周囲に存在する信号機5や電子交通標識6を制御する制御装置4には危険運転情報を通知しないことができる。
【0123】
また、通知部42は、危険運転が暴走運転や逆走運転である場合、危険運転状態車両の周囲に存在する車両と危険運転状態車両の周囲に存在する信号機5や電子交通標識6を制御する制御装置4とに危険運転情報を通知する。
【0124】
また、通知部42は、危険運転の種類に応じて通知対象の範囲を変更することもできる。例えば、通知部42は、危険運転が暴走運転である場合、危険運転状態車両の前方であって危険運転状態車両から予め定められた第1範囲に存在する車両に危険運転情報を通知する。
【0125】
また、通知部42は、危険運転が逆走運転である場合、危険運転状態車両の前方であって危険運転状態車両から予め定められた第2範囲に存在する車両に危険運転情報を通知する。また、通知部42は、危険運転が蛇行運転である場合、危険運転状態車両の前方であって危険運転状態車両から予め定められた第3範囲に存在する車両に危険運転情報を通知する。第1範囲、第2範囲、および第3範囲は互いに異なる範囲であり、例えば、第2範囲>第1範囲>第3範囲の関係であるが、かかる例に限定されない。
【0126】
〔5.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部22による情報処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部22による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0127】
図8に示すように、情報処理装置1の処理部22は、携帯端末2などから送信されるセンサ情報を取得したか否かを判定する(ステップS10)。処理部22は、センサ情報を取得したと判定すると(ステップS10:Yes)、取得したセンサ情報を記憶部21に記憶させる(ステップS11)。
【0128】
処理部22は、ステップS11の処理が終了した場合、またはセンサ情報を取得していないと判定した場合(ステップS10:No)、判定タイミングになったか否かを判定する(ステップS12)。判定タイミングは、例えば、予め定められた期間毎に到来するタイミングなどであるが、かかる例に限定されない。
【0129】
処理部22は、判定タイミングになったと判定した場合(ステップS12:Yes)、ステップS11で記憶部21に記憶されたセンサ情報に基づいて、乗員Oによる危険運転を判定する危険運転判定処理を行う(ステップS13)。
【0130】
処理部22は、ステップS13の処理が終了した場合、または判定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS12:No)、通知タイミングになったか否かを判定する(ステップS14)。通知タイミングは、例えば、予め定められた期間毎に到来するタイミング、またはステップS13において乗員Oによる危険運転があると判定されたタイミングであるが、かかる例に限定されない。
【0131】
処理部22は、判定タイミングになったと判定した場合(ステップS14:Yes)、ステップS13で判定された危険運転に応じた通知を行う通知処理を行う(ステップS15)。処理部22は、ステップS15の処理が終了した場合、または通知タイミングになっていないと判定した場合(ステップS14:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS16)。処理部22は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0132】
処理部22は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS16:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS16:Yes)、
図8に示す処理を終了する。
【0133】
〔6.その他〕
通知部42は、危険運転が暴走運転である場合、危険運転の状態にある車両3である危険運転状態車両の速度が速いほどまたは加速度が大きいほど第1範囲を大きくすることができ、危険運転が逆走運転である場合、危険運転状態車両の速度が速いほどまたは加速度が大きいほど第2範囲を大きくすることができる。また、通知部42は、危険運転が蛇行運転である場合、危険運転状態車両の速度が速いほどまたは加速度が大きいほど第3範囲を大きくすることができる。
【0134】
また、判定部41は、例えば、車両3に複数の乗員Oが乗っている場合、これら複数の乗員Oの携帯端末2から送信されるセンサ情報に基づいて、車両3の乗員Oによる危険運転を判定することもできる。この場合、判定部41は、例えば、複数の乗員Oの携帯端末2から送信されるセンサ情報が同程度の速度や加速度を示す情報である場合に、これら複数の乗員Oの携帯端末2から送信されるセンサ情報に基づいて、車両3の乗員Oによる危険運転を判定する。
【0135】
また、判定部41は、乗員Oの携帯端末2から送信されるセンサ情報に基づいて、車両3の運転者か同乗者かを判定することができる。例えば、判定部41は、これら乗員Oの携帯端末2から送信されるセンサ情報に基づいて各携帯端末2の振動を算出する。そして、判定部41は、算出した振動を推定モデルに入力し、かかる推定モデルから出力される運転者スコアが閾値以上である携帯端末2の所有者を運転者と判定することができる。
【0136】
上述した推定モデルは、携帯端末2から送信されるセンサ情報に基づいて算出される振動を示す情報と運転者であるか否かを示す情報とを含む学習用データによる機械学習によって生成される。
【0137】
上述した学習モデルや推定モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、またはディープニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成されるが、かかる例に限定されない。例えば、学習モデルや推定モデルは、ニューラルネットワークに代えて、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)、線形回帰またはロジスティック回帰といった学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0138】
また、判定部41は、取得部40によって各乗員の携帯端末2による特定のオンラインサービスの利用の有無を示す情報がリアルタイムに取得できる場合、特定のオンラインサービスの利用を行っている携帯端末2を有する乗員Oを運転者ではないと認定することもできる。特定のオンラインサービスは、例えば、ウェブ検索サービス、スケジュール管理サービス、経路案内サービス、路線情報提供サービス、電子商取引サービスなどであるが、かかる例に限定されない。
【0139】
また、判定部41は、取得部40によって各乗員Oの携帯端末2による特定のオンラインサービスの利用の有無を示す情報がリアルタイムに取得できる場合、特定のオンラインサービスの利用を行っている携帯端末2を有する乗員Oが運転者である場合、上述した危険運転スコアをn倍にすることができる。nは、例えば、1を超える整数である。
【0140】
また、制御装置4は、危険運転が暴走運転であることを示す情報を含む危険運転情報を受信した場合、危険運転状態車両の前方であって対向車線を走行している車両が左折または右折するように左折または右折の矢印を信号機5や電子交通標識6に表示させることもできる。これにより、危険運転状態車両の前方であって対向車線を走行している車両を、危険運転状態車両が走行している道路から退避させることができる。
【0141】
また、制御装置4は、危険運転が逆走運転であることを示す情報を含む危険運転情報を受信した場合、危険運転状態車両の前方であって危険運転状態車両に向かって走行する車両が左折または右折するように左折または右折の矢印を信号機5や電子交通標識6に表示させることもできる。これにより、危険運転状態車両の前方であって危険運転状態車両に向かって走行する車両を、危険運転状態車両が走行している道路から退避させることができる。
【0142】
上述した例では、信号機5や電子交通標識6は、情報処理装置1から制御装置4に送信される動き関連情報に基づいて制御装置4によって制御されるが、信号機5や電子交通標識6の制御は、情報処理装置1によって直接行われてもよい。この場合、情報処理装置1の処理部22は、制御装置4の機能を実現する制御部を有する。
【0143】
携帯端末2は、情報処理装置1の機能の一部または全部を実行する構成であってもよい。この場合、携帯端末2の処理部15は、例えば、情報取得部16が取得部40の機能を有し、さらに、処理部15は、判定部41の機能を有したり、判定部41と通知部42の機能を有したりする。
【0144】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ200によって実現される。
図9は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ200の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ200は、CPU201、RAM202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、通信インターフェイス(I/F)205、入出力インターフェイス(I/F)206、およびメディアインターフェイス(I/F)207を有する。
【0145】
CPU201は、ROM203またはHDD204に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM203は、コンピュータ200の起動時にCPU201によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0146】
HDD204は、CPU201によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス205は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU201へ送り、CPU201が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0147】
CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU201は、入出力インターフェイス206を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0148】
メディアインターフェイス207は、記録媒体208に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM202を介してCPU201に提供する。CPU201は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス207を介して記録媒体208からRAM202上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体208は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0149】
例えば、コンピュータ200が実施形態に係る情報処理装置1や携帯端末2として機能する場合、コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部22や処理部15の機能を実現する。また、HDD204には、記憶部21内または記憶部14内のデータが記憶される。コンピュータ200のCPU201は、これらのプログラムを記録媒体208から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0150】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0151】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0152】
例えば、上述した情報処理装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0153】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0154】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、車両3の乗員Oが所持する携帯端末2に搭載されたセンサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する取得部40と、取得部40によって取得されたセンサ情報に基づいて、乗員Oによる危険運転を判定する判定部41とを備える。これにより、情報処理装置1は、スイッチや暴走防止装置などの追加のパーツの車両3への取り付けを利用者Uに強いることなく、暴走運転などの危険運転による事故の防止を支援することができる。
【0155】
また、情報処理装置1は、判定部41によって判定された危険運転に応じた通知を行う通知部42を備える。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故を抑制することができる。
【0156】
また、通知部42は、車両3の走行先にある信号機5を制御する制御装置4に対して通知を行う。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故を抑制することができる。
【0157】
また、通知部42は、車両3の周囲の他の車両3に対して通知を行う。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故を抑制することができる。
【0158】
また、通知部42は、車両3の運転者、運転者の家族、および車両3の周囲の人のうちの1以上に対して通知を行う。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故の防止をより支援することができる。
【0159】
また、通知部42は、車両3の事故による損失の補償を行う保険会社、警察署、および消防署のうちの1以上に対して通知を行う。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故の防止をより支援することができる。
【0160】
また、判定部41は、センサ情報を入力とし、危険運転度合いを示す危険運転スコアを出力とする学習モデルを用いて、危険運転を判定し、通知部42は、判定部41によって判定された危険運転スコアを含む情報を危険運転に応じた通知として通知する。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故の防止をより支援することができる。
【0161】
また、通知部42は、危険運転の種類に応じて異なる通知を行う。これにより、情報処理装置1は、暴走運転などの危険運転による事故の防止をより支援することができる。
【0162】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0163】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0164】
1 情報処理装置
2,7 携帯端末
3 車両
4 制御装置
5 信号機
6 電子交通標識
10,20 通信部
11 表示部
12 操作部
13 センサ群
14,21 記憶部
15,22 処理部
16 情報取得部
17 表示処理部
18 情報出力部
30 乗員情報記憶部
31 利用者情報記憶部
40 取得部
41 判定部
42 通知部
50 保険会社装置
51 警察署装置
52 消防署装置
100 情報処理システム
N ネットワーク