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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079207
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】はんだ付けパイプ
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/06 20060101AFI20240604BHJP
   B23K 3/02 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B23K3/06 K
B23K3/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192011
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000101606
【氏名又は名称】アポロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120259
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 健志
(72)【発明者】
【氏名】広崎 貢市
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パイプの内壁面にはんだ片が触れても、はんだ片がパイプ内に付着しにくいはんだ付けパイプを提供する。
【解決手段】はんだ片が落下可能な内径を有する筒状の第1のパイプと、はんだ片が落下可能な内径を有し、かつ前記第1のパイプの下方に配置される筒状の第2のパイプと、前記第1のパイプの下端部が挿入される挿入部と、前記第2のパイプの上端部が嵌入される嵌入部とが形成され、該挿入部と該嵌入部とが連結されて貫通孔が形成される断熱部材と、前記第2のパイプを加熱する前記第2のパイプの周囲に配置された加熱手段と、を有し、前記第1のパイプの下端部の下端面は、前記第2のパイプの上端部の上端面の近傍に配置されており、前記第1のパイプの下端部の外周面は、前記挿入部の内周面に接触しておらず、前記第1のパイプの下端部の内径は、前記第2のパイプの上端部の内径以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ片が落下可能な内径を有する筒状の第1のパイプと、
はんだ片が落下可能な内径を有し、かつ前記第1のパイプの下方に配置される筒状の第2のパイプと、
前記第1のパイプの下端部が挿入される挿入部と、前記第2のパイプの上端部が嵌入される嵌入部とが形成され、該挿入部と該嵌入部とが連結されて貫通孔が形成されている断熱部材と、
前記第2のパイプを加熱するために前記第2のパイプの周囲に配置された加熱手段と、を有し、
前記第1のパイプの下端部の下端面は、前記第2のパイプの上端部の上端面の近傍に配置されており、
前記第1のパイプの下端部の外周面は、前記挿入部の内周面に接触しておらず、
前記第1のパイプの下端部の内径は、前記第2のパイプの上端部の内径以下である、
ことを特徴とするはんだ付けパイプ。
【請求項2】
前記第1のパイプは、第3のパイプに内挿され、
前記挿入部の下方部の内径は、
前記挿入部の上方部の内径よりも小さく、かつ
前記嵌入部の内径よりも小さく、
前記第3のパイプの下端部は、前記挿入部の上方部に嵌入され、
前記第1のパイプの下端面は、第3のパイプの下端面よりも下方に位置する請求項1に記載のはんだ付けパイプ。
【請求項3】
前記第2のパイプは、上端部の内径が上端面から下端面方向へ進むにつれて小さくなる請求項1又は2に記載のはんだ付けパイプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切り取られた糸はんだを溶融してはんだ付けを行う装置に装着されるダイレクトヒートはんだ付けパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
糸はんだを切り取るカッターユニットと、切り取られた糸はんだ(以下、はんだ片とも記載する。)が落下可能な内径を有し、両端が開口した筒と、はんだ片を筒の先端部で溶融させるためのヒーター(加熱手段)とを備える、はんだ付け装置が知られている(特許文献1参照)。このはんだ付け装置では、切り取られたはんだ片は筒の上方の貫通口から筒の先端部まで落下し、そしてその先端部においてヒーターによって加熱されて溶融され、筒の下方の貫通口から筒内に入れられている被はんだ付け部がはんだ付けされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6140350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のはんだ付けパイプにおいては、ヒーターによって加熱されたパイプは、パイプの下端部近傍においてパイプ内のはんだ片が溶融する温度まで上昇し、またパイプの下端部近傍だけではなく、パイプの中間部の温度や上方部の温度も上昇する。そして、はんだ片がパイプの内壁面(内周面)に囲まれた内部空間を通過(落下)する途中で、パイプの上方部又は中間部の内壁面に触れて、はんだ片の一部が溶けて、内壁面に付着し、内部空間が狭くなり、次第にはんだ片が落下しにくくなることがある。その結果、はんだ片が被はんだ付け部に到達するタイミングが不安定になったり、はんだ片が被はんだ付け部に到達できなかったりすることなどがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、パイプの内壁面にはんだ片が触れても、はんだ片がパイプ内に付着しにくいはんだ付けパイプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るはんだ付けパイプは、
はんだ片が落下可能な内径を有する筒状の第1のパイプと、
はんだ片が落下可能な内径を有し、かつ前記第1のパイプの下方に配置される筒状の第2のパイプと、
前記第1のパイプの下端部が挿入される挿入部と、前記第2のパイプの上端部が嵌入される嵌入部とが形成され、該挿入部と該嵌入部とが連結されて貫通孔が形成されている断熱部材と、
前記第2のパイプを加熱するために前記第2のパイプの周囲に配置された加熱手段と、を有し、
前記第1のパイプの下端部の下端面は、前記第2のパイプの上端部の上端面の近傍に配置されており、
前記第1のパイプの下端部の外周面は、前記挿入部の内周面に接触しておらず、
前記第1のパイプの下端部の内径は、前記第2のパイプの上端部の内径以下である、
ことを特徴とする。
【0007】
「嵌入する」とは「嵌め入れる」ことを意味する。例えば、「パイプを孔に嵌入する」ために、パイプの外径と孔の内径とが略等しいことが必要であり、「パイプが孔に嵌入される」と、嵌入されたパイプの外周面と孔の内周面とが隙間なく接した状態となる。
第1のパイプの下端部の外周面が、挿入部の内周面に接触していないため、断熱部材から第1のパイプへ熱が伝わりにくい。
第1のパイプの下端部の内径が、第2のパイプの上端部の内径以下であるため、第1のパイプ内を落下してきたはんだ片は、第2のパイプ内にスムーズに落下できる。
【0008】
前記第1のパイプは、第3のパイプに内挿され、
前記挿入部の下方部の内径は、
前記挿入部の上方部の内径よりも小さく、かつ
前記嵌入部の内径よりも小さく、
前記第3のパイプの下端部は、前記挿入部の上方部に嵌入され、
前記第1のパイプの下端面は、第3のパイプの下端面よりも下方に位置する
ことが好ましい。
【0009】
挿入部の下方部の内径が、挿入部の上方部の内径よりも小さく、かつ嵌入部の内径よりも小さいため、はんだ片が落下する際に中心部に行き易くしている。
【0010】
前記第2のパイプは、上端部の内径が上端面から下端面方向へ進むにつれて小さくなることが好ましい。
上端部の内径が上端面から下端面方向へ進むにつれて小さくなることにより、はんだ片が滑らかに落下するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パイプ内を落下するはんだ片が落下途中でパイプ内周面に触れて、はんだ片の一部がパイプ内周面に付着することのないはんだ付けパイプを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るはんだ付けパイプの概略構成を示す正面図及び断面図A-Aである。
図2図1に示すはんだ付けパイプのガラスクロスチューブ内及びガイドパイプを示す断面図B-B及び断面図C-Cである。
図3】エンドキャップ5の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面(上面)図、底面図及び断面図A-Aである。
図4】ストッパー3の正面透過図、右側面図、右側面透過図、平面図、底面図、断面図A-A、断面図B-B、断面図C-C、斜視図、斜視透過図である。
図5】カートリッジパイプ4の六面図及び斜視図である。
図6】保護パイプ6の正面図、左側面図及び平面図である。
図7】ガイドパイプ8の正面図、左側面図、平面図及び底面図である。
図8】スリーブ7の左側面図、正面図、拡大平面図、底面図、断面図A-A、及び上端部拡大図(詳細図B)である。
図9】ヒーターコア2の正面図、左側面図、右側面図、背面図、平面図、底面図、断面図A-A、断面図B-B、及び斜視図である。
図10】ヒーターカバー1の正面図、右側面図、背面図、平面図、底面図、断面図A-A、及び斜視図である。
図11】ストッパー3の挿入部及び嵌入部の複数の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るはんだ付け装置のはんだ付けパイプの実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下の実施形態は本発明の技術的範囲を制限しない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るカートリッジヒーターの概略構成を示す正面図及び断面図A-Aである。
図1に示すように、本実施の形態に係るはんだ付け装置のはんだ付けパイプは、エンドキャップ5、カートリッジパイプ4、保護パイプ6、ガイドパイプ8(第1のパイプ)、段付きスペーサ9、ガラスクロスチューブ13、ストッパー3(断熱部材)、第1の位置決めピン10、第2の位置決めピン11、スリーブ7(第1のパイプ)、ヒーターコア2、ヒーターカバー1、ボールストッパー12を有する。
図1においてカートリッジヒーターの内部構造が見えるようにカートリッジヒーターを縦方向に切断した断面図A-Aを示す。
【0015】
はんだ片は、ガイドパイプ8の内部空間を落下する。
ガイドパイプ8の周囲に保護パイプ6が存在し、ガイドパイプ8の外周面と保護パイプ6の内周面とが対向している。
保護パイプ6の周囲にカートリッジパイプ4が存在し、保護パイプ6の外周面とカートリッジパイプ4の内周面とが対向している。保護パイプ6の外周面とカートリッジパイプ4の内周面との間に、ガラスクロスチューブ13が存在している。
【0016】
ガイドパイプ8は、ストッパー3の貫通孔に挿入されている。ガイドパイプ8の外周面はストッパー3の貫通孔の内周面に接触していない。
保護パイプ6の下端部は、ストッパー3の貫通孔の上方部に嵌入されている。保護パイプ6はストッパー3を貫通していない。
【0017】
スリーブ7の周囲にヒーターコア2が存在し、ヒーターコア2の周囲にヒーターカバー1が存在する。
ヒーターコア2がスリーブ7を効率よく加熱するために、ヒーターコア2とスリーブ7とは接触している。
一方、ヒーターカバー1がヒーターコア2によって加熱されにくくするために(つまり、ヒーターカバー1がヒーターコア2の熱を奪いにくくするために)、ヒーターカバー1とヒーターコア2との間に断熱性の高い部材(段付きスペーサ9など)を介在させたり、ヒーターカバー1とヒーターコア2との接触面積を少なくしたりすることが好ましい。
【0018】
ガイドパイプ8は、はんだ片が落下可能な内径を有する筒状の第1のパイプに相当する。
スリーブ7は、はんだ片が落下可能な内径を有し、かつ第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下方に配置される筒状の第2のパイプに相当する。
ストッパー3は、第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部が挿入される挿入部と、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部が嵌入される嵌入部とを有する断熱部材に相当する。
【0019】
第1のパイプの下端部の外径は挿入部31a(図4)の内径よりも小さくて、第1のパイプの下端部の外周面と、挿入部31aの内周面との間には隙間が存在する。第1のパイプの下端部の外周面が、挿入部31aの内周面に接触していない方が、断熱部材(ストッパー3)から第1のパイプ(ガイドパイプ8)へ熱が伝わりにくいためである。
第2のパイプ(スリーブ7)のガタつきや脱落の防止のために、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部の外径は、嵌入部31c(図4)の内径に略等しいことが好ましい。
【0020】
第2のパイプの周囲には、第2のパイプを加熱するための加熱手段が配置され、
挿入部に挿入された状態の第1のパイプの下端部は、嵌入部に嵌入された状態の第2のパイプの上端部の近傍に配置されているが、第1のパイプの下端部と、第2のパイプの上端部とは接触しておらず、
第1のパイプの下端部の内径ID1(図11)は、第2のパイプの上端部の内径ID2以下である、ことを特徴とする。
【0021】
図2は、カートリッジヒーターを縦方向に切断した断面図B-B、C-Cを示す。
図2の断面図B-Bに示すように、2本の熱電対線14はそれぞれガラスクロスチューブ13によって、保護パイプ6及びカートリッジパイプ4から絶縁されている。また、断面図C-Cに示すように、2本のヒーター線15もそれぞれガラスクロスチューブ13によって、保護パイプ6及びカートリッジパイプ4から絶縁されている。
【0022】
<エンドキャップ>
図3は、エンドキャップ5の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面(上面)図、底面図及び断面図A-Aである。
エンドキャップ5の材質としては、フェノール樹脂などの絶縁性が高い樹脂が好ましい。
エンドキャップ5の貫通孔は上方に開口している第1の貫通部と、下方に開口している第2の貫通部とを有する。第1の貫通部の内径は、第2の貫通部の内径よりも狭い。
図3に示すように、エンドキャップは、エンドキャップを上下方向に貫通する第1の貫通孔51のほかに、エンドキャップを上下方向に貫通する第2~第5の貫通孔52~55を有する。
保護パイプ6及びガイドパイプ8が第1の貫通孔51を貫通する。
熱電対線14が第2,第3の貫通孔52,53を貫通する。
ヒーター線15が第4,第5の貫通孔54,55を貫通する。
【0023】
<断熱部材 ストッパー>
図4は、ストッパー3の正面透過図、右側面図、右側面透過図、平面図、底面図、断面図A-A、断面図B-B、断面図C-C、斜視図、斜視透過図である。

断熱部材(ストッパー3)の熱伝導率は、1.0~16.0[W/m・K]であることが好ましい。
断熱部材(ストッパー3)の材質としては、ジルコニアなどのセラミックスやビスマス、ニッケル鋼、クロムニッケル鋼、ニッケルクロム合金などの熱伝導率が低い金属が好ましい。
【0024】
図4に示すように、断熱部材(ストッパー3)は、上下方向に貫通する貫通孔31、及び貫通孔33~39を有し、上面に孔32をする。
本実施形態において、貫通孔31は、図4の断面図A-Aに示すように、上方部31a、中間部31b及び下方部31cを有する。
上方部31a及び中間部31bは、第1のパイプ(ガイドパイプ8)が挿入される挿入部である。
下方部31cは、第2のパイプ(スリーブ7)が嵌入される嵌入部である。
【0025】
図4の断面図C-Cに示すように、上方部31aの内径ID3と、中間部31bの内径ID4と、下方部の内径ID5との大小関係は以下のとおりである。
ID3>ID4
ID5>ID4
図4に示す断面図C-Cについては、図11(c)を用いて再度説明する。
【0026】
孔32は、断面図A-Aに示すように、上面に開口部を有するが、ストッパーを上下方向に貫通していない。
孔32は、冷却用の空気を通す貫通穴であるが、42のストッパーがあるため貫通穴にしていない。
貫通孔33~35は、冷却用の空気を通す貫通孔である。
貫通孔36,37は、ヒーター線を通す貫通孔である。
貫通孔38,39は、熱電対線を通す貫通孔である。
【0027】
横孔41は、冷却用の空気の抜け穴である。
横孔42には、位置決めピン10が挿入され、ストッパー3に対してスリーブ7が固定される。
横孔43には、位置決めピン11が挿入される。位置決めピン11は板スプリングの回転を止める。
板スプリングは、スリーブの落下防止用のストッパーを止めるために押さえるために使用される。
【0028】
ストッパー3の上部45の外径OD1は、カートリッジパイプ4の下端部の内径ID41と略等しく、ストッパー3の上部45は、カートリッジパイプ4の下端部に嵌入される。
ストッパー3の下端部47の内径ID6は、ヒーターカバー1の上部の外径OD3と略等しく、ヒーターカバー1の上部は、ストッパー3の下端部47に嵌入される。
【0029】
<カートリッジパイプ>
図5は、カートリッジパイプ4の六面図及び斜視図である。
図5に示すように、カートリッジパイプ4は、円筒形状であり、第1~3の孔46~48を有する。例えば、カートリッジパイプ4の外径は12mm、厚さは0.5mmである。
第1の孔46は、冷却用の空気の取入れ用入口である。
第2の孔47は、ヒーター止め用のシャフト用孔である。
第3の孔48は、冷却用の空気の出口である。
【0030】
<保護パイプ>
図6は、保護パイプ6の正面図、左側面図及び平面図である。背面図は正面図と同一であるから、左側面図は右側面図と同一であるから、底面図は平面図と同一であるから、それぞれ省略する。
図6に示すように、保護パイプは、円筒形状であり、外周面から内周面へ貫通する複数の横孔60を有する。
横孔60は、冷却用の空気を通す孔である。
図1に示すように、保護パイプ6の上端部は、エンドキャップ5の貫通孔51に嵌入される。また、保護パイプ6の下端部は、ストッパー3の貫通孔31の上方部31aに嵌入される。
【0031】
<ガイドパイプ>
図7は、ガイドパイプ8の正面図、左側面図、平面図及び底面図である。背面図は正面図と同一であるから、右側面図は左側面図と同一であるから、それぞれ省略する。
71は、窒素ガス(N)の取入れ口孔である。
72は、スプリングの上部押さえである。
73は、スプリングの下部押さえである。
74は、スプリング上部用押さえの止まりである。
75は、はんだ片を落とすためのガイドパイプである。
図1に示すように、ガイドパイプ8は、エンドキャップ5及び保護パイプ6を貫通し、下端部は、ストッパー3の中間部31bに達する。ただし、ガイドパイプ8の外周面は、保護パイプ6の内周面及びストッパー3の内周面から離間している。
【0032】
<スリーブ>
図8は、スリーブ7の左側面図、正面図、拡大平面図、底面図、断面図A-A、及び断面図A-Aの上端部拡大図(詳細図B)である。背面図は正面図と同一であるから、右側面図は左側面図と同一であるから、それぞれ省略する。
左側面図、及び正面図における破線は、内周面を示す。
図8に示すスリーブ7は一例である。同図に示す例における各部のサイズは以下のとおりである。
高さH1:38mm、高さH2:1mm、高さH3:8mm、
上端の内径ID6:2.97mm、下端の外径OD4:3.0mm、
下端の内径ID8:1.3mm、突起部82の外径OD5:4.0mm
上端の開口部の角度θ:15°
横孔81の内径:0.5mm
図1に示すように、スリーブ7の上端部はストッパー3の嵌入部に嵌入される。
【0033】
<ヒーターコア>
図9は、ヒーターコア2の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図、断面図A-A、断面図B-B及び斜視図である。
図9に示すヒーターコア2は、はんだ片を通す貫通孔を中心に通して、ヒーターを外側に巻き、熱電対とヒーター線を通せる貫通孔を有する構造とした絶縁体としたものである。
【0034】
<ヒーターカバー>
図10は、ヒーターカバー1の正面図、背面図、右側面図、平面図、底面図、断面図A-A、及び斜視図である。左側面図は右側面図と同様であるから省略する。
ヒーターカバー1の上部は、ストッパー3の下端部47に嵌入される。
【0035】
<エンドキャップ5、ガイドパイプ8、保護パイプ6、及びカートリッジパイプ4>
エンドキャップ5は、カートリッジパイプ4の上方の開口部に嵌入される。
エンドキャップ5の外周面に形成された溝56には、カートリッジパイプ4の内周面に形成された凸部49が嵌合される。
【0036】
ガイドパイプ8は、エンドキャップ5の貫通孔を貫通している。ガイドパイプ8の外周面はエンドキャップ5の貫通孔の内周面に接触していない。
保護パイプ6は、エンドキャップ5の貫通孔の第2の貫通部に下方から嵌入されている。保護パイプ6はエンドキャップ5を貫通していない。
【0037】
<ストッパー3、並びにガイドパイプ8、保護パイプ6及びカートリッジパイプ4、並びにスリーブ7、ヒーターコア2、及びヒーターカバー1>
ストッパー3は、カートリッジパイプ4の下方の開口部に嵌入される。
【0038】
図11(a)に保護パイプ6を用いない実施形態の一例を示す。
図11(a)に示すように、
断熱部材(ストッパー3)には、第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部が挿入される挿入部と、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部が嵌入される嵌入部とが形成され、挿入部と嵌入部とが連結されて貫通孔31が構成されている。
第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部の下端面は、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部の上端面の近傍に配置されている。
第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部の外周面は、断熱部材(ストッパー3)の挿入部の内周面に接触していない。
第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部の内径(ID1)は、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部の内径(ID2)以下である。
【0039】
図11(b)に本開示の実施形態の他の例を示す。
図11(b)に示すように、
第1のパイプ(ガイドパイプ8)は、第3のパイプ(保護パイプ6)に内挿され、
挿入部の下方部の内径(ID4)は、
挿入部の上方部の内径(ID3)よりも小さく、かつ
嵌入部の内径(ID5)よりも小さく、
第3のパイプ(保護パイプ6)の下端部は、挿入部の上方部に嵌入され、
第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端面の高さ位置(HP1)は、第3のパイプ(保護パイプ6)の下端面の高さ位置(HP2)よりも下方に位置する、ことが好ましい。
【0040】
ガイドパイプ8の外周面は、保護パイプ6の内周面にも、ストッパー3の内周面にも接触していない。
【0041】
図11(c)に本開示の実施形態の他の例を示す。
第2のパイプ(スリーブ7)は、上端部の内径が上端面から下端面方向へ進むにつれて小さくなる、ことが好ましい。例えば、図11(c)に示すように、上端面の位置(HP3)の内径(ID6)よりも下端面に近い位置(HP4)の内径(ID7)の方が小さい、ことが好ましい。
このような形状とすることによって、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部の内周面と第1のパイプ(ガイドパイプ8)の外周面との間隔がより大きくなり、第2のパイプ(スリーブ7)の上端部から第1のパイプ(ガイドパイプ8)の下端部へ熱が伝わりにくくすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ヒーターカバー
2 ヒーターコア
3 ストッパー
4 カートリッジパイプ
5 エンドキャップ
6 保護パイプ
7 スリーブ
8 ガイドパイプ
9 段付きスペーサ
10 第1の位置決めピン
11 第2の位置決めピン
12 ボールストッパー
13 ガラスクロスチューブ
14 熱電対線
15 ヒーター線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11