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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079230
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/11 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
H04N25/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192056
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 晃次
【テーマコード(参考)】
5C065
【Fターム(参考)】
5C065BB01
5C065DD15
5C065EE08
(57)【要約】
【課題】所望の画質を得ることを可能にする。
【解決手段】本開示の撮像装置は、2次元的に配列された複数の受光素子と、複数の受光素子に対応して2次元的に配列された複数のフィルタとを有する画素アレイを備え、複数のフィルタが、互いに色の異なる複数のカラーフィルタを含み、複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する構成とされている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元的に配列された複数の受光素子と、前記複数の受光素子に対応して2次元的に配列された複数のフィルタとを有する画素アレイを備え、
前記複数のフィルタが、互いに色の異なる複数のカラーフィルタを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する構成とされている
撮像装置。
【請求項2】
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて変化する構成とされている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、前記受光素子の受光感度が高くなる構成とされている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数のカラーフィルタは、複数の原色のカラーフィルタと、1または複数の補色のカラーフィルタとを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、前記像高中心領域に比べて前記高像高領域の方が、前記補色のカラーフィルタを多く含む構成とされている
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数のカラーフィルタの構成が、高像高領域に比べて像高中心領域の方が、色再現性が高くなる構成とされている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記複数のカラーフィルタは、複数の原色のカラーフィルタと、1または複数の補色のカラーフィルタとを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、前記高像高領域に比べて前記像高中心領域の方が、前記補色のカラーフィルタを多く含む構成とされている
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて色の数および色の種類が変化する構成とされている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて各色の前記カラーフィルタの組み合わせが一定の比率を保って変化する構成とされている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて各色の前記カラーフィルタの配列の周期が変化する構成とされている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の1または複数の特定の領域とその他の領域とで異なる構成とされている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の複数の前記特定の領域と前記その他の領域とで異なる構成とされ、前記複数の特定の領域の分布密度が像高に応じて変化する構成とされている
請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の複数の前記特定の領域と前記その他の領域とで異なる構成とされ、前記複数の特定の領域の分布密度が相対的に高い密領域と、前記複数の特定の領域の分布密度が相対的に低い素領域とを有する構成とされている
請求項10に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置におけるカラーフィルタの構成として、R(赤)、G(緑)およびB(青)の原色のカラーフィルタを配列した構成がある。また、原色のカラーフィルタに加え、補色のカラーフィルタを配列した構成がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/171797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置では、一般にカラーフィルタの構成は面内で一様な配列とされているが、この構成の場合、所望の画質を得ることが困難な場合がある。
【0005】
所望の画質を得ることが可能な撮像装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置は、2次元的に配列された複数の受光素子と、複数の受光素子に対応して2次元的に配列された複数のフィルタとを有する画素アレイを備え、複数のフィルタが、互いに色の異なる複数のカラーフィルタを含み、複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する構成とされている。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置では、複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】比較例に係る撮像装置の概要を示す説明図である。
図2】比較例に係る撮像装置の特性の一例を示す説明図である。
図3】カラーフィルタ11の配列の違いによる画質の例を示す説明図である。
図4】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の概要を示す説明図である。
図5】一実施の形態に係る撮像装置の特性の一例を示す説明図である。
図6】一実施の形態に係る撮像装置の構成例1の概要を示す説明図である。
図7】一実施の形態に係る撮像装置の構成例1の概要を示す平面図である。
図8】一実施の形態に係る撮像装置の構成例2の概要を示す説明図である。
図9】一実施の形態に係る撮像装置の構成例2の概要を示す平面図である。
図10】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-1の概要を示す説明図である。
図11】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-1の概要を示す平面図である。
図12】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-2の概要を示す説明図である。
図13】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-2の概要を示す平面図である。
図14】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-3の概要を示す説明図である。
図15】一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-3の概要を示す平面図である。
図16】一実施の形態に係る撮像装置の構成例4-1の概要を示す説明図である。
図17】一実施の形態に係る撮像装置の構成例4-2の概要を示す説明図である。
図18】一実施の形態に係る撮像装置の構成例5の概要を示す説明図である。
図19】一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-1の概要を示す説明図である。
図20】一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-2の概要を示す説明図である。
図21】一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-3の概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.比較例(図1~3)
1.一実施の形態
1.1 概要(図4図5
1.2 構成例(図6図21
1.3 効果
2.その他の実施の形態
【0010】
<0.比較例>
図1に、比較例に係る撮像装置の概要を示す。
【0011】
比較例に係る撮像装置は、2次元的に配列された複数の画素100を有する画素アレイ101を備えている。画素アレイ101には、撮像光学系2を介して被写体からの光が入射する。
【0012】
画素アレイ101は、受光層20と、受光層20に積層されたフィルタ層10と、複数のマイクロレンズ30とを有する。
【0013】
受光層20は、例えば半導体基板からなり、2次元的に配列された複数の受光素子21を有する。受光素子21は、例えばPD(フォトダイオード)からなる。受光素子21は、入射光に応じた画素信号を出力する。
【0014】
フィルタ層10は、複数の受光素子21に対応して2次元的に配列された複数のカラーフィルタ11を有する。複数のカラーフィルタ11には、マイクロレンズ30が積層されている。
【0015】
複数のカラーフィルタ11は、互いに色の異なる複数のカラーフィルタを含む。図1には、カラーフィルタ11として、R(赤色)フィルタ11R、G(緑色)フィルタ11G(緑色)、およびB(青色)フィルタ11Bからなる原色のカラーフィルタと、C(シアン色)フィルタ11C、M(マゼンタ色)フィルタ11M、およびY(黄色)フィルタ11Yからなる補色のカラーフィルタとが配列された例を示す。
【0016】
図2に、比較例に係る撮像装置の特性の一例を示す。図2において、横軸は像高、左側の縦軸は光量、右側の縦軸はノイズおよび色再現性を示す。
【0017】
比較例に係る撮像装置では、カラーフィルタ11の構成が像高や領域によらず面内で一様な配列とされている。このため、図1に示したように、像高中心領域40と、高像高領域(周辺像高領域)50とで、カラーフィルタ11の構成は一様な配列とされている。一方、撮像装置では、一般的に、像高中心領域40に対して、高像高領域50ではコサイン4乗則に従い、画素アレイ101への入射光量が少なくなる。このため、画面周辺では受光感度が低下し、SN比が悪化する。これが画質劣化の要因となる。色再現性能の向上のために、RGB以外のカラーフィルタ11を導入した場合、このSN比の低下がノイズとして画面周辺で顕著にみえる。
【0018】
図3に、カラーフィルタ11の配列の違いによる画質の例を示す。図3の下段において、横軸は像高、縦軸は画素信号の振幅を示す。図3の下段には、画素信号の振幅として、カラーフィルタ11の配列がRGBCMYである場合の振幅と、カラーフィルタ11の配列がRGBである場合の振幅との例を示す。図3の上段には、目標色に対して、実際に得られる画像の一例を示す。図3の上段には、実際に得られる画像として、カラーフィルタ11の配列がRGBCMYである場合の画像と、カラーフィルタ11の配列がRGBである場合の画像との例を示す。図3の上段に示した画像において、数値が小さい方が色再現性が高いことを示す。
【0019】
上述したように、カラーフィルタ11の配列が面内で一様である場合、高像高領域50では光量落ちに伴い、画質が劣化する。このため、高像高領域50の画素信号に対しては、信号のゲインを上げることが行われる。この場合、カラーフィルタ11の配列がRGBCMYの場合には図3の上段に示したように、色再現性は目標色に近い(色再現がよい)が、ざらざらしたノイズが目立つ画像が得られる。一方、カラーフィルタ11の配列がRGBの場合には、色再現性は悪いがノイズが目立たない画像が得られる。
【0020】
<1.一実施の形態>
[1.1 概要]
図4に、本開示の一実施の形態に係る撮像装置の概要を示す。図5に、一実施の形態に係る撮像装置の特性の一例を示す。図5において、横軸は像高、左側の縦軸は光量、右側の縦軸はノイズおよび色再現性を示す。
【0021】
一実施の形態に係る撮像装置は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサであってもよい。一実施の形態に係る撮像装置は、2次元的に配列された複数の画素100を有する画素アレイ1を備えている。画素アレイ1には、撮像光学系2を介して被写体からの光が入射する。
【0022】
画素アレイ1は、受光層20と、受光層20に積層されたフィルタ層10と、複数のマイクロレンズ30とを有する。
【0023】
フィルタ層10は、複数の受光素子21に対応して2次元的に配列された複数のカラーフィルタ11を有する。複数のカラーフィルタ11には、マイクロレンズ30が積層されている。複数のカラーフィルタ11は、複数の原色のカラーフィルタと、1または複数の補色のカラーフィルタとを含む。
【0024】
一実施の形態に係る撮像装置における画素アレイ1は、上述の比較例に係る撮像装置における画素アレイ101の構成に対して、フィルタ層10における複数のカラーフィルタ11の構成が異なっている。一実施の形態に係る撮像装置における受光層20の構成は、上述の比較例に係る撮像装置における受光層20の構成と同様であってもよい。
【0025】
一実施の形態に係る撮像装置では、複数のカラーフィルタ11の構成が、面内の領域に応じて変化する構成とされている。例えば、複数のカラーフィルタ11の構成が、像高に応じて変化する構成とされている。図4の構成例では、複数のカラーフィルタ11の構成が、高像高領域50に比べて像高中心領域40の方が、補色のカラーフィルタを多く含む構成とされている。具体的には、像高中心領域40ではカラーフィルタ11の配列がRGBCMY、高像高領域50ではカラーフィルタ11の配列がRGBとなるように構成されている。これにより、図5に示したように、複数のカラーフィルタ11の構成が、高像高領域50に比べて像高中心領域40の方が、色再現性が高くなる特性が得られる。また、比較例に係る撮像装置の特性(図2)に比べて、高像高領域50におけるノイズが低減された特性が得られる。
【0026】
このように、一実施の形態に係る撮像装置では、一例として、例えば像高中心領域40では色再現性を優先し、高像高領域50ではノイズ低減を優先するような特性を得ることが可能となる。これにより、周辺光量の低下による画質低下を防ぐことが可能となる。
【0027】
[1.2 構成例]
以下、一実施の形態に係る撮像装置のより具体的な構成例を説明する。
【0028】
(構成例1)
図6および図7に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例1の概要を示す。
【0029】
構成例1に係る撮像装置では、図7に示したように、像高中心領域(例えば像高0%以上60%未満付近)ではカラーフィルタ11の配列がRGBCMY、高像高領域(例えば像高60%以上100%以下付近)ではカラーフィルタ11の配列がRGBとなるように構成されている。これにより、像高中心領域では、カラーフィルタ11の配列をRGBにした場合に比べて色再現性が高い性能が得られる。一方、高像高領域では、カラーフィルタ11の配列をRGBCMYにした場合に比べてノイズが目立たない性能が得られる。結果的に、例えば画面全域でカラーフィルタ11の配列を一様にRGBCMYにした場合に比べて高像高領域でのノイズが目立たない性能が得られる。
【0030】
なお、図6において、横軸は像高、縦軸はブレンド率を示す。ここで、カラーフィルタ11の第1の基準配列から第2の基準配列へと変化する割合をブレンド率とする。第1の基準配列はブレンド率0%、第2の基準配列はブレンド率100%とする。図7の構成例では、ブレンド率0%のカラーフィルタ11の配列であるRGBCMYからブレンド率100%のカラーフィルタ11の配列であるRGBへと変化する割合がブレンド率となる。図7の構成例では、カラーフィルタ11の配列は2種類しかないので、ブレンド率の変化は0%と100%との2値となる。
【0031】
なお、図6には、カラーフィルタ11の配列が変わる境界を像高60%とした例を示したが、カラーフィルタ11の配列が変わる境界は像高60%に限定されるものではない。
【0032】
(構成例2)
図8および図9に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例2の概要を示す。図8において、横軸は像高、縦軸はブレンド率を示す。
【0033】
上述の構成例1では、カラーフィルタ11の配列が2種類である構成例を示したが、カラーフィルタ11の配列の種類は3以上であってもよい。像高に応じてカラーフィルタ11の配列を3段階以上に変化させるようにしてもよい。これにより、像高に応じてカラーフィルタ11の配列を滑らかに切り替えることができる。
【0034】
構成例2に係る撮像装置では、図9に示したように、像高中心領域(例えば像高0%以上30%未満付近)ではカラーフィルタ11の配列がRGBCMY、高像高領域(例えば像高80%以上100%以下付近)ではカラーフィルタ11の配列がRGBとなるように構成されている。さらに、中間像高領域(例えば像高30%以上80%未満付近)では、図8に示す所定のブレンド率に従って、カラーフィルタ11の配列をRGBCMYからRGBへと変化させた構成とされている。なお、図9には、中間像高領域のカラーフィルタ11の一例としてブレンド率が40%である場合の構成例を示す。中間像高領域におけるカラーフィルタ11の配列は、後述する図10に示す配列を採用してもよい。
【0035】
なお、図8には、中間像高領域の境界を像高30%と像高80%とした例を示したが、中間像高領域の境界はこれに限定されるものではない。
【0036】
(構成例3-1)
図10および図11に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-1の概要を示す。図10において、横軸はブレンド率、縦軸は総画素数を示す。
【0037】
複数のカラーフィルタ11の構成は、像高に応じて各色のカラーフィルタの組み合わせが一定の比率を保って変化する構成とされていてもよい。図10および図11では、64画素(縦8画素×横8画素)当たりのカラーフィルタ11の配列の一例を示している。図10および図11には、ブレンド率0%のカラーフィルタ11の配列をRGBCMY、ブレンド率100%のカラーフィルタ11の配列をRGBとした例を示す。例えば、図8および図9における構成例2における中間像高領域において、図10に示したようにカラーフィルタ11の配列をRGBCMYからRGBへと変化させるようにしてもよい。図11には、ブレンド率100%におけるカラーフィルタ11の配列をBayer配列にした場合(図11の上段)と、Quad Bayer配列(QBC:Quad Bayer Coding)にした場合(図11の下段)の例を示す。
【0038】
(構成例3-2)
図12および図13に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-2の概要を示す。図12において、横軸はブレンド率、縦軸は総画素数を示す。
【0039】
複数のカラーフィルタ11の構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、受光素子21の受光感度が高くなる構成としてもよい。複数のカラーフィルタ11は、複数のカラーフィルタ11の構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、補色のカラーフィルタを多く含む構成としてもよい。図12および図13には、ブレンド率0%のカラーフィルタ11の配列をRGB(RGGB)、ブレンド率100%のカラーフィルタ11の配列をRYB(RYYB)とした例を示す。この例では、像高中心領域では、原色(RGB)のカラーフィルタ11を用いて色再現を重視した構成とし、高像高領域に行くに連れて原色の1つであるG色に代えて補色であるY色のカラーフィルタ11を増やして受光感度を重視した構成としている。
【0040】
(構成例3-3)
図14および図15に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例3-3の概要を示す。図14において、横軸はブレンド率、縦軸は総画素数を示す。
【0041】
複数のカラーフィルタ11の構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、受光素子21の受光感度が高くなる構成としてもよい。複数のカラーフィルタ11は、複数のカラーフィルタ11の構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、補色のカラーフィルタを多く含む構成としてもよい。図14および図15には、ブレンド率0%のカラーフィルタ11の配列をRGB、ブレンド率100%のカラーフィルタ11の配列をCMYとした例を示す。この例では、像高中心領域では、原色(RGB)のカラーフィルタ11を用いて色再現を重視した構成とし、高像高領域に行くに連れ原色(RGB)に代えて補色(CMY)のカラーフィルタ11を増やして受光感度を重視した構成としている。
【0042】
(構成例4-1)
図16に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例4-1の概要を示す。図16の上段において、横軸は像高、縦軸はカラーフィルタ11の色数を示す。
【0043】
複数のカラーフィルタ11の構成は、像高に応じて色の数および色の種類が変化する構成としてもよい。図16には、像高0%以上30%未満、像高30%以上60%未満、像高60%以上80%未満、像高80%以上100%以下の各像高領域別にカラーフィルタ11の色の数および色の種類を変化させた例を示す。像高0%以上30%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGBCMYを用いている。像高30%以上60%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGBCを用いている。像高60%以上80%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGGBを用いている。像高80%以上100%以下の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGBWを用いている。Wは、白色を示す。
【0044】
なお、各像高領域内において、カラーフィルタ11の色数を同一にした状態でカラーフィルタ11の配列を変化させるようにしてもよい。また、カラーフィルタ11の構成を変える像高の境界は図16に示した例に限定されるものではない。
【0045】
(構成例4-2)
図17に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例4-2の概要を示す。図17の上段において、横軸は像高、縦軸はカラーフィルタ11の色数を示す。
【0046】
複数のカラーフィルタ11の構成は、像高に応じて色の数および色の種類が変化する構成としてもよい。図17には、像高0%以上30%未満、像高30%以上60%未満、像高60%以上80%未満、像高80%以上100%以下の各像高領域別にカラーフィルタ11の色の数および色の種類を変化させた例を示す。像高0%以上30%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGBCMYを用いている。像高30%以上60%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGBCを用いている。像高60%以上80%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRGGBを用いている。像高80%以上100%以下の像高領域では、カラーフィルタ11の色としてRYYBを用いている。
【0047】
なお、各像高領域内において、カラーフィルタ11の色数を同一にした状態でカラーフィルタ11の配列を変化させるようにしてもよい。また、カラーフィルタ11の構成を変える像高の境界は図17に示した例に限定されるものではない。
【0048】
(構成例5)
図18に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例5の概要を示す。図18において、横軸は像高、縦軸はブレンド率を示す。
【0049】
複数のカラーフィルタ11の構成が、像高に応じて各色のカラーフィルタ11の配列の周期が変化する構成とされていてもよい。例えば、縦方向(垂直方向)の周期をN、横方向(水平方向)の周期をMとすると、各色のカラーフィルタ11の配列の周期が(N×M)で変化する構成とされていてもよい。図18では、各像高におけるカラーフィルタ11の色の個数は同じであるが、カラーフィルタ11の配列の周期を像高に応じて変えている。図18には、各像高においてカラーフィルタ11の色としてRGBを用いた例を示している。図18には、像高0%以上30%未満、像高30%以上60%未満、像高60%以上80%未満、像高80%以上100%以下の各像高領域別にカラーフィルタ11の配列の周期を変化させた例を示す。像高0%以上30%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の配列をBayer配列(N×M=1×1)としている。像高30%以上60%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の配列をQuad Bayer配列(N×M=2×2)としている。像高60%以上80%未満の像高領域では、カラーフィルタ11の配列の周期をN×M=3×3としている。像高80%以上100%以下の像高領域では、カラーフィルタ11の配列の周期をN×M=4×4としている。
【0050】
なお、カラーフィルタ11の配列の周期を変化させる像高領域の分け方は図18に示した例に限定されるものではなく、他の構成を取り得る。また、変化する周期(N×M)は図18に示した例に限定されるものではなく、他の構成を取り得る。
【0051】
(構成例6-1)
図19に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-1の概要を示す。
【0052】
複数のカラーフィルタ11の構成が、面内の1または複数の特定の領域(一部の領域)62とその他の領域とで異なる構成とされていてもよい。図19では、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列を変えている。図19には、特定の領域62を周期的に設けた例を示す。図19には、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列をRGBとし、その他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列をRGBCMYとした例を示す。
【0053】
なお、特定の領域62とその他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列はRGBCMYおよびRGBに限らず、他の態様を取り得る。また、特定の領域62の形状、位置、大きさ、および数等は図19に示した例に限らず、他の態様を取り得る。
【0054】
(構成例6-2)
図20に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-2の概要を示す。
【0055】
複数のカラーフィルタ11の構成が、面内の複数の特定の領域62とその他の領域61とで異なる構成とされ、複数の特定の領域62の分布密度が像高に応じて変化する構成とされていてもよい。図20では、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列を変えている。図20には、特定の領域62の分布密度を像高に応じて変えた例を示す。図20には、像高中心領域では特定の領域62の分布密度を高くし、高像高領域に行くに連れて特定の領域62の分布密度を低くした例を示す。図20には、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列をRGBとし、その他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列をRGBCMYとした例を示す。なお、図20では、説明上、特定の領域62の分布密度の変化を分かりやすくするため、特定の領域62の分布を一部のみ示し、図示を簡略化している。
【0056】
なお、特定の領域62とその他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列はRGBCMYおよびRGBに限らず、他の態様を取り得る。また、特定の領域62の形状、位置、大きさ、および数等は図20に示した例に限らず、他の態様を取り得る。
【0057】
(構成例6-3)
図21に、一実施の形態に係る撮像装置の構成例6-3の概要を示す。
【0058】
複数のカラーフィルタ11の構成が、面内の複数の特定の領域62とその他の領域61とで異なる構成とされ、複数の特定の領域62の分布密度が相対的に高い密領域71と、複数の特定の領域62の分布密度が相対的に低い素領域72とを有する構成とされていてもよい。図21では、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列を変えている。図21には、特定の領域62におけるカラーフィルタ11の配列をRGBとし、その他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列をRGBCMYとした例を示す。
【0059】
なお、特定の領域62とその他の領域61におけるカラーフィルタ11の配列はRGBCMYおよびRGBに限らず、他の態様を取り得る。また、特定の領域62の形状、位置、大きさ、および数等は図21に示した例に限らず、他の態様を取り得る。また、密領域71と素領域72の形状、位置、大きさ、および数等は図21に示した例に限らず、他の態様を取り得る。
【0060】
[1.3 効果]
以上説明したように、一実施の形態に係る撮像装置によれば、複数のカラーフィルタ11の構成を、面内の領域に応じて変化させるようにしたので、所望の画質を得ることが可能となる。
【0061】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。以降の他の実施の形態の効果についても同様である。
【0062】
<2.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記一実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0063】
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
以下の構成の本技術によれば、複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する。これにより、所望の画質を得ることが可能となる。
【0064】
(1)
2次元的に配列された複数の受光素子と、前記複数の受光素子に対応して2次元的に配列された複数のフィルタとを有する画素アレイを備え、
前記複数のフィルタが、互いに色の異なる複数のカラーフィルタを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の領域に応じて変化する構成とされている
撮像装置。
(2)
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて変化する構成とされている
上記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高中心領域に比べて高像高領域の方が、前記受光素子の受光感度が高くなる構成とされている
上記(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記複数のカラーフィルタは、複数の原色のカラーフィルタと、1または複数の補色のカラーフィルタとを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、前記像高中心領域に比べて前記高像高領域の方が、前記補色のカラーフィルタを多く含む構成とされている
上記(3)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(5)
前記複数のカラーフィルタの構成が、高像高領域に比べて像高中心領域の方が、色再現性が高くなる構成とされている
上記(2)に記載の撮像装置。
(6)
前記複数のカラーフィルタは、複数の原色のカラーフィルタと、1または複数の補色のカラーフィルタとを含み、
前記複数のカラーフィルタの構成が、前記高像高領域に比べて前記像高中心領域の方が、前記補色のカラーフィルタを多く含む構成とされている
上記(5)に記載の撮像装置。
(7)
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて色の数および色の種類が変化する構成とされている
上記(2)に記載の撮像装置。
(8)
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて各色の前記カラーフィルタの組み合わせが一定の比率を保って変化する構成とされている
上記(2)ないし(6)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(9)
前記複数のカラーフィルタの構成が、像高に応じて各色の前記カラーフィルタの配列の周期が変化する構成とされている
上記(2)に記載の撮像装置。
(10)
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の1または複数の特定の領域とその他の領域とで異なる構成とされている
上記(1)に記載の撮像装置。
(11)
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の複数の前記特定の領域と前記その他の領域とで異なる構成とされ、前記複数の特定の領域の分布密度が像高に応じて変化する構成とされている
上記(10)に記載の撮像装置。
(12)
前記複数のカラーフィルタの構成が、面内の複数の前記特定の領域と前記その他の領域とで異なる構成とされ、前記複数の特定の領域の分布密度が相対的に高い密領域と、前記複数の特定の領域の分布密度が相対的に低い素領域とを有する構成とされている
上記(10)に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0065】
1…画素アレイ、2…撮像光学系、10…フィルタ層、11…カラーフィルタ、11R…R(赤色)フィルタ、11G…G(緑色)フィルタ、11B…B(青色)フィルタ、11C…C(シアン色)フィルタ、11M…M(マゼンタ色)フィルタ、11Y…Y(黄色)フィルタ、20…受光層(半導体基板)、21…受光素子(PD(フォトダイオード))、30…マイクロレンズ、40…像高中心領域、50…高像高領域(周辺像高領域)、61…その他の領域、62…特定の領域(一部の領域)、71…密領域、72…素領域、100…画素、101…画素アレイ(撮像装置)。
図1
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