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特開2024-79259情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079259
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192100
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】517238798
【氏名又は名称】Cinarra Systems Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細谷 正人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告主の要望を満たす広告効果の測定を実現すること。
【解決手段】本開示に係る一形態の情報処理装置は、広告アカウント情報として、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する取得部と、管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける受付部と、測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する計数部とを有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告アカウント情報として、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する取得部と、
前記管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける受付部と、
前記測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する計数部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記管理単位のうち、所定の1の管理単位に含まれる前記登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記1の管理単位に複数の登録項目が含まれる場合には、各登録項目を前記測定単位とする設定を受け付け、
前記計数部は、前記測定単位として定められた登録項目ごとに、当該登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記1の管理単位に複数の登録項目が含まれる場合には、指定された登録項目の組ごとに当該組に含まれる登録項目を1つにまとめた統合項目を、前記測定単位とする設定を受け付け、
前記計数部は、前記測定単位として定められた統合項目ごとに、当該統合項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記測定単位として定められた登録項目、または、当該登録項目が登録される管理単位よりも下位の管理単位に登録される登録項目を用いて、広告効果が計数された計数結果をレポートとしてまとめさせる単位であるレポート単位の設定をさらに受け付ける
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記下位の管理単位に登録される登録項目のうち、任意に指定された1または複数の登録項目を前記レポート単位とする設定を受け付ける
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、広告主のアカウントと、前記測定単位として定められた登録項目との組ごとに、前記レポート単位の設定を受け付け、当該アカウントと、当該登録項目と、当該レポート単位とで構成される階層構造を、広告効果の測定および測定結果レポートに用いる新たなアカウント情報として設定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記計数部は、前記広告群に含まれる広告に接触した広告接触者によるオフラインでの行動を検知された場合には、前記広告群に含まれる広告のうち、前記オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、前記広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記計数部は、前記オフラインの行動を行った広告接触者について、前記オフラインの行動の後に1または複数の広告に接触した状態で、再度、オフラインの行動を検知された場合には、当該オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、前記広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記計数部は、予め定められている広告効果の測定期間を過ぎた後の所定期間において前記オフラインでの行動を検知された場合には、前記測定期間の間に掲載された広告のうち、前記オフラインの行動を検知されたタイミングの直近に掲載された広告に対して、前記広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記計数部は、前記広告群に含まれる広告に対して発生したイベントの種別に応じて、前記オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前に掲載された各広告に優先度を付与し、付与した優先度に基づいて、前記広告接触者のオフラインでの行動に寄与した広告を判定する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記計数部は、前記オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前に掲載された広告のうち、直近に掲載された広告よりも優先度の高い広告がさらに以前に掲載されていた場合には、優先度の高い前記広告に対して前記広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記計数部は、前記オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、前記オフラインの行動が行われた日付を指し示す第1の広告効果を計数する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記計数部は、前記オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、掲載日を指し示す第2の広告効果を計数する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記計数部は、前記オフラインの行動を行った広告接触者について、前記オフラインの行動の後に広告に接触することなく、再度、オフラインの行動を検知された場合には、当該オフラインの行動に応じた広告効果の計数を行わない
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記計数部は、前記広告接触者として、第1の通信事業者が提供する通信サービスを利用する第1の利用者のうち、前記オフラインでの行動を行った広告接触者を対象として、前記オフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数し、計数結果に基づいて、前記第1の通信事業者とは異なる第2の通信事業者が提供する通信サービスを利用する第2の利用者を対象とした広告効果を推計する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記計数部は、前記第1の利用者のうち前記広告群に含まれる広告に接触した利用者の人数に対する、前記第2の利用者のうち前記広告群に含まれる広告に接触した利用者の人数に比率と、前記広告接触者の人数とに基づき算出された係数で前記計数結果を補正し、補正後の計数結果を前記第2の利用者を対象とした広告効果として推計する
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
広告アカウント情報として、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する取得工程と、
前記管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける受付工程と、
前記測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する計数工程と
を含む情報処理方法。
【請求項19】
広告アカウント情報として、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する取得手順と、
前記管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける受付手順と、
前記測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する計数手順と
を情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の広告配信システムでは、集客のための広告施策において、広告効果を測定するための来店コンバージョンの計測が行われている。例えば、来店コンバージョンを計測することで、広告が来店にどれだけ寄与したかを可視化することができるようになる。
【0003】
また、広告配信システムでは、例えば、広告主のアカウントに対して設定される各キャンペーンに対して広告セットを設定したり、各広告セットに対して複数の運用情報を設定したりすることもできる。この結果、例えば、広告配信システムでは、広告主に対して広告セットごとに効果情報を提示することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-64782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、広告主は、アカウントに対してキャンペーンや広告グループを階層的に紐付けることにより広告運用に関する粒度を設定するが、係る手法では、広告セット単位で広告効果のレポートを得られるだけであるため、広告主の望む単位での来店計測や、広告主の望む単位でのレポートを実現することが困難である。
【0006】
例えば、広告主により設定される広告アカウントの階層構造は、目的、製品、予算等に応じて、細分化される場合がある。しかしながら、広告主は、広告配信を管理するためにこのような細かな設定を行うに過ぎず、広告アカウント構造に基づく来店計測や広告効果の集計までも望んでいる訳ではない場合がある。このため、来店計測の単位や広告効果を集計する単位については個別に設定したいというニーズがある。
【0007】
上記の従来技術では、このような広告主のニーズを満たすことができるとは限らない。具体的には、従来技術では、広告活動を効果的に支援するための施策として、各種広告媒体におけるクリック数と重みとに基づき広告媒体の評価値を算出しているに過ぎない。このため、従来技術では、広告主の要望を満たす広告効果の測定を実現する点で改善の余地があるといえる。
【0008】
そこで、本開示では、広告主の要望を満たす広告効果の測定を実現することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の情報処理装置は、広告アカウント情報として、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する取得部と、前記管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける受付部と、前記測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する計数部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。
図3図3は、広告効果の計数方式を示す図である。
図4図4は、広告効果の計数ルールを示す図である。
図5図5は、広告効果の計数ルールを示す図である。
図6図6は、広告効果の計数ルールを示す図である。
図7図7は、実施形態に係るアカウントの階層構造を説明する説明図である。
図8図8は、実施形態に係る計測装置の構成例を示す図である。
図9図9は、アカウント構造の具体例を示す図(1)である。
図10図10は、広告効果測定の具体例を示す図(1)である。
図11図11は、アカウント構造の具体例を示す図(2)である。
図12図12は、広告効果測定の具体例を示す図(2)である。
図13図13は、アカウント構造の具体例を示す図(3)である。
図14図14は、広告効果測定の具体例を示す図(3)である。
図15図15は、計測装置が実行する情報処理手順を示すフローチャートである。
図16図16は、広告に対して発生したイベントの種別が考慮された広告効果測定の一例を示す図である。
図17図17は、計測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置および情報処理方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
<実施形態>
〔1.システム構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係るシステムの構成を説明する。図1は、実施形態に係るシステムの構成を示す図である。図1には、実施形態に係るシステムの一例として、システム1が示される。
【0013】
図1に示すように、システム1は、利用者装置10と、広告主装置20と、検知装置30と、計測装置100とを備えて構成されてよい。また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30、計測装置100は、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。
【0014】
利用者装置10は、利用者によって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。また、ここでいう利用者とは、リアル店舗に出向いて買い物したり、サービスを受けたりする一般消費者(エンドユーザ)を指し示す。
【0015】
例えば、利用者装置10は、後述する計測装置100から配信された広告を含む画面(広告媒体)を表示する。このような場合、利用者は、広告に接触した広告接触者となる。なお、広告への接触とは、広告が掲載されることだけでなく、広告に対する所定のユーザ操作(例えば、クリック)も含み得る。このように広告接触したことで興味を高められた利用者は、広告対象の店舗に訪問する場合がある。
【0016】
ここで、広告接触者によるリアル店舗への訪問は、実施形態に係るオフラインでの行動の一例であるが、オフラインでの行動はリアル店舗への訪問に限定されない。例えば、オフラインでの行動は、広告接触者によるリアル店舗での商品購入やサービスの享受であってもよい。
【0017】
広告主装置20は、広告主によって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等が挙げられる。また、ここでいう広告主とは、広告を入稿する入稿元を指し示す。例えば、広告主は、広告配信を仲介する配信事業者Tのクライアントとなっている企業であってよく、店舗を運営している場合がある。
【0018】
例えば、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告配信や来店計測に関する各種設定を行う。また、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告自体の入稿も行う。
【0019】
検知装置30は、広告主(例えば、配信事業者Tのクライアント企業)により運営されるリアル店舗に設置される装置であって、来客を検知するための装置である。例えば、検知装置30は、クライアント企業の店舗に設置されるWi-Fiアクセスポイントであってよく、利用者装置10に配信される広告に対して予め付与されている特定のタグとの間で相互作用が得られた場合に、利用者装置10を有する利用者を店舗への来客として検知する。また、検知装置30は、配信事業者T、あるいは、配信事業者Tのパートナー企業により提供される場合がある。
【0020】
計測装置100は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の一例であり、来店計測に係る一連の情報処理を行う。また、計測装置100は、配信事業者Tに属する装置であってよい。
【0021】
計測装置100は、実施形態に係る情報処理として次のような処理を行う。計測装置100は、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得する。また、計測装置100は、管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を広告主から受け付ける。このような状態で、計測装置100は、測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。
【0022】
なお、本実施形態では、計測装置100は、広告配信機能も有するものとして説明する。具体的には、計測装置100は、上述した実施形態に係る情報処理だけでなく、広告主により入稿された広告の配信までも行うものとする。一方で、広告配信は、計測装置100とは別の専用のサーバ装置によって実現されてもよい。
【0023】
また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30は、顧客の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータであることに対して、計測装置100は、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、計測装置100は、サーバ装置であってよい。
【0024】
〔2.来店検知ロジック〕
次に、図2を用いて、来店検知のロジックについて説明する。図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。まず、図2の例によれば、配信事業者Tが提供する広告配信サービスSAでは、入稿された広告Xnの掲載先となる広告媒体として、媒体M1、媒体M2および媒体M3が定められている。また、入稿された広告には、来店検知のためのタグTGが挿入される。タグTGの挿入は、計測装置100によって行われてよい。
【0025】
このような状態において、利用者装置10は、タグTG1(タグTGの一例)が挿入された広告X1(広告Xnの一例)を含む画面である媒体M1を表示した場合には、利用者装置10の利用者が広告X1に接触したことを示す広告接触情報を計測装置100に送信する。広告接触情報には、利用者装置10を識別する端末情報、広告X1の掲載日時、掲載先である媒体M1を示す媒体情報等が含まれてよい。また、広告接触情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。
【0026】
広告X1を閲覧したことで広告接触者となった利用者は、図2に示すように、検知装置30が備えられたリアル店舗に訪問したとする。係る場合、利用者装置10と、検知装置30とが近距離無線通信により接続され、この結果、検知装置30は、近距離無線通信を介してタグTG1を読み取り、利用者装置10を有する利用者を店舗への来客として検知する。そして、検知装置30は、来店検知を示す来店情報を計測装置100に送信する。来店情報には、利用者装置10を識別する端末情報、広告X1の情報、タグTG1の情報、店舗を識別する店舗情報等が含まれてよい。また、来店情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。なお、近距離無線通信の一例としては、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等が挙げられる。また、利用者装置10と、検知装置30との無線接続は、近距離無線通信に限らず、例えば、GPS測位技術が活用されてもよい。
【0027】
〔3.広告効果の計数方式とルール〕
次に、図3図6を用いて、広告効果の計数方式と、計数のルールについて説明する。後述する来店計測用アカウント構造で定義された測定単位での広告効果の計数では、図3図6で説明する方式とルールが採用される。
【0028】
〔3-1.広告効果の計数方式とルール(1)〕
図3は、広告効果の計数方式を示す図である。図3では、任意の利用者Uxに対して、時系列Timeに応じて、広告X3と、広告X2と、広告X1とが順に掲載された後、2022年6月30日の時刻T1において利用者Uxが来店検知された場合を示している。なお、図3では不図示であるが、2022年6月28日の時刻T3に掲載された広告X3と、2022年6月28日の時刻T2に掲載された広告X2と、2022年6月29日の時刻T4に掲載された広告X1とを入稿した広告主と、利用者Uxが来店した今回の店舗の運営企業とは同一であるものとする。
【0029】
ここで、計測装置100には、後述する例外は存在するものの、基本的には、ラストインプレッションという計数方式が採用される。この点について、図3(a)を用いて説明する。図3(a)の例によれば、計測装置100は、広告X1、広告X2および広告X3のうち、利用者Uxの来店に寄与したものを1つ判定し、来店に寄与したと判定した1つの広告である寄与広告に対して、1回の来店を指し示す広告効果として、「1Walk-in」を計数(付与)する。
【0030】
ラストインプレッション方式によれば、計測装置100は、広告X1、広告X2および広告X3のうち、来店検知されたタイミング(すなわち、2022年6月30日の時刻T1)よりも前の直近に掲載された広告に対して、利用者Uxの来店に寄与したと判定する。図3(a)の例では、計測装置100は、2022年6月30日の時刻T1の直近のタイミングである2022年6月29日の時刻T4に掲載された広告X1に対して、利用者Uxの来店に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X1に対して1Walk-inを付与する。
【0031】
また、計測装置100は、利用者Uxが来店した日付(来店検知された日付)を指し示す情報を含めた1Walk-inを付与してもよい。この点について、図3(b)を用いて説明する。図3(b)の例によれば、計測装置100は、利用者Uxが来店した2022年6月30日を含む1Walk-inとして、「1Walk-in_6/30Walk-in」を寄与広告X1に対して付与してよい。このように利用者Uxが来店した日付を含む1Walk-inを付与することで、例えば、来店日ごとに広告がどれくらい寄与したかを知りたいといった広告主の要望に応えることができるようになる。
【0032】
他の例として、計測装置100は、掲載日を指し示す情報を含めた1Walk-inを付与してもよい。この点について、図3(c)を用いて説明する。図3(c)の例によれば、計測装置100は、寄与広告X1が掲載された2022年6月29日を含む1Walk-inとして、「1Walk-in_6/29impression」を寄与広告X1に対して付与してよい。このように寄与広告の掲載日を含む1Walk-inを付与することで、例えば、いつ掲載された広告に対してどれだけの来店があったかを知りたいといった広告主の要望に応えることができるようになる。
【0033】
〔3-2.広告効果の計数方式とルール(2)〕
図4は、広告効果の計数ルールを示す図である。図4では、任意の利用者Uxに対して、時系列Timeに応じて、広告X4と、広告X5と、広告X1と、広告X2と、広告X3とが順に掲載された場合を示している。図4では不図示であるが、広告X1~広告X5を入稿した広告主と、利用者Uxが来店した今回の店舗の運営企業とは同一であるものとする。
【0034】
図4には、時系列Timeに応じて、広告X4→広告X5→広告X1の順に掲載された後、利用者Uxが来店したことで、利用者Uxによる来店行動W1が検知された例が示される。係る例では、計測装置100は、図3で説明したラストインプレッション方式に基づいて、広告X1に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X1に対して1Walk-inを付与する。
【0035】
また、図4には、来店行動W1の後、時系列Timeに応じて、広告X2→広告X3の順にさらに掲載され、利用者Uxが再度来店したことで、利用者Uxによる次の来店行動W2が検知された例が示される。このように、オフラインの行動(W1)の後に1または複数の広告(広告X2,X3)に接触した状態で、再度、オフラインの行動(W2)を検知された場合には、計測装置100は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告X3に対して、再度行われたオフライン行動である来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X1に対して1Walk-inを付与する。
【0036】
〔3-3.広告効果の計数方式とルール(3)〕
図5は、広告効果の計数ルールを示す図である。図5でも、任意の利用者Uxに対して、時系列Timeに応じて、広告X4と、広告X5と、広告X1と、広告X2と、広告X3とが順に掲載された場合を示している。
【0037】
図5には、時系列Timeに応じて、広告X4→広告X5→広告X1の順に掲載された後、利用者Uxが2回続けて来店したことで、利用者Uxによる来店行動W1およびW2が検知された例が示される。このように、オフラインの行動(W1)の後に1または複数の広告に接触することなく、再度、オフラインの行動(W2)を検知された場合には、計測装置100は、先のオフラインの行動である来店行動W1に対してはラストインプレッション方式を採用し、後のオフラインの行動である来店行動W2に対してはラストインプレッション方式を採用しない。つまり、計測装置100は、広告X1に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X1に対して1Walk-inを付与する。一方、計測装置100は、来店行動W2に応じた1Walk-inの付与については行わない。
【0038】
例えば、図5の状況として、広告への接触を挟むことなく、店舗への入出を繰り返すという状況が想定される。このような場合、その都度1Walk-inが付与されてしまうと正当な広告効果を集計することができなくなってしまう。したがって、広告への接触を挟むことなく続けて来店検知された場合には、このような不正な状況を防止する目的で、初回の来店検知のみが、効果測定の要素として用いられる。
【0039】
なお、図4には、来店行動W2の後、時系列Timeに応じて、広告X2→広告X3の順にさらに掲載され、利用者Uxが再度来店したことで、利用者Uxによる次の来店行動W3が検知された例も示される。係る例では、計測装置100は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告X3に対して、来店行動W3に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X3に対して1Walk-inを付与する。
【0040】
〔3-4.広告効果の計数方式とルール(4)〕
図6は、広告効果の計数ルールを示す図である。図6では、これまで説明してきたラスとインプレッション方式から外れた例外の計数方式を説明する。図6でも、任意の利用者Uxに対して、時系列Timeに応じて、広告X4と、広告X5と、広告X1と、広告X2と、広告X3とが順に掲載された場合を示している。
【0041】
ここで、広告主によって来店計測の期間(広告効果の測定期間)が設定される場合がある。図6には、計測期間として「2022年1月1日~2022年6月30日」が設定された例が示される。このように計測期間が設定された場合、計測装置100は、設定された計測期間に基づいて、計測を継続する猶予期間を動的に定めてよい。図6には、計測装置100が、6月30日より後の1か月間すなわち「2022年7月1日~2022年7月31日」を猶予期間として定めた例が示される。
【0042】
図6には、時系列Timeに応じて、広告X4→広告X5→広告X1の順に掲載された後、利用者Uxが来店したことで、利用者Uxによる来店行動W1が検知された例が示される。具体的には、計測期間「2022年1月1日~2022年6月30日」において、広告X4と、広告X5と、広告X1とが順に掲載され、この計測期間内に来店行動W1が検知された例が示される。
【0043】
このように、計測期間内に行われた来店行動W1については、計測期間に掲載された広告を対象とする効果測定の要素として用いられる。すなわち、計測装置100は、これまでの例と同様に、広告X1に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X1に対して1Walk-inを付与する。
【0044】
また、図6には、来店行動W1の後、時系列Timeに応じて、広告X2→広告X3の順にさらに掲載され、利用者Uxが再度来店したことで、利用者Uxによる次の来店行動W2が検知された例が示される。具体的には、計測期間「2022年1月1日~2022年6月30日」において広告X2が掲載され、計測期間を過ぎた後の猶予期間において広告X3が掲載され、また、この猶予期間に来店行動W2が検知された例が示される。
【0045】
係る例において、計測装置100は、ラストインプレッション方式に倣えば、広告X3に対して、来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定めることになる。しかしながら、計測装置100は、計測期間を過ぎた後の猶予期間に検知された来店行動W2についてはラストインプレッション方式の例外を適用する。具体的には、計測装置100は、計測期間「2022年1月1日~2022年6月30日」の間に掲載された広告X4、X5、X1およびX2のうち、来店行動W2の直近に掲載された広告に対して、来店行動W2に寄与したと判定する。図6の例によれば、計測装置100は、来店行動W2の直近に掲載された広告X2に対して、来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計測装置100は、寄与広告X2に対して1Walk-inを付与する。
【0046】
例えば、利用者Uxは、広告に接触してから直ぐに来店するとは限らない。一般的には、利用者Uxは、広告に接触してから数日経過してから来店する場合が多いとされる。このように、広告接触してからオフライン行動が起こされるまでには、特定の期間を要する場合があり、さらに計測期間が定められている状況では、計測期間から外れたオフライン行動が広告効果の計数に反映されず精度が低下してしまう場合がある。そこで、計測装置100は、広告効果の計数精度の低下を防止する目的で、猶予期間を定め、猶予期間に来店検知された場合には、検知された来店行動を、計測期間に掲載された広告を対象とする効果測定の要素として用いる。
【0047】
〔4.アカウント構造〕
次に、図7を用いて、広告主が有するアカウントの階層構造について説明する。図7は、実施形態に係るアカウントの階層構造を説明する説明図である。
【0048】
まず、図7(a)を用いて、広告アカウントの階層構造(広告アカウント構造)について説明する。図7(a)に示す広告アカウント構造は、広告運用の目的に応じて広告を管理するために広告主により設定される。このため、以下の実施形態では、広告アカウント構造を「広告管理用アカウント構造」と表記する場合がある。
【0049】
広告管理用アカウント構造は、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造に相当する。一例として、広告管理用アカウント構造は、図7(a)に示すように、最上位のアカウント階層、中位のキャンペーン階層、最下位の広告グループ階層という3階層を有する階層構造であり、広告グループ階層において実際の掲載広告が紐付けられる。また、ここでいう広告アカウント、キャンペーン、広告グループそれぞれは、広告を管理するための1つの管理単位に相当する。
【0050】
広告アカウントは、広告主の固有の情報(識別情報)であり、階層構造において最上位に位置する管理単位である。広告アカウントは、例えば、広告主の固有のID、パスワード、あるいは、メールアドレスであってよく、広告主は、計測装置100に対して広告アカウントを認証させることで、計測装置100にログインすることができる。このようなことから広告アカウントは、ログインIDとして用いられてよい。
【0051】
キャンペーンは、広告の目的等を示す情報であり、階層構造において広告アカウントの下位(第二位)に位置する管理単位である。広告主は、1つの広告アカウントに対して1つ以上のキャンペーンを設定することができる。キャンペーンでは、例えば、広告の対象となる製品名(サービス名)、予算、スケジュール、広告を配信する地域等の項目を登録することができる。キャンペーンとして登録されるこれらの項目は、1つの管理単位(ここではキャンペーン)で登録される登録項目に相当する。なお、登録項目は、係る例に限定されず、広告を配信する曜日、時間帯、入札方法等も挙げられる。
【0052】
広告グループは、掲載広告をまとめるための情報であり、階層構造においてキャンペーンの下位(第三位)に位置する管理単位である。広告主は、1つのキャンペーンに対して1つ以上の広告グループを設定することができる。広告グループでは、例えば、掲載広告をまとめるためのキーワードや入札単価等の項目を登録することができる。広告グループとして登録されるこれらの項目は、1つの管理単位(ここでは広告グループ)で登録される登録項目に相当する。
【0053】
なお、広告を管理するための管理単位は、広告アカウント、キャンペーン、広告グループに限定されない。例えば、利用者装置10に接続されるネットワークを提供する事業者(例えば、移動体通信事業者)の名称や、利用者装置10の種類(例えば、スマートフォン、タブレット、PC等)も管理単位として用いられてよい。また、ネットワークを提供する事業者の名称、利用者装置10の種類は、検知装置30によって検知されたものが利用されてよい。
【0054】
ここで、広告管理用アカウント構造によれば、例えば、広告グループ単位で来店計測したり、広告グループ単位で集計された広告効果のレポートを広告主に提供したりすることができる。しかしながら、上記の通り、広告管理用アカウント構造は、広告運用の目的に合わせて設定されるものであり、広告主は、広告管理用アカウント構造が有する1つの単位である広告グループ単位での来店計測や広告効果の集計までも望んでいる訳ではない場合がある。広告主は、実際には、来店計測の単位や広告効果を集計する単位については個別に設定したいと考えている場合がある。そこで、計測装置100は、広告主のニーズに応えて、広告効果の測定単位の設定と、広告効果の集計結果をレポートとしてまとめさせる単位であるレポート単位の設定とを受け付け、設定された内容に基づき、広告管理用アカウント構造とは異なる新たなアカウント構造を生成する。
【0055】
以下の実施形態では、広告効果の測定単位を「ラインアイテム」、レポート単位を「レポートキャンペーン」、「ラインアイテム」と「レポートキャンペーン」とで構成される新たなカウント構造を「来店計測用アカウント構造」と表記する場合がある。
【0056】
ここからは、図7(b)を参照し、来店計測用アカウント構造についてより詳細に説明する。来店計測用アカウント構造では、広告管理用アカウント構造において登録される登録項目のいずれをラインアイテム(広告効果の測定単位)とするか、ラインアイテムで計数された広告効果をどのような単位(レポート単位)で集計させるかが定義される。
【0057】
図7(b)の例によれば、広告主は、広告アカウント、キャンペーン、広告グループという管理単位それぞれを1つの階層とする階層構造である1つの広告管理用アカウント構造に対応する1つ以上のアカウント(計測アカウント)を設定することができる。
【0058】
また、広告主は、管理単位である広告アカウント、キャンペーン、広告グループのうち、いずれかに含まれる登録項目をラインアイテムとして設定することができる。本実施形態では、キャンペーンに限定し、キャンペーンとして登録された登録項目のいずれかをラインアイテムとして設定可能な構成が計測装置100に採用されているものとして説明する。係る例では、広告主は、キャンペーンとして登録した登録項目のうち、1つ以上の登録項目をラインアイテムとして設定することができる。
【0059】
例えば、広告主は、複数の登録項目を組み合わせて1つのラインアイテムとして設定することができる。例えば、広告主は、予め設定している広告管理用アカウント構造(図7(a))を参照し、キャンペーンとして登録した製品名項目「〇〇」と、キャンペーンとして登録した別の製品名項目「製品名××」とを組み合わせて1つのラインアイテムとする操作を計測装置100に対して行ったとする。係る場合、計測装置100は、図7(b)に示すように、製品名「〇〇」と、製品名「××」とを1つにまとめた統合項目(製品名「〇〇」+製品名「××」)をラインアイテムとする設定を受け付ける。
【0060】
このような設定内容では、計測装置100は、製品名「〇〇」の配下に紐づく4つの広告と、製品名「××」の配下に紐づく4つの広告とが時系列に応じて掲載されてゆく中で、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して1Walk-inを付与する。
【0061】
また、広告主は、ラインアイテムに用いた登録項目を有するキャンペーン階層よりも下位の広告グループ階層において、広告グループとして登録した登録項目を用いて、レポート単位であるレポートキャンペーンを設定することができる。なお、ラインアイテムに用いられた登録項目もレポートキャンペーンの設定に利用可能とする構成が採用されてもよい。
【0062】
例えば、広告主は、広告管理用アカウント構造を参照し、広告グループとして登録したキーワード(キャンペーン)項目「7月」と、広告グループとして登録した別のキーワード項目「8月」とを組み合わせて1つのレポートキャンペーンとする操作を計測装置100に対して行ったとする。係る場合、計測装置100は、図7(b)に示すように、「7月」グループに属する広告の広告効果と、「8月」グループに属する広告の広告効果とを合わせて1つのレポート単位とするレポートキャンペーンの設定を受け付ける。
【0063】
このような設定内容では、計測装置100は、例えば、「7月」グループに属する広告のうち1Walk-inが付与された広告の数と、「8月」グループに属する広告のうち1Walk-inが付与された広告の数とを合わせた総数(Total Walkins)が示されたレポートを生成し、これを広告主に提供する。
【0064】
なお、計測装置100は、「7月」グループに属する広告のうち実際に掲載された広告の数と、「8月」グループに属する広告のうち実際に掲載された広告の数とを合わせた総数(Total Impressions)も併せて示されたレポートを生成してもよい。
【0065】
また、計測装置100は、計測アカウントと、ラインアイテムと、レポートキャンペーンとの設定を受け付けた場合には、図7(b)に示すように、計測アカウントと、ラインアイテムと、レポートキャンペーンとで構成される階層構造を、来店計測用アカウント構造として新たに設定する。来店計測用アカウント構造は、最上位の計測アカウント階層、中位のラインアイテム階層、最下位のレポートキャンペーン階層という3階層を有する階層構造であってよい。
【0066】
また、このように、来店計測用アカウント構造は、広告管理用アカウントとは分離して個別に設定され、来店計測用アカウント構造で定義される設定内容に基づき、広告効果の測定および測定結果のレポートが行われる。このようなことから、来店計測用アカウント構造は、来店計測において広告主のニーズが反映された情報と解することができ、これを用いることで、広告主の望む単位での効果測定や、広告主の望む単位でのレポートを実現することができるようになる。
【0067】
なお、図7に示す来店計測用アカウント構造は、枝分れを有しない単純な階層構造であるが、ラインアイテムやレポートキャンペーンの設定の仕方によっては、これらをノードとする様々な枝分れが発生するため、枝分れに応じた各種の階層構造が得られる場合がある。そこで、階層構造のバリケーションについては後程詳しく説明する。
【0068】
〔5.計測装置の構成〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る計測装置100(情報処理装置)について説明する。図8は、実施形態に係る計測装置100の構成例を示す図である。図8に示すように、計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0069】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、通信部110は、ネットワークNと無線で接続され、例えば、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30との間で情報の送受信を行う。
【0070】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、アカウントデータベース122とを有する。
【0071】
接触/来店情報データベース121は、図2で説明した広告接触情報や来店情報を記憶する。アカウントデータベース122は、図7で説明したアカウント構造を示すアカウント情報を記憶する。具体的には、アカウントデータベース122は、アカウント情報として、広告管理用アカウント構造と、来店計測用アカウント構造とを記憶する。
【0072】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0073】
図8に示すように、制御部130は、受付部131と、計数部132と、取得部133と、作成部134と、提示部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図8に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図8に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0074】
(受付部131/計数部132について)
受付部131は、アカウントの階層構造に関する設定を受け付ける。具体的には、受付部131は、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造すなわち広告管理用アカウント構造の設定を受け付ける。図7の例によれば、受付部131は、広告アカウント、キャンペーン、広告グループの設定を受け付けるとともに、広告グループに所属させる実際の掲載広告の入稿を受け付ける。より具体的には、受付部131は、広告アカウントとして登録する内容、キャンペーンとして登録する内容、広告グループとして登録する内容をそれぞれ受け付けてよい。
【0075】
受付部131は、広告主から受け付けた設定内容で構成される広告管理用アカウント構造の情報をアカウントデータベース122に登録する。
【0076】
また、受付部131は、来店計測用アカウント構造の設定も受け付けてよい。例えば、後述する取得部133は、広告主による来店計測用アカウント構造の設定要求に応じて、広告管理用アカウント構造を取得し、これを広告主の広告主装置20に送信してよい。この場合、広告主は、広告管理用アカウント構造を参照しながら、来店計測用アカウント構造を設定する。
【0077】
受付部131は、来店計測用アカウント構造の要素の1つとして、広告効果の測定単位(ラインアイテム)の設定を受け付ける。
【0078】
例えば、受付部131は、管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付ける。係る場合、計数部132は、測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。
【0079】
例えば、受付部131は、管理単位のうち、所定の1の管理単位に含まれる登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を受け付けてよい。
【0080】
例えば、受付部131は、この1の管理単位に複数の登録項目が含まれる場合には、各登録項目を測定単位とする設定を受け付けてよく、この場合、計数部132は、測定単位として定められた登録項目ごとに、当該登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。
【0081】
他の例として、受付部131は、1の管理単位に複数の登録項目が含まれる場合には、指定された登録項目の組ごとに当該組に含まれる登録項目を1つにまとめた統合項目を、測定単位とする設定を受け付けてもよい。この場合、計数部132は、測定単位として定められた統合項目ごとに、当該統合項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。
【0082】
また、受付部131は、来店計測用アカウント構造の要素の1つとして、広告効果が計数された計数結果をレポートとしてまとめさせる単位であるレポート単位(レポートキャンペーン)の設定も受け付ける。
【0083】
例えば、受付部131は、測定単位として定められた登録項目、または、当該登録項目が登録される管理単位よりも下位の管理単位に登録される登録項目を用いて、広告効果が計数された計数結果をレポートとしてまとめさせる単位であるレポート単位の設定を受け付ける。例えば、受付部131は、下位の管理単位に登録される登録項目のうち、任意に指定された1または複数の登録項目をレポート単位とする設定を受け付けてよい。
【0084】
また、受付部131は、広告主のアカウント(計測アカウント)と、測定単位として定められた登録項目との組ごとに、レポート単位の設定を受け付け、受け付けたアカウントと、登録項目と、レポート単位とで構成される階層構造(来店計測用アカウント構造)を、広告効果の測定および測定結果レポートに用いる新たなアカウント情報として設定する。
【0085】
受付部131は、来店計測用アカウント構造の情報もアカウントデータベース122に登録してよい。
【0086】
計数部132についてより詳細に説明する。図3で説明したように、計数部132は、登録項目の配下に紐づく広告群に含まれる広告に接触した広告接触者によるオフラインでの行動を検知された場合には、広告群に含まれる広告のうち、オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する。
【0087】
図4で説明したように、例えば、計数部132は、オフラインの行動を行った広告接触者について、オフラインの行動の後に1または複数の広告に接触した状態で、再度、オフラインの行動を検知された場合には、当該オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する。
【0088】
一方、図5で説明したように、計数部132は、オフラインの行動を行った広告接触者について、オフラインの行動の後に広告に接触することなく、再度、オフラインの行動を検知された場合には、当該オフラインの行動に応じた広告効果の計数を行わない。
【0089】
また、図6で説明したように。計数部132は、予め定められている広告効果の測定期間を過ぎた後の所定期間(例えば、1ヶ月の猶予期間)においてオフラインでの行動を検知された場合には、測定期間の間に掲載された広告のうち、オフラインの行動を検知されたタイミングの直近に掲載された広告に対して、広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定する。
【0090】
例えば、計数部132は、オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、1回のオフラインの行動を指し示す広告効果(1Walk-in)を付与する。例えば、計数部132は、オフラインの行動が行われた日付を含む第1の広告効果を付与してよい。また、計数部132は、オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前の直近に掲載された広告に対して、掲載日を指し示す第2の広告効果を計付与してもよい。
【0091】
(取得部133について)
取得部133は、広告効果の測定に用いられる各種情報を取得する。例えば、取得部133は、広告主による来店計測用アカウント構造の設定要求に応じて、広告管理用アカウント構造を取得する。また、取得部133は、来店計測用アカウント構造のも取得する。また、取得部133は、広告接触情報や来店情報も取得してよい。
【0092】
(作成部134について)
作成部134は、来店計測用アカウント構造で定義されるレポート単位に基づいて、広告主に提示されるレポートを作成する。例えば、作成部134は、来店計測用アカウント構造で定義されるレポート単位に基づいて、1Walk-inの付与結果を集計しレポートを作成する。
【0093】
(提示部135について)
提示部135は、作成部134により作成されたレポートを広告主に提示する。具体的には、提示部135は、広告主装置20にレポートを送信する。なお、レポートが提示される相手は、広告主に限定されない。例えば、提示部135は、広告主からの依頼を請け負う広告代理店や、広告の配信・計測に関わる所定の事業者にもレポートを提示してよい。
【0094】
〔6.来店計測用アカウント構造と、効果測定の具体例〕
ここからは、図9図14を用いて、来店計測用アカウント構造の具体例と、来店計測用アカウント構造を用いた広告効果測定の具体的手法とを説明する。図9図14では、広告主C1によって広告管理用アカウント構造と、来店計測用アカウント構造との設定が行われ、広告主C1による入稿広告の掲載に応じて任意の利用者Uxが広告接触者となった場合を示す。また、図9図14の説明に用いる各来店計測用アカウント構造は、図7(b)で説明した来店計測用アカウント構造のバリエーションである。
【0095】
なお、図9図14では、来店計測用アカウント構造の各バリエーションは、1つの広告管理用アカウント構造AC1をベースに設定されるものとする。
【0096】
〔6-1.来店計測用アカウント構造と、効果測定の具体例(1)〕
図9は、アカウント構造の具体例を示す図(1)である。まず、図9を用いて、広告管理用アカウント構造AC1(「管理用アカウントAC1」と略す)について説明する。
【0097】
管理用アカウントAC1は、最上位のアカウント階層、中位のキャンペーン階層、最下位の広告グループ階層という3階層を有する階層構造であり、広告グループ階層において実際の掲載広告群が紐付けられる。
【0098】
図9の例によれば、管理用アカウントAC1は、アカウント階層において、ログインID「C11」を有する。係る例は、広告主C1により広告アカウントとして、ログインID「C11」が登録されたことを示す。すなわち、ログインID「C11」は、広告アカウントとして登録された登録項目である。
【0099】
また、管理用アカウントAC1は、キャンペーン階層において、ログインID「C11」の下位として紐づく製品名「PD1」と、製品名「PD2」とを有する。係る例は、広告主C1により広告アカウント「C11」の下位(第二位)に位置するキャンペーンとして、製品名「PD1」および製品名「PD2」が登録されたことを示す。すなわち、製品名「PD1」および製品名「PD2」は、キャンペーンとして登録された登録項目である。
【0100】
また、管理用アカウントAC1は、広告グループ階層において、製品名「PD1」の下位として紐づくキーワード「7月」と、キーワード「8月」とを有する。係る例は、広告主C1によりキャンペーン「PD1」の下位(第三位)に位置する広告グループとして、キーワード「7月」およびキーワード「8月」が登録されたことを示す。すなわち、キーワード「7月」およびキーワード「8月」は、広告グループとして登録された登録項目である。
【0101】
また、管理用アカウントAC1は、広告グループ階層において、製品名「PD2」の下位として紐づくキーワード「7月」と、キーワード「8月」とを有する。係る例は、広告主C1によりキャンペーン「PD2」の下位(第三位)に位置する広告グループとして、キーワード「7月」およびキーワード「8月」が登録されたことを示す。すなわち、キーワード「7月」およびキーワード「8月」は、広告グループとして登録されたもう一方の登録項目である。
【0102】
さらに、図9の例によれば、キャンペーン「PD1」に対応する広告グループ「7月」に対して、広告AD1および広告AD2が紐付けられている。係る例は、広告主C1によって、キャンペーン「PD1」に対応する広告グループ「7月」の配下として所属させる広告として、広告AD1および広告AD2が入稿されている例を示す。
【0103】
キャンペーン「PD1」に対応する広告グループ「8月」に対しては、広告AD3および広告AD4が紐付けられている。係る例は、広告主C1によって、キャンペーン「PD1」に対応する広告グループ「8月」の配下として所属させる広告として、広告AD3および広告AD4が入稿されている例を示す。
【0104】
他方、キャンペーン「PD2」に対応する広告グループ「7月」に対して、広告AD5および広告AD6が紐付けられている。係る例は、広告主C1によって、キャンペーン「PD2」に対応する広告グループ「7月」の配下として所属させる広告として、広告AD5および広告AD6が入稿されている例を示す。
【0105】
キャンペーン「PD2」に対応する広告グループ「8月」に対しては、広告AD7および広告AD8が紐付けられている。係る例は、広告主C1によって、キャンペーン「PD2」に対応する広告グループ「8月」の配下として所属させる広告として、広告AD7および広告AD8が入稿されている例を示す。
【0106】
次に、管理用アカウントAC1を用いて設定された1つの来店計測用アカウント構造について説明する。図9には、来店計測用アカウント構造のバリエーションとして、来店計測用アカウント構造AC11(「計測用アカウントAC11」と略す)が示される。
【0107】
図9の例によれば、計測用アカウントAC11は、最上位の計測アカウント階層、中位のラインアイテム階層、最下位のレポートキャンペーン階層という3階層の階層構造である。
【0108】
また、図9の例によれば、計測用アカウントAC11は、計測アカウント階層において、ログインID「AC11」を有する。係る例は、広告主C1により計測アカウントとして、ログインID「AC11」が登録されたことを示す。
【0109】
計測用アカウントAC11は、ラインアイテム階層において、ログインID「AC11」の下位として紐づくラインアイテムLA11を有する。ラインアイテムLA11は、管理用アカウントAC1側でキャンペーンとして登録された登録項目である製品名「PD1」と、製品名「PD2」とを組み合わせて定義されている。係る例は、受付部131が、製品名「PD1」と、製品名「PD2」とを1つにまとめた統合項目(製品名「PD1」+製品名「PD2」)を広告効果の測定単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0110】
このような設定内容では、計数部132は、製品名「PD1」の配下に紐づく4つの広告(広告AD1~AD4)と、製品名「PD2」の配下に紐づく4つの広告(広告AD5~AD8)とが時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxのオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。つまり、計数部132は、広告AD1~AD8が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxの来店行動に寄与したと判定される1の広告に対して1Walk-inを付与する。
【0111】
また、計測用アカウントAC11は、レポートキャンペーン階層において、ラインアイテムLA11の下位として紐づくレポートキャンペーンCP111を有する。レポートキャンペーンCP111は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「7月」と、キーワード「8月」とを組み合わせて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「7月」のグループに属する広告(広告AD1、AD2、AD5、AD6)の広告効果と、キーワード「8月」のグループに属する広告(広告AD3、AD4、AD7、AD8)の広告効果とを合わせて1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0112】
このような設定内容では、作成部134は、例えば、「7月」グループに属する広告(広告AD1、AD2、AD5、AD6)のうち1Walk-inが付与された広告の数と、「8月」グループに属する広告(広告AD3、AD4、AD7、AD8)のうち1Walk-inが付与された広告の数とを合わせた総数(Total Walkins)が示されたレポートを生成し、これを広告主に提示させる。つまり、作成部134は、広告AD1~AD8のうち1Walk-inが付与された広告の数を集計し、集計結果がまとめられたレポートを生成する。
【0113】
次に、図10を用いて、計測用アカウントAC11に基づき実行される広告効果の測定について説明する。図10は、広告効果測定の具体例を示す図(1)である。
【0114】
図10(a)には、計測用アカウントAC11に基づき実行される広告効果測定の具体例が示される。図10(a)では、利用者U1(利用者Uxの一例)に対して、時系列Timeに応じて、レポートキャンペーンCP111でまとめられる広告AD8と、広告AD4と、広告AD5と、広告AD6と、広告AD1とが順に掲載された場合を示している。
【0115】
図10(a)には、時系列Timeに応じて、広告AD8→広告AD4→広告AD5→広告AD6の順に掲載された後、利用者U1が来店したことで、利用者U1による来店行動W1が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD6に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD6に対して1Walk-inを付与する。
【0116】
また、図10(a)には、来店行動W1の後、時系列Timeに応じて、広告AD5→広告AD1の順にさらに掲載され、利用者U1が再度来店したことで、利用者U1による次の来店行動W2が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD1に対して、再度行われた来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD1に対して1Walk-inを付与する。
【0117】
図10(b)には、計測用アカウントAC11に基づき広告効果がまとめられたレポートの一例としてレポートRP11が示される。レポートRP11では、ラインアイテムLA11に紐付けられるレポートキャンペーンCP111の単位で広告効果が集計されている。具体的には、レポートRP11では、レポートキャンペーンCP111を用いて、図10(a)に示す「掲載広告」(広告AD1、広告AD4、広告AD5、広告AD6、広告AD8)と、「寄与広告」(広告AD1、広告AD6)とがまとめられている。
【0118】
また、レポートキャンペーンCP111において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U1に対して掲載された広告すなわち利用者U1が接触した広告の総数を示し、図10(a)の例に倣って、総数6を示すImpression「6」が入力されている。
【0119】
さらに、レポートキャンペーンCP111において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U1の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図10(a)の例に倣って、総数2を示すWalk-in「2」が入力されている。
【0120】
〔6-2.来店計測用アカウント構造と、効果測定の具体例(2)〕
図11は、アカウント構造の具体例を示す図(2)である。図11には、管理用アカウントAC1を用いて設定された1つの来店計測用アカウント構造として、来店計測用アカウント構造AC12(「計測用アカウントAC12」と略す)が示される。
【0121】
図11の例によれば、計測用アカウントAC12は、最上位の計測アカウント階層、中位のラインアイテム階層、最下位のレポートキャンペーン階層という3階層の階層構造である。
【0122】
また、図11の例によれば、計測用アカウントAC12は、計測アカウント階層において、ログインID「AC12」を有する。係る例は、広告主C1により計測アカウントとして、ログインID「AC12」が登録されたことを示す。
【0123】
計測用アカウントAC12は、ラインアイテム階層において、ログインID「AC12」の下位として紐づくラインアイテムLA12を有する。ラインアイテムLA12は、管理用アカウントAC1側でキャンペーンとして登録された登録項目である製品名「PD1」と、製品名「PD2」とを組み合わせて定義されている。係る例は、受付部131が、製品名「PD1」と、製品名「PD2」とを1つにまとめた統合項目(製品名「PD1」+製品名「PD2」)を広告効果の測定単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0124】
このような設定内容では、計数部132は、製品名「PD1」の配下に紐づく4つの広告(広告AD1~AD4)と、製品名「PD2」の配下に紐づく4つの広告(広告AD5~AD8)とが時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxのオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。つまり、計数部132は、広告AD1~AD8が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxの来店行動に寄与したと判定される1の広告に対して1Walk-inを付与する。
【0125】
また、計測用アカウントAC12は、レポートキャンペーン階層において、ラインアイテムLA12の下位として紐づくレポートキャンペーンCP121と、レポートキャンペーンCP122とを有する。
【0126】
レポートキャンペーンCP121は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「7月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「7月」のグループに属する広告(広告AD1、AD2、AD5、AD6)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。レポートキャンペーンCP122は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「8月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「8月」のグループに属する広告(広告AD3、AD4、AD7、AD8)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0127】
つまり、受付部131は、「7月」グループに属する広告と、「8月」グループに属する広告とを区別して個別にまとめた内容をレポートとする設定を広告主C1から受け付けている。
【0128】
このような設定内容では、作成部134は、例えば、「7月」グループに属する広告(広告AD1、AD2、AD5、AD6)のうち1Walk-inが付与された広告の総数と、「8月」グループに属する広告(広告AD3、AD4、AD7、AD8)のうち1Walk-inが付与された広告の総数とが個別に示されたレポートを生成し、これを広告主に提示させる。
【0129】
次に、図12を用いて、計測用アカウントAC12に基づき実行される広告効果の測定について説明する。図12は、広告効果測定の具体例を示す図(2)である。
【0130】
図12(a)には、計測用アカウントAC12に基づき実行される広告効果測定の具体例が示される。図12(a)では、利用者U2(利用者Uxの一例)に対して、時系列Timeに応じて、レポートキャンペーンCP121でまとめられる広告群(広告AD1、広告AD5、広告AD6)と、レポートキャンペーンCP122でまとめられる広告群(広告AD4、広告AD8)とが順に掲載された場合を示している。
【0131】
図12(a)には、時系列Timeに応じて、広告AD8→広告AD4→広告AD5→広告AD6の順に掲載された後、利用者U2が来店したことで、利用者U2による来店行動W1が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD6に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD6に対して1Walk-inを付与する。
【0132】
また、図12(a)には、来店行動W1の後、時系列Timeに応じて、広告AD5→広告AD1の順にさらに掲載され、利用者U2が再度来店したことで、利用者U2による次の来店行動W2が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD1に対して、再度行われた来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD1に対して1Walk-inを付与する。
【0133】
図12(b)には、計測用アカウントAC12に基づき広告効果がまとめられたレポートの一例としてレポートRP12が示される。レポートRP12では、ラインアイテムLA12に紐付けられるレポートキャンペーンCP121の単位と、ラインアイテムLA12に紐付けられるレポートキャンペーンCP122の単位とで分けて、それぞれの単位で広告効果が集計されている。
【0134】
具体的には、レポートRP12では、レポートキャンペーンCP121を用いて、図12(a)に示す「掲載広告」(広告AD1、広告AD5、広告AD6)と、「寄与広告」(広告AD1、広告AD6)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP121において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U2に対して掲載された広告すなわち利用者U2が接触した広告の総数を示し、図12(a)の例に倣って、総数4を示すImpression「4」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP121において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U2の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図12(a)の例に倣って、総数2を示すWalk-in「2」が入力されている。
【0135】
また、レポートRP12では、レポートキャンペーンCP122を用いて、図12(a)に示す「掲載広告」(広告AD4、広告AD8)と、「寄与広告」(なし)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP122において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U2に対して掲載された広告すなわち利用者U2が接触した広告の総数を示し、図12(a)の例に倣って、総数2を示すImpression「2」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP122において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U2の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図12(a)の例に倣って、総数0を示すWalk-in「0」が入力されている。
【0136】
さて、図9図11の例では、1つのラインアイテム(例えば、図9ではアイテムLA11、図11の例ではアイテムLA12)が設定された例を示した。この場合、1つのラインアイテムについて、来店行動の寄与判定が行われ、そして、広告効果が測定される。しかしながら、利用者は、複数のラインアイテムを設定することもできる。複数のラインアイテムを設定が設定された場合、来店行動ごとの寄与判定が、各ラインアイテムに対して行われる。この点について、図13および図14を用いて説明する。
【0137】
〔6-3.来店計測用アカウント構造と、効果測定の具体例(3)〕
図13は、アカウント構造の具体例を示す図(3)である。図13には、管理用アカウントAC1を用いて設定された1つの来店計測用アカウント構造として、来店計測用アカウント構造AC13(「計測用アカウントAC13」と略す)が示される。
【0138】
図13の例によれば、計測用アカウントAC13は、最上位の計測アカウント階層、中位のラインアイテム階層、最下位のレポートキャンペーン階層という3階層の階層構造である。
【0139】
また、図13の例によれば、計測用アカウントAC13は、計測アカウント階層において、ログインID「AC13」を有する。係る例は、広告主C1により計測アカウントとして、ログインID「AC13」が登録されたことを示す。
【0140】
計測用アカウントAC13は、ラインアイテム階層において、ログインID「AC13」の下位として紐づく複数のラインアイテムを有する。具体的には、計測用アカウントAC13は、ラインアイテムLA131と、ラインアイテム132とを有する。
【0141】
まず、ラインアイテムLA131の方から説明する。ラインアイテムLA131は、管理用アカウントAC1側でキャンペーンとして登録された登録項目である製品名「PD1」のみで定義されている。係る例は、受付部131が、製品名「PD1」を広告効果の測定単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0142】
このような設定内容では、計数部132は、製品名「PD1」の配下に紐づく4つの広告(広告AD1~AD4)が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxのオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。つまり、計数部132は、広告AD1~AD4が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxの来店行動に寄与したと判定される1の広告に対して1Walk-inを付与する。
【0143】
また、計測用アカウントAC13は、レポートキャンペーン階層において、ラインアイテムLA131の下位として紐づくレポートキャンペーンCP1311と、レポートキャンペーンCP1312とを有する。
【0144】
レポートキャンペーンCP1311は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「7月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「7月」のグループに属する広告(広告AD1、AD2)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。レポートキャンペーンCP1312は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「8月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「8月」のグループに属する広告(広告AD3、AD4)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0145】
つまり、受付部131は、ラインアイテムLA131の配下に紐づく広告群(広告AD1、AD2、AD3、AD4)を、「7月」グループに属する広告と、「8月」グループに属する広告とで区別して個別にまとめた内容をレポートとする設定を広告主C1から受け付けている。
【0146】
このような設定内容では、作成部134は、ラインアイテムLA131について、例えば、「7月」グループに属する広告(広告AD1、AD2)のうち1Walk-inが付与された広告の総数と、「8月」グループに属する広告(広告AD3、AD4)のうち1Walk-inが付与された広告の総数とが個別に示されたレポートを生成し、これを広告主に提示させる。
【0147】
次に、ラインアイテムLA132側の説明に移る。ラインアイテムLA132は、管理用アカウントAC1側でキャンペーンとして登録された登録項目である製品名「PD2」のみで定義されている。係る例は、受付部131が、製品名「PD2」を広告効果の測定単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0148】
このような設定内容では、計数部132は、製品名「PD2」の配下に紐づく4つの広告(広告AD5~AD8)が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxのオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数する。つまり、計数部132は、広告AD5~AD8が時系列に応じて掲載されてゆく中で、利用者Uxの来店行動に寄与したと判定される1の広告に対して1Walk-inを付与する。
【0149】
また、計測用アカウントAC13は、レポートキャンペーン階層において、ラインアイテムLA132の下位として紐づくレポートキャンペーンCP1321と、レポートキャンペーンCP1322とを有する。
【0150】
レポートキャンペーンCP1321は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「7月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「7月」のグループに属する広告(広告AD5、AD6)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。レポートキャンペーンCP1322は、管理用アカウントAC1側で広告グループとして登録された登録項目であるキーワード「8月」を用いて定義されている。係る例は、受付部131が、キーワード「8月」のグループに属する広告(広告AD7、AD8)の広告効果を1つのレポート単位とする設定を広告主C1から受け付けた例を示す。
【0151】
つまり、受付部131は、ラインアイテムLA132の配下に紐づく広告群(広告AD5、AD6、AD7、AD8)を、「7月」グループに属する広告と、「8月」グループに属する広告とで区別して個別にまとめた内容をレポートとする設定を広告主C1から受け付けている。
【0152】
このような設定内容では、作成部134は、ラインアイテムLA132について、例えば、「7月」グループに属する広告(広告AD5、AD6)のうち1Walk-inが付与された広告の総数と、「8月」グループに属する広告(広告AD7、AD8)のうち1Walk-inが付与された広告の総数とが個別に示されたレポートを生成し、これを広告主に提示させる。
【0153】
次に、図14を用いて、計測用アカウントAC13に基づき実行される広告効果の測定について説明する。図14は、広告効果測定の具体例を示す図(3)である。
【0154】
図14(a)には、計測用アカウントAC13に基づき実行される広告効果測定の具体例が示される。
【0155】
図14(a)の上段(ラインアイテムLA131)では、利用者U3に対して、時系列Timeに応じて、レポートキャンペーンCP1311でまとめられる広告群(広告AD1、広告AD2)と、レポートキャンペーンCP1312でまとめられる広告群(広告AD3、広告AD4)とが順に掲載された場合を示している。
【0156】
また、図14(a)の下段(ラインアイテムLA132)には、上段とは異なるシチュエーションが他の一例として示される。図14(a)の下段では、利用者U3に対して、時系列Timeに応じて、レポートキャンペーンCP1321でまとめられる広告群(広告AD5、広告AD6)と、レポートキャンペーンCP1322でまとめられる広告群(広告AD7、広告AD8)とが順に掲載された場合を示している。
【0157】
まず、図14(a)の上段例について説明する。図14(a)の上段には、時系列Timeに応じて、広告AD2→広告AD3の順に掲載された後、利用者U3が来店したことで、利用者U3による来店行動W1が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD3に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD3に対して1Walk-inを付与する。
【0158】
また、図14(a)の上段には、来店行動W1の後、時系列Timeに応じて、広告AD1→広告AD4の順にさらに掲載され、利用者U3が再度来店したことで、利用者U3による次の来店行動W2が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD4に対して、再度行われた来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD4に対して1Walk-inを付与する。
【0159】
次に、図14(a)の下段例について説明する。図14(a)の下段には、時系列Timeに応じて、広告AD6→広告AD7→広告5の順に掲載された後、利用者U3が来店したことで、利用者U3による来店行動W1が検知された例が示される。係る例では、計数部132は、ラストインプレッション方式に基づいて、広告AD5に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD5に対して1Walk-inを付与する。
【0160】
ここで、図14(a)の上段および下段に示すように、複数のラインアイテム(図14の例では、ラインアイテムLA131およびLA132)が存在する場合には、来店行動ごとの寄与判定が、各ラインアイテムに対して行われる。
【0161】
図14(b)には、計測用アカウントAC13に基づき広告効果がまとめられたレポートの一例として、レポートRP13-1およびレポートRP13-2が示される。レポートRP13-1はラインアイテムLA131に対応し、レポートRP13-2はラインアイテムLA132に対応する。
【0162】
レポートRP13-1では、ラインアイテムLA131に紐付けられるレポートキャンペーンCP1311の単位と、ラインアイテムLA131に紐付けられるレポートキャンペーンCP1322の単位とで分けて、それぞれの単位で広告効果が集計されている。
【0163】
具体的には、レポートRP13-1では、レポートキャンペーンCP1311を用いて、図14(a)に示す「掲載広告」(広告AD1、広告AD2)と、「寄与広告」(なし)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP1311において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3に対して掲載された広告すなわち利用者U3が接触した広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数2を示すImpression「2」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP1311において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数0を示すWalk-in「0」が入力されている。
【0164】
また、レポートRP13-1では、レポートキャンペーンCP1312を用いて、図14(a)に示す「掲載広告」(広告AD3、広告AD4)と、「寄与広告」(広告AD3、広告AD4)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP1312において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3に対して掲載された広告すなわち利用者U3が接触した広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数2を示すImpression「2」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP1312において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数2を示すWalk-in「2」が入力されている。
【0165】
次に、レポートRP13-2について説明する。レポートRP13-2では、レポートキャンペーンCP1321を用いて、図14(a)に示す「掲載広告」(広告AD5、広告AD6)と、「寄与広告」(広告AD5)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP1321において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3に対して掲載された広告すなわち利用者U3が接触した広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数2を示すImpression「2」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP1321において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数1を示すWalk-in「1」が入力されている。
【0166】
また、レポートRP13-2では、レポートキャンペーンCP1322を用いて、図14(a)に示す「掲載広告」(広告AD7、広告AD8)と、「寄与広告」(なし)とがまとめられている。レポートキャンペーンCP1322において、「掲載広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3に対して掲載された広告すなわち利用者U3が接触した広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数2を示すImpression「2」が入力されている。また、レポートキャンペーンCP1322において、「寄与広告」に対応付けられる「総数」は、利用者U3の来店行動に寄与したと判定された広告の総数を示し、図14(a)の例に倣って、総数1を示すWalk-in「1」が入力されている。
【0167】
これまで、図9図14を用いて、来店計測用アカウント構造を用いた効果測定とレポートの具体例について説明してきた。図9図14では、説明を簡単にするために、1人の利用者Ux(利用者U1、利用者U2、利用者U3)に焦点を当てて具体例を説明した。しかしながら、実際には、広告主C1が入稿した広告は、不特定多数の利用者に配信される。このため、不特定多数の利用者それぞれに対する来店検知に応じて、不特定多数の利用者の測定結果が集計されたレポートが生成されてよい。
【0168】
例えば、レポートRP11では、利用者U1に対応する結果だけでなく、利用者U1を含む不特定多数の利用者それぞれの結果が集計された内容が示されてよい。一方で、レポートRP11では、ユニークユーザの情報として、各利用者の結果が個別に示されてもよい。同様のことが、レポートRP12、レポートRP13-1、レポートRP13-2にもいえる。
【0169】
〔7.処理手順〕
次に、図15を用いて、実施形態に係る情報処理方法に応じて計測装置100が動作する動作手順について説明する。図15は、計測装置100が実行する情報処理手順を示すフローチャートである。なお、図15の例では、計測装置100は、広告管理用アカウント構造と、来店計測用アカウント構造との設定を既に受け付けている状態で実行する情報処理手順を説明する。また、実施形態に係る情報処理方法は、計測装置100に導入される情報処理プログラムにより実現される。
【0170】
まず、取得部133は、レポートを提示するタイミングになったか否かを判定する(ステップS1501)。取得部133は、レポートを提示するタイミングになっていない間は(ステップS1501;No)、レポートを提示するタイミングになるまで待機する。
【0171】
一方、取得部133は、レポートを提示するタイミングになった場合には(ステップS1501;Yes)、このタイミングでのレポート提示を希望している全ての広告主について処理が完了していないか、あるいは、全ての広告主について処理が完了したかを判定する(ステップS1502)。
【0172】
取得部133は、全ての広告主について処理が完了していないと判定した場合には(ステップS1502;Yes)、未処理の広告主の中から処理対象の1の広告主を抽出する(ステップS1503)。抽出された処理対象の広告主を広告主Cxとする。
【0173】
そして、取得部133は、広告主Cxから受け付けた管理用アカウント(広告管理用アカウント構造)と、計測用アカウント(広告計測用アカウント構造)とを取得する(ステップS1504)。
【0174】
また、取得部133は、広告主Cxが運営する店舗の来店情報を取得する(ステップS1505)。例えば、取得部133は、接触/来店情報データベース121から来店情報を取得する。
【0175】
また、取得部133は、広告主Cxが管理用アカウントに応じて入稿した広告の配信履歴(広告接触情報)を取得する(ステップS1506)。
【0176】
このような状態において、計数部132は、計測用アカウントで定義される測定単位に基づいて、利用者Uxに対して接触実績のある広告のうち、来店情報が示す来店に寄与した広告を判定する(ステップS1507)。
【0177】
そして、計数部132は、来店に寄与したと判定された広告に対して、1Walk-inを付与する(ステップS1508)。
【0178】
作成部134は、計測用アカウントで定義されるレポート単位に基づいて、1Walk-inの付与結果を集計しレポート作成する(ステップS1509)。この時点で、ステップS1502へと処理が戻される。
【0179】
取得部133は、全ての広告主について処理が完了していないか、あるいは、全ての広告主について処理が完了したかを再び判定する(ステップS1502)。ここで、提示部135は、全ての広告主について処理が完了したと判定された場合には(ステップS1502;No)、作成部134によって広告主Cxごとに作成されたレポートを各広告主Cxに提示する(ステップS1510)。
【0180】
〔8.変形例〕
計測装置100による情報処理は、上記例に限定されない。したがって、以下では、実施形態に係る情報処理の変形例について説明する。
【0181】
〔8-1.広告に発生したイベントの種別に応じた効果測定〕
計数部132は、広告管理用アカウント構造を用いて入稿された広告に対して発生したイベントの種別に応じて、オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前に掲載された各広告に優先度を付与し、付与した優先度に基づいて、広告接触者のオフラインでの行動に寄与した広告を判定してよい。
【0182】
例えば、計数部132は、オフラインの行動を検知されたタイミングよりも前に掲載された広告のうち、直近に掲載された広告よりも優先度の高い広告がさらに以前に掲載されていた場合には、優先度のより高いこの広告に対して広告接触者のオフラインでの行動に寄与したと判定してよい。この点について図16を用いて説明する。図16は、広告に対して発生したイベントの種別が考慮された広告効果測定の一例を示す図である。
【0183】
図16(a)には、イベント種別と、その種別のイベントが発生した広告に付与されるスコア(重要度、優先度)との対応関係が示される。
【0184】
図16(a)によれば、イベント種別「インプレッション」と、スコア「SC1」とが対応付けられた例が示される。係る例は、掲載された広告には、スコア「SC1」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0185】
イベント種別「ビューアブルインプレッション」と、スコア「SC2」とが対応付けられた例が示される。係る例は、利用者の視認領域に掲載された広告には、スコア「SC2」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0186】
イベント種別「クリック」と、スコア「SC3」とが対応付けられた例が示される。係る例は、クリックされた広告には、スコア「SC3」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0187】
イベント種別「動画広告/再生スタート」と、スコア「SC4」とが対応付けられた例が示される。係る例は、動画広告の再生がスタートにされた場合は、スコア「SC4」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0188】
イベント種別「動画広告/3秒間再生継続」と、スコア「SC5」とが対応付けられた例が示される。係る例は、動画広告の再生が最低3秒間継続された場合は、スコア「SC5」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0189】
イベント種別「動画広告/10秒間再生継続」と、スコア「SC6」とが対応付けられた例が示される。係る例は、動画広告の再生が最低10秒間継続された場合は、スコア「SC6」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0190】
イベント種別「動画広告/総再生時間の25%を閲覧」と、スコア「SC7」とが対応付けられた例が示される。係る例は、総再生時間の最低25%分が閲覧された場合は、スコア「SC7」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0191】
イベント種別「動画広告/総再生時間の50%を閲覧」と、スコア「SC8」とが対応付けられた例が示される。係る例は、総再生時間の最低50%分が閲覧された場合は、スコア「SC8」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0192】
イベント種別「動画広告/総再生時間の75%を閲覧」と、スコア「SC9」とが対応付けられた例が示される。係る例は、総再生時間の最低75%分が閲覧された場合は、スコア「SC9」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0193】
イベント種別「動画広告/総再生時間の100%を閲覧」と、スコア「SC10」とが対応付けられた例が示される。係る例は、動画広告が最後まで閲覧された場合は、スコア「SC10」を付与するよう条件設定されている例を示す。
【0194】
次に、イベント種別とスコアとの対応関係に基づく1Walk-inの付与例を説明する。図16(b)では、図12(a)の例を参照し、対応関係に基づく1Walk-inの付与例を説明する。図16(b)では、説明を簡単にするために、広告発生したイベントの種別を、種別ev1(インプレッション)と、種別ev2(ビューアブルインプレッション)と、種別ev3(クリック)とに絞って説明する。また、種別ev1、種別ev2、種別ev3の間において、スコアの大小関係は、スコアSC1<スコアSC2<スコアSC3であるものとする。
【0195】
図12(a)の例では、計数部132は、広告AD6に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、1Walk-inを付与していた。また、計数部132は、広告AD1に対して、来店行動W2に寄与したと判定し、1Walk-inを付与していた。しかしながら、広告AD1、広告AD4、広告AD5、広告AD6、広告AD8それぞれに発生したイベントの種別に応じて付与されたスコアを考慮すると、図12(a)の例とは異なるように1Walk-inが付与される場合がある。
【0196】
図16(b)には、広告AD1に種別ev2のイベントすなわちビューアブルインプレッションが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC2が付与された例が示される。
【0197】
また、広告AD5に種別ev3のイベントすなわちクリックが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC3が付与された例が示される。
【0198】
また、広告AD6に種別ev2のイベントすなわちビューアブルインプレッションが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC2が付与された例が示される。
【0199】
また、広告AD5に種別ev1のイベントすなわちインプレッションが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC1が付与された例が示される。
【0200】
また、広告AD4に種別ev3のイベントすなわちクリックが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC3が付与された例が示される。
【0201】
また、広告AD8に種別ev1のイベントすなわちインプレッションが発生したことに応じて、計数部132によってスコアSC1が付与された例が示される。
【0202】
ここで、時系列Timeに応じて、広告AD8→広告AD4→広告AD5→広告AD6の順に掲載された後、利用者U2による来店行動W1が検知されているので、計数部132は、通常であれば、広告AD6に対して1Walk-inを付与することになる。しかしながら、図16(b)の例では、広告AD6よりスコアの高い広告AD4が、広告AD6よりも以前に掲載されている。係る例では、計数部132は、広告AD6よりも優先して広告AD4に対して、来店行動W1に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD4に対して1Walk-inを付与する。
【0203】
また、時系列Timeに応じて、広告AD5→広告AD1の順に掲載された後、利用者U2による来店行動W2が検知されているので、計数部132は、通常であれば、広告AD1に対して1Walk-inを付与することになる。しかしながら、図16(b)の例では、広告AD1よりスコアの高い広告AD5が、広告AD1よりも以前に掲載されている。係る例では、計数部132は、広告AD1よりも優先して広告AD5に対して、来店行動W2に寄与したと判定し、寄与広告として定める。そして、計数部132は、寄与広告AD5に対して1Walk-inを付与する。
【0204】
なお、図16(b)には、計数部132が、ラストインプレッション方式に基づいて、スコアのより高いイベントが発生した広告のうち、来店行動に対する直近の広告に対して1Walk-inを付与する例を示した。しかし、計数部132は、特定のイベントが優先されたラストインプレッション方式に基づいて、1Walk-inを付与してもよい。ここで、図16(a)に挙げられているイベント種別のうち、例えば、種別ev3のイベントすなわちクリックイベントに対して最も高い優先度が当てられる場合がある。なぜなら、クリックというユーザ操作は、利用者の興味が最も反映された行動といえるためである。
【0205】
そこで、計数部132は、クリック優先のラストインプレッション方式が採用されている場合には、例えば、来店行動に対する直近の広告について発生していたイベントのスコアが最も高かったとしても、クリックイベントが発生した広告に絞って、その広告群のうち、最後に掲載された広告に対して1Walk-inを付与してよい。
【0206】
一方、計数部132は、クリック優先のラストインプレッション方式では、クリックイベントが発生した広告が存在しない場合には、通常のラストインプレッション方式に基づいて、来店行動に対する直近の広告に対して1Walk-inを付与してよい。
【0207】
〔8-2.拡大推計〕
上記例では、計数部132は、配信事業者Tのパートナー企業である第1の通信事業者CA1により提供される通信サービスに加盟する第1の利用者を対象とした来店検知結果(来店情報)に基づいて、広告効果の測定を行う例を示した。しかしながら、計数部132は、第1の利用者を対象として得られた広告効果の測定結果に基づいて、第1の通信事業者CA1とは異なる第2の通信事業者CA2により提供される通信サービスに加盟する第2の利用者を対象とした広告効果を推計してもよい。
【0208】
例えば、計数部132は、第1の利用者のうち広告管理用アカウント構造に応じて入稿された広告のいずれかに接触した利用者の人数と、第2の利用者のうち広告管理用アカウント構造に応じて入稿された広告のいずれかに接触した利用者の人数との比率を算出する。
【0209】
また、計数部132は、第1の利用者のうち広告管理用アカウント構造に応じて入稿された広告に接触した広告接触者であって、来店検知された広告接触者の人数を取得し、この人数と、上記の比率とを掛け合わせることで、拡大推計係数を算出する。
【0210】
なお、計数部132は、広告管理用アカウント構造においてキャンペーンとして登録されている登録項目の単位で、拡大推計係数を算出してよい。また、計数部132は、広告管理用アカウント構造において広告グループとして登録されている登録項目の単位で、拡大推計係数を算出してもよい。また、計数部132は、広告管理用アカウント構造において広告グループの所属されている掲載広告の単位で、拡大推計係数を算出してもよい。
【0211】
このような状態で、計数部132は、第1の利用者を対象として測定された広告効果の結果(例えば、1Walk-inが付与された広告の総数)を拡大推計係数で補正してよい。そして、計数部132は、補正後の値を第2の利用者を対象とした広告効果として推計してよい。
【0212】
〔8-3.匿名処理〕
上述したように、提示部135は、作成部134により作成されたレポートを広告主等に提示するが、レポートに含まれる広告効果の計数結果が所定の条件を満たす場合には、計数結果に対して匿名処理を施した状態で提示してよい。例えば、提示部135は、1Walk-inの付与数(すなわち、広告来店数)が所定値未満(例えば、10未満)の広告が存在する場合には、広告主等が1Walk-inの付与数を認識できないよう匿名処理を施してよい。
【0213】
例えば、1Walk-inの付与数が所定値未満という少数である場合には、広告主等が来店した人物を推定できてしまう可能性が高まる。そこで、提示部135は、このような不都合を防止する目的で、匿名処理を行う。
【0214】
なお、提示部135は、拡大推計の結果として得られた1Walk-inの付与数が所定値以上(例えば、10以上)であったとしても、匿名処理を施してよい。また、提示部135は、1Walk-inの付与数が所定値以上(例えば、10以上)であったとしても、拡大推計の結果として得られた1Walk-inの付与数が所定未満(10未満)であれば、匿名処理を施してよい。
【0215】
〔8-4.検知装置について〕
上記実施形態では、広告主と、検知装置30が設置される店舗の運営企業とが同一である例を示した。しかしながら、店舗の形態として、運営企業が異なる店舗の集合体すなわちショッピングモールも存在する。係る例では、ショッピングモールの運営企業(以下、「モール運営者」と表記する)、ショッピングモール内の店舗のうち検知装置30が設置される店舗それぞれの運営企業(以下、「店舗運営者」と表記する)のいずれかが広告主となり得る。
【0216】
このように、検出装置30が設置される店舗がショッピングモールに存在する場合、店舗運営者は、広告主となって、広告配信に関する情報(例えば、管理用アカウント、計測用アカウント)を設定することができる。また、検出装置30が取得したデータは、店舗運営者の判断に依ってモール運営者に提供されてよい。モール運営者側が広告配信を行いたい場合には、モール運営者は、店舗運営者に対してデータ提供を要求し、提供されたデータに基づき、広告配信に関する情報(例えば、管理用アカウント、計測用アカウント)を設定すればよい。
【0217】
一方、ショッピングモール内の店舗に検出装置30が設置されるのではなく、ショッピングモールにおいて各店舗に属さない共有スペース(例えば、店舗前の通路等)に設置されてよい。係る例では、検出装置30は、モール運営者の判断に依って設置され得る場合があり、検出装置30が取得したデータの権利は、モール運営者が有してよい。係る例では、モール運営者は、検出装置30が取得したデータを自由に用いて、広告配信に関する情報設定を行うことができる。
【0218】
〔9.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態に係る計測装置100は、例えば図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図17は、計測装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0219】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0220】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0221】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0222】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0223】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る計測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0224】
〔10.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0225】
〔11.まとめ〕
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0226】
1 システム
100 計測装置
120 記憶部
121 接触/来店情報データベース
122 アカウントデータベース
130 制御部
131 受付部
132 計数部
133 取得部
134 作成部
135 提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図17