(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079280
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】検出システム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
G01B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192135
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】牛見 健則
(72)【発明者】
【氏名】溝渕 学
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA12
2F065GG04
2F065GG07
2F065HH03
2F065JJ25
2F065LL04
2F065SS01
(57)【要約】
【課題】投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有するコントローラを備えた検出システムにおいて、容易にチャンネルを識別できる技術を提供する。
【解決手段】本開示による検出システムは、投光器と、受光器と、コントローラとを備える。投光器は、光を投光する。受光器は、投光器からの光を受光する。コントローラは、投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有し、複数のチャンネルを介して受光器から入力される信号に基づいて所定の検出処理を行う。投光器と受光器とは、表示部を備える。コントローラは、調整モードにおいて、チャンネルに接続された投光器および受光器の表示部を制御して、チャンネルに基づく第1表示処理を行わせる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を投光する投光器と、
前記投光器からの光を受光する受光器と、
前記投光器と前記受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有し、前記複数のチャンネルを介して前記受光器から入力される信号に基づいて所定の検出処理を行うコントローラとを備え、
前記投光器と前記受光器とは、表示部を備え、
前記コントローラは、調整モードにおいて、前記チャンネルに接続された前記投光器および前記受光器の前記表示部を制御して、前記チャンネルに基づく第1表示処理を行わせる、検出システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1表示処理において、前記チャンネルごとに異なる態様で前記表示部の点灯制御を行う、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1表示処理において、前記複数のチャンネルのうち対象となるチャンネルの指定を受け付けた場合に、指定された前記チャンネルに接続された前記投光器および前記受光器が有する前記表示部の点灯制御を行う、請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記調整モードにおいて、前記チャンネルに接続された前記受光器の前記表示部を制御して、前記受光器における前記光の受光量に基づく第2表示処理をさらに行わせる、請求項1に記載の検出システム。
【請求項5】
前記受光器の前記表示部は、第1表示部と第2表示部とを含み、
前記コントローラは、前記調整モードにおいて、前記第1表示部を制御して前記第1表示処理を行わせ、前記第2表示部を制御して前記第2表示処理を行わせる、請求項4に記載の検出システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1表示処理と前記第2表示処理とで、前記表示部の発光色を異ならせる、請求項4に記載の検出システム。
【請求項7】
前記受光器は、ラインセンサを備え、
前記投光器は、前記光を発生する光源と、前記光源からの光を光束に変換して前記ラインセンサに投光する投光レンズとを備え、
前記コントローラは、前記受光器から取得される情報に基づいて測定対象物のエッジ位置の検出処理を行う、請求項1~6のいずれか1項に記載の検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投光器から光を投光し、かかる光を受光器が受光した際に得た情報に基づいて、測定対象物を検出する検出システムが知られている。たとえば、レーザ光やLED光を平行光に変換し、それをラインセンサなどで検知して、測定対象物のエッジの位置を検出するエッジ検出システムが知られている。特許文献1には、複数の電子センサとコントローラとを備え、かかるコントローラが複数の電子センサのセンサ測定結果に基づいて特定の対象物のエッジを検査する検査システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有するコントローラを備えた検出システムにおいて、容易にチャンネルを識別できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による検出システムは、投光器と、受光器と、コントローラとを備える。投光器は、光を投光する。受光器は、投光器からの光を受光する。コントローラは、投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有し、複数のチャンネルを介して受光器から入力される信号に基づいて所定の検出処理を行う。投光器と受光器とは、表示部を備える。コントローラは、調整モードにおいて、チャンネルに接続された投光器および受光器の表示部を制御して、チャンネルに基づく第1表示処理を行わせる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有するコントローラを備えた検出システムにおいて、容易にチャンネルを識別できる
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検出システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るコントローラおよびセンサの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る投光器および受光器の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態におけるCH表示部の点滅パターンの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る検出システムによるエッジ検出処理の説明図である。
【
図6A】
図6Aは、実施形態に係る検出システムが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6B】
図6Bは、実施形態に係る検出システムが実行する第2表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る検出システムが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る検出システムの動作例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態の変形例に係る投光器および受光器の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の変形例に係る検出システムの動作例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の変形例に係る検出システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示による検出システムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0010】
従来、レーザ光やLED光を平行光に変換し、それをラインセンサなどで検知して、測定対象物のエッジの位置を検出するエッジ検出センサが知られている。特許文献1には、複数の電子センサとコントローラとを備え、かかるコントローラが複数の電子センサのセンサ測定結果に基づいて特定の対象物のエッジを検査する検査システムが開示されている。
【0011】
しかし、特許文献1に記載されているような複数の電子センサがそれぞれコントローラに接続されて、コントローラが複数のチャンネルを有する場合に、かかる電子センサをコントローラから離れた場所に配置すると、各電子センサ側からチャンネルを識別することが難しくなる。
【0012】
電子センサ側からチャンネルを識別する手法として、たとえば、電子センサとコントローラとを接続するケーブルにチャンネルの情報をラベル付けする手法などが知られているが、作業者の手間になるため、さらなる改善の余地がある。
【0013】
そこで、投光器と受光器とが一対で接続されるチャンネルを複数有するコントローラを備えた検出システムにおいて、容易にチャンネルを識別できる技術が期待されている。
【0014】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る検出システム100の構成例について説明する。
図1は、実施形態に係る検出システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、検出システム100は、コントローラ1と、複数のセンサ2とを備える。各センサ2は、投光器20および受光器30を備える。コントローラ1は、投光器20と受光器30とが一対で接続されるチャンネルを複数有する。投光器20および受光器30とは、所定の設置場所に設けられ、各々信号線を介してコントローラ1と接続される。なお、信号線には、投光器20および受光器30に電力を供給する電力供給線および通信用(データ送信用)の通信線等が含まれる。
【0015】
実施形態に係るコントローラ1のように、複数のセンサ2が接続可能であると、複数のセンサ2(投光器20および受光器30)を所定の設置場所に設置する際に、投光器20および受光器30のペアを誤るおそれがある。たとえば、チャンネル1に接続された投光器20と、チャンネル2に接続された受光器30とをペアにしてしまうおそれがある。また、設置したセンサ2をコントローラ1に接続する際に、接続すべきチャンネルを誤ったりするおそれがある。たとえば、チャンネル1に接続すべき投光器20および受光器30を誤ってチャンネル2に接続してしまうおそれがある。
【0016】
また、複数のセンサ2の設置場所は、コントローラ1が設置された場所から遠く離れている場合がある。この場合、コントローラ1に表示された情報(たとえばチャンネルを識別するような情報)を確認しながら投光器20および受光器30の設置作業を行うことが難しい。
【0017】
そこで、実施形態に係る検出システム100では、投光器20および受光器30に表示部(後述するCH表示部23,33)を設けて、設置場所にいるユーザ(センサ2を設置する作業者)がチャンネルを容易に識別できるようにCH表示部23,33を用いた表示処理を行うこととした。
【0018】
つづいて、
図2、
図3を用いて、実施形態に係るコントローラ1およびセンサ2の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係るコントローラ1およびセンサ2の構成例を示すブロック図である。
図3は、実施形態に係る投光器20および受光器30の構成例を示す図である。
図2に示すように、コントローラ1は、複数の通信部10と、入力部11と、表示部12と、外部通信部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0019】
通信部10は、センサ2と通信を行うための通信インタフェースである。複数の通信部10は、コントローラ1が備える複数のチャンネルに対応して設けられる。ここでは、コントローラ1が4つのチャンネル(以下、CH1~CH4と記載する場合がある)を備えるとともに、これらCH1~CH4に対応する4つの通信部(以下、CH1~CH4通信部10と記載する場合がある)を備える場合を例に挙げて説明する。なお、コントローラ1が備えるチャンネル数は、必ずしも4つに限定されない。コントローラ1は、少なくとも2つ以上のチャンネルを備えていればよい。
【0020】
CH1~CH4通信部10は、信号線と接続するための接続端子を有しており、かかる接続端子および信号線を介して、投光器20および受光器30と情報の送受信を行う。
【0021】
CH1~CH4通信部10は、それぞれ投光側通信部101と、受光側通信部102とを有する。投光側通信部101は、投光器20に情報の送信を行う。受光側通信部102は、受光器30と情報の送受信を行う。
【0022】
入力部11は、各種の情報を入力する。入力部11は、たとえば、ボタン、タッチパネル、マウス、キーボードなどで構成されていてもよい。また、入力部11は、音声により操作入力を受け付けてもよい。表示部12は、各種の情報を表示する。
【0023】
外部通信部13は、有線、無線の通信回線を介して他の機器と情報の送受信を行う。たとえば、無線で通信を行う場合は、無線LAN(Local Area Network)や、赤外線通信により他の機器との情報の送受信を行い、有線で通信を行う場合は、電線、光ファイバーケーブル等の信号線を用いて他の機器との情報の送受信を行う。また、外部通信部13は、上述した有線、無線の通信回線と接続するための接続端子を備えている。接続端子としては、無線の場合は、無線機器、赤外線ポートを用いることができ、有線の場合は、通信回線(ケーブル)と接続できるポート(USB(Universal Serial Bus)ポート、LANポート)を用いることができる。
【0024】
記憶部14は、各種データや制御部15が実行するプログラムなどを記憶する処理部であり、例えばメモリやハードディスクなどにより実現される。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって検出システム100の動作を制御する。コントローラ1の制御部15は、複数のチャンネルを介して後述する受光器30から入力される信号に基づいて所定の検出処理を行う。制御部15が行う検出処理については、
図5を用いて後述する。
【0025】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体からコントローラ1の記憶部14にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0026】
投光器20は、光を投光する。投光器20は、投光部21と、投光表示部22と、CH表示部23とを有する。投光表示部22とCH表示部23とは、表示部の一例である。投光部21は、受光器30に対して光を投光する。投光部21の詳細な構成については、
図5を用いて後述する。投光表示部22は、コントローラ1からの指示に従い、投光器20から光が投光されているか否かを示す情報を表示する。
図3に示すように、投光表示部22は、たとえば、CH表示部23の隣に配置される。投光表示部22は、たとえば、LEDで構成されていてもよい。コントローラ1は、投光部21による投光が行われている場合に、投光表示部22を「点灯」させ、投光が行われていない場合に、投光表示部22を「消灯」させる。
【0027】
CH表示部23は、コントローラ1からの指示に従い、投光器20の接続チャンネルに基づく表示を行う。CH表示部23は、たとえば、LEDで構成されていてもよい。コントローラ1は、たとえば、接続チャンネルごとにCH表示部23の点灯制御を行う。あるいは、コントローラ1は、ユーザから光軸調整を行うチャンネルが指定された場合に、かかるチャンネルに接続された投光器20のCH表示部23の点灯制御を行う。かかる点灯制御時のCH表示部23の点滅パターンについては、
図4を用いて後述する。CH表示部23は、第1表示部の一例である。コントローラ1によるCH表示部23の点灯制御処理は、第1表示処理の一例である。なお、光軸調整とは、投光器20から投光された光が受光器30に対して適切に入射するように、投光器20または受光器30の位置を調整する作業のことである。
【0028】
受光器30は、投光器20からの光を受光する。受光器30は、受光部31と、光軸表示部32と、CH表示部33とを有する。光軸表示部32とCH表示部33とは、表示部の一例である。受光部31は、受光器30から投光された光を受光する。受光部31の詳細な構成については
図5を用いて後述する。光軸表示部32は、コントローラ1からの指示に従い、光軸が一致しているか否かを示す情報を表示する。
図3に示すように、光軸表示部32は、CH表示部33の隣に配置される。光軸表示部32は、たとえば、LEDで構成されていてもよい。コントローラ1は、光軸が一致する場合に、光軸表示部32を「点灯」させ、光軸が一致しない場合に、光軸表示部32を「消灯」させる。光軸表示部32は、第2表示部の一例である。コントローラ1による光軸表示部32の点灯制御処理は、第2表示処理の一例である。
【0029】
CH表示部33は、コントローラ1からの指示に従い、受光器30の接続チャンネルに基づく表示を行う。CH表示部33は、たとえば、LEDで構成されていてもよい。コントローラ1は、たとえば、接続チャンネルごとにCH表示部33の点灯制御を行う。あるいは、コントローラ1は、ユーザから光軸調整を行うチャンネルが指定された場合に、かかるチャンネルに接続された受光器30のCH表示部33の点灯制御を行う。かかる点灯制御時のCH表示部33の点滅パターンについては、
図4を用いて後述する。CH表示部33は、第1表示部の一例である。コントローラ1によるCH表示部33の点灯制御処理は、第1表示処理の一例である。
【0030】
次に、
図4を用いて、実施形態におけるCH表示部23、33の点滅パターンについて説明する。
図4は、本実施形態におけるCH表示部23、33の点滅パターンの一例を示す図である。
図4に示すCH1~CH4の点滅パターンは、チャンネル表示処理を行う際のCH表示部23、33の点滅パターンとして、記憶部14に記憶されている。
【0031】
制御部15は、CH1に接続されたセンサ2のCH表示部23,33を所定の1周期で1回点滅させる。また、制御部15は、CH2に接続されたセンサ2のCH表示部23,33を所定の1周期で2回点滅する。また、制御部15は、CH3に接続されたセンサ2のCH表示部23,33を所定の1周期で3回点滅させる。また、制御部15は、CH4に接続されたセンサ2のCH表示部23,33を所定の1周期で4回点滅させる。作業者は、1周期におけるCH表示部23、33の点滅回数を確認することで、投光器20および受光器30がどのチャンネルに接続されているかを認識することができる。なお、点滅パターンは上記の例に限らず、たとえば点灯と消灯の間隔をそれぞれ変えたりする等、他の点滅パターンを用いても構わない。
【0032】
次に、
図5を用いて、実施形態に係る検出システム100による検出処理について説明する。
図5は、実施形態に係る検出システム100による検出処理の説明図である。
図5に示すように、投光器20の投光部21は、受光器30のラインセンサ310の受光面に対向して配置され、レーザダイオード(LD)からなる光源210と、投光レンズ211とを備える。光源210は、不図示の移動ステージ上に設けられ、少なくとも
図5中の投光レンズ211との距離が調整可能である。かかる距離を調整することにより、投光レンズ211は、光源210により発生された光を、ラインセンサ310の中央部に光軸を合わせつつ、該光軸に対し平行から所定の範囲で収束させた光束として出力(投光)する。
【0033】
受光器30の受光部31は、ラインセンサ310及びA/D変換部311を備える。ラインセンサ310は、一定方向に所定のピッチで複数の受光セル(画素)が配列された受光面を有しており、投光器20から照射された光束を受光する。A/D変換部311は、ラインセンサ310からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換してコントローラ1に出力する。
【0034】
コントローラ1は、A/D変換部311によってデジタル変換されたラインセンサ310の出力を解析して測定空間4で光束の一部を遮蔽した測定対象物5の受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出する。
【0035】
投光器20において、光源210により発生された光が、投光レンズ211によって光軸に対し平行から所定の範囲で収束させた光束に変換された後、ラインセンサ310に照射される。投光器20とラインセンサ310との間の測定空間4において、測定対象物5が投光器20から照射される光束の光路を横断するように移動すると、ラインセンサ310に受光されるべき光束の一部が遮蔽される。
【0036】
コントローラ1の制御部15は、測定空間4で測定対象物5が光束の一部を遮ることにより生じたラインセンサ310の全受光量の変化あるいは測定対象物5のエッジ部分に生じるフレネル回折に起因した受光パターンを解析することにより、かかる測定対象物のエッジ位置を検出する。このようにして検出された測定対象物5のエッジ位置等の測定結果は表示部12に表示することも可能であり、これによりユーザが測定結果を視認できる。
【0037】
次に、
図6Aおよび
図6Bを用いて、実施形態に係る検出システム100が実行する処理の手順について説明する。
図6Aは、実施形態に係る検出システム100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図6Aおよび
図6Bでは、調整対象となるセンサ2をユーザが指定しない場合の処理手順を示している。
【0038】
本フローチャートの処理は、たとえばユーザの入力部11への入力操作によって調整モードがONにされた場合に開始されてもよい。また、本フローチャートの処理は、検出システム100の電源がONになった場合に開始されてもよい。
【0039】
まず、コントローラ1は、調整モードをONにする(ステップS101)。
【0040】
つづいて、コントローラ1は、第1表示処理(ステップS102)および第2表示処理(ステップS103)を行う。第1表示処理において、コントローラ1は、各チャンネルに接続された投光器20のCH表示部23および受光器30のCH表示部33を用いて、
図4の説明において上述したように、チャンネルごとに異なる態様で点灯制御を行う。その後、コントローラ1は、処理をステップS104に進める。
【0041】
このように、コントローラ1は、調整モードにおいて、チャンネルに接続された投光器20および受光器30のCH表示部23、33を制御して、チャンネルに基づく第1表示処理を行わせる。
【0042】
図6Bは、実施形態に係る検出システム100が実行する第2表示処理の手順を示すフローチャートである。ここで、本フローチャートの処理開始時において、受光器30の光軸表示部32は「消灯」しているものとする。
【0043】
第2表示処理において、コントローラ1は、光軸が一致しているか否かを判定する(ステップS201)。光軸が一致しているか否かは、受光器30における投光器20から投光された光の受光量に基づいて判定される。具体的には、コントローラ1は、受光器30の受光した光の受光量が閾値以上である場合、光軸が一致していると判定する。一方、コントローラ1は、受光器30の受光した光の受光量が閾値未満である場合、光軸が一致していないと判定する。
【0044】
コントローラ1は、光軸が一致した場合(ステップS201,Yes)、受光器30の光軸表示部32を「点灯」させ(ステップS202)、処理を
図6AのステップS104に進める。
【0045】
上述したように、コントローラ1は、調整モードにおいて、チャンネルに接続された受光器30の光軸表示部32を制御して、受光器30における光の受光量に基づく第2表示処理をさらに行わせる。
【0046】
図6Aに戻り、コントローラ1は、調整モードがOFFになったか否かを判定する(ステップS104)。たとえば、コントローラ1は、ユーザの入力部11への入力操作によって調整モードがOFFにされた場合、調整モードがOFFになったと判定する。コントローラ1は、調整モードがOFFになった場合(ステップS104,Yes)、本フローにおける処理を終了する。一方、コントローラ1は、調整モードがOFFになっていない場合(ステップS104,No)、処理をステップS102およびステップS103に戻す。
【0047】
上述したように、実施形態に係る検出システム100によれば、コントローラ1が複数のチャンネルを有する検出システム100において、各チャンネルを識別することができる。すなわち、どのセンサ2がどのチャンネルに接続されているかを識別することができる。そのため、投光器20および受光器30がコントローラ1から離れた場所に配置される場合であっても、ユーザはコントローラ1を確認することなく、各チャンネルに対応する投光器20および受光器30を認識することができる。
【0048】
また、上述したように、コントローラ1は、調整モードにおいて、CH表示部23、33を制御して第1表示処理を行わせ、光軸表示部32を制御して第2表示処理を行わせる。機能に応じた表示部が設けられていることで、チャンネル表示と光軸調整用の表示とをユーザが混同してしまうのを低減することができる。
【0049】
次に、
図7、
図8を用いて、実施形態に係る検出システム100が実行する処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る検出システム100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係る検出システム100の動作例を示す図である。
図7および
図8では、調整対象となるセンサ2をユーザが指定する場合の処理手順を示している。
【0050】
まず、コントローラ1は、ステップS101と同様の処理を行う(ステップS301)。すなわち、コントローラ1は、調整モードをONにする。つづいて、コントローラ1は、入力部11を介して光軸調整を行うチャンネル(以下、指定チャンネルともいう。)を取得する(ステップS302)。
【0051】
つづいて、コントローラ1は、ステップS302で取得した指定チャンネルに接続された投光器20および受光器30を用いて第1表示処理を行う(ステップS303)。たとえば、コントローラ1は、指定チャンネルに接続された投光器20のCH表示部23および受光器30のCH表示部33を接続チャンネルに応じた点灯パターンで点滅させてもよい。また、コントローラ1は、指定チャンネルに接続された投光器20のCH表示部23および受光器30のCH表示部33を接続チャンネルに依らない点灯パターンで点滅させてもよい。また、コントローラ1は、指定チャンネルに接続された投光器20のCH表示部23および受光器30のCH表示部33を点灯させてもよい。
【0052】
上述したように、コントローラ1は、調整モードにおいて、チャンネルに接続された投光器20および受光器30のCH表示部23、33を制御して、チャンネルに基づく第1表示処理を行わせる。
【0053】
また、コントローラ1は、ステップS202で取得した指定チャンネルに接続された受光器30を用いて第2表示処理を行う(ステップS304)。
【0054】
ここで、
図8は、指定チャンネルに接続された投光器20bおよび受光器30bのCH表示部23、33が「点灯」または「点滅」している状態を示している。なお、ここでは、指定チャンネルが1つの場合を例示しているが、指定チャンネルは複数であってもよい。上述したように、コントローラ1は、第1表示処理において、コントローラ1と接続する複数のチャンネルのうち対象となるチャンネルの指定を受け付けた場合に、指定されたチャンネルに接続された投光器20および受光器30が有するCH表示部23、33の点灯制御を行う。かかる構成によれば、ユーザはコントローラ1を確認することなく、指定したチャンネルに対応する投光器20および受光器30を認識することができる。また、コントローラ1は、接続チャンネルに応じた態様で点灯制御を行うことで、ユーザによって複数のチャンネルが指定された場合であっても、各チャンネルに対応する投光器20および受光器30を容易に認識することができる。
【0055】
なお、
図8に示すように、コントローラ1は、調整モードにおいて、指定チャンネル以外のチャンネルに接続された投光器20a,20c,20dおよび受光器30a,30c,30dのCH表示部23、33を消灯しておく。すなわち、投光器20a,20c,20dおよび受光器30a,30c,30dのCH表示部23、33については、「点灯」も「点滅」もさせない。
【0056】
つづいて、コントローラ1は、ステップS104と同様の処理を行う(ステップS305)。コントローラ1は、調整モードがOFFに切り替わると、本フローチャートの処理を終了する。一方、コントローラ1は、調整モードがOFFに切り替わらない場合、ステップS303およびステップS304に戻る。
【0057】
(変形例)
上述した実施形態では、投光器20および受光器30がそれぞれ複数(2つ)の表示部を備える例について説明した。これに限らず、投光器20および受光器30が備える表示部はそれぞれ1つであってもよい。以下、
図9~
図11を用いて、かかる構成の検出システム100について説明する。
図9は、実施形態の変形例に係る投光器20および受光器30の構成例を示す図である。
【0058】
図9に示すように、投光器20は、CH表示機能と投光表示機能とを備えた表示部24を備えていてもよい。たとえば、表示部24は、コントローラ1からの指示に従い、「点灯」、「点滅」、「消灯」の3つの点灯パターンを切り替える。以下、
図10、
図11を用いて、かかる点灯パターンについて説明する。
図10、
図11は、実施形態の変形例に係る検出システム100の動作例を示す図である。
【0059】
まず、コントローラ1は、調整モードにおいて、ユーザの入力部11への入力操作によって光軸調整を行うチャンネルの指定を受け付けた場合、指定チャンネル以外のチャンネル(以下、非指定チャンネルともいう。)に接続された投光器20の表示部24を、チャンネルごとに異なる態様で「点滅」させる。
図10では、非指定チャンネルの投光器20a、20c、20dの表示部24が「点滅」している。
【0060】
また、コントローラ1は、指定チャンネルに接続された投光器20からレーザ光がでていれば、かかる投光器20の表示部24を「点灯」させる。一方、指定チャンネルに接続された投光器20からレーザ光がでていなければ、かかる投光器20の表示部24を「消灯」させる。
図10では、指定チャンネルの投光器20bからレーザ光がでていないため、表示部24が「消灯」している。また、
図11では、指定チャンネルの投光器20bからレーザ光がでているため、表示部24が「点灯」している。
【0061】
かかる処理によれば、投光器20の備える表示部が1つだけである場合にも、CH表示機能と投光表示機能とを実現することができる。なお、コントローラ1は、CH表示機能と投光表示機能とで、投光器20の表示部24の発光色を異ならせるようにしてもよい。発光色を異ならせることにより、単に点灯パターンを変える場合と比較して、CH表示と投光表示とをユーザが混同してしまうのを低減することができる。
【0062】
また、
図9に示すように、受光器30は、CH表示機能と光軸表示機能とを備えた表示部34を備えていてもよい。たとえば、表示部34は、コントローラ1からの指示に従い、「点灯」、「点滅」、「消灯」の3つの点灯パターンを切り替える。以下、
図10、
図11を用いて、かかる点灯パターンについて説明する。
【0063】
まず、コントローラ1は、調整モードにおいて、ユーザの入力によって光軸調整を行うチャンネルの指定を受け付けた場合、非指定チャンネルに接続された受光器30の表示部34を、チャンネルごとに異なる態様で「点滅」させる。
図10では、非指定チャンネルの受光器30a、30c、30dの表示部34が「点滅」している。
【0064】
また、コントローラ1は、指定チャンネルに接続された受光器30からの信号に基づいて、投光器20からのレーザ光の受光量が閾値以上であれば、光軸が一致していると判定して、かかる受光器30の表示部34を「点灯」させる。一方、レーザ光の受光量が閾値未満であれば、かかる受光器30の表示部34を「消灯」させる。
図10では、指定チャンネルの投光器20bからレーザ光が出ておらず、受光量が閾値未満であるため、表示部34が「消灯」している。また、
図11では、指定チャンネルの投光器20bからレーザ光が出ており、投光器20bからのレーザ光の受光量が閾値以上であるため、表示部34が「点灯」している。
【0065】
かかる処理によれば、受光器30の備える表示部が1つだけである場合にも、CH表示機能と光軸表示機能とを実現することができる。また、たとえば指定チャンネルの受光器30の表示部34を「点滅」、「点灯」で切り替えた場合、ユーザは光軸が一致しているか、CH表示をしているのかどうかを容易に認識できなくなるおそれがある。光軸調整のために投光器20または受光器30の位置を微調整しているときに、受光量が閾値を超えたり下回ったりを繰り返した場合、一瞬だけ点灯して消灯したのか、点滅しているのかが判別しづらいためである。そこで上述したように、指定チャンネルの受光器30の表示部34を、受光量に応じて「点灯」、「消灯」で切り替えることで、ユーザは光軸が一致しているかどうかを容易に認識することができる。
【0066】
なお、コントローラ1は、CH表示機能と光軸表示機能とで、投光器20の表示部34の発光色を異ならせるようにしてもよい。発光色を異ならせることにより、単に点灯パターンを変える場合と比較して、CH表示と光軸表示とをユーザが混同してしまうのを低減することができる。
【0067】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 コントローラ
2 センサ
5 測定対象物
10 CH1~CH4通信部
11 入力部
12 表示部
13 外部通信部
14 記憶部
15 制御部
20 投光器
21 投光部
22 投光表示部
23 CH表示部
30 受光器
31 受光部
32 光軸表示部
33 CH表示部
100 検出システム
210 光源
211 投光レンズ
310 ラインセンサ
311 A/D変換部