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特開2024-79310プログラム、商品データ処理装置、商品データ処理システム、及び商品データ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079310
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】プログラム、商品データ処理装置、商品データ処理システム、及び商品データ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240604BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G07G1/12 321F
G07G1/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192178
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲也
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA31
3E142GA16
3E142GA22
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】顧客が携帯端末で商品を登録する練習を適切に行えるようにする。
【解決手段】可搬型の商品データ処理装置としてのコンピュータを、操作に応じて商品を登録する商品登録手段、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の商品データ処理装置としてのコンピュータを、
操作に応じて商品を登録する商品登録手段、
商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記所定の条件として、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が対応する環境に応じて異なる動作が行われるようにする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が店舗に対応する範囲外にあるとの条件を満たす場合には、前記トレーニングモードへの移行を許可し、当該条件を満たさない場合には、前記トレーニングモードへの移行を許可する
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記異なる動作として、所定の条件が満たされているか否かに応じて、前記トレーニングモードへの移行の可否または前記トレーニングモードでの所定の動作の制限が行われるようにする
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記制御手段は、トレーニングモードに移行したとの条件が満たされたことに応じた動作として、現在においてトレーニングモードが設定されていることの報知を行うようにされる
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御手段は、トレーニングモードが設定されている状態のもとでトレーニングモードの実行を制限する所定の制限条件が満たされるか否かを判定するようにされ、前記制限条件が満たされたと判定した場合に、トレーニングモードを制限する
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記トレーニングモードの実行を制限する所定の制限条件は、店舗において設置され、店舗での取引における商品登録の開始を可能とするためのコードを商品データ処理装置が読み取ったことである
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
コードシンボルの読み取りを行うことでコードデータを取得するコード読取手段をさらに備え、
前記制御手段は、トレーニングモードにおいて、前記コード読取手段によりコードが取得されたことに応じて、特定の情報の表示を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御手段は、トレーニングモードのもとで行われた操作の履歴に基づいて特典が付与されるようにする
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
コードシンボルの読み取りを行うことでコードデータを取得するコード読取手段をさらに備え、
前記制御手段は、トレーニングモードにおいて、取得されたコードに応じて所定の競技に用いられる得点が付与されるようにする
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
可搬型であって、
操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、
自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア内である場合には、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードへの移行を許可し、
前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア外である場合には、前記トレーニングモードへの移行を禁止する制御手段と
を備える商品データ処理装置。
【請求項12】
可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、
商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて、前記商品データ処理装置が異なる動作を行うように制御する制御手段と
を備える商品データ処理システム。
【請求項13】
可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録ステップと、
商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御ステップと
を含む商品データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、商品データ処理装置、商品データ処理システム、及び商品データ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
客自らがスマートフォン等の可搬型の電子機器(携帯端末)を利用して商品を登録し、登録された商品に対応する精算を客が会計機(精算装置)にて行えるようにされたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-147252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末を利用しての買い物に未だ不慣れな客が、実地の買い物に先だって、携帯端末で商品を登録する練習が行えるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、顧客が携帯端末で商品を登録する練習を適切に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、可搬型の商品データ処理装置としてのコンピュータを、操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、可搬型であって、操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア内である場合には、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードへの移行を許可し、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア外である場合には、前記トレーニングモードへの移行を禁止する制御手段とを備える商品データ処理装置である。
【0008】
本発明の一態様は、可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて、前記商品データ処理装置が異なる動作を行うように制御する制御手段とを備える商品データ処理システムである。
【0009】
本発明の一態様は、可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録ステップと、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御ステップとを含む商品データ処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る商品データ処理システムの全体的な構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る商品データ処理システムを導入した店舗の出入口付近の様子の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係るショッピングカートへの携帯端末のセットの態様例について説明する図である。
図4】第1実施形態に係る精算装置について説明する図である。
図5】第1実施形態に係る携帯端末の構成例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る取引管理装置の構成例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る顧客情報の一例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る店舗情報、カート情報の一例を示す図である。
図9】第1実施形態に係る携帯端末、精算装置、及び取引管理装置が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
図10】第1実施形態に係る起動画面、商品登録画面、商品登録画面、精算移行画面の一例を示す図である。
図11】第1実施形態において、商品登録トレーニングモードに対応する起動画面、商品登録画面の一例を示す図である。
図12】第1実施形態に係る携帯端末が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態に係る起動画面、読取案内画面、読取操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
[商品データ処理システムの全体構成例]
図1は、本実施形態の商品データ処理システム1の全体的な構成例を示している。
同図の商品データ処理システム1は、ストアコントローラ10、取引管理装置20(クラウドサーバ)、顧客管理サーバ20A、精算装置40、取引状況管理装置50(例えば、パーソナルコンピュータ等)、携帯端末60を含む。
同図の商品データ処理システム1は、種々の店舗等(スーパーマーケット、コンビニストア、ドラッグストア、ホームセンタ、家電量販店等)に導入可能である。
【0012】
なお、1店舗に対応する精算装置40の数は特に限定されない。また、同図において、1台の取引状況管理装置50を図示したが、1店舗内の取引状況管理装置50の数は2台以上であってもよい。なお、ストアコントローラ10は、1店舗に2台以上であってもよい。
【0013】
同図の商品データ処理システム1は、客が携帯端末60を使用して商品を登録し、同じく客が精算装置40を使用して精算を行うようにされたセルフ運用のもとでの会計に対応する。ここでの会計は、商品の登録と、登録された商品の精算とを含み、一取引に対応して行われる手順をいう。
【0014】
ストアコントローラ10、精算装置40、及び取引状況管理装置50は、店舗内に設置される。また、ストアコントローラ10、精算装置40、取引状況管理装置50は、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続される。ストアコントローラ10は、取引管理装置20と通信可能とされる。
【0015】
ストアコントローラ10は、主に店舗に設置される各種装置を管理する装置である。例えば、ストアコントローラ10は、外部の装置との通信機能を有し、外部の装置(例えば、非図示の本部のサーバ、取引管理装置20であってもよい)から商品ファイル(商品マスタ)を受信して精算装置40等に供給したり、精算装置40等から取引情報を受信し外部の装置(例えば、取引管理装置20等)に送信したりする。
【0016】
顧客管理サーバ20Aは、店舗の顧客に関する情報を管理するサーバである。顧客管理サーバ20Aは、顧客ごとの顧客情報を記憶する。
顧客管理サーバ20Aは、例えば店舗外のネットワーク上に設けられ、店舗内のLAN19とVPN(Virtual Private Network)19A経由で接続されることで、店舗におけるストアコントローラ10、精算装置40、及び取引状況管理装置50等と通信可能に接続される。顧客管理サーバ20Aは、例えば同じ系列にある複数の店舗ごとのLAN19と接続されることで、複数の店舗が対応する系列に対応する顧客を管理可能とされてよい。
また、顧客管理サーバ20Aは、ネットワーク経由でクラウドサーバである取引管理装置20と接続されてよい。
【0017】
取引管理装置20は、各種サービスを提供するサーバである。例えば、取引管理装置20は、セルフ運用に対応する各種情報(例えば、取引情報(カート情報)等)を管理する。
【0018】
精算装置40は、精算処理を実行する装置である。精算装置40は、顧客によって使用される。つまり、精算装置40は、顧客による操作に応じて精算処理を実行する。
なお、精算に際し、店員による確認等のため処理が一旦保留される商品(以下、「保留商品」と称する。詳細は後述)が含まれる場合には、店員が呼び出され、店員(又は顧客)が精算装置40を操作することによって保留商品についての確認が行われる。
【0019】
取引状況管理装置50は、主にLAN19内の各種装置を管理(あるいは監視)する装置である。取引状況管理装置50は、例えば精算装置40等の他の装置の稼働状況等の管理として、他の装置における各種情報を表示したり、他の装置に対する各種命令を出力したりする。
【0020】
携帯端末60は、セルフ運用のもとで顧客が店内を買い回りながら商品登録を行うにあたり使用する端末である。携帯端末60は、ショッピングカート70のホルダにて保持された状態、もしくは、ショッピングカート70のホルダから外されて顧客の手に保持された状態で使用される。
【0021】
携帯端末60は、通信機能、撮像機能(カメラ)の他に、各種コード(バーコード、2次元コード等)を認識する認識機能を備える。例えば、携帯端末60は、商品に付されているバーコードを認識する。換言すれば、携帯端末60は、商品識別情報(商品コード)を読み取る。なお、携帯端末60は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内の特徴点を抽出し、オブジェクト(各種コード)を認識してもよい。
【0022】
携帯端末60は、顧客が所有するスマートフォン、タブレット端末等である。なお、携帯端末60は、店舗側が所有し、買い物に際して顧客に貸与されるものであってもよい。また、携帯端末60は、ショッピングカート70に対して一体的(固定的)に取り付けられたものであってよい。
なお、同図では2つの携帯端末60が示されているが、店舗にて商品登録のために使用される携帯端末60の数は、顧客の数に応じて変化する。
【0023】
携帯端末60には、本実施形態のセルフ運用に対応して商品登録を行う機能を有するショッピングアプリケーションがインストールされる。
【0024】
図2は、本実施形態の商品データ処理システム1を導入した店舗の出入口付近の様子の一例を示している。同図に示ように出入口(入口と出口が別々の場合には入口)付近には、貸し出し用のショッピングカート70、貸し出し用の買い物カゴ80、販売用のショッピングバッグ90が用意される。顧客は、来店時に、ショッピングカート70に買い物カゴ80をセットし、買い物カゴ80にショッピングバッグ90等をセットし、店内へ進む。この際、顧客は、セルフ運用で買い物をしようとする場合、ショッピングカート70に携帯端末60をセットする。
【0025】
なお、顧客は、今回購入したショッピングバッグ90を次回以降の来店時にマイバッグとして持参してもよいし、ショッピングバッグ90とは別のバッグをマイバッグとして持参してもよい。また、レジ袋を購入してもよい。
【0026】
また、同図では記載を省略したが、ショッピングカート70には、買い物カゴ80とは別に、保留商品(後述)を入れる保留商品用のバッグを取り付ける。
【0027】
[ショッピングカートへの携帯端末のセットの態様例]
セルフ運用のもとで、顧客は、商品登録を行うにあたり、携帯端末60を、ショッピングカート70のホルダ71に保持させた状態(カート保持状態)で使用することもできるし、ショッピングカート70のホルダ71から外して手に保持した状態(手持ち保持状態)で使用することもできる。
【0028】
図3を参照して、顧客がカート保持状態で携帯端末60を使用する場合の、ショッピングカート70への携帯端末60のセット(装着)の態様例について説明する。図3(A)はショッピングカート70において携帯端末60がセットされる部位を側面方向から見た図である。図3(B)は、ショッピングカート70を上側から見た図である。
【0029】
図3(A)に示すように、ショッピングカート70には、携帯端末60をセットするホルダ71が取り付けられている。顧客は、ホルダ71に携帯端末60をセットするようにされる。ホルダ71にセットされた状態の携帯端末60は、図3(B)に示されるようにして、撮像部606(図5参照)によりショッピングバッグ90やマイバッグ全体を撮像できる状態となる。
【0030】
[精算装置について]
図4は、精算装置40について説明する図である。図4(A)は、精算装置40の外観例(顧客側から見た正面図)を示す図である。図4(B)は、精算装置40の構成例を示す図である。図4(A)及び図4(B)において、同一部分には同一符号を付している。
【0031】
以下、図4(A)を参照しつつ、図4(B)に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、表示部405と、スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415と、撮像部416(カメラ)とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。なお、精算装置40は、キー操作部、報知部(例えば、サインポール等のランプ)をさらに設けていてもよい。
【0032】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0033】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、主記憶装置として種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0034】
ハードディスク404は、補助記憶装置として種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。なお、ハードディスク404に代えてSSD(Solid State Drive)等の記憶装置が備えられてもよい。
【0035】
表示部405は、タッチパネルであり、種々の情報を表示するとともに、タッチパネルに対して行われる操作を受け付ける。
【0036】
スキャナ部406は、種々の情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部406は、携帯端末60の表示部に表示されるコード(コードシンボルの一例:バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算処理に必要な情報を読み取る。スキャナ部406は、顧客が所持する会員カードに付された会員識別情報(会員番号)を示すコードを読み取ってよい。また、スキャナ部406は、店員の名札に付されたコードをスキャンし、店員コードを読み取ってもよい。また、スキャナ部406は、商品に付されているコードをスキャンし、商品コードを読み取ってもよい。
【0037】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、デビット支払時におけるキャッシュカード、ポイント支払時におけるポイントカード等)による決済機構である。カード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、特典付与、割引等のために各種カード(例えば、ポイントカード、会員カード、株主カード等)を認識してもよい。
【0038】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0039】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(ストアコントローラ10、他の精算装置40、取引状況管理装置50等)との間において情報を送受信する。
【0040】
撮像部416は、例えば釣銭機を操作する顧客の手元を撮像するように設けられる。
【0041】
[携帯端末の構成例]
図5は、携帯端末60の構成例を示している。同図の携帯端末60は、CPU601、記憶部602、RAM603、表示部604、操作部605、撮像部606、通信部607、センサ部608、位置情報取得部609、及び音出力部610を備える。
【0042】
CPU601は、中央演算処理装置であり、記憶部602に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末60の動作を制御する。
記憶部602は、CPU601の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU601が利用する各種の情報を記憶する。
RAM603は、CPU601の主記憶装置である。
【0043】
表示部604は、CPU601の表示制御に応じて画像を表示する。表示部604は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部605は、携帯端末60に備えられる各種操作子や携帯端末60に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
【0044】
撮像部606は、CPU401の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部606は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
【0045】
通信部607は、外部と通信を行う。通信部607は、無線によりネットワーク経由で通信を行う。このように通信部607がネットワーク経由で通信を行うことにより、携帯端末60は、取引管理装置20と通信可能となる。また、通信部607は、無線LAN経由で外部と通信可能とされてもよい。
【0046】
センサ部608は、携帯端末60が備える各種センサを一括して示す。センサ部608は、例えば携帯端末60の姿勢や進行方向等の運動状態を検出するための運動センサを含んでよい。運動センサは、ジャイロセンサや加速度センサ等を備えて構成されてよい。
【0047】
位置情報取得部609は、自己の位置情報を取得する。具体的に、位置情報取得部609は、例えばGPSに対応する測位デバイスにより自己の位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を取得してよい。
【0048】
音出力部610は、スピーカあるいはイヤホンジャック等から電子音あるいは音声を出力する部位である。
【0049】
[取引管理装置の構成例]
図6は、取引管理装置20の構成例を示している。同図の取引管理装置20は、CPU201、記憶部202、RAM203、及びネットワーク対応通信部204を備える。
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、CPU201の主記憶装置である。
ネットワーク対応通信部204は、ネットワーク経由で通信を行う部位である。
取引管理装置20の記憶部202は、商品マスタ、店舗情報、カート情報等を記憶する。
【0050】
なお、顧客管理サーバ20Aの機能構成は、図6と同様であってよい。
【0051】
[顧客管理サーバが記憶する情報について]
顧客管理サーバ20Aにおける記憶部が記憶する顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。取引管理装置20は、顧客登録時に顧客情報を生成する(ある顧客の顧客情報が記憶されることを以って当該顧客の顧客登録がなされたと解してもよい)。また、取引管理装置20は、カート情報等に基づいて、顧客情報を適宜更新する。取引管理装置20は、例えば毎日所定時刻にカート情報を参照し、顧客情報を更新してもよい。
【0052】
図7は、顧客管理サーバ20Aの記憶部が記憶する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、取引履歴情報、顧客ランク、ポイント数、購入実績特典等を含む。
【0053】
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。
本実施形態において、顧客識別情報が示す顧客については、店舗に登録された会員と同義となる。つまり、顧客識別情報は、客が店舗の会員として登録している場合において、登録された会員を一意に識別する会員識別情報である。
顧客識別情報として(または、顧客識別情報に代えて)、例えばインストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に(例えば、シーケンシャルに)付されるアプリケーション識別情報を用いてもよい。また、顧客識別情報として(または、顧客識別情報に代えて)、ショッピングアプリケーションがインストールされた携帯端末60に固有の端末識別情報を用いてもよい。端末識別情報は、例えば携帯端末60のユーザである客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように携帯端末60のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
また、顧客情報において顧客識別情報とアプリケーション識別情報とが格納されるようにしてよい。
【0054】
顧客名は、顧客の氏名やニックネーム(任意のユーザ名)などである。
【0055】
顧客登録日は、顧客登録した日時である。なお、新規の顧客の顧客情報の生成時には、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引履歴情報、顧客ランク等)は生成されない。
【0056】
顧客管理サーバ20Aは、例えば、顧客登録の際(例えば、携帯端末60が外部(例えば、アプリケーション全般を提供する所定のサーバ、当該顧客管理サーバ20A)から顧客管理サーバ20Aによるショッピングサービスを利用するためショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に顧客識別情報を生成し、記憶する。また、顧客管理サーバ20Aは、例えば、顧客登録の際に、携帯端末60を用いて、登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報を取得し、顧客名として記憶する。また、顧客管理サーバ20Aは、例えば、顧客登録の際の現在日時を取得し、顧客登録日として記憶する。
【0057】
取引履歴情報は、対応の顧客についての店舗での取引の履歴を示す情報である。取引履歴情報は、例えば、同系列における複数の店舗での取引の履歴を示すものであってよい。
【0058】
顧客ランクは、対応の顧客に付与された顧客(会員)としてのランクを示す情報である。
【0059】
ポイント数は、対応の顧客が保有するポイントの累積数である。
【0060】
さらに、本実施形態の顧客情報は、購入実績特典を含む。購入実績特典としては、対応の顧客に適用される特典内容を示す情報を格納する。購入実績特典の特典内容は、例えば、対応の顧客の過去の購入実績に応じて定められた合計金額に対する値引き金額の設定内容を示すものであってよい。
【0061】
なお、顧客管理サーバ20Aは、自装置内の記憶部に顧客情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(顧客管理サーバ20Aがアクセス可能なファイルサーバ等)に顧客情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0062】
[取引管理装置が記憶する情報について]
図8(A)は、取引管理装置20の記憶部202が記憶する店舗情報の一例を示している。同図の店舗情報は、店舗識別情報、店舗名(支店名)、店舗特定情報1、店舗特定情報2を含む。
店舗識別情報は、店舗を一意に識別する識別情報である。図7(B)に示した店舗識別情報は、店(屋号)もしくは企業のコードと、支店のコードとから構成される。
店舗名は、店舗の名称である。図7(B)に示した店舗名は、店(屋号)もしくは企業と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための2次元コード(例えば、QRコード(登録商標)等)の情報である。
店舗特定情報2は、取引する店舗を特定するための店舗の位置情報(GPS情報)である。
なお、図8(A)に示した例では、店舗識別情報と店舗特定情報1とは異なるが、店舗識別情報と店舗特定情報1とは同一であってもよい。
【0063】
なお、取引管理装置20は、外部(各店舗を統括する本部のサーバ(非図示)等)から店舗情報等を取得し、記憶してもよい。また、取引管理装置20は、自装置内の記憶部に店舗情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置20がアクセス可能なファイルサーバ等)に店舗情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0064】
カート情報は、個々の取引を管理するための情報である。取引管理装置20は、取引の開始時にカート情報を生成する。また、取引管理装置20は、取引の進行にあわせて(商品が登録される度に)、カート情報を更新する(カート情報に商品が記憶されることを以って当該商品の登録がなされたと解してもよい)。
【0065】
図8(B)は、取引管理装置20の記憶部202が記憶するカート情報の一例である。
同図のカート情報は、カート識別情報、取引日時、アプリケーション識別情報、登録商品情報、保留商品情報等を含む。
【0066】
カート識別情報は、カート情報を一意に識別する識別情報である。例えば、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とを含む。
【0067】
取引日時は、取引の行われた日時である。取引日時は、例えば、当該カート情報の生成日時であってよい。なお、取引日時は、1品目の商品の登録日時(図8(B)中の登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。カート情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。このような取引日時は、取引の開始された日時に対応する。
【0068】
アプリケーション識別情報は、当該取引に対応する携帯端末60にインストールされているショッピングアプリケーションごとに一意となる識別情報である。
【0069】
なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、アプリケーション識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報は生成されない。
【0070】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額(例えば値引き等が反映される前の小計金額)、小計金額等を含む。登録商品情報(登録商品1)は、1品目の商品の登録情報である。登録商品情報(登録商品2)は、2品目の商品の登録情報である。なお、図7(C)に示す例では、登録商品情報(登録商品3)~登録商品情報(登録商品5)の図示を省略している。登録商品情報(登録商品N;Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格等を含む。
【0071】
登録商品情報(N)は、当該N品目の商品の登録日時を含むものであってもよい。つまり、取引管理装置20は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶してもよい。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0072】
保留商品情報(計)は、保留商品が登録されるごとに更新される情報である。保留商品情報(計)は、全種類の保留商品の品数(商品数)、夫々の種類毎の保留商品の品数(商品数)を含む。なお、本実施形態では保留商品を複数の種類に分類し、各分類は分類番号(保留大分類番号、保留小分類番号)によって管理している。図7(C)の例において、保留商品情報(計)の「全品数:3」は全種類(保留大分類番号「1」~「4」の保留商品の合計)の品数が3である旨を示し、「NON-FILE:2」は、NON-FILEに分類される保留商品(保留大分類番号「1」の保留商品の合計)の品数が2である旨を示し、「読取NG:1」は、読取NGに分類される保留商品(保留大分類番号「2」の保留商品の合計)の品数が1である旨を示している。
【0073】
NON-FILEとは、店舗においてバーコードもしくは商品コードのスキャンは成功したが(商品コードを読み取ることができたが)、商品コードが商品ファイルに記憶(登録)されていないことである。つまり、NON-FILEに分類される保留商品は、商品コードのスキャンは成功したが、商品コードが商品ファイルに記憶されていない保留商品である。
【0074】
読取NGとは、店舗において商品コードの読み取り(スキャン)が成功しなかったことである。つまり、読取NGに分類される保留商品は、商品コードの読み取りが成功しなかった保留商品である。
【0075】
保留商品情報(保留商品1)は、1品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品2)は、2品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品3)は、3品目の保留商品の情報である。
【0076】
保留商品情報(保留商品N;Nは整数)は、保留大分類番号(後述)を含む。例えば、N品目の商品が保留大分類番号「1」のNON-FILEに分類される保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留大分類番号「1(NON-FILE)」、商品コードを含む。また、N品目の商品が保留大分類番号「2」の読取NGに分類される保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留大分類番号「2(読取NG)」、画像データ(携帯端末60によって撮像された撮像画像)を含む。なお、NON-FILEに分類される保留商品の保留商品情報は、保留大分類番号「1(NON-FILE)」、商品コードに加え、画像データを含むものであってもよい。
【0077】
なお、図7に示した情報は、取引管理装置20が記憶する情報の一例であって、取引管理装置20は、他の情報(例えば、商品ファイル)を記憶してもよい。商品ファイルにおける1つの商品の情報としては、例えば、商品コード(商品識別子)、商品名、価格等の情報が含まれていてもよい。
【0078】
[セルフ運用に対応する基本的な処理手順例]
図9のシーケンス図は、携帯端末60、精算装置40、及び取引管理装置20が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順の基本となる一例を示している。具体的に、同図の処理は、顧客が、店舗に陳列されている商品のうちから購入対象とする商品を登録し、登録した商品についての精算が完了するまでにおける、携帯端末60、精算装置40、取引管理装置20、及び顧客管理サーバ20Aの処理の一例を示したものである。
【0079】
ステップS10:携帯端末60は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。
本実施形態において、店舗は位置(所在地)により特定される。具体的に、例えば店舗に赴いた顧客は、携帯端末60にてショッピングアプリケーションを起動させる。ショッピングアプリケーションが起動された携帯端末60は、位置情報取得部609が測位して得られた位置を、自己の現在位置を示す位置情報として取得する。携帯端末60は、取得した位置情報が示す位置(現在位置)に対応して存在する店舗の検出を行う。現在位置に対応して存在する店舗とは、ほぼ敷地内に相当するものとして予め定められた所定範囲(店舗範囲)に現在位置が含まれるとの条件を満たす店舗である。
このため、携帯端末60は、例えば、取得した位置情報を含む店舗検出要求を取引管理装置20に送信する。取引管理装置20は、例えば店舗の位置を登録した地図情報を用いて、受信した店舗検出要求に含まれる位置情報から所定内の距離に存在する店舗を特定する。取引管理装置20は、特定した店舗に関する店舗情報を携帯端末60に送信する。このようにして携帯端末60が店舗情報を取得したことにより、携帯端末60の現在位置に対応して存在する店舗が検出されたことになる。
【0080】
なお、顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、位置情報を取得し、起動画面として取引管理装置20に接続中である旨(商品登録が可能である旨)を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。位置情報から複数店舗が検出され1つに特定できない場合には、選択画面を表示し顧客に選択させるようにしてもよい。
【0081】
図10(A)は、携帯端末60の表示部604にて表示される、ショッピングアプリケーションの起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、店舗名が表示されている。この店舗名は、当該ステップS10により取得された店舗特定情報に基づいて表示されたものである。
客は、買い物のために商品登録を開始させる場合には、起動画面において配置される取引開始指示ボタンBT10を操作する。
【0082】
ステップS12:取引開始指示ボタンBT10が操作されたことに応じて、携帯端末60は、取得された店舗特定情報とアプリケーション識別情報とを含む取引開始要求を取引管理装置20に送信する。取引開始要求は、上記のように携帯端末60に対する顧客の操作に応じて送信されてもよいし、特に操作を受け付けることなく、店舗特定情報が取得されたことに応じて送信が実行されるようにしてもよい。
【0083】
また、送信先の情報(取引管理装置20のアドレス)についても、顧客登録の際(携帯端末60にショッピングアプリケーションをダウンロードまたはインストールする際)に取得し、携帯端末60の記憶部に記憶しておいてもよい。なお、2次元コードをスキャンする態様とする場合には、店舗特定情報に加え、送信先の情報についても2次元コード化しておき、携帯端末60で2次元コードをスキャンすることにより、携帯端末60は店舗特定情報とともに送信先の情報も取得してもよい。
【0084】
ステップS14:取引開始要求を受信した取引管理装置20は、対応の取引のカート情報を新規に生成する。なお、カート情報は、生成された初期状態では、カート識別情報、取引開始日時、アプリケーション識別情報は格納されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(商品の登録に関する情報(登録商品情報、保留商品情報)等)は格納されていない。
【0085】
取引管理装置20は、上述したように、図7(A)に示したような店舗情報を記憶しているため、携帯端末60から取引開始要求として店舗特定情報を受信した場合、受信した店舗特定情報が2次元コードから取得された店舗識別情報に基づくものであった場合には、店舗特定情報1を参照して店舗識別情報を取得し、受信した店舗特定情報が位置情報(GPS情報)であった場合には店舗特定情報2を参照して店舗識別情報を取得する。なお、取引管理装置20は、携帯端末60から受信した店舗特定情報が2次元コードから取得された店舗識別情報に基づくものであった場合には、そのまま取得すればよい。
【0086】
つまり、携帯端末60から取引開始要求を受信したことに応じて、取引管理装置20は、携帯端末60から受信した店舗特定情報から店舗識別情報を取得し、さらに、現在日付を取得し、シリアル番号を発行(採番)し、店舗識別情報と現在日付とシリアル番号とを結合させて、カート情報内のカート識別情報として記憶する。また、取引開始要求を受信した取引管理装置20は、現在日時を取得し、カート情報内の取引開始日時(生成日時)として記憶する。また、取引開始要求を受信した取引管理装置20は、携帯端末60から受信したアプリケーション識別情報をカート情報内のアプリケーション識別情報として格納する。
【0087】
取引管理装置20は、上記のように生成したカート情報を記憶部202に記憶させる。なお、取引管理装置20は、例えばネットワーク経由で接続されたストレージサーバなどにカート情報を記憶させてもよい。取引管理装置20は、カート情報を記憶させるにあたり、カート情報の保存(記憶)された場所を示すURL(Uniform Resource Locator)である(カート情報URL)を取得する。このようにカート情報の保存(記憶)された場所を指し示すカート情報URLは、カート情報を示す情報としてみることができる。
【0088】
ステップS16:取引管理装置20は、ステップS14により生成し、記憶部に記憶させたカート情報のカート情報URLを携帯端末60に送信する。携帯端末60は、受信したカート情報URLを記憶する。
【0089】
ステップS18:カート情報URLを受信した携帯端末は、受信したカート情報URLと対応付けた取引の商品登録画面の初期画面(商品登録初期画面)を表示部に表示する。具体的には、携帯端末60は、例えば図10(B)に示すような商品登録画面初期画面を表示する。
【0090】
商品登録初期画面は、商品登録の開始に応じて最初に表示される商品登録画面である。
商品登録画面においては、撮像画像エリアAR1と商品登録結果エリアAR2とが配置される。撮像画像エリアAR1は、撮像部606が撮像を行うことで得られている撮像画像が表示されるエリアである。撮像画像エリアAR1に表示される撮像画像における所定範囲に収まるようにして撮像された商品コード(例えば、バーコード)が読み取りの対象となる。
商品登録結果エリアAR2は、登録された商品の点数(登録点数)と、これまでに登録された商品に応じた合計金額を示すとともに、登録された商品ごとに対応するリスト項目が配置されるエリアである。同図の商品登録初期画面の場合には、未だ登録された商品がないことから商品登録結果エリアAR2はリスト項目が配置されていない空欄の状態である。
【0091】
ステップS20:顧客が商品を登録する操作として、商品に付されたバーコードをスキャンする操作を行ったことに応じて、携帯端末60は、商品コードを読み取る。なお、同図では、バーコードのスキャンは成功したものとする。ステップS20~ステップS26の処理は、商品に付されたバーコードをスキャンするごとに繰り返し実行される。
【0092】
バーコードを取得した携帯端末60は、スキャンによって得られた商品コードを含む商品情報要求を取引管理装置20に送信する。
【0093】
ステップS24:取引管理装置20は、受信された商品情報要求に含まれていた商品コードに対応付けられた商品情報を商品マスタから取得する。取引管理装置20は、取得した商品情報を携帯端末に送信する。商品情報には、商品コード、商品名、価格(単価)等の情報が含まれる。
【0094】
ステップS26:携帯端末60は、ステップS204により送信された商品情報により示す商品を登録したことが反映されるように商品登録画面を更新する。
具体的に、携帯端末60は、図10(C)に示すように、商品登録結果エリアAR2において、今回登録された商品のリスト項目Itmが追加された商品登録画面を表示する。この際、携帯端末60は、今回登録された商品の価格に応じて合計金額についても再計算し、再計算した合計金額も商品登録画面において反映されるようにする。
【0095】
なお、図10(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「○○食パン」が登録された後の態様例を示している。
つまり、携帯端末60は、1品目として「○○ヨーグルト」が登録されたときには、携帯端末60においてリスト項目Itmとして「○○ヨーグルト」が表示される商品登録画面に更新する。
次に、2品目として「○○チョコレート」が登録されたことに応じて、携帯端末60は、商品登録結果エリアAR2において、リスト項目Itmとして「○○ヨーグルト」と「○○チョコレート」とが表示される商品登録画面に更新する。
次に、携帯端末60は、3品目として「○○食パン」が登録されたことに応じて、図10(C)に示すように、商品登録結果エリアAR2において、リスト項目Itmとして「○○ヨーグルト」と「○○チョコレート」と「○○食パン」とが表示される商品登録画面に更新する。
【0096】
ステップS28:商品の登録を完了させた顧客は、精算移行指示操作を行う。精算移行指示操作は、例えば、図10(C)に示した「お会計へ進む」と表示された精算移行指示ボタンBT15に対する操作である。携帯端末60は、顧客により行われた精算移行指示操作を受け付ける。
【0097】
ステップS30:精算移行指示操作を受け付けた携帯端末60は、これまでの商品登録結果を示す商品登録情報を取引管理装置20に送信する。商品登録情報は、これまで登録された商品の内訳と、登録された商品ごとの価格と、登録された商品に対応する合計金額等を示す。商品登録情報は、当該携帯端末60にインストールされているショッピングアプリケーションのアプリケーション識別情報を含む。
【0098】
ステップS32:取引管理装置20は、ステップS30により送信された商品登録情報に含まれているのと同じアプリケーション識別情報を格納するカート情報を記憶部202から検索する。このように検索されたカート情報は、ステップS14にて生成され、記憶部202に記憶されたカート情報である。
取引管理装置20は、検索したカート情報に、ステップS30に応じて受信された商品登録情報を格納する。具体的には、取引管理装置20は、カート情報における登録商品情報の領域ごとに対して、受信された商品登録情報において示される商品情報を格納する。また、取引管理装置20は、受信された商品登録情報において保留扱いとされた商品が含まれる場合には、当該保留扱いとされた商品の商品情報を保留商品情報の領域に格納する。このようにして、ステップS14にて生成されたカート情報に対して、対応の取引の商品登録結果が反映される。
【0099】
ステップS34:また、携帯端末60は、ステップS28にて精算移行指示操作を受け付けたことに応じて、精算コードCDとしてのコードシンボルを生成する。精算コードCDは、バーコードであってもよいが、以降の説明では、2次元コードである場合を例に挙げる。精算コードCDは、例えばステップS16に対応して記憶したカート情報URLを示すものであってよい。
【0100】
携帯端末60は、生成した精算コードCDを表示する。携帯端末60は、例えば、図10(D)に示すようにして精算コードCDを配置した精算移行画面を表示部604に表示する。
また、精算移行画面においては、メッセージエリアAR3が配置される。この場合のメッセージエリアAR3においては、「精算機で下記コードを読み取ってください」のように、客に向けて、精算移行画面のコードを精算装置40のスキャナ部406に読み取らせることを案内するメッセージが表示されている。
【0101】
ステップS36:顧客は、精算装置40にて精算を開始するにあたり、図10(D)のように表示された精算移行画面における精算コードCDをスキャナ部406に読み取らせる操作(コードスキャン操作)を行う。
精算装置40は、コードスキャン操作に応じてスキャナ部406がスキャンした精算コードCDを読み取る。
【0102】
ステップS38:精算装置40は、精算コードCDを読み取ったことに応じて、精算情報要求を取引管理装置20に送信する。精算情報要求には、ステップS16に対応して記憶していたカート情報URLが含まれる。
【0103】
ステップS40:取引管理装置20は、記憶部202に記憶されるカート情報のうち、受信された精算情報要求に含まれるカート情報URLに保存(記憶)されているカート情報を取得する。取引管理装置20は、取得したカート情報の内容を反映した精算情報を精算装置40に送信する。
【0104】
ステップS42:精算装置40は、受信した精算情報の内容を反映した精算画面を表示し、顧客の操作に応じて精算処理を実行する。
【0105】
具体的に、精算装置40は、精算処理として、顧客による決済種別の選択を受け付け、選択された決済種別に応じた精算処理を実行する。精算装置40は、決済種別が現金の場合には、預り金の投入を受け付けて、釣り銭金額を算出し、釣り銭がある場合には、釣り銭を放出するとともに、レシートを発行する。
【0106】
ステップS44:精算装置40は、精算処理が終了すると、今回の精算処理結果を示す精算結果情報を顧客管理サーバ20Aに送信する。精算結果情報には、顧客識別情報が含まれる。顧客識別情報は、店舗の会員としての顧客に付与された会員番号等の会員識別情報である。精算処理に際して、顧客は、精算装置40のスキャナ部406に会員カードに付された会員識別情報のコードをスキャンさせる操作を行い、精算装置40は、スキャンにより得られた会員識別情報を取得する。精算結果情報に含まれる顧客識別情報は、このように取得された会員識別情報であってよい。
【0107】
ステップS46:顧客管理サーバ20Aは、受信した精算結果情報に含まれるのと同じ顧客識別情報を格納する顧客情報の取引履歴情報に、受信した精算結果情報を格納する。
【0108】
なお、取引管理装置20においても取引履歴情報に相当する情報を管理するようにされてよい。この場合、顧客管理サーバ20Aは、ステップS44にて、取引管理装置20にも精算結果情報を送信してよい。取引管理装置20は、受信した精算結果情報を取引履歴情報として記憶してよい。
【0109】
なお、取引管理装置20は、例えば、携帯端末60が商品登録操作に応じて読み取った商品コードを送信してくるごとに、受信された商品コードに対応する商品の登録商品情報(もしくは保留商品情報)をカート情報に格納するようにして、カート情報の更新を行ってよい。この場合、例えば通信負荷等の影響を特に考慮しなくともよいような場合には、取引管理装置20が、カート情報の内容に応じた商品登録画面を生成し、生成した商品登録画面を携帯端末60に送信し、携帯端末60が受信した商品登録画面により、表示部604における商品登録画面の表示を更新してよい。
【0110】
[商品登録トレーニングモードの概要]
顧客が、携帯端末60を用いた買い物を未だ体験したことがなかったり、何度か経験はしたが未だ不慣れであったりするような場合、店舗にて実地に携帯端末60を用いて買い物を行うことに消極的になる可能性がある。このようなことを考慮すると、客が店舗にて実地に買い物をするにあたり、事前に自分の携帯端末60を用いて商品登録の操作の練習が行えるようにすることが好ましい。
【0111】
しかしながら、携帯端末60による商品登録の操作は、携帯端末60の位置に応じて店舗が特定された環境のもとで商品コードを実際に読み取らせる必要がある。このため、客が店舗にて、買い物のための商品登録を開始する前に携帯端末60を操作して商品登録の練習を行うことは難しい。
【0112】
そこで、本実施形態では、携帯端末60について、店舗を特定していない状態のもとで商品登録トレーニングモードを設定可能なように構成する。商品登録トレーニングモードが設定された状態では、顧客が携帯端末60を操作して商品登録の練習を行うことが可能となる。また、商品登録トレーニングモードのもとでは、商品登録結果に応じた精算装置40での精算処理は行えないようにされる。
【0113】
以下、図11を参照して、本実施形態の商品登録トレーニングモードのもとでの商品登録の練習に関連して顧客が行う、携帯端末60に対する操作手順例について説明する。
客が店舗から一定以内の距離に存在している状態にてショッピングアプリケーションを起動させた場合、携帯端末60の表示部に604には、図10(A)に示した起動画面(第1起動画面)が表示される。一方、客が自宅にいるなどして店舗から一定以内の距離に存在していない状態でショッピングアプリケーションを起動させた場合には、図11(A)に示す別の起動画面(第2起動画面)が表示される。
図11(A)の第2起動画面においては、現在地に対応する店舗が存在していないことを顧客に報知するメッセージが表示されている。また、第2起動画面には、他店舗探索ボタンBT31とトレーニング開始ボタンBT32とが配置される。
他店舗探索ボタンBT31は、現在地を起点とする一定の探索範囲に存在する店舗をショッピングアプリケーションにて提示させる操作が行われるボタンである。
トレーニング開始ボタンBT32は、商品登録の操作を練習することが可能な商品登録トレーニングモードに遷移させる操作が行われるボタンである。つまり、本実施形態においては、顧客が現在位置に対応する店舗が存在していないことを条件として、商品登録トレーニングモードにより商品登録の練習(商品登録トレーニング)を行うことが可能とされている。
【0114】
なお、本実施形態のように第2起動画面にてトレーニング開始ボタンBT32を配置して商品登録トレーニングモードに移行可能なようにした場合には、第1起動画面においては、図11(B)に例示するように、第1起動画面から商品登録トレーニングモードに移行する操作を行えないことを示すメッセージMSが表示されるようにしてよい。
【0115】
顧客は、商品登録の練習を行おうとする場合には、トレーニングを図11(A)の第2起動画面にて配置されたトレーニング開始ボタンBT32を操作する。トレーニング開始ボタンBT32が操作されたことに応じて、ショッピングアプリケーションが動作する携帯端末60は、商品登録トレーニングモードを設定する。商品登録トレーニングモードを設定すると、携帯端末60は、表示部604にトレーニング対応商品登録画面を表示させる。
【0116】
図11(C)は、トレーニング対応商品登録画面の一例を示している。図11(C)において、図10(B)と同一部分には同一符号を付して、適宜説明を省略する。
図11(C)のトレーニング対応商品登録画面においては、現在において商品登録トレーニングモード中であることをユーザである顧客に向けて報知するトレーニング標示IGTが配置される。このようなトレーニング標示IGTを見ることで、顧客は、現在において表示されている商品登録画面が、通常の商品登録用のものではなく、商品登録トレーニングモードのもとでの練習用のものであることを把握できる。
トレーニング標示IGTの態様は、顧客に向けて商品登録トレーニングモード中であることを認知させることが可能であれば、同図に示されるように文字によるメッセージの例に限定されない。例えばトレーニング標示IGTは、所定のアイコン等とされてもよい。
また、商品登録トレーニングモード中においては、例えば定期的、あるいは商品登録画面に対する所定操作に応じたタイミング等で、商品登録トレーニングモード中であることを音声により報知するようにされてもよい。
【0117】
商品登録トレーニングモードのもとで、顧客は以下のように商品登録の操作の練習を行うことができる。
この場合、顧客は、例えば自宅等の店舗以外の場所にいることから、店舗にて販売対象として陳列されている商品の商品コードを携帯端末60に読み取らせることはできない。この場合、顧客は、例えば自分の周囲にある空き箱やチラシ等に印刷された二次元コードを、店舗にて販売対象とされている商品に付された商品コードに見立てて、携帯端末60により読み取らせる操作を行う。つまり、商品登録トレーニングモードにおいて携帯端末60に読み取らせる対象となるコードは、商品コードとしての形式のものに限定されるものではなく、例えば或るURLを示すようなコードであってもよい。
このように二次元コードを読み取らせる操作が行われたことに応じて、携帯端末60は、或る所定の商品が登録されたものとして、商品登録結果を商品登録画面に反映させる。
一例として、携帯端末60の記憶部602は、インストールされたショッピングアプリケーションのアプリケーションデータの1つとして、商品登録トレーニングモード用の商品マスタ(トレーニング用商品情報データベース)を記憶している。トレーニング用商品情報データベースに格納される商品情報は、実在する商品に対応するものであってもよいし、架空の商品に対応するものであってもよい。トレーニング用商品情報データベースに格納される商品情報として、実在する商品に対応するものを用いる場合には、例えばキャンペーンなどで企業から提供された商品の商品情報が用いられてもよい。
携帯端末60は、商品登録トレーニングモードにおいては、二次元コードを読み取ったことに応じて、所定の商品決定ルール(後述)に従ってトレーニング用商品情報データベースから1の商品情報を選択し、選択した商品情報の内容を商品登録結果として商品登録画面に反映させる。
なお、ユーザは、商品登録トレーニングモードのもとで、携帯端末60に対する操作に応じて練習の対象となる店舗を選択可能とされてよい。そのうえで、携帯端末60は、選択された店舗にて実地の取引に用いる商品マスタ(商品データベース)の商品情報を、商品登録トレーニングモードでの2次元コードの読み取りに応じた商品登録に用いてよい。
【0118】
顧客は、商品登録トレーニングモードにおいて、上記のようにして商品の登録に関する操作を、任意の回数により繰り返して行うことができる。
また、商品登録トレーニングモードにおいて、顧客は、登録した商品の購入個数を指定する操作も可能とされてよい。
また、商品登録トレーニングモードにおいて、顧客は、上記のように登録された商品について、登録を削除する操作も行うことが可能とされてよい。
【0119】
上記のようにして商品登録に関する操作を一通り行うと、顧客は、商品登録を完了させたものとして、精算移行指示ボタンBT15に対する操作(精算移行指示操作)を行う。
精算移行指示操作が行われたことに応じて、携帯端末60は、商品登録トレーニングモードを解除して通常モードに移行してよい。この場合、携帯端末60は、これまで表示させていた商品登録トレーニングモード用の商品登録画面の表示を終了させて、例えば図11(A)の第2起動画面のように所定の画面に遷移するようにされてよい。
【0120】
[処理手順例]
図12のフローチャートを参照して、携帯端末60が商品登録トレーニングモードに対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:携帯端末60は、ショッピングアプリケーションを起動させる操作が行われたことに応じて、ショッピングアプリケーションを起動させる。
【0121】
ステップS102:携帯端末60は、ショッピングアプリケーションが起動されたことに応じて、位置情報取得部609から現在位置を示す位置情報を取得する。
【0122】
ステップS104:携帯端末60は、ステップS102により取得した位置情報が示す現在位置に対応する店舗情報が存在するか否かを判定する。この際、携帯端末60は、例えば、前述のように、店舗検出要求を取引管理装置20に送信し、取引管理装置20は、送信された店舗検出要求に含まれる現在位置に対応して存在する店舗の店舗情報を送信する。取引管理装置20は、店舗検出要求に含まれる現在位置に対応する店舗が存在しない場合には、店舗が存在しないことを示す店舗不存在通知を携帯端末60に送信する。
携帯端末60は、店舗検出要求に対する応答として、店舗情報と店舗不存在通知とのいずれが受信されたのかにより、現在位置に対応する店舗情報が存在するか否かを判定してよい。
なお、携帯端末60が、店舗の位置を登録した地図情報と店舗ごとの店舗情報を、ショッピングアプリケーションのアプリケーションデータとして記憶していてもよい。この場合には、携帯端末60は、自己が記憶する地図情報を参照して現在位置に対応する店舗情報が存在するか否かを判定してよい。
【0123】
ステップS106:ステップS104にて現在位置に対応する店舗情報が存在すると判定された場合、携帯端末60は、表示部604に第1起動画面(図10(A)または図11(B))を表示させる。
【0124】
ステップS108:ステップS104にて現在位置に対応する店舗情報が存在しないと判定された場合、携帯端末60は、表示部604に第2起動画面(図11(A))を表示させる。
【0125】
ステップS110:携帯端末60は、第2起動画面を表示している状態において、トレーニング開始ボタンBT32に対する操作(商品登録トレーニングモード指示操作)が行われたか否かを判定する。
【0126】
ステップS112:第2起動画面に対する操作として、トレーニング開始ボタンBT32に対する操作ではなく、他店舗探索ボタンBT31に対する操作が行われた場合、携帯端末60は、他店舗探索処理に移行する。他店舗探索処理として、携帯端末60は、例えば位置情報を含む他店舗探索要求を取引管理装置20に送信する。取引管理装置20は、他店舗探索要求の受信に応じて、現在位置を起点とする一定の探索範囲に存在する店舗を地図情報から探索し、探索結果を示す店舗探索情報を携帯端末60に送信する。携帯端末60は、受信した店舗探索情報を地図上で表示させる。
【0127】
ステップS114:ステップS110にて商品登録トレーニングモード指示操作が行われたと判定した場合、携帯端末60は、商品登録トレーニングモードを設定する。
【0128】
ステップS116:携帯端末60は、商品登録トレーニングモードを設定したことに応じて、トレーニング対応商品登録画面(図11(C))を表示させる。
【0129】
ステップS118:携帯端末60は、顧客の操作によりコードの読み取りが行われたか否かを判定する。
【0130】
ステップS120:携帯端末60は、ステップS118によりコードが読み取られたことに応じて、記憶部602が記憶するトレーニング用商品情報データベースから、所定の商品決定ルールに従って1つの商品情報を取得する。
商品決定ルールとして、1つには、トレーニング用商品情報データベースに記憶される商品情報ごとに、コードの形式における所定の1以上の桁が示す値のパターン(コード値パターン)のうちの1つを対応付けておく。携帯端末60は、ステップS118により読み取ったコードのコード値パターンが対応付けられた商品情報をトレーニング用商品情報データベースから取得する。
【0131】
あるいは、商品決定ルールとしては、例えばステップS118により読み取ったコードの値にかかわらず、ランダムあるいはトレーニング用商品情報データベースの商品情報に設定した順番に従って、トレーニング用商品情報データベースから商品情報を取得してよい。
【0132】
また、商品登録トレーニングモードに対応するトレーニング用商品情報データベースは、例えば取引管理装置20が記憶してよい。この場合、ステップS120において、携帯端末60は、取引管理装置20のトレーニング用商品情報データベースにアクセスして商品情報を取得してもよい。
【0133】
ステップS122:携帯端末60は、ステップS120により取得した商品情報により、トレーニング対応商品登録画面の商品登録結果を更新する。
【0134】
ステップS124:ステップS118にてコードの読み取りが行われない、あるいはステップS122の処理の後、携帯端末60は、トレーニング対応登録画面に対する精算移行指示操作が行われたか否かを判定する。
【0135】
ステップS126:精算移行指示操作が行われないと判定された場合、携帯端末60は、現在において位置情報取得部609から現在位置を示す位置情報を取得する。
【0136】
ステップS128:携帯端末60は、ステップS102により取得した位置情報が示す現在位置に対応する店舗情報が存在するか否かを判定する。当該ステップS128の処理は、ステップS104と同様でよい。
ステップS128にて現在位置に対応する店舗情報が存在しないと判定された場合には、ステップS118に処理が戻される。
このように、商品登録トレーニングモードにおいては、携帯端末60は、現在位置に対応する店舗情報が存在するか否かを周期的に判定している。
【0137】
ステップS130:ステップS128にて店舗情報が存在すると判定した場合、あるいはステップS124にて精算移行指示操作が行われたと判定した場合、携帯端末60は、商品登録トレーニングモードを解除する。
【0138】
なお、携帯端末60は、精算移行指示操作が行われたことに応じて、例えば精算移行指示操作後において、実際の店舗ではどのように精算をすればよいのかを顧客に案内するガイダンスを表示するようにしてよい。この際、携帯端末60は、擬似的な精算コードCDを配置した精算移行画面を表示し、精算移行画面にてガイダンスを表示させてよい。また、ガイダンスは、例えば所定時間の動画の表示によって行われてよい。また、ガイダンスは、音声により行われてもよい。
なお、携帯端末60は、商品登録中においても、例えば所定の操作が行われたときや商品登録画面の更新が行われたときなどの所定のタイミングにて、表示や音声によって商品登録に関するガイダンスを行うようにしてよい。
【0139】
上記の処理手順では、まず、顧客が店舗に存在しているときには、携帯端末60を商品登録トレーニングモードに移行させることができないようにされている。また、例えば顧客が、商品登録トレーニングモードの設定された携帯端末60を所持しながら移動し、店舗にまで赴いたときには、ステップS128にて店舗情報が存在すると判定され、強制的に商品登録トレーニングモードが解除される。
本実施形態においては、商品登録トレーニングモードの運用として、商品登録トレーニングモードによる商品登録操作の練習は、例えば自宅等の店舗以外の場所にて行うものとしており、店舗では不正等の防止のため行わないものとしている。上記の処理手順であれば、顧客が店舗に存在する状態では商品登録トレーニングモードを利用できないこととなり、上記の運用に対応させることができる。
【0140】
なお、携帯端末60は、店舗にて通常に商品登録画面を表示させて商品登録の操作に応じて商品登録に応じた処理を実行しているときには、現在においては商品登録トレーニングモードには移行できないことの報知を表示により行うようにしてよい。
【0141】
<第2実施形態>
第1実施形態の携帯端末60は、現在位置に対応して店舗が存在していることを条件に商品登録を開始可能とされたうえで、現在位置に対応して店舗が存在していないことを条件に商品登録トレーニングモードに移行可能とされていた。
第2実施形態では、携帯端末60は、店舗にて入り口等に設置されている商品登録開始用コードとしての2次元コードを読み取ることに応じて商品登録を開始可能とされる。商品登録開始用コードとしての2次元コードは、例えば店舗を特定する情報をコード化したものであってよい。つまり、携帯端末60による商品登録開始用コードの読み取りは、店舗情報の取得に相当する。
【0142】
本実施形態のように、商品登録開始用コードの読み取りに応じて商品登録を開始可能とされている場合、起動画面としては、第2起動画面が表示されることはなく、第1起動画面が常に表示される。このため、商品登録トレーニングモードへの移行に関し、本実施形態では、第1起動画面において取引開始指示ボタンBT10とともにトレーニング開始ボタンBT32を配置するようにされてよい。図13(A)は、本実施形態に対応して表示される第1起動画面の一例を示している。
このような本実施形態では、顧客が店舗にて存在している状態においても、トレーニング開始ボタンBT32を操作すれば、携帯端末60にて商品登録トレーニングモードが設定されて商品登録の練習が可能となるようにされてよい。
【0143】
本実施形態のもとで、第1起動画面に配置された取引開始指示ボタンBT10が操作された場合には、ただちに商品登録画面が表示されるのではなく、商品登録開始用コードを読み取るための画面が、例えば以下のように表示されてよい。
例えば、本実施形態の携帯端末60は、取引開始指示ボタンBT10が操作されたことに応じて、商品登録開始用コードの読み取りを案内する読取案内画面を表示部604に表示する。
【0144】
図13(B)は、読取案内画面の一例を示している。同図の読取案内画面においては、店舗に設置された商品登録開始用コードを携帯端末60により読み取らせる操作を行ってもらうことを顧客に向けて案内するメッセージと、読取起動(カメラ起動)ボタンBT40が配置されている。
顧客は、店舗にて買い物を開始しようとする場合には、読取起動ボタンBT40を操作する。読取起動ボタンBT40が操作されたことに応じて、携帯端末60は、表示部604に読取操作画面を表示する。
【0145】
図13(C)は、読取操作画面の一例を示している。読取操作画面においては、撮像部606により撮像されている撮像画像が表示される。撮像画像における中央部分のマスキングされていない部分は、読み取りのためにコードを収めるべき読取有効エリアAR10となる。
顧客は、読取操作画面における読取有効エリアAR10に商品登録開始用コードを収めるように操作して、携帯端末60に商品登録開始用コードを読み取らせる。携帯端末60は、商品登録開始用コードを読み取ったことに応じて、商品登録画面(図10(B))を表示させてよい。
【0146】
このような本実施形態の構成の場合には、携帯端末60は、起動画面(第1起動画面)を表示している状態にて、トレーニング開始ボタンBT32が操作された場合には商品登録トレーニングモードに移行し、顧客は商品登録モードの練習を行うことができる。一方、携帯端末60は、取引開始指示ボタンBT10が操作された場合には、商品登録開始用コードの読み取りに応じて通常の商品登録画面を表示し、顧客は実地の取引に応じた商品登録の操作を行うことができる。携帯端末60は、このようにして商品登録開始用コードの読み取りを行った場合には、その後において、商品登録トレーニングモードについての制限が行われるようにされてよい。例えば、携帯端末60は、商品登録開始用コードの読み取りに応じて、例えば実地の取引が完了するまでにおいて、商品登録トレーニングモードへの移行(遷移)の操作が不可となるようにされてよい。この際には、例えば商品登録トレーニングモードへの移行の操作が可能なボタン等が表示されないようにしてよい。また、商品登録トレーニングモードが設定されている状態のもとで読み取ったコードが商品登録開始用コードであった場合、携帯端末60は、これまでの商品登録トレーニングモードを中断して通常の商品登録が可能な状態に遷移するようにしてもよい。
【0147】
本実施形態のように、店舗においても商品登録トレーニングモードで商品登録の操作が可能とされている場合には、顧客は、商品に付されている以外のコードとともに、店舗にて実際に販売のために陳列されている商品に付されている商品コードも携帯端末60に読み取らせてよい。
この場合、携帯端末60は、第1実施形態と同様に、コードを読み取ったことに応じて、所定のルールに従って携帯端末60の記憶部602(またはストアコントローラ10、取引管理装置20等)が記憶するトレーニング用商品情報データベースから商品情報を取得し、取得した商品情報が登録されたものとなるように商品登録画面を更新してよい。
【0148】
あるいは、この場合の携帯端末60は、商品登録トレーニングモードにて読み取ったコードが実地の取引に用いられる商品マスタに含まれる商品の商品コード(実商品コード)であるか否かの問い合わせ(商品問い合わせ)をストアコントローラ10(または取引管理装置20)送信してよい。ストアコントローラ10(または取引管理装置20)は、商品問い合わせの対象とされたコードが実商品コードである場合には、実商品コードを携帯端末60に送信する。一方、ストアコントローラ10(または取引管理装置20)は、商品問い合わせの対象とされたコードが実商品コードでない場合には、実商品コードではない旨の通知(非商品コード通知)を取引管理装置20に送信する。
携帯端末60は、商品問い合わせに対する応答として、実商品コードを受信した場合には、受信した実商品コードの商品が登録されたものとして商品登録画面を更新してよい。一方、携帯端末60は、非商品コードを受信した場合には、第1実施形態と同様にトレーニング用商品情報データベースから取得した商品情報により商品が登録されたものとして商品登録画面を更新してよい。
【0149】
<第3実施形態>
第2実施形態では、商品登録開始用コードの読み取りに応じて実の商品登録が開始されることに伴い、起動画面(第1起動画面)において取引開始指示ボタンBT10とともにトレーニング開始ボタンBT32が配置されていた。これにより、第2実施形態では、顧客が店舗内に存在していても、商品登録トレーニングモードにより商品登録の操作の練習が可能とされている。
第1実施形態では、顧客に自宅などの店舗以外の場所にて商品登録の練習を行ってもらうようにすることや店舗での不正の防止などを考慮して、携帯端末60の現在位置が店舗に対応する位置範囲内に存在している場合には、商品登録トレーニングモードの利用が不可となるようにされていた。
一方で、顧客にとっての利便性等を考慮した場合には、店舗において実地に商品登録を行う前の段階で、商品登録トレーニングモードにより顧客が商品登録の操作の練習を行えるようにすることにも一定の必要性があるといえる。
そこで、本実施形態としては、第1実施形態のように携帯端末60が取得した現在位置が店舗に対応する位置範囲にあることにより商品登録が開始される場合においても、店舗にて商品登録トレーニングモードを設定して商品登録の操作の練習を行えるようにされてよい。
【0150】
<第4実施形態>
例えば、第2実施形態及び第3実施形態のように、店舗においても商品登録トレーニングモードでの商品登録の操作の練習が可能なようにされている場合においては、例えば不正などの防止も考慮して、店舗での商品登録トレーニングモードについて所定の制限が与えられるようにしてよい。
【0151】
具体的に、店舗での商品登録トレーニングモードでは、商品登録の操作が所定回数までに制限されてよい。また、店舗での商品登録トレーニングモードは、制限時間が与えられてよい。また、商品登録トレーニングモードであることの表示や音声による報知について、例えば店舗以外の場所にて商品登録トレーニングモードが設定される場合よりも、例えば頻度を高めたり音量を高くしたりするなどしてもよい。
【0152】
また、店舗での商品登録トレーニングモードのもとで、精算移行指示操作が行われたことに応じて擬似的に精算コードを表示させる場合には、当該精算コードにより示されるデータは、商品登録トレーニングモードに対応するコードであることを示す内容を有するものとしてよい。この場合、顧客が、商品登録トレーニングモードに対応する精算コードを精算装置40に読み取らせた場合には、精算装置40は、精算処理には移行しないようにされてよい。そのうえで、精算装置40は、顧客に向けて、表示や音声によって、読み取ったコードが商品登録トレーニングモードの精算コードであるため、精算が不可であることを報知するようにされてよい。
【0153】
<第5実施形態>
商品登録トレーニングモードによる商品登録の操作の練習について、予め設定された目標(成果)に到達したことに応じて、顧客に特典が付与されるようにしてよい。
例えば、日や週、月などの単位期間内において、商品登録トレーニングモードを設定した目標回数や、商品登録トレーニングモードにて商品ごとの登録の操作を行った目標回数等が設定されてよい。この場合には、顧客が商品登録トレーニングモードによる商品登録の操作の練習を何度か行った結果、設定された目標回数をクリアしたことに応じて、顧客に特典が付与される。特典としては、ポイントの付与、クーポンの付与、粗品の引換券の発行等であってよい。
このような商品登録トレーニングモードによる商品登録の操作の練習結果に応じた特典の付与は、例えば顧客管理サーバ20Aが管理するようにされてよい。携帯端末60は、商品登録トレーニングモードでの商品登録の操作履歴を、所定のタイミングで顧客管理サーバ20Aに送信する。顧客管理サーバ20Aは、受信した操作履歴を記憶し、記憶された操作履歴が予め設定された目標に到達したことに応じて、対応の顧客に特典を付すようにされてよい。
【0154】
本実施形態のように商品登録トレーニングモードによる商品登録の操作の練習の結果に応じて顧客に特典を付すようにすれば、顧客が商品登録トレーニングモードでの商品登録の操作の練習を、積極的に繰り返し行うようになることが期待される。この場合、顧客としては、商品登録トレーニングモードでの商品登録の操作の練習の回数を重ねるにつれて、携帯端末60を利用した商品登録の操作に慣れ親しむことができ、ショッピングアプリケーションに愛着も持てるようになり、店舗での買い物にて携帯端末60を積極的に利用するようにもなる。この結果、本実施形態は、携帯端末60を利用した買い物の普及に寄与することができる。
なお、上記のような商品登録トレーニングモードによる商品登録の操作の練習の結果に応じた特典の付与には所定の制限が与えられてよい。一例として、客が携帯端末60を操作して実地に商品登録を行って以降は、商品登録トレーニングモードにより商品登録の操作の練習を行ったとしても、特典の付与が行われないようにしてよい。
【0155】
<第6実施形態>
商品登録トレーニングモードでの商品登録の操作により携帯端末60に読み取らせたコードに応じて、例えば所定の競技(ゲーム)に対応して利用されるスコア(得点)を付与するようにされてよい。付与する得点は、読み取られたコードが示す値を利用して所定のルールや演算によって求められてよい。このような得点の付与は、携帯端末60が行ってもよいし、顧客管理サーバ20Aが行ってもよい。
この場合において、例えば2以上の顧客の携帯端末60を、顧客管理サーバ20A経由、あるいはピアツーピアで通信可能に接続し、各顧客が携帯端末60にコードを読み取らせるコードに応じて付与される得点を比較し、勝敗を決定するような様式のゲームが提供されるようにしてよい。
本実施形態のように、商品登録トレーニングモードにて読み取ったコードにより得点が付与されるようにすれば、得点を競うようなゲームを顧客に提供できる。顧客は、ゲームを楽しみながら、携帯端末60を利用した商品登録の操作に慣れることができる。
【0156】
<変形例>
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
上記実施形態においては、携帯端末60に表示された精算コードCDを精算装置40に読み取らせることで、精算装置40が精算を開始するようにされている。
これに対して、本変形例では、精算装置40が待機状態にあるときに表示部405に精算開始用コードのコードシンボルを表示し、精算移行指示操作が行われた後の携帯端末60に精算開始用コードを読み取らせたことに応じて精算が開始されるようにしてよい。
この場合、精算開始用コードは、取引管理装置20へのカート情報URLの送信を指示するURL送信制御情報をコード化したものとされている。URL送信制御情報には、精算開始用コードを表示した精算装置40のアドレスが含まれている。
URL送信制御情報としての精算開始用コードを読み取った携帯端末60は、取引開始時に取引管理装置20から取得したカート情報URLを、同じ精算開始用コードに含まれるアドレスの取引管理装置20に送信する。取引管理装置20は、受信したカート情報URLに格納しているカート情報を、精算装置40に送信する。精算装置40は、受信したカート情報に基づく精算処理を開始する。
【0157】
[第2変形例]
商品登録トレーニングモードのもとでは、商品登録結果に応じた精算装置40での精算処理は行えないようにされる。そのうえで、商品登録トレーニングモードのもとでの精算移行指示操作に応じて携帯端末60が擬似的(デモンストレーション的)な精算コード(疑似精算コード)を表示するようにされている場合、精算装置40について、疑似精算コードを読み取りに応じた精算処理を実行しないように構成してよい。この場合には、例えば精算装置40は疑似精算コードの読み取りのエラーとして処理するようにされてよい。また、精算装置40は、疑似精算コードを読み取ったことに応じて、精算の操作の練習が可能な精算トレーニングモードに移行するようにされてもよい。また、精算装置40が疑似精算コードの読み取りに応じて、例えば上記の精算トレーニングモードとしての精算処理が可能なようにされた場合において、精算処理結果に応じた会計実績が計上されることがないように処理されてよい。あるいは、実の会計実績とは別に、トレーニングモード対応の会計実績として計上されるようにしてよい。また、精算装置40が疑似精算コードの読み取りに応じた精算処理を実行する前もしくは後のタイミングで、疑似精算コードの読み取りに応じた精算処理が実行されること、あるいは実行されたことの報知が店員に対して行われるようにされてよい。このような報知は、例えば取引状況管理装置50や店員の携帯端末等のように店舗にて備えられる装置であるとか、店舗にて備えられるパトランプなどによって行われるようにされてよい。
【0158】
[第3変形例]
本変形例では、店舗における特定の範囲においてトレーニング用エリアが設けられてよい。トレーニング用エリアにおいては、客は、店舗内であっても携帯端末60に商品登録トレーニングモードを設定して商品登録操作の練習を行うことができる。
【0159】
店舗におけるトレーニング用エリアと通常に商品登録が可能な一般エリアとの弁別には、例えばGPS等の測位システムに対応する位置情報が利用されてもよいが、トレーニング用エリアが狭かったり、屋内であったりする場合には、上記のような位置情報によりトレーニング用エリアと一般エリアとを弁別することが難しい場合がある。そこで、店舗において、一般エリアとトレーニング用エリアとのそれぞれに対応してビーコンを設置するようにされてよい。携帯端末60は、ビーコンから送信されるビーコン信号を受信することにより、現在における店舗内の位置が一般エリアとトレーニング用エリアとのいずれであるのかを判定し、トレーニング用エリアであると判定した場合に、商品登録トレーニングモードに移行することができる。なお、このように携帯端末60がビーコン信号を受信することも、自己位置を示す位置情報の取得に相当する。
【0160】
店舗におけるトレーニング用エリアと通常に商品登録が可能な一般エリアとの弁別にあたり、一般エリアには通常の商品登録に対応する商品登録開始用コードを設置し、トレーニング用エリアには商品登録トレーニングモードに対応する商品登録開始用コードを設置してよい。この場合には、携帯端末60は、商品登録トレーニングモードに対応する商品登録開始用コードを読み取った場合に商品登録トレーニングモードに移行することができる。
なお、携帯端末60は、例えば商品登録トレーニングモードが設定されている状態のもとで通常の商品登録に対応する商品登録開始用コードを読み取った場合には、商品登録トレーニングモードを終了し、通常に対応する商品登録に移行可能とされてよい。
また、携帯端末60が、先に通常の商品登録に対応する商品登録開始用コードを読み取って通常の商品登録を行っている状態で商品登録トレーニングモードに対応する商品登録開始用コードを読み取った場合には、商品登録トレーニングモードに遷移するようにされてよい。あるいは、不正等の防止のため、商品登録トレーニングモードへの遷移が禁止されるようにしてもよい。
【0161】
トレーニング用エリアにおいては、実商品を対象として商品登録の練習を行うことが可能とされてもよいが、実商品ではないものが商品登録の対象とされることが好ましい。
具体的に、実商品ではない商品登録の対象としては、商品の空箱、空のペットボトルなどの商品コードが付された空容器であってよい。また、量り売り商品を商品登録の対象とする場合には、実物の商品に代えてモックアップ品を利用してもよい。
【0162】
また、トレーニング用エリアにおいては、客が精算の操作の練習に用いる精算装置40が配置されていてよい。また、トレーニング用エリアにおいて、量り売り商品の計量と計量結果に基づく値付けを行うことのできる計量装置が配置されてよい。このような計量装置は、自己への接続先を示すコードを表示するようにされており、客が携帯端末60に当該コードを読み取らせることに応じて、携帯端末60と計量装置とが通信可能に接続される。客が商品種別を指定して、量り売り商品の計量を計量装置に行わせると、指定された商品についての計量結果と当該計量結果に応じて値付けされた金額とを含む情報が携帯端末60に送信される。携帯端末60は、送信された情報を利用して量り売り商品の登録を実行する。なお、計量装置は、秤台に乗せられた対象の商品の重量を計測した結果に応じて値付けするようにされたものであってもよいし、容器から取り出された(排出された)商品の重量を計測した結果に応じて値付けするようにされたものであってもよい。
【0163】
また、本変形例において、携帯端末60は、店舗が客に貸し出す貸出端末や店舗が所有してショッピングカートに固定的に取り付けられた態様のもの(例えば、カートレジ)であってよい。このような携帯端末60は、ビーコンとの通信によりトレーニング用エリアから一般エリアに移動したと判定したことに応じて商品登録トレーニングモードが終了する、あるいは起動しなくなるようにされてよい。
【0164】
また、携帯端末60は、例えば商品登録トレーニングモードの状態のもとで、トレーニング用エリアから一般エリアに移動したことに応じて、商品登録トレーニングモードを終了させたうえで、音声や表示等によるエラーの報知が、例えば取引状況管理装置50や店員の携帯端末等のように店舗にて備えられる装置であるとか、店舗にて備えられるパトランプ等にて行われるようにされてよい。
あるいは、商品登録トレーニングモードの携帯端末60を所持した状態では開かないようにして客がトレーニング用エリアから退出できないように制御されるゲートを設けてもよい。
【0165】
[第4変形例]
携帯端末60の位置に応じて商品登録トレーニングモードへの遷移の可否を判定する機能は、例えば取引管理装置20等の携帯端末60の外部の装置であってよい。この場合には、携帯端末60が自己の位置を示す位置情報を外部の装置に送信し、外部の装置が受信した位置情報に基づいて商品登録トレーニングモードへの遷移の可否を判定した結果を、携帯端末60に送信する。携帯端末60は、受信した判定結果に応じて、商品登録トレーニングモードへの遷移の許可に応じた動作、もしくは商品登録トレーニングモードへの遷移の禁止に応じた動作を実行してよい。
【0166】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品データ処理装置に関する。
[背景技術]
客自らがスマートフォン等の可搬型の電子機器(携帯端末)を利用して商品を登録し、登録された商品に対応する精算を客が会計機(精算装置)にて行えるようにされたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-147252号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
携帯端末を利用しての買い物に未だ不慣れな客が、実地の買い物に先だって、携帯端末で商品を登録する練習が行えるようにすることが好ましい。
本発明は、客が携帯端末で商品を登録する練習を適切に行えるようにすることを目的とする。
【0167】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、可搬型の商品データ処理装置(例えば、携帯端末60)としてのコンピュータを、操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモード(例えば、商品登録トレーニングモード)に関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0168】
上記構成によれば、携帯端末60を操作して行う商品登録の練習が可能な商品登録トレーニングモードについて、各種の条件に応じて適切に動作させることができる。これにより、客が携帯端末で商品を登録する練習を適切に行えるようになる。
【0169】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のプログラムであって、自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、前記制御手段は、前記所定の条件として、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が対応する環境に応じて異なる動作が行われるようにしてよい。
【0170】
上記構成によれば、携帯端末60を所持する顧客が所定の条件を満たす位置に存在しているか否かに応じて、商品登録トレーニングモードに関する動作を異ならせることができる。一例として、携帯端末60が所定の条件に該当する位置(例えば、店舗に対応する位置)に存在していることを条件に、商品登録トレーニングモードを設定することが可能とされてよい。
【0171】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載のプログラムであって、前記制御手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が店舗に対応する範囲外にあるとの条件を満たす場合には、前記トレーニングモードへの移行を許可し、当該条件を満たさない場合には、前記トレーニングモードへの移行を許可してよい。
【0172】
上記構成によれば、携帯端末60が店舗に対応する範囲外に存在していれば商品登録トレーニングモードに遷移することが可能とされるが、店舗に対応する範囲内に存在していれば商品登録トレーニングモードへは遷移できないようにすることができる。これにより、店舗にて商品登録トレーニングモードの携帯端末60を利用することにより生じ得る混乱や不正等を防止できる。
【0173】
(4)本実施形態の一態様は(1)から(3)のいずれか1つに記載のプログラムであって、前記制御手段は、前記異なる動作として、所定の条件が満たされているか否かに応じて、前記トレーニングモードへの移行の可否または前記トレーニングモードでの所定の動作の制限が行われるようにしてよい。
【0174】
上記構成によれば、所定の条件を満たしているか否かに応じて、商品登録トレーニングモードへの移行の可否を設定可能となるだけでなく、商品登録トレーニングモードが設定されている状態において一定の動作の制限を与えることも可能となる。
【0175】
(5)本実施形態の一態様は(1)から(4)のいずれか1つに記載のプログラムであって、前記制御手段は、トレーニングモードに移行したとの条件が満たされたことに応じた動作として、現在においてトレーニングモードが設定されていることの報知を行うようにされてよい。
【0176】
上記構成によれば、商品登録トレーニングモードが設定されているときには、携帯端末60にてその旨の報知が行われる。これより、顧客は、携帯端末60が実地の商品登録に対応する動作を実行中ではなく、商品登録トレーニングモード中であることを把握しやすくなる。
【0177】
(6)本実施形態の一態様は(1)から(5)のいずれか1つに記載のプログラムであって、前記制御手段は、トレーニングモードが設定されている状態のもとでトレーニングモードの実行を制限する所定の制限条件が満たされるか否かを判定するようにされ、前記制限条件が満たされたと判定した場合に、トレーニングモードを制限してよい。
【0178】
上記構成により、例えば、現在位置が店舗の範囲外となったこと、商品登録回数が上限にまで至ったこと、商品登録トレーニングモードでの動作が所定時間以上となったこと等に応じて商品登録トレーニングモードを解除するようにして、商品登録トレーニングモードの利用を制限することができる。
【0179】
(7)本実施形態の一態様は(6)に記載のプログラムであって、前記トレーニングモードの実行を制限する所定の制限条件は、店舗において設置され、店舗での取引における商品登録の開始を可能とするためのコードを商品データ処理装置が読み取ったことであってよい。
【0180】
上記構成によれば、店舗において設置される登録開始用コードを携帯端末60に読み取らせることで実地の商品登録が開始可能とされている場合において、登録開始用コードの読み取りに応じて商品登録トレーニングモードへの移行が不可となるようにするなど制限して、適切に客の混乱や不正を防止することが可能になる。
【0181】
(8)本実施形態の一態様は(1)から(7)のいずれか1つに記載のプログラムであって、コードの読み取りを行うことでデータを取得するコード読取手段をさらに備え、前記制御手段は、トレーニングモードにおいて、前記コード読取手段によりコードが取得されたことに応じて、特定の情報の表示を行ってよい。
【0182】
上記構成によれば、商品登録トレーニングモードにおいては、商品コードの読み取りに応じて対応の商品の登録結果を商品登録画面に反映させることができるとともに、商品コード以外のコードの読み取りが行われても、例えば或る実在または架空の商品が登録された結果を商品登録画面に反映させることができる。
【0183】
(9)本実施形態の一態様は(1)から(8)のいずれか1つに記載のプログラムであって、前記制御手段は、トレーニングモードのもとで行われた操作の履歴に基づいて特典が付与されるようにしてよい。
【0184】
上記構成によれば、顧客は、商品登録トレーニングモードでの練習を重ねることにより、特典を受けることができるようになる。
【0185】
(10)本実施形態の一態様は、(1)から(9)のいずれか1つに記載のプログラムであって、コードシンボルの読み取りを行うことでコードデータを取得するコード読取手段をさらに備え、前記制御手段は、トレーニングモードにおいて、取得されたコードに応じて所定の競技に用いられる得点が付与されるようにしてよい。
【0186】
上記構成によれば、顧客は、携帯端末60にコードを読み取らせる操作により得点を獲得して行うゲームを楽しみつつ、商品登録の操作の練習を行うことができる。
【0187】
(11)本実施形態の一態様は、可搬型であって、操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア内である場合には、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードへの移行を許可し、前記位置情報取得手段が取得した位置情報により示される位置が、商品を登録する操作の練習が可能なエリア外である場合には、前記トレーニングモードへの移行を禁止する制御手段とを備える商品データ処理装置である。
【0188】
(12)可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録手段と、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて、前記商品データ処理装置が異なる動作を行うように制御する制御手段とを備える商品データ処理システムである。
【0189】
(13)可搬型の商品データ処理装置に対する操作に応じて商品を登録する商品登録ステップと、商品を登録する操作の練習が可能なトレーニングモードに関連して、所定の条件ごとに応じて異なる動作が行われるようにする制御ステップとを含む商品データ処理方法である。
【0190】
なお、上述のストアコントローラ10、取引管理装置20、顧客管理サーバ20A、精算装置40、取引状況管理装置50、携帯端末60等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のストアコントローラ10、取引管理装置20、顧客管理サーバ20A、精算装置40、取引状況管理装置50、携帯端末60の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0191】
1 商品データ処理システム、10 ストアコントローラ、20 取引管理装置、20A 顧客管理サーバ、40 精算装置、50 取引状況管理装置、60 携帯端末、70 ショッピングカート、80 買い物カゴ、90 ショッピングバッグ
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