(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079333
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】サーバのためのコンピュータプログラム、サーバ、サーバによって実行される方法、及び、通信システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q20/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192210
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 翔
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA21
5L055AA21
(57)【要約】
【課題】プリンタによる印刷を禁止させるための新たな技術を提供する。
【解決手段】サーバは、第1の決済要求を決済サーバに送信し、決済サーバから、仮の成功情報を受信し、決済サーバから、第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する。サーバは、決済サーバから受信される第1の結果情報が、第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1のプリンタに第1の移行要求を送信する。サーバは、決済サーバから受信される第1の結果情報が、第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、第1のプリンタに第1の移行要求を送信しない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記コンピュータプログラムは、コンピュータを、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部と、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部と、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の移行要求が前記第1のプリンタに送信された後に、端末装置から、新たな第1種の決済情報を受信する第1の決済情報受信部と、
前記端末装置から前記新たな第1種の決済情報が受信される場合に、前記新たな第1種の決済情報に関連する第2の決済関連情報を含む第2の決済要求であって、前記新たな第1種の決済情報を利用した第2の決済の実行を要求する前記第2の決済要求を前記決済サーバに送信する第2の決済要求送信部と、
として機能させ、
前記仮の成功情報受信部は、前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから前記仮の成功情報を受信し、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、第2の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第2の移行要求送信部であって、前記第2の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を前記禁止状態から前記許容状態に移行させることを要求するための信号である、前記第2の移行要求送信部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、前記決済サーバから、前記第2の決済の結果を示す第2の結果情報を受信する第2の結果情報受信部として機能させ、
前記第1の移行要求送信部は、
前記決済サーバから受信される前記第2の結果情報が、前記第2の決済が失敗したことを示す第2の失敗情報を含む場合に、前記第1のプリンタに前記第1の移行要求を送信し、
前記決済サーバから受信される前記第2の結果情報が、前記第2の決済が成功したことを示す第2の成功情報を含む場合に、前記第1のプリンタに前記第1の移行要求を送信しない、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、第3の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第3の移行要求送信部であって、前記第3の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、前記禁止状態から、印刷の実行が制限される制限状態に移行させることを要求するための信号である、前記第3の移行要求送信部として機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記第1の決済要求送信部は、前記決済サーバから前記第1の失敗情報を含む前記第1の結果情報が受信される場合に、前記第1の決済要求を前記決済サーバに再送信し、
前記第1の移行要求送信部は、前記決済サーバから前記第1の成功情報を含む前記第1の結果情報が受信されることなく、前記第1の決済要求を前記決済サーバに最初に送信してから特定期間が経過する場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
第2の顧客によって登録される第2種の決済情報であって、前記第1種の決済情報とは異なる前記第2種の決済情報に関連する第3の決済関連情報を含む第3の決済要求であって、前記第2種の決済情報を利用した第3の決済の実行を要求する前記第3の決済要求を前記決済サーバに送信する第3の決済要求送信部と、
前記第3の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、第3の結果情報を受信する第3の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第3の結果情報が、前記第3の決済が失敗したことを示す第3の失敗情報を含む場合に、第4の移行要求を第2のプリンタに送信する第4の移行要求送信部であって、前記第4の移行要求は、前記第2のプリンタの状態を前記許容状態から前記禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第3の結果情報が、前記第3の決済が成功したことを示す第3の成功情報を含む場合に、前記第2のプリンタに前記第1の移行要求を送信しない、前記第4の移行要求送信部と、
として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1種の決済情報は、銀行口座の口座番号を示す情報であり、
前記第2種の決済情報は、クレジットカードのカード番号を示す情報である、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
プリンタに関連する課金サービスを提供可能なサーバであって、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部と、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部と、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
を備える、サーバ。
【請求項9】
サーバによって実行される方法であって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記方法は、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信ステップと、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信ステップと、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信ステップと、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信ステップであって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信ステップと、
を備える方法。
【請求項10】
第1のプリンタと、サーバと、決済サーバと、銀行サーバと、を備える通信システムであって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記サーバは、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を前記決済サーバに送信する第1の決済要求送信部を備え、
前記決済サーバは、
前記サーバから前記第1の決済要求が受信される場合に、前記銀行サーバとの前記第1の決済を実行する決済実行部と、
前記サーバに仮の成功情報を送信する仮の成功情報送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから前記仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部を備え、
前記決済サーバは、
前記サーバに前記仮の成功情報が送信された後に、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を前記サーバに送信する第1の結果情報送信部を備え、
前記サーバは、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから前記第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
を備え、
前記第1のプリンタは、
前記サーバから前記第1の移行要求を受信する第1の移行要求受信部と、
前記サーバから前記第1の移行要求が受信される場合に、前記第1のプリンタの状態を前記許容状態から前記禁止状態に移行させる移行部と、
を備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プリンタによる印刷の実行を禁止させる技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタとPCと情報管理サーバとを備える通信システムが開示されている。プリンタは、定額印刷処理が実行される毎に、印刷枚数に関する印刷情報を記憶し、印刷情報を情報管理サーバに送信する。情報管理サーバは、プリンタから印刷情報を受信する場合に、印刷情報を管理する。情報管理サーバは、プリンタから受信される印刷情報を利用して、定額印刷処理のサービスを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、プリンタによる印刷を禁止させるための新たな技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、サーバのためのコンピュータプログラムを開示する。前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、前記コンピュータプログラムは、コンピュータを、第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部と、前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部と、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、として機能させてもよい。
【0006】
また、本明細書は、第1のプリンタと、サーバと、決済サーバと、銀行サーバと、を備えるシステムを開示する。前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であってもよい。前記サーバは、第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部を備えてもよい。前記決済サーバは、前記サーバから前記第1の決済要求が受信される場合に、前記銀行サーバとの前記第1の決済を実行する決済実行部と、前記サーバに仮の成功情報を送信する仮の成功情報送信部と、を備えてもよい。前記サーバは、前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから前記仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部を備えてもよい。前記決済サーバは、前記サーバに前記仮の成功情報が送信された後に、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を前記サーバに送信する第1の結果情報送信部を備えてもよい。前記サーバは、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから前記第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、を備えてもよい。前記第1のプリンタは、前記サーバから前記第1の移行要求を受信する第1の移行要求受信部と、前記サーバから前記第1の移行要求が受信される場合に、前記第1のプリンタの状態を前記許容状態から前記禁止状態に移行させる移行部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によると、サーバは、決済サーバから受信される結果情報が第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する。一方、サーバは、決済サーバから受信される結果情報が第1の成功情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信しない。従って、第1のプリンタによる印刷を禁止するのか否かを適切に切り替えることができる。
【0008】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、上記のコンピュータプログラムによって実現されるサーバ、及び、サーバによって実行される方法も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】サーバによって実行されるカード課金処理のフローチャートを示す。
【
図4】サーバによって実行される第1ストップ処理のフローチャートを示す。
【
図5】サーバによって実行される口座課金処理のフローチャートを示す。
【
図6】サーバによって実行される第2ストップ処理のフローチャートを示す。
【
図7】カード決済が実行されるケースAのシーケンス図を示す。
【
図8】口座決済が実行されるケースBのシーケンス図を示す。
【
図10】第2実施例において、サーバによって実行される第2ストップ処理のフローチャートを示す。
【
図11】第2実施例において、口座決済が実行されるケースCのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、プリンタ10A、10Bと、端末装置100A、100Bと、サーバ200と、決済サーバ300と、クレジットカードサーバ400と、銀行サーバ500と、を備える。端末装置100A、100Bは、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。プリンタ10A、10B、端末装置100A、100B、サーバ200、決済サーバ300、クレジットカードサーバ400、及び、銀行サーバ500は、インターネット6に接続されている。プリンタ10A、10B、端末装置100A、100B、サーバ200、決済サーバ300、クレジットカードサーバ400、及び、銀行サーバ500は、インターネット6を介して、通信可能である。クレジットカードサーバ400は、クレジットカード会社を運営する事業者によってインターネット6上に設置される。銀行サーバ500は、銀行を運営する事業者によってインターネット6上に設置される。以下では、端末装置100A、100Bを総称して、「端末装置100」と記載することがある。
【0011】
(プリンタ10A、10Bの構成)
プリンタ10Aは、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC等の周辺装置)である。プリンタ10Aは、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10Aは、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、通信インターフェース18と、制御部30と、を備える。プリンタ10Aは、シリアル番号SN1を有する。シリアル番号は、プリンタの製造時に割り当てられる識別番号であり、当該プリンタを識別するための情報である。以下では、インターフェースを「I/F」と記載することがある。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10Aに入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクを収容するカートリッジが着脱可能に装着される。印刷実行部16は、カートリッジ内のインクを利用して、印刷を実行する。カートリッジには、定額制サービスの提供を受けているときにのみ利用可能な専用カートリッジと、定額制サービスの提供を受けていないときに利用可能な汎用カートリッジと、が存在する。なお、印刷実行部16は、レーザ方式等の印刷機構を備えてもよい。インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。通信I/F18は、LAN4に接続されている。通信I/F18は、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0013】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0014】
プリンタ10Bは、シリアル番号SN2を有する点を除いて、プリンタ10Aと同様の構成を有する。以下では、プリンタ10A、10Bを総称して、「プリンタ10」と記載することがある。
【0015】
(サーバ200の構成)
サーバ200は、プリンタ10のベンダによってインターネット6上に設置される。なお、変形例では、サーバ200は、当該ベンダとは異なる事業者によってインターネット6上に設置されてもよい。別の変形例では、プリンタ10のベンダは、サーバ200のハードウェアを自前で準備せず、外部のクラウドコンピューティングサービスが提供する環境を利用してもよい。この場合、プリンタ10のベンダは、サーバ200のプログラム(即ちソフトウェア)を準備し、それを上記の環境に導入することによって、サーバ200を実現してもよい。サーバ200は、定額制サービスを提供する。定額制サービスは、所定期間におけるプリンタ10によって印刷される印刷用紙の枚数が契約印刷枚数(例えば1000枚)以下の場合、予め決められた金額(以下では、「定額料金」と記載することがある)を課金し、所定期間におけるプリンタ10によって印刷される印刷用紙の枚数が契約印刷枚数を超える場合に、定額料金と、契約印刷枚数を超えた枚数に応じた金額(以下では、「追加料金」と記載することがある)と、を合算した請求金額を課金する課金サービスである。定額制サービスは、自動発注サービスを含む。自動発注サービスは、プリンタ10の印刷実行部16に装着されている専用カートリッジ内のインクの残量が所定残量以下になる場合に、新たな専用カートリッジを自動的に発注するサービスである。なお、変形例では、サーバ200は、定額制サービスに代えて、所定期間(例えば、1ヶ月)におけるプリンタ10によって印刷される印刷用紙の枚数に応じた金額を課金する従量制の課金サービスを提供してもよい。
【0016】
サーバ200は、通信I/F218と、制御部230と、を備える。通信I/F218は、インターネット6に接続されている。制御部230は、CPU232と、メモリ234と、を備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム236に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ234は、さらに、顧客テーブル238と、プリンタテーブル240と、を記憶している。
【0017】
(決済サーバ300の構成)
決済サーバ300は、銀行及びクレジットカード会社と連携する決済事業者によってインターネット6上に設置される。決済サーバ300は、定額制サービスの代金を決済するサーバである。決済サーバ300のメモリ334には、管理テーブル338が記憶されている。
【0018】
(各テーブルの構成;
図2)
続いて、
図2を参照して、サーバ200内の顧客テーブル238及びプリンタテーブル240と、決済サーバ300内の管理テーブル338と、の内容を説明する。
【0019】
サーバ200の顧客テーブル238は、プリンタを管理する顧客に関する情報を管理するためのテーブルである。なお、顧客は、プリンタを管理する管理者であるとともに、当該プリンタを利用するユーザでもある。変形例では、顧客は、プリンタを管理する管理者であるが、当該プリンタを利用しなくてもよい。顧客テーブル238では、顧客を識別するための顧客名(例えば、U1、U2)と、パスワード(例えば、PW1、PW2)と、シリアル番号(例えば、SN1、SN2)と、トークン(例えば、tk1、tk2)と、当該顧客の住所を示す住所情報(例えば、AD1、AD2)と、支払情報と、契約情報と、が関連付けて記憶されている。トークンは、プリンタ10とサーバ200との間にXMPP接続(eXtensible Messaging and Presence Protocolの略)を確立するための認証情報である。XMPP接続は、いわゆる常時接続であり、プリンタ10の電源が切断されるまで確立され続ける接続である。サーバ200は、XMPP接続を利用すれば、プリンタ10から要求を受信しなくても、プリンタ10が所属するLANのファイヤウォールを越えて、プリンタ10に要求を送信することができる。なお、サーバ200からプリンタ10に要求を送信する仕組みは、XMPP接続ではなく、他の手法であってもよい。例えば、プリンタ10とサーバ200との間にHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secureの略)接続が確立されてもよい。支払情報は、種類情報と、クレジットカードのカード番号(例えば、CN1)又は銀行口座の口座番号(例えば、AN1)と、識別番号(例えば、IN1、IN2)と、を含む。種類情報は、クレジットカードを利用した決済(以下では、「カード決済」と記載する)が実行されることを示す「カード」と、銀行口座を利用した決済(以下では、「口座決済」と記載する)が実行されることを示す「口座」と、のうちのいずれかを示す。識別番号は、決済サーバ300によって生成される情報であり、カード番号、口座番号を識別するための情報である。契約情報は、定額制サービスに加入済みであることを示す「加入済」と、定額制サービスに加入していないことを示す「未加入」と、のうちのいずれかを示す。
【0020】
サーバ200のプリンタテーブル240は、定額制サービスに加入している顧客によって管理されるプリンタの状態を管理するためのテーブルである。プリンタテーブル240では、シリアル番号と、プリンタ状態と、が関連付けて記憶されている。プリンタ状態は、専用カートリッジ及び汎用カートリッジを利用した印刷が許容されているアクティブ状態に対応する「アクティブ」と、専用カートリッジを利用した印刷が禁止されており、汎用カートリッジを利用した印刷が許容されているストップ状態に対応する「ストップ」と、のうちのいずれかを示す。
【0021】
決済サーバ300の管理テーブル338は、決済に必要な情報を管理するためのテーブルである。管理テーブル338では、識別番号と、カード番号又は口座番号と、が関連付けて記憶されている。
【0022】
(カード課金処理、口座課金処理;
図3~
図6)
図3~
図6を参照して、サーバ200のCPU232によって実行されるカード課金処理及び口座課金処理について説明する。カード課金処理は、カード決済を実行して顧客に課金する処理である。口座課金処理は、口座決済を実行して顧客に課金する処理である。CPU232は、特定のタイミング(例えば、月末日)において、カード課金処理又は口座課金処理を開始する。CPU232は、顧客テーブル238内の1以上のシリアル番号のうちの1つのシリアル番号(以下では、「対象シリアル番号」と記載する)を特定し、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている種類情報を特定する。CPU232は、特定済みの種類情報が「カード」である場合に、カード課金処理(
図3参照)を開始する。一方、CPU232は、特定済みの種類情報が「口座」である場合に、口座課金処理(
図5参照)を実行する。以下の各通信は、通信I/F18、218を介して実行される。従って、以下の説明では、「通信I/F18、218を介して」という記載を省略する。
【0023】
(カード課金処理;
図3)
図3を参照して、サーバ200のCPU232によって実行されるカード課金処理について説明する。S10において、CPU232は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている識別番号(以下では、「対象識別番号」と記載する)を特定し、対象識別番号を含むカード決済要求を決済サーバ300に送信する。カード決済要求は、カード決済を要求するための信号である。決済サーバ300は、サーバ200からカード決済要求を受信すると、当該要求内の対象識別番号を特定し、管理テーブル338において、対象識別番号に関連付けて記憶されているカード番号(以下では、「対象カード番号」と記載する)を特定する。そして、決済サーバ300は、対象カード番号を利用して、クレジットカードサーバ400とのカード決済を実行する。決済サーバ300は、カード決済が成功する場合に、成功情報を含む決済結果をサーバ200に送信し、カード決済が失敗する場合に、失敗情報を含む決済結果をサーバ200に送信する。
【0024】
S12において、CPU232は、決済サーバ300から決済結果を受信する。
【0025】
S14において、CPU232は、受信済みの決済結果が成功情報を含むのか否かを判断する。CPU232は、受信済みの決済結果が成功情報を含む場合(S14でYES)に、
図3の処理を終了し、受信済みの決済結果が成功情報を含まない場合(S14でNO)に、S20に進む。
【0026】
S20において、CPU232は、決済要求を決済サーバ300に送信してから第1所定期間(例えば、4日)が経過することを監視する。CPU232は、第1所定期間が経過する場合に、S20でYESと判断し、S22に進む。
【0027】
S22~S26は、S10~S14と同様である。CPU232は、S26でYESと判断する場合に、
図3の処理を終了し、S26でNOと判断する場合に、S20に戻る。
【0028】
CPU232は、S20の監視と同時的に、S30において、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第2所定期間(例えば、14日)が経過することを監視する。即ち、CPU232は、S10の時点から第2所定期間が経過することを監視する。CPU232は、第2所定期間が経過する場合に、S30でYESと判断し、S32に進む。
【0029】
S32において、CPU232は、第1ストップ処理(
図4参照)を実行する。第1ストップ処理は、対象シリアル番号を有するプリンタ(以下では、「対象プリンタ」と記載する)の状態を変更するための処理である。CPU232は、S32が終了すると、
図3の処理を終了する。上述のように、CPU232は、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第2所定期間が経過するまでの間、決済要求を決済サーバ300に送信してから第1所定期間が経過する毎に、S22~S26の処理を実行する。
【0030】
(第1ストップ処理;
図4)
図4を参照して、
図3のS32で実行される第1ストップ処理について説明する。S50において、CPU232は、ストップ要求を対象プリンタに送信する。ストップ要求は、対象プリンタの状態をストップ状態に移行させることを要求するための信号である。また、CPU232は、プリンタテーブル240において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されているプリンタ状態を「アクティブ」から「ストップ」に変更する。対象プリンタは、サーバ200からストップ要求を受信すると、対象プリンタの状態をアクティブ状態からストップ状態に移行させる。対象プリンタを管理する顧客は、対象プリンタによる専用カートリッジを利用した印刷が禁止されているために、カード決済が失敗したことを知ることができる。
【0031】
上述のように、サーバ200は、決済サーバ300から受信される決済結果が失敗情報を含む場合(
図3のS14でNO)に、ストップ要求を対象プリンタに送信し(
図4のS50)、当該決済結果が成功情報を含む場合(
図3のS14でYES)に、ストップ要求を対象プリンタに送信しない。従って、カード決済の結果に応じて、対象プリンタによる印刷を禁止するのか否かを適切に切り替えることができる。
【0032】
S60において、CPU232は、端末装置100から、新たなカード番号を含む第1のカード登録要求を受信することを監視する。第1のカード登録要求は、カード番号の登録を要求するための信号である。CPU232は、端末装置100から第1のカード登録要求が受信される場合に、S60でYESと判断して、S62に進む。
【0033】
S62において、CPU232は、カード番号登録処理を実行する。カード番号登録処理は、新たなカード番号、及び、新たな識別番号を、サーバ200の顧客テーブル238及び決済サーバ300の管理テーブル338に記憶させるための処理である。
【0034】
S64~S68は、
図3のS10~S14と同様である。CPU232は、S68でYESと判断する場合に、S70に進み、S68でNOと判断する場合に、S60に戻る。
【0035】
S70において、CPU232は、アクティブ要求を対象プリンタに送信する。アクティブ要求は、プリンタの状態をアクティブ状態に移行させることを要求するための信号である。対象プリンタは、サーバ200からアクティブ要求を受信すると、対象プリンタの状態をストップ状態からアクティブ状態に移行させる。CPU232は、S70が終了すると、
図4の処理を終了する。
【0036】
また、CPU232は、S60の監視と同時的に、S80において、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第3所定期間(例えば、30日)が経過することを監視する。CPU232は、第3所定期間が経過する場合に、S80でYESと判断し、S82に進む。
【0037】
S82において、CPU232は、第1解約処理を実行する。第1解約処理は、顧客テーブル238を更新する第1テーブル処理と、プリンタテーブル240を更新する第2テーブル処理と、解約要求を対象プリンタに送信する送信処理と、を含む。解約要求は、対象プリンタの状態を、未加入状態に移行させることを要求するための信号である。未加入状態は、専用カートリッジを利用した印刷が禁止されており、汎用カートリッジを利用した印刷が許容されている状態である。第1テーブル処理において、CPU232は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号と、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている各情報(トークン、住所情報、及び、支払情報)と、を消去する。また、CPU232は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている契約情報を「加入済」から「未加入」に変更する。第2テーブル処理において、CPU232は、プリンタテーブル240において、対象シリアル番号と、対象シリアル番号に関連付けて記憶されているプリンタ状態と、を消去する。このように、対象プリンタを管理する顧客の契約が自動的に解約される。CPU232は、S82の処理が終了すると、
図4の処理を終了する。
【0038】
(口座課金処理;
図5)
図5を参照して、サーバ200のCPU232によって実行される口座課金処理について説明する。S90において、CPU232は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている対象識別番号を特定し、対象識別番号を含む口座決済要求を決済サーバ300に送信する。口座決済要求は、口座決済を要求するための信号である。決済サーバ300は、サーバ200から口座決済要求を受信すると、当該要求内の対象識別番号を特定し、管理テーブル338において、対象識別番号に関連付けて記憶されている口座番号(以下では、「対象口座番号」と記載する)を特定する。そして、決済サーバ300は、対象口座番号を利用して、銀行サーバ500との口座決済を実行する。カード決済とは異なり、口座決済が完了するまでには数日(例えば、5日)を要する。このため、決済サーバ300は、銀行サーバ500から、口座決済の結果を示す照会結果が受信されるよりも前に、成功情報を含む決済結果をサーバ200に送信する。即ち、
図5における決済結果内の成功情報は、口座決済が成功したことを意味しないダミーの情報である。
【0039】
S94において、CPU232は、決済サーバ300から照会結果を受信することを監視する。照会結果は、口座決済が完了することに応じて、銀行サーバ500から決済サーバ300に送信される信号である。照会結果は、口座決済が成功したことを示す成功情報と、口座決済が失敗したことを示す失敗情報と、のうちのいずれかを含む。決済サーバ300は、銀行サーバ500から決済結果が受信される場合に、決済結果をサーバ200に送信する。サーバ200は、決済サーバ300から照会結果が受信される場合に、S94でYESと判断し、S96に進む。
【0040】
S96において、CPU232は、受信済みの照会結果が成功情報を含むのか否かを判断する。CPU232は、受信済みの照会結果が成功情報を含む場合(S96でYES)に、
図5の処理を終了し、受信済みの照会結果が成功情報を含まない場合(S96でNO)に、S100に進む。
【0041】
S100において、CPU232は、決済サーバ300から照会結果を受信してから第4所定期間(例えば、2日)が経過することを監視する。CPU232は、第4所定期間が経過する場合に、S100でYESと判断し、S102に進む。
【0042】
S102~S108は、S90~S96と同様である。CPU232は、S108でYESと判断する場合に、
図5の処理を終了し、S108でNOと判断する場合に、S110に進む。
【0043】
S110において、CPU232は、口座決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第5所定期間(例えば、14日)が経過しているのか否かを判断する。CPU232は、第5所定期間が経過していると判断する場合(S110でYES)に、S112に進み、第5所定期間が経過していないと判断する場合(S110でNO)に、S100に戻る。
【0044】
S112において、CPU232は、第2ストップ処理(
図6参照)を実行する。第2ストップ処理は、対象プリンタの状態を変更するための処理である。CPU232は、S112が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0045】
(第2ストップ処理;
図6)
図6を参照して、
図5のS112で実行される第2ストップ処理について説明する。S130は、
図4のS50と同様である。対象プリンタを管理する顧客は、対象プリンタによる専用カートリッジを利用した印刷が禁止されているために、口座決済が失敗したことを知ることができる。
【0046】
上述のように、サーバ200は、決済サーバ300から成功情報を含む照会結果が受信されることなく、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第5所定期間が経過する場合(
図5のS110でYES)に、ストップ要求を対象プリンタに送信する。決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第5所定期間が経過しても、成功情報を含む照会結果が受信されない場合、その後に、口座決済が成功するようになる可能性は低い。このため、対象プリンタの状態をストップ状態に移行させることが適切である。従って、プリンタの状態を適切に切り替えることができる。
【0047】
S140において、CPU232は、端末装置100から、新たな口座番号を含む第1の口座登録要求を受信することを監視する。第1の口座登録要求は、口座番号の登録を要求するための信号である。CPU232は、端末装置100から第1の口座登録要求が受信される場合に、S140でYESと判断して、S142に進む。
【0048】
S142において、CPU232は、口座情報登録処理を実行する。口座番号登録処理は、新たな口座番号及び新たな識別番号を、サーバ200の顧客テーブル238及び決済サーバ300の管理テーブル338に記憶させるための処理である。
【0049】
S144、S146は、それぞれ、
図5のS90、S92と同様である。S148は、
図4のS70と同様である。S150、S152は、それぞれ、
図5のS94、S96と同様である。CPU232は、S152でYESと判断する場合に、
図6の処理を終了し、S152でNOと判断する場合に、S130に戻る。
【0050】
上述のように、サーバ200は、ストップ要求を対象プリンタに送信した後に、端末装置100から新たな口座番号を含む第1の口座登録要求を受信する場合(S140でYES)に、口座決済要求を決済サーバ300に送信する(S144)。そして、サーバ200は、決済サーバ300から決済結果を受信する場合(S146)に、アクティブ要求を対象プリンタに送信する(S148)。このような構成によると、顧客は、対象プリンタの状態がストップ状態となった後に、対象プリンタの状態をアクティブ状態に戻すことができる。従って、顧客の利便性が向上する。
【0051】
また、上述のように、サーバ200は、アクティブ要求を対象プリンタに送信した後に、決済サーバ300から失敗情報を含む照会結果を受信する場合(S150でYES、S152でNO)に、ストップ要求を対象プリンタに送信し(S130)、アクティブ要求を対象プリンタに送信した後に、決済サーバ300から成功情報を含む照会結果を受信する場合(S150でYES、S152でYES)に、ストップ要求を対象プリンタに送信しない。照会結果が失敗情報を含む場合、新たな口座番号を利用した口座決済が失敗している。この場合、対象プリンタの状態をストップ状態に移行させることが適切である。従って、対象プリンタの状態を適切に切り替えることができる。
【0052】
また、CPU232は、S140の監視と同時的に、S160において、口座決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第6所定期間(例えば、30日)が経過することを監視する。CPU232は、第6所定期間が経過する場合に、S160でYESと判断し、S162に進む。
【0053】
S162において、CPU232は、第2解約処理を実行する。第2解約処理は、顧客テーブル238及び管理テーブル338から口座番号が消去される点を除いて、
図4のS82の第1解約処理と同様である。CPU232は、S162の処理が終了すると、
図6の処理を終了する。
【0054】
(具体的なケース;
図7~
図9)
図7~
図9を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースについて説明する。以下では、理解の容易化のために、各デバイスのCPU(例えばプリンタ10AのCPU32)が実行する動作を、CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えばプリンタ10A)を主体として記載する。
【0055】
(ケースA;
図7)
図7を参照して、カード決済が実行されるケースAについて説明する。ケースAの初期状態では、プリンタ10A及び端末装置100Aを利用する顧客が定額制サービスに加入済みである。このため、サーバ200の顧客テーブル238では、顧客名U1と、パスワードPW1と、シリアル番号SN1と、トークンtk1と、住所情報AD1と、種類情報「カード」と、カード番号CN1と、識別番号IN1と、契約情報「加入済」と、が関連付けて記憶されている。サーバ200のプリンタテーブル240では、シリアル番号SN1と、プリンタ状態「アクティブ」と、が関連付けて記憶されている。決済サーバ300の管理テーブル338では、識別番号IN1と、カード番号CN1と、が関連付けて記憶されている。
【0056】
サーバ200は、特定のタイミングが到来すると、顧客テーブル238内のシリアル番号SN1を特定し、顧客テーブル238において、種類情報「カード」がシリアル番号SN1に関連付けて記憶されていると判断し、カード課金処理(
図3参照)を開始する。サーバ200は、顧客テーブル238において、シリアル番号SN1に関連付けて記憶されている識別番号IN1を特定し、T10において、識別番号IN1を含むカード決済要求を決済サーバ300に送信する(
図3のS10)。
【0057】
決済サーバ300は、T10において、サーバ200からカード決済要求を受信すると、管理テーブル338において、当該要求内の識別番号IN1に関連付けて記憶されているカード番号CN1を特定する。決済サーバ300は、T12において、カード番号CN1を利用して、クレジットカードサーバ400とのカード決済を実行する。本ケースでは、現在日時が、カード番号CN1を有するクレジットカードの有効期限よりも後の状況を想定する。この場合、決済サーバ300は、クレジットカードサーバ400から、カード決済が失敗したことを示す失敗情報を受信し、T14において、失敗情報を含む決済結果をサーバ200に送信する。
【0058】
サーバ200は、T14において、決済サーバ300から決済結果を受信すると(S12)、受信済みの決済結果が成功情報を含まないと判断し(S14でNO)、カード課金処理(
図3参照)を終了しない。サーバ200は、T20において、決済要求を決済サーバ300に送信してから第1所定期間が経過したと判断し(S20でYES)、T30において、識別番号IN1を含むカード決済要求を決済サーバ300に再送信する(S22)。T32、T34は、それぞれ、T12、T14と同様である。その後、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第2所定期間が経過するまでの間、決済要求を決済サーバ300に送信してから第1所定期間が経過する毎に、サーバ200、決済サーバ300、及び、クレジットカードサーバ400の間で、T30~T34と同様の処理が実行される。サーバ200は、T40において、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第2所定期間が経過したと判断し(S30でYES)、T42において、シリアル番号SN1を有するプリンタ10Aにストップ要求を送信する(
図4のS50)。サーバ200は、T42において、さらに、プリンタテーブル240において、シリアル番号SN1に関連付けて記憶されているプリンタ状態を「アクティブ」から「ストップ」に変更する。
【0059】
プリンタ10Aは、T42において、サーバ200からストップ要求を受信すると、T44において、プリンタ10Aの状態をアクティブ状態からストップ状態に移行させる。これにより、専用カートリッジを利用した印刷が禁止される。
【0060】
端末装置100Aは、T50において、顧客名U1及びパスワードPW1の入力を含むログイン操作を受け付けると、T52において、顧客名U1及びパスワードPW1を利用して、サーバ200とのログイン処理を実行する。ログイン処理において、サーバ200は、顧客名U1及びパスワードPW1を利用した認証を実行し、当該認証が成功する場合に、トップ画面データを端末装置100Aに送信する。端末装置100Aは、サーバ200からトップ画面データを受信すると、トップ画面データによって表わされるトップ画面を表示する。トップ画面は、様々な情報を設定するための画面である。端末装置100Aは、T54において、新たなカード番号CN2を入力するカード登録操作を受け付けると、T56において、カード番号CN2を含む第1のカード登録要求をサーバ200に送信する。
【0061】
サーバ200は、T56において、端末装置100Aから第1のカード登録要求を受信すると(S60でYES)、決済サーバ300とのカード番号登録処理(T58~T66)を実行する(S62)。サーバ200は、T58において、第1のカード登録要求内のカード番号CN2を含む第2のカード登録要求を決済サーバ300に送信する。
【0062】
決済サーバ300は、T58において、サーバ200から第2のカード登録要求を受信すると、T60において、新たな識別番号IN3を生成して、T62において、管理テーブル338を更新する。決済サーバ300は、生成済みの識別番号IN3と、第2のカード登録要求内のカード番号CN2と、を関連付けて管理テーブル338に記憶する。決済サーバ300は、T64において、識別番号IN3をサーバ200に送信する。
【0063】
サーバ200は、T64において、決済サーバ300から識別番号IN3を受信すると、T66において、顧客テーブル238を更新する。サーバ200は、顧客テーブル238において、ログイン中の顧客の顧客名U1に関連付けて記憶されているカード番号CN1、識別番号IN1を、それぞれ、カード番号CN2、識別番号IN3に変更する。次いで、サーバ200は、T70において、識別番号IN3を含むカード決済要求を決済サーバ300に送信する(S64)。
【0064】
決済サーバ300は、T70において、サーバ200からカード決済要求を受信すると、管理テーブル338において、当該要求内の識別番号IN3に関連付けて記憶されているカード番号CN2を特定し、T72において、カード番号CN2を利用して、クレジットカードサーバ400とのカード決済を実行する。カード番号CN2を有するクレジットカードの有効期限が現在日時よりも後であるために、カード番号CN2を利用したカード決済は成功する。この場合、決済サーバ300は、クレジットカードサーバ400から、カード決済が成功したことを示す成功情報を受信し、T74において、成功情報を含む決済結果をサーバ200に送信する。
【0065】
サーバ200は、T74において、決済サーバ300から決済結果を受信すると(S66)、受信済みの決済結果が成功情報を含むと判断し(S68でYES)、T80において、アクティブ要求をプリンタ10Aに送信する(S70)。
【0066】
プリンタ10Aは、T80において、サーバ200からアクティブ要求を受信すると、T82において、プリンタ10Aの状態をストップ状態からアクティブ状態に移行させる。これにより、端末装置100Aの顧客等は、専用カートリッジを利用した印刷を再び実行できるようになる。
【0067】
(ケースB;
図8、
図9)
図8を参照して、口座決済が実行されるケースBについて説明する。ケースBの初期状態では、プリンタ10B及び端末装置100Bを利用する顧客が定額制サービスに加入済みである。このため、サーバ200の顧客テーブル238では、顧客名U2と、パスワードPW2と、シリアル番号SN2と、トークンtk2と、住所情報AD2と、種類情報「口座」と、口座番号AN1と、識別番号IN2と、契約情報「加入済」と、が関連付けて記憶されている。サーバ200のプリンタテーブル240では、シリアル番号SN2と、プリンタ状態「アクティブ」と、が関連付けて記憶されている。決済サーバ300の管理テーブル338では、識別番号IN2と、口座番号AN1と、が関連付けて記憶されている。
【0068】
サーバ200は、特定のタイミングが到来すると、顧客テーブル238内のシリアル番号SN2を特定し、顧客テーブル238において、種類情報「口座」がシリアル番号SN2に関連付けて記憶されていると判断し、口座課金処理(
図5参照)を開始する。サーバ200は、顧客テーブル238において、シリアル番号SN2に関連付けて記憶されている識別番号IN2を特定し、T110において、識別番号IN2を含む口座決済要求を決済サーバ300に送信する(
図5のS90)。
【0069】
決済サーバ300は、T110において、サーバ200から口座決済要求を受信すると、管理テーブル338において、当該要求内の識別番号IN2に関連付けて記憶されている口座番号AN1を特定する。決済サーバ300は、T112において、口座番号AN1を利用して、銀行サーバ500との口座決済を実行する。上述のように、口座決済が完了するまでには、数日を要する。このため、決済サーバ300は、銀行サーバ500から照会結果が受信されるよりも前に、T114において、成功情報を含む決済結果をサーバ200に送信する。
【0070】
サーバ200は、T114において、決済サーバ300から決済結果を受信する(S92)。
【0071】
本ケースでは、口座番号AN1を有する銀行口座の預金額が不足しているために、口座決済が失敗する状況を想定する。決済サーバ300は、口座決済が開始されてから数日が経過した後のT120において、銀行サーバ500から失敗情報を含む照会結果を受信すると、T122において、失敗情報を含む照会結果をサーバ200に送信する。
【0072】
サーバ200は、T122において、決済サーバ300から照会結果を受信すると、受信済みの照会結果が成功情報を含まないと判断し(S96でNO)、口座課金処理を終了しない。サーバ200は、T124において、決済サーバ300から照会結果を受信してから第4所定期間が経過したと判断し(S100でYES)、T130において、識別番号IN2を含む口座決済要求を決済サーバ300に再送信する(S102)。T132、T134、T140、T142は、それぞれ、T112、T114、T120、T122と同様である。その後、口座決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第5所定期間が経過するまでの間、サーバ200が決済サーバ300から照会結果を受信してから第4所定期間が経過する毎に、サーバ200、決済サーバ300、及び、銀行サーバ500の間で、T130~T142と同様の処理が実行される。サーバ200は、T150において、決済要求を決済サーバ300に最初に送信してから第5所定期間が経過したと判断し(S110でYES)、T152において、シリアル番号SN2を有するプリンタ10Bにストップ要求を送信する(
図6のS130)。サーバ200は、T152において、さらに、プリンタテーブル240において、シリアル番号SN2に関連付けて記憶されているプリンタ状態を「アクティブ」から「ストップ」に変更する。
【0073】
T154は、
図7のT44と同様である。T160、T162は、顧客名U2、パスワードPW2が利用される点、及び、通信対象が端末装置100Bである点を除いて、それぞれ、T50、T52と同様である。端末装置100Bは、T164において、新たな口座番号AN2を入力する口座登録操作を受け付けると、T166において、口座番号AN2を含む第1の口座登録要求をサーバ200に送信する。
【0074】
サーバ200は、T166において、端末装置100Bから第1の口座登録要求を受信すると、決済サーバ300との口座番号登録処理(T168~T176)を実行する(S142)。サーバ200は、T168において、第1の口座登録要求内の口座番号AN2を含む第2の口座登録要求を決済サーバ300に送信する。
【0075】
決済サーバ300は、T168において、サーバ200から第2の口座登録要求を受信すると、T170において、新たな識別番号IN4を生成して、T172において、管理テーブル338を更新する。決済サーバ300は、生成済みの識別番号IN4と、第2の口座登録要求内の口座番号AN2と、を関連付けて管理テーブル338に記憶する。決済サーバ300は、T174において、識別番号IN4をサーバ200に送信する。
【0076】
サーバ200は、T174において、決済サーバ300から識別番号IN4を受信すると、T176において、顧客テーブル238を更新する。サーバ200は、顧客テーブル238において、ログイン中の顧客の顧客名U2に関連付けて記憶されている口座番号AN1、識別番号IN2を、それぞれ、口座番号AN2、識別番号IN4に変更する。次いで、サーバ200は、
図9のT180において、識別番号IN4を含む口座決済要求を決済サーバ300に送信する(S144)。
【0077】
決済サーバ300は、T180において、サーバ200から口座決済要求を受信すると、管理テーブル338において、当該要求内の識別番号IN4に関連付けて記憶されている口座番号AN2を特定し、T182において、口座番号AN2を利用して、銀行サーバ500との口座決済を実行する。T184は、
図7のT114と同様である。T190、T192は、それぞれ、
図7のT80、T82と同様である。口座番号AN2を有する銀行口座の預金額が十分であるために、口座番号AN2を利用した口座決済は成功する。この場合、決済サーバ300は、T200において、銀行サーバ500から、成功情報を含む照会結果を受信し、T202において、成功情報を含む照会結果をサーバ200に送信する。
【0078】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、サーバ200は、決済サーバ300から受信される照会結果が失敗情報を含む場合(
図5のS96でNO)に、ストップ要求を対象プリンタに送信する(
図6のS130)。一方、サーバ200は、当該照会結果が成功情報を含む場合(
図5のS96でYES)に、ストップ要求を対象プリンタに送信しない。従って、対象プリンタによる印刷を禁止するのか否かを適切に切り替えることができる。
【0079】
(対応関係)
定額制サービスが、「プリンタに関連する課金サービス」の一例である。プリンタ10Bが、「第1のプリンタ」の一例である。プリンタ10Bを管理する顧客が、「第1の顧客」の一例である。口座番号AN1が、「第1種の決済情報」の一例である。識別番号IN2が、「第1の決済関連情報」の一例である。口座決済が、「第1の決済」の一例である。口座課金処理で通信される決済結果内の成功情報が、「仮の成功情報」の一例である。
図5のS94の照会結果が、「第1の結果情報」の一例である。ストップ要求が、「第1の移行要求」の一例である。アクティブ状態が、「許容状態」の一例である。ストップ状態が、「禁止状態」の一例である。
図6のS140の第1の口座登録要求内の口座番号が、「新たな第1種の決済情報」の一例である。
図6のS144の口座決済要求内の識別番号が、「第2の決済関連情報」の一例である。
図6のS144の口座決済要求が、「第2の決済要求」の一例である。口座決済が、「第2の決済」の一例である。アクティブ要求が、「第2の移行要求」の一例である。
図6のS150の照会結果が、「第2の結果情報」の一例である。第5所定期間が、「特定期間」の一例である。プリンタ10Aが、「第2のプリンタ」の一例である。プリンタ10Aを管理する顧客が、「第2の顧客」の一例である。カード番号CN1が、「第2種の決済情報」の一例である。識別番号IN1が、「第3の決済関連情報」の一例である。口座決済が、「第1の決済」の一例である。口座課金処理で通信される決済結果内の成功情報が、「仮の成功情報」の一例である。
図5のS94の照会結果が、「第1の結果情報」の一例である。ストップ要求が、「第1の移行要求」の一例である。
図3のS10のカード決済要求が、「第3の決済要求」の一例である。カード決済が、「第3の決済」の一例である。
図3のS12の決済結果が、「第3の結果情報」の一例である。ストップ要求が、「第4の移行要求」の一例である。
【0080】
図5のS90が、「第1の決済要求送信部」によって実行される処理の一例である。
図5のS92が、「仮の成功情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図5のS94が、「第1の結果情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図6のS130が、「第1の移行要求送信部」によって実行される処理の一例である。
【0081】
(第2実施例)
続いて、第2実施例について説明する。本実施例において、サーバ200のCPU232は、
図6の処理に代えて、
図10の処理を実行する。
【0082】
S230、S240~S246は、それぞれ、
図6のS130、S140~S146と同様である。S248において、CPU232は、制限要求を対象プリンタに送信する。制限要求は、プリンタの状態を制限状態に移行させることを要求するための信号である。制限状態は、専用カートリッジを利用した印刷枚数の上限(例えば100枚)が設定されている状態である。S250、S252、S254は、それぞれ、
図6のS150、S152、S148と同様である。CPU232は、S254が終了すると、
図10の処理を終了する。S260、S262は、それぞれ、
図6のS160、S162と同様である。
【0083】
上述のように、サーバ200は、端末装置100から新たな口座番号を含む第1の口座登録要求を受信し(S240でYES)、口座決済要求を決済サーバ300に送信する(S244)ことに応じて、決済サーバ300から決済結果を受信する場合(S246)に、制限要求を対象プリンタに送信する(S248)。決済サーバ300から決済結果が受信された時点では、新たな口座番号を利用した口座決済が成功するのか否かが分からない。このような状況において、対象プリンタによる専用カートリッジを利用した印刷を許容するよりも、対象プリンタによる専用カートリッジを利用した印刷を許容することが望ましい。従って、対象プリンタの状態を適切に切り替えることができる。
【0084】
(具体的なケース;
図11)
図11を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0085】
(ケースC;
図11)
図11を参照して、口座決済が実行されるケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、
図8、
図9のケースBの初期状態と同様である。
【0086】
まず、端末装置100B、サーバ200、決済サーバ300、及び、銀行サーバ500の間で、
図8のT110~T176と同様の処理が実行される。T310~T314は、
図9のT180~T184と同様である。サーバ200は、T320において、プリンタ10Bに制限要求を送信する(
図10のS248)
【0087】
プリンタ10Bは、T320において、サーバ200から制限要求を受信すると、T322において、プリンタ10Bの状態をストップ状態から制限状態に移行させる。T330、T332、T340は、それぞれ、
図8のT200、T202、T190と同様である。プリンタ10Bは、T340において、サーバ200からアクティブ要求を受信すると、T342において、プリンタ10Bの状態を制限状態からアクティブ状態に移行させる。これにより、専用カートリッジを利用した印刷の制限が解除される。
【0088】
(対応関係)
制限要求が、「第3の移行要求」の一例である。
【0089】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0090】
(第1変形例)サーバ200は、単一のサーバによって構成されていてもよいし、複数個のサーバを有していてもよい。例えば、サーバ200は、プリンタ10との通信を実行する第1のサーバと、決済サーバ300との通信を実行する第2のサーバと、によって構成されていてもよい。
【0091】
(第2変形例)サーバ200の顧客テーブル238、及び、決済サーバ300の管理テーブル338が、識別番号を含んでいなくてもよい。本変形例では、
図3のS10等のカード決済要求は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されているカード番号を含む。また、
図5のS90等の口座決済要求は、顧客テーブル238において、対象シリアル番号に関連付けて記憶されている口座番号を含む。本変形例では、口座番号が、「第1の決済関連情報」、「第2の決済関連情報」の一例である。また、カード番号が、「第3の決済関連情報」の一例である。
【0092】
(第3変形例)第1実施例において、
図6のS140~S152を省略可能である。本変形例では、サーバ200は、サーバ200の管理者から、アクティブ要求を対象プリンタに送信させるための操作を受け付ける場合に、アクティブ要求を対象プリンタに送信すればよい。本変形例では、「第2の決済要求送信部」、「第2の移行要求送信部」、「第2の結果情報受信部」を省略可能である。
【0093】
(第4変形例)第2実施例において、
図10のS240~S254を省略可能である。本変形例では、サーバ200は、サーバ200の管理者から、アクティブ要求を対象プリンタに送信させるための操作を受け付ける場合に、アクティブ要求を対象プリンタに送信し、サーバ200の管理者から、制限要求を対象プリンタに送信させるための操作を受け付ける場合に、制限要求を対象プリンタに送信すればよい。本変形例では、「第2の決済要求送信部」、「第2の移行要求送信部」、「第3の移行要求送信部」を省略可能である。
【0094】
(第5変形例)
図5のS100~S110を省略可能である。本変形例では、サーバ200のCPU232は、S96でNOと判断する場合に、S112の処理を実行する。
【0095】
(第6変形例)口座決済のみが実行される環境下では、
図3、及び、
図4を省略可能である。本変形例では、「第3の決済要求送信部」、「第3の結果情報受信部」、「第4の移行要求送信部」を省略可能である。
【0096】
(第7変形例)上記の各実施例では、
図3~
図11の各処理がソフトウェア(例えばプログラム36、236)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0097】
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0098】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記コンピュータプログラムは、コンピュータを、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部と、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部と、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の移行要求が前記第1のプリンタに送信された後に、端末装置から、新たな第1種の決済情報を受信する第1の決済情報受信部と、
前記端末装置から前記新たな第1種の決済情報が受信される場合に、前記新たな第1種の決済情報に関連する第2の決済関連情報を含む第2の決済要求であって、前記新たな第1種の決済情報を利用した第2の決済の実行を要求する前記第2の決済要求を前記決済サーバに送信する第2の決済要求送信部と、
として機能させ、
前記仮の成功情報受信部は、前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから前記仮の成功情報を受信し、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、第2の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第2の移行要求送信部であって、前記第2の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を前記禁止状態から前記許容状態に移行させることを要求するための信号である、前記第2の移行要求送信部として機能させる、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、前記決済サーバから、前記第2の決済の結果を示す第2の結果情報を受信する第2の結果情報受信部として機能させ、
前記第1の移行要求送信部は、
前記決済サーバから受信される前記第2の結果情報が、前記第2の決済が失敗したことを示す第2の失敗情報を含む場合に、前記第1のプリンタに前記第1の移行要求を送信し、
前記決済サーバから受信される前記第2の結果情報が、前記第2の決済が成功したことを示す第2の成功情報を含む場合に、前記第1のプリンタに前記第1の移行要求を送信しない、項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の決済要求が前記決済サーバに送信され、かつ、前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信される場合に、第3の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第3の移行要求送信部であって、前記第3の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、前記禁止状態から、印刷の実行が制限される制限状態に移行させることを要求するための信号である、前記第3の移行要求送信部として機能させる、項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記第1の決済要求送信部は、前記決済サーバから前記第1の失敗情報を含む前記第1の結果情報が受信される場合に、前記第1の決済要求を前記決済サーバに再送信し、
前記第1の移行要求送信部は、前記決済サーバから前記第1の成功情報を含む前記第1の結果情報が受信されることなく、前記第1の決済要求を前記決済サーバに最初に送信してから特定期間が経過する場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信する、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
第2の顧客によって登録される第2種の決済情報であって、前記第1種の決済情報とは異なる前記第2種の決済情報に関連する第3の決済関連情報を含む第3の決済要求であって、前記第2種の決済情報を利用した第3の決済の実行を要求する前記第3の決済要求を前記決済サーバに送信する第3の決済要求送信部と、
前記第3の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、第3の結果情報を受信する第3の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第3の結果情報が、前記第3の決済が失敗したことを示す第3の失敗情報を含む場合に、第4の移行要求を第2のプリンタに送信する第4の移行要求送信部であって、前記第4の移行要求は、前記第2のプリンタの状態を前記許容状態から前記禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第3の結果情報が、前記第3の決済が成功したことを示す第3の成功情報を含む場合に、前記第2のプリンタに前記第1の移行要求を送信しない、前記第4の移行要求送信部と、
として機能させる、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第1種の決済情報は、銀行口座の口座番号を示す情報であり、
前記第2種の決済情報は、クレジットカードのカード番号を示す情報である、項目6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
プリンタに関連する課金サービスを提供可能なサーバであって、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部と、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部と、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
を備える、サーバ。
(項目9)
サーバによって実行される方法であって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記方法は、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信ステップと、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから、仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信ステップと、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信ステップと、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信ステップであって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信ステップと、
を備える方法。
(項目10)
第1のプリンタと、サーバと、決済サーバと、銀行サーバと、を備える通信システムであって、
前記サーバは、プリンタに関連する課金サービスを提供可能であり、
前記サーバは、
第1の顧客によって登録される第1種の決済情報に関連する第1の決済関連情報を含む第1の決済要求であって、前記第1種の決済情報を利用した第1の決済の実行を要求する前記第1の決済要求を決済サーバに送信する第1の決済要求送信部を備え、
前記決済サーバは、
前記サーバから前記第1の決済要求が受信される場合に、前記銀行サーバとの前記第1の決済を実行する決済実行部と、
前記サーバに仮の成功情報を送信する仮の成功情報送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記第1の決済要求が前記決済サーバに送信されることに応じて、前記決済サーバから前記仮の成功情報を受信する仮の成功情報受信部を備え、
前記決済サーバは、
前記サーバに前記仮の成功情報が送信された後に、前記第1の決済の結果を示す第1の結果情報を前記サーバに送信する第1の結果情報送信部を備え、
前記サーバは、
前記決済サーバから前記仮の成功情報が受信された後に、前記決済サーバから前記第1の結果情報を受信する第1の結果情報受信部と、
前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が失敗したことを示す第1の失敗情報を含む場合に、第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信する第1の移行要求送信部であって、前記第1の移行要求は、前記第1のプリンタの状態を、印刷の実行が許容される許容状態から、印刷の実行が禁止される禁止状態に移行させることを要求するための信号であり、前記決済サーバから受信される前記第1の結果情報が、前記第1の決済が成功したことを示す第1の成功情報を含む場合に、前記第1の移行要求を前記第1のプリンタに送信しない、前記第1の移行要求送信部と、
を備え、
前記第1のプリンタは、
前記サーバから前記第1の移行要求を受信する第1の移行要求受信部と、
前記サーバから前記第1の移行要求が受信される場合に、前記第1のプリンタの状態を前記許容状態から前記禁止状態に移行させる移行部と、
を備える、通信システム。
【符号の説明】
【0099】
2:通信システム、6:インターネット、10A、10B:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、18:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、100A、100B:端末装置、200:サーバ、218:通信I/F、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、236:プログラム、238:顧客テーブル、240:プリンタテーブル、300:決済サーバ、334:メモリ、338:管理テーブル、400:クレジットカードサーバ、500:銀行サーバ